JP2006057734A - 軸封装置 - Google Patents

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哲郎 赤松
Hideaki Tani
英明 谷
Akihiro Kawaguchi
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Abstract

【課題】給水装置を用いることなく、乾燥運転時においてもグランドパッキンと回転軸との摩擦による回転軸の温度上昇を抑制できる軸封装置を提供する。
【解決手段】主軸10の外周側を囲むケーシング20と、ケーシング20の上端面に固定される円盤部材30と、ケーシング20の上端面に円盤部材30を固定することで形成される主軸10とケーシング20と円盤部材30とに囲まれた空間に設けられる軸封部40とで軸封装置が構成される。軸封部40は、ケーシング側突出部20aの上面と円盤部材30の下端面との間に狭持される。また、軸封部40において、各グランドパッキン42は、その内周面及び外周面のそれぞれがパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面とに密着するとともに、環状部材45は、その内周面及び外周面のそれぞれがケーシング20の内周面とパッキンケース41の外周面とに密着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケーシングと回転軸の隙間をシールする軸封装置に関する。
従来より、水車やポンプにおいて、ケーシングと回転軸の隙間をシールする軸封装置にグランドパッキンを用いたものが知られている。これら水車及びポンプでは、グランドパッキンがケーシングと回転軸とに密着した状態に保たれるため、回転軸が回転する際に回転軸とグランドパッキンの間に摩擦が生じて回転軸が発熱する。これに対し、これら水車及びポンプに給水装置を設け、回転軸とグランドパッキンの摺動面を水で潤滑するとともに回転軸及びグランドパッキンを水で冷却するものが知られている。
このように、水車やポンプなどの回転機に使用される軸封装置として、例えば図6のような構成のものがある。この軸封装置において、回転軸100の外周面のうちケーシング101の内周面に対向する部分が全周に亘って軸スリーブ100aで覆われている。また、回転軸100の外周側には、環状に形成されるとともに該回転軸100を囲むケーシング101が設けられている。
上記ケーシング101は、その内周面の全体が回転軸100の外周面に対向する一方、その下部に該ケーシング101の半径方向内方へ突出する突出部103を有している。また、ケーシング101には、その外周面の一箇所に該ケーシング101の半径方向内方へ延びる凹部104が形成され、凹部104の底面とケーシング101の内周面とに開口するとともに該ケーシング101の半径方向に貫通する給水孔105が形成されている。そして、この凹部104には、給水装置(図示せず)に接続されるとともにケーシング101と軸スリーブ100aの隙間に給水を行う給水ホース106が挿入される。
一方、ケーシング101と軸スリーブ100aの隙間には、ランタンリング107と複数のグランドパッキン102(図6では4つのグランドパッキン102を示す)とが設けられている。各グランドパッキン102は、環状に形成され、その外周面がケーシング101の内周面に密着するとともに、その内周面が軸スリーブ100aの外周面に密着している。また、グランドパッキン102と同様に環状に形成されるランタンリング107は、その径方向の厚みがケーシング101と軸スリーブ100aの隙間の幅よりも小さく、その外周面のみがケーシング101の内周面に密着している。そして、このランタンリング107には、ケーシング101の給水孔105と連通するとともに該ランタンリング107の半径方向に貫通する貫通孔108が形成されている。
また、4つのグランドパッキン102のうちの2つをその端面が互いに当接するように突出部103の上面に積み重ねて載置し、上側に位置するグランドパッキン102の上端面にランタンリング107の下端面を当接させるとともに、ランタンリング107の上端面に残りの2つのグランドパッキン102をその端面が互いに当接するように載置することで、これらグランドパッキン102及びランタンリング107がケーシング101と軸スリーブ100aの隙間に保持されている。更に、これらグランドパッキン102を、ボルト等によりケーシング101の上端面に固定されたパッキン押え109で押し込むことにより、各グランドパッキン102がその半径方向に膨張するように変形し、各グランドパッキン102が軸スリーブ100aの外周面とケーシング101の内周面の両方に確実に密着する。
上述のように、ランタンリング107は、その径方向の厚みがケーシング101と軸スリーブ100aの隙間の幅よりも小さく、その外周面のみがケーシング101の内周面に密着しているため、軸スリーブ100aとランタンリング107の間に隙間が形成される。一方、ランタンリング107の上下端面には、ケーシング101の内周面と軸スリーブ100aの外周面とに密着するグランドパッキン102が当接している。よって、軸スリーブ100aとランタンリング107の間に、回転軸100の全周に亘って環状の空間110が形成される。
尚、図6に示す軸封装置を備えた水車では、回転軸100の下端部分に可動翼(図示せず)が取り付けられ、ケーシング101の下方に河川水が貯留する部分(図示せず)が設けられるとともに、ケーシング101の上方が大気側となっている。そして、ケーシング101の上方とケーシング101の下方とは、ケーシング101と回転軸100の隙間に設けられるグランドパッキン102によって仕切られている。
このような水車において、ダム等より落下してきた河川水が回転軸100に取り付けられた可動翼に接触すると、この可動翼に作用する水圧によって回転軸100が回転する。また、乾燥運転時において、回転軸100が回転すると、軸スリーブ100aが、該軸スリーブ100aに密着するグランドパッキン102に対して摺動し、軸スリーブ100aの外周面とグランドパッキン102の内周面との間に摩擦が生じて軸スリーブ100aを含む回転軸100が発熱する。
それに対して、回転軸100が回転する際に、給水ホース106から給水孔105及び貫通孔108を通じて一定の圧力の水が軸スリーブ100aとランタンリング108とに囲まれた空間110に供給される。そのため、軸スリーブ100aとグランドパッキン102との間に水が注入され、軸スリーブ100aの外周面とグランドパッキン102の内周面との摺動面が潤滑される。これにより、軸スリーブ100aの外周面とグランドパッキン102の内周面との摩擦が減り、乾燥運転時における上述の回転軸100の発熱が抑制される。
また、豪雨時には、ダム等より落下する河川水の量が大幅に増加し、ケーシング101の下方に設けられた河川水が貯留する部分の水位が大幅に上昇するため、この河川水がケーシング101と軸スリーブ100aの隙間に入り込もうとする。このとき、軸スリーブ100aに対するグランドパッキン102の押圧力が小さいと、異物やスラリー等を含む河川水が軸スリーブ100aとグランドパッキン102の間に入り込み、グランドパッキン102に対する軸スリーブ100aの摺動性を著しく低下させるおそれがある。
それに対して、給水ホース106から給水孔105及び貫通孔108を通じて河川水の圧力よりも高い圧力の水を軸スリーブ100aとランタンリング108とに囲まれた空間110に供給すると、軸スリーブ100aとグランドパッキン102との間に水が注入され、異物やスラリー等を含む河川水が軸スリーブ100aとグランドパッキン102の間に入り込むことが防止される。
また、上記のように構成された水車の他に、ダム等から落下する水を給水装置に使用し、この水を封水室に供給することで乾燥運転時における主軸の発熱を防止するものが知られている(特許文献1参照)。
実開平5−42677号公報
