JP2020097299A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプユニット(2)の小型化を図る。【解決手段】ハウジング(130)と、ハウジング(130)に設けられるポンプ孔(161)と、ポンプ孔(161)内に配置されるポンプエレメント(70)と、ポンプエレメント(75)を収容するポンプ孔(161)の開口を塞ぐ閉塞部材(165)とを備えるポンプユニット(2)であって、ポンプ孔(161)、及びポンプエレメント(70)の組を複数備え、閉塞部材(165)が、複数のポンプ孔(161)の開口を共通して塞ぐ。かかる構成では、複数のポンプ孔(161)の開口のそれぞれを個別の閉塞部材によって塞ぐ構成に比べて、ポンプユニット(2)の小型化を図ることができる。【選択図】図9
Description
本発明は、ポンプユニットを備えるブレーキ液圧制御装置に関する。
従来のブレーキ液圧制御装置として、ポンプ孔、及び液圧回路が設けられたハウジングと、ポンプエレメントと、ポンプエレメントを収容するポンプ孔の開口を塞ぐ閉塞部材とを有するポンプユニットを備えるものが知られている。例えば、特許文献1に記載のブレーキ液圧制御装置は、ハウジングに設けられたポンプ孔の内部にポンプエレメントを備える。このポンプエレメントは、ポンプ室と、軸方向に移動してポンプ室の容積を変化させるピストンと、ポンプ室への液体の吸入を許容する吸入側の逆止弁と、ポンプ室からの液体の吐出を許容する吐出側の逆止弁とを備える。ポンプエレメントを収容するポンプ孔の開口は、閉塞部材によって塞がれる。この閉塞部材は、ハウジングの塑性変形によって形成されるカシメ部によってハウジングに固定される。
従来のブレーキ液圧制御装置の他の例として、特許文献2に記載のものが知られている。このブレーキ液圧制御装置は、ハウジングに形成された軸穴及び6つのポンプ孔と、それぞれのポンプ孔の中に個別に配置される6つのポンプエレメントとを備える。軸穴は、ハウジングの正面の中央に設けられる。6つのポンプ孔のうち、3つは、ハウジングの左側面から軸穴に向けて貫通する。これら3つのポンプ孔の開口は、ハウジングの左側面において、互いに軸穴の軸線方向に沿って並ぶ。また、他の3つのポンプ孔は、ハウジングの右側面から軸穴に向けて貫通する。これら3つのポンプ孔の開口は、ハウジングの右側面において、互いに軸穴の軸線方向に沿って並ぶ。軸穴には、モータの偏心軸が挿入される。6つのポンプ孔のそれぞれに収容される6つのポンプエレメントは何れも、軸穴に挿入された偏心軸の回転によって駆動される。ハウジングの左側面側の3つのポンプエレメントは、互いに連携して動作する。また、ハウジングの右側面側の3つのポンプエレメントは、互いに連携して動作する。特許文献2によれば、かかる構成のポンプユニットでは、左側面側、右側面側のそれぞれにおいて、3つのポンプエレメントが互いに連携して動作することで、緊急ブレーキ時でも液圧を良好に高め、且つ耐久性を向上させることができるとされる。
特許文献1に記載のブレーキ液圧制御装置において、特許文献2に記載のブレーキ液圧制御装置のようにハウジングの同じ面に複数のポンプ孔の開口を並べて配置する構成を採用したとする。この場合に、ポンプ孔の開口を閉塞部材によって塞ぐために、専用の治具の刃をポンプ孔の開口の周囲に打ち込んでカシメ部を形成するときに、隣のポンプ孔の周壁を塑性変形させて、隣のポンプ孔に液漏れ等の不具合を引き起こすおそれがある。このため、設計者は、治具の刃の打ち込み時に、互いに隣り合うポンプ孔の周壁を塑性変形させない程度に、ポンプ孔の設置間隔を大きくせざるを得ない。このことが、ポンプユニットの小型化を困難にするという課題がある。
本発明によれば、ポンプ孔(161)、及び液圧回路(10、30)が設けられたハウジング(130)と、ポンプエレメント(70)と、前記ポンプエレメント(70)を収容する前記ポンプ孔(161)の開口を塞ぐ閉塞部材(165)とを有するポンプユニット(2)と、前記ポンプエレメント(70)のピストンの駆動源であるモータ(189)と、前記モータ(189)の駆動を制御する制御部(190a)とを備え、前記液圧回路(10、30)内の作動液としてのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ液圧制御装置(1)であって、前記ポンプ孔(161)、及び前記ポンプエレメント(70)の組を複数備え、前記閉塞部材(165)が、複数の前記ポンプ孔(161)の前記開口を共通して塞ぐポンプユニット(2)が提供される。
本発明によれば、複数のポンプエレメント(70)の配置間隔をより小さくして、ポンプユニット(2)の小型化を図ることができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用したブレーキ液圧制御装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する構成、動作等は、本発明の実施形態としての一例(代表例)であり、本発明は以下に説明する構成、動作等に限定されない。また、以下では、同一の又は類似する説明を、適宜簡略化又は省略する。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略するか、又は、同一の符号を付す。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略する。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置は、車両のブレーキシステムの一部として用いられる。図1は、実施形態に係るブレーキ液圧制御装置を用いるブレーキシステムの作動液回路を示す回路図である。このブレーキシステムは、倍力装置を用いずに、運転者によるブレーキペダル201の踏力を増幅してホイールシリンダに伝達する四輪車用のブレーキシステムである。
<ブレーキシステム>
ブレーキシステムは、実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1、ブレーキペダル201、ピストンロッド202、マスタシリンダ203、リザーバータンク204、4つの液圧ブレーキ205〜208などを備える。
ブレーキシステムは、実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1、ブレーキペダル201、ピストンロッド202、マスタシリンダ203、リザーバータンク204、4つの液圧ブレーキ205〜208などを備える。
ブレーキペダル201は、車両を制動する場合に運転者によって踏み込み操作が行われる。ブレーキペダル201には、ピストンロッド202の軸方向の一端側が接続される。ピストンロッド202は、ブレーキペダル201の踏込量に応じて軸方向に変位する。この変位量であるストローク量は、ストロークセンサ205によって検出される。
リザーバ―タンク204は、液圧を発生させる作動液(例えばブレーキオイル)を貯留して、マスタシリンダ203に供給する。
マスタシリンダ203は、プライマリ圧力室203a、プライマリピストン203b、プライマリコイルスプリング203c、セカンダリ圧力室203d、セカンダリピストン203e、セカンダリコイルスプリング203f等を備える。プライマリ圧力室203aと、セカンダリ圧力室203dとは、互いに仕切られた状態で軸方向に並ぶ。
ピストンロッド202の軸方向の他端側には、マスタシリンダ203のプライマリピストン203bが接続される。プライマリ圧力室203a内では、プライマリピストン203bがピストンロッド202の動きに追従して軸方向に往復移動する。プライマリピストン203bの軸方向の他端側と、セカンダリピストン203eの軸方向の一端側とは、プライマリ圧力室203a内に配置されたプライマリコイルスプリング203cによって接続される。
セカンダリ圧力室203d内では、セカンダリピストン203eが、プライマリピストン203bの動きに追従して軸方向に往復移動する。セカンダリ圧力室203d内には、セカンダリコイルスプリング203fが配置され、セカンダリピストン203eと、セカンダリ圧力室203dの軸方向の他端側内壁とを繋ぐ。プライマリコイルスプリング203cのバネ力と、及びセカンダリコイルスプリング203fのバネ力とは、例えば互いに同一である。プライマリ圧力室203a、セカンダリ圧力室203dのそれぞれの容量は、ピストンロッド202のストローク量に応じて変化する。
