JP2020088170A - 有機光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗電流を低減する。【解決手段】活性層についてのESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ESRスペクトル成分のg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(ER)の電子スピン数が5.0×1016/cm3未満である、有機光電変換素子。【選択図】図1

Description

本発明は、有機光電変換素子及びその製造方法に関する。
有機光電変換素子は、例えば、省エネルギー、二酸化炭素の排出量の低減の観点から極めて有用なデバイスであり、注目されている。
有機光電変換素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に設けられ、有機半導体材料を含む活性層とを少なくとも備える電子素子である。有機光電変換素子では、いずれかの電極を光透過性を有する材料により構成し、光透過性を有する電極側から活性層に光を入射させる。すると、活性層に入射した光のエネルギー(hν)によって、活性層において電荷(正孔及び電子)が生成する。生成した正孔は陽極に向かって移動し、電子は陰極に向かって移動する。そして、陽極及び陰極に到達した電荷は、有機光電変換素子の外部に取り出される。
有機光電変換素子は、例えば、光検出素子として用いられる。光検出素子として用いられる有機光電変換素子は、電圧が印加された状態で使用され、素子に入射した光が変換されて電流として検出される。しかしながら、光が入射していない状態であっても、有機光電変換素子に微弱な電流が流れる。この電流は暗電流として知られており、光検出の精度を低下させる要因となっている。
有機光電変換素子の暗電流をより低減することを目的として、低分子化合物からなる光電変換層(活性層)の電子スピン数を1.0×1015/cm以下とする態様が知られている(特許文献1参照)。
特開2011−199263号公報
上記特許文献1にかかる発明は、低分子化合物からなる活性層中に生じる等方性信号成分にかかる電子スピン数が暗電流と相関することが記載されている。しかしながら、特許文献1が開示する態様によっては、特定の条件において、暗電流の低減が必ずしも実現できていなかった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を進めたところ、活性層中の暗電流の生成に関する所定のラジカル種の生成、すなわち所定の信号成分、特に異方性信号成分にかかる特定の電子スピン数を低減させることにより、有機光電変換素子の暗電流を低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記[1]〜[21]を提供する。
[1]陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられており、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する有機光電変換素子において、
前記活性層をESR法で測定することにより得られるESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ESRスペクトル成分のg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(ER)の電子スピン数が5.0×1016/cm未満である、有機光電変換素子。
[2]前記ESRスペクトル成分が異方性信号成分である、[1]に記載の有機光電変換素子。
[3]前記活性層は、オゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理した活性層である、[1]又は[2]に記載の有機光電変換素子。
[4]前記活性層は、130℃以下で乾燥処理した活性層である、[3]に記載の有機光電変換素子。
[5]前記活性層は、前記有機材料としてP型半導体材料とN型半導体材料とを含むバルクヘテロジャンクション構造を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
[6]前記P型半導体材料は、下記式(I)で表される構成単位を有する高分子化合物である、[5]に記載の有機光電変換素子。
Figure 2020088170
〔式(I)中、Zは下記式(Z−1)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基を表す。Ar及びArは、同一であっても異なっていてもよい3価の芳香族複素環基を表す。〕
Figure 2020088170
〔式(Z−1)〜式(Z−7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、又はニトロ基を表す。Rが2個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。〕
[7]前記式(I)で表される構成単位が、下記式(I−1)で表される構成単位である、[6]に記載の有機光電変換素子。
Figure 2020088170
〔式(I−1)中、Zは前記と同様の意味を表す。〕
[8]前記Zが、前記式(Z−4)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基である、[6]又は[7]に記載の有機光電変換素子。
[9]前記式(I−1)で表される構成単位が、下記式で表される構成単位である、[7]に記載の有機光電変換素子。
Figure 2020088170
〔式中、Rは、前記と同様の意味を表す。2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。〕
[10]光検出素子である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子。
[11][10]に記載の光電変換素子を含む、イメージセンサー。
[12][10]に記載の光電変換素子を含む、指紋認証装置。
[13][1]に記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
