JP6645133B2 - 膜付きガラス及び膜付きガラスの製造方法 - Google Patents

膜付きガラス及び膜付きガラスの製造方法 Download PDF

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本発明は、静電容量型のタッチパネル等に利用される、膜付きガラス及び膜付きガラスの製造方法に関する。
スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯端末に各種タッチパネルが利用されている。
各種タッチパネルの一種である静電容量型のタッチパネルは、一般に、センサガラスと呼ばれるガラス基板と、ガラス基板上に形成された、例えば、入力位置検出用の透明導電膜等からなるセンサ機能部を有している。
一般的な静電容量型タッチパネルは、センサ機能部が形成されたセンサガラスとカバーガラスと呼ばれる基体ガラスを、接着することで使用される。
これに対し、特許文献1に示されるように、部品数の低減、および、薄型化や軽量化を図るために、センサガラスの無い静電容量型タッチパネルも知られている。
すなわち、この静電容量型タッチパネルは、表面に圧縮応力層を形成して機械的強度を高めた強化ガラスからなるカバーガラスの表面上に、センサ機能部を形成することにより、センサガラスを不要としている。
このようなセンサ一体型カバーガラスは、センサガラスが無いため、ガラスに高い機械的強度が要求される。さらに、携帯端末の軽量化を図るため、センサ一体型カバーガラスに用いられるガラスは、厚みが小さい方が好ましい。
特開2011−197708号公報
しかし、ガラスの厚みが小さくなるほど、機械的強度が低下してしまい、落下等の衝撃により破損しやすくなる。また、強化ガラスからなるガラスに直接透明導電膜を形成すると、センサ一体型カバーガラスの機械的強度が低下してしまい、破損しやすくなる。
また、タッチパネルの高機能化に対応するためには、透明導電膜の導電性が高い(比抵抗が小さい)ことが好まれるとともに、視認性が求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、機械的強度に優れ、透明導電膜の比抵抗が小さく、かつ視認性に優れた膜付きガラス及びこの膜付きガラスの製造方法を提供することである。
本発明に係る膜付きガラスは、ガラス板と、前記ガラス板の一方の面に配された透明導電膜と、前記ガラス板と前記透明導電膜との間に配された、耐熱温度が250℃以上である有機化合物からなる透明下地膜とを備え、JIS K7136に準拠する方法で測定した透過ヘイズが3%以下であり、前記透明導電膜は、比抵抗が2.0×10−4Ω・cm以下であることを特徴とする。
本発明の膜付きガラスは、有機化合物からなる透明下地膜がガラス板と透明導電膜との間に配されているため、膜付きガラスの機械的強度を高めることができる。また、透明下地膜が、耐熱温度が250℃以上である有機化合物からなるため、熱処理温度を250℃以上とすることができる。これにより、透明導電膜の比抵抗が2.0×10−4Ω・cm以下となり、携帯端末の高機能化に対応可能となる。さらに、透明導電膜に250℃以上の高温で熱処理が施されたとしても、透明下地膜に皺が入ることがなく、透過ヘイズを3%以下とすることができ、視認性に優れる。なお、耐熱温度は、透明下地膜を構成する材料により試験片を作製し、JIS K 7191−2(2007)に準拠した方法により測定した荷重たわみ温度である。
また、本発明に係る膜付きガラスでは、前記透明導電膜の厚さが100nm以上250nm以下であり、前記透明下地膜の厚さが0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
透明導電膜のシート抵抗を小さくするために、透明導電膜の厚さを100nm以上250nm以下と比較的厚くした場合、透明導電膜の膜応力が大きくなるが、透明下地膜の厚さが0.5μm以下であると、透明下地膜に皺が入ることがなく、透過ヘイズを3%以下とすることができ、視認性に優れる。また、透明下地膜の厚さが0.01μm以上であると、膜付きガラスの機械的強度を高めることができる。
また、本発明に係る膜付きガラスは、前記透明導電膜が、ITO膜であることが好ましい。
ITO(酸化インジウムスズ)膜は、透明導電膜の中でも特に比抵抗が小さいため、透明導電膜の比抵抗を容易に2.0×10−4Ω・cm以下とすることができる。
また、本発明に係る膜付きガラスは、前記透明下地膜が、シリコーン樹脂であることが好ましい。
