JP2015065368A - 樹脂シート及び電子デバイスパッケージの製造方法 - Google Patents

樹脂シート及び電子デバイスパッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空包装容器内で保存した場合の保存性に優れた樹脂シート及び電子デバイスパッケージの製造方法を提供する。【解決手段】 本発明は、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シートを配置する工程と、前記基板に実装された前記電子デバイス及び前記電子デバイスの上に配置された前記樹脂シートを、真空包装容器に入れる工程と、前記真空包装容器内の前記電子デバイスを前記樹脂シートで封止する工程とを含む電子デバイスパッケージの製造方法に使用される樹脂シートであって、特定の式で算出される100℃の複素粘性率の変化率が35%以下である樹脂シートに関する。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂シート及び電子デバイスパッケージの製造方法に関する。
電子デバイスを封止する方法として、電子デバイスを樹脂シートで封止する方法が知られている。
例えば、特許文献1及び特許文献2は、基板に実装された電子機能素子(SAWフィルタなど)の上に樹脂シートを配置し、次いで基板上に実装された電子機能素子と樹脂シートとをガスバリア性を備えた袋の中に入れ、次いで袋内を減圧し、次いで袋内の電子機能素子を樹脂シートで封止する方法を開示している。この方法は、減圧下でSAWフィルタを封止できるためボイドの発生を低減できる、簡素な減圧装置により実施できるなどのメリットがある。
国際公開WO2005/071731号(国際公開第05/071731号パンフレット) 特許第5223657号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、封止工程を行うまで、樹脂シートを袋内で保存することがある。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、樹脂シートを袋内に配置したまま封止工程をおこなう、すなわち樹脂シートを袋から取り出すことなく封止工程をおこなうため、電子デバイスを封止する際に樹脂シートの保存状態(硬化の度合)を確認することができない。硬化が過度に進んだ樹脂シートで電子デバイスを封止すると、製品不良が生じ易くなる。よって、このような方法に用いる樹脂シートには、特に高い保存性が求められる。
本発明は前記課題を解決し、真空包装容器内で保存した場合の保存性に優れた樹脂シート及び電子デバイスパッケージの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、保存前後における100℃の複素粘性率の変化率を指標とすることで、樹脂シートの保存性の程度を良好に評価できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シートを配置する工程と、前記基板に実装された前記電子デバイス及び前記電子デバイスの上に配置された前記樹脂シートを、真空包装容器に入れる工程と、前記真空包装容器内の前記電子デバイスを前記樹脂シートで封止する工程とを含む電子デバイスパッケージの製造方法に使用される樹脂シートであって、下記式で算出される100℃の複素粘性率の変化率が35%以下である樹脂シートに関する。
100℃の複素粘性率の変化率(%)=[(η2−η1)/η1]×100
(式中、η2は、真空包装された樹脂シートを25℃、大気圧下で72時間放置した後の100℃の複素粘性率を表す。η1は、放置前の100℃の複素粘性率を表す。)
前記樹脂シートは上記の変化率を満足するので、真空包装容器内で保存した場合の保存性に優れる。
前記樹脂シートについて、100℃の複素粘性率が2000Pa・s以上であることが好ましい。これにより、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できる。また、樹脂シートと真空包装容器の内面との接触などによる樹脂シートの変形を防止又は低減できる。また、包装容器内でSAWフィルタを樹脂封止する際に、中空部を容易に維持できる。
前記樹脂シートは無機充填剤を含み、前記樹脂シート中の前記無機充填剤の含有量が70〜90体積%であることが好ましい。これにより、100℃の複素粘性率を上記範囲に容易に調整できる。また、熱膨張係数、吸水率を小さくできる。
前記樹脂シートは熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂シート中の前記熱可塑性樹脂の含有量が0.5〜30重量%であることが好ましい。これにより、100℃の複素粘性率を上記範囲に容易に調整できる。
前記樹脂シートは硬化促進剤を含み、前記硬化促進剤がイミダゾール系硬化促進剤もしくは、4級ホスホニウム塩系硬化促進剤であることが好ましい。これにより、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できる。
前記樹脂シートは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、熱可塑性樹脂及び無機充填剤を混練して得られる混練物をシート状に塑性加工して得られることが好ましい。混練では、溶剤塗工法に比べ硬化促進剤がエポキシ樹脂などとなじみ難く、硬化促進剤が比較的反応し難い。よって、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できる。
