JP6308389B2 - レーザ媒体、レーザ装置、レーザ加工機、表示装置及びレーザ媒体の製造方法 - Google Patents

レーザ媒体、レーザ装置、レーザ加工機、表示装置及びレーザ媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ媒体、レーザ装置、レーザ加工機、表示装置及びレーザ媒体の製造方法に係り、更に詳しくは、励起光が入射されるレーザ媒体、該レーザ媒体を備えるレーザ装置、該レーザ装置を備えるレーザ加工機、前記レーザ装置を備える表示装置、励起光が入射されるレーザ媒体の製造方法に関する。
従来、励起光が入射される、固体レーザ媒質を含むレーザ媒体が知られている(例えば特許文献1参照)。
このレーザ媒体は励起光により励起されて発光し、その光をレーザ媒体の表面に対向する外部反射鏡とレーザ媒体の底面側にある反射鏡との間で共振させることで共振光を生成することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されているレーザ媒体では、共振光の断面形状を補正することはできなかった。
本発明は、励起光が入射される凹面を表面に有し、該凹面の第1の方向に関する曲率は、前記第1の方向に直交する第2の方向に関する曲率よりも大きいレーザ媒体である。
本発明によれば、共振光の断面形状を補正することができる。
一実施形態のレーザ装置の概略構成を示す図である。 比較例1のレーザ装置の概略構成を示す図である。 比較例2のレーザ装置の概略構成を示す図である。 実施例1のレーザ媒体を説明するための図(その1)である。 図5(A)及び図5(B)は、それぞれ実施例1のレーザ媒体を説明するための図(その2及びその3)である。 図6(A)及び図6(B)は、それぞれ実施例1のレーザ媒体を説明するための図(その4及びその5)である。 図7(A)及び図7(B)は、それぞれ実施例1のレーザ媒体を説明するための図(その6及びその7)である。 図8(A)及び図8(B)は、それぞれ実施例1のレーザ媒体を説明するための図(その8及びその9)である。 図9(A)及び図9(B)は、それぞれ実施例2のレーザ媒体を説明するための図(その1及びその2)である。 図10(A)及び図10(B)は、それぞれ実施例2のレーザ媒体を説明するための図(その3及びその4)である。 図11(A)及び図11(B)は、それぞれ変形例3のレーザ媒体を説明するための図(その1及びその2)である。 図12(A)及び図12(B)は、それぞれ変形例3のレーザ媒体を説明するための図(その3及びその4)である。 実施例4のレーザ媒体を説明するための図である。 図14(A)及び図14(B)は、それぞれレーザアニール装置の概略構成を説明するための図である。 レーザ切断機の概略構成を説明するための図である。 レーザ・ディスプレイ装置を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るレーザ装置1000の概略構成が示されている。
レーザ装置1000は、例えばレーザプリンタ、レーザディスプレイ、レーザプロジェクタ、レーザ計測器、レーザ加工装置、レーザ熱処理装置などの機器に用いられる。
近年、これらの機器の中でも、特にレーザ熱処理装置、レーザ加工装置等においては、高出力化(例えば数W〜10W程度)に加えて、出力の安定化が望まれている。
レーザ装置1000は、一例として、図1に示されるように、励起用レーザユニット100、積層チップ300、外部反射鏡700、これらが実装されるパッケージ(不図示)などを備えている。以下では、図1等に示されるXYZ3次元直交座標系を適宜用いて説明する。
励起用レーザユニット100は、一例として、光源と、該光源から出た光の断面形状を補正する形状補正レンズ群と補正した光を集光する集光レンズを有している。
光源としては、例えば出力が30W、発振波長が808nm帯の半導体レーザ(端面発光レーザ)が用いられている。この半導体レーザは、有効断面が楕円形のレーザ光(励起光)を出射する。ここで、「有効断面」とは、レーザ光の断面内で相対強度が20%〜80%の部分を意味する。なお、本明細書では、例えば光の断面、光の断面形状のように記述する場合においても「断面」は「有効断面」を意味するものとする。
半導体レーザから出射された断面形状が楕円形のレーザ光は、形状補正レンズ群で断面形状がほぼ円形に補正される。集光レンズを介した光が励起用レーザユニット100から出射されたレーザ光(励起光)である。
積層チップ300は、一例として、励起用レーザユニット100からの励起光の光路上に配置されている。積層チップ300は、励起光が照射されるレーザ媒体10と、該レーザ媒体10の−Z側に位置するヒートシンク12と、レーザ媒体10とヒートシンク12とを接合する接合材14とを有している。ここでは、励起光は、レーザ媒体10の表面(+Z側の面)に対して主光線(画角を持った光束の中心を通過する光線)が傾斜した状態で入射(斜入射)される。
