JP2020106142A - 作業車両 - Google Patents
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Description
すなわち、請求項1に記載の発明は、作業機(18)を作動させる油圧シリンダ(14a)と、前記油圧シリンダ(14a)に供給される油が収容される収容部(31)と、前記収容部(31)内に収容された油の上面よりも高い位置に配置されて、前記収容部(31)内で回転可能に支持された伝動部材(41+56)と、前記油圧シリンダ(14a)の排出部(14b)から延び、前記伝動部材(41+56)に排油を供給する供給部材(101)と、を備え、前記収容部(31)において、前記伝動部材(41+56)の下方に、前記収容部(31)内の油を上方に拡散する部材を有しないことを特徴とする作業車両である。
図1は本実施形態の作業車両の説明図である。
図1において、本発明の作業車両の一例としての農業機械のトラクタ1は、走行車体の前後部に前輪2,2と後輪3,3とを備え、走行車体前部のエンジンルーム4内に搭載したエンジンEの回転動力をトランスミッションケース5内の変速装置によって適宜減速して、これらを前輪2,2と後輪3,3に伝えるように構成している。前記エンジンルーム4はボンネット6で覆う構成である。また、機体後部にロータリ耕耘装置18などの作業機を装着し、PTO軸で作業機を駆動する構成としている。
トラクタ1の走行車体の後方にはロータリ耕耘装置18が連結されており、該ロータリ耕耘装置18は、耕耘部18aと、耕耘部18a上方を覆うメインカバー18bと、メインカバー18bの後部に枢着されたリヤカバー18c等を有する。
図2は本実施形態のミッションケースおよび油圧シリンダを側方から見た要部断面説明図である。
図2において、本実施形態のトランスミッションケース5は、収容部の一例としてのハウジング31を有する。ハウジング31は、ハウジング前部31aと、ハウジング中部31bと、ハウジング後部31cとを有する。ハウジング前部31aは、エンジンEに接続される。また、ハウジング中部31bとハウジング後部31cとは内部が接続されており、内部に油圧シリンダ14aの作動油が収容されている。
ハウジング前部31aとハウジング中部31bには、上下方向の中央部に、前後方向に延びる出力軸32が配置されている。出力軸32の中央部は、ハウジング前部31aの後壁33に軸受け33aを介して回転可能に支持されており、出力軸32の後端部は、ハウジング中部31bに形成された第2仕切り壁36に軸受け36aを介して回転可能に支持されている。出力軸32には、前端部にエンジンEからの駆動が伝達される。
出力軸32には、ハウジング中部31bの前側において、前後進駆動ギア41が支持されている。また、出力軸32には、後端部にPTO駆動ギア42が支持されている。PTO駆動ギア42は、歯数の異なる複数のギア部42a,42bを有する。
前記前後進駆動ギア41と前後進従動ギア56等により、伝動部材の一例としての前後進クラッチ41+56が構成されている。
第2の伝動軸61の前部には、主変速駆動ギア58に対応して、主変速従動ギア62が支持されている。本実施形態の主変速従動ギア62には、主変速駆動ギア58に対応して4つのギア部が軸方向に間隔をあけて配置されている。そして、主変速駆動ギア58が軸方向に移動して(主変速駆動ギア58と主変速従動ギア62が相対的に軸方向に移動して)、いずれかのギア部どうしが噛み合うことで、第1の伝動軸51の回転が、ギア部のギア比に応じて変速されて第2の伝動軸61に伝動される。
前記主変速駆動ギア58と主変速従動ギア62等により、伝動部材の一例としての主変速クラッチ58+62が構成されている。
第2の伝動軸61の上方には、前後方向に延びる第3の伝動軸66が配置されている。第3の伝動軸66は、前端が第3仕切り壁53に軸受け53cを介して回転可能に支持されている。また、第3の伝動軸66の後端は、第4仕切り壁67に軸受け67aを介して回転可能に支持されている。
第2の伝動軸61の後方には、第4の伝動軸71が配置されている。第4の伝動軸71は第2の伝動軸61の軸方向の延長上に配置されている。第4の伝動軸71の前端は、第2の伝動軸61の後端の凹部に挿入された状態で回転可能に支持されている。また、第4の伝動軸71の後端部は、第4仕切り壁67に軸受け67bを介して回転可能に支持されている。
前記副変速駆動ギア63、中間ギア68,69、副変速従動ギア73等により、伝動部材の一例としての副変速クラッチ63〜73が構成されている。
また、第4の伝動軸71の後端部には、後輪駆動ギア76が支持されている。後輪駆動ギア76には、図示しない歯車がかみ合っており、差動ギア(ディファレンシャル)等を介して、後輪3に駆動を伝達する。
前記PTO駆動ギア42とPTO従動ギア82等により、本実施形態のPTO変速クラッチ42+82が構成されている。
なお、PTO軸81の後端は、作業機に連結され、作業機の駆動に使用される。
したがって、本実施形態では、PTO軸81は、前後進クラッチ41+56の下方には配置されていない。したがって、前後進クラッチ41+56の下方には、回転する部材が存在せず、回転に伴って作動油(潤滑油)を拡散する部材(ギアやクラッチ、パドル、羽根等)も配置されていない。
前輪伝動軸86の後端部には、前輪従動ギア87が軸方向に移動可能且つ前輪伝動軸86と一体的に回転可能に支持されている。したがって、前輪従動ギア87が後方に移動して前輪中間ギア83の伝動ギア部83bに噛み合うと、前輪2に回転が伝達される。すなわち、4輪駆動(4WD)の状態となる。一方、前輪従動ギア87が伝動ギア部83bに噛み合わない状態では、前輪2に回転が伝達されず、後輪駆動(2輪駆動、2WD)の状態となる。
前記前輪駆動ギア74、前輪中間ギア83、前輪従動ギア87等により、伝動部材の一例としての前輪伝動クラッチ(2WD・4WD切替クラッチ)74,83,87が構成されている。
