JP2015216230A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ボイドが少ない半導体装置を製造できる半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】 チップ実装基板、チップ実装基板上に配置された熱硬化性樹脂シート、並びに熱硬化性樹脂シートと接する中央部及び中央部の周辺に配置された周辺部を備えるフィルムを備える積層体の周辺部をチップ実装基板と接するステージに押し付けることにより、ステージ及びフィルムを備える密閉容器を形成する工程と、密閉容器の外部の圧力を密閉容器の内部の圧力より高めることにより、半導体チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、基板と半導体チップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填する工程とを含む半導体装置の製造方法に関する。【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
フリップチップ接続方式の半導体装置の製造技術に関して、特許文献1には、半導体チップがフリップチップ接続方式で実装された基板を金型のキャビティ内に配置した後、キャビティ内に溶融状態のエポキシ樹脂組成物を所定の圧力で注入することにより、チップ下のギャップの充填とチップ全体の封止とを一括して行う技術が記載されている。チップ下のギャップの充填とチップ全体の封止とを一括して行う技術は、モールドアンダーフィルと呼ばれることがある。
特許文献1に記載の技術では、半導体装置内にボイドが生じやすい。キャビティを充填中にエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し、キャビティ全体を充填することが難しいためである。また、特許文献1に記載の技術では、エポキシ樹脂組成物中に配合されたフィラーのうち小粒径のフィラーが流れやすいため、フィラーの偏析が起こりやすい。
本発明は前記課題を解決し、ボイドが少ない半導体装置を製造できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、
基板及び基板にフリップチップ実装された半導体チップを備えるチップ実装基板、
チップ実装基板上に配置された熱硬化性樹脂シート、並びに
熱硬化性樹脂シートと接する中央部及び中央部の周辺に配置された周辺部を備えるフィルム
を備える積層体の
周辺部を基板と接するステージに押し付けることにより、ステージ及びフィルムを備える密閉容器を形成する工程と、
密閉容器の外部の圧力を密閉容器の内部の圧力より高めることにより、半導体チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、基板と半導体チップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填する工程と
を含む半導体装置の製造方法に関する。
基板及び基板にフリップチップ実装された半導体チップを備えるチップ実装基板、
チップ実装基板上に配置された熱硬化性樹脂シート、並びに
熱硬化性樹脂シートと接する中央部及び中央部の周辺に配置された周辺部を備えるフィルム
を備える積層体の
周辺部を基板と接するステージに押し付けることにより、ステージ及びフィルムを備える密閉容器を形成する工程と、
密閉容器の外部の圧力を密閉容器の内部の圧力より高めることにより、半導体チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、基板と半導体チップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填する工程と
を含む半導体装置の製造方法に関する。
本発明では、密閉容器の内外の圧力差を利用して、半導体チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、基板と半導体チップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填する。本発明では、キャビティを樹脂で充填する工程が必要ない。したがって、トランスファ成型方式のモールドアンダーフィルに比べて、ボイドが少ない半導体装置を製造できる。また、トランスファ成型方式のモールドアンダーフィルに比べて、フィラーの偏析が生じ難い。
本発明では、例えば、特開2013−52424号公報に記載の真空加熱接合装置(以下、真空熱加圧装置ともいう)などを使用できる。
基板としては特に限定されず、例えば、有機基板、半導体ウェハ基板、ガラス基板などが挙げられる。半導体ウェハ基板としては、シリコンウェハ基板などが挙げられる。
チップ実装基板は、半導体チップを複数備えることが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法は、密閉容器を形成する工程と、半導体チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、基板と半導体チップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填する工程とを含む限り特に限定されない。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば、半導体チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、基板と半導体チップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填する工程により得られた封止体を加熱することにより、硬化体を形成する工程、及び硬化体をダイシングすることにより、半導体装置を得る工程などをさらに含むことができる。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば、封止体を加熱することにより硬化体を形成する工程、硬化体に再配線層を形成することにより再配線体を形成する工程、及び再配線体をダイシングすることにより半導体装置を得る工程などをさらに含むことができる。
本発明によれば、ボイドが少ない半導体装置を製造できる。
以下に実施形態を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
[実施形態1]
まず、真空加熱接合装置について説明する。
まず、真空加熱接合装置について説明する。
(真空加熱接合装置)
図1に示すように、真空熱加圧装置においては、基台101上に加圧シリンダ下板102が配置され、加圧シリンダ下板102の上にはスライド移動テーブル103がスライドシリンダ104によって真空熱加圧装置内外を移動可能に配置されている。スライド移動テーブル103の上方には、下ヒータ板105が配置されており、下ヒータ板105の上面には下板部材106が配置され、下板部材106の上面にはステージ(以下、基板置台ともいう)107が配置されている。
図1に示すように、真空熱加圧装置においては、基台101上に加圧シリンダ下板102が配置され、加圧シリンダ下板102の上にはスライド移動テーブル103がスライドシリンダ104によって真空熱加圧装置内外を移動可能に配置されている。スライド移動テーブル103の上方には、下ヒータ板105が配置されており、下ヒータ板105の上面には下板部材106が配置され、下板部材106の上面にはステージ(以下、基板置台ともいう)107が配置されている。
加圧シリンダ下板102の上には複数の支柱108が配置され、支柱108の上端部には加圧シリンダ上板109が固定されている。加圧シリンダ上板109の下方には支柱108を通して中間移動部材(中間部材)110が配置されており、中間移動部材110の下方には断熱板を介して上ヒータ板111が固定され、上ヒータ板111の下面の外周部には上枠部材112が気密に固定され下方に延びている。また、上ヒータ板111の下面で上枠部材112の内方には内方枠体113が固定されている。また、上ヒータ板111の下面上で内方枠体113の内方には平板117が固定されている。
内方枠体113は、下端部の枠状押え部113aとそれから上方に延びるロッド113bとを備え、ロッド113bの周りにはスプリングが配置され、ロッド113bは上ヒータ板111の下面に断熱固定されている。枠状押え部113aはロッド113bに対してスプリングにより下方に付勢されている。枠状押え部113aは、ステージ107との間にフィルム13を気密に保持できる。
加圧シリンダ上板109の上面には加圧シリンダ114が配置され、加圧シリンダ114のシリンダロッド115は加圧シリンダ上板109を通って中間移動部材110の上面に固定され、加圧シリンダ114によって、中間移動部材110と上ヒータ板111と上枠部材112とが上下に一体的に移動可能となっている。図1において、Sは、加圧シリンダ114による中間移動部材110と上ヒータ板111と上枠部材112の下方の移動を規制するストッパーであり、下降して加圧シリンダ114本体の上面のストッパープレートに当接するようになっている。加圧シリンダ114としては、油圧シリンダ、空圧シリンダ、サーボシリンダなどが使用される。