前記電子デバイスが中空構造を有するデバイス、例えばSAWフィルタであることが好ましい。
本発明はまた、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シートを配置する工程と、前記基板に実装された前記電子デバイス及び前記電子デバイスの上に配置された前記樹脂シートを、真空包装容器に入れる工程と、前記真空包装容器内の前記電子デバイスを前記樹脂シートで封止する工程とを含む電子デバイスパッケージの製造方法であって、前記樹脂シートについて、下記式で算出される100℃の複素粘性率の変化率が35%以下である電子デバイスパッケージの製造方法に関する。
100℃の複素粘性率の変化率(%)=[(η2−η1)/η1]×100
(式中、η2は、真空包装された樹脂シートを25℃、大気圧下で72時間放置した後の100℃の複素粘性率を表す。η1は、放置前の100℃の複素粘性率を表す。)
実施形態1の樹脂シートの断面模式図である。 SAWフィルタを実装するLTCC基板の断面模式図である。 LTCC基板に実装されたSAWフィルタ上に樹脂シートを積層した様子を模式的に示す図である。 LTCC基板に実装されたSAWフィルタ及びSAWフィルタ上の樹脂シートを真空包装容器の中に入れた様子を模式的に示す図である。 真空包装容器を密封した様子を模式的に示す図である。 樹脂シート中に埋め込まれたSAWフィルタを真空包装容器から取り出した様子を模式的に示す図である。 分割後のSAWフィルタパッケージの断面模式図である。
以下に実施形態を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
[実施形態1]
図1は、実施形態1の樹脂シート11の断面模式図である。なお、樹脂シート11の両面には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの支持体が設けられていてもよい。樹脂シート11からの剥離を容易に行うために、支持体には離型処理が施されていてもよい。
樹脂シート11は熱硬化性であることが好ましい。
樹脂シート11は、下記式で算出される100℃の複素粘性率の変化率が35%以下である。
100℃の複素粘性率の変化率(%)=[(η2−η1)/η1]×100
(式中、η2は、真空包装された樹脂シートを25℃、大気圧下で72時間放置した後の100℃の複素粘性率を表す。η1は、放置前の100℃の複素粘性率を表す。)
100℃の複素粘性率の変化率が35%以下であるので、真空包装容器内で保存した場合の保存性に優れる。100℃の複素粘性率の変化率は、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
100℃の複素粘性率の変化率の下限は特に限定されず、例えば3%以上である。
真空包装容器に入れる前の100℃の複素粘性率、すなわちη1について、樹脂シート11の100℃の複素粘性率は、好ましくは2000Pa・s以上、より好ましくは4000Pa・s以上である。2000Pa・s以上であると、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できる。また、樹脂シート11と真空包装容器の内面との接触などによる樹脂シート11の変形を防止又は低減できる。また、包装容器内でSAWフィルタを樹脂封止する際に、中空部を容易に維持できる。100℃の複素粘性率は、好ましくは50万Pa・s以下、より好ましくは20万Pa・s以下である。50万Pa・s以下であると、良好な電子デバイスとの接着性が得られる。
なお、100℃の複素粘性率は、実施例に記載の方法により測定できる。
樹脂シート11は、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの各種のエポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
エポキシ樹脂の反応性を確保する観点からは、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃の常温で固形のものが好ましい。なかでも、信頼性の観点から、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
樹脂シート11は、フェノール樹脂を含むことが好ましい。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂との間で硬化反応を生起するものであれば特に限定されるものではない。例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂などが用いられる。これらフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂との反応性の観点から、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましく、なかでも硬化反応性が高いという観点から、フェノールノボラック樹脂を好適に用いることができる。また、信頼性の観点から、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものも好適に用いることができる。
