JP2020099856A - 蒸留装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプを用いて省エネルギーを図るとともに、ヒートポンプに消費されるエネルギーを抑制して、さらに高い省エネルギー効果を得ることが可能な蒸留装置を提供する。【解決手段】低沸点成分を高沸点成分よりも高濃度で含有する原料液を蒸留して、低沸点成分と高沸点成分とを分離するのに用いられる蒸留装置100において、蒸留塔を第1蒸留塔1と第2蒸留塔2の2つの蒸留塔に分け、第1蒸留塔は第1リボイラ11を備え、第2蒸留塔は第2リボイラ12を備えた構成とするとともに、塔頂コンデンサ21の冷却水の熱を、第1リボイラ用の第1ヒートポンプHP1と、第2リボイラ用の第2ヒートポンプHP2の2種類のヒートポンプとに振り分け、各ヒートポンプで汲み上げた熱を、第1蒸留塔用の第1リボイラと、第2蒸留塔用の第2リボイラとに供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプを用いた蒸留装置に関し、詳しくは、低沸点成分を高沸点成分よりも高濃度で含有する原料液を蒸留して、低沸点成分と高沸点成分とを分離するのに用いられる蒸留装置に関する。
蒸留装置における省エネルギー化の必要性は近年、益々増大しており、種々の提案が行われている。
そのような省エネルギー技術の1つとして、蒸留装置にヒートポンプを組み込んで、熱効率を向上させるようにした蒸留装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の蒸留装置は、蒸留塔と、蒸留コンデンサと、蒸留リボイラと、蒸留コンデンサから流出した第一出力流体を蒸留塔に戻すための還流用の配管とを備える蒸留装置である。
そして、この蒸留装置は、作動媒体(水)が蒸留コンデンサで受け取った熱を蒸留リボイラに与えるためのヒートポンプを備えている。ヒートポンプは、蒸留コンデンサと蒸留リボイラを接続するとともに作動媒体が循環する循環流路と、蒸留コンデンサで蒸発した後の作動媒体を圧縮する圧縮機と、蒸留リボイラで熱を与えた後の作動媒体を減圧(膨張)させる減圧弁とを備えた構成とされている。
そして、この蒸留装置によれば、蒸留塔の頂部から流出した第一出力流体の有する熱エネルギーが、ヒートポンプによって蒸留リボイラにおいて有効に回収され、第一出力流体の熱エネルギーの有効利用により、蒸留リボイラにおける第二出力流体の加熱に必要な熱エネルギーの削減を図ることが可能になるとされている。
特公平06−009641号公報
ところで、蒸留装置における省エネルギー化を図る方法の一つとして、上述のようにヒートポンプを利用する方法は、極めて有効な方法の一つであると考えられる。
しかしながら、蒸留塔の塔頂ベーパを冷却するためのコンデンサの冷却水から熱を回収し、加熱源としてリボイラに供給しようとすると、ヒートポンプとして高圧縮のタイプのものを用いることが必要となる。その結果、ヒートポンプの成績効率(COP)は小さくなり、省エネルギー効果も小さくなるという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、蒸留装置にヒートポンプを用いて省エネルギーを図るとともに、ヒートポンプに消費されるエネルギーを抑制して、さらなる省エネルギー効果を得ることが可能な蒸留装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の蒸留装置は、
高沸点成分と、前記高沸点成分より高濃度の低沸点成分とを含有する液の蒸留を行い、前記低沸点成分を主成分とする第2塔頂ベーパと、前記低沸点成分よりも前記高沸点成分を高い割合で含有する第2塔底液に分離する第2蒸留塔と、
前記高沸点成分と、前記高沸点成分より高濃度の前記低沸点成分とを含有する原料液と、前記第2塔底液との混合液を循環させて加熱・蒸発させ、前記第2蒸留塔の塔底に供給する第2リボイラと、
前記第2蒸留塔の塔頂から取り出される前記低沸点成分を主成分とする前記第2塔頂ベーパを、塔頂コンデンサ用循環冷却水により冷却して、前記低沸点成分を主成分とする凝縮液を留出液として回収するための塔頂コンデンサと、
前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記第2リボイラに第2リボイラ用高温水として供給するように構成された第2ヒートポンプと、
前記第2塔底液の蒸留を行う第1蒸留塔であって、塔頂に供給される前記第2塔底液を蒸留して、塔頂から取り出される第1塔頂ベーパと、塔底から取り出される第1塔底液とに分離し、かつ、前記第1塔頂ベーパが前記第2蒸留塔の塔底に供給されるように構成された第1蒸留塔と、
前記第1塔底液を循環させて加熱・蒸発させ、前記第1蒸留塔の塔底に供給する第1リボイラと、
前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水のうち、前記第2ヒートポンプに送られた一部を除いた残部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記第1リボイラに第1リボイラ用高温水として供給するように構成された第1ヒートポンプと
を備え、
前記第2ヒートポンプのCOPの値が、前記第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成されていること
を特徴としている。
本発明においては、前記第2ヒートポンプのCOPの値が、前記第1ヒートポンプのCOPの値より1.5以上大きくなるように構成されていることが好ましい。
前記第2ヒートポンプとして、COPの値が5.0以上8.0以下のヒートポンプが用いられるように構成されていることが好ましい。
また、前記第1蒸留塔の塔径が、前記第2蒸留塔の塔径よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。
前記第2ヒートポンプで温度レベルを上げて前記第2リボイラに供給される前記第2リボイラ用高温水の温度が、前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、
前記第1リボイラに供給される前記第1リボイラ用高温水の温度が、前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上60℃以下の範囲で高くなるように構成されていること
が好ましい。
また、本発明は、前記低沸点成分が有機溶剤であり、前記高沸点成分が水である場合に好適に用いることができる。
また、本発明は、前記低沸点成分と前記高沸点成分が、いずれも有機溶剤である場合にも好適に用いることができる。
本発明の蒸留装置は、上述のような構成を備え、かつ、第2ヒートポンプのCOP(成績効率)の値が、第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成されているので、省エネルギー性に優れた、エネルギー効率の高い蒸留装置を実現することができる。
詳しく説明すると、例えば、従来広く用いられている、単一の蒸留塔を備えたヒートポンプ式蒸留設備において、塔頂ベーパを冷却するための塔頂コンデンサの冷却水の熱をヒートポンプにおいて回収し、回収した熱量をリボイラに供給するようにした場合、ヒートポンプのCOP(成績効率=加熱・冷却能力(kW)/消費電力(kW))の値は3程度になる。
これに対して、本発明では、蒸留塔を第1蒸留塔と第2蒸留塔の2つの蒸留塔に分け、第1蒸留塔は第1リボイラを備え、第2蒸留塔は第2リボイラを備えた構成とするとともに、塔頂コンデンサの冷却水の熱を、第1リボイラ用の第1ヒートポンプと、第2リボイラ用の第2ヒートポンプの2種類のヒートポンプとに振り分け、各ヒートポンプで汲み上げた熱を、第1蒸留塔用の第1リボイラと、第2蒸留塔用の第2リボイラとに供給するようにしている。
ここで、例えば、各ヒートポンプで汲み上げた熱を第1リボイラと第2リボイラで50%ずつ供給するようにした場合、第1リボイラ用の第1ヒートポンプのCOPは3程度のままとなるが、本発明の蒸留装置のように、蒸留塔を第1蒸留塔と第2蒸留塔の2つの蒸留塔に分け、第1蒸留塔は第1リボイラを備え、第2蒸留塔は第2リボイラを備えた構成とした場合、第2ヒートポンプのCOPの値が、第1ヒートポンプのCOPの値より高い値となるように構成することが可能になり、本発明では、第2ヒートポンプのCOPの値が、第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成している。
そして、このように構成した場合、第1ヒートポンプのCOPを3、第2ヒートポンプのCOPを4(=3+1)とすると、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2つのヒートポンプのトータルのCOPは(3+4)/2=3.5となり、上述の従来技術の場合のCOP3に対して、約1.17倍の効率を得ることができる。
なお、例えば、第1ヒートポンプおよび第2ヒートポンプで汲み上げた熱を第1リボイラと第2リボイラで50%ずつ供給するようにした場合、第1リボイラ用の第1ヒートポンプのCOPは3程度のままとなるが、供給液を加熱するための第2リボイラ用の第2ヒートポンプについては、実際に、COPを5.0以上8.0以下の高い値とすることが可能になる。