しかしながら、図6にも示すように、水車やポンプに用いられる軸封装置は、グランドパッキンがケーシングの内周面と軸スリーブの外周面とに密着する構造であるため、回転軸に軸ぶれが生じると、グランドパッキンと軸スリーブとの接触面の面圧が増加し、回転軸の温度が上昇するとともにグランドパッキンの摩耗量が増加する。それに対して、図6に示す軸封装置は、給水装置を用いてランタンリングと軸スリーブの隙間に水を供給することで、単に回転軸とグランドパッキンとの摩擦による回転軸の温度上昇を防止している。
しかしながら、この図6に示す軸封装置のように、給水装置を用いて回転軸の軸ぶれに伴う回転軸の温度上昇を抑制できたとしても、この給水装置を設けることにより、軸封装置が大型化するだけでなく、給水装置の漏水対策として給水ホース等の配管を確実にシールする必要があり、軸封装置の構成が複雑化するとともに軸封装置の製造工程が煩雑化するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、給水装置を用いることなく、乾燥運転時においてもグランドパッキンと回転軸との摩擦による回転軸の温度上昇を抑制できる軸封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の軸封装置は、ケーシングと該ケーシングの内周側で回転する回転軸の隙間をシールする軸封装置であって、前記ケーシングの内周側と前記回転軸の外周側との間に設けられ、前記ケーシングの内周側と前記回転軸の外周側の隙間をシールする環状のグランドパッキンと、前記回転軸の軸ぶれを吸収する軸ぶれ吸収機構とを備え、前記ケーシングは、その半径方向内方に突出する突出部を下端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面がL字型に形成されるとともに、前記突出部にて前記グランドパッキンを支持することを特徴とする。
このような軸封装置において、前記ケーシングの上方に設けられ、その下端面が前記ケーシングの上端面に当接するとともにその下端面の内径が前記ケーシングの上端面の内径よりも小さい円盤部材を備える一方、前記回転軸の外周面と、前記ケーシングの内周面と、前記ケーシングの突出部の上面と、前記円盤部材の下端面とに囲まれた空間に、その半径方向内方に突出する突出部を下端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面がL字型に形成されるとともに、前記突出部の上面に前記グランドパッキンが載置され、その内周面に前記グランドパッキンの外周面が密着するように前記グランドパッキンを内周側に支持する下側支持部材と、その半径方向外方に突出する突出部を上端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面が逆L字型に形成されるとともに、前記下側支持部材の上端面に固定され、その下端側が前記下側支持部材の内周面と前記回転軸の外周面の隙間に挿入されることで前記突出部の上面に載置される前記グランドパッキンを下方に押圧して支持する上側支持部材と、前記ケーシングの内周面と前記下側支持部材の外周面とに全周に亘って密着する環状部材とが設けられるものとしても構わない。
このとき、前記下側支持部材の外周面に、該下側支持部材の全周に亘る凹溝が形成され、前記凹溝に、前記環状部材が設けられる。
また、上述の軸封装置それぞれにおいて、前記グランドパッキンは複数設けられ、前記複数のグランドパッキンそれぞれの間には、その両端面に放射状に延びる溝が多数形成された環状の廻り止め板が1つずつ設けられ、前記上側支持部材における前記グランドパッキンの端面に当接する端面に、前記廻り止め板の両端面に形成される溝と同形状の溝が多数形成されるものとしても構わない。そして、上側支持部材により各グランドパッキンを下方へ押圧すると、上側支持部材の下端面や廻り止め板の両端面に密着する各グランドパッキンの端面が上側支持部材の下端面の溝や廻り止め板の両端面の溝に食い込むとともに、各グランドパッキンがその半径方向に膨張するように変形する。
また、上述の軸封装置それぞれにおいて、前記グランドパッキンは、その外周面が前記下側支持部材の内周面に密着するとともにその内周面が前記回転軸の外周面に密着した状態で、前記下側支持部材の内周面と前記回転軸の外周面の隙間に保持されるものとしても構わない。
このとき、前記下側支持部材と前記上側支持部材と前記グランドパッキンと前記環状部材とで構成される軸封部が、前記円盤部材と前記ケーシングの突出部との間に狭持されるとともに、前記環状部材を弾性体で構成し、前記軸ぶれ吸収機構として動作させる。これにより、回転軸に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じると、ケーシングの内周面と下側支持部材の外周面とに密着する環状部材が変形し、軸ぶれ吸収機構として動作する環状部材によって回転軸の軸ぶれが吸収される。
また、このとき、前記上側支持部材における前記グランドパッキンに当接する端面と反対側の端面と、前記円盤部材の下端面とに密着するOリングが設けられる。これにより、回転軸に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じると、Oリングが円盤部材に対して摺動する。尚、Oリングは、その表面全体がテフロン(登録商標)等の樹脂で被覆されていてもよい。そして、Oリングの表面全体をテフロン(登録商標)等の樹脂で被覆すると、Oリングと円盤部材の下端面との摩擦力が減少し、円盤部材に対するOリングの摺動性が向上する。
更に、このとき、前記上側支持部材における前記グランドパッキンに当接する端面と反対側の端面に環状の凹溝が形成され、前記凹溝に、前記Oリングが嵌め込まれる。
また、上述の軸封装置それぞれにおいて、前記環状部材は、その断面が三角形状に形成され、前記環状部材の底部が前記凹溝の底面に密着するとともに前記環状部材の底部と対向する頂部が前記ケーシングの内周面に密着するものとしても構わない。
また、上述の軸封装置それぞれにおいて、前記凹溝は、前記下側支持部材の外周面に複数形成され、前記各凹溝に、前記環状部材が1つずつ嵌め込まれる一方、前記下側支持部材の半径方向と垂直な方向に貫通することでその上下両端面に開口するとともに、前記下側支持部材の外周面における隣接する凹溝の間に対しても開口する孔が前記下側支持部材に形成されるものとしても構わない。このように、ケーシングの内部に軸封部が設けられて軸封装置が構成されるとき、ケーシングの内周面と回転軸の外周面の隙間に、グランドパッキンと環状部材とによって回転軸の全周に亘る複数の空間が分離形成される。これに対し、下側支持部材の内部に前記孔を形成することで、これら空間が前記孔を通じて繋がるため、これら空間の圧力が均一に保たれる。
また、上述の軸封装置それぞれにおいて、前記回転軸の外周側を該回転軸の全周に亘って覆うとともに、その下端から上端にかけて外径が大きくなるように形成された段付き部が全周に亘って設けられる軸スリーブを備え、前記軸スリーブは、前記段付き部よりも下側の部分の外径が前記グランドパッキンの内径よりも小さく、前記段付き部よりも上側の部分の外径が前記グランドパッキンの内径よりも若干大きく形成される一方、前記回転軸の外周面と、前記ケーシングの内周面と、前記ケーシングの突出部の上面と、前記円盤部材の下端面とに囲まれた空間において、前記下側支持部材と前記上側支持部材と前記グランドパッキンと前記環状部材とで構成される軸封部が、前記下側支持部材の下端面が前記ケーシングの突出部の上面に当接する状態から前記上側支持部材の上端面が前記円盤部材の下端面に当接する状態まで移動可能に構成され、前記下側支持部材の下端面が前記ケーシングの突出部の上面に当接する状態では、前記上側支持部材の下端面に当接する前記グランドパッキンの端面の位置が、前記段付き部の下端の高さと概ね等しいか、或いは前記段付き部の下端の高さよりも低く、前記グランドパッキンの内周面と前記軸スリーブの外周面の隙間が前記軸ぶれ吸収機構として働くとともに、前記軸封部が、前記上側支持部材の下端面に当接する前記グランドパッキンの端面が前記段付き部の上端よりも高い位置に移動すると、前記グランドパッキンの内周面が前記軸スリーブの外周面に密着し、前記グランドパッキンの内周面と前記軸スリーブの外周面の隙間がシールされるものとしても構わない。
