JP2018025130A - ポンプのための軸封装置及び軸封装置を備えるポンプ - Google Patents

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和雄 土屋
浩希 桐生
Hiroki Kiryu
浩希 桐生
悟 江頭
Satoru Egashira
悟 江頭
孝彦 小川
Takahiko Ogawa
孝彦 小川
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Abstract

【課題】ポンプを全分解する必要なく、パッキン部材の交換を行うことができる軸封装置を提供する。【解決手段】インペラを回転させる回転軸を備えるポンプのための軸封装置であって、スタフィングボックス内に挿入される回転軸の外周面とスタフィングボックスの内周面との間に配置される外側スリーブと、外側スリーブ内に配置されるパッキン部材と、を備えており、外側スリーブは、インペラの側に配置される軸方向一端部に、半径方向内側に延びる内側フランジ部を備えており、パッキン部材は、直径方向に二分割されている、軸封装置。【選択図】図1

Description

本発明は、ポンプのための軸封装置及び該軸封装置を備えるポンプに関する。
従来、ケーシング内でインペラを回転させる回転軸を備えるポンプにおいては、内部流体の外部への漏れを防止するための軸封装置が設けられている。図6及び図6Aは、それぞれ、従来の軸封装置を備えるポンプ1の外観図及び部分切欠き斜視図である。ポンプ1の軸封装置としては、例えば、グランドパッキンを用いた軸封装置が知られている。図6Aは、ポンプ1の回転軸2が挿入されたスタフィングボックス(換言すれば、パッキン箱)3の内周面と回転軸2の外周面との間にグランドパッキンが配置された、従来のグランドパッキン式軸封装置の例を示している。尚、図6A中、右側は、インペラ(図示せず)が配置されるインペラ側であり、左側は、インペラを回転させるモータ(図示せず)が配置されるモータ側である。回転軸2は、モータ側の回転軸とインペラ側の回転軸とをカップリングで連結することにより形成されている。また、図示の例では、ポンプケーシング7は3分割されており、中間ケーシング7bを介してモータ側のケーシング7aとインペラ側のケーシング7cとがボルト等で連結されている。
図7は、図6Aの部分拡大図であり、軸封装置を拡大して示す図である。図7に示されるように、グランドパッキン9を回転軸2の軸方向に押圧するパッキン押さえ4が、スタフィングボックス3に取り付けられている。パッキン押さえ4の取り付けは、スタフィングボックス3の側面に突設させたボルト(図示せず)を締め付けることにより行われる。このとき、ボルトを締め付けることによって、グランドパッキン9はパッキン押さえ4とスタフィングボックス3の内周側段部との間で軸方向に圧縮され、その内径が縮小し、外径が拡張する。こうして、ボルトの締め付け具合を調整することによって、グランドパッキン9と回転軸2の軸スリーブ5との間の隙間を十分に小さくしてポンプ1の内部流体の外部への漏れを抑制する。グランドパッキン9と軸スリーブ5との間の若干の隙間には、ランタンリング(換言すれば、封水リング)6を介して冷却及び潤滑用のシール流体が供給される。シール流体は、ポンプ1の外部に配置される供給装置から、ケーシング7の上面開口8a(図6A参照)を通る配管及びスタフィングボックス3内に形成される流路(図示省略)を通してランタンリング6に供給される。また、ケーシング7の側面開口8b(図6、図6A参照)を通して、ポンプ1の内部流体の漏れ等の確認が行われる。
グランドパッキン9を装着する際、パッキン押さえ4のボルトを締め付けすぎるとグランドパッキン9及び軸スリーブ5がその間の摩擦力の増加により摩耗し易くなる。特に、軸スリーブ5には、シール流体が十分に供給されずに、焼き付きが生じ易くなる。一方、ボルトの締め付けが緩いと、ポンプ1の内部流体が外部に漏れ易くなる。適切なシール性を得るためには、一定の押圧力をグランドパッキン9に加える必要があるが、これには、ボルトの締め付け具合を微妙に調整することが必要とされ、熟練者の技術が必要である。