そして、第2ヒートポンプのCOPを8とした場合、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2つのヒートポンプのトータルのCOPは(3+8)/2=5.5となり、上述の従来技術の場合のCOP3に対して1.83倍の効率を得ることが可能になる。
なお、第2ヒートポンプのCOPを5とした場合にも、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2つのヒートポンプのトータルのCOPは(3+5)/2=4.0となり、上述の従来技術の場合のCOP3に対して1.33倍の効率を得ることができる。
なお、上記の例では、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2種類のヒートポンプで熱を汲み上げ、第1リボイラに50%、第2リボイラ(供給液加熱ヒータ)に50%の熱を供給するようにした場合について説明しているが、本発明の蒸留装置においては、通常、第1リボイラに供給する熱量の2倍あるいはそれ以上の割合の熱量が第2リボイラに供給されることになるので、第2ヒートポンプのCOPの値を、第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成することで、十分に有意義な省エネルギー効果を得ることが可能になる。
また、本発明においては、第2ヒートポンプのCOPの値が、第1ヒートポンプのCOPの値より1.5以上大きくなるように構成することにより、さらに高い省エネルギー効果を得ることが可能になる。
また、本発明においては、第2ヒートポンプとして、COPの値が5.0以上8.0以下のヒートポンプを用いることができるように構成した場合、第2ヒートポンプのCOPの値を第1ヒートポンプのCOPの値よりも十分に大きくしやすくなるため、第1および第2の2つのヒートポンプの全体のCOPを大きくすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明の蒸留装置は、第1蒸留塔と第2蒸留塔を備えており、第2蒸留塔には、原料液と第2蒸留塔の塔底液との混合液を加熱して蒸発させたベーパと、第1蒸留塔の塔頂ベーパ(第1塔頂ベーパ)とが供給されるのに対して、第1蒸留塔には、第2蒸留塔の塔底液(第2塔底液)のみがその塔頂から供給され、流下した第1蒸留塔の塔底液(第1塔底液)が第1リボイラで加熱されて蒸発したベーパのみが第1蒸留塔に供給されることになるため、第1蒸留塔のベーパの流量は、第2蒸留塔のベーパの流量よりも大幅に少なくなる。その結果、第1蒸留塔の塔径を第2蒸留塔の塔径よりも小さくすることが可能になる。
具体的には、第1蒸留塔の塔径を第2蒸留塔の塔径の、例えば1/3〜2/3にまで小さくすることが可能になり、装置全体の小型化、コストの削減を図ることが可能になる。
また、第2ヒートポンプで温度レベルを上げて第2リボイラに供給される第2リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサにおいて第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、また、第1リボイラに供給される第1リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサにおいて第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上60℃以下の範囲で高くなるように構成した場合、第2ヒートポンプのCOPの値を第1のヒートパイプのCOPの値よりも十分に大きくすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明は、低沸点成分が有機溶剤であり、高沸点成分が水である系に適用した場合に、省エネルギー効率の良好な蒸留装置を実現することができる。
また、本発明は、低沸点成分と高沸点成分が、いずれも有機溶剤である系にも適用することが可能であり、その場合にも省エネルギー効率の良好な蒸留装置を実現することができる。
本発明の一実施形態にかかる蒸留装置の構成を示すフローシートである。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、本実施形態では、低沸点成分であるメタノールを70wt%の割合で含み、残部(30wt%)が水(高沸点成分)である原料液(被処理液)を蒸留してメタノールを分離、回収するための蒸留装置を例にとって説明する。
本実施形態にかかる蒸留装置100は、ヒートポンプを用いて省エネルギー性の向上を図った蒸留装置である。
図1に示すように、本実施形態にかかる蒸留装置100は、水(高沸点成分)と、メタノール(低沸点成分)を含有する液の蒸留を行い、低沸点成分を主成分とする塔頂ベーパ(第2塔頂ベーパ)(メタノール99.5wt%)と、低沸点成分よりも高沸点成分を高い割合で含有する塔底液(第2塔底液)(メタノール28wt%)に分離する第2蒸留塔2を備えているとともに、水(30wt%)と、メタノール(70wt%)とを含有する原料液と、第2蒸留塔2の塔底液(第2塔底液)との混合液を循環させて加熱・蒸発させ、第2蒸留塔2の塔底に供給するように構成された第2リボイラ12を備えている。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100は、第2蒸留塔2の塔頂から取り出されるメタノールを主成分とする第2塔頂ベーパを、塔頂コンデンサ用循環冷却水により冷却して、メタノールを主成分とする凝縮液(メタノール99.5wt%)を留出液として回収するための塔頂コンデンサ21を備えている。なお、塔頂コンデンサ21としては、円筒多管式熱交換器が用いられている。
なお、塔頂コンデンサ21には、真空ポンプ31により系内を真空に吸引するための吸引ライン32が接続されている。なお、真空ポンプ31としては、水封式の真空ポンプが用いられている。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100は、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて第2リボイラ12に第2リボイラ用高温水として供給するように構成された第2ヒートポンプHP2を備えている。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100は、第2蒸留塔2の塔底液(第2塔底液)の蒸留を行う第1蒸留塔1と、第1蒸留塔1の塔底液(第1塔底液)を循環させることにより加熱・蒸発させて、発生した蒸気を第1蒸留塔1の塔底に供給するように構成された第1リボイラ11とを備えている。
第1蒸留塔1の塔頂ベーパ(第1塔頂ベーパ)は第2蒸留塔2の塔底に供給されるように構成されている。
さらに、本実施形態にかかる蒸留装置100は、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水のうち、第2ヒートポンプHP2に送られた一部を除いた残部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて第1リボイラ11に第1リボイラ用高温水として供給するように構成された第1ヒートポンプHP1を備えている。
以下、図1を参照しつつ、本実施形態にかかる蒸留装置100についてさらに詳しく説明する。
本発明の蒸留装置100が備える第2蒸留塔2は、上述のように、メタノール水溶液の蒸留を行う蒸留塔であって、例えば、棚段塔、充填塔など種々の構成のものを用いることが可能である。なお、本実施形態では規則充填塔が用いられている。
また、第2リボイラ12は、第2蒸留塔2の塔底液と、第2リボイラ12の塔底液と、予熱器41を通過して昇温した原料液(供給液)との混合液を加熱して蒸発させるものであり、本実施形態では、第2リボイラ12として、液膜降下式の間接型熱交換器が用いられている。ただし、他の型式の熱交換器を用いることも可能である。
また、予熱器41としては、プレート式熱交換器が用いられている。
この第2リボイラ12は、第2ヒートポンプHP2からの66℃の高温水が加熱源として用いられる間接型熱交換器であって、第2リボイラ12において加熱され、発生したベーパは、上述したように、第2蒸留塔2の塔底に供給される。
なお、第2蒸留塔2の塔底液は、第2循環ポンプ42を経て、第2リボイラ12の塔頂に供給される。そして、予熱器41を通過して昇温した上述の原料液(供給液)は、第2循環ポンプ42の下流側で、第2蒸留塔2の塔底液と合流して第2リボイラ12の塔頂に供給されるように構成されている。
第2蒸留塔2では、第2リボイラ12で発生したベーパと、塔頂コンデンサ21で凝縮した凝縮液の一部である還流液とが気液接触することで、メタノールの蒸留が行われる。
そして、塔頂ベーパはメタノールを高濃度(99.5wt%)で含有しており、塔頂コンデンサ21で冷却されることにより凝縮し、一部が還流液として、第2蒸留塔の塔頂に戻され、他の一部がメタノール99.5wt%の留出液として回収される。
なお、第2蒸留塔2への還流は、塔頂コンデンサ21における凝縮液の一部を、貫流ポンプ39、還流ライン40を経て、第2蒸留塔2の塔頂に戻すことにより行われる。
また、第2蒸留塔2の塔底液はメタノールを28wt%の割合で含有している。この第2蒸留塔2の塔底液は、移送ポンプ43を経て第1蒸留塔1の塔頂に供給される。
第1蒸留塔1を流下した塔底液(第1塔底液)は、第1循環ポンプ44を経て第1リボイラ11の塔頂に送られ、第1リボイラ11で再加熱され、発生したベーパは第1蒸留塔1の塔底に戻され、蒸留に供される。