樹脂シート11中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量は、5重量%以上が好ましい。5重量%以上であると、電子デバイス、基板などに対する接着力が良好に得られる。樹脂シート11中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量は、20重量%以下が好ましい。20重量%以下であると、吸湿性を低く抑えることができる。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、硬化反応性という観点から、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂中の水酸基の合計が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましく、より好ましくは0.9〜1.2当量である。
樹脂シート11は、硬化促進剤を含むことが好ましい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化を進行させるものであれば特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾール(商品名;2MZ)、2−ウンデシルイミダゾール(商品名;C11−Z)、2−ヘプタデシルイミダゾール(商品名;C17Z)、1,2−ジメチルイミダゾール(商品名;1.2DMZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名;2E4MZ)、2−フェニルイミダゾール(商品名;2PZ)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(商品名;2P4MZ)、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(商品名;1B2MZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(商品名;1B2PZ)、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(商品名;2MZ−CN)、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z−CN)、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(商品名;2PZCNS−PW)、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名;2MZ−A)、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名;C11Z−A)、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名;2E4MZ−A)、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名;2MA−OK)、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2PHZ−PW)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2P4MHZ−PW)などのイミダゾール系硬化促進剤(いずれも四国化成工業(株)製);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名;TPP−K)(北興化学工業)などのリン系硬化促進剤などが挙げられる。硬化物のTgを高めやすい点と速硬化性が得られやすい点から、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できるという理由からイミダゾール系硬化促進剤が好ましく、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールがより好ましい。
リン系硬化促進剤としては、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できるという理由から、4級ホスホニウム塩系硬化促進剤が好ましく、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートがより好ましい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは3重量部以上である。0.1重量部以上であると、実用的な時間で熱硬化できる。また、硬化促進剤の含有量は、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは8重量部以下である。15重量部以下であると、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できる。
樹脂シート11は、熱可塑性樹脂(エラストマー)を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBTなどの飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