ブレーキシステムは、車両の右前輪(FR)に設けられる液圧ブレーキ205と、左後輪(RL)に設けられる液圧ブレーキ206と、左前輪(FL)に設けられる液圧ブレーキ207と、右後輪(RR)に設けられる液圧ブレーキ208とを備える。液圧ブレーキ205,206,207,208は、ホイールシリンダ205a,206a,207a,208aを備える。ホイールシリンダ205a,206a,207a,208aに供給される作動液の圧力が高まると、右前輪(FR),左後輪(RL),左前輪(FL),右後輪(R)に対する液圧ブレーキ205,206,207,208による制動力が増加する。
ブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2は、2つの液圧回路10,30を備える。ブレーキシステムにおいて、車両の右前輪(FR)のホイールシリンダ205aと、左後輪(RL)のホイールシリンダ206aとには、マスタシリンダ203のプライマリ圧力室203a内の作動液が、ポンプユニット2の液圧回路10を介して供給される。また、左前輪(FL)のホイールシリンダ207aと、右後輪(RR)のホイールシリンダ208aとには、マスタシリンダ203のセカンダリ圧力室203d内の作動液が、ポンプユニット2の液圧回路30を介して供給される。
なお、ブレーキシステムは四輪車用のブレーキシステムに限られず、二輪車用あるいはそれ以外の車両のブレーキシステムであってもよい。
<ブレーキ液圧制御装置1>
ブレーキ液圧制御装置1は、ポンプユニット2と、ECU(Electronic Control Unit)190とを備える。
ブレーキ液圧制御装置1は、ポンプユニット2と、ECU(Electronic Control Unit)190とを備える。
<ECU190>
図2は、ECU190の回路構成を示すブロック図である。ECU190は、CPU(Central Processing Unit)からなる制御部190a、記憶媒体たるROM(Read Only Memory)190b、一時記憶媒体たるRAM(Random Access Memory)190c、記憶媒体たるフラッシュメモリ190d等を備える。また、ECU190は、バス190e、Input and Output ユニット(以下、I/Oユニットという)190f等も備える。制御部190aと、ROM190b、RAM190c、フラッシュメモリ190d、及びI/Oユニット190fとは、バス190eを通じて相互通信が可能である。
図2は、ECU190の回路構成を示すブロック図である。ECU190は、CPU(Central Processing Unit)からなる制御部190a、記憶媒体たるROM(Read Only Memory)190b、一時記憶媒体たるRAM(Random Access Memory)190c、記憶媒体たるフラッシュメモリ190d等を備える。また、ECU190は、バス190e、Input and Output ユニット(以下、I/Oユニットという)190f等も備える。制御部190aと、ROM190b、RAM190c、フラッシュメモリ190d、及びI/Oユニット190fとは、バス190eを通じて相互通信が可能である。
制御部190aは、ROM190bに記憶されたプログラムに基づいて、各種の制御を実行する。また、制御部190aは、RAM190c、フラッシュメモリ190dに記憶されている各種のデータに基づいて演算を実行する。また、制御部190aは、必要に応じて、I/Oユニット190fを介して、I/Oユニット190fに電気接続された外部機器に制御信号を送信したり、外部機器からの信号を受信したりする。
<ポンプユニット2>
図1に示されるポンプユニット2は、2つの液圧回路10,30を備える。液圧回路10と液圧回路30とは、互いに、車両の対角の位置にある1つの前輪及び1つの後輪を組として、その組のブレーキ液圧を制御するための回路である。かかる回路を構成するための配管方式は、X型配管方式と呼ばれる。
図1に示されるポンプユニット2は、2つの液圧回路10,30を備える。液圧回路10と液圧回路30とは、互いに、車両の対角の位置にある1つの前輪及び1つの後輪を組として、その組のブレーキ液圧を制御するための回路である。かかる回路を構成するための配管方式は、X型配管方式と呼ばれる。
なお、ポンプユニット2の液圧回路10、液圧回路30の配管方式は、X型配管方式に限られない。
マスタシリンダ203のプライマリ圧力室203aは、ポンプユニット2の液圧回路10に接続される。マスタシリンダ203のセカンダリ圧力室203dは、ポンプユニット2の液圧回路30に接続される。
ブレーキペダル201が踏み込まれると、ピストンロッド202、プライマリピストン203b、及びセカンダリピストン203eが軸方向の一端側から他端側に移動する。この移動に伴い、プライマリ圧力室203aの容積が減少して、プライマリ圧力室203a内の作動液の一部がポンプユニット2の液圧回路10内に移動する。同時に、セカンダリ圧力室203dの容積が減少して、セカンダリ圧力室203d内の作動液の一部がポンプユニット2の液圧回路30内に移動する。
ポンプユニット2の液圧回路10と液圧回路30とは、互いに同様の回路構成になっている。以下、液圧回路10の構成について説明し、液圧回路30の構成については説明を省略する。
マスタシリンダ203のプライマリ圧力室203aから送られてくる作動液を受け入れる液圧回路10は、次に説明する複数の電磁弁を備える。即ち、常閉型でリニア制御可能な回路制御弁11、常閉型でオンオフ制御される吸入制御弁12、常開型でリニア制御可能な2つの増圧弁13,14、常閉型でオンオフ制御される2つの減圧弁15,16等である。
液圧回路10は、モータ189によって駆動される2つのポンプエレメント70と、アキュムレータ17と、ダンパ18とを備える。
回路制御弁11は、プライマリ圧力室203aと、2つの増圧弁13,14との間の流路を開閉する。吸入制御弁12は、プライマリ圧力室203aと、2つのポンプエレメント70の吸引側との間の流路を開閉する。回路制御弁11及び吸入制御弁12の駆動は、ECU190によって制御される。
回路制御弁11の近傍には、回路制御弁11を迂回するバイパス流路19が設けられ、このバイパス流路19の途中には、逆止弁20が設けられる。逆止弁20は、プライマリ圧力室203a側から右前輪の液圧ブレーキ205及び左後輪の液圧ブレーキ206側への作動液の流れを許容する一方で、逆方向の作動油の流れを阻止する。回路制御弁31が故障に起因して閉弁状態となっても、プライマリ圧力室203a内から送り出された作動液は、バイパス流路19を通って右前輪のホイールシリンダ205a、及び左後輪のホイールシリンダ206aに供給される。
増圧弁13、及び減圧弁15は、右前輪のホイールシリンダ205aに連通する流路に設けられ、右前輪の液圧ブレーキ205の制御に関わる。また、増圧弁14、及び減圧弁16は、左後輪のホイールシリンダ206aに連通する流路に設けられ、左後輪の液圧ブレーキ206の制御に関わる。増圧弁13、増圧弁14、減圧弁15、及び減圧弁16の駆動は、ECU190によって制御される。
リニア制御可能な増圧弁13は、回路制御弁11と、右前輪のホイールシリンダ205aとの間の流路に設けられ、回路制御弁11側から右前輪のホイールシリンダ205a側への作動液の流量を連続的に調整することが可能である。
増圧弁13の近傍には、増圧弁13を迂回するバイパス流路21が設けられ、このバイパス流路21の途中には、逆止弁22が設けられる。逆止弁22は、右前輪のホイールシリンダ205a側から回路制御弁11側への作動液の流れを許容する一方で、逆方向の作動液の流れを阻止する。増圧弁13が故障に起因して閉弁状態となっても、右前輪のホイールシリンダ205a内の作動液は、バイパス流路21を通って回路制御弁11側に移動することが可能である。
減圧弁15は、全開と全閉との切り換えが可能な電磁弁であり、右前輪のホイールシリンダ205aとアキュムレータ17との間の流路に設けられる。減圧弁15が開弁すると、右前輪のホイールシリンダ205a内の作動液がアキュムレータ17内に移動して、ホイールシリンダ205a内が減圧する。
アキュムレータ17は、減圧弁15,16から供給される作動液の圧力に応じて容積を変化させながら、作動液を蓄積又は放出する。
なお、減圧弁15は、開閉を断続的に繰り返すことによって右前輪のホイールシリンダ205a側からアキュムレータ17側に流れる作動液の流量を調節することができる。
増圧弁14は、回路制御弁11と増圧弁13とを繋ぐ流路から分岐し、且つその分岐点と左後輪のホイールシリンダ206aとを繋ぐ流路に設けられる。リニア制御可能な増圧弁14は、回路制御弁11側から左後輪のホイールシリンダ206a側への作動液の流量、及び右前輪のホイールシリンダ205a側から左後輪のホイールシリンダ206a側への作動液の流量を連続的に調整する。
