JP2020092262A - 有機光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料の合成のタイミングによらず、オンデマンドでの有機光電変換素子の製造を可能にする。【解決手段】陽極及び陰極を含む1対の電極、及び該1対の電極間に設けられ、π共役系ポリマーを含む活性層を備える有機光電変換素子の製造方法において、内部がπ共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気である封入容器に、π共役系ポリマーを保管する保管工程と、保管後の前記π共役系ポリマーを用いて、活性層を形成する工程とを含む、有機光電変換素子の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、有機光電変換素子の製造方法に関し、さらにはかかる製造方法に用いられる有機半導体材料の保管方法、並びに前記製造方法及び前記保管方法に用いられ得る試薬パッケージにも関する。
有機光電変換素子は、例えば、省エネルギー、二酸化炭素の排出量の低減の観点から極めて有用なデバイスであり、注目されている。
有機光電変換素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に設けられ、有機半導体材料を含む活性層とを少なくとも備える電子素子である。有機光電変換素子では、いずれかの電極を光透過性を有する材料により構成し、光透過性を有する電極側から活性層に光を入射させる。すると、活性層に入射した光のエネルギー(hν)によって、活性層において電荷(正孔及び電子)が生成し、生成した正孔は陽極に向かって移動し、電子は陰極に向かって移動する。そして、陽極及び陰極に到達した電荷は、有機光電変換素子の外部に取り出される。
有機光電変換素子の活性層の機能性材料として用いられる有機半導体材料は、特に大気雰囲気下での長期間にわたる保管が難しいことが知られている。例えば、下記特許文献1には、有機電界発光素子の有機層の材料(有機発光材料)を保管するにあたり、有機発光材料を合成した後、速やかに遮光性を有する容器に収容し、保管温度を−100℃から100℃の温度範囲とするとともに、有機発光材料を窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で保管すべきことが開示されている。
特開2009−027091号公報
しかしながら、有機半導体材料の物性の悪化のみならず、有機半導体材料を用いて製造される有機光電変換素子の電気的特性の悪化をも含む有機半導体材料の劣化のメカニズムは、必ずしも明確ではなかった。そこで、従来は、有機半導体材料の複数の劣化に関連すると想定される要因を網羅的に解決するために、上記特許文献1が開示するような煩雑な処理、大規模な設備を必要とする保管方法を採用せざるを得なかった。
また、有機半導体材料の長期間にわたる保管が推奨されない現状においては、有機半導体材料の製造後、製造された有機半導体材料の保管期間を可能な限り短縮して、有機半導体材料を用いるデバイスを製造しなくてはならないことから、デバイスの製造と有機半導体材料の製造とが直近のタイミングになるように調整する必要があった。
よって、有機半導体材料のより長期間の保管を可能とする技術に対する大きなニーズが存在している。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めたところ、有機半導体材料の経時的な劣化の進行において、有機半導体材料の電子スピン濃度と保管時の雰囲気の酸素濃度とが関係することを見出し、本発明を完成するに至った。
そこで、本発明は、下記[1]〜[20]を提供する。
[1]陽極及び陰極を含む1対の電極、及び該1対の電極間に設けられ、π共役系ポリマーを含む活性層を備える有機光電変換素子の製造方法において、
内部が前記π共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気である封入容器に、前記π共役系ポリマーを保管する保管工程と、
保管後の前記π共役系ポリマーを用いて、前記活性層を形成する工程と
を含む、有機光電変換素子の製造方法。
[2]前記保管工程における前記雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気である、[1]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
[3]前記保管工程において、前記封入容器内に脱酸素剤が設けられている、[1]又は[2]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
[4]保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、10×1016以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子の製造方法。
[5]保管後の前記π共役系ポリマーの極大吸収波長が、500nm以上である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子の製造方法。
[6]保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、保管前の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度の2.4倍未満である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子の製造方法。
[7]保管後の前記π共役系ポリマーを含む塗布液を調製する調製工程をさらに含み、
前記活性層を形成する工程が、前記調製工程で得られた塗布液を塗布することにより前記活性層を形成する工程である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子の製造方法。
[8]有機光電変換素子の活性層形成用のπ共役系ポリマーと、
前記π共役系ポリマーの封入及び取出しができ、ガスバリア性を有する封入容器であって、該π共役系ポリマーが気密状態で封入されている封入容器と、
気密状態とされた前記封入容器内の雰囲気に接触するように設けられた脱酸素剤を含み、該雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気である、試薬パッケージ。
[9]保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、10×1016以下である、[8]に記載の試薬パッケージ。
[10]保管後の前記π共役系ポリマーの極大吸収波長が、500nm以上である、[8]又は[9]に記載の試薬パッケージ。
[11]前記脱酸素剤が、鉄、糖及びレダクトンからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、[8]〜[10]のいずれか1つに記載の試薬パッケージ。
[12]前記材料が、鉄を含有する材料である、[11]に記載の試薬パッケージ。
[13]前記封入容器が、
開口部を有しており、前記π共役系ポリマーを収容する本体部と、
前記開口部の内壁に取付け取外し自在に嵌合し、前記脱酸素剤を前記π共役系ポリマーから離間させた状態で載置することができる凹部を画成し、該脱酸素剤と該π共役系ポリマーが接触している雰囲気とを接触させることができる孔部を有する内蓋と、
前記内蓋が取り付けられた状態で、前記開口部の外壁に取付け取外し自在に嵌合して、前記本体部内を気密状態にできる外蓋と
を含む、[8]〜[12]のいずれか1つに記載の試薬パッケージ。
[14]内部がπ共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気である封入容器に、該π共役系ポリマーを保管する保管工程を含む、保管方法。
[15]前記保管工程における前記雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気である、[14]に記載の保管方法。
[16]保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、10×1016以下のπ共役系ポリマーである、[14]又は[15]に記載の保管方法。
[17]保管後の前記π共役系ポリマーの極大吸収波長が、500nm以上である、[14]〜[16]のいずれか1つに記載の保管方法。
[18]前記脱酸素剤が、鉄、糖及びレダクトンからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、[14]〜[17]のいずれか1つに記載の保管方法。
[19]前記材料が、鉄を含む、[18]に記載の保管方法。
[20]前記封入容器が、
開口部を有しており、前記π共役系ポリマーを収容する本体部と、
前記開口部の内壁に取付け取外し自在に嵌合し、前記脱酸素剤を前記π共役系ポリマーから離間させた状態で載置することができる凹部を画成し、該脱酸素剤と該π共役系ポリマーが接触している雰囲気とを接触させることができる孔部を有する内蓋と、
前記内蓋が取り付けられた状態で、前記開口部の外壁に取付け取外し自在に嵌合して、前記本体部内を気密状態にできる外蓋と
を含む、[14]〜[19]のいずれか1つに記載の保管方法。
本発明によれば、活性層の材料であるπ共役系ポリマーの合成のタイミングに合わせることなく、保管されていたπ共役系ポリマーを用いて、オンデマンドでの有機光電変換素子の製造が可能となる。
図1は、試薬パッケージを透過的に示す模式的な図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。以下の説明に用いる図面において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明については省略する場合がある。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図示例の配置で使用されるとは限らない。
1.有機光電変換素子の製造方法及びπ共役系ポリマーの保管方法