シリコーン樹脂は、耐熱性に優れ、ガラス板及び透明導電膜との密着性が良いとともに、ガラス板及び透明導電膜との熱膨張率差が小さいため、250℃以上の高温で熱処理しても透明導電膜や透明下地膜の剥離や、透明導電膜や透明下地膜に皺が生じにくく、膜付きガラスの透過ヘイズを容易に3%以下とすることができる。
また、本発明に係る膜付きガラスは、前記ガラス板が、強化ガラス板であることが好ましい。
強化ガラス板は、強化処理を施していないガラス板等と比較して機械的強度が高いため、膜付きガラスが破損し難くなる。そのため、厚みを可及的に小さくすることが可能となる。
また、本発明に係る膜付きガラスは、前記ガラス板が、無アルカリガラス板であることが好ましい。
無アルカリガラス板は、他のガラス板と比較して耐擦傷性に優れるため、膜付きガラスが破損し難くなる。そのため、厚みを可及的に小さくすることが可能となる。
本発明に係る膜付きガラスの製造方法は、ガラス板の一方の面に、耐熱温度が250℃以上である有機化合物からなる透明下地膜を形成し、前記透明下地膜の上に、透明導電膜を形成する工程を含み、前記透明導電膜の形成の際に、250℃以上の熱処理を施すことを特徴とする。
この構成にすることで、機械的強度が高く、かつ、透明導電膜の比抵抗が2.0×10−4Ω・cm以下と低く、かつ透過ヘイズが3%以下と視認性に優れる膜付きガラスを容易に製造することができる。
本発明によれば、機械的強度に優れ、透明導電膜の比抵抗が小さく、かつ視認性に優れた膜付きガラス及びこの膜付きガラスの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る膜付きガラスの模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
図1は、本発明に係る膜付きガラスの模式的側面図である。
膜付きガラス10は、ガラス板1と、透明導電膜2と、透明下地膜3とを有する。
本発明の膜付きガラス10は、静電容量型タッチパネルを構成し、膜付きガラス10の透明導電膜2上に、絶縁層と、透明導電膜がこの順に形成されることにより、センサ一体型ガラスとなる。図1に示すように、この膜付きガラス10においては、ガラス板1の、透明導電膜2及び透明下地膜3が形成されていない側の表面(主面)1aが、操作を行う面となる。以下、ガラス板1において、操作が行われる面を操作面1a、透明導電膜2及び透明下地膜3が形成される面をセンサ面1bとする。
膜付きガラス10では、JIS K7136(2010)に準拠する方法で測定した透過ヘイズが3%以下である。透過ヘイズが3%以下であるため、膜付きガラス10が白濁したように見えてしまうことがなく、視認性に優れる。透過ヘイズは、1.5%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。なお、本明細書における、透過ヘイズは、膜付きガラス10のセンサ面1b側から光線を入射して測定した値である。
ガラス板1としては、例えば、化学強化ガラスや風冷強化ガラス等の強化ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。ガラス板1が強化ガラスであると、携帯端末の落下により破損しにくく、鍵等の金属等との接触により傷付きにくいため好ましい。なお、ガラス板1は、曲面を有していてもよい。
ガラス板1の厚みは、機械的強度と軽量化の観点から鑑みると、0.1〜1.5mmであることが好ましく、0.3〜1.2mmであることがより好ましく、0.5〜1.0mmであることが更に好ましい。
図1では、詳細な図示を省略しているが、透明導電膜2は、例えば、紙面手前側から奥側に向けて等間隔で配置される複数の帯状、または、紙面左側から右側に向けて等間隔で配置される複数の帯状の透明導電膜である。
透明導電膜2の形成材料として、公知の透明(光透過性を有する)な導電性材料が利用可能である。具体的には、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等が挙げられる。ITOは、比抵抗が特に小さいため好ましい。透明導電膜2は、例えば、スパッタリング法、熱CVD法、真空蒸着法により成膜することができる。
透明導電膜2は、比抵抗が2.0×10−4Ω・cm以下である。これにより、携帯端末の高機能化に対応可能となる。透明導電膜2は、比抵抗が1.5×10−4Ω・cm以下であることが好ましく、1.1×10−4Ω・cm以下であることがより好ましい。
透明導電膜2の厚さは、10nm以上1000nm以下であることが好ましく、50nm以上500nm以下であることがより好ましく、100nm以上250nm以下であることが更に好ましく、150nm以上200nm以下であることが特に好ましい。
