JP2020096135A - Iii族窒化物半導体の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイス特性に悪い影響を与えることなくIII族窒化物半導体を製造する方法を提供する。【解決手段】400nm〜700nmの所定波長に対して60%以上の透過率を有する第1のIII族窒化物層11と、酸素を不純物として1×1020cm−3以上の濃度を有して所定波長に対する透過率0.1%以下の第2のIII族窒化物層12と、所定波長に対して60%以上の透過率を有した第3のIII族窒化物層13と、を裏面側から表面側に順に積層して構成しているIII族窒化物基板を準備する工程と、III族窒化物基板の表面側にデバイス構造を形成する工程と、III族窒化物基板の裏面側の第1のIII族窒化物層11から、第2のIII族窒化物層12よりも手前にレーザ光17、20の焦光点19をあわせて多光子吸収によって内部改質層18を形成し、内部改質層18を起点としてIII族窒化物基板を分割する工程と、を有する。【選択図】図1−3

Description

本開示は、III族窒化物半導体基板の表面にデバイス構造が形成されたIII族窒化物半導体の製造方法に関する。
青色の波長を有する白色照明用のLED、Blu−Rayの読み取りや、溶接加工の光源に用いられる紫外〜青色の波長を有するレーザダイオード、電力系統の周波数変換やモーターの制御で利用されるパワーデバイスは、単結晶のIII族窒化物半導体基板(以下:GaN基板を例示)を材料として用いる。
GaN基板は通常300〜700μmの厚みと、円形で、直径50〜150mmの形状である。一般に、GaN基板は透過率60%以上を有しており、可視光に対して、透明な基板である。
一方、GaN基板から、デバイス構造を作成する方法の一例を図5−1乃至図5−6に示す。図5−1乃至図5−6は、GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における各工程を示す概略断面図である。
(1)初めに、GaN基板32を準備する(図5−1)。
(2)ついで、GaN基板の表面に有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy 以下:MOCVD法)によって、機能層14を積層する(図5−2)。
(3)ついで、機能層14上に非透明の絶縁膜や電極15を形成(図5−3)し、複数の分割溝を形成する(図5−4)。
(4)そして、表面に複数のデバイス構造が形成されたGaN基板32を、厚みが50〜100μmに薄く研削、研磨加工を行う。
(5)必要に応じて、その後、GaN基板の裏面にも電極33を形成する(図5−5)。
(6)ついで、ダイシングや劈開によって、GaN基板32を個々のデバイス34に分割する(図5−6)。
分割されたデバイス34は、配線を接続し、外観、電気特性、信頼性検査を行い、検査に合格したデバイス34は、各用途に応じて広く利用されている。
GaN基板は、SiやGaAsの半導体材料と比較して、高価な基板である。したがってGaN基板を製造する上で、得られたGaN結晶を無駄なく、GaN基板に加工するために、分割で発生する割れを防止して歩留を向上することを目的とした特許文献1、レーザ照射を使った分割方式で材料ロスを低減することを目的とした特許文献2が公知技術として開示されている。
SiC基板においても、GaN基板同様に高価な基板である。したがって、表面に機能層や電極を有したSiC基板を分割し、再利用できるSiC基板を製造することができることを目的とした特許文献3が開示されている。
特開2014−84263号公報 特開2017−183600号公報 特開2017−28072号公報
特許文献1は、基板上に不純物濃度の異なる第1の層、第2の層を成長し、8〜12μmの波長を有するレーザ光を基板に照射することで第2の層に、発生する吸収発熱によって、基板を分割する方法について述べたものである。
しかし、表面にデバイス構造を有する基板に、裏面から当該方式で、レーザ光を照射すると、高い入射エネルギーに対する発熱量が大きく、表面のデバイス構造にまで発熱が及ぶ。そのため、熱履歴が加わったデバイスは、所望の特性を有するデバイスが得られないことや、信頼性を損なう可能性があり、適用が困難である。