また、グランドパッキン9は、経年劣化するため定期的に交換される必要がある。グランドパッキン9を交換するためには、通常、ケーシング7及び回転軸2を分解することが必要となる。具体的には、モータ側のケーシング7aが取り外され、モータ側の回転軸が、インペラ側の回転軸から分離される。その後、パッキン押さえ4のボルトが緩められてパッキン押さえ4がスタフィングボックス3から取り外される。次に、冶具を用いてグランドパッキン9をスタフィングボックス3内から引き出す作業が行われる。
しかし、例えば、繊維質を含むパルプ液等、ポンプ1の内部流体が異物を含む場合、異
物がグランドパッキン9及びランタンリング6の周囲に固着し、グランドパッキン9の取り出しが困難となる。特に、図示のようにランタンリング6がグランドパッキン9の中間に配置される場合には、ランタンリング6を中間位置に残したまま、モータ側とインペラ側の各々からグランドパッキン9を引き出す作業が行われる。この場合、ケーシング7をさらに分解して、インペラ側のケーシング7cを取り外すことが必要となり、結局、ポンプ1の全体が分解される。そして、新しいグランドパッキンを装着する際には、再度、上記したような熟練者の作業が必要になる。
特開2003−65288号公報は、ランタンリングの外周に、スタフィングボックスの内周面に対して接触する複数のランタンリング支持部と、スタフィングボックスの内周面に対して非接触をなす非接触部を設けることによって、グランドパッキン交換時のランタンリングの引き抜きを容易にすることを提案している。また、特開2010−59868号公報は、ランタンリングとラビリンスパッキンとを半円弧状に二分割に形成することにより、ポンプを分解することなくこれらの回転軸への着脱を行うことを提案している。
特開2003−65288号公報 特開2010−59868号公報
本発明の一実施形態の目的は、ポンプを全分解する必要なくパッキン部材の交換を行うことができる、軸封装置を提供することである。また、本発明の一実施形態の目的は、ポンプを全分解する必要なくパッキン部材の交換を行うことができる、軸封装置を備えるポンプを提供することである。また、本発明の一実施形態の目的は、熟練者による作業に依らずにパッキン部材を適切に位置決めすることができる、軸封装置を提供することである。また、本発明の一実施形態の目的は、熟練者による作業に依らずにパッキン部材を適切に位置決めすることができる、軸封装置を備えるポンプを提供することである。
本発明の一実施形態によれば、インペラを回転させる回転軸を備えるポンプのための軸封装置であって、スタフィングボックス内に挿入される回転軸の外周面とスタフィングボックスの内周面との間に配置される外側スリーブと、外側スリーブ内に配置されるパッキン部材と、を備えており、外側スリーブは、インペラの側に配置される軸方向一端部に、半径方向内側に延びる内側フランジ部を備えており、パッキン部材は、直径方向に二分割されている、軸封装置が提供される。この構成によれば、外側スリーブは、インペラの側に配置される軸方向一端部に、半径方向内側に延びる内側フランジ部を備えている。従って、スタフィングボックス内の外側スリーブがモータ側から引き出されると、外側スリーブ内の全てのパッキン部材が、内側フランジ部に押されてスタフィングボックスから引き出される。さらに、パッキン部材は直径方向に二分割されているので、ポンプの回転軸を分解することなく、パッキン部材を回転軸から取り外すことができる。また、パッキン部材を装着する際には、外側スリーブの内側フランジ部によって、パッキン部材がスタフィングボックスの外側に抜け出すことを防止することができる。また、予め決められたパッキン押さえの押圧面と内側フランジ部との間の距離に基づいて、パッキン部材に対する押圧力を調整することができる。従って、従来必要とされていた熟練者の作業が不要になる。
また、本発明の一実施形態によれば、内側フランジ部がランタンリングにより形成されている。この構成によれば、ポンプの内部流体が外側スリーブ内に漏れるおそれを効果的
に低減することができる。
また、本発明の一実施形態によれば、軸封装置は、外側スリーブ内に配置され、直径方向に二分割されたランタンリングを備える。この構成によれば、ランタンリングが直径方向に二分割されているので、ポンプの回転軸を分解することなく、ランタンリングを回転軸から取り外すことができる。従って、ランタンリングがパッキン部材の中間位置に配置されている場合でも、ランタンリングを回転軸から分離し、ランタンリングの後方(換言すれば、インペラ側)に位置するパッキン部材を回転軸から取り外すことができる。
