JP7265396B2 - 工作用の回転機器 - Google Patents

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Description

開示する技術は、加工対象を支持する円テーブルなどの工作用の回転機器に関し、その中でも特に、非接触の状態で回転部位の潤滑油をシールする技術に関する。
この種の技術に関し、エアで内圧を高めたモータ収容室と、オイルミストが供給されるベアリングとの間の隙間を、ラビリンス構造にした歯車加工装置が、特許文献1に開示されている。
特開2013-18080号公報
特許文献1では、オイルミストを供給する供給孔213と、排出する排出孔214とは、大きく異なる位置に設けられている。そのため、ベアリングの局所にオイルが滞るおそれがある。また、モータ収容室には、外部に通じる孔が多数設けられているため、エア圧を安定して保持するためには、多量のエアを消費する。
そこで、開示する技術の主たる目的は、少ないエアで、回転部位に供給される潤滑油を安定的かつ効果的に非接触シールできる、工作用の回転機器を提供することにある。
開示する技術は、工作用の回転機器に関する。前記回転機器は、テーブルを有するスピンドルと、前記テーブルを露出させた状態で、前記スピンドルを収容する筐体と、前記スピンドルを回転自在な状態で前記筐体に支持するベアリングと、前記筐体の内部スペースに収容されていて前記スピンドルを回転させるモータと、前記筐体に形成されていて前記内部スペースを加圧するエアが流れる加圧通路と、前記筐体に形成されていてオイルを含む潤滑エアが前記ベアリングを経由して流れる潤滑通路と、を備え、前記潤滑通路における前記ベアリングよりも下流側の部位が、所定のラビリンス構造を有する微小隙間を介して前記内部スペースに連通している。
好ましくは、前記微小隙間が、流路方向に間隔を隔てて設けられて流路断面を縮小する第1絞り部および第2絞り部を有している。
好ましくは、前記第1絞り部および前記第2絞り部の各々における前記潤滑通路の側に、前記内部スペースの側に向かって凹む返し部が設けられている。
好ましくは、前記第1絞り部および前記第2絞り部の少なくともいずれか一方における前記内部スペースの側に、前記潤滑通路の側に向かって流路断面が小さくなるテーパ部が設けられている。
好ましくは、前記微小隙間が、前記第1絞り部と前記第2絞り部との間の前記潤滑通路の側の部位に、流路断面を拡大する膨張部を有している。
開示する技術によれば、少ないエアで、回転部位に供給される潤滑油を安定的かつ効果的に非接触シールできる、工作用の回転機器が実現できる。
開示する技術を適用した回転機器を例示する概略縦断面図である。 潤滑通路を示すために、軸方向から見た回転機器の一部の概略断面図である。 図1に矢印Xで示す部分の概略拡大図である。矢印Y1は潤滑エアの流れを示し、矢印Y2はパージエアの流れを示している。 パージエアがラビリンスシールを流れる状態を説明する図である。 潤滑エアがラビリンスシールを流れる状態を説明する図である。 変形例の回転機器を示す図2相当図である。 変形例の回転機器の要部を示す部分拡大図である。
以下、開示する技術の実施形態を、図1等に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
説明で用いる「軸方向」は、回転軸Jが延びる方向を意味する。同様に、「周方向」は、回転軸Jを中心とする円周の方向を意味し、「径方向」は、回転軸Jを中心とする半径または直径の方向を意味する。「前」は機械加工時における使用側を意味し、「後」は機械加工時における不使用側を意味する。
図1に、開示する技術を適用したNC円テーブル1(回転機器の一例)を示す。NC円テーブル1は、大略、筐体2、ボックス3、スピンドル4、モータ5などで構成されている。NC円テーブル1は、機械加工に用いられ、その前面のテーブル42が高速回転する。
すなわち、テーブル42にチャック等を装着してワーク(加工対象物)を支持する。そうした状態で、スピンドル4が高速で回転駆動される。回転するワークに、冷却用のオイルや水を供給しながら、切削具等を押し当てることにより、加工が行われる。