図2において、トランスミッションケース5の内側の上部には、油圧シリンダ14aの排出部14bから、前後進クラッチ41+56の上方まで延びる供給部材101が配置されている。図2、図3において、本実施形態の供給部材101は、上流側のアンロードパイプ102と、中流部の潤滑パイプ103と、下流部の供給パイプ104と、ブラケット部105とを有する。なお、本実施形態では、供給部材101の各パーツ102〜105は、金属で構成されている。
また、配管部102aが排出部(吐出口)14bに差し込まれることで、供給部材101を流動する作動油にエア(空気)が混入することを避けることも可能である。
また、このように構成することで、供給部材101に流れる作動油の流量も適量となり、適量を越える作動油が直接排出部14bから排出することともなる。よって、供給部材101から排出される作動油の流量や圧力も所定の範囲に制御しやすい。
特に、本実施形態では、潤滑パイプ103の上流端部が上方に向けて延びるように構成されている。油圧シリンダ14aをトランスミッションケース5に組み付ける場合、油圧シリンダ14aをトランスミッションケース5の上方から近づけて組み付けることとなる。したがって、アンロードパイプ102の下流端が下方に向き、潤滑パイプ103の上流端が上方に向いていれば、油圧シリンダ14aの組付け方向と一致するため、組立作業が容易になっている。
潤滑パイプ103の下流端部には、フランジ部103bが設けられている。
なお、本実施形態では、供給部材101の各パーツ102〜105を金属で構成したが、これに限定されない。例えば、潤滑パイプ103や供給パイプ104をゴム等の可撓性のある材料で構成することも可能である。可撓性のあるパイプを使用することで、配策や組付けが容易になる。なお、可撓性のあるパイプを使用する場合、アンロードパイプ102の下流端は、下向き(油圧シリンダ14aの組付け方向)ではなく、前方向きの方が可撓製パイプを組付けやすい。このとき、油圧シリンダ14aの組付け時には、パイプの可撓性を利用できるので組付け作業の妨げにもなりにくい。
他にも、供給パイプ104とブラケット部105とを溶接して一体物として構成することも可能である。
前記構成を備えた本実施形態のトランスミッションケース5および油圧シリンダ14aでは、油圧シリンダ14aから排出された作動油は、供給部材101を通じて、前後進クラッチ41+56に向けて排油される。したがって、前後進クラッチ41+56に作動油が潤滑油として供給されて潤滑される。
前後進クラッチ41+56に供給された作動油は、トランスミッションケース5の内部に流下して貯留される。トランスミッションケース5内に貯留された作動油は、その他の各クラッチ(58+62)、(63〜73)、(42+82)、(74,83,87)を構成するギアの潤滑油として使用される。また、トランスミッションケース5内に貯留された作動油は、油圧シリンダ14aに供給される場合は、図示しないポンプで供給される。
なお、本実施形態では、水平状態において、作動油は出力軸32の中心の高さと同程度の量が収容されていると想定している。
この時、特許文献1のように、供給部材101が設けられていない従来構成では、後側の油圧シリンダ14aから排出された作動油は、トランスミッションケース5の後側に流下することとなり、前側の前後進クラッチ41+56に作動油がかからない。また、前後進クラッチ41+56の下方には、作動油を汲み上げる部材が存在しないため、供給部材101が設けられていない従来構成では、オイルレベルが下がると貯留された作動油が前後進クラッチ41+56に供給されにくくなる。したがって、従来構成では、前後進クラッチ41+56の潤滑が円滑に行われず、前後進クラッチ41+56が焼き付く恐れがあった。
これに対して、本実施形態では、トラクタ1が上り坂で作業をしても、供給部材101から前後進クラッチ41+56に作動油が供給される。したがって、前後進クラッチ41+56の焼き付きが低減される。
14a…油圧シリンダ、
14b…排出部、
18…作業機、
31…収容部、
36…仕切り壁、
41+56…伝動部材、
101…供給部材、
103,104…供給部材の本体、
105…ブラケット部。
Claims (3)
- 作業機(18)を作動させる油圧シリンダ(14a)と、
前記油圧シリンダ(14a)に供給される油が収容される収容部(31)と、
前記収容部(31)内に収容された油の上面よりも高い位置に配置されて、前記収容部(31)内で回転可能に支持された伝動部材(41+56)と、
前記油圧シリンダ(14a)の排出部(14b)から延び、前記伝動部材(41+56)に排油を供給する供給部材(101)と、
を備え、
前記収容部(31)において、前記伝動部材(41+56)の下方に、前記収容部(31)内の油を上方に拡散する部材を有しない、
ことを特徴とする作業車両。 - 前記収容部(31)の後側に配置された前記油圧シリンダ(14a)と、
前記収容部(31)の前側に配置された前記伝動部材(41+56)と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。 - 前記収容部(31)の内部に配置され、前記収容部(31)の前側と後側とを仕切る仕切り壁(36)と、
前記仕切り壁(36)に装着されるブラケット部(105)と、前記ブラケット部(105)に支持されて内部を油が流動する供給部材の本体(103,104)と、を有する前記供給部材(101)と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
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Citations (3)
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JP2012233543A (ja) * | 2011-05-06 | 2012-11-29 | Kubota Corp | 作業車の潤滑油供給構造 |
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