また、本発明の一実施形態によれば、外側スリーブが直径方向に二分割されている。この構成によれば、外側スリーブごと、パッキン部材を回転軸から取り外すことができる。
また、本発明の一実施形態によれば、軸封装置は、外側スリーブ内に部分的に配置されるパッキン押さえを備える。
また、本発明の一実施形態によれば、上記のいずれかの軸封装置を備えるポンプが提供される。
図1は、本発明の第一実施形態による軸封装置を概略的に示す図である。 図2は、本発明の第一実施形態に使用されるパッキン部材を概略的に示す図である。 図3Aは、本発明の第一実施形態に使用されるランタンリングの一例を示す端面図である。 図3Bは、図3AのA−A線に沿った断面図である。 図4は、本発明の第二実施形態による軸封装置を概略的に示す図である。 図5Aは、本発明の第二実施形態に使用されるランタンリングの一例を示す端面図である。 図5Bは、図5AのB−B線矢視図である。 図6は、従来の軸封装置を備えるポンプの一例を示す外観図である。 図6Aは、図6のポンプの部分切欠き斜視図である。 図7は、図6Aの部分拡大図である。
[第一実施形態]
以下、図1〜図3Bを参照して、本発明の第一実施形態を説明する。図1は、本発明の第一実施形態による軸封装置10を概略的に示す図である。尚、以下の説明では、図1の左側をモータ側、右側をインペラ側と称する。また、パッキン部材の交換をモータ側から行う場合を考慮して、説明の便宜上、モータ側を「前方」、インペラ側を「後方」と称する場合がある。
本実施形態の軸封装置10は、ポンプのスタフィングボックス11内に挿入される回転軸12の外周面とスタフィングボックス11の内周面との間に配置される外側スリーブ13と、外側スリーブ13内に配置されるグランドパッキン(換言すれば、パッキン部材)14と、を備えている。15は、グランドパッキン14をインペラ300側へ押し込むためのパッキン押さえである。尚、図示されてはいないが、回転軸12には、軸スリーブが外嵌されていてよい。
[パッキン部材14について]
図2は、グランドパッキン14を概略的に示す図である。図2に示すように、各グラン
ドパッキン14は、実質的にリング状の外形を有しており、その中心穴に回転軸12が通されるように外側スリーブ13内に配置される。また、図2に示されるように、各グランドパッキン14は、直径方向に二分割された半体14a、14bを備える二分割構造を有している。尚、図1の例では、外側スリーブ13内に5つのグランドパッキン14が配置されているが、外側スリーブ13内に配置されるグランドパッキン14の数は特に限られない。
[外側スリーブ13について]
外側スリーブ13は、スタフィングボックス11の内周面に沿って延在する円筒部13aと、円筒部13aの軸方向一端部に形成され、スタフィングボックス11の側面(モータ側表面)に取り付けられる外側フランジ部13bと、円筒部13aの軸方向他端部に形成され、回転軸12に向けて半径方向内側に延びる内側フランジ部13cと、を備えている。図1に示すように、外側フランジ部13bはモータ側に配置され、内側フランジ部13cはインペラ300側に配置されている。外側スリーブ13とスタフィングボックス11との間、及び、外側スリーブ13とパッキン押さえ15との間には、ポンプの内部流体やシール流体の外部への漏れを防止するためのOリング16、17が配置されている。しかし、Oリング16、17の位置は図示の位置に限られない。
外側スリーブ13は、例えば硬質合成樹脂または金属等の、硬質材料で形成することができる。第一実施形態では、外側スリーブ13の内側フランジ部13cは、ランタンリングにより形成されている。ランタンリングは、通常、回転軸(または軸スリーブ)及びパッキン部材を冷却及び潤滑するシール流体を供給するための部材として、従来の軸封装置に使用される部材である。第一実施形態では、ランタンリングが、外側スリーブ13の部分を構成する。
図3Aは、内側フランジ部13cを形成するランタンリングの一例を示す端面図であり、図3Bは、図3AのA−A線に沿った断面図である。図3A及び図3Bに示すランタンリングは、回転軸12が通される中心開口120を備える実質的にリング状の外形を有している。ランタンリングの外周面には、スタフィングボックス11に形成される流路11aからのシール流体を受ける周方向溝121が形成されている。ランタンリングは、さらに、周方向溝121と中心開口120とを連通する連通路122を備えている。シール流体は、周方向溝121から連通路122を通り、中心開口120に流れる。中心開口120に流れ出たシール流体は、回転軸12(または軸スリーブ)の外周面とグランドパッキン14の内周面との間の僅かな隙間を満たし、回転軸12(または軸スリーブ)及びグランドパッキン14を冷却及び潤滑する。