第1蒸留塔1としては、例えば、棚段塔、充填塔など種々の構成のものを用いることが可能である。本実施形態では規則充填塔が用いられている。
なお、第1リボイラ11は、第1塔底液と、第1リボイラ11の塔底液との混合液を再加熱して蒸発させるように構成されており、第1リボイラ11で再加熱され、発生したベーパは第1蒸留塔1の塔底に戻される。
さらに、本実施形態にかかる蒸留装置100が備える第2ヒートポンプHP2は、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水(本実施形態では39℃)から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて第2リボイラ12に高温水(本実施形態では66℃)として供給することができるように構成されている。
すなわち、本発明にかかる蒸留装置100において、第2ヒートポンプHP2は、塔頂コンデンサ21で用いられた39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水から熱を回収し、電力により温度レベルを上昇させ、66℃の高温水として第2リボイラ12に供給することで熱エネルギーを循環再利用するものである。
なお、本実施形態にかかる蒸留装置100は、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水側(冷水側)と、電力により熱エネルギーレベルを上げて第2リボイラ12に供給される高温水側(温水側)との温度差を、従来用いられているヒートポンプの場合よりも小さくすることで、高COPで熱回収を行うことができるようにしたことを特徴としている。
具体的には、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した温度39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水が、供給ライン33を経て第2ヒートポンプHP2に送られ、第2ヒートポンプHP2において熱回収され、電力により温度レベルが66℃に上げられて、高温水側循環水(高温水)として、第2温水循環ポンプ34、第2温水供給ライン35を経て、第2リボイラ12に供給され、第2リボイラ12の熱源として用いられるように構成されている。
また、塔頂コンデンサ用循環冷却水の供給ライン33には、塔頂コンデンサ21で用いられた塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部を冷却塔51に導いて冷却するためのライン52が接続されている。
また、第2ヒートポンプHP2において熱回収され、温度が34℃に低下した塔頂コンデンサ用循環冷却水は、第2冷却水循環ポンプ36、第2冷却水供給ライン37を経て、塔頂コンデンサ21に循環供給されるように構成されている。
また、第2冷却水供給ライン37には、冷却塔51で冷却された塔頂コンデンサ用循環冷却水を、冷却水循環ポンプ53を経て塔頂コンデンサ21に戻すためのライン54が接続されている。
一方、第2ヒートポンプHP2において、電力により温度レベルが66℃に上げられた後、第2リボイラ12において熱源として用いられることで温度が61℃に低下した高温水側循環水は、循環ライン38を経て、第2ヒートポンプHP2に戻されて、温度レベルが66℃に上げられた後、再び第2リボイラ12に供給されるように構成されている。
さらに、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した温度39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部(第2ヒートポンプに供給された塔頂コンデンサ用循環冷却水を除いた塔頂コンデンサ用循環冷却水)は、供給ライン45を経て第1ヒートポンプHP1に送られて熱回収される。そして、熱回収が行われて温度が34℃に低下した塔頂コンデンサ用循環冷却水は、第1冷水循環ポンプ46、循環ライン47を経て、塔頂コンデンサ21に循環供給されるように構成されている。
また、第1ヒートポンプHP1において、温度39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水から回収された熱は、電力により温度レベルが85℃に上げられ、高温水側循環水(高温水)として、循環ライン48を経て第1リボイラ11に供給され、第1リボイラ11の熱源として用いられるように構成されている。
一方、第1ヒートポンプHP1において、電力により温度レベルが85℃に上げられた後、第1リボイラ11において熱源として用いられることで温度が80℃に低下した高温水側循環水は、第1温水循環ポンプ49、循環ライン50を経て、第1ヒートポンプHP1に戻され、温度レベルが85℃に上げられた後、再び第1リボイラ11に供給されるように構成されている。
本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2ヒートポンプHP2として、10台の小型汎用品のヒートポンプが用いられている。
なお、本実施形態では、10台のヒートポンプの合計の動力が523kWとなるように構成されている。
また、第1ヒートポンプHP1として、3台の小型汎用品のヒートポンプが用いられているとともに、1台の予備のヒートポンプが備えられている。
そして、3台のヒートポンプの合計の動力が216kWとなるように構成されている。
そして、第2ヒートポンプHP2、および、第1ヒートポンプHP1は、いずれも予備機を含む台数制御およびインバータ制御によって能力調整が行われるように構成されている。
また、第2ヒートポンプHP2、および、第1ヒートポンプHP1は、いずれも1台の予備のヒートポンプが備えられているため、不測の故障に対する操業の安定性が確保され、また、運転中のメンテナンスが可能になる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2リボイラ12および第1リボイラ11の熱源として、第2ヒートポンプHP2および第1ヒートポンプHP1で温度レベルを上昇させた高温水(66℃(第2リボイラ)、85℃(第1リボイラ))を用いるようにしていることから、上記温度の高温水で第2リボイラ12および第1リボイラ11を稼働させることができるように、真空操作を行うことにより、第2蒸留塔2および第1蒸留塔1の塔底液の沸点の調整を行っている。
そして、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2ヒートポンプHP2のCOP(成績効率)の値が、第1ヒートポンプHP1のCOPの値より1.0以上大きくなるように構成されている。
なお、具体的には、本実施形態では、第2ヒートポンプHP2のCOP(成績効率)の値が6.5で、第1ヒートポンプHP1のCOPの値が3.7であり、第2ヒートポンプHP2のCOPの値が、第1ヒートポンプHP1のCOPの値より2.8大きくなるように構成されている。
本実施形態にかかる蒸留装置100は上述のように構成されているので、省エネルギー性に優れた、エネルギー効率の高い蒸留装置を実現することができる。
さらに説明すると、本実施形態にかかる蒸留装置100は、蒸留塔を第1蒸留塔1と第2蒸留塔2の2つの蒸留塔に分けるとともに、第1蒸留塔1は第1リボイラ11を備え、第2蒸留塔2は第2リボイラ12を備えた構成とし、第2蒸留塔2の塔頂ベーパを冷却して凝縮させる塔頂コンデンサ21の冷却水の熱を、第1リボイラ11用の第1ヒートポンプHP1と、第2リボイラ12用の第2ヒートポンプHP2の2種類のヒートポンプに振り分け、各ヒートポンプHP1、HP2で汲み上げた熱を、第1蒸留塔用の第1リボイラ11と第2蒸留塔用の第2リボイラ12のそれぞれに供給するようにしているので、例えば、第1ヒートポンプHP1のCOPを3.0以上4.0以下とする一方で、第2ヒートポンプHP2のCOPを5.0以上8.0以下の高い値とすることが可能になり、第1ヒートポンプHP1と第2ヒートポンプHP2の合計の電力消費量を抑えて省エネルギー性に優れた、エネルギー効率の高い蒸留装置を実現することができる。
したがって、本願発明の基本的な要件である、第2ヒートポンプHP2のCOPを第1ヒートポンプHP1のCOPよりも、1.0以上大きくするという要件を十分に満たすことが可能になる。
すなわち、本実施形態にかかる蒸留装置100では、第1ヒートポンプHP1で温度レベルを上げて第1リボイラ11に供給される第1リボイラ用高温水の温度(85℃)が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度(39℃)よりも46℃高くなるように構成されているのに対して、第2ヒートポンプHP2で温度レベルを上げて第2リボイラ12に供給される第2リボイラ用高温水の温度(66℃)が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度(39℃)よりも27℃高くなるように構成されており、第1ヒートポンプHP1の昇温幅(46℃)よりも、第2ヒートポンプHP2の昇温幅(27℃)の方が小さいため、第2ヒートポンプHP2のCOPの値(5.0以上8.0以下)を、第1ヒートポンプHP1のCOPの値(3.0以上4.0以下)よりも大きくすることが可能になり、全体としての省エネルギー効率を高くすることが可能になる。
