JP2020097468A - タワークレーンの下部ピン支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスト、架台、基礎に過大なモーメントと水平力が作用することを防止し得、コストダウンを図りつつ安定性向上を図り得るタワークレーンの下部ピン支持構造を提供する。【解決手段】免震構造物15(或いは単なる構造物)に対しマスト2をつなぐステー16と、ステー16より下方位置におけるクレーン下部に設定され且つクレーン下部を上下に分断した状態或いは固定した状態に切換自在な連結部17と、連結部17を固定した状態に保持する締結機構18と、締結機構18による連結部17の固定状態を解除し上下に分断したクレーン下部間に介装され且つクレーン下部に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持しつつクレーン下部を連結部17において回動自在に支持する自動調心形軸受19とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、タワークレーンの下部ピン支持構造に関するものである。
一般に、ビル等の建築物の建設時或いは解体時には、クライミングクレーン等のタワークレーンが使用される。
図12は従来のタワークレーンの一例を示す概略図であって、タワークレーン1は、上方へマストブロック2aを順次継ぎ足し可能なマスト2の頂部に、該マスト2に沿って昇降可能な昇降ユニット3を介して旋回体4を旋回自在に配置し、該旋回体4上にジブ5を起伏自在に取り付け、前記旋回体4に、後方へ延びるカウンタフレーム6を一体に設け、該カウンタフレーム6上に、吊荷用フック7を吊り下げるワイヤロープ8を巻上げ下げするための巻上装置9と、ジブ5の起伏用のワイヤロープ10を巻上げ下げするための起伏装置11とを設置してなる構成を有している。
前記マスト2の底部は、基礎12上に設けられた架台13に対しボルト・ナット等の締結部材(図示せず)により固定されている。
一方、前記建築物としては、近年、免震装置14を備えた免震構造物15が増加している。
そして、例えば、前記免震構造物15の建設時において、前記タワークレーン1は、予め設定された自立できる最大の高さまでは、図12(a)に示される如く、マストブロック2aが順次継ぎ足されてマスト2単独での自立状態で免震構造物15の建設作業が進められる。
前記免震構造物15の建設作業が進行し、タワークレーン1の最大自立高さを超えると、図12(b)に示される如く、免震構造物15に対しマスト2をステー16によってつないだ状態でそれ以降の作業が続けられる。
因みに、前記免震構造物15の解体時には、タワークレーン1の最大自立高さを超えている場合、図12(b)に示される如く、免震構造物15に対しマスト2をステー16によってつないだ状態から解体作業が進められ、マストブロック2aが上方から順次撤去されていき、タワークレーン1の最大自立高さ以下になると、前記ステー16が取り外され、図12(a)に示される如く、マスト2単独での自立状態で免震構造物15の解体作業が進められる。
尚、前述の如きタワークレーン1と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開2000−303695号公報
しかしながら、地震発生時に免震構造物15の免震装置14が働いてステー16の取付箇所が水平方向へ大きく変位した場合、図12(b)に示される如く、マスト2下端部及び架台13を含むクレーン下部は固定支持となっているため、マスト2、架台13、基礎12に過大なモーメントと水平力が作用してしまう虞があった。又、前記免震装置14を備えていない単なる構造物においても、地震発生時に構造物が撓んでステー16の取付箇所が水平方向へ変位した場合、マスト2下端部及び架台13を含むクレーン下部は固定支持となっているため、前述と同様、マスト2、架台13、基礎12に大きなモーメントと水平力が作用する虞があった。
因みに、地震発生時に免震構造物15の変位に追従してタワークレーン1が撓むことにより許容できる強制変位量を大きくするためには、例えば、免震構造物15に対するステー16の取付箇所を高くすることが挙げられるが、該ステー16の取付箇所を高くするには、タワークレーン1の自立高さを高くする必要があり、これに伴って、マスト2、架台13、基礎12の強度を高めなければならず、コストアップにつながるという不具合を有していた。このような不具合に関しては、単なる構造物についても同様である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、マスト、架台、基礎に過大なモーメントと水平力が作用することを防止し得、コストダウンを図りつつ安定性向上を図り得るタワークレーンの下部ピン支持構造を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造は、構造物の建設時或いは解体時に使用され且つ架台上に立設されるマストを備えたタワークレーンの下部ピン支持構造であって、
