JP2020104296A - 液体分配金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドリル等で容易に加工でき、軽量化や生産コスト低減が可能であり、且つ、幅の広いシート状樹脂組成物を成形するダイや、或いは幅広く塗料などを塗布するダイにも、連結等することなく容易に対応でき、加工の難化や樹脂の劣化、品質の低下を防止できる分配金型を提供せんとする。【解決手段】幅方向にわたって延びる中空孔20、外部から前記中空孔の内面側に連通し、当該内面に開口した流入口21aを通じて液体を供給する液体供給路21、及び、前記中空孔20の内面側から外部に連通し、当該内面に開口した導入口22aを通じて液体を排出するスリット又は孔列22を有する金型本体2と、中空孔20の内面側に装着され、その外周面30と中空孔の内周面20bとの間に、流入口21aから供給された液体を、幅方向に広げながら前記スリット又は孔列22への導入口22aに導く分配路4としての隙間を形成する内部金型3とを備えた。【選択図】図1
Description
本発明は、溶融樹脂を吐出して不織布シート、樹脂フィルム、樹脂シートなどのシート状樹脂成形物を製造するダイや、塗料などをシートなどの表面に塗布するコーター用のダイを構成する、液体分配金型に関する。
この種の液体分配金型として、本出願人は既に、不織布シート、樹脂フィルム、樹脂シートなどのシート状樹脂成形物を成形するダイに用いられ、軽量で且つ加工が容易であり、生産コスト低減、品質安定を実現できる樹脂分配金型を提案している(特許文献1参照)。この樹脂分配金型の基本構成は、図14〜図16に示すように、シート幅方向に延びる貫通孔120が設けられた金型本体102の両端を閉塞部材105で閉塞してなるシンプルな構造であり、溶融樹脂は貫通孔120に通じる樹脂供給路121の流入口121aから供給され、樹脂排出部123に通じる孔列122(ノズル列)から排出される。樹脂供給路121への溶融樹脂の供給については、図示しないが、一般的に広く使われている方法によるもので、押出機で加熱溶融された溶融樹脂をギヤポンプで樹脂供給路121に送り込む方法をとることができる。
このシンプルな構造の樹脂分配金型は、樹脂の流動性が極めて高い不織布製造用のダイに特に適している。また、特許文献1では、粘性が高く、比較的流動性が低い樹脂への対応として、ノズル列を複数の領域に分け、各領域でノズル孔の径を変えることで幅方向への供給量の均一化を図ることも提案している。
更に、特許文献1では、幅広のシートを対象とした場合に貫通孔120の長さが長くなるためドリル加工が困難になるという問題(特許文献1の段落0037参照)に対し、貫通孔120の孔径を大きくすると溶融樹脂の滞留時間が長くなり樹脂の劣化が問題になることから、孔加工が容易な長さのブロックを複数連結することも提案している。しかし、このような連結構造は装置が大型化するとともに精度も求められ、コスト上昇の原因になるとともに品質低下を招く原因にもなる。このような問題は、塗料などをシートなどの表面に塗布するコーター用ダイの液体分配金型にも同様に当てはまる課題である。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、特許文献1と同様、ドリル等で容易に加工でき、軽量化や生産コスト低減が可能であり、且つ、幅の広いシート状樹脂組成物を成形するダイや、或いは幅広く塗料などを塗布するダイにも、連結等することなく容易に対応でき、加工の難化や樹脂の劣化、品質の低下を防止できる分配金型を提供する点にある。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 液体を幅方向に広がった状態で吐出するダイを構成し、供給される液体を幅方向に広げるための分配金型であって、幅方向にわたって延びる中空孔、外部から前記中空孔の内面側に連通し、当該内面に開口した流入口を通じて液体を供給する液体供給路、及び、前記中空孔の内面側から外部に連通し、当該内面に開口した導入口を通じて液体を排出するスリット又は孔列を有する金型本体と、前記中空孔の内面側に装着され、その外周面と前記中空孔の内周面との間に、前記流入口から供給された液体を、幅方向に広げながら前記スリット又は孔列への導入口に導く分配路としての隙間を形成する内部金型と、を備えたことを特徴とする分配金型。