なお、本実施形態においては、第2蒸留塔2に入力されるエネルギーは、第2ヒートポンプHP2の動力523kWと、第1蒸留塔1の塔頂から第2蒸留塔2の塔底に供給される第1塔頂ベーパの有するエネルギー(=第1ヒートポンプHP1の動力)216kWの合計値739kW(523kW+216kW=739kW)となる。
一方、第1ヒートポンプHP1に入力されるエネルギーは、第1ヒートポンプHP1の動力216kWとなる。
したがって、523kWと大きな動力で駆動される第2ヒートポンプHP2のCOPを6.5とし、216kWと第2ヒートポンプHP2に比べて小さな動力の動力で駆動される第1ヒートポンプHP1のCOPを3.7とした場合、第1ヒートポンプHP1と第2ヒートポンプHP2の全体としてのCOPを大きくすることが可能になり、十分に高い省エネルギー効果を得ることが可能になる。
なお、表1に、
(1)従来の、ヒートポンプを用いずに蒸気を熱エネルギーとして用いた蒸気式の蒸留装置と、
(2)本発明のように蒸留塔を2塔に分けずに1塔式として、蒸留塔の塔頂ベーパからヒートポンプを用いて熱回収を行うようにした蒸留装置(この場合ヒートポンプのCOPは約3.7となる)と、
(3)上記実施形態にかかる蒸留装置100と、
のそれぞれのエネルギー消費量を示す。
ただし、条件は以下の通りである。
原料液供給量:10000kg/hr(メタノール濃度70wt%)
回収液 :7035kg/hr (メタノール99.5wt%)
年間稼働時間:8000時間
電力12円/kW
蒸気:5000円/1000kg
Figure 2020099856
表1に示すように、従来の蒸気式の蒸留装置においては、4250kWのエネルギー(蒸気熱量)が必要となる。
また、1塔式の蒸留装置においては、ヒートポンプを駆動するのに1134kWの動力が必要となる。
これに対し、本実施形態にかかる蒸留装置(2塔式で、各蒸留塔のそれぞれにヒートポンプを設けた蒸留装置)100によれば739kWのエネルギー消費量となる。したがって、本発明の蒸留装置によれば、大幅な省エネルギーを実現できることがわかる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2ヒートポンプHP2で温度レベルを上げて第2リボイラ12に供給される第2リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、第1リボイラ11に供給される第1リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上、60℃以下の範囲で高くなるように構成することにより、第2ヒートポンプHP2のCOPを、第1ヒートポンプHP1のCOPよりも十分に大きくすることが可能になり、省エネルギー効果の大きい蒸留装置をより確実に実現することができる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第1蒸留塔1の塔径が、第2蒸留塔2の塔径よりも小さくなるように構成されており、具体的には、第1蒸留塔1の塔径が、第2蒸留塔2の塔径の約1/3となるように構成されている。
すなわち、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2蒸留塔2を通過するベーパ量(塔頂ベーパ量)が15590kg/hrであるのに対して、第1蒸留塔1を通過するベーパ量(塔頂ベーパ量)が1966kg/hと少なくなることから、適正な気液接触を確保しつつ、第1蒸留塔1の塔径を、第2蒸留塔2の塔径の約1/3とすることが可能になり、設備コストの低減を図ることができる。
なお、第1蒸留塔1の塔径と、第2蒸留塔2の塔径の関係は、上記実施形態の関係に限定されるものではなく、通常は、第1蒸留塔1の塔径を、第2蒸留塔2の塔径の1/3〜2/3の範囲で小さくすることができる。ただし、上記の範囲を超えた値とすることも可能である。
また、上記実施形態では、第1蒸留塔1と第2蒸留塔2を、それぞれ独立した別の塔として構成しているが、第1蒸留塔と第2蒸留塔を1つの塔として構成すること、すなわち、1つの塔の一部が第1蒸留塔として機能し、他部が第2蒸留塔として機能するように構成することも可能である。
その場合、例えば、1つの塔の上側部分を第1蒸留塔とし、下側部分を第2蒸留塔として構成したり、1つの塔の上側部分を第2蒸留塔とし、下側部分を第1蒸留塔として構成したりすることができる。
なお、本発明によれば、第1蒸留塔の塔径を第2蒸留塔の塔径より小さくすることが可能になるので、その点を考慮して、1つの塔に1蒸留塔と第2蒸留塔の2つの塔が含まれるように適切な設計を行うことにより、さらなる設備コストの低減を図ることが可能である。
なお、上記実施形態で説明し、あるいは、図1に示した、原料液、第1および第2蒸留塔の塔底液、第2蒸留塔の塔頂ベーパなどに関する各種の量や、温度、成分濃度、消費エネルギー(kW)、圧力などの値は、あくまでも例示であって、本発明は、それらの値が上記実施形態の値とは異なる値となる場合を排除するものではない。
また、上記実施形態では、低沸点成分がメタノール、高沸点成分が水である原料液を蒸留してメタノールを回収する場合を例にとって説明したが、本発明において、低沸点成分と高沸点成分の種類は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、低沸点成分は、クロロフォルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、二硫化炭素、アセトン、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテル、酢酸イソアミル、酢酸ノルマルアミル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリクロレタン、ノルマルヘキサン、メチルイソブチルケトン、ヘキサンやヘプタンを主成分とする石油ベンジン類や石油エーテル類であってもよい。
また、高沸点成分は、酢酸、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、トルエン、キシレン、ブタノール、イソブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、クロルベンゼン、酢酸ノルマルブチル、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、パークロルエチレン、メチルイソブチルケトン、メチルノルマルブチルケトンなどであってもよい。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、応用、変形を加えることが可能である。
1 第1蒸留塔
2 第2蒸留塔
11 第1リボイラ
12 第2リボイラ
21 塔頂コンデンサ
31 真空ポンプ
32 吸引ライン
33 供給ライン
34 第2温水循環ポンプ
35 第2温水供給ライン
36 第2冷却水循環ポンプ
37 第2冷却水供給ライン
38 循環ライン
39 貫流ポンプ
40 還流ライン
41 予熱器
42 第2循環ポンプ
43 移送ポンプ
44 第1循環ポンプ
45 供給ライン
46 第1冷水循環ポンプ
47 循環ライン
48 循環ライン
49 第1温水循環ポンプ
50 循環ライン
51 冷却塔
52 ライン
53 冷却水循環ポンプ
54 ライン
100 蒸留装置
HP1 第1ヒートポンプ
HP2 第2ヒートポンプ
本発明は、ヒートポンプを用いた蒸留装置に関し、詳しくは、低沸点成分を高沸点成分よりも高濃度で含有する原料液を蒸留して、低沸点成分と高沸点成分とを分離するのに用いられる蒸留装置に関する。
蒸留装置における省エネルギー化の必要性は近年、益々増大しており、種々の提案が行われている。
そのような省エネルギー技術の1つとして、蒸留装置にヒートポンプを組み込んで、熱効率を向上させるようにした蒸留装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の蒸留装置は、蒸留塔と、蒸留コンデンサと、蒸留リボイラと、蒸留コンデンサから流出した第一出力流体を蒸留塔に戻すための還流用の配管とを備える蒸留装置である。
そして、この蒸留装置は、作動媒体(水)が蒸留コンデンサで受け取った熱を蒸留リボイラに与えるためのヒートポンプを備えている。ヒートポンプは、蒸留コンデンサと蒸留リボイラを接続するとともに作動媒体が循環する循環流路と、蒸留コンデンサで蒸発した後の作動媒体を圧縮する圧縮機と、蒸留リボイラで熱を与えた後の作動媒体を減圧(膨張)させる減圧弁とを備えた構成とされている。
そして、この蒸留装置によれば、蒸留塔の頂部から流出した第一出力流体の有する熱エネルギーが、ヒートポンプによって蒸留リボイラにおいて有効に回収され、第一出力流体の熱エネルギーの有効利用により、蒸留リボイラにおける第二出力流体の加熱に必要な熱エネルギーの削減を図ることが可能になるとされている。
特公平06−009641号公報
ところで、蒸留装置における省エネルギー化を図る方法の一つとして、上述のようにヒートポンプを利用する方法は、極めて有効な方法の一つであると考えられる。
しかしながら、蒸留塔の塔頂ベーパを冷却するためのコンデンサの冷却水から熱を回収し、加熱源としてリボイラに供給しようとすると、ヒートポンプとして高圧縮のタイプのものを用いることが必要となる。その結果、ヒートポンプの成績効率(COP)は小さくなり、省エネルギー効果も小さくなるという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、蒸留装置にヒートポンプを用いて省エネルギーを図るとともに、ヒートポンプに消費されるエネルギーを抑制して、さらなる省エネルギー効果を得ることが可能な蒸留装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の蒸留装置は、