特許文献2は、吸収発熱による分割ではなく、レーザ光を1点に集光させることにより発生する多光子吸収現象によって、結晶内部に、改質層を形成し、改質層を境界として、結晶を分割する方式について述べたものである。
しかし、デバイス構造を有した基板に当該方式で、裏面側からレーザ光を照射すると、集光のずれたレーザ光と加工されないレーザ光の一部は表面のデバイス構造へ達する。デバイス構造に達したレーザ光は、電極や絶縁膜等の非透明材質で熱に変換され、発熱を引き起こす。それによって、機能層や電極膜が熱による影響を受けるため、特許文献1に対して述べたように、デバイスの課題を引き起こし、適用が困難である。
特許文献3は、SiC基板に適用されたものであり、基板表面のデバイス構造が受ける影響については記載が無く、当該方式によっても、特許文献2に対して述べたように、デバイス構造が発熱することが考えられる。
本開示の目的は、表面にデバイス構造を有した基板をレーザ光で分割する際にデバイスに熱がかかる課題を解決するものであり、表面にデバイス構造を有した基板をレーザ照射で分割できるIII族窒化物半導体の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための、本開示に係るIII族窒化物基板の製造方法は、400〜700nmの所定波長に対して60%以上の透過率を有する第1のIII族窒化物層と、前記第1のIII族窒化物層上で酸素を不純物として1×1020cm−3以上の濃度を有し、前記所定波長に対する透過率0.1%以下の第2のIII族窒化物層と、前記所定波長に対して60%以上の透過率を有した第3のIII族窒化物層と、を裏面側から表面側に順に積層して構成しているIII族窒化物基板を準備する工程と、
前記III族窒化物基板の表面側にデバイス構造を形成する工程と、
前記III族窒化物基板の裏面側の前記第1のIII族窒化物層から、前記第2のIII族窒化物層よりも手前にレーザ光の集光点をあわせて多光子吸収によって内部改質層を形成し、前記内部改質層を起点として前記III族窒化物基板を分割する工程と、
を有する。
本開示に係るIII族窒化物半導体の製造方法によれば、表面側のデバイス構造を形成する第3のIII族窒化物層13より裏面側にレーザ光の透過率が低い第2のIII族窒化物層12を設けている。そこで、裏面側から、第2のIII族窒化物層よりも手前にレーザ光の集光点を合わせた場合に、表面側に抜けるレーザ光を第2のIII族窒化物層で熱に変換できる。これにより、表面側の第3のIII族窒化物層の表面に形成されたデバイス構造の特性の悪化を抑え、デバイス構造を有したIII族窒化物基板を製造することができる。
実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る分割装置の概略模式図である。 光の波長に対する透過率において、GaN基板の第1、第3のIII族窒化物層と第2のIII族窒化物層の透過率の差異を説明する図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 実施の形態1に係る透明層と光熱変換層を有するGaN基板を製造する方法の一工程の概略断面図である。 GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における一工程を示す概略断面図である。 GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における一工程を示す概略断面図である。 GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における一工程を示す概略断面図である。 GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における一工程を示す概略断面図である。 GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における一工程を示す概略断面図である。 GaN基板からデバイスを製造する一例の製造方法における一工程を示す概略断面図である。 窒化物結晶の酸素濃度と透過率の関係を示す図である。