(1) 液体を幅方向に広がった状態で吐出するダイを構成し、供給される液体を幅方向に広げるための分配金型であって、幅方向にわたって延びる中空孔、外部から前記中空孔の内面側に連通し、当該内面に開口した流入口を通じて液体を供給する液体供給路、及び、前記中空孔の内面側から外部に連通し、当該内面に開口した導入口を通じて液体を排出するスリット又は孔列を有する金型本体と、前記中空孔の内面側に装着され、その外周面と前記中空孔の内周面との間に、前記流入口から供給された液体を、幅方向に広げながら前記スリット又は孔列への導入口に導く分配路としての隙間を形成する内部金型と、を備えたことを特徴とする分配金型。
(2) 前記中空孔が断面円形の孔であり、且つ前記内部金型が前記中空孔の内面側に装着される円柱状または円筒状の本体部を有する金型である、(1)記載の樹脂分配金型。ここに、「円柱状」、「円筒状」の本体部とは、その外周面に凹凸や傾斜面が形成され、周方向や軸方向に外径が変動するもの、たとえば図5、図8に示すように凹凸を設けたものや図10に示すように円錐台を突き合せた形状のものも含むものとする。
(3) 前記分配路が、周方向に沿って前記隙間の大きさが均等、または変動する流路とされている、請求項(1)又は(2)記載の液体分配金型。
(4) 前記分配路が、軸方向に沿って前記隙間の大きさが均等、又は変動する流路とされている、(1)〜(3)の何れかに記載の液体分配金型。
(5) 前記分配路が、前記内部金型の凹凸のない外周面と同じく凹凸のない前記中空孔の内周面との間に形成された、隙間の大きさが周方向に沿って均等または連続的に変動するスリット状流路とされるか、或いは、前記内部金型の本体部外周面に形成される凹凸状の外周面と凹凸のない前記中空孔の内周面との間に形成された、隙間の大きさが周方向に沿って段階的に変動する組合せ流路とされている、(3)記載の樹脂分配金型。
(6) 前記分配路が、前記内部金型の軸方向に外径が変動する外周面と前記中空孔の軸方向に外径が変動しない内周面との間に形成された、隙間の大きさが軸方向に沿って連続的に変動するスリット状流路とされている、(4)記載の樹脂分配金型。
(5) 前記分配路が、前記内部金型の凹凸のない外周面と同じく凹凸のない前記中空孔の内周面との間に形成された、隙間の大きさが周方向に沿って均等または連続的に変動するスリット状流路とされるか、或いは、前記内部金型の本体部外周面に形成される凹凸状の外周面と凹凸のない前記中空孔の内周面との間に形成された、隙間の大きさが周方向に沿って段階的に変動する組合せ流路とされている、(3)記載の樹脂分配金型。
(6) 前記分配路が、前記内部金型の軸方向に外径が変動する外周面と前記中空孔の軸方向に外径が変動しない内周面との間に形成された、隙間の大きさが軸方向に沿って連続的に変動するスリット状流路とされている、(4)記載の樹脂分配金型。
以上にしてなる本願発明に係る分配金型によれば、幅方向にわたって延びる中空孔に対してその内面側に内部金型を装着し、分配路が中空孔と内部金型との間の隙間に形成されるため、中空孔をドリル加工しやすい程度の大きさの穴にしつつ内部金型の外径寸法によって分配路の大きさを調整できることになり、したがって、幅の広いシート状樹脂組成物を成形するダイや、或いは幅広く塗料などを塗布するダイに適用する場合においても、軸方向に長い中空孔を加工して、同じく軸方向に長い内部金型を装着するだけで、容易に対応することができ、加工の難化や樹脂の劣化、連結精度による品質の低下などを防止しつつ、軽量化や生産コスト低減を図ることができる。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