レーザ媒体10は、一例として、XY平面に平行な板状の外形を有しており、ヒートシンク12に接合材14を介して接合された反射鏡と、該反射鏡の+Z側に配置された活性層と、該活性層の+Z側に配置された基板とを有する。反射鏡と活性層の厚さの合計は、一例として10μm以下とされている。レーザ媒体10は、基板上に活性層、反射鏡をエピタキシャル成長して積層体を作製し、該積層体をエッチングすることで製造される。
反射鏡は、一例として、Z軸方向に交互に積層された低屈折率層及び高屈折率層を含む分布ブラッグ反射鏡(DBR)である。詳述すると、反射鏡は、低屈折率層としてのAlAs層と、高屈折率層としてのAl0.1Ga0.9As層のペアを25ペア有しており、高反射率を実現できる。各屈折率層の光学的厚さは、一例として、レーザ媒体10を含んで構成されるレーザ発振器の発振波長をλとして、λ/4とされている。
活性層は、量子井戸構造を有している。詳述すると、活性層は、圧縮歪みを有するように交互に積層された量子井戸層(例えばGaAs層)及び障壁層(例えばInGaAs層)を含み、内部の正味歪みが相殺された多層構造(例えば15層〜20層)を有している。
量子井戸層に、GaAs系の化合物半導体を使用する場合、組成及び膜厚の設計により、発振波長λを900nm〜1200nmに設定することができる。
また、化合物半導体の場合には、活性層における障壁層での光子吸収によりキャリアを発生させることで量子井戸層を励起することができる。すなわち、障壁層のバンドギャップエネルギよりも高いエネルギの光子が障壁層で吸収されれば、量子井戸層が励起される。そこで、励起用レーザユニット100からの励起光の波長が、発振波長λ以下であれば、量子井戸層を励起することができる。
ここでは、活性層は、発振波長λが1060nmとなるように設計され、反射鏡は、1060nmで高反射率となるように設計されている。また、活性層の最も+Z側の層は、GaAsからなるキャッピング層となっている。
なお、活性層の材料としては、例えばAlGaAs系、AlGaInP系、GaInPAs系、GaInAs系などを用いることもできる。
ヒートシンク12は、一例として、CVD(化学気相成長)ダイヤモンドからなるXY平面に平行な板状部材である。このように、ヒートシンク12は、レーザ媒体10とは熱膨張率が異なる材料からなる。なお、ヒートシンクの材料として、高熱伝導率のセラミック(例えばSiCやAlN)、金属(例えばCuやCu合金)、セラミックと金属の積層材料または混合材料を用いても良い。また、ヒートシンク12としては、中空構造を有する部材であって、内部に水冷又は空冷などの冷却機能を有する部材であっても良い。また、ヒートシンクの代わりにヒートスプレッダを用いても良い。
接合材14は、レーザ媒体10とヒートシンク12との間に配置されている。
ここで、レーザ装置1000の動作時には、レーザ媒体10で発生した熱を接合材14を介してヒートシンク12に速やかに伝える必要がある。また、レーザ媒体10とヒートシンク12とを接合材14を介して接合するプロセス(接合プロセス)は、高温(例えば200℃程度)の温度環境下で行われる。
そこで、接合材14の材料としては、熱伝導率が高く、かつレーザ媒体10とヒートシンク12との熱膨張率差を吸収可能な材料(例えば樹脂混入焼結型Ag)であることが好ましい。また、接合材14の材料として、例えば金錫はんだ等の比較的低融点の合金を用いても良い。
外部反射鏡700は、反射鏡及び活性層と共に、レーザ発振器を構成している。外部反射鏡700は、レーザ媒体10からの光の光路上(ここではレーザ媒体10の+Z側)に配置されており、−Z側の面(入射面)が+Z側に凸となるように湾曲している。
以上のように構成されるレーザ装置1000では、励起用レーザユニット100からの励起光によってレーザ媒体10の活性層が励起されて発光し、活性層で発生した光は、反射鏡及び外部反射鏡700間で反復的に反射されて増幅されることでレーザ発振が起こる(共振光が生成される)。すなわち、外部反射鏡700を透過した光(共振光)が、レーザ装置1000から出射される光(出射光)である。
このように、レーザ装置1000において、レーザ媒体10及び外部反射鏡700を含んで垂直外部共振器型面発光レーザ(Vertical External Cavity Surface Emitting Laser:VECSEL)が構成されている。
以上のように構成されるレーザ装置1000は、励起用レーザユニット100、積層チップ300及び外部反射鏡700が、図1に示される位置関係となるように、パッケージ(不図示)に実装されて、製造される。
ここで、比較例1のレーザ装置C1について、図2を参照して説明する。
レーザ装置C1は、レーザ媒体の形状が異なる点を除いて、本実施形態のレーザ装置1000と実質的に同一の構成を有している。レーザ装置C1では、レーザ媒体は、表面(+Z側の面)が平らな外形を有している。なお、ここでは、レーザ媒体は、光学的に透明な基板を有していても良いし、基板を有していなくても良い。