有機材料を含む塗布液を塗布法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜をオゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理することにより活性層を形成する工程を含む、有機光電変換素子の製造方法。
[14]前記有機材料は高分子化合物を含み、前記ESRスペクトル成分が異方性信号成分である、[13]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
[15]前記乾燥処理が130℃以下で行われる、[13]又は[14]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
[16]前記有機材料としてP型半導体材料とN型半導体材料とを用いて、バルクヘテロジャンクション構造を有する前記活性層を形成する、[13]〜[15]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子の製造方法。
[17]前記P型半導体材料は、下記式(I)で表される構成単位を有する高分子化合物である、[16]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
Figure 2020088170
〔式(I)中、Zは下記式(Z−1)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基を表す。Ar及びArは、同一であっても異なっていてもよい3価の芳香族複素環基を表す。〕
Figure 2020088170
〔式(Z−1)〜式(Z−7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、又はニトロ基を表す。Rが2個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。〕
[18]前記式(I)で表される構成単位が、下記式(I−1)で表される構成単位である、[17]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
Figure 2020088170
〔式(I−1)中、Zは前記と同様の意味を表す。〕
[19]前記Zが、前記式(Z−4)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基である、[17]又は[18]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
[20]前記式(I−1)で表される構成単位が、下記式で表される構成単位である、[18]又は[19]に記載の有機光電変換素子の製造方法。
Figure 2020088170
〔式中、Rは、前記と同様の意味を表す。2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。〕
[21]陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に設けられており、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する有機光電変換素子の製造方法であって、
前記有機材料を含む塗布液を塗布法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜とオゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理する条件で活性層を形成する工程を含み、
ガラス基板上に前記条件で形成された参照用の活性層をESR法で測定することにより得られるESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ESRスペクトル成分のg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(ER)の電子スピン数が5.0×1016/cm未満である、有機光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、暗電流を低減することができる。
図1は、有機光電変換素子の構成例を模式的に示す図である。 図2は、ESRスペクトルを説明するための模式的な図である。 図3は、ESRスペクトル成分を説明するための模式的な図である。 図4は、イメージ検出部の構成例を模式的に示す図である。 図5は、指紋検出部の構成例を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかる有機光電変換素子について説明する。なお、図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図面に示された配置で、製造されたり、使用されたりするとは限らない。
1.有機光電変換素子
本実施形態の有機光電変換素子は、陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられており、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する有機光電変換素子であって、活性層をESR法で測定することにより得られるESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ESRスペクトル成分のg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(以下、ERと称することがある)の電子スピン数が5.0×1016/cm未満である。
ここで、本実施形態の有機光電変換素子が取り得る構成例について説明する。図1は、本実施形態の有機光電変換素子の構成例を模式的に示す図である。
図1に示されるように、本実施形態の有機光電変換素子10は、例えば、支持基板11上に設けられている。有機光電変換素子10は、支持基板11に接するように設けられている陰極12と、陰極12に接するように設けられている電子輸送層13と、電子輸送層13に接するように設けられている活性層14と、活性層14に接するように設けられている正孔輸送層15と、正孔輸送層15に接するように設けられている陽極16とを備えている。この構成例では、陽極16に接するように設けられている封止基板17をさらに備えている。