増圧弁14の近傍には、増圧弁14を迂回するバイパス流路23が設けられ、このバイパス流路23の途中には、逆止弁24が設けられる。逆止弁24は、左後輪のホイールシリンダ206a側から、回路制御弁11と右前輪のホイールシリンダ205aとを繋ぐ流路の側への作動液の流れを許容する一方で、逆方向の作動液の流れを阻止する。増圧弁14が故障に起因して閉弁状態となっても、左後輪のホイールシリンダ206a内の作動液は、バイパス流路23を通って、回路制御弁11と右前輪のホイールシリンダ205aとを繋ぐ流路に移動することが可能である。
減圧弁16は、全開と全閉との切り換えが可能な電磁弁であり、左後輪のホイールシリンダ206aとアキュムレータ17との間の流路に設けられる。減圧弁16が開弁すると、左後輪のホイールシリンダ206a内の作動液がアキュムレータ17内に移動して、ホイールシリンダ206a内が減圧する。
なお、減圧弁16は、開閉を断続的に繰り返すことによって左後輪のホイールシリンダ206aからアキュムレータ17に流れる作動液の流量を調節することができる。
2つのポンプエレメント70のそれぞれは、モータ189によって駆動されて作動液を吐出する。モータ189の駆動は、ECU190によって制御される。なお、液圧回路10内におけるポンプエレメント70の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
ポンプエレメント70の吐出側は、ダンパ18と可変絞り25と逆止弁26とを介して、回路制御弁11と、増圧弁13及び増圧弁14とを繋ぐ流路に接続される。ダンパ18は、液圧回路10内の作動液の流量の変化に伴う振動及び振動音を低減する機能を有する。
可変絞り25は、ダンパ18側から逆止弁26側への作動液の流量を調整する。逆止弁26は、ダンパ18側から、回路制御弁11と、増圧弁13及び増圧弁14とを繋ぐ流路側への作動液の移動を許容する一方で、逆方向への作動液の流れを阻止する。
2つのポンプエレメント70の吸引側と、減圧弁15及び減圧弁16とを繋ぐ流路には、逆止弁27が設けられる。逆止弁27は、減圧弁15及び減圧弁16側からポンプエレメント70の吸引側への作動液の流れを許容する一方で、逆方向の作動液の流れを阻止する。
プライマリ圧力室203aと、回路制御弁11及び吸入制御弁12とを繋ぐ流路には、第1圧力センサ28が設けられる。第1圧力センサ28は、プライマリ圧力室203a内の圧力(マスタシリンダ圧)を検出する。
右前輪のホイールシリンダ205aに連通する流路には第2圧力センサ29が設けられる。第2圧力センサ29は、右前輪のホイールシリンダ205a内の圧力を検出する。なお、第2圧力センサ29は、左後輪のホイールシリンダ206aに連通する流路に設けられてもよい。
マスタシリンダ203のセカンダリ圧力室203dから送られてくる作動液を受け入れる液圧回路30は、左前輪の液圧ブレーキ207及び右後輪の液圧ブレーキ208を制御する。液圧回路30の回路制御弁31、吸入制御弁32、バイパス流路39、逆止弁40は、液圧回路10の回路制御弁11、吸入制御弁12、バイパス流路19、逆止弁20と同様の構成である。また、液圧回路30のダンパ38、可変絞り45、逆止弁46は、液圧回路10のダンパ18、可変絞り25、逆止弁26と同様の構成である。また、液圧回路30の増圧弁33、バイパス流路41、逆止弁42、減圧弁35、左前輪のホイールシリンダ207a、液圧回路10の増圧弁13、バイパス流路21、逆止弁22、減圧弁15、右前輪のホイールシリンダ205aと同様の構成であるまた、液圧回路30の第3圧力センサ49は、液圧回路10の第2圧力センサ29と同様の構成であり、左前輪のホイールシリンダ207a内の作動液の圧力を検出する。また、液圧回路30の増圧弁34、バイパス流路43、逆止弁44、減圧弁36、右後輪のホイールシリンダ208aは、液圧回路10の増圧弁14、バイパス流路23、逆止弁24、減圧弁16、左後輪のホイールシリンダ206aと同様の構成である。また、液圧回路30のアキュムレータ37、逆止弁47は、液圧回路10のアキュムレータ17、逆止弁27と同様の構成である。
<ハウジング130>
図3は、ポンプユニット2のハウジング130を斜め上方から示す斜視図である。また、図4は、ハウジング130を斜め下方から示す斜視図である。これらの図において、X軸の延びる方向は、ハウジング130の左右方向である。+X側(矢印の側)が右側であり、−X側(矢印と反対側)が左側である。また、Y軸の延びる方向は、ハウジング130の前後方向である。+Y側が前側であり、−Y側が後側である。また、X軸の延びる方向は、ハウジング130の上下方向である。+Z側が上側であり、−Z側が下側である。
図3は、ポンプユニット2のハウジング130を斜め上方から示す斜視図である。また、図4は、ハウジング130を斜め下方から示す斜視図である。これらの図において、X軸の延びる方向は、ハウジング130の左右方向である。+X側(矢印の側)が右側であり、−X側(矢印と反対側)が左側である。また、Y軸の延びる方向は、ハウジング130の前後方向である。+Y側が前側であり、−Y側が後側である。また、X軸の延びる方向は、ハウジング130の上下方向である。+Z側が上側であり、−Z側が下側である。
例えばアルミ製の鋳造品からなるハウジング130の各面は、正面131、背面132、右側面133、左側面134、上面135、下面136等からなる。正面131は、第1正面131aと、第1正面131aよりも前側に位置する第2正面131bとを備える。このように、ハウジング130の正面側には、段差が形成される。
図3に示されるハウジング130の第1正面131aの中央には、背面132に向けて窪む軸穴137と、軸穴137よりも上側の位置で背面132まで貫通する配線孔138とが設けられる。軸穴137は、モータ(図1の189)の偏心軸を挿入するための有底穴である。軸穴137は、Y軸方向(前後方向)に沿って延びる。ハウジング130にモータが固定されると、モータの偏心軸は、軸穴137内においてY軸方向に沿って延びる。配線孔138は、各種の配線を通すための貫通孔である。
ハウジング130の第2正面131bには、2つの配管接続口139a,139bが設けられる。配管接続口139aは、マスタシリンダのプライマリ圧力室(図1の203a)から延びる配管を接続するための接続口である。配管接続口139bは、マスタシリンダのセカンダリ圧力室(図1の203d)から延びる配管を接続するための接続口である。
図4に示されるハウジング130の背面132には、4つの減圧弁接続口144,145,152,153と、4つの増圧弁接続口146,147,154,155と、2つの回路制御弁接続口148,156とが設けられる。また、ハウジング130の背面132には、2つの吸入制御弁接続口149,157と、3つのセンサ接続口150,158,160とが設けられる。
減圧弁接続口144,145,152,153には、図1に示される減圧弁15,16,35,36が接続される。図4に示される増圧弁接続口146,147,154,155には、図1に示される増圧弁13,14,33,34が接続される。図4に示される回路制御弁接続口148,154には、図1に示される回路制御弁11,31が接続される。図4に示される吸入制御弁接続口149,157には、図1に示される吸入制御弁12,32が接続される。図4に示されるセンサ接続口160,150,158には、図1に示される第1圧力センサ28,第2圧力センサ29,第3圧力センサ49が接続される。
図4に示されるように、ハウジング130の右側面133には、2つのポンプ孔161が設けられる。これらのポンプ孔161は、図3に示されるように、X軸方向に沿って延びて軸穴137まで貫通し、互いにY軸方向に沿って並ぶ。
ハウジング130の左側面134には、2つのポンプ孔161が設けられる。これらのポンプ孔161は、X軸方向に沿って延びて軸穴137まで貫通し、互いにY軸方向に沿って並ぶ。ハウジング130右側面133に設けられる2つのポンプ孔161のうち、前側のポンプ孔161と、ハウジング130の左側面134に設けられる2つのポンプ孔のうち、前側のポンプ孔161とは、X軸方向において一直線上に並ぶ。また、ハウジング130右側面133に設けられる2つのポンプ孔161のうち、後側のポンプ孔161と、ハウジング130の左側面134に設けられる2つのポンプ孔のうち、後側のポンプ孔161とは、X軸方向において一直線上に並ぶ。