加圧シリンダ114が上枠部材112を引き上げた状態から下降させ、上枠部材112の下端部が下板部材106の外周部端部に設けた段差部に気密に摺動し、そこで一旦加圧シリンダ114を停止させる。これにより、上ヒータ板111、上枠部材112及び下板部材106を備える格納容器が形成される。なお、上枠部材112には格納容器の内部(以下、チェンバーともいう)を真空引きし、加圧するための真空・加圧口116が設けられている。
チェンバーを開いた状態で、スライドシリンダ104によって、スライド移動テーブル103、下ヒータ板105、下板部材106及びステージ107を一体として外部に引き出すことができる。これらを引き出した状態で、ステージ107の上に、積層体1などを配置できる。
(半導体装置4の製造方法)
次に、半導体装置4の製造方法について説明する。
次に、半導体装置4の製造方法について説明する。
図2に示すように、積層体1をステージ107上に配置する。積層体1は、チップ実装基板11、チップ実装基板11上に配置された熱硬化性樹脂シート12及び熱硬化性樹脂シート12上に配置されたフィルム13を備える。
チップ実装基板11は、基板11a、基板11aにフリップチップ実装された半導体チップ11bを備える。半導体チップ11bと基板11aは、バンプ11cを介して電気的に接続されている。
熱硬化性樹脂シート12の外形寸法は、半導体チップ11bを封止可能な大きさである。
フィルム13は、熱硬化性樹脂シート12と接する中央部13a及び中央部13aの周辺に配置された周辺部13bを備える。フィルム13の外形寸法は、チップ実装基板11及び熱硬化性樹脂シート12を覆うことが可能な大きさである。
フィルム13としては特に限定されず、例えば、フッ素系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが挙げられる。
フィルム13の23℃における引張破断伸びは好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上である。30%以上であると、成型時の凹凸追従性が良い。フィルム13の23℃における引張破断伸びは好ましくは300%以下、より好ましくは100%以下である。300%以下であると、剥離作業がし易い。
引張破断伸びは、ASTM D882に従って測定できる。
引張破断伸びは、ASTM D882に従って測定できる。
フィルム13の軟化温度は特に限定されないが、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下である。80℃以下であると、成型時の凹凸追従性が良い。また、フィルム13の軟化温度は、好ましくは0℃以上である。
なお、引っ張り弾性率が300MPaとなる温度を軟化温度とする。
なお、引っ張り弾性率が300MPaとなる温度を軟化温度とする。
フィルム13の厚さは特に限定されないが、好ましくは10μm〜200μmである。
ステージ107はあらかじめ加熱されている。ステージ107の温度は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは85℃以上である。70℃以上であると、熱硬化性樹脂シート12を溶融させ、流動させることが可能である。ステージ107の温度は好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下である。120℃以下であると、熱硬化性樹脂シート12の熱硬化の進行を抑制することが可能で、粘度上昇を抑えることができる。
図3に示すように、上ヒータ板111及び上枠部材112を下降させ、上枠部材112の下端部を下板部材106の外縁部に沿って気密に摺動させ、上ヒータ板111、上枠部材112及び下板部材106によって気密に囲われたチェンバーを形成する。チェンバーを形成した段階で、上ヒータ板111及び上枠部材112の下降を停止する。
次いで、真空引きを行い、チェンバー内を減圧状態とする。チェンバー内の圧力は、好ましくは500Pa以下である。
図4に示すように、枠状押え部113aを下降させることにより、フィルム13の外周部13bをステージ107に押さえつけて、密閉容器121を形成する。密閉容器121は、ステージ107及びフィルム13を備える。密閉容器121の内部には、チップ実装基板11及びチップ実装基板11上に配置された熱硬化性樹脂シート12が配置されている。なお、チェンバー内を減圧状態にした後に密閉容器121を形成するため、密閉容器121の内部及び外部は減圧状態である。
図5に示すように、真空・加圧口116を開放することにより、チェンバー内の圧力を大気圧にする。すなわち、密閉容器121の外部の圧力を大気圧にする。
図6に示すように、真空・加圧口116にガスを導入することによりチェンバー内の圧力を高める。すなわち、密閉容器121の外部の圧力を大気圧よりも高める。これにより、半導体チップ11bを熱硬化性樹脂シート12で覆いつつ、基板11aと半導体チップ11bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を充填する。これにより、封止体2を得る。
ガスとしては特に限定されず、空気、窒素などが挙げられる。
ガス導入後の密閉容器121の外部の圧力は、好ましくは0.5MPa以上、より好ましくは0.6MPa以上、さらに好ましくは0.7MPa以上である。密閉容器121の外部の圧力の上限は特に限定されないが、好ましくは0.99MPa以下、より好ましくは0.9MPa以下である。
封止体2は、チップ実装基板11及びチップ実装基板11上に配置された樹脂層21を備える。樹脂層21は、基板11aと半導体チップ11bの間に挟まれたアンダーフィル部21a、及びアンダーフィル部21aの周辺に配置された封止部21bを備える。半導体チップ11bは、封止部21bにより覆われている。封止体2は、フィルム13と接している。
図7に示すように、封止体2の横にスペーサー131を配置する。
図8に示すように、平板117をスペーサー131に当たるまで下降させることにより、封止体2をプレスし、封止体2の厚みを調整する。これにより、封止体2の厚みを均一化することができる。平板117で封止体2を押す際の圧力としては、0.1MPa〜80MPaが好ましい。
次いで、フィルム13を取り除く。
次いで、封止部21bのうち基板11aから側方にはみ出した部分を切り離す。
図9に示すように、封止体2を加熱することで樹脂層21を硬化させて、硬化体3を形成する。
硬化体3は、チップ実装基板11及びチップ実装基板11上に配置された硬化層31を備える。硬化層31は、基板11aと半導体チップ11bの間に挟まれた接続保護部31a、及び接続保護部31aの周辺に配置されたチップ保護部31bを備える。半導体チップ11bは、チップ保護部31bにより覆われている。
加熱温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。一方、加熱温度の上限は、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。加熱時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。一方、加熱時間の上限は、好ましくは180分以下、より好ましくは120分以下である。
図10に示すように、基板11a上にバンプ32を設ける。
図11に示すように、硬化体3を個片化(ダイシング)して、半導体装置4を得る。
(熱硬化性樹脂シート12)
熱硬化性樹脂シート12について説明する。
熱硬化性樹脂シート12について説明する。
熱硬化性樹脂シート12の50℃〜150℃における最低溶融粘度は、好ましくは5Pa・S以上、より好ましくは10Pa・S以上である。5Pa・S以上であると、加熱時のハンドリング性に優れる。熱硬化性樹脂シート12の50℃〜150℃における最低溶融粘度は、好ましくは2000Pa・S以下、より好ましくは1500Pa・S以下、さらに好ましくは1000Pa・S以下、よりさらに好ましくは500Pa・S以下、特に好ましくは300Pa・S以下である。2000Pa・S以下であると、半導体チップ11bに対して熱硬化性樹脂シート12を追従させることができる。また、基板11aと半導体チップ11bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を容易に充填できる。
最低溶融粘度は、実施例に記載の方法で測定できる。
最低溶融粘度は、実施例に記載の方法で測定できる。
熱硬化性樹脂シート12の最低溶融粘度は、無機充填剤の含有量、無機充填剤の平均粒子径などによりコントロールできる。例えば、無機充填剤を減量すること、平均粒子径の大きい無機充填剤を使用することにより、最低溶融粘度を低減できる。
