JP2020105270A - 保護フィルム、フィルム積層体、導電性フィルム積層体 - Google Patents

保護フィルム、フィルム積層体、導電性フィルム積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムが高温に曝されてもカールを発生しにくくすることができる保護フィルムを提供する。【解決手段】シクロオレフィンポリマーを含むベース基材21を備えたベースフィルム20の表面に沿って配置される保護フィルム10である。保護フィルム10は保護用基材11を有する。保護用基材11の平均線膨張係数はベース基材21の平均線膨張係数に対して±10ppm/℃以内である。かつ、保護用基材11の熱収縮率は、ベース基材21の熱収縮率に対して、MD方向及びTD方向のそれぞれにおいて±0.2%以内である。【選択図】図1

Description

本開示は、保護フィルム、フィルム積層体、導電性フィルム積層体に関する。詳細には、本開示は、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムの表面に沿って配置される保護フィルム、フィルム積層体、導電性フィルム積層体に関する。
特許文献1には、透明導電性フィルム積層体が記載されている。この透明導電性フィルム積層体は、キャリアフィルムと透明導電性フィルムとを備えている。キャリアフィルムは、保護フィルムの少なくとも一方の面側に粘着剤層を有して形成されている。透明導電性フィルムは、透明樹脂フィルムと、透明導電膜とを有して形成されている。キャリアフィルムと透明導電性フィルムは、キャリアフィルムの粘着剤層を介して剥離可能に積層されている。キャリアフィルムは、透明導電性フィルムの透明導電膜とは他方の面側に積層されている。
透明導電性フィルムは、透明樹脂フィルムと、透明導電膜とを有し、透明樹脂フィルムは、非晶性シクロオレフィン系樹脂からなり、厚みは、20〜150μmである。また保護フィルムは、透明樹脂フィルムを形成する非晶性シクロオレフィン系樹脂とは異なる非晶性樹脂で形成されており、その非晶性樹脂のガラス転移温度が130℃以上であり、保護フィルムの厚みは、20〜150μmである。
そして、透明導電性フィルム積層体は、20cm×20cmにカットし、透明導電膜を上面にし130℃で90分間加熱した後の中央部のカール値Aと4隅部の平均カール値Bとの差(A−B)が、0〜50mmである。
上記のような透明導電性フィルム積層体は、透明導電性フィルムの基材にシクロオレフィン系樹脂を用いた場合において、加熱工程後も透明導電性フィルム積層体のカールを制御し、その後の工程歩留まりを確保しようとしている。
特開2016−107503号公報
しかしながら、上記のような透明導電性フィルム積層体においては、さらなるカールの抑制が望まれている。例えば、生産性の向上のために、加熱工程を高温にして短縮化することが考えられるが、この場合、透明導電性フィルム積層体が高温に曝されることになる。したがって、高温下に曝されてもカールが発生しにくい透明導電性フィルム積層体が望まれている。
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムの表面に沿って保護フィルムを配置したフィルム積層体や導電性フィルム積層体が高温に曝されてもカールを発生しにくくすることができる保護フィルムを提供することを目的とする。
また本開示は、上記の保護フィルムを備えることにより、高温に曝されてもカールが発生しにくいフィルム積層体及び導電性フィルム積層体を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る保護フィルムは、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムの表面に沿って配置される。前記保護フィルムは保護用基材を有している。前記保護用基材の平均線膨張係数は前記ベース基材の平均線膨張係数に対して±10ppm/℃以内である。かつ、前記保護用基材の熱収縮率は、前記ベース基材の熱収縮率に対して、MD方向及びTD方向のそれぞれにおいて±0.2%以内である。
本開示の一態様に係るフィルム積層体は、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムと、前記保護フィルムと、を備える。前記保護フィルムは前記ベースフィルムの表面に沿って配置される。
本開示の一態様に係る導電性フィルム積層体は、前記フィルム積層体と、導電性を有する導電膜と、を備える。前記導電膜は、前記ベースフィルムの前記保護フィルムが配置されていない表面にある。
本開示によれば、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムの表面に沿って保護フィルムを配置したフィルム積層体や導電性フィルム積層体が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。
図1は、本実施形態に係る保護フィルム、フィルム積層体及び導電性フィルム積層体を示す概略の断面図である。
<導電性フィルム積層体50>