ハウジング130の上面135には、X軸方向に並ぶ4つの配管接続口140,141,142,143が設けられる。配管接続口140,141,142,143には、図1に示される右前輪(FR),左後輪(RL),左前輪(FL),右後輪(RR)のホイールシリンダ205a,206a,207a,208aへ延びる配管が接続される。
図4に示されるように、ハウジング130の下面136には、上面135側に向けて窪む2つのアキュムレータ収容孔151,159が設けられる。これらアキュムレータ収容孔151,159は、X軸方向に並ぶ。アキュムレータ収容孔151内には、図1に示される液圧回路10のアキュムレータ17が収容される。図4に示されるアキュムレータ収容孔159内には、図1に示される液圧回路30のアキュムレータ37が収容される。
図4に示されるハウジング130の右側面133に設けられる2つのポンプ孔のそれぞれには、図1に示される液圧回路10のポンプエレメント70が個別に収容される。図3に示されるハウジング130の左側面134に設けられる2つのポンプ孔のそれぞれには、図1に示される液圧回路30のポンプエレメント70が個別に収容される。
<ポンプエレメント70>
図5は、ポンプエレメント70の斜視図である。図6は、ポンプエレメント70の分解斜視図である。図7は、ポンプエレメント70の縦断面図である。これらの図において、一点鎖線で示されるのは、ポンプエレメント70の横断面の中心軸Jである。以下、ポンプエレメント70において、中心軸Jに沿う方向を、単に軸方向という。また、軸方向における一端側をフロント側、他端側をリア側という。また、中心軸Jを中心とする半径方向を径方向という。また、中心軸Jを中心とする円周方向を周方向という。
図5は、ポンプエレメント70の斜視図である。図6は、ポンプエレメント70の分解斜視図である。図7は、ポンプエレメント70の縦断面図である。これらの図において、一点鎖線で示されるのは、ポンプエレメント70の横断面の中心軸Jである。以下、ポンプエレメント70において、中心軸Jに沿う方向を、単に軸方向という。また、軸方向における一端側をフロント側、他端側をリア側という。また、中心軸Jを中心とする半径方向を径方向という。また、中心軸Jを中心とする円周方向を周方向という。
ポンプエレメント70は、吐出逆止弁71、フロント側シリンダ75、吸入逆止弁77、仕切り部材81、ピストン82、リア側シリンダ83、Oリング84などを備える。
〔吐出逆止弁71〕
吐出逆止弁71は、後述のポンプ室75c内からの作動液の吐出を許容する弁である。吐出逆止弁71は、ポンプエレメント70における軸方向のフロント側の端部に設けられ、カバー72と、コイルバネ73と、真球状の弁体74とを備える。カバー72は、有底円筒部72aと、有底円筒部72aのリア側の端の外周から径方向の外側に向けて広がるフランジ部72bとを備える。円筒状の有底円筒部72aは、フロント側の端に底部を備える。有底円筒部72aの周壁には、周方向に並ぶ複数の吐出口72a1が設けられる。フランジ部72bには、後述のフロント側シリンダ75に圧接するカシメ部72b1が周方向に沿って複数設けられる。
吐出逆止弁71は、後述のポンプ室75c内からの作動液の吐出を許容する弁である。吐出逆止弁71は、ポンプエレメント70における軸方向のフロント側の端部に設けられ、カバー72と、コイルバネ73と、真球状の弁体74とを備える。カバー72は、有底円筒部72aと、有底円筒部72aのリア側の端の外周から径方向の外側に向けて広がるフランジ部72bとを備える。円筒状の有底円筒部72aは、フロント側の端に底部を備える。有底円筒部72aの周壁には、周方向に並ぶ複数の吐出口72a1が設けられる。フランジ部72bには、後述のフロント側シリンダ75に圧接するカシメ部72b1が周方向に沿って複数設けられる。
カバー72の内部には、フロント側の端を有底円筒部72aの底部に押し当てるコイルバネ73と、コイルバネ73のリア側の端が押し当てられる弁体74とが収容される。
〔フロント側シリンダ75〕
有底円筒状のフロント側シリンダ75は、フロント側の端に底部75aを備える。この底部75aの中心軸Jの位置には、軸方向に貫通する連通孔75a1が設けられる。フロント側シリンダ75の内部には、コイルバネからなるピストンバネ76が配置される。フロント側シリンダ75の軸方向における中央には、シール部75bが設けられる。シール部75bは、フロント側シリンダ75のシール部75bよりもフロント側部分、リア側部分のそれぞれよりも大径である。
有底円筒状のフロント側シリンダ75は、フロント側の端に底部75aを備える。この底部75aの中心軸Jの位置には、軸方向に貫通する連通孔75a1が設けられる。フロント側シリンダ75の内部には、コイルバネからなるピストンバネ76が配置される。フロント側シリンダ75の軸方向における中央には、シール部75bが設けられる。シール部75bは、フロント側シリンダ75のシール部75bよりもフロント側部分、リア側部分のそれぞれよりも大径である。
〔吸入逆止弁77〕
吸入逆止弁77は、後述のポンプ室75c内への作動液の吸入を許容する弁である。吸入逆止弁77は、カバー78、コイルバネ79、及び弁体80を備える。カバー78は、有底円筒部78aと、大径部78bとを備える。円筒状の有底円筒部78aは、フロント側の端に底部78a1を備える。大径部78bは、カバー78のリア側の端に設けられ、有底円筒部78aよりも大径である。有底円筒部78aの周壁には、軸方向に延びるスリット78cが設けられる。このスリット78cの幅は、後述のコイルバネ79の直径、弁体80の直径の何れよりも小さい。
吸入逆止弁77は、後述のポンプ室75c内への作動液の吸入を許容する弁である。吸入逆止弁77は、カバー78、コイルバネ79、及び弁体80を備える。カバー78は、有底円筒部78aと、大径部78bとを備える。円筒状の有底円筒部78aは、フロント側の端に底部78a1を備える。大径部78bは、カバー78のリア側の端に設けられ、有底円筒部78aよりも大径である。有底円筒部78aの周壁には、軸方向に延びるスリット78cが設けられる。このスリット78cの幅は、後述のコイルバネ79の直径、弁体80の直径の何れよりも小さい。
カバー78の内部には、フロント側の端を有底円筒部78aの底部78a1に押し当てるコイルバネ79と、コイルバネ79のリア側の端が押し当てられる真円状の弁体80とが収容される。
〔仕切り部材81〕
円筒状の仕切り部材81は、軸方向のフロント側の端面に、フロント側からリア側に向けて窪む凹部81aを備える。カバー78の大径部78bは、仕切り部材81の凹部81a内に挿入される。
円筒状の仕切り部材81は、軸方向のフロント側の端面に、フロント側からリア側に向けて窪む凹部81aを備える。カバー78の大径部78bは、仕切り部材81の凹部81a内に挿入される。
フロント側シリンダ75の円筒内において、仕切り部材81よりもフロント側の空間は、ポンプ室75cになっている。仕切り部材81は、軸方向において、ポンプ室75cと後述の円環状流路85とを仕切る役割を担う。
〔ピストン82〕
円柱状のピストン82は、軸方向に並ぶ小径部82a及び大径部82bを備える。大径部82bよりもフロント側に設けられる小径部82aは、大径部82bよりも小径である。ピストン82のフロント側は、筒状のフロント側シリンダ75の内部に進入する。
円柱状のピストン82は、軸方向に並ぶ小径部82a及び大径部82bを備える。大径部82bよりもフロント側に設けられる小径部82aは、大径部82bよりも小径である。ピストン82のフロント側は、筒状のフロント側シリンダ75の内部に進入する。
ピストン82の小径部82a及び大径部82bには、軸方向に延びる内部流路82cが設けられる。内部流路82cのフロント側の端は、フロント側に向けて開口する吐出側連通口82c1になっている。内部流路82cは、吐出側連通口82c1からリア側に向けて、大径部82cの軸方向の中央付近まで延びる。内部流路82cのリア側の端部には、吸入側連通口82c2が設けられる。
ピストン82のリア側の端部には、Oリング84が嵌め込まれる。
〔リア側シリンダ83〕
有底円筒状のリア側シリンダ83は、リア側の端に底部83aを備える。フロント側シリンダ75のリア側の端部は、リア側シリンダ83のフロント側の端部の中に嵌め込まれる。リア側シリンダ83の底部83aにおける中心軸Jの位置には、貫通孔が設けられる。ピストン82は、その貫通孔を通じて、リア側シリンダ83を軸方向に貫通してフロント側シリンダ75の内部に至る。
有底円筒状のリア側シリンダ83は、リア側の端に底部83aを備える。フロント側シリンダ75のリア側の端部は、リア側シリンダ83のフロント側の端部の中に嵌め込まれる。リア側シリンダ83の底部83aにおける中心軸Jの位置には、貫通孔が設けられる。ピストン82は、その貫通孔を通じて、リア側シリンダ83を軸方向に貫通してフロント側シリンダ75の内部に至る。