熱硬化性樹脂シート12は、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを好適に使用できる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの各種のエポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
なかでも、可撓性を付与できるという理由から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましく、23℃で液状のものがより好ましい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、150g/eq〜250g/eqが好ましい。
また、低粘度化させることができるという理由から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とともに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。ビスフェノールF型エポキシ樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上である。50℃以上であると、常温でのハンドリング性を向上できる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂の軟化点は、好ましくは100℃以下である。100℃以下であると、溶融粘度を低下させることができる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、150g/eq〜250g/eqが好ましい。
エポキシ樹脂100重量%中のビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上である。20重量%以上であると、熱硬化性樹脂シート12の可撓性に優れるため、取扱が容易である。エポキシ樹脂100重量%中のビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは70重量%以下、より好ましくは65重量%以下である。70重量%以下であると、熱硬化性樹脂シート12の硬化物のTgを高めることが可能で、耐熱サイクル信頼性を高められる。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂との間で硬化反応を生起するものであれば特に限定されるものではない。例えば、フェノールノボラック型硬化剤(以下、フェノールノボラック型硬化剤をフェノールノボラック樹脂ともいう)、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂などが用いられる。これらフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。なかでも、硬化反応性が高いという観点から、フェノールノボラック型硬化剤が好ましい。
エポキシ樹脂との反応性の観点から、フェノール樹脂の水酸基当量は、70g/eq〜250g/eqが好ましい。フェノール樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上である。50℃以上であると、常温でのハンドリング性を向上することができる。フェノール樹脂の軟化点は、好ましくは120℃以下である。120℃以下であると、溶融粘度を低下させることができる。
熱硬化性樹脂シート12中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは8重量%以上である。5重量%以上であると、充分な硬化物強度が得られる。熱硬化性樹脂シート12中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量は、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。30重量%以下であると、硬化物の線膨張係数が小さく、かつ低吸水性が得られやすい。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、硬化反応性という観点から、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂中の水酸基の合計が0.7当量〜1.5当量となるように配合することが好ましく、より好ましくは0.9当量〜1.2当量である。
熱硬化性樹脂シート12は、無機充填剤を含むことが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ(溶融シリカや結晶性シリカなど)、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素などが挙げられる。なかでも、熱膨張係数を良好に低減できるという理由から、シリカが好ましい。シリカとしては、流動性に優れるという理由から、溶融シリカが好ましく、球状溶融シリカがより好ましい。また、熱伝導率が高いという理由から、熱伝導性フィラーが好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウムがより好ましい。なお、無機充填剤としては、電気絶縁性のものが好ましい。
無機充填剤の最大粒子径は、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。30μm以下であると、基板11aと半導体チップ11bのギャップを良好に充填できる。一方、無機充填剤の最大粒子径は、好ましくは5μm以上である。
無機充填剤の最大粒子径は、実施例に記載の方法で測定できる。
無機充填剤の最大粒子径は、実施例に記載の方法で測定できる。
無機充填剤の粒度分布において、ピークA及びピークBが少なくとも存在することが好ましい。具体的には、0.01μm〜10μmの粒径範囲にピークAが存在し、1μm〜100μmの粒径範囲にピークBが存在することが好ましい。これにより、ピークBを形成する無機充填剤の間に、ピークAを形成する無機充填剤を充填することが可能となり、無機充填剤を高充填できる。
ピークAは0.1μm以上の粒径範囲に存在することがより好ましい。ピークAは1μm以下の粒径範囲に存在することがより好ましい。
ピークBは2.5μm以上の粒径範囲に存在することがより好ましく、4μm以上の粒径範囲に存在することがさらに好ましい。ピークBは10μm以下の粒径範囲に存在することがより好ましい。
無機充填剤の粒度分布において、ピークA及びピークB以外のピークが存在してもよい。
なお、無機充填剤の粒度分布は、以下の方法で測定できる。
無機充填剤の粒度分布の測定方法
熱硬化性樹脂シート12をるつぼに入れ、強熱して熱硬化性樹脂シート12を灰化させる。得られた灰分を純水中に分散させて10分間超音波処理し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「LS 13 320」;湿式法)を用いて粒度分布(体積基準)を求める。
熱硬化性樹脂シート12をるつぼに入れ、強熱して熱硬化性樹脂シート12を灰化させる。得られた灰分を純水中に分散させて10分間超音波処理し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「LS 13 320」;湿式法)を用いて粒度分布(体積基準)を求める。
無機充填剤は、シランカップリング剤により処理(前処理)されていてもよい。これにより、樹脂との濡れ性を向上でき、無機充填剤の分散性を高めることができる。
シランカップリング剤は、分子中に加水分解性基及び有機官能基を有する化合物である。
加水分解性基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ基、2−メトキシエトキシ基などが挙げられる。なかでも、加水分解によって生じるアルコールなどの揮発成分を除去し易いという理由から、メトキシ基が好ましい。
有機官能基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基などが挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂と反応し易いという理由から、エポキシ基が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニル基含有シランカップリング剤;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル基含有シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリル基含有シランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリル基含有シランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド基含有シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤により無機充填剤を処理する方法としては特に限定されず、溶媒中で無機充填剤とシランカップリング剤を混合する湿式法、気相中で無機充填剤とシランカップリング剤を処理させる乾式法などが挙げられる。