前記構造物に対しマストをつなぐステーと、
該ステーより下方位置におけるクレーン下部に設定され且つ該クレーン下部を上下に分断した状態或いは固定した状態に切換自在な連結部と、
該連結部を固定した状態に保持する締結機構と、
該締結機構による連結部の固定状態を解除し上下に分断したクレーン下部間に介装され且つ前記クレーン下部に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持しつつ前記クレーン下部を前記連結部において回動自在に支持する自動調心形軸受と
を備えることができる。
前記タワークレーンの下部ピン支持構造において、前記締結機構は、
前記上下に分断したクレーン下部の上側の下端外周部に配設される上側フランジ部と、
前記上下に分断したクレーン下部の下側の上端外周部に配設される下側フランジ部と、
前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に嵌挿自在な中間フランジ部と、
該中間フランジ部と前記上側フランジ部及び下側フランジ部とを貫通して締結自在な締結部材と
を備えることができる。
更に、前記タワークレーンの下部ピン支持構造においては、前記クレーン下部の上側の下部に四隅の主材間に掛け渡すように形成された上側十字箱型梁と、前記クレーン下部の下側の上部に四隅の主材間に掛け渡すように形成された下側十字箱型梁とを備え、
前記自動調心形軸受は、前記上側十字箱型梁の下面中央部又は下側十字箱型梁の上面中央部の何れか一方に取り付けられた凸面部と、前記上側十字箱型梁の下面中央部又は下側十字箱型梁の上面中央部の何れか他方に取り付けられ且つ前記凸面部が滑動自在に嵌入される凹面部とを備えることができる。
本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造によれば、マスト、架台、基礎に過大なモーメントと水平力が作用することを防止し得、コストダウンを図りつつ安定性向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例を示す概略図であって、(a)はマスト単独での自立状態を示す図、(b)は免震構造物に対しマストをステーによってつないだ状態を示す図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例におけるマストの連結部を示す斜視図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例における自動調心形軸受を支持する十字箱型梁を示す平面図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例における自動調心形軸受を示す側面図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例における建設時の工程を示すフローチャートである。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例における解体時の工程を示すフローチャートである。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造を利用したフロアクライミングの一例を示す第一作動図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造を利用したフロアクライミングの一例を示す第二作動図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造を利用したフロアクライミングの一例を示す第三作動図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造を利用したフロアクライミングの一例を示す第四作動図である。 本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造を利用したフロアクライミングの一例を示す第五作動図である。 従来のタワークレーンの一例を示す概略図であって、(a)はマスト単独での自立状態を示す図、(b)は免震構造物に対しマストをステーによってつないだ状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造の実施例であって、図中、図12と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