筐体2は、本体部21、前蓋部22、後蓋部23などで構成されている。本体部21の内部には、前後方向に貫通する円筒状の空間が形成されている。なお、以下の説明では、本体部21の内部に存在する空間を「内部スペース21a」ともいい、本体部21の内部にパーツが組み付けられた状態では、残余の空間を内部スペース21aという場合もある(狭義)。
後蓋部23は、円板状の部材からなる。後蓋部23は、本体部21の後側に形成されている円形の凹部に嵌め込まれている。後蓋部23は、内部スペース21aの後側を覆うように、本体部21の後側に組み付けられている。後蓋部23には、丸穴23aが形成されている。丸穴23aの中心線と内部スペース21aの中心線とは、略一致している。
前蓋部22は、円板状の部材からなる。前蓋部22は、本体部21の前側に形成されている円形の凹部に嵌め込まれている。前蓋部22は、内部スペース21aの前側を覆うように、本体部21の前側に組み付けられている。
前蓋部22には、円形の開口部22aが形成されている。開口部22aの中心線と内部スペース21aの中心線とは、略一致している。内部スペース21aの前側には、環状のベアリング7が配置されている。
ベアリング7は、輪状の転動空間7cを間に介して互いに自在に回転する外輪部7aおよび内輪部7bを有している。転動空間7cには、複数の転動体7dが収容されている。ベアリング7は、その外輪部7aが、本体部21と前蓋部22との間に挟み込まれることにより、筐体2に組み付けられている。
ベアリング7の内側(軸方向での後側)には、環状のリング部材6が、ベアリング7の側面に隣接した状態で本体部21に組み付けられている。リング部材6は、ベアリング7と共に、潤滑通路60および微小隙間(ラビリンスシール70)を構成しているが、これについては別途後述する。
スピンドル4は、シャフト41およびテーブル42を有している。シャフト41は、多段円筒状の部材からなり、内部スペース21aに収容されている。
本実施形態では、テーブル42は、開口部22aの内径よりも僅かに外径が小さい環状部材からなり、シャフト41の前端面に組み付けられている。シャフト41とテーブル42とが組み付けられることにより、ベアリング7の内輪部7bが、シャフト41とテーブル42との間に挟み込まれている。
それにより、スピンドル4は、ベアリング7を介して筐体2に軸支されており、回転軸Jを中心に回転自在となっている。すなわち、スピンドル4は、回転体を構成している。なお、スピンドル4は、本実施形態のように複数のパーツを組み合わせて構成してもよいし、一体で構成してあってもよい。
上述したように、テーブル42は、スピンドル4のうち、チャック等が装着される部位であり、テーブル42の前面は、開口部22aを通じて筐体2の前面に露出している。スピンドル4の後端部は、丸穴23aを通じて筐体2の後面に露出している。
モータ5は、ロータ51とステータ52とを有し、内部スペース21aに収容されている。モータ5は、リング部材6よりも内部スペース21aの内側(軸方向での後側)に配置されている。ロータ51は、環状の部材からなり、スピンドル4に固定されている。ステータ52は、ロータ51よりも大きな環状の部材からなり、ロータ51と僅かなギャップを隔てて径方向に対向した状態で、本体部21に固定されている。
ステータ52に所定の制御電流を供給することで、ロータ51との間に回転磁界が形成される。それによってスピンドル4が、直接駆動されて回転する(いわゆるダイレクトドライブ形式)。
ロータ51の回転情報(回転数や回転位置)を検出するために、内部スペース21aに検出器8が設置されている。検出器8は、エンコーダ8aおよびスケール8bを有している。エンコーダ8aはブラケット9を介して本体部21に取り付けられている。スケール8bは、スピンドル4に取り付けられていて、エンコーダ8aに近接している。
ボックス3は、箱形の容器からなり、筐体2に組み付けられている。ボックス3の内部には、エアパージ配管10が設置されている。エアパージ配管10の上流側の端部は、継手を介して、コンプレッサ等、エアの供給源(図示せず)に接続されたエア供給管11が接続されている。
エアパージ配管10の下流側の端部には、流れるエア量の調整が可能な絞り弁12が取り付けられている。工作時には、エア供給管11および絞り弁12を通じて、エア(パージエアともいう)が所定の流量でボックス3の内部に導入される。それにより、ボックス3の内部は、所定のエア圧で加圧される。