以下、本実施形態の有機光電変換素子にかかるパラメータ、構成要素及び製造方法について、より詳細に説明する。
(電子スピン数の算出)
電子スピン数とは、電子スピン共鳴(ESR:Election Spin Resonance)法により測定されたスペクトル(以下、ESRスペクトルという。)に基づくパラメータをいう。
ESRスペクトルに基づく電子スピン数の算出は、市場にて入手可能である、X−band ESR測定装置を用いて実施することができる。
ここで、ESR法による電子スピン数の算出方法について説明する。
具体的には、まず、ESR測定装置を用いるESR法により、有機光電変換素子が備える活性層と同様にしてガラス基板上に形成された参照用の活性層を有する試料を測定しESRスペクトルを得る。得られたESRスペクトルは、測定対象(測定対象の成分又は材料)の電子スピンの特性を反映している。
本明細書において、「ESRスペクトル成分」とは、ESRスペクトルに含まれるスペクトル成分が1の場合及びスペクトル成分を分離する必要がない場合は、ESRスペクトルの信号成分自体を意味し、含まれる2以上のスペクトル成分のうち、対象となるスペクトル成分を分離する必要がある場合は、分離されたスペクトル成分を意味する。
得られたESRスペクトルは、1又は2以上のスペクトル成分を含む。ESRスペクトルが2以上のスペクトル成分を含む場合、線幅ΔHやERの電子スピン数の算出に誤差が生じることがある。その場合、ESRスペクトル成分を分離し、得られたESRスペクトル成分に基づいて線幅ΔHやERの電子スピン数を算出する。ESRスペクトル成分は、ESRスペクトルからg値に対応するピークを含むように分離することにより得られる。
ESRスペクトルが、2以上のスペクトル成分を含む場合には、J. A. Weil, J. R. Bolton, J. E. Wertz, Electron Paramagnetic Resonance Elementary Theory and Practical Applications, WILEY−INTERSCIENCE.に記載された方法に基づいてESRスペクトル成分の分離の要否を決定する。
ESRスペクトルに含まれるスペクトル成分が1である場合及びスペクトル成分を分離する必要がない場合は、ESRスペクトルに基づいて線幅ΔH及びERのスピン数を求める。スペクトル成分を分離する必要がある場合は、分離されたESRスペクトル成分における線幅ΔHおよびERのスピン数を求める。
電子スピン数は、ESRスペクトル成分の面積と相関する。ESRスペクトル成分の面積を計算することにより電子スピン数を算出することができる。
ESRスペクトル成分の面積は、従来公知の任意好適な算出方法を適用することができる。ESRスペクトル成分の面積は、例えば、市場にて入手可能なソフトウェアを用いて算出することができる。
ESRスペクトル成分の面積から電子スピン数を算出する方法としては、従来公知の任意好適な方法を用いることができる。ESRスペクトル成分の面積からの電子スピン数の算出方法としては、例えば、実用ESR入門(講談社サイエンティフィク社)に記載されている方法が挙げられる。
ESRスペクトル成分は、異方性又は等方性の信号成分である。ESRスペクトル成分のg値のgx、gy及びgzは、例えば、フィッティング法により求めることができる。求められたgx、gy及びgzの数値が同一である場合、ESRスペクトル成分は等方性の信号成分である。求められたgx、gy及びgzの数値が異なる場合、ESRスペクトル成分は異方性の信号成分である。異方性の信号成分にかかる電子スピン数を低減させることにより、有機光電変換素子の暗電流を低減することできる。本実施形態において、分離されるべきESRスペクトル成分は、異方性の信号成分であることが好ましい。
本実施形態では、活性層はP型半導体材料である高分子化合物(例えば、π共役系ポリマー)を含む場合が想定されており、この場合に得られるESRスペクトルは、高分子化合物に由来する信号成分を含む。
(ESRスペクトル成分の分離方法)
得られたESRスペクトルからg値に対応するピークを含むESRスペクトル成分の分離方法は、従来公知の任意好適な方法を用いることができる。
ESRスペクトルからのESRスペクトル成分の分離方法の具体例としては、フィッティング法、ベースライン法が挙げられる。
フィッティング法としては、従来公知の任意好適な方法を用いることができる。具体的には、例えばSimFonia(Bruker社製)などの市場にて入手可能なスペクトルシミュレーションソフトウェアを用いることができる。このようなスペクトルシミュレーションソフトウェアを用いて、常法に従うスペクトルフィッティングを行うことにより、ESRスペクトル成分を得ることができる。その際、gx、gy、gzを同時に求めることができ、ESRスペクトル成分が異方性信号成分もしくは等方性信号成分であるかを判定することができる。
ベースライン法としては、従来公知の任意好適な方法を用いることができる。具体的には、得られたESRスペクトルに対して、所定のベースラインに相当する直線を引き、得られたESRスペクトルとベースラインに相当する直線との差分を取ることにより、ESRスペクトル成分を得ることができる。
本実施形態の有機光電変換素子においては、ESRスペクトル成分の線幅ΔHが、0.5mT以下であり、より好ましくは、0.2mT以下であり、さらに好ましくは0.18mT以下であり、好ましくは0.001mT以上であり、より好ましくは0.005mT以上であり、さらに好ましくは0.01mT以上である。
本実施形態では、有機材料は高分子化合物を含み、本実施形態の線幅ΔHは、活性層に含まれる有機材料である高分子化合物に由来する(詳細は後述する。)。例えば、蒸着法などで形成された活性層が含み得る低分子化合物に由来する線幅ΔHは、0.5mT〜1.0mTであることが特許文献1に報告されている。
ここで、ESR法による測定の対象である「活性層」としては、測定を簡便にする観点から、有機光電変換素子の活性層形成用の材料を用いて、ガラス基板などの支持体上に、活性層の形成工程と同様にして、活性層を模して作成された層を用いることができる。
