JP2020102312A - 非水系リチウム二次電池の負極材料 - Google Patents

非水系リチウム二次電池の負極材料 Download PDF

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Abstract

【課題】非水系リチウム二次電池を低抵抗化し、かつ高温下での非水系リチウム二次電池の特性劣化を抑制することが可能な負極材料を提供する。【解決手段】ここに開示される非水系リチウム二次電池の負極材料は、黒鉛と、前記黒鉛の表面の少なくとも一部に形成されたオキソカーボン酸塩の被覆と、を備える。前記オキソカーボン酸塩は、クロコン酸塩、ロジゾン酸塩、およびヘプタゴン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。前記黒鉛に対する前記オキソカーボン酸塩の被覆量は、0.1質量%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系リチウム二次電池の負極材料に関する。
近年、非水系リチウム二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
一般的に、非水系リチウム二次電池の負極には、負極活物質として黒鉛が用いられている(例えば、特許文献1および2参照)。非水系リチウム二次電池はその普及に伴い、さらなる高性能化が望まれている。高性能化のための方策の一つとしては、負極材料の改良が挙げられる。負極材料の改良の例として、特許文献3には、負極活物質の表面の一部を、特定構造の金属塩またはオキソカーボン酸で被覆することにより、サイクル特性(具体的には、繰り返し充放電した際の容量劣化耐性)が向上することが記載されている。特許文献3には、オキソカーボン酸として、四員環構造のスクエア酸二リチウム(スクアリン酸二リチウム)について実際に検討がなされている。
特開2016−091998号公報 特開2015−187934号公報 特開2009−021229号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、従来技術においては、初期抵抗の低抵抗化が不十分であり、また長期間高温下に放置すると電池特性が低下するという問題があることを見出した。
上記事情に鑑み、本発明は、非水系リチウム二次電池を低抵抗化し、かつ高温下での非水系リチウム二次電池の特性劣化を抑制することが可能な負極材料を提供することを目的とする。
ここに開示される非水系リチウム二次電池の負極材料は、黒鉛と、前記黒鉛の表面の少なくとも一部に形成されたオキソカーボン酸塩の被覆と、を備える。前記オキソカーボン酸塩は、クロコン酸塩、ロジゾン酸塩、およびヘプタゴン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。前記黒鉛に対する前記オキソカーボン酸塩の被覆量は、0.1質量%以上である。
このような構成によれば、非水系リチウム二次電池を低抵抗化し、かつ高温下での非水系リチウム二次電池の特性劣化を抑制することが可能な負極材料が提供される。
本発明の一実施形態に係る負極材料を用いて構築されるリチウム二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る負極材料を用いて構築されるリチウム二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない負極材料の一般的な構成)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本実施形態に係る負極材料は、黒鉛と、当該黒鉛の表面の少なくとも一部に形成されたオキソカーボン酸塩の被覆と、を備える。ここで、当該オキソカーボン酸塩は、クロコン酸塩、ロジゾン酸塩、およびヘプタゴン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。当該黒鉛に対する当該オキソカーボン酸塩の被覆量は、0.1質量%以上である。
黒鉛は、非水系リチウム二次電池の負極活物質としての役割を有する。黒鉛は、天然黒鉛および人造黒鉛のいずれであってもよい。初期抵抗の面からは、天然黒鉛が好ましい。高温下での容量劣化耐性の面からは、人造黒鉛が好ましい。
黒鉛の平均粒子径は、特に制限はないが、通常50μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは5μm以上15μm以下である。なお、本明細書において「平均粒子径」とは一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布おいて、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう)のことをいう。
黒鉛のBET比表面積は、特に制限はないが、通常0.1m/g以上10m/g以下であり、好ましくは1.0m/g以上5.0m/g以下である。なお、BET比表面積は、窒素ガス吸着法により測定することができる。