高沸点成分と、前記高沸点成分より高濃度の低沸点成分とを含有する液の蒸留を行い、前記低沸点成分を主成分とする第2塔頂ベーパと、前記低沸点成分よりも前記高沸点成分を高い割合で含有する第2塔底液に分離する第2蒸留塔と、
前記高沸点成分と、前記高沸点成分より高濃度の前記低沸点成分とを含有する原料液と、前記第2塔底液との混合液を循環させて加熱・蒸発させ、前記第2蒸留塔の塔底に供給する第2リボイラと、
前記第2蒸留塔の塔頂から取り出される前記低沸点成分を主成分とする前記第2塔頂ベーパを、塔頂コンデンサ用循環冷却水により冷却して、前記低沸点成分を主成分とする凝縮液を留出液として回収するための塔頂コンデンサと、
前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記第2リボイラに第2リボイラ用高温水として供給するように構成された第2ヒートポンプと、
前記第2塔底液の蒸留を行う第1蒸留塔であって、塔頂に供給される前記第2塔底液を蒸留して、塔頂から取り出される第1塔頂ベーパと、塔底から取り出される第1塔底液とに分離し、かつ、前記第1塔頂ベーパが前記第2蒸留塔の塔底に供給されるように構成された第1蒸留塔と、
前記第1塔底液を循環させて加熱・蒸発させ、前記第1蒸留塔の塔底に供給する第1リボイラと、
前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水のうち、前記第2ヒートポンプに送られた一部を除いた残部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記第1リボイラに第1リボイラ用高温水として供給するように構成された第1ヒートポンプと、
前記第2ヒートポンプで温度レベルを上げて前記第2リボイラに供給される前記第2リボイラ用高温水の温度が、前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、かつ、前記第1ヒートポンプで温度レベルを上げて前記第1リボイラに供給される前記第1リボイラ用高温水の温度が、前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上60℃以下の範囲で高いという条件が満たされる操作圧となるように、前記塔頂コンデンサを経て真空吸引し、系内を減圧にする真空ポンプと
を備え、
前記第2ヒートポンプのCOPの値が、前記第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成されていること
を特徴としている。
本発明においては、前記第2ヒートポンプのCOPの値が、前記第1ヒートポンプのCOPの値より1.5以上大きくなるように構成されていることが好ましい。
前記第2ヒートポンプとして、COPの値が5.0以上8.0以下のヒートポンプが用いられるように構成されていることが好ましい。
また、前記第1蒸留塔の塔径が、前記第2蒸留塔の塔径よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。
また、本発明は、前記低沸点成分が有機溶剤であり、前記高沸点成分が水である場合に好適に用いることができる。
また、本発明は、前記低沸点成分と前記高沸点成分が、いずれも有機溶剤である場合にも好適に用いることができる。
本発明の蒸留装置は、上述のような構成を備えており、真空ポンプにより塔頂コンデンサを経て真空吸引し、系内を減圧にすることにより、第2ヒートポンプで温度レベルを上げて第2リボイラに供給される第2リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサにおいて第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、かつ、第1ヒートポンプで温度レベルを上げて第1リボイラに供給される第1リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサにおいて第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上60℃以下の範囲で高いという条件が満たされるように構成されているので、第2ヒートポンプのCOP(成績効率)の値が、第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるようにして、省エネルギー性に優れた、エネルギー効率の高い蒸留装置を実現することができる。
詳しく説明すると、例えば、従来広く用いられている、単一の蒸留塔を備えたヒートポンプ式蒸留設備において、塔頂ベーパを冷却するための塔頂コンデンサの冷却水の熱をヒートポンプにおいて回収し、回収した熱量をリボイラに供給するようにした場合、塔頂ベーパと塔底液の温度差が大きくなるので、ヒートポンプにおける温度レベルの上昇幅を大きくすることが必要で、ヒートポンプにかかる負荷が大きくなるため、ヒートポンプのCOP(成績効率=加熱・冷却能力(kW)/消費電力(kW))の値を十分に大きくすることは困難で、通常はCOPが3程度になることが多い
これに対して、本発明では、蒸留塔を第1蒸留塔と第2蒸留塔の2つの蒸留塔に分け、第1蒸留塔は第1リボイラを備え、第2蒸留塔は第2リボイラを備えた構成とするとともに、塔頂コンデンサの冷却水の熱を、第1リボイラ用の第1ヒートポンプと、第2リボイラ用の第2ヒートポンプの2種類のヒートポンプとに振り分け、各ヒートポンプで汲み上げた熱を、第1蒸留塔用の第1リボイラと、第2蒸留塔用の第2リボイラとに供給するようにしている。
ここで、例えば、各ヒートポンプで汲み上げた熱を第1リボイラと第2リボイラで50%ずつ供給するようにした場合、第1リボイラ用の第1ヒートポンプのCOPは3程度のままとなるが、本発明の蒸留装置のように、蒸留塔を第1蒸留塔と第2蒸留塔の2つの蒸留塔に分け、第1蒸留塔は第1リボイラを備え、第2蒸留塔は第2リボイラを備えた構成とした場合、第2ヒートポンプのCOPの値が、第1ヒートポンプのCOPの値より高い値となるように構成することが可能になり、本発明では、第2ヒートポンプのCOPの値が、第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成している。
そして、このように構成した場合、第1ヒートポンプのCOPを3、第2ヒートポンプのCOPを4(=3+1)とすると、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2つのヒートポンプのトータルのCOPは(3+4)/2=3.5となり、上述の従来技術の場合のCOP3に対して、約1.17倍の効率を得ることができる。
なお、例えば、第1ヒートポンプおよび第2ヒートポンプで汲み上げた熱を第1リボイラと第2リボイラで50%ずつ供給するようにした場合、第1リボイラ用の第1ヒートポンプのCOPは3程度のままとなるが、供給液を加熱するための第2リボイラ用の第2ヒートポンプについては、実際に、COPを5.0以上8.0以下の高い値とすることが可能になる。
そして、第2ヒートポンプのCOPを8とした場合、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2つのヒートポンプのトータルのCOPは(3+8)/2=5.5となり、上述の従来技術の場合のCOP3に対して1.83倍の効率を得ることが可能になる。
なお、第2ヒートポンプのCOPを5とした場合にも、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2つのヒートポンプのトータルのCOPは(3+5)/2=4.0となり、上述の従来技術の場合のCOP3に対して1.33倍の効率を得ることができる。
なお、上記の例では、第1ヒートポンプと第2ヒートポンプの2種類のヒートポンプで熱を汲み上げ、第1リボイラに50%、第2リボイラ(供給液加熱ヒータ)に50%の熱を供給するようにした場合について説明しているが、本発明の蒸留装置においては、通常、第1リボイラに供給する熱量の2倍あるいはそれ以上の割合の熱量が第2リボイラに供給されることになるので、第2ヒートポンプのCOPの値を、第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成することで、十分に有意義な省エネルギー効果を得ることが可能になる。
また、本発明においては、第2ヒートポンプのCOPの値が、第1ヒートポンプのCOPの値より1.5以上大きくなるように構成することにより、さらに高い省エネルギー効果を得ることが可能になる。
また、本発明においては、第2ヒートポンプとして、COPの値が5.0以上8.0以下のヒートポンプを用いることができるように構成した場合、第2ヒートポンプのCOPの値を第1ヒートポンプのCOPの値よりも十分に大きくしやすくなるため、第1および第2の2つのヒートポンプの全体のCOPを大きくすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明の蒸留装置は、第1蒸留塔と第2蒸留塔を備えており、第2蒸留塔には、原料液と第2蒸留塔の塔底液との混合液を加熱して蒸発させたベーパと、第1蒸留塔の塔頂ベーパ(第1塔頂ベーパ)とが供給されるのに対して、第1蒸留塔には、第2蒸留塔の塔底液(第2塔底液)のみがその塔頂から供給され、流下した第1蒸留塔の塔底液(第1塔底液)が第1リボイラで加熱されて蒸発したベーパのみが第1蒸留塔に供給されることになるため、第1蒸留塔のベーパの流量は、第2蒸留塔のベーパの流量よりも大幅に少なくなる。その結果、第1蒸留塔の塔径を第2蒸留塔の塔径よりも小さくすることが可能になる。