本実施例の場合、クレーン下部であるマスト2の底部(ステー16より下方位置)に連結部17を設定し、該連結部17は、前記マスト2を上下に分断した状態或いは締結機構18により固定した状態に切換自在としてある。尚、前記連結部17は、マスト2の底部に設定する代わりに、架台13に設定し、該架台13を上下に分断した状態或いは締結機構18により固定した状態に切換自在としても良い。
前記連結部17を固定した状態に保持する締結機構18は、図2に示す如く、上側フランジ部18aと、下側フランジ部18bと、中間フランジ部18dと、締結部材18eとを備えている。前記上側フランジ部18aは、前記上下に分断したマスト2の上側マスト2bの下端外周部に、四隅の主材2dと一体化する形で配設されている。前記下側フランジ部18bは、前記上下に分断したマスト2の下側マスト2cの上端外周部に、四隅の主材2eと一体化する形で配設されている。前記中間フランジ部18dは、前記上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間に嵌挿自在な部材である。前記締結部材18eは、前記中間フランジ部18dと前記上側フランジ部18a及び下側フランジ部18bとを貫通して締結自在なボルト・ナット等の部材である。
前記締結機構18による連結部17の固定状態を解除し上下に分断したマスト2間には、ラジアル荷重とアキシアル荷重を同時に負荷できる自動調心形軸受19が介装されている。前記上側マスト2bの下部には、四隅の主材2d間に掛け渡すように形成した上側十字箱型梁20が取り付けられ、同様に、前記下側マスト2cの上部には、四隅の主材2e間に掛け渡すように形成した下側十字箱型梁21が取り付けられている。前記自動調心形軸受19は、図3及び図4に示す如く、上側十字箱型梁20の下面中央部に取り付けられた凸面部19aと、下側十字箱型梁21の上面中央部に取り付けられ且つ前記凸面部19aが滑動自在に嵌入される凹面部19bとを備え、前記マスト2に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持しつつ前記マスト2を前記連結部17において回動自在に支持するようになっている。尚、前記自動調心形軸受19は、上側十字箱型梁20の下面中央部に凹面部19bを取り付け、下側十字箱型梁21の上面中央部に凸面部19aを取り付けるようにしても良い。又、前記自動調心形軸受19は、ラジアル荷重とアキシアル荷重を同時に負荷できるものであれば、どのような形式の軸受であっても良い。
因みに、本実施例において、前記免震構造物15の建設時には、図5に示す如く、自立工程SC1と、接続工程SC2と、分断工程SC3と、ピン支持工程SC4とを行うようにしている。
前記自立工程SC1は、前記マスト2の底部(ステー16より下方位置)に設定した連結部17を固定してマスト2を自立させ、マストブロック2aを順次継ぎ足してマスト2単独での自立状態で免震構造物15の建設作業を進める工程である(図1(a)参照)。
前記接続工程SC2は、前記自立工程SC1で免震構造物15の建設作業が進行し、タワークレーン1の最大自立高さを超えた場合に、前記免震構造物15に対しマスト2をステー16によってつなぐ工程である(図1(b)参照)。
前記分断工程SC3は、前記接続工程SC2でつないだステー16より下方位置に設定された連結部17においてマスト2を上下に分断する工程である。
前記ピン支持工程SC4は、前記分断工程SC3で上下に分断したマスト2間に介装された自動調心形軸受19により、前記マスト2に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持しつつ前記マスト2を前記連結部17において回動自在に支持する工程であり、この状態で免震構造物15の建設作業を行うようになっている。
一方、本実施例において、前記免震構造物15の解体時には、図6に示す如く、接続工程SD1と、分断工程SD2と、ピン支持工程SD3と、自立工程SD4とを行うようにしている。
前記接続工程SD1は、タワークレーン1の最大自立高さを超えている免震構造物15の場合、図1(b)に示される如く、免震構造物15に対しマスト2をステー16によってつないだ状態から解体作業を進める工程である。
前記分断工程SD2は、前記接続工程SD1でつないだステー16より下方位置に設定された連結部17においてマスト2を上下に分断する工程である。