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法は、陽極及び陰極を含む1対の電極、及び該1対の電極間に設けられ、π共役系ポリマーを含む活性層を備える有機光電変換素子の製造方法において、内部がπ共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気である封入容器に、前記π共役系ポリマーを保管する保管工程(以下、工程(1)という。)と、保管後のπ共役系ポリマーを用いて、活性層を形成する工程(以下、工程(2)という。)とを含む。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法は、π共役系ポリマーの保管方法を含んでいる。π共役系ポリマーの保管方法は、上記工程(1)を含む。
本実施形態の有機光電変換素子は、各構成要素を形成するにあたり選択された材料に好適な形成方法を適宜組み合わせることにより製造することができる。以下、本実施形態の有機光電変換素子の製造方法及びπ共役系ポリマーの保管方法について詳細に説明する。
<工程(1)>
(i)封入容器
図1に示されるように、封入容器20は、π共役系ポリマー60の封入及び取出しが自在であり、ガスバリア性を有する封入容器であって、π共役系ポリマー60を気密状態として封入することができる封入容器である。
封入容器20の形状および収容量は、所望の量のπ共役系ポリマー60を収容及び取り出し自在であれば特に限定されない。封入容器20は、封入容器20内を、気密状態に保持することができ、さらにπ共役系ポリマー60の電子スピン濃度の経時的な上昇を抑制することができる雰囲気として、気密状態とされた封入容器20内の雰囲気の組成、特に酸素濃度を所定の濃度まで低下させ、かつ酸素濃度を低下させた状態を維持できるように調整できる封入容器であれば特に限定されない。
封入容器20としては、例えば、既に説明した条件を満たす、袋状容器40、試薬ボトル、試薬瓶等のボトル状容器30及びこれらの組み合わせが挙げられる。
封入容器20を構成する材料は、本発明の目的及び効果を損なわないことを条件として、特に限定されない。このような材料としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラートなどの樹脂系材料、セラミック、ガラス、合金等の金属及びこれらの組み合わせが挙げられる。
封入容器20の好適な具体例としては、袋状のアルミ箔の開口部に開閉自在なファスナーを有する袋状体、ポリマーフィルムの表面にアルミニウム等の金属をコーティング又はアルミ箔等の金属箔がラミネートされた袋状体であって、開口部に開閉自在な開閉手段を有する袋状体であるチャック付きアルミ袋(例えば、ラミジップ(登録商標)アルミタイプ、株式会社生産日本製)、およびプラスティック製試薬ボトル(例えば、商品名:クリーンボトル、株式会社アイセロ製)が挙げられる。
上記例示の封入容器20から選択される複数種類または複数の封入容器20を組み合わせて用いることもできる。この場合、複数種類または複数の封入容器20のうちのいずれか1つのみに脱酸素剤50が設けられていてもよく、選択された2つ以上またはすべての封入容器20に脱酸素剤50が設けられていてもよい。
具体的には、図1に示されるように、例えば、後述する1以上の脱酸素剤(パッケージ)が収容された袋状容器40に、π共役ポリマー60と共に脱酸素剤50を封入したプラスティック製試薬ボトルをさらに封入する態様が挙げられる。
このように、複数または複数種類の封入容器を組み合わせて用いることにより、π共役系ポリマーに接触する雰囲気の低下した酸素濃度をより効果に維持することができ、結果として、π共役系ポリマーの劣化をより効果的に抑制することができる。
また、上記例示の封入容器20と、例えば、内部に脱酸素剤50を封入できない容器であったり、ガスバリア性が十分ではなかったり、気密性が十分ではなかったりする容器(非封入容器という。)とを組み合わせて用いることもできる。この場合には、例えば、非封入容器内にπ共役系ポリマー60のみを収容し、π共役系ポリマーのみが収容された非封入容器を、上記例示の封入容器20に、脱酸素剤50と共に封入すればよい。
具体的には、例えば、π共役系ポリマー60を収容した非封入容器である試薬ボトルを、封入容器20である袋状容器40に、脱酸素剤50と共に封入する態様が挙げられる。このとき、非封入容器は、内部の雰囲気をπ共役系ポリマー60の電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気とできるように封入される。このようにしても、封入容器20の内部を、π共役系ポリマー60の電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気として、π共役系ポリマー60を保管することができる。
本実施形態の封入容器20としては、π共役系ポリマー60の保管時においてπ共役系ポリマー60と脱酸素剤50とを離間させて配置する観点から、例えば、ボトル状容器30であって、開口部32aを有しており、π共役系ポリマー60を収容する本体部32と、本体部32の内壁に取付け取外し自在に嵌合し、脱酸素剤50をπ共役系ポリマー60から離間させた状態で載置することができる凹部36aを画成し、脱酸素剤50とπ共役系ポリマー60が接触している雰囲気とを接触させることができる孔部36bを有する内蓋36と、内蓋36が取り付けられた状態で、開口部32aの外壁に取付け取外し自在に嵌合して、本体部32内を気密状態にできる外蓋38とを含む態様とすることができる。
このような態様の具体例としては、脱酸素剤50が載置できる内蓋36と外蓋38とを有するプラスティック製試薬ボトル(ボトル状容器30)において、脱酸素剤50がπ共役系ポリマー60を収容する本体部32内に落下しない程度の大きさ(径)の1以上の貫通孔(孔部36b)が内蓋36に設けられている態様が挙げられる。
(ii)脱酸素剤
本実施形態の脱酸素剤50は、π共役系ポリマー60を入れ、気密状態とされた封入容器20内において、封入容器20内の雰囲気に接触するように設けられ、封入容器20内を、π共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気とすることができる機能、具体的には、封入容器20内の雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気となるようにすることができる機能を有する。
本実施形態の脱酸素剤50の剤形、有効成分などは特に限定されない。脱酸素剤50の剤形としては、錠剤などの種々の剤形の製剤、及び有効成分が機能を発揮することができる態様でパッケージ化された小袋封入型のパッケージが挙げられる。
脱酸素剤50の剤形、有効成分、用量などは、選択された封入容器20の形状、π共役系ポリマー60の種類、性状及び量、封入容器20内の雰囲気の体積、想定される保管期間などを考慮して、適宜選択することができる。
本実施形態の脱酸素剤50の有効成分としては、特に雰囲気を1%以下の酸素濃度の雰囲気とし、1%以下の酸素濃度を少なくとも所定期間維持する観点から、例えば、鉄(鉄粉)、糖(例、グルコース、マルトオリゴ糖)、レダクトンなどの有機化合物が挙げられる。
脱酸素剤50は、入手性、封入容器20内の酸素濃度を調整する観点から、鉄、糖及びレダクトンからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含むことが好ましく、酸素以外の大気中の酸化性物質の吸着の観点から、鉄を含むことがより好ましい。
脱酸素剤50の性状は、入手性の観点から、粉状体、粒状体が好ましく、特に封入容器20内の酸素濃度を調整する観点から、粉状体がより好ましい。
本実施形態の脱酸素剤50としては、例えば、市場にて入手可能な小袋封入型のパッケージであるエージレス(登録商標、三菱ガス化学社製)、セキュール(登録商標、ニッソーファイン社製)ワンダーキープ(登録商標、パウダーテック社製)が挙げられる。
用いられる脱酸素剤50(有効成分)の量は、π共役系ポリマー60の種類、性状及び量、封入容器20内の雰囲気の体積、想定される保管期間などを考慮して、決定すればよい。
例えば、封入容器20内の雰囲気の体積が50mLであり、想定される保管期間が1年である場合には、1個あたり50mLの酸素を吸収できる脱酸素剤50を1個用いればよい。
脱酸素剤50の封入容器20における設置態様は、上記の条件を満たすことを前提として、特に限定されない。脱酸素剤50として、例えば小袋封入型のパッケージを用いる場合には、封入容器20内のπ共役系ポリマー60に直接的にパッケージが接触するように設置してもよいし、少なくとも封入容器20内の雰囲気に接触するように、換言すると、共役系ポリマー60とパッケージとが互いに離間しているが、いずれも封入容器20内の雰囲気に接触するように設置してもよい。
(iii)π共役系ポリマー
次に、本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60について説明する。本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60は、有機光電変換素子の活性層形成用のp型半導体材料として機能し得るπ共役系ポリマーである。
本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60は、分子量分布を有しており、主鎖において、炭素原子同士の結合又は炭素原子とヘテロ原子との結合により、多重結合と単結合とが交互に繰り返して連なったπ共役系が形成されている高分子化合物である。
π共役系ポリマー60は、いかなる種類の共重合体であってもよく、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体等のいずれであってもよい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60は、所定のポリスチレン換算の重量平均分子量を有する。
ポリスチレン換算の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、ポリスチレンの標準試料を用いて算出した重量平均分子量を意味している。