樹脂シート11中の熱可塑性樹脂の含有量は、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。0.5重量%以上であると、100℃の複素粘性率を上記範囲に容易に調整できる。樹脂シート11中の熱可塑性樹脂の含有量は、30重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。30重量%以下であると、電子デバイスなどに対して良好な接着力が得られる。
樹脂シート11は、無機充填剤を含むことが好ましい。無機充填剤を配合することにより、熱膨張係数を小さくできる。
無機充填剤としては、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ(溶融シリカや結晶性シリカなど)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素などが挙げられる。なかでも、熱膨張係数を良好に低減できるという理由から、シリカ、アルミナが好ましく、シリカがより好ましい。シリカとしては、流動性に優れるという理由から、溶融シリカが好ましく、球状溶融シリカがより好ましい。
無機充填剤の平均粒子径は、好ましくは5μm以上である。5μm以上であると、樹脂シート11の可撓性、柔軟性を得易い。無機充填剤の平均粒子径は、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。50μm以下であると、無機充填剤を高充填率化し易い。
なお、平均粒子径は、例えば、母集団から任意に抽出される試料を用い、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することにより導き出すことができる。
無機充填剤は、シランカップリング剤により処理(前処理)されたものが好ましい。これにより、樹脂との濡れ性を向上でき、無機充填剤の分散性を高めることができる。
シランカップリング剤は、分子中に加水分解性基及び有機官能基を有する化合物である。
加水分解性基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。なかでも、加水分解によって生じるアルコールなどの揮発成分を除去し易いという理由から、メトキシ基が好ましい。
有機官能基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基などが挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂と反応し易いという理由から、エポキシ基が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニル基含有シランカップリング剤;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル基含有シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリル基含有シランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリル基含有シランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド基含有シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤により無機充填剤を処理する方法としては特に限定されず、溶媒中で無機充填剤とシランカップリング剤を混合する湿式法、気相中で無機充填剤とシランカップリング剤を処理させる乾式法などが挙げられる。
シランカップリング剤の処理量は特に限定されないが、未処理の無機充填剤100重量部に対して、シランカップリング剤を0.1〜1重量部処理することが好ましい。
樹脂シート11中の無機充填剤の含有量は、好ましくは70体積%以上であり、より好ましくは74体積%以上である。70体積%以上であると、100℃の複素粘性率を上記範囲に容易に調整できる。また、熱膨張係数、吸水率を小さくできる。一方、無機充填剤の含有量は、好ましくは90体積%以下であり、より好ましくは85体積%以下である。90体積%以下であると、良好な柔軟性、流動性、接着性が得られる。
無機充填剤の含有量は、「重量%」を単位としても説明できる。代表的にシリカの含有量について、「重量%」を単位として説明する。
シリカは通常、比重2.2g/cmであるので、シリカの含有量(重量%)の好適範囲は例えば以下のとおりである。
すなわち、樹脂シート11中のシリカの含有量は、81重量%以上が好ましく、84重量%以上がより好ましい。樹脂シート11中のシリカの含有量は、94重量%以下が好ましく、91重量%以下がより好ましい。
アルミナは通常、比重3.9g/cmであるので、アルミナの含有量(重量%)の好適範囲は例えば以下のとおりである。
すなわち、樹脂シート11中のアルミナの含有量は、88重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましい。樹脂シート11中のアルミナの含有量は、97重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましい。
樹脂シート11は、前記成分以外にも、封止樹脂の製造に一般に使用される配合剤、例えば、難燃剤成分、顔料、シランカップリング剤などを適宜含有してよい。