前記ピン支持工程SD3は、前記分断工程SD2で上下に分断したマスト2間に介装された自動調心形軸受19により、前記マスト2に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持しつつ前記マスト2を前記連結部17において回動自在に支持する工程であり、この状態で免震構造物15の解体作業を行うようになっている。
前記自立工程SD4は、前記ピン支持工程SD3で前記マスト2を前記連結部17において回動自在に支持した状態から、免震構造物15の解体作業を進め、マストブロック2aを上方から順次撤去していき、タワークレーン1の最大自立高さ以下になった場合に、前記ステー16を取り外しつつ、マスト2の底部(ステー16より下方位置)に設定した連結部17を固定してマスト2を自立させ、マスト2単独での自立状態で免震構造物15の解体作業を進める工程である(図1(a)参照)。
次に、上記実施例の作用を説明する。
免震構造物15の建設時には、先ず、マスト2の底部(ステー16より下方位置)に設定した連結部17が締結機構18により固定されてマスト2を自立させ、マストブロック2aを順次継ぎ足してマスト2単独での自立状態で免震構造物15の建設作業が進められる(図1(a)参照)。ここで、図2及び図4に示す如く、前記締結機構18の中間フランジ部18dが上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間に嵌挿され、締結部材18eが前記中間フランジ部18dと上側フランジ部18a及び下側フランジ部18bとを貫通して締結されると、前記連結部17は締結機構18により固定された状態となる。尚、この工程は、図5における自立工程SC1となる。
前記免震構造物15の建設作業が進行し、タワークレーン1の最大自立高さを超えると、前記免震構造物15に対しマスト2がステー16によってつながれる(図1(b)参照)。尚、この工程は、図5において、前記自立工程SC1に続く接続工程SC2となる。
前記免震構造物15に対しマスト2がステー16によってつながれると、前記連結部17でマスト2が上下に分断される。ここで、前記締結部材18eの締結を解除し、図4の仮想線で示す如く、前記中間フランジ部18dを上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間からマスト2の内周側或いは外周側へ引き抜くと、前記連結部17は締結機構18による固定が解除された状態となる。尚、この工程は、図5において、前記接続工程SC2に続く分断工程SC3となる。
前記上下に分断したマスト2間には自動調心形軸受19が介装されているため、前記マスト2に作用する水平荷重及び垂直荷重が支持されつつ前記マスト2が前記連結部17において回動自在に支持され、この状態で免震構造物15の建設作業が行われる。ここで、地震発生時には、前記自動調心形軸受19の凸面部19aが凹面部19bに対し滑動することにより、前記マスト2が前記連結部17において回動する形となる。尚、この工程は、図5において、前記分断工程SC3に続くピン支持工程SC4となる。
一方、タワークレーン1の最大自立高さを超えている免震構造物15の解体時には、先ず、免震構造物15に対しマスト2がステー16によってつながれた状態から解体作業が進められる(図1(b)参照)。尚、この工程は、図6における接続工程SD1となる。
この時、前記ステー16より下方位置に設定された連結部17においてマスト2は上下に分断されている。ここで、締結機構18の締結部材18eによる締結は解除され、図4の仮想線で示す如く、中間フランジ部18dは上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間から引き抜かれており、前記連結部17は締結機構18による固定が解除された状態となっている。尚、この工程は、図6において、前記接続工程SD1に続く分断工程SD2となる。
前記上下に分断したマスト2間には自動調心形軸受19が介装されているため、前記マスト2に作用する水平荷重及び垂直荷重が支持されつつ前記マスト2が前記連結部17において回動自在に支持され、この状態で免震構造物15の解体作業が行われる。尚、この工程は、図6において、前記分断工程SD2に続くピン支持工程SD3となる。