なお、ボックス3の内部の加圧は、内部スペース21aの内部を加圧することで間接的におこなってもよい。また、絞り弁12は、ボックス3の外部に配置してもよいし、内部スペース21aに配置してもよい。絞り弁12の配置は、これらに限るものではない。
本体部21には、内部スペース21aとボックス3の内部とを連通する連通孔21bが更に形成されている。ステータ52およびエンコーダ8aと電気的に接続するケーブル13は、この連通孔21bを通じて内部スペース21aからボックス3に引き出され、ボックス3を通じてNC円テーブル1の外方に延出されている。
ボックス3の内部に導入されるパージエアは、連通孔21bを通じて内部スペース21aにも流入する(連通孔21bが加圧通路を構成)。従って、ボックス3の内部にパージエアが導入されると、ボックス3の内部と共に内部スペース21aも所定のエア圧で加圧される。
テーブル42と筐体2との間の隙間には、その隙間をシールするために、環状の前側シール材14(オイルシール)が装着されている。同様に、スピンドル4の後端部と丸穴23aとの間の隙間にも環状の後側シール材15(オイルシール)が装着されている。
NC円テーブル1の場合、その周囲は、切粉や切削水に曝される。そのため、これら前側シール材14および後側シール材15により、これら異物の内部スペース21aへの侵入を防止している。また、上述したように、内部スペース21aは加圧されるので、前側シール材14および後側シール材15はまた、エア漏れも防止している。
(潤滑通路60)
スピンドル4は高速回転するため、ベアリング7は、十分に潤滑かつ冷却する必要がある。そのため、このNC円テーブル1では、オイルを含むエアである潤滑エア(例えばオイルミストやオイルエア)が、ベアリング7に供給できるように構成されている。
具体的には、潤滑エアがベアリング7の転動空間7cを経由して流れるように、本体部21に潤滑通路60が形成されている。潤滑通路60は、図1、図2に示すように、導入路60a、上流側環状路60b、複数の上流側中継路60c、複数の下流側中継路60d、下流側環状路60e、導出路60fなどで構成されている。
導入路60aは、本体部21に形成された直線状の細孔からなる。導入路60aの上流側の端部は、継手61を介して、図外の潤滑エアの供給装置に接続されている。上流側環状路60bは、本体部21に形成された環状の隙間からなり、外輪部7aの外周面に沿って周方向に延びている。導入路60aの下流側の端部は、この上流側環状路60bに接続されている。
図2に示すように、各上流側中継路60cは、径方向に延びるように外輪部7aに形成された細孔からなり、外輪部7aの周方向に互いに間隔を隔てて形成されている。各上流側中継路60cは、上流側環状路60bと転動空間7cとに連通している。
各上流側中継路60cは、その下流端に流路断面を縮小するノズル部62を有するのが好ましい。そうすれば、潤滑エアは、ノズル部62を通過する際に断熱膨張して冷却されるので、ベアリング7を冷却できる。
各下流側中継路60dは、リング部材6の内部に形成された略L状の細孔からなり、図2に示すように、リング部材6の周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。各下流側中継路60dの上流側の端部は、転動空間7cに連通している。
下流側環状路60eは、周方向に延びる環状の細長い隙間からなり、リング部材6の外周部に形成されている。各下流側中継路60dの下流側の端部は、下流側環状路60eに連通している。
導出路60fは、本体部21に直線状に形成された細孔からなり、その上流側の端部が下流側環状路60eに接続されている。導出路60fの下流側の端部は、継手63を介して、図外のフィルタ装置に接続されている。
それにより、図3に矢印Y1で示すように、潤滑エアは、導入路60a、上流側環状路60b、および各上流側中継路60cを経由して、供給装置から転動空間7cに供給される。そして、転動空間7cに供給された潤滑エアは、各下流側中継路60d、下流側環状路60e、および導出路60fを経由して、フィルタ装置に回収される。
