JP2020094650A - メカニカルシール及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
可動密封環に作用する軸線方向推力であって当該両密封環の対向端面である密封端面間を閉じる方向に作用する閉力を発生させる閉力発生手段と、
ケース側密封環の密封端面における径方向中央部に形成された当該密封端面と同心をなす円環状の凹溝であって、当該密封端面を外周側密封端面部分と内周側密封端面部分とに分割する圧力発生溝と、ケース側密封環及びシールケースに形成されて前記圧力発生溝内に各別に連通する給圧路及び排圧路と、を具備して、給圧路から圧力発生溝内へ供給され圧力発生溝内から排圧路へ排出されるエクスターナル流体により圧力発生溝内に生じる圧力によって、可動密封環に作用する軸線方向推力であって前記両密封環の密封端面間を開く方向に作用する開力を発生させる開力発生手段と、
前記エクスターナル流体の供給量及び前記エクスターナル流体の排出量の両方又は一方を制御することにより前記圧力発生溝内に生じる圧力を調整する圧力調整手段と、
を具備して、前記両密封環の相対回転作用により当該両密封環の外周側領域及びその内周側領域の一方である被密封流体領域とその他方である非密封流体領域とを区画して被密封流体領域の流体をシールするように構成されていることを特徴とするものである。
エクスターナル流体Eとして、好ましくは、機外領域Bに漏洩しても支障のない液体又は気体(例えば、常温の水又は窒素ガス等)を使用し、圧力調整手段8,108により圧力発生溝71内に生じる圧力Pを調整して、開力Foを閉力Fc以下とすることにより、ケース側密封環2,102の密封端面21つまり内外周密封端面部分21a,21bと軸側密封環4,104の密封端面41とが接触状態で相対回転するコンタクトシール機能を発揮させることができる。
エクスターナル流体Eとして気体を使用し、圧力調整手段8,108により圧力発生溝71内に生じる圧力Pを調整して、開力Foを閉力Fcより大きくする(この場合、通常、当該圧力Pは、被密封流体領域A及び非密封流体領域Bの流体圧力より高くなる)ことにより、ケース側密封環2,102の密封端面21つまり内外周密封端面部分21a,21bと軸側密封環4,104の密封端面41とが非接触状態で相対回転するノンコンタクトシール機能を発揮させるようにすることができる。エクスターナル流体Eとしては、周知の静圧形のノンコンタクトシール(例えば特許文献2に開示されるノンコンタクトシールであり、以下「従来ノンコンタクトシール」という)と同様に、被密封流体の性状に影響を与えず且つ機外領域Bに漏洩しても支承のない窒素ガス等が使用される。
周知のタンデムシール(例えば特許文献3に開示されるタンデムシールであり、以下「従来タンデムシール」という)を使用することが最適であるシール条件においては、エクスターナル流体Eとして液体又は気体(例えば、常温の水又は窒素ガス)を使用し、圧力調整手段8,108により圧力発生溝71内に生じる圧力Pを調整して、当該圧力Pを被密封流体領域Aの流体圧力より低く且つ非密封流体領域Bの流体圧力より高くすると共に開力Foの大きさを閉力Fc以下とすることにより、ケース側密封環2,102の内外周密封端面部分21a,21bと軸側密封環4,104の密封端面41とが接触状態で相対回転して被密封流体領域Aと非密封流体領域Bとを圧力発生溝71内のエクスターナル流体領域Cを介して区画、シールするタンデムシール機能を発揮させるようにすることができる。
周知のダブルシール(例えば特許文献4に開示されるダブルシールであり、以下「従来ダブルシール」という)を使用することが最適であるシール条件においては、エクスターナル流体Eとして液体又は気体(例えば、常温の水又は窒素ガス)を使用し、圧力調整手段8,108により圧力発生溝71内に生じる圧力Pを調整して、当該圧力Pを被密封流体領域A及び非密封流体領域Bの流体圧力より高くすると共に開力Foの大きさを閉力Fc以下とすることにより、ケース側密封環2,102の内外周密封端面部分21a,21bと軸側密封環4,104の密封端面41とが接触状態で相対回転して被密封流体領域Aと非密封流体領域Bとを圧力発生溝71内のエクスターナル流体領域Cを介して区画、シールするダブルシール機能を発揮させるようにすることができる。
2 ケース側密封環(固定密封環)
3 回転軸
4 軸側密封環(可動密封環)
6 閉力発生手段
7 開力発生手段
8 圧力調整手段
21 ケース側密封環の密封端面
21a 内周側密封端面部分
21b 外周側密封端面部分
41 軸側密封環の密封端面
61 スプリング(コイルスプリング)
71 圧力発生溝
72 給圧路
73 背圧路
102 ケース側密封環(可動密封環)
104 軸側密封環(固定密封環)
106 閉力発生手段
107 開力発生手段
108 圧力調整手段
A 被密封流体領域(機内領域)
B 非密封流体領域(機外大気領域)