前記マスト2が前記連結部17において回動自在に支持された状態から、免震構造物15の解体作業が進められ、マストブロック2aが上方から順次撤去されていき、タワークレーン1の最大自立高さ以下になると、前記ステー16が取り外されつつ、マスト2の底部(ステー16より下方位置)に設定した連結部17が固定され、マスト2単独での自立状態で前記免震構造物15の解体作業が進められる(図1(a)参照)。ここで、図2及び図4に示す如く、前記締結機構18の中間フランジ部18dが上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間に嵌挿され、締結部材18eが前記中間フランジ部18dと上側フランジ部18a及び下側フランジ部18bとを貫通して締結されると、前記連結部17は締結機構18により固定された状態となる。尚、この工程は、図6において、前記ピン支持工程SD3に続く自立工程SD4となる。
これにより、本実施例では、地震発生時に免震構造物15の免震装置14が働いてステー16の取付箇所が水平方向へ大きく変位したとしても、タワークレーン1のマスト2下部は固定支持ではなくピン支持となっているため、免震構造物15の建設時或いは解体時の何れの場合であっても、マスト2、架台13、基礎12に過大なモーメントと水平力が作用してしまうことがなくなる。
これに伴い、例えば、免震構造物15に対するステー16の取付箇所を高くして、地震発生時に免震構造物15の変位に追従してタワークレーン1が撓むことにより許容できる強制変位量を大きくする必要がなくなるため、タワークレーン1の自立高さを高くしなくて済み、マスト2、架台13、基礎12の強度を低く抑えることが可能となり、コストアップが避けられる。
こうして、マスト2、架台13、基礎12に過大なモーメントと水平力が作用することを防止し得、コストダウンを図りつつ安定性向上を図り得る。
そして、本実施例の場合、前記締結機構18は、前記上下に分断したクレーン下部の上側(マスト2の上側マスト2b)の下端外周部に配設される上側フランジ部18aと、前記上下に分断したクレーン下部の下側(マスト2の下側マスト2c)の上端外周部に配設される下側フランジ部18bと、前記上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間に嵌挿自在な中間フランジ部18dと、該中間フランジ部18dと前記上側フランジ部18a及び下側フランジ部18bとを貫通して締結自在な締結部材18eとを備えている。このように構成すると、前記締結機構18の中間フランジ部18dを上側フランジ部18aと下側フランジ部18bとの間に嵌挿し、締結部材18eを前記中間フランジ部18dと上側フランジ部18a及び下側フランジ部18bとに貫通させて締結することにより、前記連結部17を固定した状態に安定して保持することができる。
又、前記クレーン下部の上側(上側マスト2b)の下部に四隅の主材2d間に掛け渡すように形成された上側十字箱型梁20と、前記クレーン下部の下側(下側マスト2c)の上部に四隅の主材2e間に掛け渡すように形成された下側十字箱型梁21とを備え、前記自動調心形軸受19は、前記上側十字箱型梁20の下面中央部又は下側十字箱型梁21の上面中央部のいずれか一方(図4の例では上側十字箱型梁20の下面中央部)に取り付けられた凸面部19aと、前記上側十字箱型梁20の下面中央部又は下側十字箱型梁21の上面中央部のいずれか他方(図4の例では下側十字箱型梁21の上面中央部)に取り付けられ且つ前記凸面部19aが滑動自在に嵌入される凹面部19bとを備えている。このように構成すると、前記クレーン下部の上側(上側マスト2b)の下部に四隅の主材2d間に掛け渡すように形成された上側十字箱型梁20と、前記クレーン下部の下側(下側マスト2c)の上部に四隅の主材2e間に掛け渡すように形成された下側十字箱型梁21とによってクレーン下部(マスト2)の剛性を高めつつ、前記上側十字箱型梁20と下側十字箱型梁21の間で、自動調心形軸受19の凸面部19aを凹面部19bに対し滑動させることにより、前記クレーン下部(マスト2)の連結部17における回動動作を安定化させることができる。
一方、前記タワークレーン1を自立の状態で使用せず、免震構造物15に対しマスト2をステー16によってつないだ状態でのみ使用すれば、基礎12には過大なモーメントと水平力が作用せず、垂直力のみ支持できる基礎12で充分となるため、基礎12に掛かる費用を大幅に削減できる。
又、架台13とマスト2の向きを無段階に変更できるため、クライミング方向も無段階に設定できる。これにより、クライミング時のジブ5の向きも無段階に設定可能となり、ジブ5や旋回体4のカウンタフレーム6が工事敷地外に出てしまったり、隣接する他の構造物と干渉したりすることを回避でき、タワークレーン1の設置計画を行いやすくすることができる。
