JP6445388B2 - 軸封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ、攪拌機等の回転機器に装備される軸封装置であって、特に、端面接触形メカニカルシールである一次シール及び二次シールにより、当該回転機器の機内領域と機外領域とを両シール間に形成された封液領域を介してシールするように構成された軸封装置に関するものである。
従来のこの種の軸封装置として、例えば、特許文献1又は特許文献2に開示される如く、回転機器の軸封部ハウジングに取り付けられたシールケースとこれを洞貫する当該回転機器の回転軸との間に端面接触形メカニカルシールである一次シール及び二次シールを軸線方向に縦列配置して、当該回転機器の機内領域と機外領域とを両シール(メカニカルシール)間に形成された封液領域を介してシールするように構成したものが公知である。
而して、一次シール及び二次シールである端面接触形メカニカルシールは、回転軸及びシールケースの一方に設けた可動密封環とその他方に設けた固定密封環との相対回転摺接作用によりシール機能を発揮するものであるから、両密封環の相対回転摺接部分であるシール部分が摩擦熱により異常摩耗や歪を発生したり、極端な場合には密封環が熱損(熱割れ)する等のトラブルを生じ、長期に亘って良好なシール機能を発揮し得ないといった問題が生じる。このため、特許文献1の図1に開示された軸封装置(以下「第1従来軸封装置」という)及び特許文献2の図6に開示された軸封装置(以下「第2従来軸封装置」という)では、シールケースに封液の給排路(封液供給路及び封液排出路)を設けて封液領域に封液を循環供給させ、この封液により一次シールのシール部分(以下「一次シール部分」という)及び二次シールのシール部分(以下「二次シール部分」という)を潤滑、冷却することにより上記した問題の発生を防止するようにしている。
特開2002−235858公報 WO2009/107640公報
ところで、端面接触形メカニカルシールはシールケースと回転軸との間に装填されるものであるから、二つのメカニカルシール(一次シール及び二次シール)を縦列配置してなる軸封装置では、当然のことながら、単一のメカニカルシールで構成される軸封装置に比してシールケースの軸線方向長さが長くなる。而して、第2従来軸封装置では、シールケースをその全体を軸封部ハウジング外に位置させた状態で当該ハウジングに取り付けているため、シールケースが軸封部ハウジング外に大きくはみ出して、回転機器に占める軸封装置の設置スペース(軸線方向のスペースであり、以下「軸封装置設置スペース」という)が大きくなり、軸封装置を含めた回転機器全体が大型化するといった問題がある。
一方、第1従来軸封装置は、シールケースの基端部分をその先端部分を軸封部ハウジングに突入させた状態で当該ハウジングに取り付け、シールケースの先端部分と回転軸との間に一次シールを配置すると共にシールケースの基端部分と回転軸との間に二次シールを配置し、つまり二つのメカニカルシールのうち一次シールであるメカニカルシールが軸封部ハウジング内に位置する状態で回転機器に組み込むように構成されたものであり、軸封部ハウジング外にはみだすシールケース部分(基端部分)の軸線方向長さを小さくできるものであるから、第2従来軸封装置に比して、回転機器に占める軸封装置設置スペースを大幅に小さく(略半減)することができ、軸封装置を含めた回転機器全体の可及的なコンパクト化を実現することができる。
しかし、第1従来軸封装置にあっては、封液を給排させる封液供給路及び封液排出路は配管を接続する等のため軸封部ハウジング外のシールケース部分(基端部分)に形成しておく必要があるため、封液の給排箇所(封液供給路の下流側開口部及び封液排出路の上流側開口部)が軸封部ハウジング内に位置する一次シールのシール部分(一次シール部分)から遠くなり、一次シール部分との距離が極めて長くなる。このため、封液供給路から供給された封液が一次シール部分へと円滑に流動し難く、その結果、封液による潤滑、冷却機能が二次シール部分については効果的に発揮されても、一次シール部分については十分に発揮されず、一次シールによるシール機能が良好に発揮されないといった問題が生じ、特に高負荷条件下(高PV値条件下)では安定したシール機能を期待できない。
本発明は、第1従来軸封装置と同様に回転機器に占める軸封装置設置スペースを小さくできるものでありながら、一次シール及び二次シールのシール部分を封液により効果的に潤滑、冷却することができ、高負荷条件下でも良好且つ安定したシール機能を発揮することができる軸封装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、先端部分を回転機器の軸封部ハウジング内に突入させた状態で当該ハウジングに取り付けたシールケースとこれを洞貫する当該回転機器の回転軸との間に、各々が可動密封環と固定密封環との相対回転摺接作用によりシール機能を発揮する端面接触形メカニカルシールであって当該ハウジング内に位置する一次シールと当該ハウジング外に位置する