リア側シリンダ83の内周壁と、シリンダ82の外周面との間に形成されるクリアランスは、作動液を流す円環状流路85になっている。リア側シリンダ83の周壁には、円環状流路85に連通する吸入口83bが設けられる。
〔ポンプエレメント70の動作〕
ピストン82は、フロント側シリンダ75及びリア側シリンダ83のそれぞれの内壁に接触しながら、軸方向に往復移動することが可能である。また、仕切り部材81は、フロント側シリンダ75の内壁に接触しながら、ピストン82と一体的に軸方向に往復移動することが可能である。また、吸入逆止弁77は、カバー78の大径部78bを仕切り部材81の凹部81aに進入させた状態で、仕切り部材81及びピストン82とともに軸方向に往復移動することが可能である。
ピストン82は、フロント側シリンダ75及びリア側シリンダ83のそれぞれの内壁に接触しながら、軸方向に往復移動することが可能である。また、仕切り部材81は、フロント側シリンダ75の内壁に接触しながら、ピストン82と一体的に軸方向に往復移動することが可能である。また、吸入逆止弁77は、カバー78の大径部78bを仕切り部材81の凹部81aに進入させた状態で、仕切り部材81及びピストン82とともに軸方向に往復移動することが可能である。
吸入逆止弁77の弁体80は、コイルバネ79によってリア側に付勢されて、ピストン82に設けられた内部流路82cの吐出側連通口82c1の周壁に突き当たる。弁体80がこのように吐出側連通口82c1の周壁に突き当たることで、吐出側連通口82c1が閉塞される。
吐出逆止弁71の弁体74は、コイルバネ73によってリア側に付勢されて、フロント側シリンダ75の連通孔75a1の周壁に突き当たる。弁体74がこのように連通孔75a1の周壁に突き当たることで、連通孔75a1が閉塞される。
円環状流路85、内部流路82c、吸入逆止弁77、ポンプ室75c、及び吐出逆止弁71のそれぞれの内部は、作動液で満たされる。
ポンプ室75c内においては、吸入逆止弁77のカバー78の大径部78bに、ピストンバネ76のリア側の端が押し当てられる。ピストン82は、大径部78bと仕切り部材81とを介して、ピストンバネ76によってリア側に向けて付勢される。ピストン82のリア側の端面は、モータ(図1の189)の偏心軸の周面に突き当たる。
モータの偏心軸が回転すると、軸方向において、偏心軸の周面に対するピストン82のリア側の端面の突き当たり位置(以下、ピストン突き当たり位置という)が変化する。この変化に伴って、ピストン82、仕切り部材81、及び吸入逆止弁77が軸方向に移動して、ポンプ室75cの容積を変化させる。つまり、ピストン82は、軸方向に移動してポンプ室75cの容積を変化させる。
ピストン突き当たり位置がフロント側に移動すると、ピストン82、仕切り部材81、及び吸入逆止弁77の組がフロント側に移動する。この移動に伴ってポンプ室75cの容積が減少するとともに、円環状流路85の容積が増加する。
円環状流路85の容積の増加に伴って円環状流路85内の作動液が減圧すると、リア側シリンダ83の吸入口83bを通じて、外部の作動液が円環状流路85内に吸入される。
また、ポンプ室75cの容積が減少すると、ポンプ室75c内の作動液が昇圧する。昇圧した作動液は、吐出逆止弁71の弁体74をコイルバネ73のバネ力に抗してフロント側に移動させながら、連通孔75a1を通じて吐出逆止弁71の内部に流れ込む。すると、吐出逆止弁71の吐出口72a1から作動液が吐出される。吐出された作動液は、後述の吐出通路(後述の図8の164)を通ってダンパー(図1の18)内に流入する。
一方、ピストン突き当たり位置がリア側に移動すると、ピストン82、仕切り部材81、及び吸入逆止弁77の組がリア側に移動する。この移動に伴ってポンプ室75cの容積が増加して、吐出逆止弁71内の作動液、及びポンプ室75c内の作動液のそれぞれが減圧する。同時に、円環状流路85の容積が減少して、円環状流路85内の作動液が増圧する。
吐出逆止弁71内の作動液、及びポンプ室75c内の作動液のそれぞれが減圧すると、吐出逆止弁71の弁体74が、コイルバネ73によってリア側に向けて付勢されて、連通孔75a1の周囲壁に突き当たる。弁体74がこのように連通孔75a1の周壁に突き当たることで、連通孔75a1が閉塞する。また、円環状流路85内で増圧した作動液は、吸入側連通口82c2を通じて内部流路82c内に流れ込んで内部流路82c内の作動液を増圧させる。すると、内部流路82c内の作動液が、吸入逆止弁77の弁体80をコイルバネ79のバネ力に抗してフロント側に移動させながら、開口した吐出側連通口82c1を通じて吸入逆止弁77の内部に流れ込む。
<ハウジング130のポンプ孔161>
図8は、ハウジング130のZ軸方向の中央部を左側面134側から拡大して示す部分斜視図である。図8では、便宜上、吸入制御弁接続口149,157のそれぞれに接続される吸入制御弁(12,32)の図示を省略している。
図8は、ハウジング130のZ軸方向の中央部を左側面134側から拡大して示す部分斜視図である。図8では、便宜上、吸入制御弁接続口149,157のそれぞれに接続される吸入制御弁(12,32)の図示を省略している。
ハウジング130の左側面134には、Y軸方向に延びる角丸長方形状の凹部162が設けられる。2つのポンプ孔161のそれぞれの開口は、凹部162の底面162aに設けられる。ハウジング130には、ポンプ孔161に連通する吐出通路164が設けられ、この吐出通路164は、ダンパー(図1の18)に繋がる。
2つのポンプ孔161は、ハウジング130に設けられた連通路163を介して互いに連通する。
ハウジング130の左側面134に設けられる凹部162について説明したが、ハウジング130の外面としての右側面(図4の133)においても、同様の凹部が設けられる。また、ハウジング130の左側面134側に設けられる2つのポンプ孔161について説明したが、ハウジング130の右側面側に設けられる2つのポンプ孔161も同様に、吐出通路(164)を介してダンパー(図1の38)に連通し、且つ連通路を介して互いに連通する。
<閉塞部材165>
図9は、ハウジング130を閉塞部材165とともに示す分解斜視図である。ハウジング130の外面としての左側面134に設けられた凹部162には、角丸長方形状の閉塞部材165が嵌め込まれる。閉塞部材165は、2つのポンプ孔161の開口のそれぞれを共通して塞ぐ。
図9は、ハウジング130を閉塞部材165とともに示す分解斜視図である。ハウジング130の外面としての左側面134に設けられた凹部162には、角丸長方形状の閉塞部材165が嵌め込まれる。閉塞部材165は、2つのポンプ孔161の開口のそれぞれを共通して塞ぐ。
図10は、ポンプユニット2のZ軸方向におけるポンプ孔161の位置の破断面を示す横断面図である。閉塞部材165は、ハウジング130に設けられたカシメ部166によって凹部162の底面162aに押し付けられて、凹部162内に固定される。カシメ部166は、角丸長方形の環状の刃を備える治具の刃を打ち込まれたハウジング130の塑性変形によって形成される。
凹部162の底面162aと、凹部162内に嵌め込まれた閉塞部材165との間には、空間168が形成される。Y軸方向に並ぶ2つのポンプ孔161のそれぞれには、ポンプエレメント70が個別に収容される。それらのポンプエレメント70の吐出口72a1は、空間168を介して互いに連通する。
ポンプ孔161には、段差による被突き当て部167が設けられる。ポンプ孔161における被突き当て部167よりも軸線方向の閉塞部材165側の領域の内径は、被突き当て部167よりも軸線方向の軸穴137側の領域の内径よりも大きい。凹部162内に嵌め込まれた閉塞部材165は、Y軸方向に並ぶ2つのポンプエレメント70に突き当たって、それらポンプエレメント70のシール部75bにおける軸穴137側の端面をポンプ孔161の被突き当て部167に突き当てる。この突き当てに伴って、ポンプエレメント70がポンプ孔161内で軸方向に位置決めされる。
ポンプエレメント70のシール部75bの外周面は、ポンプ孔161における被突き当て部167よりも閉塞部材165側の領域の内周面に密着する。この密着により、軸方向において、ポンプ孔161の吸入口連通領域と、吐出通路連通領域との間が仕切られてシーリングされる。吸入口連通領域は、ポンプ孔161において、ポンプエレメント70の吸入口83bに連通する領域である。また、吐出通路連通領域は、ポンプ孔161において、ハウジング130の吐出通路(図8の164)に連通する領域である。