透明下地膜3は、ガラス板1を保護するために、ガラス板1のセンサ面1b上に設けられる。図1では、センサ面1b全体を覆っているが、必要に応じてセンサ面1bの一部に透明下地膜3を設けなくてもよい。
透明下地膜3は、耐熱温度が250℃以上である透明な有機化合物であれば、各種の材料が利用可能である。透明な有機化合物として、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、その他光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。ここで、透明下地膜3は、可視光領域(波長400〜700nm)における光透過率が10%以上である。また、耐熱温度は、透明下地膜3を構成する材料により試験片を作製し、JIS K7191−2(2007)に準拠した方法により測定した荷重たわみ温度である。
透明な有機化合物として、シリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂は、耐熱性に優れ、ガラス板及び透明導電膜との密着性が良いとともに、ガラス板及び透明導電膜との熱膨張率差が小さいため、250℃以上の高温で熱処理しても透明導電膜や透明下地膜の剥離や、透明導電膜や透明下地膜に皺が生じにくく、膜付きガラスの透過ヘイズを容易に3%以下とすることができるからである。
また、透明下地膜3は、絶縁性を有していることが好ましい。透明下地膜3は、例えば、シート抵抗が1×1012(Ω/□)以上であることが好ましい。
透明下地膜3の厚さは、ガラス板1の保護の観点から鑑みると、0.005μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましく、0.1μm以上が最も好ましい。透明下地膜3が薄すぎると、透明導電膜2の形成後に膜付きガラス10の機械的強度が低下する場合がある。また、透明下地膜3の厚さは、透明下地膜3の形成時間短縮の観点から、100μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが更に好ましく、0.5μm以下であることがなお好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。透明下地膜3が厚すぎると、透明導電膜2の形成後に透明下地膜3に皺が入りやすくなり、視認性が低下する場合がある。
本発明の膜付きガラス10は、図示例の構成に限定されず、ガラス板1の操作面1aに、反射防止膜等の膜が配置されてもよい。
次に、本発明の膜付きガラス10の製造方法について説明する。
まず、透明下地膜3がガラス板1のセンサ面1bに形成される。透明下地膜3となる化合物は、例えば、スリットコート法、スピンコート法、ディップコート法により形成することが好ましい。具体的には、透明下地膜3は、ガラス板1のセンサ面1bに、前記化合物をスピンコート法により塗布し、200〜300℃程度の温度下で、10〜100分程度かけて化合物を硬化させることで形成される。
前記化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
(式(1)中、aはM単位の数、bはD単位の数、cはT単位の数、dはQ単位の数を表し、a、b、c及びdは0以上の整数であり、2<(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)<4、Rはそれぞれ独立しており、水素または炭化水素基である。)
上記の化合物から形成された透明下地膜3は、ガラス板1及び透明導電膜2との密着性が非常に良く、かつ、ガラス板1及び透明導電膜2との熱膨張率差が小さいため、250℃以上の高温で熱処理しても透明下地膜3がガラス板1から剥離しにくく、かつ、透明導電膜2も、透明下地膜3から剥離し難くなる。また、上記の化合物は、炭化水素基または水素の割合が少なくなる、すなわち(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)の値が大きくなるほど、透明下地膜3は硬くなる傾向にあり、硬くなるにつれ、熱による皺に起因した白濁が起こりにくくなる。そのため、250℃以上の高温で熱処理を施した場合でも、白濁せず、膜付きガラス10の透過ヘイズが3%以下になりやすい。(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)の値は2.2以上好ましく、2.4以上がより好ましく、2.6以上が更に好ましい。ただし、(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)の値が大きすぎると、硬くなりすぎて、透明下地膜3の特性が脆性材料に近くなり、強度維持できなくなることがあるため、(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)の値は3.8以下が好ましく、3.6以下がより好ましく、3.4以下が更に好ましい。