第1の態様に係るIII族窒化物半導体の製造方法は、400nm〜700nmの所定波長に対して60%以上の透過率を有する第1のIII族窒化物層と、前記第1のIII族窒化物層上で酸素を不純物として1×1020cm−3以上の濃度を有して前記所定波長に対する透過率0.1%以下の第2のIII族窒化物層と、前記所定波長に対して60%以上の透過率を有した第3のIII族窒化物層と、を裏面側から表面側に順に積層して構成しているIII族窒化物基板を準備する工程と、
前記III族窒化物基板の表面側にデバイス構造を形成する工程と、
前記III族窒化物基板の裏面側の前記第1のIII族窒化物層から、前記第2のIII族窒化物層よりも手前にレーザ光の集光点をあわせて多光子吸収によって内部改質層を形成し、前記内部改質層を起点として前記III族窒化物基板を分割する工程と、
を有する。
第2の態様に係るIII族窒化物半導体の製造方法は、上記第1の態様において、前記III族窒化物基板を準備する工程は、
種基板を準備する工程と、
前記種基板上に、前記第1のIII族窒化物層の結晶成長を行う工程と、
前記種基板を分離する工程と、
前記第1のIII族窒化物層の表面に研削、研磨の鏡面加工を行う工程と、
前記第1のIII族窒化物層上に、Oxide Vapor Phase Epitaxy法により、前記第2のIII族窒化物層の結晶成長を行う工程と、
前記第2のIII族窒化物層の表面に研削、研磨加工を行う工程と、
前記第2のIII族窒化物層上に、前記第3のIII族窒化物層の結晶成長を行う工程と、
を有してもよい。
第3の態様に係るIII族窒化物半導体の製造方法は、上記第1又は第2の態様において、前記デバイス構造は、機能層、電極、絶縁膜を含んでもよい。
第4の態様に係るIII族窒化物半導体の製造方法は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記III族窒化物基板は、GaNで構成されていてもよい。
(本開示に係るIII族窒化物半導体の製造方法に至った経緯について)
本開示における透過率とは、GaNの吸収端波長より長い400〜700nmの波長を有する光を照射したときに、光が透過する割合を定義する。透明とは、同様に、400〜700nmの所定波長を有する光を照射したときに、60%以上の透過率を有していることと、定義する。
III族窒化物基板の一例であるGaN基板は、Hydride Vapor Phase Epitaxy法(以下:HVPE法)に代表されるように、単一の結晶成長方法で、自立のGaN基板を得ることが一般的であった。このため、その成長条件、例えばV族およびIII族の原料ガスの流量調整や、不純物のドーピング方法の変更によって、透過率が大きく異なる層を複数有したGaN基板を製造することが困難であった。
その理由としては、複数の異なるGaN結晶の成長方法を組み合わせて、自立のGaN基板を製造することは、結晶の格子定数等が異なることに起因するクラックや割れが発生する課題を有していたからである。
しかし、Oxide Vapor Phase Epitaxy法(以下:OVPE法)を中心とした近年のGaNの結晶成長の技術の進展により、透過率が大きく異なる特徴を有した結晶成長方法を組み合わせても、割れ、クラックが無く、実用可能な、GaN基板が実現できることがわかってきた。
OVPE法とは、III族元素の酸化物ガスと窒化物含有ガスとを種基板上に吹き付け、両者を反応させて、種基板上にIII族窒化物結晶を成長させる方法である。例えばGa粉末と炭素粉末を高温で反応させることでIII族元素の酸化物ガス、GaOガスを生成し、生成したGaOガスとアンモニアガスを種基板上で、反応式GaO+2NH→2GaN+HO+2Hに基づいて、反応させてGaN結晶を成長させることができる。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、異なる結晶成長方法を組み合わせて製造されたGaN結晶が有する図3のような、透過率の差異を活用することで、表面にデバイス構造を有したGaN基板を分割でき、そこから、再利用が可能なGaN基板を得る手段として実用できるという結論に至った。これによって、本開示に係るIII族窒化物半導体の製造方法に至った。