二次シールとを軸線方向に縦列配置して、機内領域と機外領域とを当該両シール間に形成され封液領域を介してシールするように構成すると共に、軸封部ハウジング外に位置するシールケースの基端部分に形成した封液供給路及び封液排出路により封液領域に封液を循環供給するように構成した軸封装置において、上記の課題を解決すべく、特に、シールケースの内周面に封液排出路に連通する環状凹部を形成すると共に、回転軸に一次シールと二次シールとの間に位置して外周面が当該環状凹部に近接対向する封液導入リングを固定し、封液導入リングに当該リングより一次シール側の封液領域部分(以下「一次側封液領域部分」という)と二次シール側の封液領域部分(以下「二次側封液領域部分」という)とを連通する連通孔を形成すると共に、封液導入リングの外周面に当該リングの一次シール側の端面に開口する複数個の凹溝を形成し、シールケースの内周面に、一次シールにおける両密封環の相対回転摺接部分に対向する位置から前記環状凹部へと漸次拡径する截頭円錐状のテーパ面を形成しておくことを提案するものである。
かかる軸封装置にあっては、前記環状凹部の周方向一箇所に当該環状凹部内の封液流動を阻止する堰を設けて、環状凹部における堰の近傍位であって当該堰より回転軸の回転方向と逆方向に偏倚した位置において封液排出路を連通させておくことが好ましい。
また、シールケースの内周面に前記環状凹部の二次シール側に位置して当該環状凹部に連通する第2の環状凹部を形成すると共に、封液導入リングの外周部に当該第2の環状凹部に近接対向する円筒状の突起部を形成し、この突起部に第2の環状凹部と前記二次側封液領域部分とを連通する導入孔を形成しておくことが好ましい。この場合において、第2の環状凹部の周方向一箇所であって前記環状凹部の堰から回転軸の回転方向に所定量隔たった位置に第2の環状凹部内の封液流動を阻止する第2の堰を設けると共に、シールケースの内周面に突設されて前記環状凹部と第2の環状凹部とを区画する環状壁に、前記両堰間において当該両環状凹部を連通する連通口を形成しておくことが好ましい。
さらには、一次シールの可動密封環と二次シールの可動密封環とが、前記封液導入リングの両側に位置して回転軸に軸線方向移動可能に保持されており、両可動密封環が封液導入リングに形成された前記連通孔に挿通保持された共通のスプリングによりシールケースに設けられた各シールの固定密封環へと押圧附勢されるように構成しておくことが好ましい。
本発明の軸封装置は、一次シールを軸封部ハウジング内に位置させることにより軸封装置を含めた回転機器全体のコンパクト化を実現できるといった第1従来軸封装置と同様の利点を有するものでありながら、一次シール部分(一次シールにおける固定密封環と可動密封環との相対回転摺接部分)の封液による潤滑、冷却が不十分ないし不良であるといった第1従来軸封装置が有していた問題を解決したものであり、当該シール部分を良好に潤滑、冷却し得て、高負荷条件下においても良好なシール機能を発揮させることができる、極めて実用的価値大なるものである。
すなわち、本発明の軸封装置にあっては、回転する凹溝により一次側封液領域部分の当該凹溝近傍部分において一次側封液領域部分から凹溝を経て環状凹部への封液流れが生じ、この封液流れによって、一次側封液領域部分においては一次シール部分の周辺からテーパ面に沿って凹溝に向かう封液流れが生じる。そして、この封液流れによって、封液導入リングの連通孔から一次側封液領域部分へと流入した封液が一次シール部分へと導かれることになる。したがって、本発明の軸封装置によれば、封液供給路から二次側封液領域部分に供給された封液が、二次側封液領域部分に位置する二次シール部分(二次シールにおける固定密封環と可動密封環との相対回転摺接部分)を潤滑、冷却した上で、連通孔から一次側封液領域部分へと流入して一次シール部分へと流動して、一次シール部分を潤滑、冷却し、更にテーパ面に沿って凹溝へと流動して、凹溝から環状凹部を経て封液排出路へと流出されることになり、二次シール部分については勿論、封液給排口(封液供給路の下流開口部及び封液排出路の上流開口部)から遠距離に位置する一次シール部分についても、封液による潤滑、冷却を良好に行うことができ、高負荷条件下においても良好且つ安定したシール機能を発揮させることができる。
図1は本発明に係る軸封装置の一例を示す断面図である。 図2は図1と異なる位置で断面した図1対応の断面図である。 図3は図1の要部を拡大して示す詳細図である。 図4は図1のIV−IV線に沿う断面図である。 図5は図1のV−V線に沿う断面図である。 図6は本発明に係る軸封装置の変形例を示す図3対応の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る軸封装置の一例を示す断面図であり、図2は図1と異なる位置で断面した図1対応の断面図であり、図3は図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図であり、図5は図1のV−V線に沿う断面図である。なお、以下の説明において、前後とは図1〜図3における左右を意味するものとする。