更に又、本実施例のタワークレーンの下部ピン支持構造は、図7〜図11に示すようなフロアクライミングにおいて、構造物15Aの下層と上層でタワークレーン1の架台13のアウトリガ13aを受ける梁15Hの向きが異なっているような場合にも、有効活用できる。
先ず、図7に示す如く、前記アウトリガ13aが、ある階層の梁15Hに固定支持され且つ連結部17が締結機構18により固定された状態から、図8に示す如く、昇降ユニット3が下降し、該昇降ユニット3から張り出された支持部材3Hが構造物15Aの上層の梁15Hに載置される。
続いて、前記アウトリガ13aの梁15Hに対する固定支持が解除され、図9に示す如く、昇降ユニット3によりマスト2が引き上げられる。
この後、前記連結部17の締結機構18による固定が解除され、図10に示す如く、架台13が90°旋回してアウトリガ13aが張り出される。
次に、前記アウトリガ13aが上層の梁15Hに載置されて固定されると共に、前記連結部17が締結機構18により再び固定される。
前記連結部17が締結機構18により再び固定された後、図11に示す如く、マスト2に沿って昇降ユニット3が上昇する。
即ち、前記連結部17が締結機構18によりクレーン下部を上下に分断した状態或いは固定した状態に切換自在となっていれば、タワークレーン1の架台13のアウトリガ13aを受ける梁15Hの向きが構造物15Aの下層と上層で90°或いはそれ以外の角度で異なっていたとしてもフロアクライミングを効率良く行うことができる。
尚、本発明のタワークレーンの下部ピン支持構造は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、免震構造物に限らず、耐震、制震機能を有する構造物にも適用可能なこと、又、免震、耐震、制震機能を有していない単なる構造物にも適用可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 タワークレーン
2 マスト
2a マストブロック
2b 上側マスト
2c 下側マスト
2d 主材
2e 主材
3 昇降ユニット
3H 支持部材
4 旋回体
5 ジブ
6 カウンタフレーム
7 吊荷用フック
8 ワイヤロープ
9 巻上装置
10 ワイヤロープ
11 起伏装置
12 基礎
13 架台
13a アウトリガ
14 免震装置
15 免震構造物(構造物)
15A 構造物
15H 梁
16 ステー
17 連結部
18 締結機構
18a 上側フランジ部
18b 下側フランジ部
18d 中間フランジ部
18e 締結部材
19 自動調心形軸受
19a 凸面部
19b 凹面部
20 上側十字箱型梁
21 下側十字箱型梁

Claims (3)

  1. 構造物の建設時或いは解体時に使用され且つ架台上に立設されるマストを備えたタワークレーンの下部ピン支持構造であって、
    前記構造物に対しマストをつなぐステーと、
    該ステーより下方位置におけるクレーン下部に設定され且つ該クレーン下部を上下に分断した状態或いは固定した状態に切換自在な連結部と、
    該連結部を固定した状態に保持する締結機構と、
    該締結機構による連結部の固定状態を解除し上下に分断したクレーン下部間に介装され且つ前記クレーン下部に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持しつつ前記クレーン下部を前記連結部において回動自在に支持する自動調心形軸受と
    を備えたことを特徴とするタワークレーンの下部ピン支持構造。
  2. 前記締結機構は、
    前記上下に分断したクレーン下部の上側の下端外周部に配設される上側フランジ部と、
    前記上下に分断したクレーン下部の下側の上端外周部に配設される下側フランジ部と、
    前記上側フランジ部と下側フランジ部との間に嵌挿自在な中間フランジ部と、
    該中間フランジ部と前記上側フランジ部及び下側フランジ部とを貫通して締結自在な締結部材と
    を備えた請求項1記載のタワークレーンの下部ピン支持構造。
  3. 前記クレーン下部の上側の下部に四隅の主材間に掛け渡すように形成された上側十字箱型梁と、前記クレーン下部の下側の上部に四隅の主材間に掛け渡すように形成された下側十字箱型梁とを備え、
    前記自動調心形軸受は、前記上側十字箱型梁の下面中央部又は下側十字箱型梁の上面中央部の何れか一方に取り付けられた凸面部と、前記上側十字箱型梁の下面中央部又は下側十字箱型梁の上面中央部の何れか他方に取り付けられ且つ前記凸面部が滑動自在に嵌入される凹面部とを備えた請求項2記載のタワークレーンの下部ピン支持構造。
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