シランカップリング剤の処理量は特に限定されないが、未処理の無機充填剤100重量部に対して、シランカップリング剤を0.1重量部〜1重量部処理することが好ましい。
熱硬化性樹脂シート12中の無機充填剤の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは75重量%以上である。70重量%以上であると、熱硬化性樹脂シート12の硬化物の熱膨張係数を低下させることが可能で、半導体装置4の耐熱サイクル信頼性を高められる。熱硬化性樹脂シート12中の無機充填剤の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは87重量%以下である。90重量%以下であると、熱硬化性樹脂シート12の流動性を向上させることが可能で、半導体チップ11bに対して熱硬化性樹脂シート12を追従させることができる。また、基板11aと半導体チップ11bのギャップを良好に充填できる。
熱硬化性樹脂シート12は、硬化促進剤を含むことが好ましい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化を進行させるものであれば特に限定されず、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの有機リン系化合物;2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;などが挙げられる。なかでも、良好な保存性が得られるという理由から、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上である。0.1重量部以上であると、実用的な時間内で硬化が完了する。また、硬化促進剤の含有量は、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。5重量部以下であると、良好な保存性が得られる。
熱硬化性樹脂シート12は、熱可塑性樹脂を含んでもよい。
熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBTなどの飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、エラストマーが好ましい。エポキシ樹脂への分散性という理由から、ゴム成分からなるコア層とアクリル樹脂からなるシェル層とを有するコアシェル型アクリル樹脂が特に好ましい。
コア層のゴム成分は特に限定されず、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。
コアシェル型アクリル樹脂の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上である。0.1μm以上であると、分散性が良好である。コアシェル型アクリル樹脂の平均粒子径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。200μm以下であると、作製したシートの平坦性が良好である。
なお、平均粒子径は、例えば、母集団から任意に抽出される試料を用い、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することにより導き出すことができる。
なお、平均粒子径は、例えば、母集団から任意に抽出される試料を用い、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することにより導き出すことができる。
熱硬化性樹脂シート12中の熱可塑性樹脂の含有量は、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましい。1重量%以上であると、充分な硬化物強度が得られる。熱硬化性樹脂シート12中の熱可塑性樹脂の含有量は、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。20重量%以下であると、硬化物の線膨張係数が小さく、かつ低吸水性が得られやすい。
熱硬化性樹脂シート12は、前記成分以外にも、封止樹脂の製造に一般に使用される配合剤、例えば、難燃剤成分、顔料などを適宜含有してよい。
熱硬化性樹脂シート12の製造方法は特に限定されない。例えば、熱硬化性樹脂シート12を塗工方式で製造することができる。例えば、前記各成分を含有する接着剤組成物溶液を作製し、接着剤組成物溶液を基材セパレータ上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、塗布膜を乾燥させることで、熱硬化性樹脂シート12を製造できる。
接着剤組成物溶液に用いる溶媒としては特に限定されないが、前記各成分を均一に溶解、混練又は分散できる有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
基材セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤などの剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙などが使用可能である。接着剤組成物溶液の塗布方法としては、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。また、塗布膜の乾燥条件は特に限定されず、例えば、乾燥温度70〜160℃、乾燥時間1〜5分間で行うことができる。
熱硬化性樹脂シート12の製造方法について、前記各成分(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤及び硬化促進剤など)を混練して得られる混練物をシート状に塑性加工する方法も好ましい。これにより、無機充填剤を高充填でき、熱膨張係数を低く設計できる。
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤及び硬化促進剤などをミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などの公知の混練機で溶融混練することにより混練物を調製し、得られた混練物をシート状に塑性加工する。混練条件として、温度の上限は、140℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。温度の下限は、上述の各成分の軟化点以上であることが好ましく、例えば30℃以上、好ましくは50℃以上である。混練の時間は、好ましくは1〜30分である。また、混練は、減圧条件下(減圧雰囲気下)で行うことが好ましく、減圧条件下の圧力は、例えば、1×10−4〜0.1kg/cm2である。
溶融混練後の混練物は、冷却することなく高温状態のままで塑性加工することが好ましい。塑性加工方法としては特に制限されず、平板プレス法、Tダイ押出法、スクリューダイ押出法、ロール圧延法、ロール混練法、インフレーション押出法、共押出法、カレンダー成形法などが挙げられる。塑性加工温度としては上述の各成分の軟化点以上が好ましく、エポキシ樹脂の熱硬化性および成形性を考慮すると、例えば40〜150℃、好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは70〜120℃である。
熱硬化性樹脂シート12の厚みは特に限定されないが、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上である。また、熱硬化性樹脂シート12の厚みは、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下である。上記範囲内であると、半導体チップ11bを良好に封止できる。
熱硬化性樹脂シート12は、単層構造であってもよいし、2以上の熱硬化性樹脂層を積層した多層構造であってもよい。しかしながら、層間剥離のおそれがなく、シート厚の均一性が高いという理由から、単層構造が好ましい。
(変形例1)
実施形態1では、積層体1をステージ107上に配置するが、変形例1では、チップ実装基板11をステージ107上に配置し、次いでチップ実装基板11上に熱硬化性樹脂シート12を配置し、次いで熱硬化性樹脂シート12上にフィルム13を配置する。
実施形態1では、積層体1をステージ107上に配置するが、変形例1では、チップ実装基板11をステージ107上に配置し、次いでチップ実装基板11上に熱硬化性樹脂シート12を配置し、次いで熱硬化性樹脂シート12上にフィルム13を配置する。
(変形例2)
実施形態1では、積層体1をステージ107上に配置するが、変形例2では、チップ実装基板11及びチップ実装基板11上に配置された熱硬化性樹脂シート12を備える積層物をステージ107上に配置し、次いで積層物上にフィルム13を配置する。
実施形態1では、積層体1をステージ107上に配置するが、変形例2では、チップ実装基板11及びチップ実装基板11上に配置された熱硬化性樹脂シート12を備える積層物をステージ107上に配置し、次いで積層物上にフィルム13を配置する。
(変形例3)