従って、転動空間7cに、潤滑エアをバランスよく供給させることができるので、ベアリング7の局所にオイルが滞るのを抑制できる。
(微小隙間70)
潤滑通路60におけるベアリング7よりも下流側の部位が、所定のラビリンス構造を有する微小隙間(ラビリンスシール70ともいう)を介して内部スペース21aと連通している。
ラビリンスシール70は、いわゆる非接触型のシールであり、オイルが内部スペース21aに侵入することを防止する。摺動摩擦が無いため、ベアリング7が高速回転してもほとんど発熱することがなく、またエネルギー消費も抑制できる。
しかも、内部スペース21aからのパージエアの漏出量が抑制されるように工夫されている。従って、少ないエア供給量で内部スペース21aを陽圧に安定して保持できる。それにより、省エネと異物侵入防止とが効果的に実現できる。
ラビリンスシール70は、内部スペース21aの側に面するベアリング7の側面と、リング部材6のその対向側面との間に、これらの全周にわたって形成されている。ラビリンスシール70には、内部スペース21aと潤滑通路60との間で、径方向にエアが流れる流路が形成される。
ラビリンスシール70は、所定のラビリンス構造を有している。具体的には、図4A、4Bにも示すように、そのラビリンス構造は、第1絞り部70a、第2絞り部70b、膨張部70c、連通部70dなどで構成されている。
連通部70dは、潤滑通路60における転動空間7cと各下流側中継路60dとの間の部位と交差するように設けられている。ラビリンスシール70は、この連通部70dを介して潤滑通路60に連通している。第1絞り部70a、第2絞り部70b、および膨張部70cは、連通部70dよりも内部スペース21aの側に設けられている。
第1絞り部70aおよび第2絞り部70bの各々は、ラビリンスシール70の流路断面を縮小する部分からなり、内部スペース21aの側から順に、エアが流れる流路方向(径方向に相当)に間隔を隔てて設けられている。第1絞り部70aと第2絞り部70bとの間、および、第2絞り部70bよりも潤滑通路60の側(連通部70dの側)には、相対的に流路断面を拡大する部分が形成されている(これらを内部スペース21aの側から順に、第1膨張室70e、第2膨張室70fともいう)。
第1絞り部70aおよび第2絞り部70bの各々における潤滑通路60の側には、内部スペース21aの側に向かって凹む返し部71が設けられている。また、第2絞り部70bにおける内部スペース21aの側には、潤滑通路60の側に向かって流路断面を小さくするテーパ部72が設けられている。
第1絞り部70aおよび第2絞り部70bは、リング部材6の対向側面に、その全周にわたって形成されている。本実施形態では、第1絞り部70aと第2絞り部70bとの間における潤滑通路60の側の部位に、更に流路断面を拡大する膨張部70cが形成されている。膨張部70cは、内輪部7bの側面に、その全周にわたって形成されている。
膨張部70cにおける内部スペース21aの側の端部は、第1膨張室70eの径方向における中央部に位置している。膨張部70cにおける潤滑通路60の側の端部は、第1膨張室70eにおける潤滑通路60の側の端部と対向し、径方向において略一致している。
(ラビリンスシール70の作用)
工作時には、潤滑通路60を通じて、ベアリング7に潤滑エアが供給される。また、工作時には、ボックス3の内部にパージエアが導入される。それにより、ボックス3の内部と共に内部スペース21aも所定のエア圧で加圧される。
従って、通常は、図3に矢印Y2で示すように、圧力差により、パージエアは、ラビリンスシール70を通じて潤滑通路60に流入し、潤滑エアに合流する。ラビリンスシール70から流出するパージエアは、潤滑エアに混ざった状態で、各下流側中継路60d、下流側環状路60e、および導出路60fを経由して、フィルタ装置に回収される。
(パージエアがラビリンスシール70を流れる場合)
図4Aに、パージエアがラビリンスシール70を流れる状態を例示する。ラビリンスシール70に流入したパージエアは、第1絞り部70aで圧縮された後、第1膨張室70eで膨張する。その際、断熱膨張によってパージエアの圧力、温度が低下する。