以下、実施の形態に係るIII族窒化物半導体の製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1−1乃至図1−4は、実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法の各工程を示す概略断面図である。
実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法は、第1のIII族窒化物層11と、第2のIII族窒化物層12と、第3のIII族窒化物層13と、を裏面側から表面側に順に積層して構成しているIII族窒化物基板を準備する工程(図1−1)と、III族窒化物基板の表面側にデバイス構造を形成する工程(図1−2)と、III族窒化物基板の裏面側の第1のIII族窒化物層からレーザ光を照射してIII族窒化物基板を分割する工程(図1−3及び図1−4)と、を有する。第1のIII族窒化物層は、400nm〜700nmの所定波長に対して60%以上の透過率を有する。第2のIII族窒化物層は、第1のIII族窒化物層上で酸素を不純物として1×1020cm−3以上の濃度を有して所定波長に対する透過率0.1%以下である。第3のIII族窒化物層13は、所定波長に対して60%以上の透過率を有する。また、III族窒化物基板を分割する工程では、第2のIII族窒化物層よりも手前にレーザ光の集光点をあわせて多光子吸収によって内部改質層を形成し、内部改質層を起点としてIII族窒化物基板を分割する。
実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法によれば、表面側のデバイス構造を形成する第3のIII族窒化物層13より裏面側にレーザ光の透過率が低い第2のIII族窒化物層12を設けている。そこで、裏面側から、第2のIII族窒化物層よりも手前にレーザ光の集光点を合わせた場合に、表面側に抜けるレーザ光を第2のIII族窒化物層で熱に変換でき、表面側の第3のIII族窒化物層の表面に形成されたデバイス構造の特性の悪化を抑制できる。
以下に、このIII族窒化物半導体の製造方法の各工程について説明する。
(III族窒化物基板を準備する工程(図1−1)について)
図4−1乃至図4−8は、実施の形態1に係る透明層である第1のIII族窒化物層11と光熱変換層である第2のIII族窒化物層12と第3のIII族窒化物層13とを有するIII族窒化物半導体10であるGaN基板を製造する方法の各工程の概略断面図である。III族窒化物基板10は、第1のIII族窒化物層11と、第2のIII族窒化物層12と、第3のIII族窒化物層13と、を裏面側から表面側に順に積層して構成される。このIII族窒化物基板を準備する工程について、図4−1乃至図4−8を用いて説明する。
(1)サファイア、ScAlMgO、GaN等のいずれかを材料とする種基板26を準備(図4−1)する。
(2)次いで、HVPE法により、種基板26上に透過率60%以上を有する第1の透明層である第1のIII族窒化物層27を440μmの厚みで結晶成長を行う(図4−2)。種基板26の材質および、その形状に、特に制約はない。成長方法は、HVPE法以外にも、Naフラックス法に知られる液相法、アモノサーマル法を用いることもできる。第1のIII族窒化物層27には、1×1018cm−3程度のSiを不純物としてドーピングすることで、第1のIII族窒化物層27をN型の半導体層にすることも可能である。
(3)次に、種基板26と第1のIII族窒化物層27を有したIII族窒化物基板の一例であるGaN基板28を、エッチングや、リフトオフ等、公知の方法を使って分離(図4−3)する。
(4)得られた第1のIII族窒化物層を有するGaN基板28の表面および裏面の両面に各々、例えば20μmの研削、研磨の鏡面加工を行い、厚さ400μmの平行、平坦なGaN基板を得る(図4−4)。
(5)GaN基板を母材として、OVPE法により、0.1%以下の透過率を有する光熱変換層として機能する第2のIII族窒化物層29を厚さ70μmで結晶成長を行う(図4−5)。光熱変換層として機能する第2のIII族窒化物層の詳細は後述する。
(6)ついで、GaN基板の第2のIII族窒化物層29に、図示しないが,20μmの研削、研磨加工を行い、第1のIII族窒化物層28を400μmおよび、表面が平滑な第2のIII族窒化物層30を厚さ50μmで有する合計厚さが450μmのGaN基板を得る(図4−6)。