レーザ装置C1では、励起用レーザユニットからの有効断面の形状(ここではファーフィールドパターン)が円形の励起光1がレーザ媒体に入射(斜入射)し、レーザ媒体表面(レーザ媒体が基板を有している場合は基板、レーザ媒体が基板を有していない場合は活性層の表面)の照射エリアIA1(断面形状が円形である励起光が斜入射によって楕円形状になっている)の一部を通過し、レーザ媒体底面(反射鏡の底面)の照射エリアIA2(照射エリアIA1と同じ理由で楕円形状になっている)に到達し、反射される。
照射エリアIA2で反射された励起光1の一部は、照射エリアIA1の一部を通過し、励起光2として外部に出て行く。このとき、励起光1のうち励起光2以外の光は、すべてレーザ媒体に吸収され、そのエネルギは、発熱とレーザ発振に使用される。
レーザ発振は、照射エリアIA2と外部反射鏡の反射エリア(楕円形状)との間で共振を繰り返すこと(共振光を増幅すること)により行なわれ、出射エリア(楕円形状)から出射光を取り出すことができる。この場合、照射エリアIA1、IA2は楕円形であり、出射光の有効断面も楕円形である。
ここで、安定した発振や波面をきれいにするためには、照射エリア、すなわちレーザ媒体表面及びレーザ媒体底面での励起光の有効断面は、円形であることが望ましい。
以下に、比較例2のレーザ装置C2について、図3を参照して説明する。
レーザ装置C2は、レーザ媒体の形状が異なる点およびシリンドリカルレンズの有無を除いて、本実施形態のレーザ装置1000と実質的に同一の構成を有している。レーザ装置C2では、レーザ媒体は、表面(+Z側の面)が平らな外形を有している。なお、ここでは、レーザ媒体は、光学的に透明な基板を有していても良いし、基板を有していなくても良い。
レーザ装置C2では、励起用レーザユニットからの有効断面の形状(ここではファーフィールドパターン)が楕円形の励起光1’は、シリンドリカルレンズで有効断面の長軸方向の長さが短くなるように、すなわち有効断面が照射エリアIA1’、IA2’でほぼ円形になるような楕円形状に補正される。補正された励起光1’は、レーザ媒体表面の照射エリアIA1’(ほぼ円形状)の一部を通過し、レーザ媒体底面の照射エリアIA2’(ほぼ円形状)に到達し、反射される。
照射エリアIA2’で反射された励起光1’の一部は、照射エリアIA1’の一部を通過し、励起光2’として外部に出て行く。このとき、励起光1’のうち励起光2’以外の光は、すべてレーザ媒体に吸収され、そのエネルギは、発熱とレーザ発振に使用される。
レーザ発振は、照射エリアIA2’と外部反射鏡の反射エリア(ほぼ円形状)との間で共振を繰り返すこと(共振光を増幅すること)により行なわれ、出射エリア(ほぼ円形状)から出射光を取り出すことができる。この場合、照射エリアIA1’、IA2’をほぼ円形にでき、出射光の有効断面もほぼ円形にできる。
ここで、共振を繰り返すときに共振光の断面形状を補正することができれば、励起光の断面形状を補正しなくても、出射光の断面形状をより円形に近づけることができる。
そこで、本実施形態では、以下に詳細に説明するように、レーザ媒体10の表面(+Z側の面)の一部を凹面にしている。
以下に、本実施形態の幾つかの実施例を説明する。なお、実施例を説明するための図は、理解を容易にするため、誇張したり、一部省略している場合がある。
《実施例1》
実施例1では、基板としてGaAs基板が用いられ、接合材14の材料には、ヒートシンク12とレーザ媒体10との熱膨張率差を吸収できる材料が用いられている。
GaAs基板は、レーザ発振に用いられるエリア(励起光が入射されるエリア)及びその近傍のみエッチングされている(図1参照)。
すなわち、レーザ媒体10の表面(+Z側の面)には、凹面が形成されている。この凹面の平面形状(+Z側から見た形状)は、一例としてX軸方向を長軸方向とし、Y軸方向を短軸方向とする楕円形となっている。つまり、凹面は、Y軸方向の曲率RyがX軸方向の曲率Rxよりも大きくなっている。なお、「X軸方向の曲率Rx」は、凹面における中心を通りXZ平面に平行な曲線の曲率(曲率半径の逆数)を意味する。「Y軸方向の曲率Ry」は、凹面における中心を通りYZ平面に平行な曲線の曲率(曲率半径の逆数)を意味する。以下では、「凹面の平面形状の長軸方向」を「凹面の長軸方向」と略称し、「凹面の平面形状の短軸方向」を「凹面の短軸方向」と略称する。
ここで、励起光の有効断面の形状(ここではファーフィールドパターン)は、略円形となっている。この場合、励起光の凹面への入射方向(主光線の進行方向)のXY平面への正射影(XY平面に平行な成分)は、凹面の長軸方向(X軸方向)に略平行となっている。
結果として、励起光が凹面に入射するときのレーザ媒体表面における入射断面は、X軸方向を長軸方向(長手方向)とし、Y軸方向を短軸方向(短手方向)とする楕円形となる。なお、励起光は、凹面の中央部に入射されるようになっている。