本実施形態では、上記のとおり、ESRスペクトル成分に基づいてg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲の電子スピン数はより小さいほど好ましい。ここで、電子スピン数が小さくなると各ピークの高さが低くなり、g値に対応するピークを検出することが難しくなり、結果として、上記「線幅ΔHが0.5mT以下である」との要件についての認定が困難となる場合があり得る。
しかしながら、例えば、所定の信号成分にかかるESRスペクトル成分においてg値に対応するピークの検出が困難であって、「線幅ΔH」が特定できなかった場合には、例えば、従来公知の常法に従う加速劣化試験又は苛酷劣化試験を実施する。有機光電変換素子(活性層)がある程度劣化した場合において、g値に対応するピークの要件を満たすピークが検出され、この場合に線幅ΔHが0.5mT以下であれば、有機光電変換素子の劣化(使用)前において、上記「線幅ΔHが0.5mT以下である」との要件を満たしているものとすることができる。
本実施形態では、ERの電子スピン数を算出する。ERの電子スピン数が、暗電流の発生に寄与しやすい所定のラジカル種の量に相当する。
なお、電子スピン数を算出するにあたり、g値を中心とした線幅ΔHの3倍の範囲が算出対象とされる。これは、ESRスペクトル成分の「g値に対応するピーク」に鑑みると、特に暗電流の発生に寄与しやすい電子スピン数を十分に捕捉することができると考えられるため、g値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲までを算出する。
図2及び3を参照して、本実施形態にかかるESRスペクトル及びESRスペクトル成分の態様について説明する。図2は、ESRスペクトルを説明するための模式的な図である。図3は、ESRスペクトル成分を説明するための模式的な図である。図2及び図3において、縦軸は信号強度であり、横軸は磁場強度(mT)である。
図2に示されるグラフは、本実施形態の有機光電変換素子が備える活性層についてX−band ESR測定装置によって得られたESRスペクトルの一態様を示している。
図3は、図2に示されるESRスペクトルから分離されたESRスペクトル成分の一態様を示している。
図3に示されるように、本実施形態にかかるESRスペクトル成分は、g値に対応する極大値maxを有するピークと極小値minを有するピークとを含む。これら2つのピークは連続的に隣り合っている。
本実施形態では、2つのピークの極大値maxに対応する磁場強度と極小値minに対応する磁場強度との差である線幅ΔHが0.5mT以下である。
ここで、g値を表すgは、下記式Aで定義されるパラメータである。
式A:hν=gβH
式中、hはプランク定数を表し、νは共鳴周波数を表し、βはボーア磁子を表し、Hは共鳴磁場を表す。
g値は、ESRスペクトルの信号強度が0であり、且つ、ESRスペクトルを積分したときに極大を示す点における共鳴磁場をHとし、式Aに基づいて求めることができる。
gx、gy、gzは、シミュレーション法(J. A. Weil, J. R. Bolton, J. E. Wertz, Electron Paramagnetic Resonance Elementary Theory and Practical Applications, WILEY−INTERSCIENCE.)により決めることができる。
以下、本実施形態の有機光電変換素子が備え得る具体的な構成要素について説明する。
(基板)
有機光電変換素子は、通常、基板に形成される。この基板には、通常、陰極及び陽極を含む電極が形成される。基板の材料は、特に有機化合物を含む層を形成する際に化学的に変化しない材料であれば特に限定されない。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、不透明な基板側に設けられる電極とは反対側の電極(すなわち、基板から遠い側の電極)が透明又は半透明の電極とされることが好ましい。また、基板として、後述する電極(陰極又は陽極)又はパターニング工程などのさらなる工程により電極を形成することができる層構造が形成されている基板を用いてもよい。
(電極)
透明又は半透明の電極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、NESA等の導電性材料、金、白金、銀、銅が挙げられる。透明又は半透明の電極の材料としては、ITO、IZO、酸化スズが好ましい。また、電極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機化合物が材料として用いられる透明導電膜を用いてもよい。透明又は半透明の電極は、陽極であっても陰極であってもよい。
一方の電極が透明又は半透明であれば、他方の電極は光透過性の低い電極であってもよい。光透過性の低い電極の材料としては、例えば、金属、及び導電性高分子が挙げられる。光透過性の低い電極の材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びこれらのうちの2種以上の合金、又は、これらのうちの1種以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体が挙げられる。合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
電極の形成方法としては、従来公知の任意好適な形成方法を用いることができる。電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びめっき法が挙げられる。電極の形成方法は、前記の方法により形成された層構造をパターニングする工程、表面処理を行う工程などのさらなる工程を含んでいてもよい。
(活性層)
本実施形態の有機光電変換素子は、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する。活性層は、有機材料を含み、かかる有機材料は高分子化合物を含む。
活性層の態様は特に限定されない。活性層は、P型半導体材料(電子供与性化合物)とN型半導体材料(電子受容性化合物)とを含むバルクヘテロジャンクション構造を有することが好ましい。