図1に示す軸封装置Mは、ポンプ、攪拌機等の回転機器の軸封部ハウジング(スタフィンボックス)1に取り付けたシールケース2とこれを同心状に洞貫する水平軸である当該回転機器の回転軸3との間に一次シール4及び二次シール5を回転軸3の軸線方向(以下、単に「軸線方向」という)に縦列配置して、当該回転機器の内部領域である機内領域Aとその外部領域である機外領域(この例では大気領域)Bとを両シール4,5間に形成された封液領域Cを介してシールするように構成したものであって、封液領域Cに封液6を循環供給させる封液循環供給手段7を設けたものである。
シールケース2は、図1及び図2に示す如く、先端部分21を軸封部ハウジング1内に突入させると共に回転軸3が同心状に洞貫する状態で基端部分22,23を当該ハウジング1に取り付けた円筒状構造物である。シールケース2の基端部分は、軸封部ハウジング1の基端部(後端部)に衝合する第1基端部分22とその基端部(後端部)に衝合する第2基端部分23とに分離構成されており、先端部分21は第1基端部分22の先端部(前端部)に一体形成されている。すなわち、シールケース2は、図1に示す如く、第1基端部分22と第2基端部分23とを複数個の連結ボルト24(1個のみ図示)により一体連結すると共に先端部分21を軸封部ハウジング1内に嵌入させた状態で、軸封部ハウジング1に植設した複数個の固定ボルト25(1個のみ図示)にこれらを第1及び第2基端部分22,23のボルト孔(図示せず)に挿通させた上でナット26を螺合、締め付けることにより、軸封部ハウジング1に取り付けられている。なお、第1基端部分22と軸封部ハウジング1との衝合部分及び両基端部分22,23の衝合部分には、夫々、Oリング27,28が装填されている。
回転軸3は、図1及び図2に示す如く、軸本体にスリーブ31を挿通固定したものである。スリーブ31は、図1に示す如く、先端部31aがシールケース2の先端部分21の基端部(後端部)21aに対応する位置に位置すると共に基端部31bがシールケース2外に位置する状態で、固定リング32により回転軸3に挿通固定されている。すなわち、スリーブ31は、その基端部31bに適当数のセットスクリュー32aにより固定リング32を固定すると共に固定リング32に螺合させた適当数のセットスクリュー32bを回転軸3に締め付けることにより、回転軸3に固定されている。
一次シール4は、図1に示す如く、軸封部ハウジング1内に配置された機内領域側の端面接触形メカニカルシールであり、シールケース2の先端部分21に固定された第1固定密封環41とその機外領域側(後側)に配してスリーブ31にOリング42を介して軸線方向移動可能(前後方向移動可能)に保持された第1可動密封環43とこれを第1固定密封環41へと押圧接触させる第1スプリング44とを具備して、両密封環41,43の対向端面である密封端面41a,43aの相対回転摺接作用によりその相対回転摺接部分であるシール部分(一次シール部分)41a,43aの内周側領域である機内領域Aとその外周側領域である封液領域Cとを遮蔽シールするように構成されている。
第1固定密封環41は、図1に示す如く、シールケース2の先端部分21の先端部(前端部)21bにOリング45及びドライブピン46を介して内嵌固定されており、その先端面(後端面)は軸線に直交する平滑な環状平面である密封端面41aに構成されている。第1可動密封環43は、図1に示す如く、スリーブ31の先端部31aにOリング42を介して軸線方向移動可能に嵌合保持されており、第1スプリング44により第1固定密封環41に押圧接触すべく附勢されている。第1可動密封環43の先端面(前端面)は第1固定密封環41の密封端面41aに直対向しており、軸線に直交する平滑な環状平面である密封端面43aに構成されている。第1可動密封環43は、図2に示す如く、その基端面(後端面)にドライブリング47をドライブピン47aを介して相対回転不能に衝合させると共に、図1に示す如く、ドライブリング47に突設したドライブピン48をスリーブ31に固定したスプリングリテーナ74に形成したドライブ孔74eに係合させることにより、スリーブ31つまり回転軸3に対する相対回転を阻止されている。
二次シール5は、図1に示す如く、軸封部ハウジング1外に配置された機外領域側の端面接触形メカニカルシールであり、シールケース2の第2基端部分23に固定された第2固定密封環51とその機内領域側(前側)に配してスリーブ31にOリング52を介して軸線方向移動可能(前後方向移動可能)に保持された第2可動密封環53とこれを第2固定密封環51へと押圧接触させる第2スプリング54とを具備して、両密封環51,53の対向端面である密封端面51a,53aの相対回転摺接作用によりその相対回転摺接部分であるシール部分(二次シール部分)51a,53aの内周側領域である機外領域Bとその外周側領域である封液領域Cとを遮蔽シールするように構成されている。