これにより、乾燥運転時には、軸封部における下側支持部材の下端面がケーシングの突出部の上面に当接する状態となるため、グランドパッキンの内周面と軸スリーブの外周面の間に隙間が設けられ、回転軸に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じても、この隙間が軸ぶれ吸収機構として働くことで該回転軸がグランドパッキンと接触することなく回転する。一方、豪雨時には、軸封部が水圧によって上方へ押し上げられる。このとき、グランドパッキンの内周面が軸スリーブの外周面に密着し、グランドパッキンの内周面と軸スリーブの外周面の隙間が確実にシールされる。
このとき、前記下側支持部材の外周面に、該下側支持部材の全周に亘る凹溝が形成され、前記環状部材は、Oリングと、その外径がケーシングの内径と概ね等しいとともに内周側が開口したコ字型の断面を有する環状のコ字型部材とによって構成されており、前記凹溝にOリングを設け、更に前記凹溝に前記コ字型部材の開口側を嵌め込むことにより、前記コ字型部材の外周面に前記ケーシングの内周面が当接するとともに前記凹溝の底面と前記コ字型部材の内周面とに前記Oリングが密着する。これにより、軸封部が、下側支持部材の下端面がケーシングの突出部の上面に当接する状態から上側支持部材の上端面が円盤部材の下端面に当接する状態まで移動するとき、ケーシングの内周面に当接するコ字型部材の外周面が、ケーシングの内周面に対して摺動する。
また、このような軸封装置において、前記回転軸の外周側を該回転軸の全周に亘って覆う弾性部材により構成される軸スリーブと、その半径方向外方に突出する突出部を上端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面が逆L字型に形成されるとともに、前記ケーシングの上端面に固定され、その下端側が前記ケーシングの内周面と前記軸スリーブの外周面の隙間に挿入されることで前記ケーシングの突出部の上面に載置される前記グランドパッキンを下方に押圧して支持する支持部材とを備え、前記弾性部材は、その上端部と下端部とにおける内周面が前記回転軸の外周面に密着するとともに、その上端部と下端部の間における前記弾性部材の内周面全周に亘って凹部が設けられ、前記弾性部材における凹部が設けられた部分の内周面と前記回転軸の外周面の間に隙間が設けられることで前記弾性部材が前記軸ぶれ吸収機構として働くとともに、前記グランドパッキンは、その内周面と外周面のそれぞれが前記弾性部材における凹部が設けられた部分の外周面と前記ケーシングの内周面とに密着する状態で、前記弾性部材における凹部が設けられた部分の外周面と前記ケーシングの内周面の隙間に保持されるものとしても構わない。
これにより、回転軸に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じると、弾性部材における凹部が設けられた部分の外周面のうちグランドパッキンの内周面に密着する部分が、その半径方向内方へ凹むように撓んで変形し、軸ぶれ吸収機構として働く弾性部材によって回転軸の軸ぶれが吸収される。
このとき、前記軸スリーブが、前記弾性部材と、前記回転軸の外周側を該回転軸の全周に亘って覆うとともにその下端部が前記弾性部材の上端部に当接する金属部材と、前記弾性部材の上端部と前記金属部材の下端部とに挿入されることで前記弾性部材と前記金属部材とを接続するピンとによって構成される。
また、上述の軸封装置それぞれにおいて、前記グランドパッキンは複数設けられ、前記複数のグランドパッキンそれぞれの間には、その両端面に放射状に延びる溝が多数形成された環状の廻り止め板が1つずつ設けられ、前記支持部材における前記グランドパッキンと当接する端面に、前記廻り止め板の両端面に形成される溝と同形状の溝が多数形成されるものとしても構わない。そして、支持部材により各グランドパッキンを下方へ押圧すると、支持部材の下端面や廻り止め板の両端面に密着する各グランドパッキンの端面が該支持部材の下端面の溝や該廻り止め板の両端面の溝に食い込むとともに、各グランドパッキンがその半径方向に膨張するように変形する。
本発明によれば、ケーシングの内周面と回転軸の外周面の隙間に上側支持部材及び下側支持部材を設け、グランドパッキンの内周面及び外周面のそれぞれを下側支持部材の内周面と回転軸の外周面とに密着させた状態で該グランドパッキンを上側支持部材と下側支持部材の間で支持するとともに、環状部材をケーシングの内周面と下側支持部材の外周面とに密着させることで、乾燥運転時に回転軸に軸ぶれが生じても、環状部材の変形により回転軸の軸ぶれを吸収することができ、グランドパッキンと回転軸との接触面において、その一部の面圧が過大となることを防止することができる。従って、本発明によれば、乾燥運転時においてもグランドパッキンと回転軸との摩擦による回転軸の温度上昇を抑制することができる。また、従来のような給水装置を用いる必要がないため、軸封装置を小型化できるとともに軸封装置の構成を簡素化でき、更には軸封装置の製造工程を単純化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の各実施形態における軸封装置として、水車に用いられる軸封装置を例に挙げて説明するが、水車に限られるものではなく、ポンプなどの回転機においても適用可能である。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本実施形態の水車は、主軸10の外周側を囲むケーシング20と、ケーシング20の上端面に固定される円盤部材30と、ケーシング20の上端面に円盤部材30を固定することで形成される主軸10とケーシング20と円盤部材30とに囲まれた空間に設けられる軸封部40とで構成される軸封装置を備えている。
そして、上記主軸10は、その断面形状が円形であって、棒状に形成されている。この主軸10は、水車の回転軸として機能するものである。また、この主軸10は、その外周側をケーシング20に囲まれており、その外周面のうちケーシング20の内周面に対向する部分が全周に亘って金属製の軸スリーブ10aで覆われている。
主軸10の外周側に設けられるケーシング20は、円筒状に形成され、その中心部分に設けられた穴に主軸10が挿通可能な構成とされている。また、このケーシング20は、その上下両端面が平らに形成されており、その内周面の全体が主軸10の外周面に対向する一方、その下部に該ケーシング20の半径方向内方へ突出するケーシング側突出部20aを有することで、その主軸10の延びる方向における断面が略L字型となっている。このように、ケーシング20は、外径が互いに等しく、且つ内径が異なる2つの円筒部材が上下に重なった形状に形成されている。
また、ケーシング側突出部20aの上面は、主軸10の延びる方向に対して垂直な面、即ちケーシング20の上下両端面と平行な面となっている。そして、このケーシング側突出部20aの上面には、ケーシング20の全周に亘って該ケーシング20と一体化した突起部20bが設けられており、この突起部20bの上面は平らに形成されている。
また、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に、軸封部40が設けられている。この軸封部40は、その下端側が上記突起部20bの上面に当接するとともに、その高さが主軸10の延びる方向における突起部20bの上面からケーシング20の上端面に至るまでの長さと概ね等しくなっている。つまり、この軸封部40の下端側を上記突起部20bの上面に当接させたとき、軸封部40の上面がケーシング20の上端面と概ね同じ高さに位置する。
具体的に、この軸封部40は、下側支持部材としてのパッキンケース41と、複数のグランドパッキン42と、複数の廻り止め板43と、上側支持部材としてのパッキン押え44と、複数の環状部材45と、Oリング46とによって構成されている。
このうちパッキンケース41は、円筒状に形成され、その中心部分に設けられた穴に主軸10が挿通可能な構成とされている。また、パッキンケース41は、その半径方向の幅が軸スリーブ10aの外周面とケーシング20の内周面の隙間の幅よりも小さくなっている。更に、パッキンケース41は、その上下両端面が平らに形成され、その上端面における同一円周上にボルト47を挿入するための穴41aが複数設けられている。