次に、透明下地膜3上に公知の方法、例えばスパッタリング法により透明導電膜2を形成する。透明導電膜2の形成の際に、250℃以上の熱処理を施す。250℃以上の熱処理を施すことにより、透明導電膜2の比抵抗を、容易に2.0×10−4Ω・cm以下とすることができる。透明導電膜2の形成の際に、300℃以上の熱処理を施すことがより好ましく、320℃以上の熱処理を施すことが更に好ましい。ガラス板1として強化ガラスを使用した場合、高い温度での熱処理を施すことで、応力が緩和され、圧縮応力値が低下するため、透明導電膜2は、500℃以下の熱処理を施すことが好ましく、400℃以下の熱処理を施すことがより好ましく、350℃以下の熱処理を施すことが更に好ましい。透明導電膜2の形成の際に、透明導電膜2に熱処理を施す方法としては、例えば、透明導電膜2の成膜温度を250℃以上とする方法、透明導電膜の成膜温度を250℃未満として成膜した後に透明導電膜2を250℃以上に加熱する方法等が挙げられる。透明導電膜2に熱処理を施す方法としては、形成時間の短縮のため、成膜温度を250℃以上として成膜することが好ましい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
化学強化した強化ガラス板(日本電気硝子社製 T2X−1(幅50mm、長さ50mm、厚み0.55mm、圧縮応力 796MPa、圧縮応力層の深さ 43.2μm))の上に、スピンコート法により、耐熱温度300℃以上の化合物(KR300 信越化学工業社製)を塗布し、250℃の温度下で、60分かけて化合物を硬化させることで、厚さ4μmのシリコーン樹脂からなる透明下地膜を作製した。
その後、DCマグネトロンスパッタリング装置を用い、ターゲットとしてITOを用いて透明導電膜を成膜してサンプルを作製した。成膜時の強化ガラス板の温度(熱処理温度)を300℃とし、真空チャンバ内にアルゴンガスを導入し、真空チャンバ内の圧力が0.7Paになるように調整し、更に、比抵抗が極小となるように微量の酸素ガスを導入した。成膜されたITO膜(透明導電膜)の厚さは50nmである。
(比較例1)
成膜時の強化ガラス板の温度を200℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
(比較例2)
耐熱温度が200℃以上250℃未満である化合物(KR311 信越化学工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
(比較例3)
成膜時の強化ガラス板の温度を200℃としたこと以外は、比較例2と同様にしてサンプルを作製した。
(比較例4)
実施例1と同じ強化ガラス板の上に、DCマグネトロンスパッタリング装置を用い、成膜時の強化ガラス板の温度を300℃として、厚さ50nmのITO膜(透明導電膜)を成膜してサンプルを作製した。
(参考例1)
実施例1と同じ強化ガラス板を準備し、透明下地膜と透明導電膜のいずれも形成しなかった。
(評価)
各サンプルの、透明導電膜が成膜された面の透過ヘイズは、ヘイズメーター(日本電色工業社製 NDH−5000)を用いて、JIS K7136(2010)に準拠する方法により測定した。
透明導電膜の比抵抗は、抵抗率計(三菱化学社製 Loresta−EP MCP−360)を用いて測定した。
機械的強度の評価は、各サンプルの周縁部全体を、固定治具により押さえ、重さ130g、直径31.8mmの鉄球を所定の高さから各サンプルの操作面に落下させ、各サンプルが破壊される高さを比較することにより行った。
鉄球を落下させる位置を15cmから5cmずつ上げていき、各サンプルが破壊されるまで繰り返した。なお、各サンプルについて、18回測定を行い、ワイブル分布により平均の破壊高さを求めた。
なお、参考例1の強化ガラス板については、透過ヘイズを測定し、機械的強度の評価を行った。
各サンプルについて測定した結果を表1に示す。
実施例1は、透過ヘイズが3%以下であり、かつ、比抵抗が2.0×10−4Ω・cm以下であるため、視認性に優れ、タッチパネルの高機能化に対応できる。また、平均の破壊高さが67cmであり、機械的強度も高い。
一方、比較例1及び3は、比抵抗が2.0×10−4Ω・cmより大きい。比較例2は、透明下地膜が、耐熱温度が250℃未満のシリコーン樹脂であるため透過ヘイズが3%より大きく、視認性に劣る。比較例4は、透明下地膜が形成されていないため機械的強度が低い。