更に、第1膨張室70eでは渦が発生する。すなわち、返し部71によって乱流が発生し、第1膨張室70eの内部に、渦T1や渦T2が発生する。これら渦T1,T2の発生により、パージエアの内部エネルギーが消費されるので、第1膨張室70eの圧力は更に低下する。
第3膨張室が設けられていると、パージエアの一部は膨張部70cに入り込む。それにより、渦T3,T4も発生し、パージエアの内部エネルギーは、更にいっそう消費される。
その後、パージエアは、第2絞り部70bで圧縮された後、第2膨張室70fで再度膨張する。そして、返し部71の作用により、渦T5が発生し、内部エネルギーが消費される。このように、パージエアは、内部エネルギーを消費しながらラビリンスシール70を通過し、潤滑通路60に流入する。
(潤滑エアがラビリンスシール70を流れる場合)
潤滑エアが内部スペース21aの側に流れる場合を想定し、その状態を、図4Bに例示する。
第2絞り部70bの入口部分には返し部71が有るため、第2膨張室70fで渦T6が発生する。この渦T6の回転方向は、パージエアでの渦T5とは逆になる。またこのとき、返し部71は逆テーパとなっているため、渦T6は、回転の速い強い渦となり、潤滑エアの内部エネルギーは大きく消費される。
第2絞り部70bに流入して圧縮された後、潤滑エアは、第1膨張室70eおよび第3膨張室70cへ同時に流入する。従って、膨張率が大きいため、潤滑エアの圧力、温度はパージエアよりも低下する。
エアは膨張することによってその流速は遅くなる。膨張部70cは、潤滑エアの流れ方向から見た場合、第2絞り部70bの出口近傍に設けられているのに対し、パージエアの流れ方向から見た場合、第1絞り部70aの出口から離れた位置に設けられている。そのため、潤滑エアは、パージエアの渦T3,T4よりも強い渦T7,T8を膨張部70cで発生し、内部エネルギーを多量に消費する。
潤滑エアは、第1膨張室70eでもパージエアよりも強い渦T9,T10を発生するので、更にいっそう内部エネルギーを多量に消費した後、内部スペース21aに流入することとなる。このように、パージエアよりも潤滑エアの方が、ラビリンスシール70を通過する時に消費する内部エネルギーが大きいため、ラビリンスシール70では、潤滑エアよりもパージエアの方が流れ易くなっている。
ラビリンスシール70により、内部スペース21aの側と潤滑通路60の側とで圧力差(内部スペース21aの圧力>第1膨張室70eの圧力>第2膨張室70f、潤滑通路60の圧力)が形成される。従って、ラビリンスシール70により、潤滑エアが内部スペース21aに侵入することを効果的に防止できる。
(オイルがラビリンスシール70に侵入する場合)
ベアリング7に付着した液状のオイルが、ラビリンスシール70へ侵入する場合について説明する。
第2絞り部70bには、逆テーパ形状の返し部71が設けられている。そのため、オイルは、まず、その返し部71によって第2絞り部70bへの侵入が阻止される。第2絞り部70bにオイルが侵入しても、オイルはその狭い流路で油膜を形成し、しかも、内輪部7bは高速回転しているため、遠心力により、外周方向、つまり第2膨張室70fの方へ飛ばされる。
第1膨張室70eにオイルが侵入した場合にも、第1絞り部70aには返し部71が設けられているので、第1絞り部70aへの侵入が阻止される。更に、第2絞り部70bには、テーパ部72が設けられているので、オイルは第2絞り部70bへ戻され易くなっている。従って、ラビリンスシール70により、オイルが内部スペース21aに侵入することを効果的に防止できる。
<変形例>
図5に、上述したNC円テーブル1の変形例を示す。本変形例でのNC円テーブル1’の基本的な構成は、上述したNC円テーブル1と同じである。従って、同じ構成については、同じ符号を用いてその説明は省略する。
上述したNC円テーブル1では、ラビリンスシール70が、ベアリング7とリング部材6との間に設けられていたが、本変形例でのNC円テーブル1’では、ラビリンスシール70の主要部分が、スピンドル4とリング部材6との間に設けられている点で、主に相違する。
具体的には、第1絞り部70a、第2絞り部70b、膨張部70cなどからなるラビリンスシール70の主要部分が、リング部材6の内周面と、それに対向するスピンドル4の外周面との間に形成されている。具体的には、図6に示すように、第1絞り部70aおよび第2絞り部70bは、第1膨張室70eおよび第2膨張室70fを含め、リング部材6の内周面に形成されている。膨張部70cは、スピンドル4の外周面に形成されている。