先ず、図1〜図4に基づき、本発明に係る分配金型の第1実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、溶融樹脂を吐出してシート状樹脂成形物を成形するダイを構成し、供給される溶融樹脂をシート幅方向に広げる樹脂分配金型として構成した例について説明するが、本発明を適用できる「液体」としては、このようなシート状樹脂成形物の成形用ダイ以外に、溶融樹脂や塗料などの液体をシートなどを吐出してシートなどの表面に塗布するコーター用のダイを構成し、供給される液体をシート幅方向に広げる液体分配金型としても広く利用できる。シート状樹脂組成物とは、不織布シート以外に、樹脂フィルム、樹脂シートなどが含まれる。
分配金型1は、溶融樹脂を幅方向に広がった状態で吐出するダイを構成し、供給される溶融樹脂を幅方向に広げるための金型であり、図1〜図3に示すように、金型本体2と、該金型本体2に形成されたシート幅方向にわたって延びる中空孔20の内面側に装着される内部金型3とより構成されている。
金型本体2には、さらに外部から前記中空孔20の内面側に連通し、当該内面に開口した流入口21aを通じて溶融樹脂を供給する樹脂供給路21と、中空孔20の内面側から外部に連通し、当該内面に開口した導入口22aを通じて溶融樹脂を排出する孔列22と、孔列22の導入口22aと反対側に設けられ、シート幅方向に延びる凹溝からなる排出部23とが設けられている。なお、以下の実施形態ではすべて「孔列22」の例について説明するが、孔列22の代わりにスリットを設けたものでもよいし、孔列とスリットの組み合わせとしてもよい。
本例の孔列22は、中空孔20のシート幅方向に沿った複数の位置から各々分岐して排出部23側に延設された貫通孔より構成されている。排出部23は、図示しないノズル体の開口溝に対応する位置に開口し、溶融樹脂をノズル体に供給するリップ部となる。
中空孔20、孔列22はいずれも単一ブロックに対してドリル加工で形成された、断面円形で軸方向に沿って断面積が均一な真っ直ぐなストレート孔であり、樹脂供給路21も同じくドリル加工で形成された断面円形の真っ直ぐなストレート孔とされている。これにより中空孔20、孔列22、及び樹脂供給路21を容易に形成することができる。ドリル加工以外の機械加工で形成しても勿論よい。孔列22ではなくスリットとした場合も同様に機械加工で容易に形成することができる。
長手方向に長い中空孔20は、ドリル加工ではなく金型本体2の押出成形時に成形し、この中空孔20に対して、上記の如くドリル加工で孔列22や樹脂供給路21を形成することもできる。少なくとも中空孔20や孔列22が単一ブロックから機械加工で形成できるものが上記のとおり加工の容易性の点で好ましいが、これに更に附属的な別ブロックを組み合わせても勿論よい。
そして、内部金型3が前記中空孔20の内面側に装着されることで、その外周面30bと中空孔の内周面20bとの間に、流入口21aから供給された溶融樹脂を幅方向に広げながら前記孔列22の導入口22aへと導く分配路4としての隙間が形成される。
また、分配金型1には、外部の押出機から押し出されてギヤポンプにより圧送されてきた溶融樹脂が、図示しない配管を通じて樹脂供給路21に供給される。分配金型1は、このように外部から供給される溶融樹脂を、上記分配路4を通じて幅方向(図1の左右横方向、すなわち本例の分配金型1の長手方向)に分配したうえで、排出部23から図示しないノズル体へ当該溶融樹脂を供給するための金型である。金型本体2は図示しないヒータにより所定温度に加熱され、樹脂の溶融状態を維持されているが、滞留時間が長いと樹脂劣化が無視できなくなる。