本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60のポリスチレン換算の重量平均分子量は特に制限されない。特に保管効果の有効性の観点から、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、40,000以上200,000以下であるπ共役系ポリマーを用いることが好ましく、40,000以上150,000以下であるπ共役系ポリマーを用いることがより好ましく、45,000以上150,000以下であるπ共役系ポリマーを用いることがさらに好ましい。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法、保管方法は、本実施形態の保管方法を適用する前(保管処理前)の当初の1gあたりの電子スピン濃度が0.3×1016(Spin/g)以上のπ共役系ポリマー60に好適に適用できる。
π共役系ポリマー60の中でも電子スピン濃度が高いπ共役系ポリマー60は、特に保管時の雰囲気中の酸素の影響を受けて劣化(ラジカル化)しやすいと考えられることから、本発明の有機光電変換素子の製造方法、試薬パッケージ10、保管方法に好適に適用できる。
本実施形態にかかる保管処理前のπ共役系ポリマー60の1gあたりの電子スピン濃度は、上記のとおり0.3×1016(Spin/g)以上であることが好ましく、電子スピン濃度の上昇、すなわちπ共役系ポリマー60の劣化をより効果的に抑制する観点から、0.8×1016以上であることがより好ましく、1.0×1016以上であることがさらに好ましく、2.0×1016以上であることがさらにいっそう好ましく、外部量子収率の観点から、10×1016以下であることが好ましく、7.0×1016以下であることがより好ましい。
上記工程(1)を経て得られた保管後のπ共役系ポリマー60の1gあたりの電子スピン濃度は、活性層膜の膜質の観点から、10.0×1016以下であることがより好ましく、8.0×1016以下であることがさらに好ましく、7.0×1016以下であることがさらにいっそう好ましい。
上記工程(1)を経て得られた保管後のπ共役系ポリマー60の1gあたりの電子スピン濃度は、素子特性の観点から、保管処理前のπ共役系ポリマー60の1gあたりの電子スピン濃度の2.4倍未満であることが好ましく、2.0倍以下であることがより好ましく、1.5倍以下であることがさらに好ましく、1.3倍以下であることがよりいっそう好ましい。
ここで、電子スピン濃度は、電子スピン共鳴(ESR:Election Spin Resonance)法により測定されたESRスペクトルに基づいて得られるパラメータである。ESRスペクトルは、例えば、X−band ESR装置を用いて取得することができる。
具体的には、まず、ESR装置を用いるESR法により、測定対象のπ共役系ポリマー60の電子スピンの特性を反映したESRスペクトルを得る。ESRスペクトルの面積は、電子スピン量と相関することから、ESRスペクトルの面積から電子スピン量を算出することができる。
ESRスペクトルの面積は、従来公知の任意好適な算出方法、市場にて入手可能なソフトウェアを用いて算出することができる。
得られたESRスペクトル面積から電子スピン量を算出する方法としては、従来公知の任意好適な方法を用いることができる。ESRスペクトル面積からの電子スピン量の算出方法としては、例えば、実用ESR入門(講談社サイエンティフィク社)に記載の方法が挙げられる。
電子スピン濃度(Spin/g)は、算出された電子スピン量を測定対象であるπ共役系ポリマー60の秤量値で除算することにより算出することができる。
また、本実施形態の有機光電変換素子の製造方法、試薬パッケージ10、保管方法は、保管前又は保管後における極大吸収波長が500nm以上である、換言すると、近赤外波長領域を含む波長領域に吸収が最大となる波長が属するπ共役系ポリマー60に好適に適用することができる。本実施形態において、かかる極大吸収波長は、600nm以上であることがより好ましく、670nm以上であることがさらに好ましく、700nm以上であることがよりいっそう好ましく、750nm以上であることがさらにいっそう好ましい。また、かかる極大吸収波長は、ポリマーの大気安定性の観点から、2000nm以下であることがより好ましく、1800nm以下であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の有機光電変換素子の製造方法、試薬パッケージ10、保管方法は、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)のエネルギーレベルとHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギーレベルとの差、すなわち、バンドギャップが2.0eV以下であるπ共役系ポリマーに好適に適用することができる。本実施形態において、かかるπ共役系ポリマーのバンドギャップは、1.8eV以下であることがより好ましく、1.6eV以下であることがさらに好ましく、1.4eV以下であることがよりいっそう好ましい。
以下、本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60についてより具体的に説明するにあたり、共通して用いられる用語について説明する。
本明細書中、「構成単位」とは、π共役系ポリマー60中に1個以上存在する単位構造を意味する。「構成単位」は、「繰返し単位」(π共役系ポリマー60中に2個以上存在する単位構造)として含まれることが好ましい。
「水素原子」は、軽水素原子であっても、重水素原子であってもよい。
「ハロゲン原子」には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が含まれる。
「置換基を有していてもよい」とは、その化合物又は基を構成するすべての水素原子が無置換の場合、及び1個以上の水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。
「アルキル基」は、別に断らない限り、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20である。分岐状又は環状であるアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−n−プロピルヘプチル基、アダマンチル基、n−デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−ヘキシル−デシル基、n−ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
「アリール基」は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を1個を除いた残りの原子団を意味する。
アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、及びアルキル基、アルコキシ基、アリール基、フッ素原子等の置換基を有する基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは1〜10である。分岐状又は環状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、及びラウリルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、及びアルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等の置換基を有する基が挙げられる。
「アルキルチオ基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキルチオ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは1〜10である。分岐状及び環状のアルキルチオ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルキルチオ基は、置換基を有していてもよい。アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、及びトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
「アリールチオ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールチオ基は、置換基を有していてもよい。アリールチオ基の例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルキルオキシフェニルチオ基(ここで、「C1〜C12」は、その直後に記載された基の炭素原子数が1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、及びペンタフルオロフェニルチオ基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちのp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、「p価の芳香族複素環基」が好ましい。「p価の芳香族複素環基」は、置換基を有していてもよい芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。
ここで、複素環式化合物が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、及びニトロ基が挙げられる。
芳香族複素環式化合物には、複素環自体が芳香族性を示す化合物に加えて、芳香族性を示さない複素環に芳香環が縮環している化合物が包含される。
芳香族複素環式化合物のうち、複素環自体が芳香族性を示す化合物の具体例としては、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、及びジベンゾホスホールが挙げられる。