(7)GaN基板の平坦な第2のIII族窒化物層30上に、第1のIII族窒化物層27と同様にHVPE法などにより、120μmの厚さで第3の透明層である第3のIII族窒化物層31の結晶成長を行う(図4−7)。第3のIII族窒化物層31には、公知の技術を使って、1×1018cm−3程度のSiをドーピングして、GaN基板をN型の半導体層にすることが望ましい。
(8)ついで、第3のIII族窒化物層31の表面に20μmの研削、研磨加工を行い、400μmの厚みを有する第1のIII族窒化物層11、50μmの厚みを有する第2のIII族窒化物層12、100μmの厚みを有する第3のIII族窒化物層13を有した合計、550μm厚みのIII族窒化物基板10であるGaN基板を得ることができる(図4−8)。
以上の各工程によって、III族窒化物基板10であるGaN基板を得ることができる。
(III族窒化物基板の表面側にデバイス構造を形成する工程(図1−2))
次に、III族窒化物基板10、例えば、GaN基板の表面に、MOCVD法によって、機能層を積層する。ついで、機能層上に非透明の電極や絶縁膜等を形成し、複数の分割予定ラインを形成する(図1−2)。これによりIII族窒化物基板10の表面にデバイス構造を形成する工程が実施される。ここで、デバイス構造は、例えば、機能層14、電極および絶縁膜15を含む。
(表面にデバイス構造を有したIII族窒化物基板を分割する工程)(図1−3)
次いで、表面にデバイス構造を有したIII族窒化物基板、例えば、GaN基板の裏面を上面にして、図2に示すように、分割装置40に配置する。GaN基板の裏面は既に鏡面加工がなされたものである。
<分割装置>
図2は、実施の形態1に係る分割装置の概略模式図である。分割装置40は、III族窒化物基板を固定する駆動ステージ23と、レーザ光を発振するレーザ発振器24と、レーザ光をIII族窒化物基板に導光する光学系25,16と、を備える。
<駆動ステージ>
分割装置の駆動ステージ23は、例えば、図示しないが、GaN基板を吸着するための穴を有し、当該穴を真空ポンプなどで負圧とすることで前記GaN基板を固定することができる。また、xyzの3軸方向に移動可能に構成されている。
<レーザ発振器>
図3は、光の波長に対する透過率において、GaN基板の第1、第3のIII族窒化物層と第2のIII族窒化物層の透過率の差異を説明する図である。分割装置のレーザ発振器24は、本実施の形態では、図3の第1および第3のIII族窒化物層と第2のIII族窒化物層の透過率差を参考にして、例えば、532nmの波長を有するレーザ光を発振できる。また、図示しない駆動ステージ23との制御信号のやりとりにより、所望の位置で、レーザ光のON/OFF制御が可能である。
<光学系>
レーザ光をIII族窒化物基板に導光する光学系としては、例えば、ミラー25と対物レンズ16である。
ミラー25は、レーザ発振器24から出射されたレーザ光を90%以上反射させGaN基板に伝送するミラーであって、例えば、波長532nmの光を反射する多層誘電膜ミラーで構成されている。
(内部改質層の形成について)
対物レンズ16を透過したレーザ光17の集光点19は、駆動ステージのz軸の設定を使って、前記GaN基板の内部における裏面から380μmの位置に設定することができる。本実施の形態では、波長532nmを透過する球面収差補正付きの顕微鏡用対物レンズ、NA=0.85、f=2mm、100倍の対物レンズ16を用いている。
レーザ光17は、25ps(ピコ秒)以下の極めて短いパルス発振が可能である。そのため、第1のIII族窒化物層11内部の集光点19において、多光子吸収が発生し、第1のIII族窒化物層11内部が改質され、裏面から380μmに改質層18が厚み20μmで形成される。なお、改質層18は、第1のIII族窒化物層11の内部に形成されるので内部改質層と呼ばれる場合もある。
改質層18の厚みは、レーザ光の照射条件によって決まる。改質層の面内ばらつきは、ステージのz軸の動作精度、装置の振動、GaN基板の面精度によって決まるので、装置の精度が高く、振動が少なく、面精度が高いほうがよい。これによって改質層の面内ばらつきは、少なくすることができる。