ハウジング130の右側面133の側に設けられる2つのポンプ孔161のそれぞれに連通する連通路163の一端は、吸入制御弁接続口157に繋がる。ハウジング130の左側面134の側に設けられる2つのポンプ孔161のそれぞれに連通する連通路163の一端は、吸入制御弁接続口149に繋がる。
図11は、本発明を適用していない第1比較例に係るポンプユニットのハウジング1130の一部を示す平断面図である。なお、同図では、便宜上、ポンプ孔1161内に収容されるポンプエレメントの図示を省略している。
図11に示される第1比較例のポンプユニットにおいて、互いに隣り合う2つのポンプ孔1161のそれぞれの開口は、互いに個別の閉塞部材1165によって塞がれる。2つの閉塞部材1165のそれぞれは、互いに独立する個別のカシメ部1166によってハウジング130に固定される。2つのポンプ孔1161の距離Dが近すぎると、カシメ部1166の形成のために、一方のポンプ孔の開口周囲に治具が撃ち込まれたときに、その開口周囲だけでなく、他方のポンプ孔の周壁も塑性変形するおそれがある。このため、設計者は、治具の打ち込みによるハウジング1130の塑性変形を隣のポンプ孔1161の側に及ぼさない程度に、ポンプ孔1161の設置間隔を大きくとらざるを得ず、ポンプユニットを小型化するのが困難になる。
図12は、実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1におけるポンプユニット2のハウジング130の一部を示す平断面図である。同図においても、便宜上、ポンプ孔161内に収容されるポンプエレメント(70)の図示を省略している。実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2においては、同図に示される通り、ハウジング130の全域のうち、隣り合うポンプ孔161の間の領域にカシメ部166が形成されない。つまり、前記領域には、カシメ部166を形成するための治具の刃が打ち込まれない。このため、隣り合うポンプ孔161の距離Dをより小さくしても、距離Dを小さくしたことに起因して、カシメ部166の形成時(治具の刃の打ち込み時)に、ポンプ孔161の周壁を塑性変形させることがない。よって、図11と図12との比較からわかるように、図12に示される実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2においては、図11に示される第1比較例に比べて、距離Dをより小さくすることができる。
なお、ハウジング130における同一の面に設けられるポンプ孔161の数は、2つに限定されない。同一の面にポンプ孔161が3つ以上設けられるポンプユニット2においても、本発明の適用が可能である。
<実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1の作用>
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1においては、ハウジング130における同一の面に設けられる2つのポンプ孔161の開口のそれぞれを、1つの閉塞部材165が共通して塞ぐ。この閉塞部材165をハウジング130に固定するためのカシメ部166が形成されるとき、治具の刃は2つのポンプ孔161の間に打ち込まれない。このため、2つのポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、2つのポンプ孔161の距離Dがよりも小さく設定されても、距離Dがよりも小さくなったことに起因して治具の打ち込み時にポンプ孔161の周壁が変形することはない。よって、設計者は、前記構成に比べて、距離Dをよりも小さくすることができる。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1においては、ハウジング130における同一の面に設けられる2つのポンプ孔161の開口のそれぞれを、1つの閉塞部材165が共通して塞ぐ。この閉塞部材165をハウジング130に固定するためのカシメ部166が形成されるとき、治具の刃は2つのポンプ孔161の間に打ち込まれない。このため、2つのポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、2つのポンプ孔161の距離Dがよりも小さく設定されても、距離Dがよりも小さくなったことに起因して治具の打ち込み時にポンプ孔161の周壁が変形することはない。よって、設計者は、前記構成に比べて、距離Dをよりも小さくすることができる。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2においては、図8に示されるように、ハウジング130の外面としての左側面134に凹部162が設けられ、2つのポンプ孔161の開口のそれぞれが、凹部162の底面162aに設けられる。かかる構成では、カシメ部166の形成のために治具の刃をポンプ孔161の開口の周辺に打ち込む時に、凹部162の底面162aの周縁から立ち上がる周面162bに治具を突き当てることで、周面162bを治具の位置決め部として機能させることが可能である。なお、ハウジング130の右側面133においても、左側面134と同様に、2つのポンプ孔161の開口が凹部の底面に設けられ、凹部の周面を治具の位置決め部として機能させることが可能である。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2においては、図10に示されるように、ハウジング130の右側面133側、左側面134側のそれぞれにおいて、2つのポンプエレメント70のそれぞれが、作動液を吐出する吐出口72a1を備える。2つのポンプエレメント70のそれぞれの吐出口72a1は、凹部162の底面162aと閉塞部材165との間の空間168を介して互いに連通する。一方のポンプエレメント70の吐出口72a1から吐出された作動液と、他方のポンプエレメント70の吐出口72a1から吐出された作動液とは、空間168で合流する。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2では、図10に示されるように、ハウジング130の右側面133側、左側面134側のそれぞれにて、閉塞部材165が、2つのポンプエレメント70のそれぞれに突き当たる。この突き当たりにより、閉塞部材165は、2つのポンプエレメント70のそれぞれをポンプ孔161内の被突き当て部167に向けて押さえ付ける。ポンプエレメント70は、このように被突き当て部167に押さえ付けられることで、ポンプ孔161の長手方向(ピストン82の軸方向)に位置決めされる。よって、作業者は、閉塞部材165をハウジング130に固定するのに伴って、ポンプエレメント70をポンプ孔161内においてポンプ孔161の長手方向に位置決めすることができる。
<実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1の効果>
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、2つのポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、2つのポンプ孔161の距離Dをよりも小さくすることが可能なので、ポンプユニット2の小型化を図ることができる。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、2つのポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、2つのポンプ孔161の距離Dをよりも小さくすることが可能なので、ポンプユニット2の小型化を図ることができる。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、ハウジング130の左側面134に設けられる凹部162の周面162bで位置決めした治具の刃を底面162aに打ち込むことで、カシメ部166を正しい位置に精度良く形成することができる。ハウジング130の右側面133においても同様に、カシメ部166を正しい位置に精度良く形成することができる。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、互いに隣り合う2つのポンプエレメント70のそれぞれの吐出口72a1から吐出された作動液を、凹部162の底面162aと閉塞部材165との間の空間168で合流させる。よって、空間168を合流路として機能させて、液圧回路(10、30)の簡素化を図ることができる。