内部金型3は、図4に示すように、左右のフランジ部31を有する円柱形状であり、この左右のフランジ部31の外周面が中空孔20の両端部の内周面20bに密着することで、中間の本体部30が浮いた状態に中空孔20内に嵌合されている。そして、さらに両端側からボルトナット50で閉塞部材5を金型本体2に取り付けることにより、前記内部金型3は金型本体2の中空孔20内に固定される。
中空孔20は、上述のとおりドリル加工された断面円形の孔であり、内部金型3は中空孔20の内面側に装着される円柱状または円筒状の本体部30を有する金型とされているが、本発明はこのような断面円形の中空孔20、本体部30になんら限定されず、多角形その他の形状であってもよい。
本実施形態では、分配路4は、内部金型3の凹凸のない外周面30bと同じく凹凸のない中空孔の内周面20bとの間に形成された、隙間の大きさが均等なスリット状流路とされており、流動性の高い不織布製造用樹脂に特に適するものである。このように内部金型3が中空孔20内に装着されることで、大きめの中空孔を難なく加工しつつも溶融樹脂が必要以上に滞留してしまうことを防止することができ、樹脂の劣化を防止することができる。
樹脂供給路21を通じて外部から供給される溶融樹脂は、前記スリット状の分配路4に充満して孔列22から排出部23に吐出される。金型本体2の樹脂排出側には、図示しないシート、フィルム用のスリットや不織布用の微細なノズル孔列が設けられたリップ金型を固定するための固定ボルトが螺合するネジ孔24が開設されている。分配金型1に組み付けられるノズル体やエアリップの構造、組み付け形態は、従来から公知のものを広く適用できる。
次に、図5〜図7、図17に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態の分配金型1Aは、上述の第1実施形態に比べて溶融樹脂等の液体の流動性がより低い場合に好適な分配路4を構成したものであり、従来、シートやフィルムの押出成形のために一般的に使用されるTダイ方式の金型の代わりに用いることができる。
従来の一般的なTダイ方式の金型は、図17に示すように、上型102Aと下型102Bを合わせる二つ割りの金型で、その合わせ面に樹脂供給路121が設けられるとともに、断面E−Eに示すようなマニホールドと呼ばれる断面円形の溝140が金型中央から幅方向に角度θで延設され、その溝140から該溝よりも浅いスリット流路141が吐出スリット122Aに向かって設置される。幅方向に吐出量が均一になるように樹脂の種類に応じて溝140の大きさや角度θが調整される。一般的に流動性が良いほどこのθの角度が小さくなる。
本実施形態の分配金型1Aは、内部金型3Aの外周面30bと金型本体2の中空孔20との間に、比較的深さの深い凹溝40と比較的深さの浅いスリット41とよりなる分配路4を備え、上述のTダイ方式と同様、流動性の低い液体の吐出量を幅方向に均一になるようにすることができるものである。図5は、本実施形態の内部金型3Aの外周面に形成される凹溝40およびスリット41からなる分配路4を示しており、図6(a)は、内部金型3Aの外周面を平面に展開した展開図であり、図6(b)は、金型本体2の中空孔20の内周面20bとの間に形成される分配路の同じく展開状態の断面図である。
具体的には、本実施形態の内部金型3Aは、第1実施形態の左右のフランジ部31を省略し、外周面30bが中空孔20の内周面20bに密着する外径寸法の円柱形状を基本としている。この外周面30bに、樹脂供給路の流入口21aに対応する軸方向略中央の位置h1から両端に向かって、徐々に周方向同じ側に変位した、軸方向および周方向の双方に交差する斜め方向に延びる2本の凹溝40が略V字状に設けられている。本例では、さらに前記位置h1に対して前記2本の凹溝40と周方向反対側の対称となる位置にも同様に、2本の凹溝40、40が略V字状に設けられ、全体として位置h1を中心とした略X字状に設けられている。