レーザ光の1パルス毎に形成される改質層18の横幅が、3〜5μmになるようにレーザ光の周波数を100kHZ、走査速度100mm/sに設定することで、改質層18を、GaN基板の全面にわたって形成することができる。
ここで重要なことは、多光子吸収を活用するレーザ加工は、上記対物レンズによる収差補正を精度よく実施しても、集光点19に集光しない一定割合のレーザ光および、改質加工に用いられないレーザ光20が、GaN基板の表面側に抜けるという現象が必ず起きることである。
そこで、実施の形態1に係るIII族窒化物半導体の製造方法では、表面側に抜けるレーザ光20は、図4−6で準備したGaN基板の第2のIII族窒化物層12によって、熱に変換される。これは、第2のIII族窒化物層12は、レーザ光の波長400〜700nmに対する透過率が0.1%以下であるからである。なお、0.1%を上回る透過率では、照射したレーザ光が、デバイス構造側に抜ける割合が増加することとなり、デバイスの信頼性を悪化させる蓋然性が極めて高くなる。従って、0.1%超の透過率は、デバイスの信頼性を確保するという観点からは、好ましくない。発熱は、GaN基板の第2のIII族窒化物層12の内部のみで発生し、その影響が表面のデバイス構造に及ぶことはない。
<光熱変換層としての第2のIII族窒化物層について>
ここで、波長400〜700nmのレーザ光の透過率が0.1%以下の光熱変換層として機能する第2のIII族窒化物層12の製造方法について詳細を述べる。
第2のIII族窒化物層12は、OVPE法によって得られる。OVPE法では、酸化物を原料とするため、成長させる第2のIII族窒化物層12に不純物として酸素を含有させることができる。このとき、図6のように、第2のIII族窒化物層12に含まれる酸素の濃度に依存して透過率が変化する。
図6は、窒化物結晶の酸素濃度と透過率の関係を示す図である。上述のとおり、第2のIII族窒化物層より表面側のデバイス構造への影響を抑制するためには、第2のIII族窒化物層における波長400〜700nmのレーザ光の透過率を0.1%以下とすることが必要である。この透過率を実現するためには、例えば、図6に示すように、第2のIII族窒化物層における酸素濃度を1×1020cm−3以上、好ましくは、1×1021cm−3以上とすればよい。
第2のIII族窒化物層12に含まれる酸素の濃度を1×1020cm−3以上とするためには、III族原料ガス、例えばGaOのGaのモル数に対して、V族原料ガス、例えばNHのNの、モル数の比率を100以下、好ましくは10以下に設定して、1200℃の基板温度で、結晶成長を行えばよい。
なお、酸素濃度の値は、二次イオン質量分析法(Secondary ION Mass Spectrometry:SIMS)によって得られる。透過率が60%以上の第1のIII族窒化物層の酸素濃度は、図6に示すように、1×1019cm−3以下である。
ここで、第1および第3のIII族窒化物層と第2のIII族窒化物層との差は、結晶成長の方位の差異に基づくものである。詳しくは、第1のIII族窒化物層は、(0001)面に平行に成長する要素が強いが、第2のIII族窒化物層は{10−1m}、{11−2n}の面(mは0を除く整数、nは偶数)からなるファセット面と平行に、成長する要素が強いという差異を有している。
また、上記加工方法では、OVPE法によって、前述したレーザ光の波長範囲について低透過率であるという特徴を有する第2のIII族窒化物層12をGaN基板内に設けている。これによって、集光しきれず表面側に抜けるレーザ光20を、第2のIII族窒化物層12内で熱に変換し、デバイス構造での発熱を抑制できることを見いだした点に特徴がある。
(分割後の表面にデバイス構造を有したIII族窒化物基板(図1−4))
レーザ光の照射によって改質層18を形成後、面状に形成された改質層18を起点にして、表面にデバイス構造を有するGaN基板21と、改質層18と第1の透明層を有するGaN基板22を図示しない物理的外力によって容易に分離することができる(図1−4)。
分離された表面にデバイス構造を有したGaN基板21を、分割装置から取り出し、裏面を研削、あるいは研磨し、厚みを100μm以下にする。ついで、例えば、裏面電極の形成、分割を図5−5、図5−6のように実施すると、通常の製造方法と同様のデバイスを得ることができる。