C エクスターナル流体領域
E エクスターナル流体
Fc 閉力
Fo 開力
P 圧力発生溝内の圧力
Claims (10)
- シールケースに設けられたケース側密封環及びシールケースを貫通する回転軸に設けられた軸側密封環であって、当該両密封環の一方であってシールケース又は回転軸に軸線方向移動可能に保持された可動密封環及び当該両密封環の他方であってシールケース又は回転軸に固定された固定密封環と、
可動密封環に作用する軸線方向推力であって当該両密封環の対向端面である密封端面間を閉じる方向に作用する閉力を発生させる閉力発生手段と、
ケース側密封環の密封端面における径方向中央部に形成された当該密封端面と同心をなす円環状の凹溝であって、当該密封端面を外周側密封端面部分と内周側密封端面部分とに分割する圧力発生溝と、ケース側密封環及びシールケースに形成されて前記圧力発生溝内に各別に連通する給圧路及び排圧路と、を具備して、給圧路から圧力発生溝内へ供給され圧力発生溝内から排圧路へ排出されるエクスターナル流体により圧力発生溝内に生じる圧力によって、可動密封環に作用する軸線方向推力であって前記両密封環の密封端面間を開く方向に作用する開力を発生させる開力発生手段と、
前記エクスターナル流体の供給量及び前記エクスターナル流体の排出量の両方又は一方を制御することにより前記圧力発生溝内に生じる圧力を調整する圧力調整手段と、
を具備して、前記両密封環の相対回転作用によりケース側密封環の外周側密封端面部分の外周側領域及び当該ケース側密封環の内周側密封端面部分の内周側領域の一方である被密封流体領域とその他方である非密封流体領域とを区画して、被密封流体の流体をシールするように構成されていることを特徴とするメカニカルシール。 - 閉力発生手段がスプリングで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載するメカニカルシール。
- ケース側密封環がシールケースに固定された固定密封環であり、軸側密封環が回転軸に軸線方向移動可能に保持された可動密封環であることを特徴とする、請求項1又は2に記載するメカニカルシール。
- ケース側密封環がシールケースに軸線方向移動可能に保持された可動密封環であり、軸側密封環が回転軸に固定された固定密封環であることを特徴とする、請求項1又は2に記載するメカニカルシール。
- ケース側密封環の内外周側密封端面部分が径方向幅の微小な尖端形状に構成されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載するメカニカルシール。
- 請求項1〜5の何れかに記載するメカニカルシールを使用する方法であって、
シール条件に応じて前記エクスターナル流体の性状を選択すると共に前記圧力調整手段により前記圧力発生溝内に生じる圧力を調整するようにすることを特徴とするメカニカルシールの使用方法。 - エクスターナル流体として液体又は気体を使用し、圧力調整手段により圧力発生溝内に生じる圧力を調整して、開力の大きさを閉力以下とすることにより、ケース側密封環の内外周密封端面部分と軸側密封環の密封端面とが接触状態で相対回転するコンタクトシール機能を発揮させるようにすることを特徴とする、請求項6に記載するメカニカルシールの使用方法。
- エクスターナル流体として気体を使用し、圧力調整手段により圧力発生溝内に生じる圧力を調整して、開力を閉力より大きくすることにより、ケース側密封環の内外周密封端面部分と軸側密封環の密封端面とが非接触状態で相対回転するノンコンタクトシール機能を発揮させるようにすることを特徴とする、請求項6に記載するメカニカルシールの使用方法。
- エクスターナル流体として液体又は気体を使用し、圧力調整手段により圧力発生溝内に生じる圧力を調整して、当該圧力を被密封流体領域の流体圧力より低く且つ非密封流体領域の流体圧力より高くすると共に開力の大きさを閉力以下とすることにより、ケース側密封環の内外周密封端面部分と軸側密封環の密封端面とが接触状態で相対回転して被密封流体領域と非密封流体領域とを圧力発生溝内のエクスターナル流体領域を介して区画、シールするタンデムシール機能を発揮させるようにすることを特徴とする、請求項6に記載するメカニカルシールの使用方法。
- エクスターナル流体として液体又は気体を使用し、圧力調整手段により圧力発生溝内に生じる圧力を調整して、当該圧力を被密封流体領域及び非密封流体領域の流体圧力より高くすると共に開力の大きさを閉力以下とすることにより、ケース側密封環の内外周密封端面部分と軸側密封環の密封端面とが接触状態で相対回転して被密封流体領域と非密封流体領域とを圧力発生溝内のエクスターナル流体領域を介して区画、シールするダブルシール機能を発揮させるようにすることを特徴とする、請求項6に記載するメカニカルシールの使用方法。
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