顔料としては特に限定されず、カーボンブラックなどが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、無機充填材100重量部に対して、0.1〜1重量部が好ましい。
樹脂シート11の製造方法は特に限定されないが、前記各成分(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、熱可塑性樹脂及び無機充填剤など)を混練して得られる混練物をシート状に塑性加工する方法が好ましい。これにより、無機充填剤を高充填でき、100℃の複素粘性率を上記範囲に容易に調整できる。
また、混練では、溶剤塗工法に比べ硬化促進剤がエポキシ樹脂などとなじみ難く、硬化促進剤が比較的反応し難い。よって、100℃の複素粘性率の変化率を上記範囲に容易に調整できる。
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、熱可塑性樹脂及び無機充填剤などをミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などの公知の混練機で溶融混練することにより混練物を調製し、得られた混練物をシート状に塑性加工する。混練条件として、温度の上限は、140℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。温度の下限は、上述の各成分の軟化点以上であることが好ましく、例えば30℃以上、好ましくは50℃以上である。混練の時間は、好ましくは1〜30分である。また、混練は、減圧条件下(減圧雰囲気下)で行うことが好ましく、減圧条件下の圧力は、例えば、1×10−4〜0.1kg/cmである。
溶融混練後の混練物は、冷却することなく高温状態のままで塑性加工することが好ましい。塑性加工方法としては特に制限されず、平板プレス法、Tダイ押出法、スクリューダイ押出法、ロール圧延法、ロール混練法、インフレーション押出法、共押出法、カレンダー成形法などが挙げられる。塑性加工温度としては上述の各成分の軟化点以上が好ましく、エポキシ樹脂の熱硬化性および成形性を考慮すると、例えば40〜150℃、好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは70〜120℃である。
樹脂シート11の厚みは特に限定されないが、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上である。また、樹脂シート11の厚みは、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下である。上記範囲内であると、電子デバイスを良好に封止できる。
なお、図1では、樹脂シート11が単層である場合を示しているが、樹脂シート11はこれに限定されず、複層であってもよい。
樹脂シート11は、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シート11を配置する工程と、基板に実装された電子デバイス及び電子デバイスの上に配置された樹脂シート11を、真空包装容器に入れる工程と、真空包装容器内の電子デバイスを樹脂シート11で封止する工程とを含む電子デバイスパッケージの製造方法に使用される。なお、この方法は、国際公開WO2005/071731号、特許第5223657号公報に記載されている。
電子デバイスとしては、センサー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタなどの中空構造を有する電子デバイス(中空型電子デバイス);半導体チップ、IC(集積回路)、トランジスタなどの半導体素子;コンデンサ;抵抗などが挙げられる。なかでも、SAWフィルタに特に好適に使用できる。なお、中空構造とは、電子デバイスを基板に搭載した際に、電子デバイスと基板との間に形成される中空部をいう。基板としては特に限定されず、例えば、プリント配線基板、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)基板(低温同時焼成セラミック基板)、セラミック基板、シリコン基板、金属基板などが挙げられる。
真空包装容器としては特に限定されず、例えば、ガスバリア性を備える袋などを用いることができる。また、真空包装容器としては、耐熱性を備えるものが好ましく、具体的には、熱硬化時の温度に耐える耐熱性を有するものがよい。また、真空包装容器としては、柔軟性、ヒートシール性を備えるものが好ましい。
真空包装容器としては、具体的には、ポリエステル系フィルムを外層とし、ヒートシール性を備えたポリエチレン系フィルムを内層(シーラント層)とした多層構造のものなどが挙げられる。内層としては、ポリプロピレン系フィルムなども好適に使用できる。外層としては、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルムなども好適に使用できる。なお、外層と内層の間に、中間層を有していてもよい。中間層としては、ガスバリア性の高い層が好ましく、例えばアルミ層などが好ましい。
樹脂シート11で電子デバイスを封止する方法としては、例えば、樹脂シート11に電子デバイスを埋め込む方法、軟化させた樹脂シート11で電子デバイスを覆う方法が代表的である。
樹脂シート11は、電子デバイス及びそれに付随する要素を外部環境から保護するための封止樹脂として機能できる。
[電子デバイスパッケージの製造方法]