図1は本実施形態に係る導電性フィルム積層体50の概略の断面図を示している。導電性フィルム積層体50は、例えば、液晶表示パネルなどの表示パネルをタッチパネルとして構成する際の部品として使用される。したがって、導電性フィルム積層体50は、その使用目的に応じた透明性及び機械的強度などの物性を備える。導電性フィルム積層体50は、一定の幅寸法で長尺に形成されていてもよし、短尺に形成されていてもよい。長尺の導電性フィルム積層体50は、例えば、ロール状に巻き取られている。
導電性フィルム積層体50は透光性を有する。すなわち、導電性フィルム積層体50は厚み方向で光が通過可能に形成されている。導電性フィルム積層体50は透明であることが好ましいが、半透明程度であってもよい。すなわち、導電性フィルム積層体50を通して文字又は画像が透けて見える程度の透光性であればよい。
導電性フィルム積層体50は、フィルム積層体30と、導電膜40とを備える。フィルム積層体30は、保護フィルム10と、ベースフィルム20とを備える。すなわち、導電性フィルム積層体50は、保護フィルム10と、ベースフィルム20と、導電膜40とを備える。保護フィルム10は、保護用基材11と粘着層12とを備えている。またベースフィルム20はベース基材21と硬化樹脂層22,23とを備えている。
<ベースフィルム20>
ベースフィルム20は導電膜40を保持する機能を有する。すなわち、ベースフィルム20は導電膜40を液晶パネルなどの表示パネルの表面に沿って配置して保持する機能を有する。またベースフィルム20は導電膜40を形成するための基材としての機能を有する。
ベースフィルム20は、ベース基材21と硬化樹脂層22,23とを備える。ベース基材21は上記ベースフィルム20としての機能を発揮させるための主体を構成する。硬化樹脂層22,23はベース基材21の傷つきを低減する機能を有する。ベースフィルム20は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性を有する。
(ベース基材21)
ベース基材21はシクロオレフィンポリマー(以下、「COP」ということがある)を含んでいる。COPはシクロオレフィンを重合して得られ、ポリマー主鎖に脂環構造を有するポリマーである。COPは、透明性、低複屈折、低吸湿性、低透湿性、耐熱性、電気絶縁性、低不純物、良成形性の観点から光学系部品、高周波部品、包装フィルム、医療系部品、自動車部品などを構成する樹脂として用いられている。特に、COPは、高周波領域での誘電正接の値が小さく、フッ素樹脂と同等の高周波特性を有する。COPの上記特性からベース基材21はCOPを主成分とするフィルムであることが好ましい。ベース基材21は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性(透明性)を有する。
COPは、シクロオレフィンユニットがポリマー骨格にランダムまたは交互に結合しており,その重合体は非晶質である。COPは、環状モノマーと重合方法の違いにより、いくつかの種類が存在する。例えば、COPは、ノルボルネン類の付加共重合体、ノルボルネン類の開環メタセシス重合体の水添ポリマー、アルキリデンノルボルネン類のトランスアニュラー重合、ノルボルネン類の付加重合体、シクロペンタジエンの1,2−,1,4−付加重合体の水添ポリマー、シクロヘキサジエンの1,2−,1,4−付加重合体の水添ポリマー、共役ジエン類の環化重合体などである。
ベース基材21の厚みは、5μm以上150μm以下の範囲内であることが好ましく、10μm以上100μm以下の範囲内であることがより好ましく、40μm以上60μm以下の範囲内であることが更に好ましい。ベース基材21の厚みが5μm未満であると、機械的強度が不足して撓みやすく、例えば、導電膜40を形成しにくくなるする場合がある。ベース基材21の厚みが150μmを超えると、デバイスの厚みが厚くなり、例えばデバイスのデザインの自由度を低下させる場合がある。
ベース基材21に含まれるCOPのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、140℃以上が好ましく、155℃以上がより好ましい。これにより、導電膜40の形成時等の加熱工程でベース基材21の熱的変形が少なくなって、反り(カール)の発生量及び反りの向きが制御しやすい。なお、本開示において、ガラス転移温度は、JIS K 7197:1991 プラスチックの熱機械分析で得られたTMA曲線から求められる。
(硬化樹脂層22,23)
硬化樹脂層22,23は、ベース基材21の厚み方向における両面に沿ってほぼ全面にわたって設けられている。すなわち、ベース基材21の一方の表面(片面)は硬化樹脂層22により覆われており、ベース基材21の他方の表面(片面)とは硬化樹脂層23により覆われている。硬化樹脂層22,23は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性(透明性)を有する。