好適なP型半導体材料及びN型半導体材料の詳細については後述するが、P型半導体材料及びN型半導体材料のうちのいずれであるかは、選択された化合物のHOMO又はLUMOのエネルギーレベルから相対的に決定することができる。
活性層の厚さは、通常1nm〜100μmである。特に光検出素子として用いられる有機光電変換素子の活性層の厚さは、500nm〜1000nmであることが好ましい。
活性層の具体的な形成工程については後述する。
(中間層)
図1に示されるとおり、有機光電変換素子は、光電変換効率といった特性を向上させるためのさらなる構成要素として、電荷輸送層(電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子阻害層、正孔阻害層)といった付加的な中間層を備えていてもよい。
このような中間層に用いられる材料としては、従来公知の任意好適な材料を用いることができる。中間層の材料としては、例えば、フッ化リチウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、及び酸化物が挙げられる。
また、中間層に用いられる材料としては、例えば、酸化チタン等の無機半導体の微粒子、及びPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))とPSS(ポリ(4−スチレンスルホネート))との混合物(PEDOT:PSS)が挙げられる。
図1に示されるように、有機光電変換素子は、陽極と活性層との間に、正孔輸送層を備えていてもよい。正孔輸送層は、活性層から電極へと正孔を輸送する機能を有する。
陽極に接して設けられる正孔輸送層を、特に正孔注入層という場合がある。陽極に接して設けられる正孔輸送層(正孔注入層)は、陽極への正孔の注入を促進する機能を有する。正孔輸送層(正孔注入層)は、活性層に接していてもよい。
正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む。正孔輸送性材料の例としては、ポリチオフェン及びその誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン残基を有する構成単位を含む高分子化合物、CuSCN、CuI、NiO、及び酸化モリブデン(MoO)が挙げられる。
図1に示されるように、有機光電変換素子は、陰極と活性層との間に、電子輸送層を備えていてもよい。電子輸送層は、活性層から陰極へと電子を輸送する機能を有する。電子輸送層は、陰極に接していてもよい。電子輸送層は活性層に接していてもよい。
電子輸送層は、電子輸送性材料を含む。電子輸送性材料の例としては、酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンエトキシレイテッド、及びPFN−P2が挙げられる。
中間層は、後述する活性層の製造工程と同様の塗布法により形成することができる。
2.有機光電変換素子の製造方法
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法は、特に限定されない。有機光電変換素子は、各構成要素を形成するにあたり選択された材料に好適な形成方法により製造することができる。
本実施形態の有機光電変換素子の主要な構成要素である活性層は、好ましくはバルクへテロジャンクション構造を有する。よって、有機材料としてP型半導体材料とN型半導体材料とを用いて、有機材料を含む塗布液(以下、インクという。)を用いる塗布法によりバルクヘテロジャンクション構造を有する活性層を形成することができる。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法は、陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられており、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する有機光電変換素子の製造方法であって、ESR法で測定することにより得られるESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ERの電子スピン数が5.0×1016/cm未満である、活性層を形成する工程を含む。暗電流を低減させるためにはERの電子スピン数が3×1016/cm未満であることが好ましく、1×1016/cm未満であることがより好ましく、5×1015/cm未満であることがさらに好ましい。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法において、活性層を形成する工程は、有機材料を含むインクを、塗布法により塗布して形成する工程を含む。
以下、本実施形態の有機光電変換素子の主たる構成要素である活性層の形成工程が含み得る工程(i)及び工程(ii)について説明する。
(工程(i))
活性層が形成されるべき塗布対象に、活性層形成用のインクを塗布する方法としては、任意好適な塗布法を用いることができる。塗布法としては、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、インクジェット印刷法、ノズルコート法、又はキャピラリーコート法が好ましく、スピンコート法、キャピラリーコート法、又はバーコート法がより好ましく、スピンコート法がさらに好ましい。
有機材料を含む活性層形成用のインクは、有機光電変換素子及びその製造方法に応じて選択された塗布対象に塗布される。活性層形成用のインクは、有機光電変換素子の製造工程において、有機光電変換素子が有する機能層であって、活性層が存在し得る機能層に塗布される。
よって、活性層形成用のインクの塗布対象は、製造される有機光電変換素子の層構成及び層形成の順序によって異なる。例えば、有機光電変換素子が、基板/陽極/正孔輸送層/活性層/電子輸送層/陰極の層構成を有しており、より左側に記載された層が先に形成される場合、インクの塗布対象は、正孔輸送層となる。また、例えば、有機光電変換素子が、基板/陰極/電子輸送層/活性層/正孔輸送層/陽極の層構成を有しており、より左側に記載された層が先に形成される場合、インクの塗布対象は、電子輸送層となる。