実施形態1では、平板117で封止体2をプレスするが、変形例3では封止体2をプレスしない。
実施形態1では、平板117で封止体2をプレスするが、変形例3では封止体2をプレスしない。
以上のとおり、実施形態1の半導体装置4の製造方法は、積層体1の外周部13bをステージ107に押し付けることにより、密閉容器121を形成する工程と、密閉容器121の外部の圧力を密閉容器121の内部の圧力より高めることにより、半導体チップ11bを熱硬化性樹脂シート12で覆いつつ、基板11aと半導体チップ11bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を充填する工程とを含む。
実施形態1では、キャビティを樹脂で充填する工程が必要ない。したがって、トランスファ成型方式のモールドアンダーフィルに比べて、ボイドが少ない半導体装置4を製造できる。また、トランスファ成型方式のモールドアンダーフィルに比べて、フィラーの偏析が生じ難い。
実施形態1の半導体装置4の製造方法は、封止体2を加熱することにより、硬化体3を形成する工程、及び硬化体3をダイシングすることにより、半導体装置4を得る工程などをさらに含む。
[実施形態2]
図12に示すように、積層フィルム10を枠状押え部113aに固定する。積層フィルム10は、熱硬化性樹脂シート12及び熱硬化性樹脂シート12上に配置されたフィルム13を備える。固定方法としては、例えば、枠状押え部113aに積層フィルム10を吸着させる方法、接着剤で枠状押え部113aに積層フィルム10を固定する方法、枠状押え部113aにフィルム13を巻きつける方法などがある。次いで、チップ実装基板11をステージ107上に配置する。
ステージ107はあらかじめ加熱されている。ステージ107の好適な温度条件は、実施形態1で説明した温度条件と同様である。
図13に示すように、上ヒータ板111及び上枠部材112を下降させ、上枠部材112の下端部を下板部材106の外縁部に沿って気密に摺動させ、上ヒータ板111、上枠部材112及び下板部材106によって気密に囲われたチェンバーを形成する。チェンバーを形成した段階で、上ヒータ板111及び上枠部材112の下降を停止する。
次いで、真空引きを行い、チェンバー内を減圧状態とする。チェンバー内の圧力は、好ましくは500Pa以下である。
枠状押え部113aを下降させることにより、積層フィルム10をチップ実装基板11上に配置して、積層体1を形成する。
図14に示すように、積層体1を形成した後も枠状押え部113aの下降を続けることにより、フィルム13の外周部13bをステージ107に押さえつけて、密閉容器121を形成する。密閉容器121は、ステージ107及びフィルム13を備える。密閉容器121の内部には、チップ実装基板11及びチップ実装基板11上に配置された熱硬化性樹脂シート12が配置されている。なお、チェンバー内を減圧状態にした後に密閉容器121を形成するため、密閉容器121の内部及び外部は減圧状態である。
図15に示すように、真空・加圧口116を開放することにより、チェンバー内の圧力を大気圧にする。すなわち、密閉容器121の外部の圧力を大気圧にする。
図16に示すように、真空・加圧口116にガスを導入することによりチェンバー内の圧力を高める。すなわち、密閉容器121の外部の圧力を大気圧よりも高める。これにより、半導体チップ11bを熱硬化性樹脂シート12で覆いつつ、基板11aと半導体チップ11bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を充填する。これにより、封止体2を得る。
ガスとしては特に限定されず、空気、窒素などが挙げられる。
密閉容器121の外部の好適な圧力は、実施形態1で説明した圧力と同様である。
図17に示すように、封止体2の横にスペーサー131を配置する。
図18に示すように、平板117をスペーサー131に当たるまで下降させることにより、封止体2をプレスし、封止体2の厚みを調整する。これにより、封止体2の厚みを均一化することができる。平板117で封止体2を押す際の圧力としては、0.5kgf/cm2〜20kgf/cm2が好ましい。
次いで、フィルム13を取り除く。
次いで、封止部21bのうち基板11aから側方にはみ出した部分を切り離す。
図19に示すように、封止体2を加熱することで樹脂層21を硬化させて、硬化体3を形成する。
好適な加熱温度は、実施形態1で説明した加熱温度と同様である。好適な加熱時間は、実施形態1で説明した加熱時間と同様である。
図20に示すように、基板11a上にバンプ32を設ける。
図21に示すように、硬化体3を個片化(ダイシング)して、半導体装置4を得る。
(変形例1)
実施形態2では、積層フィルム10を枠状押え部113aに固定した後、チップ実装基板11をステージ107上に配置するが、変形例1では、チップ実装基板11をステージ107上に配置した後、積層フィルム10を枠状押え部113aに固定する。
実施形態2では、積層フィルム10を枠状押え部113aに固定した後、チップ実装基板11をステージ107上に配置するが、変形例1では、チップ実装基板11をステージ107上に配置した後、積層フィルム10を枠状押え部113aに固定する。
(変形例2)
実施形態2では、平板117で封止体2をプレスするが、変形例2では封止体2をプレスしない。
実施形態2では、平板117で封止体2をプレスするが、変形例2では封止体2をプレスしない。
以上のとおり、実施形態2の半導体装置4の製造方法は、積層体1の外周部13bをステージ107に押し付けることにより、密閉容器121を形成する工程と、密閉容器121の外部の圧力を密閉容器121の内部の圧力より高めることにより、半導体チップ11bを熱硬化性樹脂シート12で覆いつつ、基板11aと半導体チップ11bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を充填する工程とを含む。
実施形態2の半導体装置4の製造方法は、減圧雰囲気下で積層フィルム10をチップ実装基板11上に配置して、積層体1を形成する工程をさらに含む。減圧雰囲気下で積層フィルム10をチップ実装基板11上に配置するので、半導体チップ11b周辺にボイドが生じることを防止できる。
実施形態2の半導体装置4の製造方法は、封止体2を加熱することにより、硬化体3を形成する工程、及び硬化体3をダイシングすることにより、半導体装置4を得る工程などをさらに含む。
[実施形態3]
図22に示すように、積層体6をステージ107上に配置する。積層体6は、チップ実装ウェハ61、チップ実装ウェハ61上に配置された熱硬化性樹脂シート12及び熱硬化性樹脂シート12上に配置されたフィルム13を備える。
図22に示すように、積層体6をステージ107上に配置する。積層体6は、チップ実装ウェハ61、チップ実装ウェハ61上に配置された熱硬化性樹脂シート12及び熱硬化性樹脂シート12上に配置されたフィルム13を備える。
フィルム13は、熱硬化性樹脂シート12と接する中央部13a及び中央部13aの周辺に配置された周辺部13bを備える。
図23に示すように、チップ実装ウェハ61は、半導体ウェハ61a及び半導体ウェハ61aにフリップチップ実装(フリップチップボンディング)された半導体チップ61bを備える。
半導体ウェハ61aは、電極601a、及び電極601aと電気的に接続された貫通電極601bを備える。すなわち、半導体ウェハ61aは、半導体ウェハ61aの厚み方向に延びる貫通電極601b、及び貫通電極601bと電気的に接続された電極601aを備える。半導体ウェハ61aは、電極601aが設けられた回路形成面、及び回路形成面に対向した面で両面を定義できる。
半導体チップ61bは回路形成面(活性面)を備える。半導体チップ61bの回路形成面上には、バンプ62が配置されている。
半導体チップ61bと半導体ウェハ61aは、バンプ62を介して電気的に接続されている。
ステージ107はあらかじめ加熱されている。ステージ107の好適な温度条件は、実施形態1で説明した温度条件と同様である。
図24に示すように、上ヒータ板111及び上枠部材112を下降させ、上枠部材112の下端部を下板部材106の外縁部に沿って気密に摺動させ、上ヒータ板111、上枠部材112及び下板部材106によって気密に囲われたチェンバーを形成する。チェンバーを形成した段階で、上ヒータ板111及び上枠部材112の下降を停止する。
次いで、真空引きを行い、チェンバー内を減圧状態とする。チェンバー内の圧力は、好ましくは500Pa以下である。
図25に示すように、枠状押え部113aを下降させることにより、フィルム13の外周部13bをステージ107に押さえつけて、密閉容器121を形成する。密閉容器121は、ステージ107及びフィルム13を備える。密閉容器121の内部には、チップ実装ウェハ61及びチップ実装ウェハ61上に配置された熱硬化性樹脂シート12が配置されている。なお、真空チェンバー内を減圧状態にした後に密閉容器121を形成するため、密閉容器121の内部及び外部は減圧状態である。
図26に示すように、真空・加圧口116を開放することにより、チェンバー内の圧力を大気圧にする。すなわち、密閉容器121の外部の圧力を大気圧にする。