ところで、基板上に活性層、反射鏡が積層された積層体をGaAs基板が残らないように(エッチングマスクを用いないで)エッチング(例えばウエットエッチング)すると、レーザ媒体はほぼ平板状になってしまい、レーザ媒体の表面の一部を凹面にすることができない。
そこで、図4に示されるように、エッチングマスクを用いて部分エッチングして例えば基板に開口部を形成することで、レーザ媒体10の表面の一部を凹面にすることができる。
一般的にエッチングはほぼ等方的に行なわれるが、実際にはエッチングマスクのエッジ付近のエッチングレート(エッチング速度)はエッジから遠いところのエッチングレートよりも遅くなる。このことを利用すると凹面の曲率を制御できる。
そこで、Y軸方向を短軸方向とし、かつX軸方向を長軸方向とする楕円形開口が形成されたエッチングマスクを用いて上記積層体をエッチング(例えばウエットエッチング)すると、該積層体には、Y軸方向の曲率RyがX軸方向の曲率Rxよりも大きい凹面が形成される。
レーザ媒体10には、励起用レーザユニット100からの励起光EB1がレーザ媒体表面(活性層表面)の照射エリアを通過し、レーザ媒体底面(反射鏡底面)の照射エリアに到達して反射される。反射された励起光EB1の一部は、レーザ媒体表面の照射エリアを通過し、励起光EB2として外部に出て行く。このとき、励起光EB1のうち励起光EB2以外の光はすべてレーザ媒体に吸収され、そのエネルギの一部がレーザ発振に使用され、残部が発熱する。
レーザ発振は、レーザ媒体底面の照射エリアと外部反射鏡700の反射エリアRAとの間で共振を繰り返すこと(共振光を増幅すること)により行なわれ、出射エリアOAから出射光を取り出すことができる。
このとき、レーザ媒体の凹面は、Y軸方向の曲率RyがX軸方向の曲率Rxに比べて大きくなっているため、外部反射鏡700とレーザ媒体10の反射鏡との間で共振する有効断面がX軸方向を長軸方向とし、かつY軸方向を短軸方向とする楕円形の光は、凹面を透過するときに屈折により断面形状がX軸方向よりもY軸方向に関して大きく補正され、結果として、出射光の断面形状は、ほぼ円形となる。
次に、レーザ媒体10を生成する際のエッチングについて説明する。以下では、反射鏡及び活性層を併せて「レーザ薄膜」とも称する。
図4に示されるように、レーザ媒体10は、レーザ薄膜が積層(成長)されたGaAs基板上に、楕円形開口を有するエッチングマスクを配置した状態でエッチング(例えばウエットエッチング)することで生成される。楕円形開口の短軸方向はY軸方向に平行とされ、楕円形開口の長軸方向はX軸方向に平行とされる。
図5(A)及び図5(B)には、それぞれ理想的な等方エッチングの例が示されている。
図5(A)には、エッチング前の状態が示されている。
GaAs基板上には、楕円形開口を有するエッチングマスクが密着されている。図5(A)中の2本の破線は、等方エッチングの理想的なラインであり、+Z側の破線はエッチングの途中のライン(エッチング途中ライン)であり、−Z側の破線はエッチングがレーザ薄膜に到達したときのライン(エッチング薄膜到達ライン)である。
図5(B)には、GaAs基板をエッチングした後、同じエッチング液(GaAs用のエッチング液)でレーザ薄膜(具体的には活性層中央部の+Z側の部分)をエッチングしたときの状態が示されている。この場合、レーザ媒体10の凹面は、基板凹面部及び薄膜凹面部から成る。GaAs用のエッチング液は、レーザ薄膜に対して使用されると、エッチングレートはGaAs基板の場合より遅くなり、ほぼフラットにエッチングされる。
しかしながら、実際には、エッチング液は、材料をエッチングするとエッチング能力が下がるため、エッチングレートが遅くなる。常に新しいエッチング液が供給され、エッチング液の置換がスムーズに行なえれば、図5(A)及び図5(B)のようになるが、エッチングマスクの開口の影響でエッチング液の置換がスムーズに行なえず、図6(A)及び図6(B)のようになるのが現実である。
図6(A)には、エッチング前の状態が示されている。
GaAs基板上には、楕円形開口を有するエッチングマスクが密着されている。図6(A)中の2本の破線は、エッチングの実質的なラインであり、+Z側の破線はエッチング途中ラインであり、−Z側の破線はエッチング薄膜到達ラインである。
図6(B)には、GaAs基板をエッチングした後、同じエッチング液でレーザ薄膜(具体的には活性層中央部の+Z側の部分)をエッチングしたときの状態が示されている。GaAs用のエッチング液は、レーザ薄膜に対して使用されると、エッチングレートはGaAs基板の場合よりも遅くなり、かつ中央に近いほどエッチング液の置換効率が良くなるため図5(B)の場合よりも中央部が少し凹むようにエッチングされる。
次に、エッチングマスクの開口が広いときと狭いときのエッチングの状態を説明する。