また、各凹溝40の両端辺のうち前記位置hから遠い方の端辺部から孔列の導入口22aに対応する位置h2にわたって、より浅いスリット41が連続的に設けられている。これら各凹溝40およびスリット41により、凹凸のない中空孔の内周面20bとの間に隙間の大きさが周方向に沿って段階的に変動する分配路4が形成される。そして、流入口21aから分配路4内に供給された溶融樹脂は、凹溝40内を左右幅方向端部に向けて流れると同時に、スリット41を通って供給口と反対側の導入口22aの位置で合流し、孔列22から樹脂排出部23に排出され、さらにとりつけられたリップ金型に供給されて所定のシートやフィルム、不織布等に成形加工される。
ここで、本実施形態の分配金型と従来のTダイ方式の樹脂分配金型にかかる力の比較を簡易的に行う。本実施形態の分配金型の直径をdとした。図6に示す展開長Lはπ・dである。幅はWとした。分配路内の溶融樹脂の内圧をPとした。
内圧Pは、本実施形態では図7(a)に示すように中空孔20の内周面20b(直径dのチューブ内)にかかり、従来のTダイ方式の分配金型では、図7(b)に示すように、近似すれば長さLのスリット面にかかることになる。したがって、本実施形態の分配金型を引き離す力をF0とし、従来の同等のTダイの二つあわせの金型を引き離す力をF1とすると、F0=P×d×W、F1=1/2×π×P×d×Wとなる。
すなわち、本実施形態の分配金型にかかる力は、従来のTダイ方式にかかる力の64%となる。このことから、本実施形態の分配金型は、従来の同等のTダイ方式の分配金型に比べて、コンパクトかつ軽量にすることが可能で、材料費、加工費も小さくすることができ、さらには、金型を加熱するヒータのサイズも小さくでき、容量も小さくて済むことになり経済的にも有利となることが分かる。その他の構造や変形例等については基本的に上述の第1実施形態と同じであるため、同一構造には同一符号を付し、説明は省略する。
次に、図8および図9に基づき、本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態の分配金型は、内部金型3Bの外周面30Bにおいて、上述の第2実施形態の各凹溝40の両端辺のうち位置hに近い方の端辺部をスリット状に繋げ、4本の凹溝40の代わりに一体化された、つつみ状のスリット42を設けたものである。すなわち、比較的深さの深いスリット42と比較的深さの浅いスリット41の組み合わせにより、凹凸のない中空孔の内周面20bとの間に隙間の大きさが周方向に段階的に変動し、とくに中央から端部に行くほど深いスリット42の周方向に沿った長さを長くするとともに浅いスリット41の長さを短くした分配路4が形成される。これにより、樹脂が供給される中央部から出口までの流れの抵抗を大きくし、端部に向かうにつれその抵抗を小さくして、出口からの流れを均一化することが可能となる。
内部金型3Bの両端には、第1実施形態と同様、中空孔20の内周面に密着するフランジ部31が設けられ、前記スリット41、42が形成される中間の本体部30が浮いた状態に中空孔20内に嵌合される。本実施形態は、上述の第2実施形態と同様、溶融樹脂等の液体の流動性が低い場合に好適な分配路4を構成し、従来のTダイ方式の金型の代わりに好適に用いることができる。その他の構造や変形例等については基本的に上述の第1、第2実施形態と同じであるため、同一構造には同一符号を付し、説明は省略する。
次に、図10に基づき、本発明の第4実施形態を説明する。
本実施形態の分配金型は、内部金型3Cの本体部30Cを、樹脂供給路の流入口に対応する位置である略中央位置が太く、両端に向けて次第に縮径する太鼓状に構成し、これにより中空孔の内周面20bとの間に、周方向に沿って均一で且つ軸方向に沿って中央位置から両端に向けて次第に隙間の大きくなる分配路を構成するものである。これにより、樹脂が供給される中央部から出口までの流れの抵抗を大きくし、端部に向かうにつれその抵抗を小さくして、出口からの流れを均一化することが可能となる。