電子デバイスパッケージの製造方法としては、例えば、真空包装後に電子デバイスを封止する第1の製造方法、真空包装前に電子デバイスを封止する第2の製造方法などがある。
以下、第1の製造方法及び第2の製造方法について説明する。なお、代表例として、SAWフィルタパッケージの製造例を説明する。
[第1の製造方法]
(SAWフィルタ搭載基板準備工程)
SAWフィルタ搭載基板準備工程では、複数のSAWフィルタ13が搭載されたLTCC基板12を準備する(図2参照)。SAWフィルタ13は、所定の櫛形電極が形成された圧電結晶を公知の方法でダイシングして個片化することにより形成できる。SAWフィルタ13のLTCC基板12への搭載には、フリップチップボンダーやダイボンダーなどの公知の装置を用いることができる。SAWフィルタ13とLTCC基板12とはバンプなどの突起電極13aを介して電気的に接続されている。また、SAWフィルタ13とLTCC基板12との間は、SAWフィルタ表面での表面弾性波の伝播を阻害しないように中空部14を維持するようになっている。SAWフィルタ13とLTCC基板12との間の距離は適宜設定でき、一般的には15〜50μm程度である。
(配置工程)
LTCC基板12に実装されたSAWフィルタ13上に樹脂シート11を配置する(図3参照)。なお、樹脂シート11のSAWフィルタ13と接触しない面には離型シート(例えば、上述の支持体)が設けられていてもよい。この様子は、国際公開WO2005/071731号の図5に示されている。
(挿入工程)
次いで、LTCC基板12に実装されたSAWフィルタ13及びSAWフィルタ13上の樹脂シート11を、真空包装容器21の中に入れる(図4参照)。
(真空包装工程)
次いで、真空包装容器21の内部を減圧(例えば500Pa以下)した後、真空包装容器21を密封する(図5参照)。
具体的には、LTCC基板12、SAWフィルタ13及び樹脂シート11が入っている真空包装容器21を、密閉容器内に置き、次いで、真空ポンプにより密閉容器内を脱気して、密閉容器内を減圧する。その後、真空包装容器21の開口部の近傍を両側から熱融着用ヒーター(ヒートシーラー)により融着して、真空包装容器21を密封する(図5参照)。なお、この様子は、国際公開WO2005/071731号の図3に示されている。真空包装容器21の開口部はクリップなどで閉じることもできる。
密封状態の真空包装容器21を、密閉容器から大気圧中に取り出すと、真空包装容器21の内外の圧力差により、真空包装容器21がLTCC基板12及び樹脂シート11と密着した状態となる。
なお、真空包装容器21の内部を減圧する方法として、真空ポンプに接続された金属パイプを真空包装容器21の開口部内に気密的に差し込み、真空包装容器21内を脱気する方法なども挙げられる。
(加熱工程)
加熱工程では、真空包装容器21ごと樹脂シート11を加熱して軟化させる。加熱温度は、通常、樹脂シート11の硬化温度未満であり、例えば50℃〜140℃である。
これよって、LTCC基板12上に実装されたSAWフィルタ13間に、軟化した樹脂シート11が浸入する。その結果、SAWフィルタ13が、樹脂シート11によって覆われる。
加熱工程では、真空包装容器21の内部より高い圧力下で(例えば大気圧下で)真空包装容器21を加熱できる。これにより、真空包装容器21の内外の圧力差を利用して、LTCC基板12上に実装されたSAWフィルタ13間に、軟化した樹脂シート11を浸入させることができる。
なお、国際公開WO2005/071731号の図8、9及び特許第5223657号公報の図8などに示されるように、加熱・加圧ローラー又はプレス機などによって、真空包装容器21を加熱及び加圧して、LTCC基板12上に実装されたSAWフィルタ13間に、軟化した樹脂シート11を浸入させてもよい。
(熱硬化工程)
次いで、真空包装容器21ごと樹脂シート11を加熱して、樹脂シート11を熱硬化する。
具体的な方法としては、例えば、密封された真空包装容器21を密閉容器に入れた後、密閉容器内に充填された圧力媒体によって真空包装容器21に圧力を加えた状態で、真空包装容器21を加熱して、樹脂シート11を熱硬化する方法がある。この方法では、圧力媒体を介して、真空包装容器21を加圧及び加熱できるので、中空部14の形状や寸法の管理が容易である。圧力媒体としては、空気、水、油などが挙げられる。なお、この様子は、国際公開WO2005/071731号の図4に示されている。
加熱温度は、例えば60℃〜150℃である。
他の具体的な方法として、例えば、プレス機によって真空包装容器21を熱プレスして、樹脂シート11を熱硬化する方法、真空包装容器21の内部より高い圧力下で(例えば大気圧下で)真空包装容器21を加熱して、樹脂シート11を熱硬化する方法なども好適である。この様子は、特許第5223657号公報の図8、図9に示されている。
(分割工程)
その後、樹脂シート11によって封止されたSAWフィルタ13を真空包装容器21から取り出し、LTCC基板12をSAWフィルタ13毎に分割する(図6及び図7参照)。これにより、SAWフィルタパッケージ16を得ることができる。分割方法としては、例えばダイシング、カット・ブレイクなどが挙げられる。
上記例の方法は、減圧下でSAWフィルタを封止できるためボイドの発生を低減できる、簡素な減圧装置により実施できるなどのメリットがある。
なお、上記の例で、SAWフィルタ13に代えて半導体チップを使用する場合は、半導体チップと基板との間にアンダーフィル材を充填してもよい。なお、この様子は、国際公開WO2005/071731号の図7に示されている。