(工程(ii))
インクの塗布膜から、溶媒を除去する方法、換言すると、塗布膜から溶媒を除去して固化膜とする方法としては、任意好適な方法を用いることができる。溶媒を除去する方法の例としては、ホットプレートを用いて直接的に加熱する方法、熱風乾燥法、赤外線加熱乾燥法、フラッシュランプアニール乾燥法、減圧乾燥法などの乾燥法が挙げられる。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法において、活性層を形成する工程は、有機材料を含む塗布液を塗布法により塗布して塗布膜を形成し、塗布膜をオゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理する工程を含むことが好ましい。
有機材料である高分子化合物を含む活性層形成用のインクの塗布膜を、オゾン濃度が0.010ppm以下となるように調整した雰囲気下で乾燥処理することにより、活性層における所定の信号成分にかかる電子スピン数を減少させることができる。換言すると、オゾン濃度を低減させた雰囲気下で乾燥処理を行って活性層を形成することにより、特に移動度の大きい暗電流の発生に寄与するラジカル種(電荷)の発生を抑制することができ、結果として、有機光電変換素子の暗電流を効果的に低減することができる。
本実施形態の有機光電変換素子の製造方法にかかる活性層の形成工程において、乾燥処理が130℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは85℃以下で行われることが好ましい。
一般に、塗布法による活性層の形成工程において、塗布膜の乾燥処理をより高温で行えば、活性層の電子スピン数は増大する傾向にある。しかしながら、既に説明したとおりオゾン濃度を調整した雰囲気下で乾燥させれば、130℃程度のより高温条件で乾燥処理を行ったとしても活性層における所定の信号成分、特に異方性信号成分にかかる電子スピン数を低減させることができる。また、オゾン濃度の調整と併せて130℃以下の温度条件で塗布膜を乾燥処理すれば、活性層の電子スピン数、特に異方性信号成分にかかる電子スピン数をさらに低減させることができる。
結果として、有機光電変換素子の暗電流をより効果的に低減することができる。
活性層を形成する工程は、前記工程(i)及び工程(ii)以外に、本発明の目的及び効果を損なわないことを条件としてその他の工程を含んでいてもよい。
有機光電変換素子の製造方法は、複数の活性層を含む有機光電変換素子を製造する方法であってもよい。この場合には工程(i)及び工程(ii)を複数回繰り返せばよい。
(インク)
インクは、溶液であってもよく、分散液、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。本実施形態のインクは、活性層形成用のインクであって、P型半導体材料と、N型半導体材料と、第1溶媒とを含み、さらに所望により第2溶媒を含み得る。以下、本実施形態のインクの成分について説明する。
ここでまず、以下の説明において共通して用いられる用語について説明する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が、1×10以上1×10以下である重合体を意味する。高分子化合物に含まれる構成単位は、合計100モル%である。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「水素原子」は、軽水素原子であっても、重水素原子であってもよい。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を含む。
「置換基を有していてもよい」とは、その化合物又は基を構成するすべての水素原子が無置換の場合、及び1個以上の水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。
「アルキル基」は、別に断らない限り、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20である。分岐状又は環状であるアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−n−プロピルヘプチル基、アダマンチル基、n−デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−ヘキシル−デシル基、n−ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基が挙げられる。置換基を有するアルキル基の例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル)プロピル基、及び6−エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「アリール基」は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を1個を除いた残りの原子団を意味する。
アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基、アリール基、フッ素原子等の置換基をさらに有している基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは1〜10である。分岐状又は環状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、及びラウリルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等の置換基をさらに有している基が挙げられる。
「アルキルチオ基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキルチオ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは1〜10である。分岐状及び環状のアルキルチオ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルキルチオ基は、置換基を有していてもよい。アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、及びトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