硬化樹脂層22,23は、硬化型樹脂を硬化させることにより得られる。硬化型樹脂としては、例えば、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂及び電子線硬化型樹脂などが挙げられるが、紫外線照射により簡単に効率よく硬化可能な紫外線硬化型樹脂が好ましい。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系等の樹脂が挙げられる。これらの中でも、硬化樹脂層22,23は、アクリル系樹脂で形成されることが好ましい。また硬化樹脂層22,23は耐ブロッキング性や耐傷つき性などの向上のために、粒子を含んでいてもよい。この場合、粒子としては各種金属酸化物、ガラス、プラスチックなどの透明性を有するものが好ましい。
硬化樹脂層22,23は、硬化型樹脂を含む塗料をベース基材21の表面に塗布し、硬化させることにより形成される。硬化樹脂層22,23の厚みは、例えば、0.5μm以上5μm以下の範囲内であり、好ましくは0.7μm以上3μm以下の範囲内であり、より好ましくは0.8μm以上2μm以下の範囲内である。硬化樹脂層22、23の厚みが0.5μm以上5μm以下の範囲内であれば、透明性を損なうこと無く、ベース基材21の傷つきを低減することができる。
なお、硬化樹脂層22,23は片方だけが形成されていてもよい。すなわち、ベース基材21の片面に沿って硬化樹脂層22が配置され、硬化樹脂層23は形成されていなくてもよい。この場合、導電膜40はベース基材21の片面(硬化樹脂層22が形成されていない方の表面)に沿って配置される。逆に、ベース基材21の片面に沿って硬化樹脂層23が配置され、硬化樹脂層22は形成されていなくてもよい。この場合。保護フィルム10はベース基材21の片面(硬化樹脂層23が形成されていない方の表面)に沿って配置される。
<保護フィルム10>
保護フィルム10は、ベースフィルム20の保護する機能を有する。すなわち、保護フィルム10はベースフィルム20の表面に沿って配置され、ベースフィルム20に搬送ロール、水分、薬剤等が直接接触するのを低減し、ベースフィルム20に傷つきなどの損傷が生じるのを低減する。また保護フィルム10は、ベースフィルム20のキャリア材としての機能も有する。すなわち、ベースフィルム20は撓みやすい(可撓性を有する)ため、ベースフィルム20単独では搬送ロール等で搬送しにくい。そのため、保護フィルム10をベースフィルム20の表面に沿って配置することにより、ベースフィルム20の少なくして搬送性を向上させる。
保護フィルム10は、保護用基材11と粘着層12とを備えている。保護用基材11は上記保護フィルム10としての機能を発揮させるための主体を構成する。粘着層12は保護フィルム10をベースフィルム20に貼り付けるための接着機能を有する。保護フィルム10は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性(透明性)を有する。
(保護用基材11)
保護用基材11は合成樹脂製のフィルムで構成される。合成樹脂としてはポリカーボネート(以下、「PC」ということがある)を含んでいる。保護用基材11は透明性を高くするためにPCを主成分とするフィルムであることが好ましい。また保護用基材11を構成する合成樹脂としてはCOPを含んでいてもよい。この場合、保護用基材11はベース基材21と同じ種類(品番)のフィルムで形成することができる。したがって、保護用基材11とベース基材21との物性の差がほとんどなく、導電性フィルム積層体50にカール(反り)が生じにくくなる。保護用基材11は透明性を高くするためにCOPを主成分とするフィルムであることが好ましい。保護用基材11は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性(透明性)を有する。
保護用基材11の平均線膨張係数(CTE)は、ベース基材21の平均線膨張係数に対して±10ppm/℃以内である。すなわち、保護用基材11の平均線膨張係数とベース基材21の平均線膨張係数との差が、−10ppm/℃以上+10ppm/℃以下の範囲内である。この範囲内であると、保護用基材11及びベース基材21に熱が加わっても両者がほぼ同じ割合で長さが膨張する。したがって、保護フィルム10とベースフィルム20とが積層されていても、加熱による両者の長さの差が少なくなり、フィルム積層体30及び導電性フィルム積層体50にカールが生じにくくなる。なお、平均線膨張係数は、温度上昇による保護用基材11及びベース基材21の長さが膨張する割合を温度あたりで示したものであり、JIS K 7197:2012 プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法で測定される。