オキソカーボン酸とは、エンジオール(−C(OH)=C(OH)−)がカルボニル基によりつながった環構造を有する環状化合物のことをいう。本実施形態に係る負極材料においては、上記黒鉛の表面の少なくとも一部に、オキソカーボン酸塩の被覆が形成されている。本実施形態においては、オキソカーボン酸塩の中でも、クロコン酸塩、ロジゾン酸塩、およびヘプタゴン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。
クロコン酸塩は、5員環構造のオキソカーボン酸の塩であり、ロジゾン酸塩は、6員環構造のオキソカーボン酸の塩であり、およびヘプタゴン酸は、7員環構造のオキソカーボン酸の塩であり、それぞれ、下記式(I)、(II)および(III)で表すことができる。
Figure 2020102312
上記式(I)、(II)および(III)において、Mは一価のカチオンを表す。
本実施形態においては、オキソカーボン酸塩は、好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩である。(すなわち、より好ましくは、上記式(I)、(II)および(III)において、Mが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、およびカリウムイオンである。)
従来技術においては、四員環構造のスクアリン酸の塩が用いられていたが、本実施形態においては、5員環以上の構造のオキソカーボン酸の塩を用いる。後述の実施例および比較例の結果が示すように、これにより、初期抵抗低減効果と、高温保存後の特性劣化耐性向上効果が得られる。特に高温保存後の抵抗増加抑制効果は顕著である。これは、これらのオキソカーボン酸塩で黒鉛粒子を被覆することにより化学安定性が向上し、SEI被膜が安定して形成されるようになること、オキソカーボン酸塩のカルボニル基の分極作用により、非水電解質中のリチウムイオンを黒鉛粒子に引き付け易くなり、低抵抗化が得られること、およびオキソカーボン酸の環構造の炭素数が増えると、一分子あたりの電荷の偏りによる静電引力の働く範囲が大きくなること、によるものと考えられる。
黒鉛に対するオキソカーボン酸塩の被覆量が小さいと、初期抵抗低減効果および高温下での容量劣化耐性向上効果が十分に得られない。そのため、黒鉛に対するオキソカーボン酸塩の被覆量は、0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは0.8質量%以上である。一方、黒鉛に対するオキソカーボン酸塩の被覆量は、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。
オキソカーボン酸塩の被覆は、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、オキソカーボン酸塩以外の化合物を含有していてもよい。
本実施形態に係る負極材料は、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、オキソカーボン酸塩の被覆以外の被覆を有していてもよい。
本実施形態に係る負極材料は、例えば、以下のようにして製造することができるが、本実施形態に係る負極材料の製造方法は以下に制限されない。
容器に、クロコン酸塩、ロジゾン酸塩、およびヘプタゴン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のオキソカーボン酸塩と、水等の溶媒を添加して混合し、オキソカーボン酸塩溶液を調製する。
黒鉛を、当該溶液中に添加し、撹拌して分散させる。その後、容器を加温して、溶媒を揮発させて除去する。
以上のようにして、本実施形態に係る負極材料を得ることができる。なお、黒鉛に対するオキソカーボン酸塩の被覆量は、黒鉛に対するオキソカーボン酸塩の添加量を調整することにより、制御することができる。
本実施形態に係る負極材料は、非水系リチウム二次電池の負極材料である。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
また、本明細書において「非水系リチウム二次電池」とは、非水電解質を備えるリチウム二次電池のことをいう。
本実施形態に係る負極材料を用いて、公知方法に従って非水系リチウム二次電池を構築することができる。具体的には、本実施形態に係る負極材料は、負極活物質としての役割を有するため、公知の非水系リチウム二次電池において、負極活物質に、本実施形態に係る負極材料を用いればよい。
本実施形態に係る負極材料を非水系リチウム二次電池に用いることにより、非水系リチウム二次電池を低抵抗化し、かつ高温下での非水系リチウム二次電池の特性劣化を抑制することができる。
以下、本実施形態に係る負極材料を用いた非水系リチウム二次電池の具体的な構成例を、図面を参照しながら説明する。