上述の第2実施形態や第3実施形態のように、周方向に段階的に隙間の異なるスリット等の流路の組み合わせからなる分配路を加工する場合、5軸加工機など高度な工作機械を必要とするが、本実施形態では、単純な旋盤加工で加工できるものとして発案したものであり、樹脂が供給される中央部を太く、両端部に向かっては円錐面とした形状のものである。
金型本体の中空孔20の内径(フランジ部の外径)dと、本体部30の中央部の外径d1と、両端部の外径d2の選択により、溶融樹脂の分配を最適に調整できる。このように周方向だけでなく幅方向に沿った隙間の大きさを変動させることでも溶融樹脂の分配を最適に調整できる。このような例も溶融樹脂等の液体の流動性が低い場合に好適である。その他の構造や変形例等については基本的に上述の第1実施形態と同じであるため、同一構造には同一符号を付し、説明は省略する。
次に、図11に基づき、本発明の第5実施形態を説明する。
本実施形態の分配金型1Dは、金型本体2Dが、中空孔20が上下真半分に分割された分割金型25、26を、ボルト51などで互いに分割可能に結合して構成されている。一般的に分配金型は、必要に応じて分解して流路の清掃を行う。分配金型が比較的小さく、人手で持ち運びできるようなものであれば分配金型全体を焼却炉に入れて加熱し、樹脂を焼いて除去することもできるが、分配金型が大きすぎて適用できる焼却炉が無かったり、焼成しても内部金型を抜き出しにくいことも想定される。本実施形態のように、金型本体2Dの中空孔20を分割金型25、26の組み合わせで構成することにより、分割金型25、26を分離して内部金型3を容易に取り外すことができることになる。その他の構造や変形例等については基本的に上述の第1実施形態と同じであるため、同一構造には同一符号を付し、説明は省略する。
次に、図12に基づき、本発明の第6実施形態を説明する。
本実施形態の分配金型1Eは、内部金型3Eの本体部の中心軸を中空孔20の中心軸に対して孔列の導入口22aがある側にオフセットさせ、流入口21a側から周方向に沿って連続的に隙間が小さくなる分配路4を構成したものである。このような例も溶融樹脂等の液体の流動性が低い場合に好適となる。このようなものは、具体的には、内部金型3Eの図示しないフランジ部の中心軸を本体部30の中心軸に対して流入口21aがある側にオフセットさせることで容易に作製できる。その他の構造や変形例等については基本的に上述の第1実施形態と同じであるため、同一構造には同一符号を付し、説明は省略する。
次に、図13に基づき、本発明の第7実施形態を説明する。
本実施形態の分配金型は、内部金型の本体部にプレートヒータやカートリッジヒータ等のヒータを内装したものである。金型本体は図示しないヒータにより所定温度に加熱されているが、内部金型についても同じくヒータで加熱し、両者間に形成される分配路内の溶融樹脂の溶融状態を維持させることが好ましい例である。
本例では、内部金型を軸方向に複数に分割可能に構成されたものである。この場合、内部のヒータ6の配線を隣接する内部金型の本体部を通す必要がある。本例では、本体部30Fの内部の均等位置にヒータ6が埋設されるとともに中心部にヒータ配線60を通すための配線孔33が設けられている。図中符号70、71は本体部同士を連結するための本体部端部に設けられるネジ孔および雄ネジ部であり、互いに螺合することで結合部32を構成している。その他の構造や変形例等については基本的に上述の第1実施形態と同じであるため、同一構造には同一符号を付し、説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではない。たとえば分配路の隙間の大きさを周方向に沿って変動させるとともに軸方向にも変動させたものや、中空孔の内周面側に凹凸形状を設けたものなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
また、中空孔の内周面および内部金型の外周面の周方向すべての領域を使う必要はなく、例えば図18(a),(b)に示すように、部分的に使って分配路を構成することも可能である。