また保護用基材11の熱収縮率は、ベース基材21の熱収縮率に対して、MD方向及びTD方向のそれぞれにおいて±0.2%以内である。すなわち、MD方向における保護用基材11の熱収縮率と、MD方向におけるベース基材21の熱収縮率との差は、−0.2%以上+0.2%の範囲内であり、TD方向における保護用基材11の熱収縮率と、TD方向におけるベース基材21の熱収縮率との差は、−0.2%以上+0.2%の範囲内である。ここで、本開示における熱収縮率は、加熱が140℃30分の条件下で得られる測定値である。このように高い加熱温度であっても、保護用基材11の熱収縮率とベース基材21の熱収縮率との差が、MD方向及びTD方向のいずれでも±0.2%以内であるため、保護用基材11及びベース基材21に熱が加わっても両者がほぼ同じ割合で長さが収縮する。したがって、保護フィルム10とベースフィルム20とが積層されていても、加熱による両者の長さの差が少なくなり、フィルム積層体30及び導電性フィルム積層体50にカールが生じにくくなる。
保護用基材11及びベース基材21の各熱収縮率は次のようにして測定される。保護用基材11及びベース基材21を、幅100mm、長さ100mmに切り取り(試験片)、4隅部にクロスでキズを付けクロスキズの中央部4点のMD方向とTD方向の加熱前の長さ(mm)を測定する。その後、オーブンに投入し、加熱処理(140℃、30分間)を行う。次に、室温で1時間放冷後に再度、4隅部4点のMD方向とTD方向の加熱後の長さ(mm)を測定し、その測定値を下記式に代入することにより、MD方向とTD方向のそれぞれの熱収縮率を求める。
熱収縮率(%)=[{加熱前の長さ(mm)−加熱後の長さ(mm)}/加熱前の長さ(mm)]×100
なお、MD方向とはMachine Directionであり、TD方向とはTransverse Directionである。MD方向は縦方向ともいい、TD方向は横方向ともいう。本開示においては、MD方向は保護用基材11及びベース基材21の長さ方向を意味し、TD方向はその長さ方向と直交する幅方向を意味する。MD方向は長尺の保護用基材11及びベース基材21を製造する際の搬送方向(送り方向)である。
保護用基材11はガラス転移温度(Tg)が155℃以上の樹脂を含むことが好ましい。このように高い温度のガラス転移温度の樹脂を含むと、上記のような平均線膨張係数及び熱収縮率の保護用基材11が得やすくなる。保護用基材11がPC又はCOPを含む場合、このPC又はCOPのガラス転移温度が155℃以上であることが好ましい。保護用基材11はガラス転移温度が155℃以上のPC又はCOPが主成分であることが好ましい。
保護用基材11の厚みは、25μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましく、30μm以上150μm以下の範囲内であることがより好ましく、80μm以上120μm以下の範囲内であることが更に好ましい。保護用基材11の厚みが25μm未満であると、機械的強度が不足して撓みやすく、例えば、ベースフィルム20を保護しにくくなる場合がある。保護用基材11の厚みが200μmを超えると、フィルム積層体の厚みが厚くなりすぎて、例えば、フィルム積層体をロールにする際には、1ロールの巻長が短くなり、生産効率が低下する場合がある。
(粘着層12)
粘着層12は、保護用基材11の厚み方向における片面に沿ってほぼ全面にわたって設けられている。粘着層12は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性(透明性)を有する。
粘着層12は、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステルなどの粘着性樹脂を含んで形成される。特に、透明性、粘着性、耐熱性等に優れるアクリル系樹脂で粘着層12を形成するのが好ましい。粘着層12は、粘着性樹脂を含むフィルム材を保護用基材11の片面に貼り付けたり、粘着性樹脂を含む樹脂材料を塗布して乾燥したりして形成される。粘着層12の厚みは、特に限定されてないが、5μm〜100μmであり、好ましくは10μm〜50μmである。
<導電膜40>
導電膜40は、導電性フィルム積層体50の導電性を確保するための機能を有する。すなわち、導電性フィルム積層体50は導電膜40に導電性が得られる。なお、導電性フィルム積層体50の導電膜40以外の要素(保護フィルム10及びベースフィルム20)は電気的絶縁性を有する。
導電膜40は、ベースフィルム20の表面に形成されている。導電膜40はベースフィルム20の厚み方向の両面のうち、保護フィルム10を設けていない方の表面に沿って設けられている。すなわち、保護フィルム10がベースフィルム20の硬化樹脂層22の表面に沿って配置されている場合、導電膜40は、硬化樹脂層22とは異なるもう一方の硬化樹脂層23の表面に沿って配置されている。導電膜40はベースフィルム20の片面(硬化樹脂層23の表面)をほぼ全面にわたって覆うように、ベタ面に形成されていてもよいし、エッチング等により所望のパターンに形成されていてもよい。また導電膜40は、厚み方向において、導電性フィルム積層体50と同程度の透光性(透明性)を有する。
また、導電膜40は、保護フィルム10を設けている方の表面に沿って設けられていても良い。即ち、導電膜40は、硬化樹脂層23の表面と、硬化樹脂層22の表面との両方に沿って配置されていても良い。