第2固定密封環51は、図1に示す如く、シールケース2の第2基端部分23の基端部(後端部)にOリング55及びドライブピン56を介して内嵌固定されており、その先端面(前端面)は軸線に直交する平滑な環状平面である密封端面51aに構成されている。第2可動密封環53は、図1に示す如く、第1可動密封環43と第2固定密封環51との間に配して、スリーブ31の中間部であってシールケース2の第1基端部分22に対応する部分にOリング52を介して軸線方向移動可能に嵌合保持されており、第2スプリング54により第2固定密封環51に押圧接触すべく附勢されている。第2可動密封環53の先端面(後端面)は第2固定密封環51の密封端面51aに直対向しており、軸線に直交する平滑な環状平面である密封端面53aに構成されている。第2可動密封環53は、図2に示す如く、その基端面(前端面)にドライブリング57をドライブピン57aを介して相対回転不能に衝合させると共に、ドライブリング57に突設したドライブピン58を前記スプリングリテーナ74に形成したドライブ孔74fに係合させることにより、スリーブ31つまり回転軸3に対する相対回転を阻止されている。
第1スプリング44及び第2スプリング54は、図1及び図4に示す如く、ドライブリング47,57間に周方向に等間隔を隔てて装填させた複数個のコイルスプリング44aで構成された共通部材とされていて、図1及び図3に示す如く、当該コイルスプリング44aをスプリングリテーナ74に周方向に等間隔を隔てて軸線方向に貫通形成された複数個のスプリング保持孔74cに挿通保持させることにより、両可動密封環43,53を各固定密封環41,51へと押圧附勢している。
封液循環供給手段7は、図1に示す如く、シールケース2の基端部分22,23に形成された封液供給路71及び封液排出路72と、シールケース2の内周面に形成された環状凹部73と、一次シール4と二次シール5との間に位置して回転軸3に固定された封液導入リング74と、シールケース2の先端部分21の内周面に形成されたテーパ面75とを具備して、機内領域A(及び大気領域B)より高圧の封液6を封液領域Cにおいて循環流動させるように構成されている。
封液供給路71は、図1に示す如く、シールケース2の第2基端部分23にこれを径方向に貫通して形成されていて、その上流端に接続された適宜の封液供給装置(図示せず)により封液6が供給されるようになっている。封液供給路71の下流端は、図1に示す如く、シールケース2の第2基端部分23の内周面において二次シール5における両密封環51,53の相対回転摺接部分51a,53aつまり第2シール部分51a,53aに対向する位置に開口されており、封液6を後述する封液導入リング74より二次シール5側の封液領域部分(二次側封液領域部分)C2へと供給する。
封液排出路72は、図1に示す如く、シールケース2の第1基端部分22にこれを径方向に貫通して形成されていて、その下流端から前記封液供給装置へと封液6を排出するようになっている。
環状凹部73は、図1〜図3に示す如く、シールケース2の第1基端部分22の先端部内周面(前端部内周面)に形成されている。この例では、シールケース2の内周面に、当該環状凹部(以下「第1環状凹部」という)73に加えて、第1環状凹部73の二次シール側(後側)に隣接して第2の環状凹部(以下「第2環状凹部」という)76を形成してある。すなわち、シールケース2の第1基端部分22の基端部内周面(後端部内周面)に、図1〜図3に示す如く、第1環状凹部73に隣接して第2環状凹部76を形成してある。両環状凹部73,76間は、シールケース2の基端部分22の内周面に突設した環状壁77で仕切られている。なお、第1環状凹部73の深さ(径方向厚み)及び幅(軸線方向長さ)は第2環状凹部76の深さ(径方向厚み)及び幅(軸線方向長さ)より大きく設定されている。
第1環状凹部73の周方向一箇所には、図4及び図5に示す如く、当該環状凹部73内における流体流動(封液流動)を阻止する堰(以下「第1堰」という)73aが設けられている。第1堰73aの近傍位であって回転軸3の回転方向(以下、単に「回転方向」という)Rと反対方向側の位置において、図4に示す如く、封液排出路72の上流端が連通接続されている。第2環状凹部76の周方向一箇所であって回転方向Rにおいて第1堰73aから所定距離(例えば、第1堰73aが設けられた円周部分の1/4〜1/8程度の距離)離れた箇所には、図5に示す如く、当該環状凹部76内における流体流動(封液流動)を阻止する第2の堰(以下「第2堰」という)76aが設けられている。環状壁77には、図4及び図5に示す如く、第1環状凹部73における第1堰73aより回転方向R側の部分と第2環状凹部76における第2堰76aより回転方向Rと反対方向側の部分とを連通する連通口77aが切欠形成されている。すなわち、連通口77aは、回転方向Rにおける環状壁77の第1堰73aから第2堰76aに至る部分を切欠くことによって形成されている。なお、両環状凹部73,76の内周開口面及び環状壁77の内周面の径は同一とされている。