また、パッキンケース41は、その内周面の全体が軸スリーブ10aの外周面に対向するととともにその外周面の全体がケーシング20の内周面に対向する一方、その下部に該ケーシング20の半径方向内方へ突出するパッキンケース側突出部41bを有することで、その主軸10の延びる方向における断面が略L字型となっている。このように、パッキンケース41は、外径が互いに等しく、且つ内径が異なる2つの円筒部材が上下に重なった形状に形成されている。そして、パッキンケース側突出部41bの上面は、主軸10の延びる方向に対して垂直な面、即ちケーシング20の上下両端面と平行な面となっている。
更に、パッキンケース41は、その外周面の2箇所に該パッキンケース41の全周に亘る凹溝41cを有している。そして、パッキンケース41は、その下端面がケーシング20の突起部20bの上面に当接するとともに、軸スリーブ10aの外周面とパッキンケース41の内周面及びパッキンケース41の外周面とケーシング20の内周面の間に隙間が生じる状態で、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に載置されている。
また、パッキンケース41の内部には、圧力バランス孔48が複数形成されている。各圧力バランス孔48は、パッキンケース41の半径方向と垂直な方向に貫通することで該パッキンケース41の上端面と下端面とに開口するとともに、パッキンケース41の外周面における一方の凹溝41cと他方の凹溝41cの間に対しても開口している。
パッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間には、複数のグランドパッキン42(例えば、3つ)と複数の廻り止め板43(例えば、2つ)とが設けられている。具体的には、図2に示すように、各グランドパッキン42は環状に形成されており、その半径方向と垂直な方向の断面が正方形ないし長方形となっている。
また、各グランドパッキン42には、該グランドパッキン42を主軸10の外周に嵌め込み可能なように、その径方向に切断されたカット面42aがグランドパッキン42の周方向の1箇所に形成されている。このカット面42aは、グランドパッキン42の半径方向と垂直な方向に対し30〜45度程度傾斜している。また、グランドパッキン42は、その半径方向の幅がパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間の幅よりも若干大きくなっている。
各廻り止め板43は、金属製もしくは樹脂製であり、その形状が環状であって薄板状に形成されている。また、各廻り止め板43は、その半径方向の幅がパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間の幅と概ね等しくなっている。更に、各廻り止め板43の上下両端面には、放射状に溝43aが多数形成されている。
具体的に、この溝43aは、各廻り止め板43の上下両端面において周方向に連続した複数の凸部と凹部とによって形成されている。また、この溝43aは、各廻り止め板43の上下両端面に、該廻り止め板43の内周端から外周端に亘って設けられており、該廻り止め板43の半径方向に延びている。更に、この溝43aは、各廻り止め板43の外周側から見た断面形状が三角形となっている。尚、この溝43aは、各廻り止め板43の外周側から見た断面形状が波形に形成されていてもよい。
そして、図2に示すように、各グランドパッキン42のカット面42aの位相を180度ずつずらした状態で3つのグランドパッキン42それぞれの間に廻り止め板43を1つずつ設け、各グランドパッキン42の端面を廻り止め板43の端面に当接させる。更に、図1に示すように、最も下側に位置するグランドパッキン42の下端面をパッキンケース側突出部41bの上面に当接させることで、これらグランドパッキン42及び廻り止め板43がパッキンケース41に支持される。また、このとき、各グランドパッキン42は、その外周面と内周面のそれぞれがパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面とに密着した状態で、パッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に保持されている。
また、パッキンケース41の外周面に該パッキンケース41の全周に亘って形成される凹溝41cには、ゴム等の弾性体からなる環状部材45が嵌め込まれている。この環状部材45は、その断面が内周面側を底とするとともに外周面側を頂点とする三角形状となっている。そして、この環状部材45は、その内周面側が凹溝41cの底面に密着するとともに、その外周面側がケーシング20の内周面に密着した状態で、ケーシング20の内周面とパッキンケース41の外周面における凹溝41cの隙間に保持されている。
更に、ケーシング20の上端面には、該ケーシング20の上端面にボルト47により固定されるとともに上記3つのグランドパッキン42を下方に押圧して支持するパッキン押え44が取り付けられている。このパッキン押え44は、円筒状に形成され、その中心部分に設けられた穴に主軸10が挿通可能な構成とされている。また、このパッキン押え44は、その上部に該パッキン押え44の半径方向外方へ突出するパッキン押え側突出部44aを有することで、その主軸10の延びる方向における断面が略逆L字型となっている。このように、パッキン押え44は、内径が互いに等しく、且つ外径が異なる2つの円筒部材が上下に重なった形状に形成されている。
具体的に、図1に示すように、パッキン押え44の下端面は、その外径がグランドパッキン42の外径よりも若干小さく、パッキン押え44の上端面は、その外径がケーシング20の内径よりも大きくなっている。また、図2に示すように、パッキン押え44の下端面には、廻り止め板43の上下両端面に形成される溝43aと同形状の溝44bが放射状に多数形成され、パッキン押え44の上端面には、その全周に亘って凹溝44cが形成されている。この凹溝44cは、その内周端の径が後述する円盤部材30の内径よりも大きくなっている。そして、この凹溝44cには、テフロン(登録商標)等の樹脂によって表面を被覆された環状のOリング46が嵌め込まれおり、Oリング46の厚みは凹溝44cの深さより大きくなっている。
更に、パッキン押え44における上記凹溝44cの外周側であってパッキン押え側突出部44aには、ボルト47を挿入して該パッキン押え44をパッキンケース41の上端面に固定するための穴44dが同一円周上に複数設けられている。この穴44dは、パッキン押え側突出部44aの半径方向と垂直な方向に貫通することで、該パッキン押え側突出部44aの上端面と下端面とに開口している。
そして、図1に示すように、パッキン押え44の下部をパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に挿入するとともに、パッキン押え44の下端面を3つのグランドパッキン42のうち最も上側に位置するグランドパッキン42の上端面に当接させ、パッキン押え44の穴44dにボルト47を挿入してボルト47の先端部分をパッキンケース41の穴41aに押し込むことで、各グランドパッキン42がパッキン押え44により下方へ押圧される。また、パッキン押え44により各グランドパッキン42を下方へ押圧すると、パッキン押え44の下端面や廻り止め板43の上下両端面に密着する各グランドパッキン42の端面が該パッキン押え44の下端面の溝44bや該廻り止め板43の上下両端面の溝43aに食い込むとともに、各グランドパッキン42がその半径方向に膨張するように変形する。よって、各グランドパッキン42がパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の両方に確実に密着する。
このように、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間では、環状部材45がケーシング20の内周面及びパッキンケース41の外周面における凹溝41cの底面に密着するとともに、各グランドパッキン42がパッキンケース41の内周面及び軸スリーブ10aの外周面に密着することで、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間が確実にシールされる。