導電膜40は、各種の金属および金属酸化物を含んで構成されており、例えば、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属および金属酸化物が含まれている。これらの中でも、酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズ(ATO)、アルミニウム、銀、銅、などが好適である。
<フィルム積層体30>
フィルム積層体30は、保護フィルム10がベースフィルム20の表面に沿って配置されることによって形成されている。フィルム積層体30は、保護フィルム10がベースフィルム20の表面のほぼ全面にわたって配置されることが好ましい。これにより、保護フィルム10でベースフィルム20の表面をほぼ全面にわたって保護することができる。保護フィルム10は粘着層12によりベースフィルム20に貼り付けられている。この場合、保護フィルム10はベースフィルム20の導電膜40を形成しない方の表面に貼り付けられる。すなわち、保護フィルム10の粘着層12はベースフィルム20の硬化樹脂層22の表面(導電膜40を形成しない方の表面)に貼り付けられている。
<導電性フィルム積層体50の製造>
導電性フィルム積層体50は、フィルム積層体30に導電膜40を形成することによって、製造される。ここで、例えば導電膜40の膜を硬化させたり、導電性及び透明性及び耐久性を向上させるために、高温での熱処理が行われるが、本開示の導電性フィルム積層体50ではベースフィルム20に保護フィルム10が設けられているので、ベースフィルム20の、製造工程及び加工工程での傷つきを保護フィルム10により少なくすることができる。
また本開示の導電性フィルム積層体50は、保護用基材11の平均線膨張係数がベース基材21の平均線膨張係数に対して±10ppm/℃以内であり、かつ保護用基材11の熱収縮率がベース基材21の熱収縮率に対して、MD方向及びTD方向のそれぞれにおいて±0.2%以内であるため、アニール処理による加熱で導電性フィルム積層体50にカールが生じにくい。
なお、上記ではベースフィルム20と保護フィルム10とを貼り合わせた後に、導電膜40を形成する場合について説明したが、これに限らず、ベースフィルム20に導電膜40を形成した後に、ベースフィルム20と保護フィルム10とを貼り合わせてもよい。
<導電性フィルム積層体50の使用>
導電性フィルム積層体50は、例えば、静電容量型のタッチパネルを形成する部材として用いられる。この場合、液晶パネルなどの表示パネル側に導電膜40を向けて、表示パネルと導電性フィルム積層体50とを接着する。そして、表示パネルに導電性フィルム積層体50を貼り付けた後、保護フィルム10をベースフィルム20から剥離して除去する。この場合、粘着層12と硬化樹脂層22との界面において保護フィルム10をベースフィルム20から剥離することができる。また粘着層12と保護用基材11との界面において保護用基材11をベースフィルム20から剥離することができる。
[実施例1、2及び比較例1,2]
ベース基材は、厚みが50μmでガラス転移温度が162℃のポリシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン製 品番「ゼオノア」)を用いた。このベース基材の両面に硬化樹脂層を設けてベースフィルムを形成した。硬化樹脂層は、アクリル樹脂を含む塗料を塗布して硬化させることにより、厚み1.0μmに形成した。
保護用基材は、厚み50〜125μmで各種材質のものを用いた。この保護用基材の片面に粘着層を設けて保護フィルムを形成した。粘着層はアクリル樹脂を含む粘着剤を塗布して硬化させることにより、厚み20μmに形成した。
このようにしてフィルム積層体を形成した。
上記実施例及び比較例について、フィルム積層体のカールの発生を評価した。すなわち、実施例及び比較例で得られたフィルム積層体を100mm×100mmサイズにカットした。次に、導電膜を形成する面が上になる状態で140℃、30分間の加熱した後、室温(23℃)にて1時間放冷した。その後、導電膜を形成する面が上になる状態で水平な面上にサンプルを置き、中央部の水平面からの高さ(カール値A)を測定した。また、4隅部の水平面からの高さをそれぞれ測定し、その平均値(カール値B)を算出した。カール値Aからカール値Bを引いた値(A−B)をカール量として算出した。評価した結果を表1に示す。
Figure 2020105270
表1から明らかなように、実施例1,2は比較例1,2よりもカールの発生が低減した。特に、ベース基材と保護基材とが同じフィルムを用いた実施例2では、ベース基材と保護基材とが別のフィルムを用いた実施例1よりも、カールの発生が少なくなった。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る保護フィルム(10)は、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)の表面に沿って配置される保護フィルム(10)である。保護フィルム(10)は保護用基材(11)を有している。保護用基材(11)の平均線膨張係数はベース基材(21)の平均線膨張係数に対して±10ppm/℃以内である。かつ、保護用基材(11)の熱収縮率は、ベース基材(21)の熱収縮率に対して、MD方向及びTD方向のそれぞれにおいて±0.2%以内である。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。