具体的には、第1蒸留塔の塔径を第2蒸留塔の塔径の、例えば1/3〜2/3にまで小さくすることが可能になり、装置全体の小型化、コストの削減を図ることが可能になる。
また、第2ヒートポンプで温度レベルを上げて第2リボイラに供給される第2リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサにおいて第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、また、第1リボイラに供給される第1リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサにおいて第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上60℃以下の範囲で高くなるように構成した場合、第2ヒートポンプのCOPの値を第1のヒートパイプのCOPの値よりも十分に大きくすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明は、低沸点成分が有機溶剤であり、高沸点成分が水である系に適用した場合に、省エネルギー効率の良好な蒸留装置を実現することができる。
また、本発明は、低沸点成分と高沸点成分が、いずれも有機溶剤である系にも適用することが可能であり、その場合にも省エネルギー効率の良好な蒸留装置を実現することができる。
本発明の一実施形態にかかる蒸留装置の構成を示すフローシートである。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、本実施形態では、低沸点成分であるメタノールを70wt%の割合で含み、残部(30wt%)が水(高沸点成分)である原料液(被処理液)を蒸留してメタノールを分離、回収するための蒸留装置を例にとって説明する。
本実施形態にかかる蒸留装置100は、ヒートポンプを用いて省エネルギー性の向上を図った蒸留装置である。
図1に示すように、本実施形態にかかる蒸留装置100は、水(高沸点成分)と、メタノール(低沸点成分)を含有する液の蒸留を行い、低沸点成分を主成分とする塔頂ベーパ(第2塔頂ベーパ)(メタノール99.5wt%)と、低沸点成分よりも高沸点成分を高い割合で含有する塔底液(第2塔底液)(メタノール28wt%)に分離する第2蒸留塔2を備えているとともに、水(30wt%)と、メタノール(70wt%)とを含有する原料液と、第2蒸留塔2の塔底液(第2塔底液)との混合液を循環させて加熱・蒸発させ、第2蒸留塔2の塔底に供給するように構成された第2リボイラ12を備えている。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100は、第2蒸留塔2の塔頂から取り出されるメタノールを主成分とする第2塔頂ベーパを、塔頂コンデンサ用循環冷却水により冷却して、メタノールを主成分とする凝縮液(メタノール99.5wt%)を留出液として回収するための塔頂コンデンサ21を備えている。なお、塔頂コンデンサ21としては、円筒多管式熱交換器が用いられている。
なお、塔頂コンデンサ21には、真空ポンプ31により系内を真空に吸引するための吸引ライン32が接続されている。なお、真空ポンプ31としては、水封式の真空ポンプが用いられている。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100は、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて第2リボイラ12に第2リボイラ用高温水として供給するように構成された第2ヒートポンプHP2を備えている。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100は、第2蒸留塔2の塔底液(第2塔底液)の蒸留を行う第1蒸留塔1と、第1蒸留塔1の塔底液(第1塔底液)を循環させることにより加熱・蒸発させて、発生した蒸気を第1蒸留塔1の塔底に供給するように構成された第1リボイラ11とを備えている。
第1蒸留塔1の塔頂ベーパ(第1塔頂ベーパ)は第2蒸留塔2の塔底に供給されるように構成されている。
さらに、本実施形態にかかる蒸留装置100は、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水のうち、第2ヒートポンプHP2に送られた一部を除いた残部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて第1リボイラ11に第1リボイラ用高温水として供給するように構成された第1ヒートポンプHP1を備えている。
以下、図1を参照しつつ、本実施形態にかかる蒸留装置100についてさらに詳しく説明する。
本発明の蒸留装置100が備える第2蒸留塔2は、上述のように、メタノール水溶液の蒸留を行う蒸留塔であって、例えば、棚段塔、充填塔など種々の構成のものを用いることが可能である。なお、本実施形態では規則充填塔が用いられている。
また、第2リボイラ12は、第2蒸留塔2の塔底液と、第2リボイラ12の塔底液と、予熱器41を通過して昇温した原料液(供給液)との混合液を加熱して蒸発させるものであり、本実施形態では、第2リボイラ12として、液膜降下式の間接型熱交換器が用いられている。ただし、他の型式の熱交換器を用いることも可能である。
また、予熱器41としては、プレート式熱交換器が用いられている。
この第2リボイラ12は、第2ヒートポンプHP2からの66℃の高温水が加熱源として用いられる間接型熱交換器であって、第2リボイラ12において加熱され、発生したベーパは、上述したように、第2蒸留塔2の塔底に供給される。
なお、第2蒸留塔2の塔底液は、第2循環ポンプ42を経て、第2リボイラ12の塔頂に供給される。そして、予熱器41を通過して昇温した上述の原料液(供給液)は、第2循環ポンプ42の下流側で、第2蒸留塔2の塔底液と合流して第2リボイラ12の塔頂に供給されるように構成されている。
第2蒸留塔2では、第2リボイラ12で発生したベーパと、塔頂コンデンサ21で凝縮した凝縮液の一部である還流液とが気液接触することで、メタノールの蒸留が行われる。
そして、塔頂ベーパはメタノールを高濃度(99.5wt%)で含有しており、塔頂コンデンサ21で冷却されることにより凝縮し、一部が還流液として、第2蒸留塔の塔頂に戻され、他の一部がメタノール99.5wt%の留出液として回収される。
なお、第2蒸留塔2への還流は、塔頂コンデンサ21における凝縮液の一部を、貫流ポンプ39、還流ライン40を経て、第2蒸留塔2の塔頂に戻すことにより行われる。
また、第2蒸留塔2の塔底液はメタノールを28wt%の割合で含有している。この第2蒸留塔2の塔底液は、移送ポンプ43を経て第1蒸留塔1の塔頂に供給される。
第1蒸留塔1を流下した塔底液(第1塔底液)は、第1循環ポンプ44を経て第1リボイラ11の塔頂に送られ、第1リボイラ11で再加熱され、発生したベーパは第1蒸留塔1の塔底に戻され、蒸留に供される。
第1蒸留塔1としては、例えば、棚段塔、充填塔など種々の構成のものを用いることが可能である。本実施形態では規則充填塔が用いられている。
なお、第1リボイラ11は、第1塔底液と、第1リボイラ11の塔底液との混合液を再加熱して蒸発させるように構成されており、第1リボイラ11で再加熱され、発生したベーパは第1蒸留塔1の塔底に戻される。
さらに、本実施形態にかかる蒸留装置100が備える第2ヒートポンプHP2は、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水(本実施形態では39℃)から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて第2リボイラ12に高温水(本実施形態では66℃)として供給することができるように構成されている。
すなわち、本発明にかかる蒸留装置100において、第2ヒートポンプHP2は、塔頂コンデンサ21で用いられた39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水から熱を回収し、電力により温度レベルを上昇させ、66℃の高温水として第2リボイラ12に供給することで熱エネルギーを循環再利用するものである。
なお、本実施形態にかかる蒸留装置100は、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水側(冷水側)と、電力により熱エネルギーレベルを上げて第2リボイラ12に供給される高温水側(温水側)との温度差を、従来用いられているヒートポンプの場合よりも小さくすることで、高COPで熱回収を行うことができるようにしたことを特徴としている。