図27に示すように、真空・加圧口116にガスを導入することによりチェンバー内の圧力を高める。すなわち、密閉容器121の外部の圧力を大気圧よりも高める。これにより、半導体チップ61bを熱硬化性樹脂シート12で覆いつつ、半導体ウェハ61aと半導体チップ61bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を充填する。これにより、封止体7を得る。
ガスとしては特に限定されず、空気、窒素などが挙げられる。
密閉容器121の外部の好適な圧力は、実施形態1で説明した圧力と同様である。
封止体7は、チップ実装ウェハ61及びチップ実装ウェハ61上に配置された樹脂層71を備える。樹脂層71は、半導体ウェハ61aと半導体チップ61bの間に挟まれたアンダーフィル部71a、及びアンダーフィル部71aの周辺に配置された封止部71bを備える。半導体チップ61bは、封止部71bにより覆われている。封止体7は、フィルム13と接している。
図28に示すように、封止体7の横にスペーサー131を配置する。
図29に示すように、平板117をスペーサー131に当たるまで下降させることにより、封止体7をプレスし、封止体7の厚みを調整する。これにより、封止体7の厚みを均一化することができる。平板117で封止体7を押す際の圧力としては、0.5kgf/cm2〜20kgf/cm2が好ましい。
次いで、フィルム13を取り除く。
次いで、封止部71bのうち半導体ウェハ61aから側方にはみ出した部分を切り離す。
図30に示すように、封止体7を加熱することで樹脂層71を硬化させて、硬化体8を形成する。
好適な加熱温度は、実施形態1で説明した加熱温度と同様である。好適な加熱時間は、実施形態1で説明した加熱時間と同様である。
硬化体8は、チップ実装ウェハ61及びチップ実装ウェハ61上に配置された硬化層81を備える。硬化層81は、半導体ウェハ61aと半導体チップ61bの間に挟まれた接続保護部81a、及び接続保護部81aの周辺に配置されたチップ保護部81bを備える。半導体チップ61bは、チップ保護部81bにより覆われている。
硬化体8は、半導体ウェハ61aが配置されたウェハ面、及びウェハ面に対向した硬化面で両面を定義できる。硬化面には、硬化層81が配置されている。
図31に示すように、硬化体8の硬化層81を研削する。
図32に示すように、硬化体8の半導体ウェハ61aを研削して、貫通電極601bを露出させる。すなわち、ウェハ面を研削して得られた研削面82では、貫通電極601bが露出している。
図33に示すように、セミアディティブ法などを利用して、研削面82上に再配線層83を形成して、再配線体84を形成する。再配線層83は、再配線83aを備える。次いで、再配線層83上にバンプ85を形成する。バンプ85は再配線83a、貫通電極601b、電極601a及びバンプ62を介して半導体チップ61bと電気的に接続している。
図34に示すように、再配線体84を個片化(ダイシング)して、半導体装置9を得る。
(変形例1)
実施形態3では、積層体6をステージ107上に配置するが、変形例1では、チップ実装ウェハ61をステージ107上に配置し、次いでチップ実装ウェハ61上に熱硬化性樹脂シート12を配置し、次いで熱硬化性樹脂シート12上にフィルム13を配置する。
実施形態3では、積層体6をステージ107上に配置するが、変形例1では、チップ実装ウェハ61をステージ107上に配置し、次いでチップ実装ウェハ61上に熱硬化性樹脂シート12を配置し、次いで熱硬化性樹脂シート12上にフィルム13を配置する。
(変形例2)
実施形態3では、積層体6をステージ107上に配置するが、変形例2では、チップ実装ウェハ61及びチップ実装ウェハ61上に配置された熱硬化性樹脂シート12を備える積層物をステージ107上に配置し、次いで積層物上にフィルム13を配置する。
実施形態3では、積層体6をステージ107上に配置するが、変形例2では、チップ実装ウェハ61及びチップ実装ウェハ61上に配置された熱硬化性樹脂シート12を備える積層物をステージ107上に配置し、次いで積層物上にフィルム13を配置する。
(変形例3)
実施形態3では、平板117で封止体7をプレスするが、変形例3では封止体2をプレスしない。
実施形態3では、平板117で封止体7をプレスするが、変形例3では封止体2をプレスしない。
(変形例4)
実施形態3では、硬化体8の硬化層81を研削するが、変形例4では、硬化層81を研削しない。
実施形態3では、硬化体8の硬化層81を研削するが、変形例4では、硬化層81を研削しない。
以上のとおり、実施形態3の半導体装置9の製造方法は、積層体6の外周部13bをステージ107に押し付けることにより、密閉容器121を形成する工程と、密閉容器121の外部の圧力を密閉容器121の内部の圧力より高めることにより、半導体チップ61bを熱硬化性樹脂シート12で覆いつつ、半導体ウェハ61aと半導体チップ61bのギャップに熱硬化性樹脂シート12を充填する工程とを含む。
実施形態3では、キャビティを樹脂で充填する工程が必要ない。したがって、トランスファ成型方式のモールドアンダーフィルに比べて、ボイドが少ない半導体装置9を製造できる。また、トランスファ成型方式のモールドアンダーフィルに比べて、フィラーの偏析が生じ難い。
実施形態3の半導体装置9の製造方法は、封止体7を加熱することにより硬化体8を形成する工程、硬化体8に再配線層83を形成することにより再配線体84を形成する工程、及び再配線体84をダイシングすることにより半導体装置9を得る工程などをさらに含む。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量などは、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
熱硬化性樹脂シートを作製するために使用した成分について説明する。
エポキシ樹脂A:三菱化学社製のEP828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキン当量184g/eq〜194g/eq、23℃で液状)
エポキシ樹脂B:新日鐵化学社製のYSLV−80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキン当量:200g/eq、軟化点:80℃)
フェノール樹脂:明和化成社製のMEH−7500−3S(フェノールノボラック型硬化剤、水酸基当量103g/eq、軟化点83℃)
球状フィラーA:電気化学工業社製の5SDC(溶融球状シリカ、平均粒子径5μm)
球状フィラーB:アドマテックス社製のSO−25R(溶融球状シリカ、平均粒子径0.5μm)
カーボンブラック:三菱化学社製の#20
硬化促進剤:四国化成工業社製の2PHZ−PW(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)
エポキシ樹脂A:三菱化学社製のEP828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキン当量184g/eq〜194g/eq、23℃で液状)
エポキシ樹脂B:新日鐵化学社製のYSLV−80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキン当量:200g/eq、軟化点:80℃)
フェノール樹脂:明和化成社製のMEH−7500−3S(フェノールノボラック型硬化剤、水酸基当量103g/eq、軟化点83℃)
球状フィラーA:電気化学工業社製の5SDC(溶融球状シリカ、平均粒子径5μm)
球状フィラーB:アドマテックス社製のSO−25R(溶融球状シリカ、平均粒子径0.5μm)
カーボンブラック:三菱化学社製の#20
硬化促進剤:四国化成工業社製の2PHZ−PW(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)
[封止用シートの作製]
エポキシ樹脂A(商品名「EP828」、三菱化学社製)100重量部に対して、エポキシ樹脂B(商品名「YSLV−80XY」、新日鐵化学社製)103重量部、フェノール樹脂(商品名「MEH−7500−3S」、明和化成社製)93重量部、球状フィラーA(商品名「5SDC」、電気化学工業社製)1500重量部、球状フィラーB(商品名「SO−25R」、アドマテックス社製)350重量部、カーボンブラック(商品名「#20」、三菱化学社製)5重量部、硬化促進剤(商品名「2PHZ−PW」、四国化成工業社製)3重量部を配合し、ロール混練機により60℃で2分間、80℃2分間、120℃6分間、この順番で加熱していき、合計10分間、減圧条件下(0.01kg/cm2)で溶融混練し、混練物を調製した。次いで、得られた混練物を、120℃の条件下、スロットダイ法により離型処理フィルム上に塗工してシート状に形成し、離型処理フィルム及び離型処理フィルム上に配置された厚さ500μm、縦190mm、横240mmの熱硬化樹脂シートを備える封止用シートを作製した。離型処理フィルムとしては、シリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