しかし、第一実施形態に使用されるランタンリングは上記の形態に限られない。従来公知のランタンリングを、第一実施形態のランタンリングとして使用することができる。ランタンリングは、溶接または接着等により、外側スリーブ13の円筒部13aと一体化することができる。
[パッキン押さえ15について]
パッキン押さえ15として、従来公知のパッキン押さえを用いることができる。図示の例では、パッキン押さえ15は、外側スリーブ13の円筒部13aに沿って延在する円筒部15aと、円筒部15aの軸方向一端部に形成され、外側スリーブ13の外側フランジ部13bに取り付けられる取り付け部15bと、を備えている。パッキン押さえ15の円筒部15aは、外側スリーブ13内でグランドパッキン14を押圧する押込み部を形成している。締め付けボルト18で取り付け部15bを外側フランジ部13bに締め付けることができる。締め付けボルト18が締め付けられると、グランドパッキン14は押込み部15aと内側フランジ部13cとの間で軸方向に圧縮され、その内径は縮小し、外径は拡
張する。従って、締め付けボルト18の締め付け量を調整することにより、グランドパッキン14と回転軸12(または軸スリーブ)との間の隙間が調整され、ポンプの内部流体の漏れを低減することができる。尚、外側スリーブ13をスタフィングボックス11に取り付ける手段として、例えば、ボルト、または、いわゆるツイストロック式を採用することができる。本実施形態では、外側スリーブ13は、締め付けボルト18とは別個の取り付けボルト(図示せず)を介してスタフィングボックス11に取り付けられている。例えば、取り付けボルトとして、円柱形状のボルト頭部に六角形の穴を設けた六角穴付きボルトを用いることができる。この場合、ボルト頭部を配置する座ぐり部を形成するように、外側スリーブ13の外側フランジ部13bのモータ側表面を座ぐり加工することができる。これにより、外側フランジ部13bのモータ側表面からボルト頭部が突出することがない。取り付けボルトの位置は、締め付けボルト18と干渉しない位置であれば、特に限られない。締め付けボルト18と別個の取り付けボルトを用いることにより、外側スリーブ13をスタフィングボックス11の内部に残した状態で、グランドパッキン14を目視点検することができる。または、別個の取り付けボルトの代わりに、締め付けボルト18によって外側スリーブ13をスタフィングボックス11に取り付けることもできる。この場合、締め付けボルト18の長さを図示のものより大きくし、外側フランジ部13bに締め付けボルト18を通過させる貫通穴を設ける。ツイストロック式の場合、具体的には、外側スリーブ13の円筒部13aの外周面及びスタフィングボックス11の内周面のそれぞれに、半径方向に突出する歯部を設け、外側スリーブ13をスタフィングボックス11に対して所定角度回動させることにより、外側スリーブ13の歯部とスタフィングボックス11の歯部とを軸方向に係止させるように構成することができる。ツイストロック式の取り付け方法は、ボルトによる取り付け方法と比較して、複数のボルトの各々について行うことが必要とされる取り付け作業を、一度で完了することができるという利点を有する。
上記の軸封装置10において、グランドパッキン14の交換は、ポンプケーシングの側面開口(図6及び図6Aの8bを参照)を通して人手または冶具によって例えば、次のような手順で行うことができる。締め付けボルト18が緩められ、パッキン押さえ15が外側スリーブ13から取り外される。次に、取り付けボルト(図示せず)が緩められ、外側スリーブ13がスタフィングボックス11から前方に引き出される。このとき、グランドパッキン14は、外側スリーブ13の内側フランジ部13cによって外側スリーブ13ごとスタフィングボックス11からモータ側に引き出されている。直径方向に二分割されたグランドパッキン14が、半体ずつ、外側スリーブ13から抜き取られ、ケーシングの側面開口を通してポンプの外部に取り出される。