図1に示す非水系リチウム二次電池100(以下、単に「リチウム二次電池100」と記す)は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。正負極端子42,44はそれぞれ正負極集電板42a,44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質には、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回されている。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば、リン酸リチウム、導電材、バインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイトなど)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む材料である上述の本実施形態に係る負極材料を含む。負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、従来からリチウム二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質は従来の非水系リチウム二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。或いは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒および支持塩以外の成分、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
リチウム二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウム二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以上、例として扁平形状の捲回電極体を備える角型のリチウム二次電池について説明した。しかしながら、本実施形態に係る負極材料は、公知方法に従い、他の種類のリチウム二次電池にも使用可能である。例えば、本実施形態に係る負極材料を用いて、積層型電極体を備えるリチウム二次電池を構築することもできる。また、本実施形態に係る負極材料を用いて、円筒型リチウム二次電池、ラミネート型リチウム二次電池等を構築することもできる。
以下、本発明に関する実施例を詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<負極材料の作製>
(実施例1)
負極活物質(A)としての天然黒鉛(平均粒子径D50=10μm)を準備し、50g計り取った。有機酸(B)としてクロコン酸リチウム(クロコン酸二リチウム)を、負極活物質(A)に対して2.0質量%となるように容器に計り取った。これに超純水を加え、十分に撹拌して有機酸(B)を溶解し、50gの有機酸(B)の水溶液を調整した。
この有機酸(B)の水溶液50gに、負極活物質(A)50gを添加し、撹拌して負極活物質(A)を分散させた。
撹拌しながら容器を95℃に加温して水を除去し、実施例1の負極材料を得た。得られた実施例の負極材料において、負極活物質(A)に対する有機酸(B)の被覆量は、2.0質量%であった。
(実施例2〜9)
有機酸(B)として表1に示すものを用い、負極活物質(A)に対する有機酸(B)の使用量(質量%)を表1に示す被覆量(質量%)と同じ値にして、実施例1と同様の方法により、実施例2〜9の負極材料を得た。
(実施例10)
負極活物質として天然黒鉛に代えて人造黒鉛を用い、負極活物質(A)に対する有機酸(B)の使用量(被覆量)を1.0質量%とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例10の負極材料を得た。
(比較例1)
実施例1に用いた負極活物質(A)としての天然黒鉛を、そのまま比較例1の負極材料とした。
(比較例2)
実施例10に用いた負極活物質(A)としての人造黒鉛を、そのまま比較例2の負極材料とした。
(比較例3および4)
有機酸(B)として表1に示すものを用い、負極活物質(A)に対する有機酸(B)の使用量(質量%)を表1に示す被覆量(質量%)と同じ値にして、実施例1と同様の方法により、比較例3および4の負極材料を得た。
<評価用リチウム二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、リン酸リチウム(LPO)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:LPO:AB:PVdF=88:2:8:2の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ5μmのアルミニウム箔の表面に塗布して乾燥した後、ロールプレスすることにより、正極シートを作製した。この正極シートにおいて、正極活物質層の主面の寸法は一辺が106mmとした。
上記の各実施例および各比較例の負極材料10gと、濃度1質量%のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液10gとを混合し、さらに40質量%のスチレンブタジエンラバー(SBR)水分散液0.25gを加えて、混練機「あわとり練太郎」(株式会社シンキー製)を用いて2000rpmで5分間混練後、10分間脱泡することで、負極スラリーを調整した。このスラリーを、厚さ10μmの銅箔の表面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより負極シートを作製した。この負極シートの負極活物質層の主面の寸法は、正極活物質層の主面の寸法よりもわずかに大きくした。