芳香族複素環式化合物のうち、芳香族性を示さない複素環に芳香環が縮環している化合物の具体例としては、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、及びベンゾピランが挙げられる。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、1価の複素環基の具体例としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有している基が挙げられる。
「置換アミノ基」とは、置換基を有するアミノ基を意味する。置換アミノ基が有し得る置換基の例としては、アルキル基、アリール基、及び1価の複素環基が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アリール基、又は1価の複素環基が好ましい。置換アミノ基の炭素原子数は、通常2〜30である。
置換アミノ基の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基等のジアリールアミノ基が挙げられる。
「アシル基」は、炭素原子数が通常2〜20であり、好ましくは炭素原子数が2〜18である。アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、及びペンタフルオロベンゾイル基が挙げられる。
「イミン残基」とは、イミン化合物から、炭素原子−窒素原子二重結合を構成する炭素原子又は窒素原子に直接結合する水素原子を1個除いた残りの原子団を意味する。「イミン化合物」とは、分子内に、炭素原子−窒素原子二重結合を有する有機化合物を意味する。イミン化合物の例としては、アルジミン、ケチミン、及びアルジミン中の炭素原子−窒素原子二重結合を構成する窒素原子に結合している水素原子が、アルキル基等で置換された化合物が挙げられる。
イミン残基は、通常炭素原子数が2〜20であり、好ましくは炭素原子数が2〜18である。イミン残基の例としては、下記の構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2020092262
「アミド基」は、アミドから窒素原子に結合した水素原子を1個除いた残りの原子団を意味する。アミド基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜18である。アミド基の具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、及びジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
「酸イミド基」とは、酸イミドから窒素原子に結合した水素原子を1個除いた残りの原子団を意味する。酸イミド基の炭素原子数は、通常、4〜20である。酸イミド基の具体例としては、下記の構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2020092262
「置換オキシカルボニル基」とは、R’−O−(C=O)−で表される基を意味する。ここで、R’は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は1価の複素環基を表す。
置換オキシカルボニル基は、炭素原子数が通常2〜60であり、好ましくは炭素原子数が2〜48である。
置換オキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、及びピリジルオキシカルボニル基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐状又は環状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基は、置換基を有していてもよい。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有している基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐状又は環状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基は置換基を有していてもよい。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有している基が挙げられる。
本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を含むポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
より具体的には、本実施形態にかかるπ共役系ポリマー60としては、例えば、下記式(I)で表される構成単位及び/又は下記式(II)で表される構成単位を含む高分子化合物が挙げられる。
Figure 2020092262
式(I)中、Ar及びArは、3価の芳香族複素環基を表し、Zは下記式(Z−1)〜式(Z−7)で表される基を表す。
Figure 2020092262
式(II)中、Arは2価の芳香族複素環基を表す。
Figure 2020092262
式(Z−1)〜(Z−7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、又はニトロ基を表す。式(Z−1)〜式(Z−7)のそれぞれにおいて、Rが2個存在する場合、2個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(I)で表される構成単位としては、例えば、下記式(I−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020092262
式(I−1)中、Zは前記と同様の意味を表す。
式(I−1)で表される構成単位としては、例えば、下記式(501)〜式(505)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020092262
式(501)〜式(505)中、Rは前記と同様の意味を表す。Rが2個存在する場合、2個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Arで表される2価の芳香族複素環基が有する炭素原子数は、通常2〜60であり、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜20である。Arで表される2価の芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。Arで表される2価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、及びニトロ基が挙げられる。
Arで表される2価の芳香族複素環基としては、例えば、下記式(101)〜式(185)で表される基が挙げられる。
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
式(101)〜式(185)中、Rは前記と同じ意味を表す。Rが複数個存在する場合、複数個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記式(II)で表される構成単位としては、例えば、下記式(II−1)〜式(II−6)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020092262
式(II−1)〜式(II−6)中、X及びXは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、Rは前記と同様の意味を表す。Rが複数個存在する場合、複数個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
原料化合物の入手性の観点から、式(II−1)〜式(II−6)中のX及びXは、いずれも硫黄原子であることが好ましい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60は、チオフェン骨格を含む構成単位を含む高分子化合物であってもよい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60は、2種以上の式(I)で表される構成単位を含んでいてもよく、2種以上の式(II)で表される構成単位を含んでいてもよい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60は、下記式(III)で表される構成単位を含んでいてもよい。
Figure 2020092262
式(III)中、Arはアリーレン基を表す。
Arで表されるアリーレン基とは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から、水素原子を2個除いた残りの原子団を意味する。芳香族炭化水素には、縮合環を有する化合物、独立したベンゼン環及び縮合環からなる群から選ばれる2個以上が、直接又はビニレン基等の2価の基を介して結合した化合物も含まれる。
芳香族炭化水素が有していてもよい置換基の例としては、複素環式化合物が有していてもよい置換基として例示された置換基と同様の置換基が挙げられる。
アリーレン基における、置換基を除いた部分の炭素原子数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。置換基を含めたアリーレン基の炭素原子数の上限は、100である。
アリーレン基の例としては、フェニレン基(例えば、下記式1〜式3)、ナフタレン−ジイル基(例えば、下記式4〜式13)、アントラセン−ジイル基(例えば、下記式14〜式19)、ビフェニル−ジイル基(例えば、下記式20〜式25)、ターフェニル−ジイル基(例えば、下記式26〜式28)、縮合環化合物基(例えば、下記式29〜式35)、フルオレン−ジイル基(例えば、下記式36〜式38)、及びベンゾフルオレン−ジイル基(例えば、下記式39〜式46)が挙げられる。
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
Figure 2020092262