(実施例2)
無アルカリガラス板(日本電気硝子社製 OA−10G(幅50mm、長さ50mm、厚み0.5mm))の上に、スピンコート法により、耐熱温度300℃以上のポリエステル変性シリコーン化合物を塗布し、240℃の温度下で、30分かけてポリエステル変性シリコーン化合物を硬化させることで、厚さ0.3μmのポリエステル変性シリコーン樹脂からなる透明下地膜を作製した。
その後、DCマグネトロンスパッタリング装置を用い、ターゲットとしてITOを用いて透明導電膜を成膜してサンプルを作製した。成膜時の強化ガラス板の温度(熱処理温度)を300℃とし、真空チャンバ内にアルゴンガスを導入し、真空チャンバ内の圧力が0.7Paになるように調整し、更に、比抵抗が極小となるように微量の酸素ガスを導入した。成膜されたITO膜(透明導電膜)の厚さは180nmである。
(比較例5)
透明下地膜の厚さを0.6μmとしたこと以外は、実施例2と同様にしてサンプルを作製した。
(比較例6)
透明下地膜の厚さを1μmとしたこと以外は、実施例2と同様にしてサンプルを作製した。
(比較例7)
実施例2と同じ無アルカリガラス板の上に、DCマグネトロンスパッタリング装置を用い、成膜時の無アルカリガラス板の温度を300℃として、厚さ180nmのITO膜(透明導電膜)を成膜してサンプルを作製した。
(参考例2)
実施例2と同じ無アルカリガラス板を準備し、透明下地膜と透明導電膜のいずれも形成しなかった。
各サンプルについて、透過ヘイズ、比抵抗、機械的強度の測定結果を表2に示す。
実施例2は、透過ヘイズが3%以下であるため、視認性に優れる。また、平均の破壊高さが67cmであり、機械的強度も高い。
一方、比較例5及び6は、透過ヘイズが3%より大きい。比較例7は、透明下地膜が形成されていないため機械的強度が低い。
本発明の膜付きガラスは、静電容量型のタッチパネル等に使用されるカバーガラス、エレクトロクロミック素子に使用される基板ガラス等に好適である。
1:ガラス板
2:透明導電膜
3:透明下地膜
10:膜付きガラス

Claims (6)

  1. ガラス板と、
    前記ガラス板の一方の面に配された透明導電膜と、
    前記ガラス板と前記透明導電膜との間に配された、耐熱温度が250℃以上である有機化合物からなる透明下地膜とを備え、
    JIS K7136(2010)に準拠する方法で測定した透過ヘイズが3%以下であり、
    前記透明導電膜は、比抵抗が2.0×10−4Ω・cm以下であり、
    前記有機化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする膜付きガラス。
    (式(1)中、aはM単位の数、bはD単位の数、cはT単位の数、dはQ単位の数を表し、a、b、c及びdは0以上の整数であり、2<(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)<4、Rはそれぞれ独立しており、水素または炭化水素基である。)
  2. 前記透明導電膜の厚さが100nm以上250nm以下であり、前記透明下地膜の厚さが0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の膜付きガラス。
  3. 前記透明導電膜は、ITO膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の膜付きガラス。
  4. 前記ガラス板は、強化ガラス板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜付きガラス。
  5. 前記ガラス板は、無アルカリガラス板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜付きガラス。
  6. ガラス板の一方の面に、耐熱温度が250℃以上である有機化合物からなる透明下地膜を形成し、前記透明下地膜の上に、透明導電膜を形成する工程を含み、
    前記有機化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であり、
    前記透明導電膜の形成の際に、250℃以上の熱処理を施すことを特徴とする膜付きガラスの製造方法。
    (式(1)中、aはM単位の数、bはD単位の数、cはT単位の数、dはQ単位の数を表し、a、b、c及びdは0以上の整数であり、2<(a+2b+3c+4d)/(a+b+c+d)<4、Rはそれぞれ独立しており、水素または炭化水素基である。)
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