図7(A)には、エッチングマスクの開口が広い場合が示されている。この場合、図7(B)(レーザ薄膜以外は図示省略)に示されるように、中央部が僅かに凹むようにエッチングされるが、開口が広いのでエッチング液の置換効率が良くなり、全体的にエッチングが進みよりフラットに近い状態になる。
これに対して、図8(A)には、エッチングマスクの開口が狭い場合が示されている。この場合、図8(B)(レーザ薄膜以外は図示省略)に示されるように、中央部が少し凹むようにエッチングされるが、開口が狭いのでエッチング液の置換効率が下がり壁面付近のエッチングレートがより下がるため、中央部とのエッチングレートの差が大きくなり、より曲率が大きい状態になる。
そこで、エッチングマスクの開口の形状を、前述のように短軸方向がY軸方向に平行であり、かつ長軸方向がX軸方向に平行な楕円形にすると、Y軸方向に関してエッチングマスクの開口が狭いため凹面の曲率が相対的に大きくなり、かつX軸方向に関してエッチングマスクの開口が広いため凹面の曲率が相対的に小さくなる。
以上の説明から分かるように、エッチングマスクの楕円形開口の長軸方向の長さと短軸方向の長さの比を調整することにより、ある程度、凹面の曲率Rxと曲率Ryの比を制御することが可能となる。
そこで、基板上に活性層、反射鏡が積層された積層体をエッチングするのに先立って、目標とする、凹面のX軸方向の曲率RxとY軸方向の曲率Ryの比(以下では目標比とも称する)に基づいて、エッチングマスクの楕円形開口の長軸方向(X軸方向)の長さと短軸方向(Y軸方向)の長さの比(以下では楕円形開口のアスペクト比とも称する)を設定することが好ましい。
なお、「目標比」は、励起光のレーザ媒体への入射角(励起光の入射方向とレーザ媒体表面の法線とが成す角)に基づいて予め設定されることが好ましい。この場合、出射光の有効断面の形状をより円形に近づけることができる。
《実施例2》
実施例2では、図4に示される楕円形開口を有するエッチングマスクを使用するとともに、レーザ薄膜がエピタキシャル成長されているGaAs基板の厚さを変えて凹面の曲率を制御する。
図9(A)には、GaAs基板が薄い場合が示されている。ここでは、中央部が少し凹むようにエッチングされる。この場合、GaAs基板が薄いのでエッチング液の置換効率が上がり、よりフラットに近い状態(図9(B)参照、図9(B)ではレーザ薄膜以外は図示省略)になる。
これに対して、図10(A)には、GaAs基板が厚い場合が示されている。ここでも、中央部が少し凹むようにエッチングされるが、GaAs基板が厚いのでエッチング液の置換効率が下がり、壁面付近のエッチングレートがより下がるため、中央部とのエッチングレートの差が大きくなり、より曲率が大きい近い状態(図10(B)参照、図10(B)ではレーザ薄膜以外は図示省略)になる。
このようにGaAs基板の厚さを調整することにより、ある程度、凹面の曲率の制御が可能となる。
そこで、上記積層体を作製する前に楕円形開口のアスペクト比を設定し、その後、該積層体を作製する前に上記目標比及び楕円形開口のアスペクト比に基づいてGaAs基板の厚さを設定することが好ましい。この場合、出射光の有効断面の形状をより円形に近づけることができる。
《実施例3》
実施例3では、図4に示される楕円形開口を有するエッチングマスクを使用するとともに、エッチングマスクの厚さを変えて凹面の曲率を制御する。
図11(A)には、エッチングマスクが薄い場合が示されている。この場合、中央部が少し凹むようにエッチングされるが、エッチングマスクが薄いのでエッチング液の置換効率が上がり、よりフラットに近い状態(図11(B)参照、図11(B)ではレーザ薄膜以外は図示省略)になる。
これに対して、図12(A)には、エッチングマスクが厚い場合が示されている。この場合、中心部が少し凹むようにエッチングされるが、エッチングマスクが厚いのでエッチング液の置換効率が下がり、壁面付近のエッチングレートがより下がるため、中央部とのエッチングレートの差が大きくなり、より曲率が大きい状態(図12(B)参照、図12(B)ではレーザ薄膜以外は図示省略)になる。
このようにエッチングマスクの厚さを調整することにより、ある程度、凹面の曲率の制御が可能となる。
そこで、上記積層体をエッチングするのに先立って、上記目標比及び楕円形開口のアスペクト比に基づいて、エッチングマスクの厚さを設定することが好ましい。この場合、出射光の有効断面の形状をより円形に近づけることができる。
《実施例4》
実施例4では、楕円形開口を有し、厚みに分布を持たせたエッチングマスクを使用して、凹面のX軸方向の曲率Rx及びY軸方向の曲率Ryを制御する。エッチングマスクは、プレス技術で所望の厚み分布を持たせたものを使用している。