「アリールチオ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールチオ基は、置換基を有していてもよい。アリールチオ基の例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルキルオキシフェニルチオ基(「C1〜C12」との記載は、その直後に記載された基の炭素原子数が1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、及びペンタフルオロフェニルチオ基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、「p価の芳香族複素環基」が好ましい。「p価の芳香族複素環基」は、置換基を有していてもよい芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。
複素環式化合物が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、及びニトロ基が挙げられる。
芳香族複素環式化合物には、複素環自体が芳香族性を示す化合物に加えて、芳香族性を示さない複素環にさらに芳香環が縮環している化合物が包含される。
芳香族複素環式化合物のうち、複素環自体が芳香族性を示す化合物の具体例としては、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、及びジベンゾホスホールが挙げられる。
芳香族複素環式化合物のうち、芳香族性を示さない複素環に芳香環が縮環している化合物の具体例としては、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、及びベンゾピランが挙げられる。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。1価の複素環基の具体例としては、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有している基が挙げられる。
「置換アミノ基」とは、置換基を有するアミノ基を意味する。置換アミノ基が有し得る置換基の例としては、アルキル基、アリール基、及び1価の複素環基が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アリール基、又は1価の複素環基が好ましい。置換アミノ基の炭素原子数は、通常2〜30である。
置換アミノ基の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基等のジアリールアミノ基が挙げられる。
「アシル基」は、炭素原子数が通常2〜20であり、好ましくは炭素原子数が2〜18である。アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、及びペンタフルオロベンゾイル基が挙げられる。
「イミン残基」とは、イミン化合物から、炭素原子−窒素原子二重結合を構成する炭素原子又は窒素原子に直接結合する水素原子を1個除いた残りの原子団を意味する。「イミン化合物」とは、分子内に、炭素原子−窒素原子二重結合を有する有機化合物を意味する。イミン化合物の例としては、アルジミン、ケチミン、及びアルジミン中の炭素原子−窒素原子二重結合を構成する窒素原子に結合している水素原子が、アルキル基等で置換された化合物が挙げられる。
イミン残基は、通常、炭素原子数が2〜20程度であり、好ましくは炭素原子数が2〜18である。イミン残基の例としては、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 2020088170
「アミド基」は、アミドから窒素原子に結合した水素原子を1個除いた残りの原子団を意味する。アミド基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜18である。アミド基の具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、及びジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
「酸イミド基」とは、酸イミドから窒素原子に結合した水素原子を1個除いた残りの原子団を意味する。酸イミド基の炭素原子数は、通常、4〜20である。酸イミド基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 2020088170
「置換オキシカルボニル基」とは、R’−O−(C=O)−で表される基を意味する。ここで、R’は、アルキル基、アリールアルキル基、又は1価の複素環基を表す。
置換オキシカルボニル基の炭素原子数は、通常2〜60であり、好ましくは2〜48である。
置換オキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、及びピリジルオキシカルボニル基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐状又は環状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基は、置換基を有していてもよい。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基等の置換基をさらに有している基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐状又は環状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基は置換基を有していてもよい。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、及びこれらの基がアルキル基、アルコキシ基等の置換基をさらに有している基が挙げられる。
(P型半導体材料)
本実施形態の有機光電変換素子の活性層が含み得るP型半導体材料は、所定のポリスチレン換算の重量平均分子量を有する高分子化合物である。