具体的には、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した温度39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水が、供給ライン33を経て第2ヒートポンプHP2に送られ、第2ヒートポンプHP2において熱回収され、電力により温度レベルが66℃に上げられて、高温水側循環水(高温水)として、第2温水循環ポンプ34、第2温水供給ライン35を経て、第2リボイラ12に供給され、第2リボイラ12の熱源として用いられるように構成されている。
また、塔頂コンデンサ用循環冷却水の供給ライン33には、塔頂コンデンサ21で用いられた塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部を冷却塔51に導いて冷却するためのライン52が接続されている。
また、第2ヒートポンプHP2において熱回収され、温度が34℃に低下した塔頂コンデンサ用循環冷却水は、第2冷却水循環ポンプ36、第2冷却水供給ライン37を経て、塔頂コンデンサ21に循環供給されるように構成されている。
また、第2冷却水供給ライン37には、冷却塔51で冷却された塔頂コンデンサ用循環冷却水を、冷却水循環ポンプ53を経て塔頂コンデンサ21に戻すためのライン54が接続されている。
一方、第2ヒートポンプHP2において、電力により温度レベルが66℃に上げられた後、第2リボイラ12において熱源として用いられることで温度が61℃に低下した高温水側循環水は、循環ライン38を経て、第2ヒートポンプHP2に戻されて、温度レベルが66℃に上げられた後、再び第2リボイラ12に供給されるように構成されている。
さらに、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、塔頂コンデンサ21で第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した温度39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部(第2ヒートポンプに供給された塔頂コンデンサ用循環冷却水を除いた塔頂コンデンサ用循環冷却水)は、供給ライン45を経て第1ヒートポンプHP1に送られて熱回収される。そして、熱回収が行われて温度が34℃に低下した塔頂コンデンサ用循環冷却水は、第1冷水循環ポンプ46、循環ライン47を経て、塔頂コンデンサ21に循環供給されるように構成されている。
また、第1ヒートポンプHP1において、温度39℃の塔頂コンデンサ用循環冷却水から回収された熱は、電力により温度レベルが85℃に上げられ、高温水側循環水(高温水)として、循環ライン48を経て第1リボイラ11に供給され、第1リボイラ11の熱源として用いられるように構成されている。
一方、第1ヒートポンプHP1において、電力により温度レベルが85℃に上げられた後、第1リボイラ11において熱源として用いられることで温度が80℃に低下した高温水側循環水は、第1温水循環ポンプ49、循環ライン50を経て、第1ヒートポンプHP1に戻され、温度レベルが85℃に上げられた後、再び第1リボイラ11に供給されるように構成されている。
本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2ヒートポンプHP2として、10台の小型汎用品のヒートポンプが用いられている。
なお、本実施形態では、10台のヒートポンプの合計の動力が523kWとなるように構成されている。
また、第1ヒートポンプHP1として、3台の小型汎用品のヒートポンプが用いられているとともに、1台の予備のヒートポンプが備えられている。
そして、3台のヒートポンプの合計の動力が216kWとなるように構成されている。
そして、第2ヒートポンプHP2、および、第1ヒートポンプHP1は、いずれも予備機を含む台数制御およびインバータ制御によって能力調整が行われるように構成されている。
また、第2ヒートポンプHP2、および、第1ヒートポンプHP1は、いずれも1台の予備のヒートポンプが備えられているため、不測の故障に対する操業の安定性が確保され、また、運転中のメンテナンスが可能になる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2リボイラ12および第1リボイラ11の熱源として、第2ヒートポンプHP2および第1ヒートポンプHP1で温度レベルを上昇させた高温水(66℃(第2リボイラ)、85℃(第1リボイラ))を用いるようにしていることから、上記温度の高温水で第2リボイラ12および第1リボイラ11を稼働させることができるように、真空操作を行うことにより、第2蒸留塔2および第1蒸留塔1の塔底液の沸点の調整を行っている。
そして、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2ヒートポンプHP2のCOP(成績効率)の値が、第1ヒートポンプHP1のCOPの値より1.0以上大きくなるように構成されている。
なお、具体的には、本実施形態では、第2ヒートポンプHP2のCOP(成績効率)の値が6.5で、第1ヒートポンプHP1のCOPの値が3.7であり、第2ヒートポンプHP2のCOPの値が、第1ヒートポンプHP1のCOPの値より2.8大きくなるように構成されている。
本実施形態にかかる蒸留装置100は上述のように構成されているので、省エネルギー性に優れた、エネルギー効率の高い蒸留装置を実現することができる。
さらに説明すると、本実施形態にかかる蒸留装置100は、蒸留塔を第1蒸留塔1と第2蒸留塔2の2つの蒸留塔に分けるとともに、第1蒸留塔1は第1リボイラ11を備え、第2蒸留塔2は第2リボイラ12を備えた構成とし、第2蒸留塔2の塔頂ベーパを冷却して凝縮させる塔頂コンデンサ21の冷却水の熱を、第1リボイラ11用の第1ヒートポンプHP1と、第2リボイラ12用の第2ヒートポンプHP2の2種類のヒートポンプに振り分け、各ヒートポンプHP1、HP2で汲み上げた熱を、第1蒸留塔用の第1リボイラ11と第2蒸留塔用の第2リボイラ12のそれぞれに供給するようにしているので、例えば、第1ヒートポンプHP1のCOPを3.0以上4.0以下とする一方で、第2ヒートポンプHP2のCOPを5.0以上8.0以下の高い値とすることが可能になり、第1ヒートポンプHP1と第2ヒートポンプHP2の合計の電力消費量を抑えて省エネルギー性に優れた、エネルギー効率の高い蒸留装置を実現することができる。
したがって、本願発明の基本的な要件である、第2ヒートポンプHP2のCOPを第1ヒートポンプHP1のCOPよりも、1.0以上大きくするという要件を十分に満たすことが可能になる。
すなわち、本実施形態にかかる蒸留装置100では、第1ヒートポンプHP1で温度レベルを上げて第1リボイラ11に供給される第1リボイラ用高温水の温度(85℃)が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度(39℃)よりも46℃高くなるように構成されているのに対して、第2ヒートポンプHP2で温度レベルを上げて第2リボイラ12に供給される第2リボイラ用高温水の温度(66℃)が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度(39℃)よりも27℃高くなるように構成されており、第1ヒートポンプHP1の昇温幅(46℃)よりも、第2ヒートポンプHP2の昇温幅(27℃)の方が小さいため、第2ヒートポンプHP2のCOPの値(5.0以上8.0以下)を、第1ヒートポンプHP1のCOPの値(3.0以上4.0以下)よりも大きくすることが可能になり、全体としての省エネルギー効率を高くすることが可能になる。
なお、本実施形態においては、第2蒸留塔2に入力されるエネルギーは、第2ヒートポンプHP2の動力523kWと、第1蒸留塔1の塔頂から第2蒸留塔2の塔底に供給される第1塔頂ベーパの有するエネルギー(=第1ヒートポンプHP1の動力)216kWの合計値739kW(523kW+216kW=739kW)となる。
一方、第1ヒートポンプHP1に入力されるエネルギーは、第1ヒートポンプHP1の動力216kWとなる。
したがって、523kWと大きな動力で駆動される第2ヒートポンプHP2のCOPを6.5とし、216kWと第2ヒートポンプHP2に比べて小さな動力の動力で駆動される第1ヒートポンプHP1のCOPを3.7とした場合、第1ヒートポンプHP1と第2ヒートポンプHP2の全体としてのCOPを大きくすることが可能になり、十分に高い省エネルギー効果を得ることが可能になる。
なお、表1に、
(1)従来の、ヒートポンプを用いずに蒸気を熱エネルギーとして用いた蒸気式の蒸留装置と、
(2)本発明のように蒸留塔を2塔に分けずに1塔式として、蒸留塔の塔頂ベーパからヒートポンプを用いて熱回収を行うようにした蒸留装置(この場合ヒートポンプのCOPは約3.7となる)と、
(3)上記実施形態にかかる蒸留装置100と、
のそれぞれのエネルギー消費量を示す。
ただし、条件は以下の通りである。
原料液供給量:10000kg/hr(メタノール濃度70wt%)
回収液 :7035kg/hr (メタノール99.5wt%)
年間稼働時間:8000時間
電力12円/kW
蒸気:5000円/1000kg
Figure 2020099856
表1に示すように、従来の蒸気式の蒸留装置においては、4250kWのエネルギー(蒸気熱量)が必要となる。
また、1塔式の蒸留装置においては、ヒートポンプを駆動するのに1134kWの動力が必要となる。