実施例4のエッチングマスクは、図13に示されるように、楕円形開口のX軸方向の端部から中央部にかけて徐々に厚くなっている。この場合、エッチングマスクの薄い部分はエッチング液の置換効率が上がり、よりフラットに近い状態になり、エッチングマスクの厚い部分はエッチング液の置換効率が下がり壁面付近のエッチングレートがより下がるため、中央部とのエッチングレートの差が大きくなるので、より凹面の曲率が大きい状態になる。
このようにエッチングマスクの厚さに分布を持たせることにより、凹面のX軸方向の曲率Rx及びY軸方向の曲率Ryを制御できる。
以上説明したように、本実施形態のレーザ媒体10は、励起光が入射される凹面を表面に有し、該凹面のY軸方向に関する曲率Ryは、X軸方向に関する曲率Rxよりも大きい。
この場合、共振光の断面形状を補正できる。
詳述すると、例えば励起光のレーザ媒体表面における入射断面のX軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長くても、レーザ媒体底面と外部反射鏡との間で共振した光(共振光)の断面形状をX軸方向よりもY軸方向に関してより大きく補正でき(より円形に近づくように補正でき)、安定した発振や波面をきれいにすることができる。
また、本実施形態のレーザ装置1000は、励起光を出射する励起用レーザユニット100と、該励起用レーザユニット100からの励起光が凹面に入射されるレーザ媒体10と、を備えている。
この場合、励起用レーザユニット100とレーザ媒体10の位置関係を所定の位置関係(例えば図1に示される位置関係)に設定することで、励起光の断面形状を効果的に補正することができる。
この結果、励起光のレーザ媒体表面における断面形状が異方性を有していても(真円でなくても)、断面形状がより円形に近い高品質のレーザ光(出射光)を得ることができる。
また、レーザ媒体10は、基板と、該基板上に積層された活性層と、該活性層上に積層された反射鏡とを有し、基板に凹面の一部が形成されているため、エッチングにより凹面の曲率を比較的容易に制御でき、かつ凹面の形状安定性を高めることができる。
また、本実施形態のレーザ媒体10の製造方法は、基板上に活性層、反射鏡を積層して積層体を作製する工程と、開口が形成されたエッチングマスクを用いて積層体を基板側からエッチングして、Y軸方向に関する曲率RyがX軸方向に関する曲率Rxよりも大きい凹面を形成する工程と、含む。
この場合、例えばエッチングマスクの開口の形状等によって、曲率Rx、Ryを制御することができ、レーザ媒体10を容易に製造することができる。
また、凹面を形成する工程に先立って、目標とする、凹面のX軸方向の曲率RxとY軸方向の曲率Ryの比である目標比に基づいて、エッチングマスクの開口のX軸方向の長さとY軸方向の長さの比であるアスペクト比を設定する工程を更に含む場合、曲率Rx、Ryが目標比に近似する凹面を形成することができる。
また、楕円形開口のアスペクト比を設定する工程は、積層体を作製する工程の前に行われ、楕円形開口のアスペクト比を設定する工程の後、かつ積層体を作製する工程の前に、目標比及びアスペクト比に基づいて基板の厚さを設定する工程を更に含む場合、曲率Rx、Ryが目標比により近似する凹面を形成することができる。
また、楕円形開口のアスペクト比を設定する工程の後、かつ凹面を形成する工程の前に目標比及びアスペクト比に基づいてエッチングマスクの厚さを設定する工程を更に含む場合、曲率Rx、Ryが目標比により近似する凹面を形成することができる。
また、楕円形開口のアスペクト比を設定する工程の後、かつ凹面を形成する工程の前に目標比及びアスペクト比に基づいて、エッチングマスクを、Y軸方向に関して中央部に近いほど厚くなるように形成する工程を更に含む場合、曲率Rx、Ryが目標比により一層近似する凹面を形成することができる。
なお、上記実施形態では、凹面では、Ry>Rx>0とされているが、要は、Ry>Rx≧0を満たしていれば良い。
また、上記実施形態では、凹面の平面形状は、楕円形とされているが、これに限らず、例えば長方形等の長手方向を有する多角形であっても良い。この場合も、所望の凹面の平面形状に応じた形状の開口が形成されたエッチングマスクを用いてレーザ媒体をエッチングすることが好ましい。
また、上記実施形態では、接合材14の材料として、例えば樹脂混入焼結型Agが使用されているが、通常の焼結型Ag、In、半田、高熱伝導接着剤等を用いても良い。
また、レーザ媒体10の層構成は、上記実施形態で説明したものに限らず、適宜変更可能である。例えば、活性層と反射鏡との間に中間層を設けても良い。
また、上記実施形態では、レーザ媒体として、基板上に活性層及び反射鏡が積層されたものが用いられているが、これに限らず、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、チタン・サファイアレーザ、非線形光学結晶(例えばLBO)波長変換レーザなどの固体レーザであっても良い。これらの場合も、レーザ媒体に励起光が入射される凹面を形成することが好ましい。また、これらの場合、励起用の光源としてランプ、フラッシュランプ、半導体レーザ、アルゴンレーザ等を適宜選択して用いることができる。