次に、新しいグランドパッキン14が、半体ずつ、外側スリーブ13に装着される。外側スリーブ13は、外側フランジ部13bがスタフィングボックス11の側面に当接するまで、スタフィングボックス11内を押し戻される。取り付けボルト(図示せず)が締め付けられた後、パッキン押さえ15の押込み部15aが外側スリーブ13に挿入され、締め付けボルト18による締め付けが行われる。パッキン押さえ15の押込み部15aによってグランドパッキン14が外側スリーブ13内をインペラ300側に押圧され、内側フランジ部13cに圧接する。このときの押圧力によりグランドパッキン14が位置決めされる(換言すれば、グランドパッキン14と回転軸12(または軸スリーブ)との間の隙間が調整される)。尚、グランドパッキン14が外側スリーブ13内を押圧される際、摺動によってグランドパッキン14の外周部が削られ、摺動粉が発生する場合がある。摺動粉を容易に除去するため、予め、外側スリーブ13内でグランドパッキン14を移動させた後、外側スリーブ13をスタフィングボックス11内に押し戻すことができる。具体的には、モータ側に引き出された外側スリーブ13にグランドパッキン14が装着され、人手又はパッキン押さえ15の押込み部15a等によってグランドパッキン14が外側スリーブ13内を、概ね内側フランジ部13cに当接する位置まで移動される。次に、例えば、外側フランジ部13b側の開口部を通してエアー等を外側スリーブ13内に吹き付ける
ことによって、摺動粉を外側スリーブ13内から除去することができる。その後、外側スリーブ13がスタフィングボックス11内を押し戻され、取り付けボルト(図示せず)及び締め付けボルト18が締め付けられる。このときの締め付けボルト18の締め付けによってグランドパッキン14が最終的に位置決めされる(すなわち、グランドパッキン14と回転軸12(または軸スリーブ)との間の隙間が調整される)。
上記したように、第一実施形態の軸封装置10では、グランドパッキン14が外側スリーブ13内に配置され、外側スリーブ13における、インペラ300側の軸方向一端部に、半径方向内側に延びる内側フランジ部13cが設けられている。従って、スタフィングボックス11内の外側スリーブ13がモータ側から引き出されると、全てのグランドパッキン14が、内側フランジ部13cに押されてスタフィングボックス11から引き出される。さらに、軸封装置10では、グランドパッキン14は直径方向に二分割されている。従って、従来技術と異なり、グランドパッキン14を取り出すために、カップリングで連結されたモータ側の回転軸とインペラ300側の回転軸とを分離する必要がない。第一実施形態では、ポンプの回転軸12を分解せずに、グランドパッキン14をポンプの外部に取り出すことができる。
また、グランドパッキン14を装着する際、パッキン押さえ15によって外側スリーブ13内に押込まれたグランドパッキン14は、内側フランジ部13cに当接する。従って、内側フランジ部13cによって、グランドパッキン14がスタフィングボックス11のインペラ300側から抜け出すことを防止することができる。
また、パッキン押さえ15の押込み部15aと外側スリーブ13の内側フランジ部13cとの間の距離として、グランドパッキン14の位置決めに適切な押圧力をグランドパッキン14に加えることができる、距離dを予め求めておくことができる。距離dに基づいて締め付けボルト18の締め付け量を調整することによって押圧力の調整を容易に行うことができるので、従来必要とされていた熟練者の作業が不要になる。このような距離に基づく調整は、例えば、トルクレンチを使用して行うことができる。
また、第一実施形態では、シール流体を供給するランタンリングによって、外側スリーブ13の内側フランジ部13cが形成されている。従って、シール流体は、スタフィングボックス11のインペラ300側の端部からグランドパッキン14に供給される。これにより、ポンプの内部流体が外側スリーブ13内に漏れるおそれを効果的に低減することができる。
[第二実施形態]
次に、図4〜図5Bを参照して、本発明の第二実施形態を説明する。図4は、本発明の第二実施形態による軸封装置20を概略的に示す図である。第二実施形態の軸封装置20では、外側スリーブ23の構成が、第一実施形態のものとは異なっている。具体的には、内側フランジ部23cが、円筒部23aと同一部材により形成されており、円筒部23aが、スタフィングボックス11の流路11aと連通する流路23dを備えている。また、グランドパッキン24及びランタンリング30が外側スリーブ23の円筒部23a内に配置されており、グランドパッキン24及びランタンリング30が、直径方向に二分割されている。その他の構成は、第一実施形態と同様であるので第一実施形態と同様の符号を使用し、詳細な説明は省略する。