式1〜46中、置換基であるRは、前記と同様の意味を表す。複数個存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60を構成する構成単位は、式(I)で表される構成単位、式(II)で表される構成単位及び式(III)で表される構成単位から選択される2種以上の構成単位が2つ以上組み合わされて連結された構成単位であってもよい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60が、式(I)で表される構成単位及び/又は式(II)で表される構成単位を含む場合、式(I)で表される構成単位及び式(II)で表される構成単位の合計量は、高分子化合物が含むすべての構成単位の量を100モル%とすると、通常20〜100モル%であってよく、電荷輸送性を向上させる観点から、40〜100モル%、又は50〜100モル%であってもよい。
本実施形態のπ共役系ポリマー60の具体例としては、下記式P−1〜P−4で表される高分子化合物が挙げられる
Figure 2020092262
上記工程(1)における封入容器20内に、所定量のπ共役系ポリマーを60を収容するとともに、この所定量のπ共役系ポリマー60に対して有効な量の有効成分を含む脱酸素剤50を配置して、選択された封入容器20に好適な手段、手法を用いて、封入容器20内を気密状態にすることにより、π共役系ポリマー60と脱酸素剤50とを封入容器20内に封入する。
この工程により、封入容器20内の雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気とされる。酸素濃度は、電子スピン濃度の上昇のより効率的な抑制の観点から、1%以下とされることがより好ましく、0.5%以下とされることがさらに好ましい。
<工程(2)>
本実施形態の有機光電変換素子の活性層は、p型半導体材料(電子供与性化合物)とn型半導体材料(電子受容性化合物)とを含む。p型半導体材料及びn型半導体材料のうちのいずれであるかは、選択された有機半導体材料のHOMO又はLUMOのエネルギーレベルから相対的に決定することができる。
活性層の厚さは、通常、1nm〜100μmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。有機光電変換素子を、例えば太陽電池に適用する場合には、活性層の厚さは、500nm〜1000nmであることが好ましく、また、有機光電変換素子を、例えば光検出素子に適用する場合には、活性層の厚さは、500nm〜1000nmであることが好ましい。
活性層は、例えば、インク組成物(塗布液)を用いる塗布法により製造することができる。
ここで、有機光電変換素子の主たる構成要素である活性層を塗布法によって形成する例について説明する。かかる活性層の形成工程は、下記の工程(i)及び工程(ii)を含んでいる。
工程(i)
インク組成物を塗布対象に塗布する方法としては、任意好適な塗布法を用いることができる。塗布法としては、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、インクジェット印刷法、ノズルコート法、又はキャピラリーコート法が好ましく、スリットコート法、スピンコート法、キャピラリーコート法、又はバーコート法がより好ましく、スリットコート法又はスピンコート法がさらに好ましい。
活性層形成用のインク組成物は、有機光電変換素子及びその製造方法に応じて選択された塗布対象に塗布される。活性層形成用のインク組成物は、有機光電変換素子の製造方法において、有機光電変換素子が有する機能層であって、活性層が隣接し得る機能層に塗布される。したがって、活性層形成用のインク組成物の塗布対象は、製造される有機光電変換素子の層構成及び層形成の順序によって異なる。例えば、有機光電変換素子が、基板/陽極/正孔輸送層/活性層/電子輸送層/陰極の層構成を有しており、より左側に記載された層が先に形成される場合、インク組成物の塗布対象は、正孔輸送層となる。また、例えば、有機光電変換素子が、基板/陰極/電子輸送層/活性層/正孔輸送層/陽極の層構成を有しており、より左側に記載された層が先に形成される場合、インク組成物の塗布対象は、電子輸送層となる。
工程(ii)
インク組成物の塗布膜から、溶媒を除去する方法、すなわち塗布膜を乾燥処理して溶媒を除去し、硬化させる方法としては、任意好適な方法を用いることができる。溶媒を除去する方法の例としては、ホットプレートを用いて直接的に加熱する方法、熱風乾燥法、赤外線加熱乾燥法、フラッシュランプアニール乾燥法、減圧乾燥法などによる乾燥処理が挙げられる。
活性層を形成する工程は、工程(i)及び工程(ii)以外に、本発明の目的及び効果を損なわないことを条件としてその他の工程を含んでいてもよい。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法は、複数の活性層を含む有機光電変換素子を製造する方法であってもよく、工程(i)及び工程(ii)が複数回繰り返される製造方法であってもよい。
(インク組成物)
上記工程(i)に用いられ得るインク組成物は、溶液であってもよく、分散液、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。本実施形態のインク組成物は、活性層形成用のインク組成物であって、p型半導体材料であるπ共役系ポリマー及びn型半導体材料と、第1溶媒とを含み、さらに所望により第2溶媒を含み得る。
インク組成物は、p型半導体材料(π共役系ポリマー60)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の割合の組み合わせとして含んでいてもよい。
(n型半導体材料)
n型半導体材料(電子受容性化合物)は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
低分子化合物であるn型半導体材料の例としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、C60フラーレン等のフラーレン類及びその誘導体、並びに、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体が挙げられる。
高分子化合物であるn型半導体材料の例としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、並びに、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。
n型半導体材料としては、フラーレン及びフラーレン誘導体から選ばれる1種以上が好ましく、フラーレン誘導体がより好ましい。
フラーレンの例としては、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、及びC84フラーレンが挙げられる。フラーレン誘導体の例としては、これらのフラーレンの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を意味する。
フラーレン誘導体の例としては、下記式(N−1)〜式(N−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020092262
式(N−1)〜式(N−4)中、Rは、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、又はエステル構造を有する基を表す。複数個あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(N−1)〜式(N−4)中、Rは、アルキル基、又はアリール基を表す。複数個あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
で表されるエステル構造を有する基の例としては、下記式(19)で表される基が挙げられる。
Figure 2020092262
式(19)中、u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。Rは、アルキル基、アリール基、又は1価の複素環基を表す。
60フラーレン誘導体の例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2020092262
70フラーレン誘導体の例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2020092262
フラーレン誘導体の具体例としては、[6,6]−フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]−Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]−フェニル−C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]−Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6」−フェニル−C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]−Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、及び[6,6]−チエニル−C61酪酸メチルエステル([6,6]−Thienyl C61 butyric acid methyl ester)が挙げられる。
インク組成物は、n型半導体材料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上の組み合わせを任意の割合で含んでいてもよい。
(第1溶媒)
溶媒は、選択されたp型半導体材料及びn型半導体材料に対する溶解性、活性層を形成する際の乾燥条件に対応するための特性(沸点など)を考慮して選択すればよい。
主溶媒である第1溶媒は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン原子)を有していてもよい芳香族炭化水素(以下、単に芳香族炭化水素という。)である。第1溶媒は、選択されたp型半導体材料及びn型半導体材料の溶解性を考慮して選択することが好ましい。