また、上記実施形態では、レーザ媒体10が気体雰囲気に露出しているが、例えば化学蒸着法(CVD法)により、レーザ媒体10の少なくとも一部にSiN、SiO、SiON等からなる光学的に透明な膜を成膜しても良い。この場合、レーザ媒体10を気体雰囲気から遮蔽でき、パッシベーション性能を向上させることができる。
また、レーザ媒体10と外部反射鏡700との間に、以下に説明するような波長変換素子や複屈折フィルタを配置しても良い。
波長変換素子は、一例として、XY断面が一辺3mmの正方形であり、かつZ軸方向の長さが10mmの直方体形状のLBO(LiB)結晶から成り、積層チップ300からの光の光路上(ここでは積層チップ300の+Z側)に配置される。波長変換素子の光を透過させる面には、1060nm及び530nmの波長の光を全透過させる、誘電体によるコーティングが施されている。
複屈折フィルタは、波長変換素子を介した光の光路上(ここでは波長変換素子の+Z側)に、XY平面に対して傾斜して配置される。複屈折フィルタは、特定の波長(例えば1060nm及び530nmの波長)の光のみを透過させ、かつ透過させる光の偏向方向を調整する機能を有している。このため、波長変換素子と複屈折フィルタを組み合わせることで、波長変換効率を向上させることができる。
そして、波長変換素子及び複屈折フィルタによって、波長変換された波長530nmの第二高調波が外部反射鏡700を透過する。なお、ここでは、外部反射鏡700は、1060nmの波長の光に対しては、高反射であり、530nmの波長に光に対しては、約5%の透過率を有している。
なお、上記実施形態のレーザ装置1000の各構成部材の具体的な材料、形状、寸法等は、例示であって、適宜変更可能である。
《レーザアニール装置》
一例として図13(A)及び図13(B)にレーザ加工機としてのレーザアニール装置1500の概略構成が示されている。このレーザアニール装置1500は、光源1010、光学系1020、テーブル装置1030、及び不図示の制御装置などを備えている。
光源1010は、上記レーザ装置1000を複数有し、複数のレーザ光を射出することができる。光学系1020は、光源1010から射出された複数のレーザ光を対象物Pの表面に導光する。テーブル装置1030は、対象物Pが載置されるテーブルを有している。該テーブルは、少なくともY軸方向に沿って移動することができる。
例えば、対象物Pがアモルファスシリコン(a−Si)の場合、レーザ光が照射されると、アモルファスシリコン(a−Si)は、温度が上昇し、その後、徐々に冷却されることによって結晶化し、ポリシリコン(p−Si)になる。
この場合、レーザアニール装置1500は、光源1010が上記レーザ装置1000を有しているため、アニール処理を効率的に行うことができる。
《レーザ切断機》
一例として図14にレーザ加工機としてのレーザ切断機2000の概略構成が示されている。このレーザ切断機2000は、光源2010、光学系2100、対象物Pが載置されるテーブル2150、テーブル駆動装置2160、操作パネル2180及び制御装置2200などを備えている。
光源2010は、上記レーザ装置1000を有し、制御装置2200の指示に基づいてレーザ光を射出する。光学系2100は、光源2010から射出されたレーザ光を対象物Pの表面近傍で集光させる。テーブル駆動装置2160は、制御装置2200の指示に基づいて、テーブル2150をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動させる。
操作パネル2180は、作業者が各種設定を行うための複数のキー、及び各種情報を表示するための表示器を有している。制御装置2200は、操作パネル2180からの各種設定情報に基づいて、光源2010及びテーブル駆動装置2160を制御する。
この場合、レーザ切断機2000は、光源2010が上記レーザ装置1000を有しているため、切断処理を効率的に行うことができる。
なお、レーザ切断機2000は、複数の光源2010を有しても良い。
また、レーザ装置1000は、レーザアニール装置及びレーザ切断機以外のレーザ光を利用する装置にも好適である。例えば、表示装置の光源に用いても良い。
《レーザ・ディスプレイ装置》
図15には、表示装置としてのレーザ・ディスプレイ装置3000の概略構成が示されている。
このレーザ・ディスプレイ装置3000は、レーザ装置1000を含む光源ユニット3001と、光源ユニット3001からのレーザ光を表示情報に応じて変調し、該変調されたレーザ光をスクリーン3010に向けて出力するための光学系3003と、光源ユニット3001及び光学系3003を制御する制御装置3005とを備えている。
このレーザ・ディスプレイ装置3000は、レーザ装置1000を有しているため、表示される画像品質を向上させることができる。