上記の例では、加熱工程と、熱硬化工程を2段階で行う方法を示しているが、これらを併合して1つの工程で行う方法も好適である。
以上のとおり、第1の製造方法について、例えば、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シート11を配置する工程と、基板に実装された電子デバイス及び電子デバイスの上に配置された樹脂シート11を、真空包装容器に入れる工程と、真空包装容器に入れられた基板、電子デバイス及び樹脂シート11を真空包装する工程と、真空包装容器内の電子デバイスを樹脂シート11で封止する工程とを含む方法により、電子デバイスパッケージを製造できる。
なお、真空包装後の真空包装容器内の真空度は、例えば500Pa以下である。
通常、第1の製造方法は、電子デバイスを樹脂シート11で封止することで得られた封止体の樹脂シート11に由来する部分を硬化させる工程、封止体の樹脂シート11に由来する部分を硬化させることで得られた硬化体を真空包装容器から取り出す工程と、硬化体をダイシングする工程とをさらに含む。
第1の製造方法において、電子デバイスを樹脂シート11で封止する工程では、例えば、基板に実装された電子デバイス及び電子デバイスの上に配置された樹脂シート11を真空包装容器ごと加熱することにより樹脂シート11を軟化させ、軟化させた樹脂シート11で電子デバイスを覆うことにより、真空包装容器内の電子デバイスを樹脂シート11で封止する。この工程では、真空包装容器の内部より高い圧力下で(例えば大気圧下で)、樹脂シート11などを真空包装容器ごと加熱することが好ましい。
封止体の樹脂シート11に由来する部分を硬化させる工程では、例えば、封止体を真空包装容器ごと加熱することにより封止体の樹脂シート11に由来する部分を硬化させる。この工程では、真空包装容器の内部より高い圧力下で(例えば大気圧下で)、封止体を真空包装容器ごと加熱することが好ましい。
[第2の製造方法]
第1の製造方法では、真空包装容器21を密封した後、加熱する方法を示しているが、第2の製造方法では、減圧した密閉容器内で、LTCC基板12、SAWフィルタ13及び樹脂シート11が入っている真空包装容器21を樹脂シート11の硬化温度未満で加熱し、その後真空包装容器21を密封する。これにより、樹脂シート11中に溶剤が存在する場合、溶剤を揮発させることができる。この様子は、特許第5223657号公報の図3に示されている。
以上のとおり、第2の製造方法について、例えば、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シート11を配置する工程と、基板に実装された電子デバイス及び電子デバイスの上に配置された樹脂シート11を、真空包装容器に入れる工程と、真空包装容器内の電子デバイスを樹脂シート11で封止する工程と、電子デバイスを樹脂シート11で封止することで得られた封止体を真空包装する工程とを含む方法により、電子デバイスパッケージを好適に製造できる。
第2の製造方法において、電子デバイスを樹脂シート11で封止する工程では、例えば、基板に実装された電子デバイス及び電子デバイスの上に配置された樹脂シート11を真空包装容器ごと減圧雰囲気下で加熱することにより樹脂シート11を軟化させ、軟化させた樹脂シート11で電子デバイスを覆うことにより、真空包装容器内の電子デバイスを樹脂シート11で封止する。
通常、第2の製造方法は、真空包装された封止体の樹脂シート11に由来する部分を硬化させる工程と、封止体の樹脂シート11に由来する部分を硬化させることで得られた硬化体を真空包装容器から取り出す工程と、硬化体をダイシングする工程とをさらに含む。
以上のとおり、例えば、基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シート11を配置する工程と、基板に実装された電子デバイス及び電子デバイスの上に配置された樹脂シート11を、真空包装容器に入れる工程と、真空包装容器内の電子デバイスを樹脂シート11で封止する工程とを含む方法により、電子デバイスパッケージを好適に製造できる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量などは、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
実施例で使用した成分について説明する。
エポキシ樹脂:新日鐵化学(株)製のYSLV−80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキン当量200g/eq.軟化点80℃)
フェノール樹脂:明和化成社製のMEH−7851−SS(ビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール樹脂、水酸基当量203g/eq.軟化点67℃)
熱可塑性樹脂:三菱レイヨン社製メタブレンC−132E(MBS樹脂、平均粒径120μm)
無機充填剤:電気化学工業社製のFB−9454FC(溶融球状シリカ、平均粒子径20μm)
シランカップリング剤:信越化学社製のKBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
カーボンブラック:三菱化学社製の#20
硬化促進剤1:四国化成工業社製の2PHZ−PW(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)