このような芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン(例、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、トリメチルベンゼン(例、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン(プソイドクメン))、ブチルベンゼン(例、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン)、メチルナフタレン(例、1−メチルナフタレン)、テトラリン、インダン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン(o−ジクロロベンゼン)が挙げられる。
第1溶媒は1種のみの芳香族炭化水素から構成されていても、2種以上の芳香族炭化水素から構成されていてもよい。第1溶媒は、1種のみの芳香族炭化水素から構成されることが好ましい。
第1溶媒は、好ましくは、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、プソイドクメン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、メチルナフタレン、テトラリン、インダン、クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼンからなる群から選択される1種以上を含み、より好ましくは、o−キシレン、プソイドクメン、テトラリン、クロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼンである。
(第2溶媒)
第2溶媒は、特にn型半導体材料の溶解性を高める観点から選択される溶媒であることが好ましい。第2溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル溶媒が挙げられる。
第2溶媒は、暗電流を低減する観点から、アセトフェノン、プロピオフェノン、又は安息香酸ベンジルが好ましい。
(第1溶媒及び第2溶媒の組み合わせ)
第1溶媒及び第2溶媒の組み合わせとしては、例えば、下記表1に示される組み合わせが挙げられる。
Figure 2020092262
(第1溶媒及び第2溶媒の重量比)
主溶媒である第1溶媒の添加溶媒である第2溶媒に対する重量比(第1溶媒/第2溶媒)は、p型半導体材料及びn型半導体材料の溶解性をより向上させる観点から、85/15〜95/5の範囲とすることが好ましい。
(インク組成物における第1溶媒及び第2溶媒の合計の重量百分率)
インク組成物に含まれる第1溶媒及び第2溶媒の総重量は、インク組成物の全重量を100重量%としたときに、p型半導体材料及びn型半導体材料の溶解性をより向上させる観点から、好ましくは90重量%以上、より好ましくは92重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上であり、インク組成物中のp型半導体材料及びn型半導体材料の含有量をより多くしつつ一定の厚さ以上の膜を形成し易くする観点から、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97.5重量%以下である。
(任意の溶媒)
インク組成物は、第1溶媒及び第2溶媒以外の任意の溶媒を含んでいてもよい。インク組成物に含まれる全溶媒の合計重量を100重量%としたときに、任意の溶媒の含有率は、好ましくは5重量%以下であり、より好ましくは3重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以下である。任意の溶媒としては、第2溶媒より沸点が高い溶媒が好ましい。
(任意の成分)
インク組成物には、第1溶媒、第2溶媒、p型半導体材料、及びn型半導体材料の他に、本発明の目的及び効果を損なわない限度において、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増加させるための光安定剤といった任意の成分が含まれていてもよい。
(インク組成物におけるp型半導体材料及びn型半導体材料の濃度)
インク組成物における、p型半導体材料及びn型半導体材料の合計の濃度は、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以上10重量%以下であることがより好ましく、0.01重量%以上5重量%以下であることがさらに好ましく、0.1重量%以上5重量%以下であることが特に好ましい。インク組成物中、p型半導体材料及びn型半導体材料は溶解していても分散していてもよい。p型半導体材料及びn型半導体材料は、好ましくは少なくとも一部が溶解しており、より好ましくは全部が溶解している。
(インク組成物の調製)
インク組成物は、公知の方法により調製することができる。例えば、第1溶媒及び第2溶媒を混合して混合溶媒を調製し、混合溶媒にp型半導体材料及びn型半導体材料を添加する方法、第1溶媒にp型半導体材料を添加し、第2溶媒にn型半導体材料を添加してから、各材料が添加された第1溶媒及び第2溶媒を混合する方法などにより、調製することができる。
第1溶媒及び第2溶媒とp型半導体材料及びn型半導体材料とを、溶媒の沸点以下の温度で加温して混合してもよい。
第1溶媒及び第2溶媒とp型半導体材料及びn型半導体材料とを混合した後、得られた混合物をフィルターを用いて濾過し、得られた濾液をインク組成物として用いてもよい。フィルターとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂で形成されたフィルターを用いることができる。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法によれば、活性層の材料であるπ共役系ポリマー60の電子スピン濃度の上昇、すなわちπ共役系ポリマー60の経時的な劣化を効果的に抑制しつつ保管できるので、π共役系ポリマー60の合成のタイミングに特に合わせることなく、保管されていたπ共役系ポリマー60を用いて、オンデマンドでの有機光電変換素子の製造が可能となる。
また、本実施形態にかかる保管方法によれば、簡便な工程により、π共役系ポリマー60の電子スピン濃度の上昇、すなわちπ共役系ポリマー60の経時的な劣化を効果的に抑制しつつ、π共役系ポリマー60をより長期間にわたってより安定的に保管することができる。
2.有機光電変換素子
本実施形態にかかる有機光電変換素子は、陽極及び陰極を含む1対の電極、及び該1対の電極間に設けられ、π共役系ポリマー60を有機半導体材料として含む活性層を備える。
以下、本実施形態の有機光電変換素子が備え得る、既に説明した活性層以外の構成及びその形成工程について説明する。
(基板)
有機光電変換素子は、通常、基板に形成される。この基板には、通常、陰極及び陽極を含む電極が形成される。基板の材料は、特に有機化合物を含む層を形成する際に化学的に変化しない材料であれば特に限定されない。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。基板としては、後述する電極が形成されているか、又はパターニングすることにより電極として機能し得る導電性材料の層が設けられた基板を用意して用いることができる。導電性材料の層が設けられた基板の例としては、インジウムスズオキサイド(ITO)の層が形成されたガラス基板が挙げられる。
(電極)
透明又は半透明の電極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるITO、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、NESA等の導電性材料、金、白金、銀、銅が挙げられる。透明又は半透明の電極の材料としては、ITO、IZO、酸化スズが好ましい。また、電極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機化合物が材料として用いられる透明導電膜を用いてもよい。透明又は半透明の電極は、陽極であっても陰極であってもよい。基板が不透明である場合には、不透明な基板側に設けられる電極とは反対側の電極(すなわち、基板から遠い側の電極)が透明又は半透明の電極とされることが好ましい。
1対の電極のうち、一方の電極が透明又は半透明であれば、他方の電極は光透過性の低い電極であってもよい。光透過性の低い電極の材料としては、例えば、金属、及び導電性高分子が挙げられる。光透過性の低い電極の材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びこれらのうちの2種以上の合金、又は、これらのうちの1種以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体が挙げられる。合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
電極の形成方法としては、従来公知の任意好適な形成方法を用いることができる。電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びめっき法が挙げられる。
(中間層)
本実施形態の有機光電変換素子は、光電変換効率といった特性を向上させるためのさらなる構成要素として、電荷輸送層(電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層)といった付加的な中間層を備えていてもよい。
このような中間層に用いられる材料としては、従来公知の任意好適な材料を用いることができる。中間層の材料としては、例えば、フッ化リチウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、及び酸化物が挙げられる。
また、中間層に用いられる材料としては、例えば、酸化チタン等の無機半導体の微粒子、及びPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))とPSS(ポリ(4−スチレンスルホネート))との混合物(PEDOT:PSS)が挙げられる。