図4の例では、ランタンリング30は、外側スリーブ23の円筒部23a内でグランドパッキン24の中間位置に配置されている。ランタンリング30は、直径方向に二分割されている。
図5Aは、本発明の第二実施形態に使用されるランタンリング30の一例を示す端面図である。図5Bは、図5AのB−B線矢視図であり、二分割されたランタンリング30の一方の半体30bを分割面(換言すれば、合わせ面)から見た図である。
図5A及び図5Bに示すように、ランタンリング30は、その外周面に、シール流体を受ける周方向溝131を有し、周方向溝131と中心開口130とを連通する連通路132を備えている。外側スリーブ23の流路23dから周方向溝131に供給されるシール流体は、連通路132及び中心開口130から回転軸12(または軸スリーブ)に沿って流れ、回転軸12(または軸スリーブ)およびグランドパッキン24を冷却および潤滑する。
第二実施形態では、ランタンリング30の半体30a、30bの各々は、分割面に開口する2つの連結用孔133を備えている。半体30aの連結用孔133と半体30bの連結用孔133とは、半体30a、30bの分割面を互いに対して位置決めするためのピン部材40を受け入れるように、互いに整列する位置に形成されている。しかし、半体30a、30bを互いに位置決めする手段は、ピン部材40と連結用孔133の組み合わせには限られない。例えば、一方の半体30aの分割面に突起を形成し、他方の半体30bの分割面に突起を受け入れる孔部を形成してもよい。
第二実施形態の軸封装置20では、第一実施形態と同様に、グランドパッキン24が外側スリーブ23内に配置され、外側スリーブ23における、インペラ300側の軸方向一端部に、半径方向内側に延びる内側フランジ部23cが設けられている。従って、スタフィングボックス11内の外側スリーブ23がモータ側から引き出されると、全てのグランドパッキン24が、内側フランジ部23cに押されてスタフィングボックス11から引き出される。また、グランドパッキン24は直径方向に二分割されているので、グランドパッキン24を取り出すために、モータ側の回転軸とインペラ300側の回転軸とを分離する必要がない。従って、ポンプの回転軸12を分解せずに、グランドパッキン24をポンプの外部に取り出すことができる。
また、グランドパッキン24を装着する際、パッキン押さえ15によって外側スリーブ23内に押込まれたグランドパッキン24は、内側フランジ部23cに当接する。従って、内側フランジ部23cによって、グランドパッキン24がスタフィングボックス11のインペラ300側から抜け出すことを防止することができる。
また、パッキン押さえ15の押込み部15aと外側スリーブ23の内側フランジ部23cとの間の距離として、グランドパッキン24に適切な押圧力を加えることができる距離を予め求めておくことができる。この距離に基づいて締め付けボルト18の締め付け量を調整することによって押圧力の調整を容易に行うことができるので、従来必要とされていた熟練者の作業が不要になる。
また、第二実施形態の軸封装置20は、外側スリーブ23内に配置され、直径方向に二分割されたランタンリング30を備えている。従って、ランタンリング30がグランドパッキン24の中間位置に配置されている場合でも、ランタンリング30を回転軸12から分離し、ランタンリング30の後方(換言すれば、インペラ300側)に位置するグランドパッキン24をポンプの外部に取り出すことができる。しかし、第二実施形態において、ランタンリング30の位置は、図4に示すような中間位置には限られない。ランタンリング30は、例えば、内側フランジ部23cに隣接して配置されてもよい。この場合、ランタンリング30の位置に応じて、外側スリーブ23の流路23dの位置も変更され得る。