封液導入リング74は、図1〜図3に示す如く、前記スプリングリテーナ74として兼用されており、両シール4,5間つまりドライブリング47,57間に位置して回転軸3に固定された断面方形状の円環状体である。封液導入リング74の外周部には、図1〜図3に示す如く、二次シール部分51a,53a方向(後方)に突出して第2可動密封環53(及びドライブリング57)を囲繞する円筒状の突起部74aが一体形成されている。封液導入リング74は、図4に示す如く、径方向に螺合させた複数個のセットスクリュー78をスリーブ31に締め付けることにより回転軸3に固定されている。突起部74aを含む封液導入リング74の外周面は、環状凹部73,76に近接対向していて、環状凹部73,76の開口面を全面的に閉塞している。封液導入リング74の軸線方向長さは、その外周面が第1環状凹部73の開口面における一次シール4側の部分を閉塞するように設定されており、突起部74aの軸線方向長さは、その外周面が第1環状凹部73の開口面における当該一次シール4側の部分を除く部分及び第2環状凹部76の開口面を閉塞するように設定されている。すなわち、封液領域Cは、シールケース2の内周面における環状凹部73,76が形成された部分に外周面が近接対向する封液導入リング74(突起部74aを含む)により、一次側封液領域部分(当該リング74より一次シール側の封液領域部分)C1と二次側封液領域部分C2とに区画されている。
封液導入リング74の外周面には、図1〜図4に示す如く、当該リング74の一次シール側の端面(前端面)に開口する複数個の凹溝74bが形成されている。すなわち、封液導入リング74の外周面には、軸線方向において一次側封液領域部分C1に向けて開口する(図3参照)と共に径方向において第1環状凹部73に向けて開口する複数個の断面方形状の凹溝74bが周方向に等間隔を隔てて形成されている。
また、封液導入リング74には、図1、図3及び図4に示す如く、径方向において凹溝74bよりリング内周側に位置して、当該リング74を軸線方向に貫通して一次側封液領域部分C1と二次側封液領域部分C2とを連通する複数個の連通孔74cが形成されている。この例では、各連通孔74cを、コイルスプリング44aを挿通保持させるスプリング保持孔74cで兼用している。また、封液導入リング74に形成された突起部74aには、図1、図3及び図5に示す如く、第2環状凹部76に対応する位置に配して、当該突起部74aを径方向に貫通して第2環状凹部76と二次側封液領域部分C2とを連通する複数個の導入孔74dが周方向に等間隔を隔てて形成されている。なお、前記連通孔74c及び導入孔74dの個数ないし孔径は、二次側封液領域部分C2から全連通孔74cを通過して一次側封液領域部分C1へと流入する封液量が二次側封液領域部分C2から全導入孔74dを通過して第2環状凹部76へと流入する封液量より小さくなるように設定されている。
また、シールケース2の先端部分21の内周面であって一次シール4のシール部分(一次シール部分)41a,43aに対応する位置から第1環状凹部73に至る部分は、図1及び図2に示す如く、第1環状凹部73へと漸次拡径する截頭円錐状のテーパ面75に形成されている。
ところで、この例では、シールケース2の基端部(第2基端部分23の後端部)にスリーブ31に近接して嵌合するブッシュシール8を固定して、二次シール5のシール部分(二次シール部分)51a,53aの内周側領域をシールケース2外の領域(機外領域B)と区画するクエンチング室に形成してある。このクエンチング室には、図2に示す如く、シールケース2の第2基端部分23に形成したクエンチング液通路9aから適宜のクエンチング液が供給されるようになっている。また、シールケース2の第2基端部分23には、図1に示す如く、上記クエンチング室に開口するドレン通路9bが形成されている。
さらに、この例では、軸封装置Mを、シールケース2並びにこれに設けられる両メカニカルシール4,5の構成部材群(第1及び第2固定密封環41,51等)からなる静止側密封要素とスリーブ31並びにこれに設けられる両メカニカルシール4,5の構成部材群(第1及び第2可動密封環43,53等)からなる回転側密封要素とを、図1に鎖線図示する如く、複数個(1個のみ図示)のセットプレート10の基端部をボルト10aによりシールケース2の外端面(第2基端部分23の後端面)に取り付けると共に当該セットプレート10の先端部をスリーブ31の基端部31bに形成した環状凹部31cに係合させることによって、当該軸封装置の使用形態(図1及び図2に示す運転状態における形態)と同一の形態に一体連結しうるカートリッジ形のものに構成してある。したがって、静止側密封要素と回転側密封要素とをセットプレート10で一体連結した形態で、つまり当該軸封装置を使用形態に組立てた状態のまま、回転機器への組み込み及び回転機器からの取り外しを行うことができる。すなわち、セットプレート10の脱着操作、セットスクリュー32bによるスリーブ31の回転軸3への脱着操作及びナット26によるシールケース2の軸封部ハウジング1への脱着操作により、当該軸封装置の組み込み作業及び取り外し作業を容易に行いうるように工夫されている。