セパレータとして、PP/PE/PPの三層構造の厚さ24μmの多孔質ポリオレフィンシートを用意した。
上記作製した正極シート、上記作製した負極シート、およびセパレータを重ね合わせて、電極体を作製した。このとき、正極シートの正極活物質層側の面と、負極活物質層の負極活物質層側の面とを対向させ、正極活物質層の主面が、負極活物質層の主面内から外れないように配置した。また、セパレータを正極シートと負極シートとの間に介在するようにした。
作製した電極体に集電タブを溶接して取り付けた。これをラミネートシートで挟み込み、集電タブのある一辺を除く三辺をヒートシールして、ラミネートシートを袋状にした。
ヒートシールされていない一辺から電解液を注入し、所定時間放置して電極体に電解液を十分に浸透させた。なお、電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、LiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
その後、密閉して、ラミネートセルを作製した。これを充電した後60℃でエージング処理して、評価用リチウム二次電池とした。
<電池抵抗測定>
各評価用リチウム二次電池の電圧(開放電圧)を3.70V(SOC56%に相当)に調整した後、25℃の環境下に置いた。所定の電流値で10秒間充電し、その際の通電前後の電圧差を通電電流で除することにより、抵抗値を算出し、これを初期抵抗とした。
比較例1の負極材料を用いた評価用リチウム二次電池の初期抵抗を100とした場合の、各実施例およびその他の比較例の負極材料を用いた評価用リチウム二次電池の初期抵抗の比を求めた。結果を表1に示す。
<高温保存試験>
各評価用リチウム二次電池を、25℃の環境下に置いた。これを1/5Cの電流値で4.1Vまで定電流−定電圧充電(カット電流:1/50C)し、10分間休止した後、1/5Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
各評価用リチウム二次電池を、4.1V(SOC100%に相当)まで充電した後、60℃の恒温槽内で20日間保存した。その後、上記と同じ方法で各評価用リチウム二次電池の放電容量を測定し、このときの放電容量を、高温保存後の電池容量として求めた。(高温保存後の電池容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。
また、上記と同じ方法で各評価用リチウム二次電池の抵抗(高温保存後の電池抵抗)を測定した。{1−(高温保存後の抵抗/初期抵抗)}×100より、抵抗増加率(%)を求めた。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2020102312
実施例1〜9と比較例1との比較より、天然黒鉛を特定のオキソカーボン酸塩で被覆することにより、初期抵抗が小さくなるという効果が得られ、高温保存後の特性劣化耐性も向上していることがわかる。また、実施例10と比較例2との比較より、人造黒鉛を特定のオキソカーボン酸塩で被覆した場合でも、初期抵抗低減効果と、高温保存後の特性劣化耐性向上効果とが得られていることがわかる。したがって、黒鉛の種類は、天然黒鉛であるか人造黒鉛であるかによらず、これらの効果が発揮されることがわかる。なお、初期抵抗に関しては、天然黒鉛が優れ、高温保存後の特性劣化耐性に関しては、人造黒鉛が優れている傾向が見られた。
実施例2,6,9と比較例3との比較より、5員環以上のオキソカーボン酸の塩を用いることにより、初期抵抗低減効果と、高温保存後の特性劣化耐性向上効果とが得られていることがわかる。特に高温保存後の抵抗増加抑制効果は顕著である。これは、オキソカーボン酸の環構造の炭素数が増えると、一分子あたりの電荷の偏りによる静電引力の働く範囲が大きくなるためであると考えられる。
実施例1〜4と比較例4との結果より、初期抵抗低減効果と、高温保存後の特性劣化耐性向上効果とを得るためには、好適なオキソカーボン酸塩の被覆量があることがわかる。具体的には、初期抵抗低減効果と、高温保存後の特性劣化耐性向上効果とが得えられるのはオキソカーボン酸塩の被覆量が0.1質量%以上のときであり、特に被覆量が1質量%の場合に、効果が顕著に高いことがわかる。
以上の結果より、本実施形態に係る非水系リチウム二次電池の負極材料によれば、非水系リチウム二次電池を低抵抗化し、かつ高温下での非水系リチウム二次電池の特性劣化を抑制することができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウム二次電池

Claims (1)

  1. 黒鉛と、
    前記黒鉛の表面の少なくとも一部に形成されたオキソカーボン酸塩の被覆と、
    を備える非水系リチウム二次電池の負極材料であって、
    前記オキソカーボン酸塩が、クロコン酸塩、ロジゾン酸塩、およびヘプタゴン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記黒鉛に対する前記オキソカーボン酸塩の被覆量が、0.1質量%以上である、
    非水系リチウム二次電池の負極材料。
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