この場合も、上述したNC円テーブル1と同様に、ラビリンスシール70によって潤滑エアが内部スペース21aに侵入することを効果的に防止できる。
このNC円テーブル1’では、第2絞り部70bよりも内部スペース21aの側にオイルが侵入した場合、遠心力の作用を利用して排除するのは難しい。従って、遠心力の作用でオイルの排除を促進できるよう、第1絞り部70aおよび第2絞り部70bの各々における流路方向の中間部分に、潤滑通路60の側から内部スペース21aの側に向かって流路断面が小さくなる傾斜面部80を設けるのが好ましい。
図例では、第1絞り部70aおよび第2絞り部70bの各々に、そのような傾斜面部80が設けられている。従って、第2絞り部70bよりも内部スペース21aの側にオイルが侵入した場合でも、遠心力の作用で、オイルが内部スペース21aの側に侵入し難くなっている。
なお、開示する技術にかかる工作用の回転機器は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。例えば、膨張部70cは設けた方が好ましいが、必須ではない。下流中継経路60dは、複数に限らない。少なくとも1つの下流中継経路60dがあればよい。
1 NC円テーブル(回転機器)
2 筐体
3 ボックス
4 スピンドル
5 モータ
6 リング部材
7 ベアリング
8 検出器
10 エアパージ配管
14 前側シール材
15 後側シール材
21 本体部
21a 内部スペース
21b 連通孔(加圧通路)
42 テーブル
60 潤滑通路
60a 導入路
60b 上流側環状路
60c 上流側中継路
60d 下流側中継路
60e 下流側環状路
60f 導出路
70 微小隙間(ラビリンスシール)
70a 第1絞り部
70b 第2絞り部
70c 膨張部
70d 連通部
71 返し部
72 テーパ部
J 回転軸

Claims (5)

  1. 工作用の回転機器であって、
    テーブルを有するスピンドルと、
    前記テーブルを露出させた状態で、前記スピンドルを収容する筐体と、
    前記スピンドルを回転自在な状態で前記筐体に支持するベアリングと、
    前記筐体の内部スペースに収容されていて前記スピンドルを回転させるモータと、
    前記筐体に形成されていて前記内部スペースを加圧するパージエアが流れる加圧通路と、
    前記筐体に形成されていてオイルを含む潤滑エアが前記ベアリングを経由して流れる潤滑通路と、
    を備え、
    前記潤滑通路における前記ベアリングよりも下流側の部位が、所定のラビリンス構造を有する微小隙間を介して前記内部スペースに連通し
    前記潤滑通路を通じて前記ベアリングに前記潤滑エアが供給されるとともに前記加圧通路を通じて前記内部スペースに前記パージエアが導入され、前記微小隙間によって形成される圧力差により、前記パージエアが前記微小隙間を通じて前記潤滑通路に流入して前記潤滑エアに合流する、工作用の回転機器。
  2. 請求項1に記載の工作用の回転機器において、
    前記微小隙間が、流路方向に間隔を隔てて設けられて流路断面を縮小する第1絞り部および第2絞り部を有している、工作用の回転機器。
  3. 請求項2に記載の工作用の回転機器において、
    前記第1絞り部および前記第2絞り部の各々における前記潤滑通路の側に、前記内部スペースの側に向かって凹む返し部が設けられている、工作用の回転機器。
  4. 請求項2または請求項3に記載の工作用の回転機器において、
    前記第1絞り部および前記第2絞り部の少なくともいずれか一方における前記内部スペースの側に、前記潤滑通路の側に向かって流路断面が小さくなるテーパ部が設けられている、工作用の回転機器。
  5. 請求項2~請求項4のいずれか1つに記載の工作用の回転機器において、
    前記微小隙間が、前記第1絞り部と前記第2絞り部との間の前記潤滑通路の側の部位に、流路断面を拡大する膨張部を有している、工作用の回転機器。
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