有機光電変換素子は、陽極と活性層との間に、正孔輸送層を備えていてもよい。正孔輸送層は、活性層から電極へと正孔を輸送する機能を有する。
陽極に接して設けられる正孔輸送層を、特に正孔注入層という場合がある。陽極に接して設けられる正孔輸送層(正孔注入層)は、陽極への正孔の注入を促進する機能を有する。正孔輸送層(正孔注入層)は、活性層に接していてもよい。
正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む。正孔輸送性材料の例としては、ポリチオフェン及びその誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン残基を有する構成単位を含む高分子化合物、CuSCN、CuI、NiO、及び酸化モリブデン(MoO)が挙げられる。
有機光電変換素子は、陰極と活性層との間に、電子輸送層を備えていてもよい。電子輸送層は、活性層から陰極へと電子を輸送する機能を有する。電子輸送層は、陰極に接していてもよい。電子輸送層は活性層に接していてもよい。
電子輸送層は、電子輸送性材料を含む。電子輸送性材料の例としては、酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子、ポリエチレンイミン、エトキシ化ポリエチレンイミン、及びPFN−P2が挙げられる。
中間層は、既に説明した活性層の製造方法と同様の塗布法により形成することができる。
(封止層)
本実施形態の有機光電変換素子は、封止層をさらに備えていてもよい。封止層は、例えば、基板から遠い方の電極側に設けることができる。封止層は、水分を遮断する性質(水蒸気バリア性)又は酸素を遮断する性質(酸素バリア性)を有する材料を用いて、選択された材料に好適な方法により形成することができる。
(有機光電変換素子の用途)
本実施形態の有機光電変換素子は、光が照射されることにより、電極間に光起電力を発生させることができ、太陽電池として動作させることができる。また太陽電池を複数集積することにより薄膜太陽電池モジュールとすることもできる。
また、本実施形態の有機光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極側から光を照射することにより、光電流を流すことができ、光検出素子(光センサー)として動作させることができる。また、光センサーを複数集積することによりイメージセンサーとして用いることもできる。
3.試薬パッケージ
本実施形態の試薬パッケージ10は、既に説明した有機光電変換素子の製造方法及びπ共役系ポリマー60の保管方法に好適に適用することができる。
図1に示されるように、本実施形態の試薬パッケージ10は、有機光電変換素子の活性層形成用のπ共役系ポリマー60と、π共役系ポリマー60の封入及び取出しが自在であり、ガスバリア性を有する封入容器20であって、π共役系ポリマー60が気密状態で封入されている封入容器20と、気密状態とされた封入容器20内の雰囲気に接触するように設けられた脱酸素剤50を含み、該雰囲気の酸素濃度が1%以下である。
図1に示される構成例では、脱酸素剤50は、封入容器20であるボトル状容器30と袋状容器40との両方に設けられている。具体的には、ボトル状容器30の内蓋36の凹部36aに1個の脱酸素剤50が載置されており、ボトル状容器30外である袋状容器40内に3個の脱酸素剤50がさらに封入されている。
本実施形態の試薬パッケージ10にかかる有機光電変換素子、π共役系ポリマー60、封入容器20及び脱酸素剤50の態様、材料、製造方法等は、既に説明したとおりである。
本実施形態の試薬パッケージ10によれば、簡易な構成でπ共役系ポリマー60の電子スピン濃度の上昇、すなわち、π共役系ポリマー60の経時的な劣化を効果的に抑制しつつ、π共役系ポリマー60をより長期間にわたってより安定的に保管することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示す。本発明は実施例に限定されない。
本実施例では、p型半導体材料及びn型半導体材料として、下記表2に示される構成単位及び組成を有する高分子化合物及び化合物を使用した。
Figure 2020092262
高分子化合物P−1は、国際公開第2013051676号に記載の方法を参考にして合成した(バンドギャップ:1.38eV、極大吸収波長:780nm)。
高分子化合物P−2としては、PCE10(商品名、1−material社製)を入手して使用した(バンドギャップ:1.59eV、極大吸収波長:680nm)。
高分子化合物P−3としては、PDPP3T(商品名、Lumtec社製)を入手して使用した(バンドギャップ:1.24eV、極大吸収波長:850nm)。
高分子化合物P−4としては、Poly(3―hexylthiophene−2,5−diyl)(商品名、Sigma−Aldrich社製)を入手して使用した(バンドギャップ:2.00eV、極大吸収波長:500nm)。
化合物C−1としては、DTS(FBTTh2)2(商品名、1−material社製)を入手して使用した。
化合物N−1(C60PCBM)としては、E100(商品名、フロンティアカーボン社製)を入手して使用した。
(インク組成物の調製)
上記高分子化合物又は化合物と溶媒とを用いて、下記のとおり活性層形成用のインク組成物を調製した。使用した溶媒及び溶媒の沸点(bp)を、下記表3に示す。
Figure 2020092262
<調製例1>
第1溶媒としてプソイドクメン、第2溶媒として安息香酸ベンジルを用い、第1溶媒と第2溶媒との重量比を90:10として混合溶媒を調製した。調製された混合溶媒に、p型半導体材料として高分子化合物P−1(重量平均分子量:62200)をインク組成物の全重量に対して1.44重量%、及びn型半導体材料として化合物N−1をインク組成物の全重量に対し1.5重量%混合し(p/n比=1/1.5)、60℃で12時間撹拌を行った後、孔径5μmのPTFEフィルターを用いて濾過を行い、インク組成物(I−1)を得た。インク組成物(I−1)に用いられたp型半導体材料、p型半導体材料の重量平均分子量及びp/n比を下記表4に示す。
<調製例2〜4>
p型半導体材料として、下記表3に示した高分子化合物それぞれを含むインク組成物を使用した以外は、調製例1と同じ溶媒及びn型半導体材料を使用して、インク組成物(I−2)〜(I−4)の調製を行った。インク組成物(I−2)〜(I−4)に用いられたp型半導体材料、p型半導体材料の重量平均分子量及びp/n比を下記表4に示す。
Figure 2020092262
(検量線の作成)
電子スピン量とESRスペクトルの面積値との相関を示す検量線の作成は、標準物質としてTEMPO(2,2,6,6−tetramethylpiperidine 1−oxyl)を用いて実施した。以下、具体的に説明する。
まず、TEMPO1.02mgを10mLのトルエンに溶解させ、0.65mMのTEMPO溶液を調製した(標準液1)。10mLのメスフラスコに得られた溶液1mLを量り取り、トルエンを用いて定容し、0.065mMの溶液を調製した(標準液2)。
同様に操作して、0.0065mM(標準液3)及び0.00065mM(標準液4)を調製した。得られた標準液1〜4それぞれについてESR測定を実施し、得られたESRスペクトルの面積値を求めた。得られた面積値に基づいて検量線を作成した。
<実施例1>
π共役系ポリマーである高分子化合物P−1を50mg用意し、大気雰囲気下、ガラス製である容器A(10mLのスクリュー管バイアルビン)に、容器Aの内部の雰囲気を高分子化合物P−1の電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気とするために、気密状態にならないように蓋を緩めた状態として、高分子化合物P−1を収容した。その後、容器Aと脱酸素剤であるセキュール AP−250(ニッソーファイン社製)とを、封入容器であるチャック付きアルミ袋(アルミラミジップ、セイニチ社製、AL−10)に入れ、アルミラミジップの開口部を熱ラミネーションにより封止して、容器Aと脱酸素剤とをアルミラミジップ内に封入することにより、高分子化合物P−1が接触する雰囲気の酸素濃度を1%以下とした。
高分子化合物P−1が入った容器Aと脱酸素剤とが封入されたアルミラミジップを、60℃、75RH%とした恒温槽に入れ、2週間静置して保管した。2週間経過後、保管処理後の高分子化合物P−1を用いて、後述する方法により外部量子効率(EQE)及び電子スピン濃度を測定して評価した。EQE及び電子スピン濃度の測定方法については後述する。
保管処理前のEQE及び電子スピン濃度と併せて、結果を下記表5に示す。なお、EQEは、保管処理前の高分子化合物P−1を用いて製造された有機光電変換素子にかかるEQEを基準とした相対値として示す。
<実施例2>
高分子化合物P−1に代えてπ共役系ポリマーである高分子化合物P−2を用いた以外は、実施例1と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定して評価した。結果を下記表5に示す。
<実施例3>
高分子化合物P−1に代えてπ共役系ポリマーである高分子化合物P−3を用いた以外は、実施例1と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定した。結果を下記表5に示す。
<実施例4>
高分子化合物P−1に代えてπ共役系ポリマーである高分子化合物P−4を用いた以外は、実施例1と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定して評価した。結果を下記表5に示す。
<比較例1>
アルミジップ中に脱酸素剤を封入しなかった以外は、実施例1と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定して評価した。結果を下記表5に示す。
<比較例2>
アルミジップ中に脱酸素剤を封入しなかった以外は、実施例2と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定して評価した。結果を下記表5に示す。
<比較例3>