また、本実施形態の円盤部材30は、その下端面がケーシング20の上端面に当接しており、ボルト等(図示せず)により該ケーシング20に固定されている。具体的に、この円盤部材30は、円筒状に形成され、その中心部分に設けられた穴に主軸10が挿通可能な構成とされている。また、この円盤部材30は、その内径がケーシング側突出部20aの内径と概ね等しくなっている。
そして、軸封部40におけるパッキンケース41の下端面をケーシング20の突起部20bの上面に載置したとき、上述のように、軸封部40の上面がケーシング20の上端面と概ね同じ高さに位置するとともに、パッキン押え44の凹溝44cに嵌め込まれるOリング46の厚みがこの凹溝44cの深さよりも大きくなっている。このため、Oリング46がパッキン押え44の凹溝44cの底面と円盤部材30の下端面とに密着し、パッキン押え44の上端面と円盤部材30の下端面の間に若干の隙間が形成された状態で、軸封部40が円盤部材30の下端面とケーシング側突出部20aの上面との間に狭持される。
このように、ケーシング20の内部に軸封部40が設けられて軸封装置が構成されるとき、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に、グランドパッキン42と環状部材45とOリング46とによって軸スリーブ10aの全周に亘る複数の空間が分離形成される。
具体的に、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間には、ケーシング20、円盤部材30、パッキンケース41、パッキン押え44、Oリング46、及び上側に位置する環状部材45によって囲まれた空間Aと、ケーシング20、パッキンケース41、及び2つの環状部材45によって囲まれた空間Bと、ケーシング20、パッキンケース41、及び下側に位置する環状部材45とによって囲まれた空間Cとが分離形成される。このとき、これら空間A〜Cは、それぞれがパッキンケース41に設けられた圧力バランス孔48によって繋がっているため、空間A〜Cの圧力が均一に保たれる。
尚、図1に示す軸封装置を備える水車では、主軸10の下端部分に可動翼(図示せず)が取り付けられ、ケーシング20の下方に河川水が貯留する部分(図示せず)が設けられるとともに、ケーシング20の上方が大気側となっている。そして、ケーシング20の上方とケーシング20の下方とは、グランドパッキン42と、環状部材45と、Oリング46とによって仕切られている。
このように構成された軸封装置を備える水車において、ダム等より落下してきた河川水が主軸10の下端部分に取り付けられた可動翼(図示せず)に接触すると、この可動翼に作用する水圧によって主軸10が回転する。
ここで、乾燥運転時において、ケーシング20の下方に設けられた河川水が貯留する部分の水位は、軸封部40の下面、即ちパッキンケース41の下端面の高さよりも低くなっている。このとき、主軸10が回転すると、軸スリーブ10aが、該軸スリーブ10aに密着するグランドパッキン42に対して摺動し、グランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の間に摩擦が生じる。また、主軸10に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じると、パッキン押え44の凹溝44cの底面と円盤部材30の下端面とに密着するOリング46が円盤部材30に対して摺動し、パッキンケース41の凹溝41cの底面とケーシング20の内周面とに密着する環状部材45が変形してケーシング20の内周面に働く環状部材45の押圧力が変化する。
このように、乾燥運転時に主軸10に軸ぶれが生じても、環状部材45が軸ぶれ吸収機構として働き、該環状部材45が主軸10の軸ぶれを吸収することで、グランドパッキン42と軸スリーブ10aとの接触面において、その一部の面圧が過大となることが防止される。
また、Oリング46の表面をテフロン(登録商標)等の樹脂で被覆することで、Oリング46と円盤部材30の下端面との摩擦力が減少する。よって、Oリング46を円盤部材30に対してスムーズに摺動させることができ、主軸10の軸ぶれに対する軸封部40の応答性を向上させることができる。
また、各グランドパッキン42の間に廻り止め板43を1つずつ挟み込み、パッキン押え44により各グランドパッキン42を押圧して各グランドパッキン42の端面がパッキン押え44の下端面の溝44b及び廻り止め板43の上下両端面の溝43aに食い込んだ状態とすることで、グランドパッキン42と廻り止め板43との周方向の摩擦力が増加する。よって、グランドパッキン42が主軸10と共に回転することを防止でき、パッキンケース41の内周面に密着する各グランドパッキン42の外周側の摩耗を阻止してパッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間を確実にシールすることができる。
更には、パッキンケース41に圧力バランス孔48を設けて空間A〜Cそれぞれの圧力を均等に保つことで、ケーシング20の内周面に働く環状部材45の押圧力が均等化されるため、グランドパッキン42と軸スリーブ10aの接触面の面圧が部分的に過大となることを防止できる。
一方、豪雨時には、ダム等より落下する河川水の量が大幅に増加し、ケーシング20の下方に設けられた河川水が貯留する部分の水位が大幅に上昇するため、この河川水がケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に入り込もうとする。しかしながら、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間は、グランドパッキン42と、環状部材45と、Oリング46とによってシールされている。このため、異物やスラリー等を含む河川水がケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に入り込むことが確実に防止される。
従って、本実施形態によれば、グランドパッキン42と軸スリーブ10aとの接触面において、その一部の面圧が過大となることを防止でき、乾燥運転時においてもグランドパッキン42と軸スリーブ10aとの摩擦による主軸10の温度上昇を抑制することができる。また、従来のような給水装置を用いる必要がないため、軸封装置を小型化できるとともに軸封装置の構成を簡素化でき、更には軸封装置の製造工程を単純化することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記実施形態1の水車に適用される軸封装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の軸封装置について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図3に示すように、本実施形態の軸封装置は、主軸10の外周側を囲むケーシング20と、ケーシング20と主軸10の隙間に設けられる軸封部40と、後述する弾性部材51とで構成されている。このうちケーシング20には、その上端面における同一円周上にボルト47を挿入するための穴20cが複数設けられている。
また、本実施形態の水車では、軸スリーブ10aが弾性部材51と金属部材52とによって構成されている。このうち弾性部材51は、軸スリーブ10aのうちケーシング20の内周面と対向する部分を構成している。そして、弾性部材51の上端部が金属部材52の下端部に当接するとともに、この弾性部材51の上端部と金属部材52の下端部とに複数のピン53が挿入されることで、弾性部材51と金属部材52とが接続されている。
具体的に、上記弾性部材51は、環状に形成されるとともに、その上端部と下端部の径方向の厚みが上記金属部材52の径方向の厚みと等しく、その上端部と下端部との内周面が主軸10の外周面に密着している。一方、弾性部材51は、その上端部と下端部との間の部分の厚みが上端部及び下端部の厚みよりも薄く、上端部と下端部の間における弾性部材51の内周面全周に亘って凹部51aが形成されている。そして、弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の内周面と主軸10の外周面の間に隙間が設けられることで、この弾性部材51が軸ぶれ吸収機構として働く。