また、本発明の液体分配金型は、必ずしも幅方向に均一厚みになるように液体を吐出するためのものに限定されない。一般的にシートやフィルムを成形する場合は厚さを均一にするように分配するが、幅方向に厚さを変えるように分配路を構成することも好ましい例である。
また、中空孔の内周面および内部金型の外周面の周方向すべての領域を使う必要はなく、例えば図18(a),(b)に示すように、部分的に使って分配路を構成することも可能である。
また、本発明の液体分配金型は、必ずしも幅方向に均一厚みになるように液体を吐出するためのものに限定されない。一般的にシートやフィルムを成形する場合は厚さを均一にするように分配するが、幅方向に厚さを変えるように分配路を構成することも好ましい例である。
1,1D,1E 分配金型
2,2D 金型本体
3,3A,3B,3C,3E,3F 内部金型
4 分配路
5 閉塞部材
6 ヒータ
20 中空孔
20b 内周面
21 樹脂供給路
21a 流入口
22 孔列
22a 導入口
23 排出部
24 ネジ孔
25、26 分割金型
30,30B,30C,30F 本体部
30b 外周面
31 フランジ部
32 結合部
33 配線孔
40 凹溝
41 スリット
42 スリット
50 ボルトナット
51 ボルト
60 配線
102 金型本体
102A 上型
102B 下型
105 閉塞部材
120 貫通孔
121 樹脂供給路
121a 流入口
122 孔列
122A 吐出スリット
123 樹脂排出部
140 溝
141 スリット流路
h1 位置
h2 位置
2,2D 金型本体
3,3A,3B,3C,3E,3F 内部金型
4 分配路
5 閉塞部材
6 ヒータ
20 中空孔
20b 内周面
21 樹脂供給路
21a 流入口
22 孔列
22a 導入口
23 排出部
24 ネジ孔
25、26 分割金型
30,30B,30C,30F 本体部
30b 外周面
31 フランジ部
32 結合部
33 配線孔
40 凹溝
41 スリット
42 スリット
50 ボルトナット
51 ボルト
60 配線
102 金型本体
102A 上型
102B 下型
105 閉塞部材
120 貫通孔
121 樹脂供給路
121a 流入口
122 孔列
122A 吐出スリット
123 樹脂排出部
140 溝
141 スリット流路
h1 位置
h2 位置
Claims (4)
- 液体を幅方向に広がった状態で吐出するダイを構成し、供給される液体を幅方向に広げるための液体分配金型であって、
幅方向にわたって延びる中空孔、外部から前記中空孔の内面側に連通し、当該内面に開口した流入口を通じて液体を供給する液体供給路、及び、前記中空孔の内面側から外部に連通し、当該内面に開口した導入口を通じて液体を排出するスリット又は孔列を有する金型本体と、
前記中空孔の内面側に装着され、その外周面と前記中空孔の内周面との間に、前記流入口から供給された液体を、幅方向に広げながら前記スリット又は孔列への導入口に導く分配路としての隙間を形成する内部金型と、
を備えたことを特徴とする液体分配金型。 - 前記中空孔が断面円形の孔であり、且つ前記内部金型が前記中空孔の内面側に装着される円柱状または円筒状の本体部を有する金型である、請求項1記載の液体分配金型。
- 前記分配路が、周方向に沿って前記隙間の大きさが均等、または変動する流路とされている、請求項1又は2記載の液体分配金型。
- 前記分配路が、軸方向に沿って前記隙間の大きさが均等、又は変動する流路とされている、請求項1〜3の何れか1項に記載の液体分配金型。
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JP2017125282A (ja) * | 2016-01-15 | 2017-07-20 | 株式会社リメディオ | ノズル、乾式紡糸装置、ノズルセット、及び、ノズル取付方法 |
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