第2の態様に係る保護フィルム(10)は、第1の態様において、保護用基材(11)は、ガラス転移温度が155℃以上の樹脂を含む。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。
第3の態様に係る保護フィルム(10)は、第1又は2の態様において、熱収縮率は、140℃30分の条件下で得られる。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。
第4の態様に係る保護フィルム(10)は、第1〜3のいずれか1つの態様において、保護用基材(11)がポリカーボネートを含む。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。また、保護フィルム(10)の透明性を損ないにくくすることができる、という利点がある。
第5の態様に係る保護フィルム(10)は、第1〜4のいずれか1つの態様において、保護用基材(11)の厚みが25μm以上200μm以下である。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。また、保護フィルム(10)の透明性及びベースフィルム(20)に対する保護性を損ないにくくすることができる、という利点がある。
第6の態様に係るフィルム積層体(30)は、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)と、第1〜5のいずれか1つの態様に係る保護フィルム(10)とを備える。保護フィルム(10)はベースフィルム(20)の表面に沿って配置されている。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。
第7の態様に係るフィルム積層体(30)は、第6の態様において、ベースフィルム(20)はベース基材(21)の片面または両面に硬化樹脂層(22,23)を有する。
この態様によれば、ベース基材(21)の傷つき性を硬化樹脂層(22,23)で低減することができ、ベースフィルム(20)の透明性が損なわれにくくなる、という利点がある。
第8の態様に係る導電性フィルム積層体(50)は、第6または7の態様に係るフィルム積層体(30)と、導電性を有する導電膜(40)と、を備える。導電膜(40)は、ベースフィルム(20)の保護フィルム(10)が配置されていない表面にある。
この態様によれば、ベース基材(21)に対する保護用基材(11)の熱伸縮を低減することができ、シクロオレフィンポリマーを含むベース基材(21)を備えたベースフィルム(20)が高温に曝されてもカールを発生しにくい、という利点がある。
10 保護フィルム
11 保護用基材
20 ベースフィルム
22 硬化樹脂層
23 硬化樹脂層
30 フィルム積層体
40 導電膜
50 導電性フィルム積層体

Claims (8)

  1. シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムの表面に沿って配置される保護フィルムであって、
    前記保護フィルムは保護用基材を有し、
    前記保護用基材の平均線膨張係数は前記ベース基材の平均線膨張係数に対して±10ppm/℃以内であり、かつ、
    前記保護用基材の熱収縮率は、前記ベース基材の熱収縮率に対して、MD方向及びTD方向のそれぞれにおいて±0.2%以内である
    保護フィルム。
  2. 前記保護用基材は、ガラス転移温度が155℃以上の樹脂を含む、
    請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記熱収縮率は、140℃30分の条件下で得られる、
    請求項1または2に記載の保護フィルム。
  4. 前記保護用基材がポリカーボネートを含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  5. 前記保護用基材の厚みが25μm以上200μm以下である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  6. シクロオレフィンポリマーを含むベース基材を備えたベースフィルムと、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護フィルムと、を備え、
    前記保護フィルムは前記ベースフィルムの表面に沿って配置されている、
    フィルム積層体。
  7. 前記ベースフィルムは前記ベース基材の片面または両面に硬化樹脂層を有する、
    請求項6に記載のフィルム積層体。
  8. 請求項6または7に記載のフィルム積層体と、
    導電性を有する導電膜と、を備え、
    前記導電膜は、前記ベースフィルムの前記保護フィルムが配置されていない表面にある、
    導電性フィルム積層体。
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