また、本実施形態の軸封部40は、複数のグランドパッキン42と、複数の廻り止め板43と、パッキン押え44とによって構成されている。このうち複数のグランドパッキン42(例えば、3つ)は、ケーシング20の内周面と弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面の隙間に設けられている。
また、各グランドパッキン42の間には廻り止め板43が1つずつ設けられ、廻り止め板43の上下両端面は各グランドパッキン42の端面に当接している。そして、ケーシング側突出部20aの上面に最も下側に位置するグランドパッキン42の下端面を当接させた状態で、これらグランドパッキン42及び廻り止め板43がケーシング20に支持される。また、このとき、各グランドパッキン42は、その外周面と内周面のそれぞれがケーシング20の内周面と弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面とに密着した状態で、ケーシング20の内周面と弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面の隙間に保持されている。
更に、パッキン押え44の下部をケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に挿入するとともに、パッキン押え44の下端面を3つのグランドパッキン42のうち最も上側に位置するグランドパッキン42の上端面に当接させ、パッキン押え44の穴44dにボルト47を挿入してボルト47の先端部分をケーシング20の穴20cに押し込むことで、各グランドパッキン42がパッキン押え44により下方へ押圧される。また、パッキン押え44により各グランドパッキン42を下方へ押圧すると、パッキン押え44の下端面や廻り止め板43の上下両端面に密着する各グランドパッキン42の端面が該パッキン押え44の下端面の溝44bや該廻り止め板43の上下両端面の溝43aに食い込むとともに、各グランドパッキン42がその半径方向に膨張するように変形する。よって、各グランドパッキン42がケーシング20の内周面と弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面の両方に確実に密着する。
このように構成された軸封装置を備える水車において、主軸10が回転すると、軸スリーブ10aが、該軸スリーブ10aに密着するグランドパッキン42に対して摺動し、弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面とグランドパッキン42の内周面との間に摩擦が生じる。
ここで、上述のように、弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の内周面と主軸10の外周面の間には、隙間が設けられている。このため、主軸10に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じると、弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面のうちグランドパッキン42の内周面に密着する部分が、その半径方向内方へ凹むように撓んで変形する。すなわち、弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の内周面と主軸10の外周面とに囲まれた空間に向かって、弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面のうちグランドパッキン42の内周面に密着する部分が食い込むような状態となる。
このように、乾燥運転時に主軸10に軸ぶれが生じても、弾性部材51が軸ぶれ吸収機構として働き、該弾性部材51の凹部51aが主軸10の軸ぶれを吸収することで、グランドパッキン42の内周面と弾性部材51における凹部51aが設けられた部分の外周面との摩擦力が低減され、グランドパッキン42と軸スリーブ10aとの接触面において、その一部の面圧が過大となることが防止される。
従って、本実施形態によれば、軸封装置をケーシング20と、グランドパッキン42と、廻り止め板43と、パッキン押え44と、弾性部材51とによって構成することにより、軸封装置の部品点数を減らすことができるとともに軸封装置の構成を簡素化できる。また、軸スリーブ10aの外周面のうちグランドパッキン42の内周面に密着する部分を弾性部材51により構成することで、乾燥運転時においてもグランドパッキン42と軸スリーブ10aとの摩擦による主軸10の温度上昇を抑制することができる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3は、上記実施形態1の水車に適用される軸封装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の軸封装置について、上記実施形態1と異なる点を説明する。尚、本実施形態の水車では、パッキン押え44の上端面に形成される凹溝44c及び該凹溝44cに嵌め込まれるOリング46と、パッキン押え44の内部に形成される圧力バランス孔48とが省略されている。
図4及び図5に示すように、本実施形態の水車では、軸スリーブ10aの外周面に該軸スリーブ10aの全周に亘って段付き部54が設けられている。この段付き部54は、主軸10の延びる方向に対して略45度傾斜しており、その下端から上端にかけて外径が大きくなるように形成されている。そして、軸スリーブ10aの外径は、段付き部54よりも上側の方が段付き部54よりも下側と比べて大きくなっている。
また、ケーシング側突出部20aの上面には、その形状が薄板状であって環状に形成された台座61が載置されている。この台座61は、ケーシング側突出部20aの上面に固定されており、例えばゴム等の弾性体によって構成されている。
また、本実施形態の軸封部40は、パッキンケース41と、複数のグランドパッキン42と、複数の廻り止め板43と、パッキン押え44と、複数の環状部材であるOリング49及びコ字型部材50とによって構成されている。
このうち複数のグランドパッキン42(例えば、3つ)は、パッキンケース41の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に設けられている。各グランドパッキン42は、その内径が軸スリーブ10aのうち段付き部54よりも下側の部分の外径よりも大きく、段付き部54よりも上側の部分の外径よりも若干小さくなっている。また、各グランドパッキン42の間には廻り止め板43が1つずつ設けられ、廻り止め板43の上下両端面は各グランドパッキン42の端面に当接している。そして、パッキンケース側突出部41bの上面に最も下側に位置するグランドパッキン42の下端面を当接させた状態で、これらグランドパッキン42及び廻り止め板43がパッキンケース41に支持される。
更に、パッキンケース41の上端面にボルト47で固定されたパッキン押え44により各グランドパッキン42を下方に押圧すると、パッキン押え44の下端面や廻り止め板43の上下両端面に密着する各グランドパッキン42の端面が該パッキン押え44の下端面の溝44bや該廻り止め板43の上下両端面の溝43aに食い込み、各グランドパッキン42がその半径方向に膨張するように変形する。
ここで、本実施形態の軸封部40は、図4に示すように、そのパッキンケース41の下端面が台座61の上面に当接する状態から、図5に示すように、そのパッキン押え44の上端面が円盤部材30の下端面に当接する状態まで、主軸10の延びる方向に移動可能に構成されている。
また、図4に示すように、軸封部40は、そのパッキンケース41の下端面が台座61の上端面に当接する状態において、パッキン押え44の下端面に当接する最も上側に位置するグランドパッキン42の上端面の位置が段付き部54の下端の高さと概ね等しいか、或いは段付き部54の下端の高さよりも低くなっている。よって、このとき、グランドパッキン42は、その外周面がパッキンケース41の内周面に密着し、グランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の間に隙間が形成されるとともに、この隙間が軸ぶれ吸収機構として働く。