エポキシ樹脂A(商品名「EP828」、三菱化学社製)100重量部に対して、エポキシ樹脂B(商品名「YSLV−80XY」、新日鐵化学社製)103重量部、フェノール樹脂(商品名「MEH−7500−3S」、明和化成社製)93重量部、球状フィラーA(商品名「5SDC」、電気化学工業社製)1500重量部、球状フィラーB(商品名「SO−25R」、アドマテックス社製)350重量部、カーボンブラック(商品名「#20」、三菱化学社製)5重量部、硬化促進剤(商品名「2PHZ−PW」、四国化成工業社製)3重量部を配合し、ロール混練機により60℃で2分間、80℃2分間、120℃6分間、この順番で加熱していき、合計10分間、減圧条件下(0.01kg/cm2)で溶融混練し、混練物を調製した。次いで、得られた混練物を、120℃の条件下、スロットダイ法により離型処理フィルム上に塗工してシート状に形成し、離型処理フィルム及び離型処理フィルム上に配置された厚さ500μm、縦190mm、横240mmの熱硬化樹脂シートを備える封止用シートを作製した。離型処理フィルムとしては、シリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
[熱硬化樹脂シートの作製]
封止用シートから離型処理フィルムを取り除いて縦190mm、横240mm、厚さ500μmの熱硬化樹脂シートを得た。
封止用シートから離型処理フィルムを取り除いて縦190mm、横240mm、厚さ500μmの熱硬化樹脂シートを得た。
[チップ実装基板の準備]
縦190mm、横240mmの有機基板及び有機基板にフリップチップ実装された複数のチップを備えるチップ実装基板を準備した。チップ実装基板において、基板とチップのギャップは80μmであった。チップとしては、厚み780μmの10mm角チップを使用した。チップにおいて、はんだバンプのピッチは400μmであった。
縦190mm、横240mmの有機基板及び有機基板にフリップチップ実装された複数のチップを備えるチップ実装基板を準備した。チップ実装基板において、基板とチップのギャップは80μmであった。チップとしては、厚み780μmの10mm角チップを使用した。チップにおいて、はんだバンプのピッチは400μmであった。
[封止体の作製]
(実施例1)
チップ実装基板上に熱硬化樹脂シートを配置することにより、積層物を形成した。積層物は、チップ実装基板及びチップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シートを備える。90度に設定された真空プレス装置(ミカドテクノス社製のVACUUM ACE)のステージ上に積層物を配置した。次いで、積層物上に離型フィルム(シリコーン離型処理された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)を配置して、積層物を離型フィルムで覆った。これにより、チップ実装基板、チップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シート及び熱硬化樹脂シート上に配置された離型フィルムを備える積層体を形成した。次いで、上ヒータ板、上枠部材及び下板部材を備える格納容器を形成した。格納容器の内部(チェンバー)には、ステージ及びステージ上に配置された積層体が配置されていた。次いで、チェンバー内を減圧した。次いで、離型フィルムの外周部をステージに押さえつけて、ステージ及び離型フィルムからなる密閉容器を形成した。次いで、チェンバーを開放することにより、密閉容器の外部の圧力を大気圧にした。これにより、離型フィルムで積層物を押さえつけた。次いで、密閉容器の外部の圧力を、180秒間、0.5MPaにした。これにより、チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、有機基板とチップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填した。
(実施例1)
チップ実装基板上に熱硬化樹脂シートを配置することにより、積層物を形成した。積層物は、チップ実装基板及びチップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シートを備える。90度に設定された真空プレス装置(ミカドテクノス社製のVACUUM ACE)のステージ上に積層物を配置した。次いで、積層物上に離型フィルム(シリコーン離型処理された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)を配置して、積層物を離型フィルムで覆った。これにより、チップ実装基板、チップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シート及び熱硬化樹脂シート上に配置された離型フィルムを備える積層体を形成した。次いで、上ヒータ板、上枠部材及び下板部材を備える格納容器を形成した。格納容器の内部(チェンバー)には、ステージ及びステージ上に配置された積層体が配置されていた。次いで、チェンバー内を減圧した。次いで、離型フィルムの外周部をステージに押さえつけて、ステージ及び離型フィルムからなる密閉容器を形成した。次いで、チェンバーを開放することにより、密閉容器の外部の圧力を大気圧にした。これにより、離型フィルムで積層物を押さえつけた。次いで、密閉容器の外部の圧力を、180秒間、0.5MPaにした。これにより、チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、有機基板とチップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填した。
(比較例1)
チップ実装基板上に熱硬化樹脂シートを配置することにより、積層物を形成した。積層物は、チップ実装基板及びチップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シートを備える。90度に設定された真空プレス装置(ミカドテクノス社製のVACUUM ACE)のステージ上に積層物を配置した。次いで、積層物上に離型フィルム(シリコーン離型処理された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)を配置して、積層物を離型フィルムで覆った。これにより、チップ実装基板、チップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シート及び熱硬化樹脂シート上に配置された離型フィルムを備える積層体を形成した。積層体の横にスペーサーを配置した。次いで、上ヒータ板、上枠部材及び下板部材を備える格納容器を形成した。格納容器の内部(チェンバー)には、ステージ、ステージ上に配置された積層体、積層体の横に配置されたスペーサーが配置されていた。次いで、チェンバー内を減圧した。次いで、積層体の上方に配置された平板をスペーサーに当たるまで下降させることにより、積層体をプレスした。これにより、チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、有機基板とチップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填した。
チップ実装基板上に熱硬化樹脂シートを配置することにより、積層物を形成した。積層物は、チップ実装基板及びチップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シートを備える。90度に設定された真空プレス装置(ミカドテクノス社製のVACUUM ACE)のステージ上に積層物を配置した。次いで、積層物上に離型フィルム(シリコーン離型処理された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)を配置して、積層物を離型フィルムで覆った。これにより、チップ実装基板、チップ実装基板上に配置された熱硬化樹脂シート及び熱硬化樹脂シート上に配置された離型フィルムを備える積層体を形成した。積層体の横にスペーサーを配置した。次いで、上ヒータ板、上枠部材及び下板部材を備える格納容器を形成した。格納容器の内部(チェンバー)には、ステージ、ステージ上に配置された積層体、積層体の横に配置されたスペーサーが配置されていた。次いで、チェンバー内を減圧した。次いで、積層体の上方に配置された平板をスペーサーに当たるまで下降させることにより、積層体をプレスした。これにより、チップを熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、有機基板とチップのギャップに熱硬化性樹脂シートを充填した。
[評価]
封止体及び熱硬化性樹脂シートについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
封止体及び熱硬化性樹脂シートについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(封止性)
封止体を超音波探査映像装置で観察し、封止体中に空隙がない場合を○と判定し、空隙がある場合を×と判定した。結果を表1に示す。