また、分離された第1のIII族窒化物層のみを有する厚み390μmのGaN基板22は、その表面を20μm、研削、研磨加工することで、GaN基板として活用が可能である。したがって、高価なGaN基板の材料を有効に活用することができる。
上記では、実施の形態の一例について述べた。記載した実施の形態は、1回の分割で構成されているがこれに限られない。例えば、GaN基板を、透明層で挟まれる光熱変換層を複数準備して、本実施の形態を複数回にわたって分割を繰り返して構成することもできる。
また、本実施の形態は、III族窒化物結晶の例示としてGaN結晶を用いて構成されているが、結晶系が同じであれば、いずれの材質であってもかまわない。例えば、AlGaInN、AlNを結晶に用いて、同様の実施形態を用いても、同じ効果が得られることもいうまでもない。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法は、III族窒化物半導体の製造コストを低減することが要求される製造方法に適用することができる。
10 III族窒化物基板
11 第1のIII族窒化物層
12 第2のIII族窒化物層
13 第3のIII族窒化物層
14 機能層
15 絶縁膜、電極の非透明材質
16 対物レンズ
17 レーザ光
18 改質層(内部改質層)
19 集光点
20 レーザ光
21 GaN基板
22 GaN基板
23 駆動ステージ
24 レーザ発振器
25 ミラー
26 種基板
27 第1のIII族窒化物層
28 第1のIII族窒化物層
29 第2のIII族窒化物層
30 第2のIII族窒化物層
31 第3のIII族窒化物層
32 GaN基板
34 デバイス
40 分割装置

Claims (4)

  1. 400nm〜700nmの所定波長に対して60%以上の透過率を有する第1のIII族窒化物層と、前記第1のIII族窒化物層上で酸素を不純物として1×1020cm−3以上の濃度を有して前記所定波長に対する透過率0.1%以下の第2のIII族窒化物層と、前記所定波長に対して60%以上の透過率を有した第3のIII族窒化物層と、を裏面側から表面側に順に積層して構成しているIII族窒化物基板を準備する工程と、
    前記III族窒化物基板の表面側にデバイス構造を形成する工程と、
    前記III族窒化物基板の裏面側の前記第1のIII族窒化物層から、前記第2のIII族窒化物層よりも手前にレーザ光の集光点をあわせて多光子吸収によって内部改質層を形成し、前記内部改質層を起点として前記III族窒化物基板を分割する工程と、
    を有する、III族窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記III族窒化物基板を準備する工程は、
    種基板を準備する工程と、
    前記種基板上に、前記第1のIII族窒化物層の結晶成長を行う工程と、
    前記種基板を分離する工程と、
    前記第1のIII族窒化物層の表面に研削、研磨の鏡面加工を行う工程と、
    前記第1のIII族窒化物層上に、Oxide Vapor Phase Epitaxy法により、前記第2のIII族窒化物層の結晶成長を行う工程と、
    前記第2のIII族窒化物層の表面に研削、研磨加工を行う工程と、
    前記第2のIII族窒化物層上に、前記第3のIII族窒化物層の結晶成長を行う工程と、
    を有する請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  3. 前記デバイス構造は、機能層、電極、絶縁膜を含む、請求項1又は2に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  4. 前記III族窒化物基板は、GaNで構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
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WO2023106017A1 (ja) * 2021-12-08 2023-06-15 株式会社デンソー ウェハ製造方法

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