なお、空間を貫くレーザ光によって映像表現を行うレーザ・ディスプレイ装置であっても、前記光源ユニット3001を備えるレーザ・ディスプレイ装置であれば、表示される画像品質を向上させることができる。
10…レーザ媒体、100…励起用レーザユニット(光源部)、700…外部反射鏡、1000…レーザ装置、1500…レーザアニール装置(レーザ加工機)、2000…レーザ切断機(レーザ加工機)、3000…レーザ・ディスプレイ装置(表示装置)。
特開2005−39093号公報

Claims (14)

  1. 励起光が入射される凹面を表面に有し、該凹面の第1の方向に関する曲率は、前記第1の方向に直交する第2の方向に関する曲率よりも大きいレーザ媒体。
  2. 励起光を出射する光源部と、
    前記光源部からの励起光が前記凹面に入射される請求項1に記載のレーザ媒体と、を備えるレーザ装置。
  3. 前記励起光が前記凹面に入射するときの前記励起光の前記レーザ媒体の表面における入射断面は、前記第2の方向に略平行な長手方向を有し、かつ前記第1の方向に略平行な短手方向を有することを特徴とする請求項2に記載のレーザ装置。
  4. 前記凹面は、平面形状が長手方向及び該長手方向に直交する短手方向を有し、
    前記平面形状の短手方向は、前記第1の方向と一致し、
    前記平面形状の長手方向は、前記第2の方向と一致することを特徴とする請求項2又は3に記載のレーザ装置。
  5. 前記レーザ媒体は、基板と、該基板上に積層された活性層と、該活性層上に積層された反射鏡とを有し、
    前記基板に前記凹面の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  6. 前記レーザ媒体と共にレーザ発振器を構成する外部反射鏡を更に備え、
    前記外部反射鏡から出射された光の断面形状は、前記凹面に入射した励起光の前記レーザ媒体の底面での断面形状よりも異方性が小さいことを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置。
  7. 請求項2〜6のいずれか一項に記載のレーザ装置と、
    前記レーザ装置から出射されたレーザ光を対象物に導光する光学系と、を備えるレーザ加工機。
  8. レーザ光を用いて情報を表示する表示装置において、
    前記レーザ光を出射する請求項2〜6のいずれか一項に記載のレーザ装置を備えることを特徴とする表示装置。
  9. 励起光が入射されるレーザ媒体の製造方法であって、
    基板上に複数の半導体層を積層して積層体を作製する工程と、
    開口が形成されたエッチングマスクを用いて前記積層体を前記基板側からエッチングして、第1の方向に関する曲率が前記第1の方向に直交する第2の方向に関する曲率よりも大きい凹面を形成する工程と、含むレーザ媒体の製造方法。
  10. 前記凹面を形成する工程に先立って、目標とする、前記凹面の前記第1の方向に関する曲率と前記第2の方向に関する曲率の比である第1の比に基づいて、前記開口の前記第1の方向に対応する方向の長さと前記第2の方向に対応する方向の長さの比である第2の比を設定する工程を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のレーザ媒体の製造方法。
  11. 前記第2の比を設定する工程は、前記積層体を作製する工程の前に行われ、
    前記第2の比を設定する工程の後、かつ前記積層体を作製する工程の前に前記第1及び第2の比に基づいて前記基板の厚さを設定する工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のレーザ媒体の製造方法。
  12. 前記第2の比を設定する工程の後、かつ前記凹面を形成する工程の前に前記第1及び第2の比に基づいて前記エッチングマスクの厚さを設定する工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のレーザ媒体の製造方法。
  13. 前記第2の比を設定する工程の後、かつ前記凹面を形成する工程の前に前記第1及び第2の比に基づいて、前記エッチングマスクを、前記第2の方向に対応する方向に関して中央部に近いほど厚くなるように形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のレーザ媒体の製造方法。
  14. 前記励起光が前記凹面に入射するときの前記レーザ媒体の表面における入射断面は、前記第1の方向に平行な長手方向を有し、かつ前記第2の方向に平行な短手方向を有し、
    前記第1の比は、前記励起光の前記レーザ媒体への入射角に基づいて設定されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載のレーザ媒体の製造方法。
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