封止体を超音波探査映像装置で観察し、封止体中に空隙がない場合を○と判定し、空隙がある場合を×と判定した。結果を表1に示す。
(最低溶融粘度)
ロールラミネーターを用いて、厚み500μmの熱硬化性樹脂シートを90℃にて2枚積層し、厚み1000μmの積層シートを得た。積層シートを直径25mmに打ち抜くことにより、直径25mmの試験片を得た。試験片について、レオメーター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のMahrs III)を用いて、1Hz、歪み5%、昇温速度10℃/分で50℃〜150℃で粘度を測定した。測定された粘度の最低値を最低溶融粘度とした。
ロールラミネーターを用いて、厚み500μmの熱硬化性樹脂シートを90℃にて2枚積層し、厚み1000μmの積層シートを得た。積層シートを直径25mmに打ち抜くことにより、直径25mmの試験片を得た。試験片について、レオメーター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のMahrs III)を用いて、1Hz、歪み5%、昇温速度10℃/分で50℃〜150℃で粘度を測定した。測定された粘度の最低値を最低溶融粘度とした。
1 積層体
11 チップ実装基板
11a 基板
11b 半導体チップ
11c バンプ
12 熱硬化性樹脂シート
13 フィルム
13a 中央部
13b 周辺部
2 封止体
21 樹脂層
21a アンダーフィル部
21b 封止部
3 硬化体
31 硬化層
31a 接続保護部
31b チップ保護部
32 バンプ
4 半導体装置
11 チップ実装基板
11a 基板
11b 半導体チップ
11c バンプ
12 熱硬化性樹脂シート
13 フィルム
13a 中央部
13b 周辺部
2 封止体
21 樹脂層
21a アンダーフィル部
21b 封止部
3 硬化体
31 硬化層
31a 接続保護部
31b チップ保護部
32 バンプ
4 半導体装置
10 積層フィルム
101 基台
102 加圧シリンダ下板
103 スライド移動テーブル
104 スライドシリンダ
105 下ヒータ板
106 下板部材
107 ステージ
108 支柱
109 加圧シリンダ上板
110 中間移動部材
111 上ヒータ板
112 上枠部材
113 内方枠体
113a 枠状押え部
113b ロッド
114 加圧シリンダ
115 シリンダロッド
116 真空・加圧口
117 平板
S ストッパー
121 密閉容器
131 スペーサー
102 加圧シリンダ下板
103 スライド移動テーブル
104 スライドシリンダ
105 下ヒータ板
106 下板部材
107 ステージ
108 支柱
109 加圧シリンダ上板
110 中間移動部材
111 上ヒータ板
112 上枠部材
113 内方枠体
113a 枠状押え部
113b ロッド
114 加圧シリンダ
115 シリンダロッド
116 真空・加圧口
117 平板
S ストッパー
121 密閉容器
131 スペーサー
6 積層体
61 チップ実装ウェハ
61a 半導体ウェハ
601a 電極
601b 貫通電極
61b 半導体チップ
62 バンプ
7 封止体
71 樹脂層
71a アンダーフィル部
71b 封止部
8 硬化体
81 硬化層
81a 接続保護部
81b チップ保護部
82 研削面
83 再配線層
83a 再配線
84 再配線体
85 バンプ
9 半導体装置
61 チップ実装ウェハ
61a 半導体ウェハ
601a 電極
601b 貫通電極
61b 半導体チップ
62 バンプ
7 封止体
71 樹脂層
71a アンダーフィル部
71b 封止部
8 硬化体
81 硬化層
81a 接続保護部
81b チップ保護部
82 研削面
83 再配線層
83a 再配線
84 再配線体
85 バンプ
9 半導体装置
Claims (2)
- 基板及び前記基板にフリップチップ実装された半導体チップを備えるチップ実装基板、
前記チップ実装基板上に配置された熱硬化性樹脂シート、並びに
前記熱硬化性樹脂シートと接する中央部及び前記中央部の周辺に配置された周辺部を備えるフィルム
を備える積層体の
前記周辺部を前記基板と接するステージに押し付けることにより、前記ステージ及び前記フィルムを備える密閉容器を形成する工程と、
前記密閉容器の外部の圧力を前記密閉容器の内部の圧力より高めることにより、前記半導体チップを前記熱硬化性樹脂シートで覆いつつ、前記基板と前記半導体チップのギャップに前記熱硬化性樹脂シートを充填する工程と
を含む半導体装置の製造方法。 - 前記チップ実装基板は、前記半導体チップを複数備える請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014098074A JP2015216230A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | 半導体装置の製造方法 |
PCT/JP2014/083915 WO2015098842A1 (ja) | 2013-12-26 | 2014-12-22 | 半導体装置の製造方法 |
KR1020167018602A KR20160102214A (ko) | 2013-12-26 | 2014-12-22 | 반도체 장치의 제조 방법 |
CN201480070975.XA CN105849880A (zh) | 2013-12-26 | 2014-12-22 | 半导体装置的制造方法 |
TW103145238A TW201533856A (zh) | 2013-12-26 | 2014-12-24 | 半導體裝置之製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014098074A JP2015216230A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015216230A true JP2015216230A (ja) | 2015-12-03 |
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ID=54752874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014098074A Pending JP2015216230A (ja) | 2013-12-26 | 2014-05-09 | 半導体装置の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015216230A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112016005036T5 (de) | 2015-11-03 | 2018-07-26 | Denso Corporation | LUFTAUSSTOßVORRICHTUNG |
WO2018139407A1 (ja) * | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 日立化成株式会社 | 半導体装置の製造方法、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物及び半導体装置 |
JP2019106420A (ja) * | 2017-12-11 | 2019-06-27 | 日東電工株式会社 | ダイシングテープ一体型封止用シート及び半導体装置の製造方法 |
WO2021029259A1 (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-18 | ナガセケムテックス株式会社 | モールドアンダーフィル封止用の多層シート、モールドアンダーフィル封止方法、電子部品実装基板及び電子部品実装基板の製造方法 |
-
2014
- 2014-05-09 JP JP2014098074A patent/JP2015216230A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112016005036T5 (de) | 2015-11-03 | 2018-07-26 | Denso Corporation | LUFTAUSSTOßVORRICHTUNG |
WO2018139407A1 (ja) * | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 日立化成株式会社 | 半導体装置の製造方法、モールドアンダーフィル用感光性樹脂組成物及び半導体装置 |
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JP7064184B2 (ja) | 2017-12-11 | 2022-05-10 | 日東電工株式会社 | ダイシングテープ一体型封止用シート及び半導体装置の製造方法 |
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