一方、図5に示すように、軸封部40が、パッキン押え44の下端面に当接する最も上側に位置するグランドパッキン42の上端面が段付き部54の上端よりも高い位置に移動すると、グランドパッキン42の内周面が軸スリーブ10aの外周面に密着し、グランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間がシールされる。
また、図4及び図5に示すように、パッキンケース41の外周面の2箇所に設けられる凹溝41cのそれぞれには、Oリング49とコ字型部材50とが設けられている。このうちOリング49は、その断面が円形に形成されている。また、コ字型部材50は、環状に形成され、その半径方向と垂直な方向の断面がコ字型に形成されて内周側が開口するとともに、その外径がケーシング20の内径と等しくなっている。
そして、凹溝41cにOリング49を設け、更に凹溝41cにコ字型部材50の開口側を嵌め込むことにより、ケーシング20の内周面にコ字型部材50の外周面が当接するとともに、凹溝41cの底面とコ字型部材50の内周面とにOリング49が密着する。このように、ケーシング20の内周面とパッキンケース41の内周面における凹溝41cの隙間は、Oリング49とコ字型部材50とによってシールされている。
このように構成された軸封装置を備える水車において、乾燥運転時には、ケーシング20の下方に設けられた河川水が貯留する部分の水位が軸封部40の下面、即ちパッキンケース41の下端面の高さよりも低くなっている。そして、このとき、ケーシング20の下方は大気圧以下になるとともに、ケーシング20の上方は大気圧となっている。よって、図4に示すように、軸封部40は、その自重及びケーシング20の上方と下方との圧力差によりパッキンケース41の下端面が台座61の上面に当接する状態で、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に保持される。
また、このとき、グランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の間に隙間が形成される。つまり、乾燥運転時において、主軸10はグランドパッキン42と接触することなく回転する。このため、主軸10に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じても、該主軸10がグランドパッキン42と接触することなく回転する。このように、本実施形態では、グランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間が軸ぶれ吸収機構として働く。また、主軸10の軸ぶれ幅が大きく、軸スリーブ10aの外周面がグランドパッキン42の内周面に接触したとしても、パッキンケース41の凹溝41cに設けられたOリング49が変形することでグランドパッキン42と軸スリーブ10aとの摩擦力が低減され、グランドパッキン42と軸スリーブ10aとの接触面において、その一部の面圧が過大となることが防止される。
一方、豪雨時には、ダム等より落下する河川水の量が大幅に増加し、ケーシング20の下方に設けられた河川水が貯留する部分の水位が大幅に上昇するため、この河川水がケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に入り込もうとする。このとき、図5に示すように、軸封部40の下面、即ちパッキンケース41の下端面に水圧が作用し、パッキンケース41の凹溝41cに嵌め込まれたコ字型部材50の外周面がケーシング20の内周面に対して摺動しつつ、軸封部40が上方へ押し上げられる。そして、パッキン押え44の上端面が円盤部材30の下端面に当接する状態で、軸封部40がケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に保持される。
また、このとき、グランドパッキン42は、その外周面がパッキンケース41の内周面に密着するとともに、その内周面が軸スリーブ10aの外周面に密着する。また、コ字型部材50の外周面がケーシング20の内周面に当接するとともに、Oリング49がコ字型部材50の内周面とパッキンケース41の凹溝41cの底面とに密着する。このように、ケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間は、グランドパッキン42、Oリング49、及びコ字型部材50によって確実にシールされる。このため、異物やスラリー等を含む河川水がケーシング20の内周面と軸スリーブ10aの外周面の隙間に入り込むことが確実に防止される。
また、豪雨時には、グランドパッキン42の内周面が軸スリーブ10aの外周面に密着するため、主軸10が回転する際にグランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の間に摩擦が生じる。一方、主軸10に、その軸方向に対して垂直な方向に軸ぶれが生じると、パッキンケース41の凹溝41cの底面とコ字型部材50の内周面とに密着するOリング49が変形する。このように、主軸10に軸ぶれが生じても、Oリング49が変形することで、グランドパッキン42と軸スリーブ10aとの接触面において、その一部の面圧が過大となることが防止される。
本実施形態によれば、乾燥運転時にグランドパッキン42の内周面と軸スリーブ10aの外周面の間に隙間が設けられ、主軸10に軸ぶれが生じた場合にも軸スリーブ11aの外周面とグランドパッキン42の内周面とが非接触となる。このため、主軸10に軸ぶれが生じた場合にもグランドパッキン42の摩耗量をゼロにして主軸10の温度上昇を確実に防ぐことができ、グランドパッキン42の寿命を大幅に増加させることができる。
以上説明したように、本発明は、ケーシングと回転軸の隙間をシールする軸封装置について有用である。
実施形態1に係る軸封装置の構造を示す断面図である。 実施形態1に係る軸封装置において、軸封部の一部の構造を示す斜視図である。 実施形態2に係る軸封装置の構造を示す断面図である。 実施形態3に係る軸封装置の構造及び乾燥運転時における軸封部の位置を示す断面図である。 実施形態3に係る軸封装置の構造及び豪雨時における軸封部の位置を示す断面図である。 従来に係る水車の軸封装置の構造を示す断面図である。
符号の説明
10 主軸
10a 軸スリーブ
20 ケーシング
20a ケーシング側突出部
20b 突起部
20c 穴
30 円盤部材
40 軸封部
41 パッキンケース
41a 穴
41b パッキンケース側突出部
41c 凹溝
42 グランドパッキン
42a カット面
43 廻り止め板
43a 溝
44 パッキン押え
44a パッキン押え側突出部
44b 溝
44c 凹溝
44d 穴
45 環状部材
46 Oリング
47 ボルト
48 圧力バランス孔

Claims (15)

  1. ケーシングと該ケーシングの内周側で回転する回転軸の隙間をシールする軸封装置において、
    前記ケーシングの内周側と前記回転軸の外周側との間に設けられ、前記ケーシングの内周側と前記回転軸の外周側の隙間をシールする環状のグランドパッキンと、
    前記回転軸の軸ぶれを吸収する軸ぶれ吸収機構と、
    を備え、
    前記ケーシングは、その半径方向内方に突出する突出部を下端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面がL字型に形成されるとともに、前記突出部にて前記グランドパッキンを支持することを特徴とする軸封装置。
  2. 前記ケーシングの上方に設けられ、その下端面が前記ケーシングの上端面に当接するとともにその下端面の内径が前記ケーシングの上端面の内径よりも小さい円盤部材を備える一方、
    前記回転軸の外周面と、前記ケーシングの内周面と、前記ケーシングの突出部の上面と、前記円盤部材の下端面とに囲まれた空間に、