アルミジップ中に脱酸素剤を封入しなかった以外は、実施例3と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定して評価した。結果を下記表5に示す。
<比較例4>
アルミジップ中に脱酸素剤を封入しなかった以外は、実施例4と同様にして、EQE及び電子スピン濃度を測定して評価した。結果を下記表5に示す。
(電子スピン濃度の測定)
X−band ESR装置(JEOL社製)を用いたESR測定により上記実施例1〜4及び比較例1〜4にかかる高分子化合物(p型半導体材料)1gあたりの電子スピン濃度を測定した。
保管前及び保管処理後の高分子化合物をそれぞれ5mg量り取り、それぞれをESR管(5φ)に入れてESR測定を実施した。得られたESRスペクトルの面積値から、既に説明した検量線を用いて電子スピン量を定量した。得られた電子スピン量をp型半導体材料の秤量値で除算し、得られた値を高分子化合物の1gあたりの電子スピン濃度(Spin/g)とした。
(EQE測定用有機光電変換素子の製造及びEQEの測定)
スパッタ法により150nmの厚さでITO層が形成されたガラス基板に対しオゾンUV処理による表面処理を行って陰極とした。
酸化亜鉛ナノ粒子(粒径20〜30nm)の45重量%イソプロパノール分散液(HTD−711Z、テイカ社製)を、当該分散液の10倍重量部の3−ペンタノールで希釈し、塗布液を調製した。
得られた塗布液を、スピンコート法によりITO層上に40nmの厚さとなるように塗布し、窒素ガス雰囲気下、200℃、10分間の加熱乾燥処理を行うことにより電子輸送層を形成した。
次に、既に説明した保管処理前及び保管処理後の高分子化合物を含むインク組成物を、形成された電子輸送層上にスピンコート法により塗布して塗布膜を形成した後、得られた塗布膜に対して100℃に加熱したホットプレートを用いて5分間乾燥処理を行うことにより、活性層を形成した。乾燥した活性層を、130℃に加熱したホットプレートを用いて、グローブボックス中で10分間、加熱処理(ベーク)を実施した。加熱処理後の活性層の厚さは約250nmであった。
その後、抵抗加熱蒸着装置内にて、活性層上にMoOの層を約30nmの厚さとして形成し、次いで、MoOの層上にAgの層を約80nmの厚さで形成することにより、陽極とした。
次いで、UV硬化性封止剤を、上記のとおり陰極まで形成された積層構造体である有機光電変換素子の周辺に塗布し、ガラス基板を貼り合わせた後、UV光を照射することで封止を施した。得られた有機光電変換素子のパッケージの形状は1cm×1cmの正方形であった。
製造された有機光電変換素子のEQEはソーラーシミュレーター(CEP−2000、分光計器社製)を用いて測定した。
Figure 2020092262
実施例1〜4及び比較例1〜4から明らかなとおり、保管処理がされたπ共役系ポリマーである高分子化合物(p型半導体材料)は、保管処理後のスピン濃度の上昇が顕著に抑制されていた。
また、保管処理後のp型半導体材料を用いて製造された有機光電変換素子においてはEQEの低下が顕著に抑制されており、有機光電変換素子の電気的特性は、保管処理前の高分子化合物を用いて製造された有機光電変換素子の電気的特性と同等であった。
よって、本実施例によれば、簡便な工程により、π共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇、すなわちπ共役系ポリマーの経時的な劣化を効果的に抑制しつつ、π共役系ポリマーを保管することができ、保管処理後のp型半導体材料を用いたとしても有機光電変換素子の特性、すなわち外部量子効率に対する影響は小さいことがわかった。
<比較例5>
高分子化合物P−1に代えて化合物C−1を用いた以外は、実施例1(脱酸素剤あり)及び比較例1(脱酸素剤なし)と同様にして、電子スピン濃度を測定した。結果を下記表6に示す。
Figure 2020092262
低分子化合物であって、π共役系ポリマーではない化合物C−1については、保管処理の前後におけるスピン濃度の変動は検出されなかった。すなわち、本発明にかかる有機光電変換素子の製造方法、保管方法、試薬パッケージは、特にπ共役系ポリマーに好適に適用できることがわかった。
<実施例5>
π共役系ポリマーである高分子化合物P−1を1.6gを、大気雰囲気下、内蓋を有する容器(近畿容器社製、ハイレジストBRS―150)に入れ、1cm四方の孔部を1つ設けた内蓋を容器本体の開口部に嵌合し、内蓋の上に脱酸素剤であるセキュール AP−250(ニッソーファイン社製)を1つ設置し、その後封入した。高分子化合物P−1が入った該封入容器および脱酸素剤(セキュール AP−250(ニッソーファイン社製))4個をアルミラミジップに入れ、熱ラミネーションにより封止することにより、高分子化合物P−1が接触する雰囲気の酸素濃度を1%以下とした。
高分子化合物P−1および脱酸素剤が封入された容器と、さらなる脱酸素剤とが封入されたアルミラミジップを、60℃/75RH%とした恒温槽に入れ、3か月間静置して保管した。3か月経過後、保管処理後の高分子化合物P−1を用いて、実施例1と同様の方法で電子スピン濃度を測定した。保管処理前の電子スピン濃度と併せて、結果を下記表7に示す。
<比較例6>
脱酸素剤を容器内およびアルミラミジップ内に同封しなかった以外は、実施例5と同様にして、電子スピン濃度を測定し評価した。結果を下記表7に示す。
Figure 2020092262
脱酸素剤を、容器内およびアルミラミジップ内の両方に設けた実施例5では、脱酸素剤を容器内およびアルミラミジップ内のいずれにも設けなかった比較例5に対して、π共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇、すなわちπ共役系ポリマーの経時的な劣化を極めて効果的に抑制しつつ、π共役系ポリマーを保管することができた。
10 試薬パッケージ
20 封入容器
30 ボトル状容器
32 本体部
32a 開口部
36 内蓋
36a 凹部
36b 孔部
38 外蓋
40 袋状容器
50 脱酸素剤
60 π共役ポリマー

Claims (14)

  1. 陽極及び陰極を含む1対の電極、及び該1対の電極間に設けられ、π共役系ポリマーを含む活性層を備える有機光電変換素子の製造方法において、
    内部が前記π共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気である封入容器に、前記π共役系ポリマーを保管する保管工程と、
    保管後の前記π共役系ポリマーを用いて、前記活性層を形成する工程と
    を含む、有機光電変換素子の製造方法。
  2. 前記保管工程における前記雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気である、請求項1に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  3. 前記保管工程において、前記封入容器内に脱酸素剤が設けられている、請求項1又は2に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  4. 保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、10×1016以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  5. 保管後の前記π共役系ポリマーの極大吸収波長が、500nm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  6. 保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、保管前の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度の2.4倍未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  7. 保管後の前記π共役系ポリマーを含む塗布液を調製する調製工程をさらに含み、
    前記活性層を形成する工程が、前記調製工程で得られた塗布液を塗布することにより前記活性層を形成する工程である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  8. 有機光電変換素子の活性層形成用のπ共役系ポリマーと、
    前記π共役系ポリマーの封入及び取出しができ、ガスバリア性を有する封入容器であって、該π共役系ポリマーが気密状態で封入されている封入容器と、
    気密状態とされた前記封入容器内の雰囲気に接触するように設けられた脱酸素剤を含み、該雰囲気が1%以下の酸素濃度の雰囲気である、試薬パッケージ。
  9. 保管後の前記π共役系ポリマー1gあたりの電子スピン濃度が、10×1016以下である、請求項8に記載の試薬パッケージ。
  10. 保管後の前記π共役系ポリマーの極大吸収波長が、500nm以上である、請求項8又は9に記載の試薬パッケージ。
  11. 前記脱酸素剤が、鉄、糖及びレダクトンからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の試薬パッケージ。
  12. 前記材料が、鉄を含有する材料である、請求項11に記載の試薬パッケージ。
  13. 前記封入容器が、
    開口部を有しており、前記π共役系ポリマーを収容する本体部と、
    前記開口部の内壁に取付け取外し自在に嵌合し、前記脱酸素剤を前記π共役系ポリマーから離間させた状態で載置することができる凹部を画成し、該脱酸素剤と該π共役系ポリマーが接触している雰囲気とを接触させることができる孔部を有する内蓋と、
    前記内蓋が取り付けられた状態で、前記開口部の外壁に取付け取外し自在に嵌合して、前記本体部内を気密状態にできる外蓋と
    を含む、請求項8〜12のいずれか1項に記載の試薬パッケージ。
  14. 内部がπ共役系ポリマーの電子スピン濃度の上昇を抑制する雰囲気である封入容器に、該π共役系ポリマーを保管する保管工程を含む、保管方法。
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