実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、閉塞部材165がハウジング130に固定されるのに伴って、ポンプエレメント70がポンプ孔161内においてポンプ孔161の長手方向に位置決めされる。よって、実施形態に係るポンプユニット2によれば、ポンプエレメントの位置決め作業を省略して、ポンプユニット2の組み立て作業性を向上させることができる。
以下、実施形態に係るブレーキ液圧制御装置1の構成の一部を、他の構成に変形した各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るブレーキ液圧制御装置1の構成は、実施形態と同様である。
《第1変形例》
図13は、第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2の閉塞部材165と、2つのポンプエレメント70とを示す分解斜視図である。同図に示される閉塞部材165、及び2つのポンプエレメント70は何れも、ハウジング(130)の左側面(134)側に配置されるものである。
図13は、第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2の閉塞部材165と、2つのポンプエレメント70とを示す分解斜視図である。同図に示される閉塞部材165、及び2つのポンプエレメント70は何れも、ハウジング(130)の左側面(134)側に配置されるものである。
閉塞部材165は、裏面から突出する2つの吐出ケース部165aを備える。有底円筒状の吐出ケース部165aの周壁は全周に渡って繋がっておらず、周方向の一部領域にスリット165a2が設けられる。有底円筒状の吐出ケース部165aは、円筒の中心軸の位置に凹部165a1を備える。この凹部165a1内には、ポンプエレメント70の吐出逆止弁(71)のコイルバネ73、及び弁体74が収容される。このように、閉塞部材165の吐出ケース部165aは、吐出逆止弁(71)のケースとして機能する。即ち、閉塞部材165は、吐出逆止弁(71)のケース(図6の72に相当)を兼ねる。
吐出ケース部165aの周壁に設けられるスリット165a2の長手方向の一端は、吐出ケース部165aの中心軸の位置に設けられる円柱状の凹部165a1内に向けて開口し、他端は、中心軸を中心とする径方向の外側に向けて開口する吐出口として機能する。
<第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1の作用>
第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1においては、閉塞部材165がポンプエレメント70の吐出逆止弁(71)のケースを兼ねることで、ポンプユニット2の部品点数を低減する。
第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1においては、閉塞部材165がポンプエレメント70の吐出逆止弁(71)のケースを兼ねることで、ポンプユニット2の部品点数を低減する。
<第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1の効果>
第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、ポンプユニット2の部品点数を低減するので、ポンプユニット2の生産性を向上させることができる。
第1変形例に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、ポンプユニット2の部品点数を低減するので、ポンプユニット2の生産性を向上させることができる。
《第2変形例》
図14は、第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2を示す斜視図である。このポンプユニット2のハウジング130内には、6つのポンプエレメント70が配置される。
図14は、第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2を示す斜視図である。このポンプユニット2のハウジング130内には、6つのポンプエレメント70が配置される。
図15は、図14のA−A’断面を示す断面図である。モータ189のモータ軸189aの先端部には、回転部材192及び斜板193が、軸線方向に並ぶ態様で固定される。回転部材192のモータ189側を向く面は、モータ軸189aの軸線方向と直交する方向(軸線直交方向)に延び、反対側を向く面は、モータ軸189aの軸線方向と軸線直交方向とから傾斜する方向に延びる。
モータ軸189aは、軸受部材191によって回転可能に受けられる。斜板193は、回転部材192よりもモータ軸189aの先端側の領域に対し、回転部材192の斜板193側の面と同じ方向に延びる姿勢で固定される。
モータ軸189aの先端部、回転部材192及び斜板193は、ハウジング130の上面135に形成された円柱状のモータ接続凹部169内に配置される。
ハウジング130の下面136には、ポンプエレメント70を収容するポンプ孔161が設けられる。図15では、ポンプエレメント70とポンプ孔161との組が2つ示されるが、図14に示されるように、ハウジング130には、前記組が6つ設けられる。
図15において、ポンプ孔161は、モータ軸189aの軸線方向に平行な方向に延びる略円柱形状に形成された段付きの孔部である。ポンプ孔161の長手方向の一端側は、ハウジング130のモータ接続凹部169の底面で開口し、他端側は、ハウジング130の下面136で開口する。
ポンプエレメント70のピストン82は、斜板193に突き当たった状態で、斜板193の回転に伴って軸線方向に往復移動する。
ポンプエレメント70の吐出逆止弁78には、ダンパ194が接続される。吐出逆止弁78から吐出される作動液は、ダンパ194内に流入する。
図16は、第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2を下面136から平面的に示す図である。図16においては、図の紙面に直交する方向がピストン(82)の軸方向に相当する。6つのポンプ孔161は、軸方向と直交する方向に延びる同一の仮想円周C上に所定の間隔で配置される。閉塞部材165の形状は、リング状であり、閉塞部材165は、6つのポンプ孔161のそれぞれの開口を共通して塞ぐ。
6つのポンプ孔161の開口は、ハウジング130の下面136に設けられたリング状の凹部の底面に設けられる。閉塞部材165は、そのリング状の凹部内に嵌め込まれ、リング状に塑性変形したカシメ部166によってハウジング130に固定される。
<第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1の作用>
第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置位1のポンプユニット2のように、複数のポンプ孔161を同一の仮想円周C上に所定の間隔で配置する構成においても、隣り合うポンプ孔161の間にカシメ部166を設ける必要がない。このため、複数のポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、複数のポンプ孔161の配置間隔がよりも小さく設定されても、配置間隔がよりも小さくなったことに起因して治具の打ち込み時にポンプ孔161の周壁が変形することはない。よって、設計者は、前記構成に比べて、複数のポンプ孔161の配置間隔をより小さくすることができる。
第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置位1のポンプユニット2のように、複数のポンプ孔161を同一の仮想円周C上に所定の間隔で配置する構成においても、隣り合うポンプ孔161の間にカシメ部166を設ける必要がない。このため、複数のポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、複数のポンプ孔161の配置間隔がよりも小さく設定されても、配置間隔がよりも小さくなったことに起因して治具の打ち込み時にポンプ孔161の周壁が変形することはない。よって、設計者は、前記構成に比べて、複数のポンプ孔161の配置間隔をより小さくすることができる。
<第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1の効果>
第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、複数のポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、複数のポンプ孔161の設置間隔をより小さくすることが可能なので、ポンプユニット2の小型化を図ることができる。