以上のように構成された軸封装置Mにあっては、図3に示す如く、封液供給路71から封液領域Cに供給された封液6が、シールケース2に形成された環状凹部73,76及びテーパ面75並びに回転軸3に設けられた封液導入リング74によって、封液領域Cの全域を二次側封液領域部分C2から一次側封液領域部分C1へと停滞することなく円滑に流動し、二次側封液領域部分C2における二次シール部分51a,53a及び一次側封液領域部分C1における一次シール部分41a,43aを良好に潤滑、冷却した上で封液排出路72から排出される。
すなわち、封液供給路71から二次側封液領域部分C2に供給された封液6は、図3に矢印6aで示す如く、二次シール部分51a,53aを潤滑、冷却した上で、封液導入リング74方向(前方)へと流動する。そして、その封液6の一部は、図3に矢印6bで示す如く、封液導入リング74の突起部74aに形成された導入孔74dから第2環状凹部73へと流入し、その残部は、同図に矢印6cで示す如く、封液導入リング74の連通孔74cから一次側封液領域部分C1に流入する。なお、連通孔74cから一次側封液領域部分C1に流入する封液量は、導入孔74dから第2環状凹部73に流入する封液量より少なくなる。
このとき、回転軸3により回転される封液導入リング74の外周面に一次側封液領域部分C1及び第1環状凹部76に向けて開口する複数個の凹溝74bが形成されていることから、一次側封液領域部分C1における凹溝74b付近の封液6が、回転する凹溝74bによって第1環状凹部73へと強制導入されることになる。すなわち、凹溝74bの近傍においては、図3に矢印6iで示す如く、一次側封液領域部分C1から凹溝74bを通過して第1環状凹部73へと向かう封液6の強制的な流れが発生する。そして、シールケース2の内周面における一次シール部分41a,43aに対応する位置から第1環状凹部73に至る部分が第1環状凹部73へと漸次拡径するテーパ面75に形成されていることから、一次側封液領域部分C1においては、上記の封液流れ6i及び封液6に働く遠心力の分力(テーパ面75と平行する分力)によって、図3に矢印6hで示す如く、一次シール部分41a,51a周辺からテーパ面75に沿って凹溝74bへと向かう封液流れが生じる。
したがって、連通孔74cから一次側封液領域C1に流入した封液6は、上記の封液流れ6hによって、図3に矢印6e,6fで示す如く、第1可動密封環43の外周面に沿って一次シール部分41a,43aへと導かれて、一次シール部分41a,43aを潤滑、冷却する。さらに、一次シール部分41a,43aを潤滑、冷却した封液6は、上記の封液流れ6hにより、図3に矢印6gで示す如く、シールケース2の先端部分21の内周面へと向かい、当該内周面における一次シール部分41a,43aに対応する位置から第1環状凹部73に至る部分が第1環状凹部73へと漸次拡径するテーパ面75に形成されていることから、上記した如く凹溝74bから第1環状凹部73に向かう封液6の強制的な流れ6iによって、テーパ面75に沿って凹溝74bへと流動することになる。すなわち、一次側封液領域部分C1においては、連通孔74cから一次シール部分41a,51aへと向かい、更に一次シール部分41a,51からテーパ面75に沿って凹溝74bへと流動する封液流れが形成され、封液6が一次側封液領域部分C16の全域を停滞することなく流動することになる。
そして、凹溝74bから第1環状凹部73に流入した封液6は、図4に矢印6jで示す如く、環状凹部73内を回転方向(凹溝74bの回転方向)Rに流動し、その流動を第1環状凹部73に設けられた第1堰73aに阻止されて、同図に矢印6kで示す如く、第1堰73aの近傍に連通された封液排出路72へと排出される。また、導入孔74dから第2環状凹部76に流入した封液6は、図5に矢印6bで示す如く、第2環状凹部76内を導入孔7dの回転方向Rに流動し、図3〜図5に矢印6dで示す如く、その流動を第2環状凹部76に設けられた第2堰76aに阻止されて環状壁77の連通口77aから第1環状凹部73へと流入し、第1環状凹部73から封液排出路72へと直接に排出されることなく、上記の封液流れ6i,6jと合流して第1環状凹部73内を回転方向Rに流動した上で当該第1環状凹部73から封液排出路72へと排出される。
このように、封液供給路71から封液領域Cに供給された封液6は、二次側封液領域部分C2から一次側封液領域部分C1を経て封液排出路72へと封液領域C全体に亘って停滞することなく円滑に流動されるから、軸封部ハウジング1外(シールケース2の基端部分22,23内)に位置する二次シール部分51a,53aについては勿論、軸封部ハウジング1内(シールケース2の先端部分21内)に位置する一次シール部分41a,43aについても封液6による潤滑、冷却が良好に行われる。なお、一次側封液領域部分C1においては、封液6が回転する連通孔74cから流入すると共に回転する凹溝74bから流出することから、封液6が攪拌されつつ一次シール部分41a,43aの全周に亘って流動することになり、封液排出路72の上流端がシールケース2の周方向一箇所で開口されているにも拘らず、封液6による潤滑、冷却が当該シール部分41a,43aの全周に亘って均一且つ良好に行われることになる。また、二次側封液領域部分C2においても、封液6が回転する連通孔74c及び導入孔74dへと流出することから、封液6が攪拌されつつ流動することになり、封液供給路71の下流端がシールケース2の周方向一箇所で開口されているにも拘らず、封液6による二次シール部分51a,53aの潤滑、冷却が当該シール部分51a,53aの全周に亘って均一且つ良好に行われることになる。