    その半径方向内方に突出する突出部を下端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面がL字型に形成されるとともに、前記突出部の上面に前記グランドパッキンが載置され、その内周面に前記グランドパッキンの外周面が密着するように前記グランドパッキンを内周側に支持する下側支持部材と、
    その半径方向外方に突出する突出部を上端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面が逆L字型に形成されるとともに、前記下側支持部材の上端面に固定され、その下端側が前記下側支持部材の内周面と前記回転軸の外周面の隙間に挿入されることで前記突出部の上面に載置される前記グランドパッキンを下方に押圧して支持する上側支持部材と、
    前記ケーシングの内周面と前記下側支持部材の外周面とに全周に亘って密着する環状部材と、
    が設けられることを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
  3. 前記下側支持部材の外周面に、該下側支持部材の全周に亘る凹溝が形成され、
    前記凹溝に、前記環状部材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の軸封装置。
  4. 前記グランドパッキンは複数設けられ、
    前記複数のグランドパッキンそれぞれの間には、その両端面に放射状に延びる溝が多数形成された環状の廻り止め板が1つずつ設けられ、
    前記上側支持部材における前記グランドパッキンの端面に当接する端面に、前記廻り止め板の両端面に形成される溝と同形状の溝が多数形成されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の軸封装置。
  5. 前記グランドパッキンは、その外周面が前記下側支持部材の内周面に密着するとともにその内周面が前記回転軸の外周面に密着した状態で、前記下側支持部材の内周面と前記回転軸の外周面の隙間に保持されることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れかに記載の軸封装置。
  6. 前記下側支持部材と前記上側支持部材と前記グランドパッキンと前記環状部材とで構成される軸封部が、前記円盤部材と前記ケーシングの突出部との間に狭持されるとともに、前記環状部材を弾性体で構成し、前記軸ぶれ吸収機構として動作させることを特徴とする請求項5に記載の軸封装置。
  7. 前記上側支持部材における前記グランドパッキンに当接する端面と反対側の端面と、前記円盤部材の下端面とに密着するOリングが設けられることを特徴とする請求項6に記載の軸封装置。
  8. 前記上側支持部材における前記グランドパッキンに当接する端面と反対側の端面に環状の凹溝が形成され、
    前記凹溝に、前記Oリングが嵌め込まれることを特徴とする請求項7に記載の軸封装置。
  9. 前記環状部材は、その断面が三角形状に形成され、
    前記環状部材の底部が前記凹溝の底面に密着するとともに前記環状部材の底部と対向する頂部が前記ケーシングの内周面に密着することを特徴とする請求項6〜請求項8の何れかに記載の軸封装置。
  10. 前記凹溝は、前記下側支持部材の外周面に複数形成され、
    前記各凹溝に、前記環状部材が1つずつ嵌め込まれる一方、
    前記下側支持部材の半径方向と垂直な方向に貫通することでその上下両端面に開口するとともに、前記下側支持部材の外周面における隣接する凹溝の間に対しても開口する孔が前記下側支持部材に形成されることを特徴とする請求項6〜請求項9の何れかに記載の軸封装置。
  11. 前記回転軸の外周側を該回転軸の全周に亘って覆うとともに、その下端から上端にかけて外径が大きくなるように形成された段付き部が全周に亘って設けられる軸スリーブを備え、
    前記軸スリーブは、前記段付き部よりも下側の部分の外径が前記グランドパッキンの内径よりも小さく、前記段付き部よりも上側の部分の外径が前記グランドパッキンの内径よりも若干大きく形成される一方、
    前記回転軸の外周面と、前記ケーシングの内周面と、前記ケーシングの突出部の上面と、前記円盤部材の下端面とに囲まれた空間において、
    前記下側支持部材と前記上側支持部材と前記グランドパッキンと前記環状部材とで構成される軸封部が、前記下側支持部材の下端面が前記ケーシングの突出部の上面に当接する状態から前記上側支持部材の上端面が前記円盤部材の下端面に当接する状態まで移動可能に構成され、
    前記下側支持部材の下端面が前記ケーシングの突出部の上面に当接する状態では、前記上側支持部材の下端面に当接する前記グランドパッキンの端面の位置が、前記段付き部の下端の高さと概ね等しいか、或いは前記段付き部の下端の高さよりも低く、前記グランドパッキンの内周面と前記軸スリーブの外周面の隙間が前記軸ぶれ吸収機構として働くとともに、
    前記軸封部が、前記上側支持部材の下端面に当接する前記グランドパッキンの端面が前記段付き部の上端よりも高い位置に移動すると、前記グランドパッキンの内周面が前記軸スリーブの外周面に密着し、前記グランドパッキンの内周面と前記軸スリーブの外周面の隙間がシールされることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れかに記載の軸封装置。
  12. 前記下側支持部材の外周面に、該下側支持部材の全周に亘る凹溝が形成され、
    前記環状部材は、Oリングと、その外径がケーシングの内径と概ね等しいとともに内周側が開口したコ字型の断面を有する環状のコ字型部材とによって構成されており、
    前記凹溝にOリングを設け、更に前記凹溝に前記コ字型部材の開口側を嵌め込むことにより、前記コ字型部材の外周面に前記ケーシングの内周面が当接するとともに前記凹溝の底面と前記コ字型部材の内周面とに前記Oリングが密着することを特徴とする請求項11に記載の軸封装置。
  13. 前記回転軸の外周側を該回転軸の全周に亘って覆う弾性部材により構成される軸スリーブと、
    その半径方向外方に突出する突出部を上端側に有することでその半径方向と垂直な方向の断面が逆L字型に形成されるとともに、前記ケーシングの上端面に固定され、その下端側が前記ケーシングの内周面と前記軸スリーブの外周面の隙間に挿入されることで前記ケーシングの突出部の上面に載置される前記グランドパッキンを下方に押圧して支持する支持部材と、
    を備え、
    前記弾性部材は、その上端部と下端部とにおける内周面が前記回転軸の外周面に密着するとともに、その上端部と下端部の間における前記弾性部材の内周面全周に亘って凹部が設けられ、前記弾性部材における凹部が設けられた部分の内周面と前記回転軸の外周面の間に隙間が設けられることで前記弾性部材が前記軸ぶれ吸収機構として働くとともに、
    前記グランドパッキンは、その内周面と外周面のそれぞれが前記弾性部材における凹部が設けられた部分の外周面と前記ケーシングの内周面とに密着する状態で、前記弾性部材における凹部が設けられた部分の外周面と前記ケーシングの内周面の隙間に保持されることを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
  14. 前記軸スリーブが、前記弾性部材と、前記回転軸の外周側を該回転軸の全周に亘って覆うとともにその下端部が前記弾性部材の上端部に当接する金属部材と、前記弾性部材の上端部と前記金属部材の下端部とに挿入されることで前記弾性部材と前記金属部材とを接続するピンとによって構成されることを特徴とする請求項13に記載の軸封装置。
  15. 前記グランドパッキンは複数設けられ、
    前記複数のグランドパッキンそれぞれの間には、その両端面に放射状に延びる溝が多数形成された環状の廻り止め板が1つずつ設けられ、
    前記支持部材における前記グランドパッキンと当接する端面に、前記廻り止め板の両端面に形成される溝と同形状の溝が多数形成されることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の軸封装置。
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