第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1によれば、複数のポンプ孔161のそれぞれが個別の閉塞部材によって塞がれる構成に比べて、複数のポンプ孔161の設置間隔をより小さくすることが可能なので、ポンプユニット2の小型化を図ることができる。
図17は、本発明を適用していない第2比較例に係るポンプユニット1002を示す斜視図である。この第2比較例に係るポンプユニット1002においても、同一の仮想円周上に6つのポンプ孔1161が配置される。6つのポンプ孔1161の開口のそれぞれは、個別の閉塞部材1165によって塞がれる。このように、6つの閉塞部材1165が設けられる点が、第2変形例に係るポンプユニット2と異なる。
図18は、第2比較例に係るポンプユニット1002における6つのポンプ孔1161の配置スペースと、第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2における6つのポンプ孔161の配置スペースとを比較するための図である。何れのポンプユニットにおいても、6つのポンプ孔(161,1161)を配置するために、リング状の配置スペースが必要になる。図18からわかるように、第2変形例に係るポンプユニット2のリング状の配置スペースは、第2比較例に係るポンプユニット1002のリング状の配置スペースに比べて小径である。第2変形例に係るブレーキ液圧制御装置1のポンプユニット2においては、このように、リング状の配置スペースをより小径にすることで、ポンプユニット2の小型化を図ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び各変形例について説明したが、本発明は、これらの実施形態及び各変形例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、自動車などの車両に搭載されるブレーキ液圧制御装置などに利用が可能である。
2・・・ポンプユニット、10・・・液圧回路、11・・・回路制御弁、12・・・吸入制御弁、13・・・増圧弁、14・・・増圧弁、15・・・減圧弁、16・・・減圧弁、17・・・アキュムレータ、18・・・ダンパ、19・・・バイパス流路、20・・・逆止弁、21・・・バイパス流路、22・・・逆止弁、23・・・バイパス流路、24・・・逆止弁、25・・・可変絞り、26・・・逆止弁、27・・・逆止弁、28・・・第1圧力センサ、29・・・第2圧力センサ、30・・・液圧回路、31・・・回路制御弁、32・・・吸入制御弁、33・・・増圧弁、34・・・増圧弁、35・・・減圧弁、36・・・減圧弁、37・・・アキュムレータ、38・・・ダンパ、39・・・バイパス流路、40・・・逆止弁、41・・・バイパス流路、42・・・逆止弁、43・・・バイパス流路、44・・・逆止弁、45・・・可変絞り、46・・・逆止弁、47・・・逆止弁、49・・・第3圧力センサ、70・・・ポンプエレメント、71・・・吐出逆止弁、72・・・カバー、72a・・・円筒部、72a1・・・吐出口、72b・・・フランジ部、72b1・・・カシメ部、73・・・コイルバネ、74・・・弁体、75・・・プロント側シリンダ、75a・・・底部、75a1・・・連通孔、75b・・・シール部、75c・・・ポンプ室、76・・・ピストンバネ、77・・・吸入逆止弁、78・・・カバー、78a・・・有底円筒部、78a1・・・底部、78b・・・大径部、78c・・・スリット、79・・・コイルバネ、80・・・弁体、81・・・仕切り部材、81a・・・凹部、82・・・ピストン、82a・・・小径部、82b・・・大径部、82c・・・内部流路、82c1・・・吐出側連通口、82c2・・・吸入側連通口、83・・・リア側シリンダ、83a・・・底部、83b・・・吸入口、84・・・Oリング、85・・・円環状流路、130・・・ハウジング、131・・・正面、132・・・背面、133・・・右側面(外面)、134・・・左側面(外面)、135・・・上面、136・・・下面、137・・・軸穴、138・・・配線孔、140・・・配管接続口、141・・・配管接続口、142・・・配管接続口、143・・・配管接続口、144・・・減圧弁接続口、145・・・減圧弁接続口、146・・・増圧弁接続口、147・・・増圧弁接続口、148・・・回路制御弁接続口、149・・・吸入制御弁接続口、150・・・センサ接続口、151・・・アキュムレータ収容孔、152・・・減圧弁接続口、153・・・減圧弁接続口、154・・・増圧弁接続口、155・・・増圧弁接続口、156・・・回路制御弁接続口、157・・・吸入弁接続口、158・・・センサ接続口、159・・・アキュムレータ収容孔、160・・・センサ接続口、161・・・ポンプ孔、162・・・凹部、162a・・・底面、162b・・・周面、163・・・連通路、164・・・吐出通路、165・・・閉塞部材、166・・・カシメ部、167・・・被突き当て部、168・・・空間、189・・・モータ、189a・・・モータ軸、190・・・EUC、190a・・・制御部、201・・・ブレーキペダル、202・・・ピストンロッド、203・・・マスタシリンダ、203aプライマリ圧力室、203b・・・プライマリピストン、203c・・・プライマリコイルスプリング、203d・・・セカンダリ圧力室、203e・・・セカンダリピストン、203f・・・セカンダリコイルスプリング、204・・・リザーバータンク、205・・・液圧ブレーキ(FR)、205a・・・ホイールシリンダ(FR)、206・・・液圧ブレーキ(RL)、206a・・・ホイールシリンダ(RL)、207・・・液圧ブレーキ(FL)、207a・・・ホイールシリンダ(FL)、208・・・液圧ブレーキ(RR)、208a・・・ホイールシリンダ(RR)
Claims (6)
- ポンプ孔(161)、及び液圧回路(10、30)が設けられたハウジング(130)と、ポンプエレメント(70)と、前記ポンプエレメント(70)を収容する前記ポンプ孔(161)の開口を塞ぐ閉塞部材(165)とを有するポンプユニット(2)と、
前記ポンプエレメント(70)のピストンの駆動源であるモータ(189)と、
前記モータ(189)の駆動を制御する制御部(190a)とを備え、
前記液圧回路(10、30)内の作動液としてのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ液圧制御装置(1)であって、
前記ポンプ孔(161)、及び前記ポンプエレメント(70)の組を複数備え、
前記閉塞部材(165)が、複数の前記ポンプ孔(161)の前記開口を共通して塞ぐ、ブレーキ液圧制御装置(1)。 - 前記ハウジング(130)の外面(133,134)に凹部(162)が設けられ、
複数の前記開口のそれぞれが、前記凹部(162)の底面(162a)に設けられる、請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置(1)。 - 複数の前記ポンプエレメント(70)のそれぞれが、液体を吐出する吐出口(72a1))を備え、
それぞれの前記吐出口(72a1)が、前記底面(162a)と前記閉塞部材(165)との間の空間(168)を介して互いに連通する、
請求項2に記載のブレーキ液圧制御装置(1)。 - 前記閉塞部材(165)が、複数の前記ポンプエレメント(70)のそれぞれを前記ポンプ孔(161)内の被突き当て部(167)に向けて押さえ付ける、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のブレーキ液圧制御装置(1)。 - 複数の前記ポンプ孔(161)のそれぞれが、前記ピストンの移動方向と直交する方向に延びる同一の仮想円周(C)上に配置され、
前記閉塞部材(165)の形状が、リング状である、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のブレーキ液圧制御装置。 - 前記ポンプエレメント(70)が、ポンプ室(75c)と、前記ポンプ室(75c)内への液体の吸入を許容する吸入逆止弁(77)と、前記ポンプ室(75)内からの液体の吐出を許容する吐出逆止弁(71)とを備え、
前記閉塞部材(165)が、前記ポンプエレメント(70)の前記吐出逆止弁(71)のケース(165a)を兼ねる、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のブレーキ液圧制御装置(1)。
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