ところで、封液領域Cの圧力P1、機内領域Aの圧力P2及び機外領域(大気領域)の圧力P3はP1>P2>P3となっているから、一次シール部分41a,43aに作用する負荷(P1−P2)は二次シール部分51a,53aに作用する負荷(P1−P3)より小さくなり、その結果、密封環の相対回転摺接による一次シール部分41a,43aの発熱量は二次シール部分51a,53aの発熱量より小さくなり、一次シール部分41a,43aを潤滑、冷却するに必要な封液量は二次シール部分51a,53aを潤滑、冷却するに必要な封液量より少なくて足りる。したがって、二次側封液領域部分C2から連通孔74cを経て一次側封液領域部分C1に流入する封液量を、上記した如く、二次側封液領域部分C2から導入孔74dを経て環状凹部72,73に流入する封液量より少なくなるように設定しておくことにより、一次シール部分41a,43a及び二次シール部分51a,53aにそれらの発熱量に応じた封液量が供給されることになり、一次シール部分41a,43a及び二次シール部分51a,53aの封液6による潤滑、冷却がより効率良く且つ効果的に行われることになる。
したがって、上記した軸封装置Mにあっては、シールケース2の先端部分21を軸封部ハウジング1内に突入させて一次シール4を軸封部ハウジング1内に配置していることから、第1従来軸封装置と同様に、第2従来軸封装置に比して回転機器に占める軸封装置設置スペースを大幅に小さく(略半減)することができ、軸封装置を含めた回転機器全体の可及的なコンパクト化を実現することができる。しかも、封液6を封液領域C全体に停滞させることなく円滑に流動させ得て、封液領域Cにおいて封液供給路71及び封液排出路72の開口部から遠距離に位置する一次シール部分41a,43aの封液6による潤滑、冷却を効果的に行い得て、第1従来軸封装置と異なって、高負荷条件下においてもシール機能を良好且つ安定して発揮させることができる。
なお、本発明に係る軸封装置の構成は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
例えば、第1及び第2スプリング44,54は、これらを兼用せず独立部材として、図6に示す如く、封液導入リング74として兼用されるスプリングリテーナ74とドライブリング47,57との間に各別に装填するようにしてもよい。かかる場合、封液導入リング74には、その周方向に等間隔を隔てて並列する適当数の連通孔74cが形成される。また、第1及び第2スプリング44,54を上記した如く兼用する場合にあって、スプリング保持孔を連通孔74cとして兼用するのみでは二次側封液領域部分C2から当該連通孔74cを通過して一次側封液領域部分C1へ流入する封液量が不足する場合には、スプリング保持孔として兼用する連通孔74cに加えて、スプリング保持孔として兼用しない連通孔74cを適当数形成しておく。
また、上記した例では、第1及び第2固定密封環41,51をシールケース2に設けると共に第1及び第2可動密封環43,53を回転軸3(スリーブ31)に設け、封液循環リング74をスプリングリテーナと兼用するようにしたが、両固定密封環41,51の両方又は何れか一方を回転軸3に設けると共に両可動密封環43,53の両方又は一方をシールケース2に設けておくことができ、封液導入リング74をスプリングリテーナと兼用しない独立部材としておくことも可能である。例えば、両固定密封環41,51を回転軸3に設けるときは、当該両固定密封環41,51間に配してスプリングリテーナとして兼用しない封液導入リング74を回転軸3(スリーブ31)に固定しておく。かかる場合にあっては、各可動密封環43,53をシールケース2に軸線方向移動可能に保持させると共に、各可動密封環43,53とシールケース2に形成した各スプリングリテーナとの間に各々スプリング44,54を装填しておく。
また、上記した例では、環状凹部(第1環状凹部)73に加えて第2の環状凹部(第2環状凹部)76を設けると共に、封液導入リング74に形成した突起部74aに第2環状凹部76と二次側封液領域部分C2とを連通する導入孔74dを設けたが、第2環状凹部76及び導入孔74dを設けず第1環状凹部73のみを設けておくことも可能である。かかる場合にあって、突起部74aを設けるときは当該突起部74aを含む封液導入リング74の外周面により、また突起部74aを設けないときは当該リング74の外周面により、第1環状凹部73の内周開口面が全面的に閉塞されるように構成しておくことが好ましい。