硬化促進剤2:北興化学工業社製のTPP−K(テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート)
硬化促進剤3:四国化成工業社製の2MZ(2−メチルイミダゾール)
硬化促進剤4:北興化学工業社製のホクコーTPP(トリフェニルホスフィン)
[実施例及び比較例]
表1に記載の配合比に従い、各成分を配合し、ロール混練機により60〜120℃、10分間、減圧条件下(0.01kg/cm)で溶融混練し、混練物を調製した。次いで、得られた混練物を、平板プレス法により、シート状に形成して、厚さ200μmの樹脂シートを作製した。
[評価]
得られた樹脂シートを用いて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(保存前における100℃の複素粘性率)
樹脂シートから、厚み1mm、直径25mmの円形のサンプルを切り出した。このサンプルについて、動的粘弾性測定装置(ティー・エー・インスツルメント社製のARES)を用いて、測定周波数0.1Hz、ひずみ20%、昇温速度10℃/分にて50℃〜130℃の複素粘性率を測定した。測定結果から、100℃の複素粘性率を求めた。
(保存後における100℃の複素粘性率)
樹脂シートから、短冊状の試験片(縦70mm×横70mm×厚み200μm)を切り出した。次いで、真空包装容器(生産日本社製のセイニチグリップス ラミジップ AL−E、PET/AL/PE構成の平袋)を用いて、試験片を真空包装した(真空度500Pa)。試験片入りの真空包装容器を25℃、大気圧下で72時間放置した後、真空包装容器から試験片を取り出した。この試験片から、厚み1mm、直径25mmの円形サンプルを切り出した。このサンプルについて、保存前のサンプルと同様の方法で、100℃の複素粘性率を求めた。
(100℃の複素粘性率の変化率)
下記式で100℃の複素粘性率の変化率を算出した。
100℃の複素粘性率の変化率(%)=[(保存後における100℃の複素粘性率−保存前における100℃の複素粘性率)/保存前における100℃の複素粘性率]×100
Figure 2015065368
11 樹脂シート
12 LTCC基板
13 SAWフィルタ
13a 突起電極
14 中空部
16 電子デバイスパッケージ
21 真空包装容器

Claims (8)

  1. 基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シートを配置する工程と、
    前記基板に実装された前記電子デバイス及び前記電子デバイスの上に配置された前記樹脂シートを、真空包装容器に入れる工程と、
    前記真空包装容器内の前記電子デバイスを前記樹脂シートで封止する工程とを含む電子デバイスパッケージの製造方法に使用される樹脂シートであって、
    下記式で算出される100℃の複素粘性率の変化率が35%以下である樹脂シート。
    100℃の複素粘性率の変化率(%)=[(η2−η1)/η1]×100
    (式中、η2は、真空包装された樹脂シートを25℃、大気圧下で72時間放置した後の100℃の複素粘性率を表す。η1は、放置前の100℃の複素粘性率を表す。)
  2. 100℃の複素粘性率が2000Pa・s以上である請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 無機充填剤を含み、
    前記樹脂シート中の前記無機充填剤の含有量が70〜90体積%である請求項1又は2に記載の樹脂シート。
  4. 熱可塑性樹脂を含み、
    前記樹脂シート中の前記熱可塑性樹脂の含有量が0.5〜30重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂シート。
  5. 硬化促進剤を含み、
    前記硬化促進剤がイミダゾール系硬化促進剤である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂シート。
  6. エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、熱可塑性樹脂及び無機充填剤を混練して得られる混練物をシート状に塑性加工して得られる請求項1又は2に記載の樹脂シート。
  7. 前記電子デバイスがSAWフィルタである請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂シート。
  8. 基板に実装された電子デバイスの上に樹脂シートを配置する工程と、
    前記基板に実装された前記電子デバイス及び前記電子デバイスの上に配置された前記樹脂シートを、真空包装容器に入れる工程と、
    前記真空包装容器内の前記電子デバイスを前記樹脂シートで封止する工程とを含む電子デバイスパッケージの製造方法であって、
    前記樹脂シートについて、下記式で算出される100℃の複素粘性率の変化率が35%以下である電子デバイスパッケージの製造方法。
    100℃の複素粘性率の変化率(%)=[(η2−η1)/η1]×100
    (式中、η2は、真空包装された樹脂シートを25℃、大気圧下で72時間放置した後の100℃の複素粘性率を表す。η1は、放置前の100℃の複素粘性率を表す。)

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