また、第一及び第二実施形態では、外側スリーブ13、23が直径方向に二分割されていてもよい。この場合、外側スリーブ13、23ごと、グランドパッキン14、24をポンプの外部に取り出すことができる。また、グランドパッキン14、24が予め外側スリーブ13、23内のインペラ側に配置された状態で、外側スリーブ13、23をスタフィングボックス11に挿入することができる。これにより、グランドパッキン14、24を外側スリーブ13、23の内周面に対して摺動させることなく、グランドパッキン14、24を位置決めすることができる。上記従来技術では、グランドパッキン9をインペラ側に位置決めするために、グランドパッキン9をスタフィングボックス3に対して摺動させることが必要である。従って、従来技術では、グランドパッキン9に摩耗や座屈が生じるおそれがある。直径方向に二分割された外側スリーブ13、23を用いることによって、摺動によって生じ得るグランドパッキン14、24の摩耗や座屈の発生を防止することができる。また、グランドパッキン14、24を点検する際、外側スリーブ13、23をスタフィングボックス11の内部に残したまま行う目視点検と、グランドパッキン14、24を外側スリーブ13、23ごとポンプの外部に取り出す分解点検との2種類の点検方法が可能になる。従って、比較的手間のかかる分解点検を、例えば6か月ごと等の定期的に行い、日常業務として目視点検を行うことで、軸封装置の異常状態や不具合を早期に発見することができる。また、第一実施形態における外側スリーブ13とグランドパッキン14との組み合わせ、または、第二実施形態における外側スリーブ23、グランドパッキン24及びランタンリング30の組み合わせを、交換可能なユニットとして構成することもできる。
また、上記各実施形態では、パッキン部材としてグランドパッキンが使用されているが、パッキン部材の種類は特に限られない。従来、ポンプの軸封装置に使用されるパッキン部材を使用することができる。他の実施形態では、例えば、ラビリンスパッキンを使用することができる。また、グランドパッキンとラビリンスパッキンとが併用されてもよい。
また、上記各実施形態が適用されるポンプの種類は特に限られない。
本発明は、ポンプのための軸封装置に広く適用することができる。
1…ポンプ
2…回転軸
3…スタフィングボックス
4…パッキン押さえ
5…軸スリーブ
6…ランタンリング
7…ポンプケーシング
7a…モータ側ケーシング
7b…中間ケーシング
7c…インペラ側ケーシング
8a…上面開口
8b…側面開口
9…グランドパッキン
10…軸封装置
11…スタフィングボックス
11a…流路
12…回転軸
13…外側スリーブ
13a…円筒部
13b…外側フランジ部
13c…内側フランジ部(ランタンリング)
14…グランドパッキン(パッキン部材)
14a、14b…半体
15…パッキン押さえ
15a…円筒部
15b…取り付け部
16、17…Oリング
18…ボルト
20…軸封装置
23…外側スリーブ
23a…円筒部
23b…外側フランジ部
23c…内側フランジ部
23d…流路
24…グランドパッキン(パッキン部材)
30…ランタンリング
30a、30b…半体
120…中心開口
121…周方向溝
122…連通路
130…中心開口
131…周方向溝
132…連通路
133…連結用孔
40…ピン部材
300…インペラ
d…距離

Claims (6)

  1. インペラを回転させる回転軸を備えるポンプのための軸封装置であって、
    スタフィングボックス内に挿入される前記回転軸の外周面と前記スタフィングボックスの内周面との間に配置される外側スリーブと、
    前記外側スリーブ内に配置されるパッキン部材と、を備えており、
    前記外側スリーブは、前記インペラの側に配置される軸方向一端部に、半径方向内側に延びる内側フランジ部を備えており、
    前記パッキン部材は、直径方向に二分割されている、軸封装置。
  2. 前記内側フランジ部がランタンリングにより形成されている、請求項1に記載の軸封装置。
  3. 前記外側スリーブ内に配置され、直径方向に二分割されたランタンリングを備える、請求項1に記載の軸封装置。
  4. 前記外側スリーブが直径方向に二分割されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の軸封装置。
  5. 前記外側スリーブ内に部分的に配置されるパッキン押さえを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の軸封装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸封装置を備えるポンプ。
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