これに対し、本実施形態にかかる蒸留装置(2塔式で、各蒸留塔のそれぞれにヒートポンプを設けた蒸留装置)100によれば739kWのエネルギー消費量となる。したがって、本発明の蒸留装置によれば、大幅な省エネルギーを実現できることがわかる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2ヒートポンプHP2で温度レベルを上げて第2リボイラ12に供給される第2リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、第1リボイラ11に供給される第1リボイラ用高温水の温度が、塔頂コンデンサ21において第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上、60℃以下の範囲で高くなるように構成することにより、第2ヒートポンプHP2のCOPを、第1ヒートポンプHP1のCOPよりも十分に大きくすることが可能になり、省エネルギー効果の大きい蒸留装置をより確実に実現することができる。
また、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第1蒸留塔1の塔径が、第2蒸留塔2の塔径よりも小さくなるように構成されており、具体的には、第1蒸留塔1の塔径が、第2蒸留塔2の塔径の約1/3となるように構成されている。
すなわち、本実施形態にかかる蒸留装置100においては、第2蒸留塔2を通過するベーパ量(塔頂ベーパ量)が15590kg/hrであるのに対して、第1蒸留塔1を通過するベーパ量(塔頂ベーパ量)が1966kg/hと少なくなることから、適正な気液接触を確保しつつ、第1蒸留塔1の塔径を、第2蒸留塔2の塔径の約1/3とすることが可能になり、設備コストの低減を図ることができる。
なお、第1蒸留塔1の塔径と、第2蒸留塔2の塔径の関係は、上記実施形態の関係に限定されるものではなく、通常は、第1蒸留塔1の塔径を、第2蒸留塔2の塔径の1/3〜2/3の範囲で小さくすることができる。ただし、上記の範囲を超えた値とすることも可能である。
また、上記実施形態では、第1蒸留塔1と第2蒸留塔2を、それぞれ独立した別の塔として構成しているが、第1蒸留塔と第2蒸留塔を1つの塔として構成すること、すなわち、1つの塔の一部が第1蒸留塔として機能し、他部が第2蒸留塔として機能するように構成することも可能である。
その場合、例えば、1つの塔の上側部分を第1蒸留塔とし、下側部分を第2蒸留塔として構成したり、1つの塔の上側部分を第2蒸留塔とし、下側部分を第1蒸留塔として構成したりすることができる。
なお、本発明によれば、第1蒸留塔の塔径を第2蒸留塔の塔径より小さくすることが可能になるので、その点を考慮して、1つの塔に1蒸留塔と第2蒸留塔の2つの塔が含まれるように適切な設計を行うことにより、さらなる設備コストの低減を図ることが可能である。
なお、上記実施形態で説明し、あるいは、図1に示した、原料液、第1および第2蒸留塔の塔底液、第2蒸留塔の塔頂ベーパなどに関する各種の量や、温度、成分濃度、消費エネルギー(kW)、圧力などの値は、あくまでも例示であって、本発明は、それらの値が上記実施形態の値とは異なる値となる場合を排除するものではない。
また、上記実施形態では、低沸点成分がメタノール、高沸点成分が水である原料液を蒸留してメタノールを回収する場合を例にとって説明したが、本発明において、低沸点成分と高沸点成分の種類は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、低沸点成分は、クロロフォルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、二硫化炭素、アセトン、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテル、酢酸イソアミル、酢酸ノルマルアミル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリクロレタン、ノルマルヘキサン、メチルイソブチルケトン、ヘキサンやヘプタンを主成分とする石油ベンジン類や石油エーテル類であってもよい。
また、高沸点成分は、酢酸、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、トルエン、キシレン、ブタノール、イソブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、クロルベンゼン、酢酸ノルマルブチル、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、パークロルエチレン、メチルイソブチルケトン、メチルノルマルブチルケトンなどであってもよい。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、応用、変形を加えることが可能である。
1 第1蒸留塔
2 第2蒸留塔
11 第1リボイラ
12 第2リボイラ
21 塔頂コンデンサ
31 真空ポンプ
32 吸引ライン
33 供給ライン
34 第2温水循環ポンプ
35 第2温水供給ライン
36 第2冷却水循環ポンプ
37 第2冷却水供給ライン
38 循環ライン
39 貫流ポンプ
40 還流ライン
41 予熱器
42 第2循環ポンプ
43 移送ポンプ
44 第1循環ポンプ
45 供給ライン
46 第1冷水循環ポンプ
47 循環ライン
48 循環ライン
49 第1温水循環ポンプ
50 循環ライン
51 冷却塔
52 ライン
53 冷却水循環ポンプ
54 ライン
100 蒸留装置
HP1 第1ヒートポンプ
HP2 第2ヒートポンプ

Claims (7)

  1. 高沸点成分と、前記高沸点成分より高濃度の低沸点成分とを含有する液の蒸留を行い、前記低沸点成分を主成分とする第2塔頂ベーパと、前記低沸点成分よりも前記高沸点成分を高い割合で含有する第2塔底液に分離する第2蒸留塔と、
    前記高沸点成分と、前記高沸点成分より高濃度の前記低沸点成分とを含有する原料液と、前記第2塔底液との混合液を循環させて加熱・蒸発させ、前記第2蒸留塔の塔底に供給する第2リボイラと、
    前記第2蒸留塔の塔頂から取り出される前記低沸点成分を主成分とする前記第2塔頂ベーパを、塔頂コンデンサ用循環冷却水により冷却して、前記低沸点成分を主成分とする凝縮液を留出液として回収するための塔頂コンデンサと、
    前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の一部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記第2リボイラに第2リボイラ用高温水として供給するように構成された第2ヒートポンプと、
    前記第2塔底液の蒸留を行う第1蒸留塔であって、塔頂に供給される前記第2塔底液を蒸留して、塔頂から取り出される第1塔頂ベーパと、塔底から取り出される第1塔底液とに分離し、かつ、前記第1塔頂ベーパが前記第2蒸留塔の塔底に供給されるように構成された第1蒸留塔と、
    前記第1塔底液を循環させて加熱・蒸発させ、前記第1蒸留塔の塔底に供給する第1リボイラと、
    前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水のうち、前記第2ヒートポンプに送られた一部を除いた残部から熱回収を行うとともに、回収した熱を電力により温度レベルを上げて前記第1リボイラに第1リボイラ用高温水として供給するように構成された第1ヒートポンプと
    を備え、
    前記第2ヒートポンプのCOPの値が、前記第1ヒートポンプのCOPの値より1.0以上大きくなるように構成されていること
    を特徴とする蒸留装置。
  2. 前記第2ヒートポンプのCOPの値が、前記第1ヒートポンプのCOPの値より1.5以上大きくなるように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の蒸留装置。
  3. 前記第2ヒートポンプとして、COPの値が5.0以上8.0以下のヒートポンプが用いられるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の蒸留装置。
  4. 前記第1蒸留塔の塔径が、前記第2蒸留塔の塔径よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蒸留装置。
  5. 前記第2ヒートポンプで温度レベルを上げて前記第2リボイラに供給される前記第2リボイラ用高温水の温度が、前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも15℃以上40℃以下の範囲で高く、
    前記第1ヒートポンプで温度レベルを上げて前記第1リボイラに供給される前記第1リボイラ用高温水の温度が、前記塔頂コンデンサにおいて前記第2塔頂ベーパの冷却に用いられ、昇温した前記塔頂コンデンサ用循環冷却水の温度よりも30℃以上60℃以下の範囲で高くなるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蒸留装置。
  6. 前記低沸点成分が有機溶剤であり、前記高沸点成分が水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蒸留装置。
  7. 前記低沸点成分と前記高沸点成分が、いずれも有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蒸留装置。
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