1 軸封部ハウジング
2 シールケース
3 回転軸
4 一次シール(端面接触形メカニカルシール)
5 二次シール(端面接触形メカニカルシール)
6 封液
7 封液循環供給手段
8 ブッシュシール
9a クエンチング液通路
9b ドレン通路
10 セットプレート
10a ボルト
21 シールケースの先端部分
21a 先端部分の基端部
21b 先端部分の先端部
22 第1基端部分(シールケースの基端部分)
23 第2基端部分(シールケースの基端部分)
24 連結ボルト
25 固定ボルト
26 ナット
27 Oリング
28 Oリング
31 スリーブ
31a スリーブの先端部
31b スリーブの基端部
31c 環状溝
32 固定リング
32a セットスクリュー
32b セットスクリュー
41 第1固定密封環
41a 密封端面
42 Oリング
43 第1可動密封環
43a 密封端面
44 第1スプリング
45 Oリング
46 ドライブピン
47 ドライブリング
48 ドライブピン
51 第2固定密封環
51a 密封端面
52 Oリング
53 第2可動密封環
53a 密封端面
54 第2スプリング
55 Oリング
56 ドライブピン
57 ドライブリング
58 ドライブピン
71 封液供給路
72 封液排出路
73 第1環状凹部(環状凹部)
73a 第1堰(堰)
74 封液導入リング
74a 突起部
74b 凹溝
74c 連通孔
74d 導入孔
74e ドライブ孔
74f ドライブ孔
75 テーパ面
76 第2環状凹部(第2の環状凹部)
76a 第2堰(第2の堰)
77 環状壁
77a 連通口
78 セットスクリュー
A 機内領域
B 機外領域
C 封液領域
C1 一次側封液領域部分(封液導入リングより一次シール側の封液領域部分)
C2 二次側封液領域部分(封液導入リングより二次シール側の封液領域部分)
M 軸封装置
R 回転方向

Claims (5)

  1. 先端部分を回転機器の軸封部ハウジング内に突入させた状態で当該ハウジングに取り付けたシールケースとこれを洞貫する当該回転機器の回転軸との間に、各々が可動密封環と固定密封環との相対回転摺接作用によりシール機能を発揮する端面接触形メカニカルシールであって当該ハウジング内に位置する一次シールと当該ハウジング外に位置する二次シールとを軸線方向に縦列配置して、機内領域と機外領域とを当該両シール間に形成され封液領域を介してシールするように構成すると共に、軸封部ハウジング外に位置するシールケースの基端部分に形成した封液供給路及び封液排出路により封液領域に封液を循環供給するように構成した軸封装置において、
    シールケースの内周面に封液排出路に連通する環状凹部を形成すると共に、回転軸に一次シールと二次シールとの間に位置して外周面が当該環状凹部に近接対向する封液導入リングを固定し、
    封液導入リングに当該リングより一次シール側の封液領域部分と二次シール側の封液領域部分とを連通する連通孔を形成すると共に、封液導入リングの外周面に当該リングの一次シール側の端面に開口する複数個の凹溝を形成し、
    シールケースの内周面に、一次シールにおける両密封環の相対回転摺接部分に対向する位置から前記環状凹部へと漸次拡径する截頭円錐状のテーパ面を形成してあることを特徴とする軸封装置。
  2. 前記環状凹部の周方向一箇所に当該環状凹部内の封液流動を阻止する堰を設けて、環状凹部における堰の近傍位であって当該堰より回転軸の回転方向と逆方向に偏倚した位置において封液排出路を連通させてあることを特徴とする、請求項1に記載する軸封装置。
  3. シールケースの内周面に前記環状凹部の二次シール側に位置して当該環状凹部に連通する第2の環状凹部を形成すると共に、封液導入リングの外周部に当該第2の環状凹部に近接対向する円筒状の突起部を形成し、この突起部に第2の環状凹部と前記二次シール側の封液領域部分とを連通する導入孔を形成してあることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載する軸封装置。
  4. 第2の環状凹部の周方向一箇所であって前記環状凹部の堰から回転軸の回転方向に所定量隔たった位置に第2の環状凹部内の封液流動を阻止する第2の堰を設けると共に、シールケースの内周面に突設されて前記環状凹部と第2の環状凹部とを区画する環状壁に、前記両堰間において当該両環状凹部を連通する連通口を形成してあることを特徴とする、請求項3に記載する軸封装置。
  5. 一次シールの可動密封環と二次シールの可動密封環とが、前記封液導入リングの両側に位置して回転軸に軸線方向移動可能に保持されており、両可動密封環が封液導入リングに形成された前記連通孔に挿通保持された共通のスプリングによりシールケースに設けられた各シールの固定密封環へと押圧附勢されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載する軸封装置。
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