ここで、ポリスチレン換算の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、ポリスチレンの標準試料を用いて算出した重量平均分子量を意味する。
高分子化合物であるP型半導体材料のポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に暗電流を低減する観点から、40000以上200000以下であることが好ましく、40000以上150000以下であることがより好ましく、特に溶媒に対する溶解性を向上させる観点から、さらに好ましくは45000以上150000以下である。
本実施形態のP型半導体材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を含むポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。
ESRスペクトル成分における線幅ΔHは、暗電流に寄与するラジカルの移動度を反映する。線幅ΔHを狭くするためには、半導体材料の電子供与性、電子受容性を高めることが重要であり、下記のP型半導体材料を用いることが好ましい。P型半導体材料は、下記式(I)で表される構成単位及び/又は下記式(II)で表される構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2020088170
式(I)中、Zは下記式(Z−1)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基を表す。Ar及びArは、同一であっても異なっていてもよい3価の芳香族複素環基を表す。
Figure 2020088170
式(II)中、Arは2価の芳香族複素環基を表す。
Figure 2020088170
式(Z−1)〜(Z−7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、又はニトロ基を表す。式(Z−1)〜式(Z−7)のそれぞれにおいて、Rが2個ある場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(I)で表される構成単位は、下記式(I−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2020088170
式(I−1)中、Zは前記と同様の意味を表す。
Zは、式(Z−4)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基であることが好ましい。
式(I−1)で表される構成単位の例としては、下記式(501)〜式(505)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020088170
前記式(501)〜式(505)中、Rは前記と同様の意味を表す。Rが2個ある場合、2個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記式(501)〜式(505)で表される構成単位のうち、下記式で表される構成単位が好ましい。
Figure 2020088170
式中、Rは、前記と同様の意味を表す。2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Arで表される2価の芳香族複素環基が有する炭素原子数は、通常2〜60であり、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜20である。Arで表される2価の芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。Arで表される2価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基の例としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、及びニトロ基が挙げられる。
Arで表される2価の芳香族複素環基の例としては、下記式(101)〜式(185)で表される基が挙げられる。
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
式(101)〜式(185)中、Rは前記と同じ意味を表す。Rが複数個存在する場合、複数個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記式(II)で表される構成単位としては、下記式(II−1)〜式(II−6)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2020088170
式(II−1)〜式(II−6)中、X及びXは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、Rは前記と同様の意味を表す。Rが複数個存在する場合、複数個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
原料化合物の入手性の観点から、式(II−1)〜式(II−6)中のX及びXは、いずれも硫黄原子であることが好ましい。
P型半導体材料は、チオフェン骨格を含む構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
P型半導体材料である高分子化合物は、2種以上の式(I)の構成単位を含んでいてもよく、2種以上の式(II)の構成単位を含んでいてもよい。
溶媒に対する溶解性を向上させるため、P型半導体材料である高分子化合物は、下記式(III)で表される構成単位を含んでいてもよい。
Figure 2020088170
式(III)中、Arはアリーレン基を表す。
Arで表されるアリーレン基とは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から、水素原子を2個除いた残りの原子団を意味する。芳香族炭化水素には、縮合環を有する化合物、独立したベンゼン環及び縮合環からなる群から選ばれる2個以上が、直接又はビニレン基等の2価の基を介して結合した化合物も含まれる。
芳香族炭化水素が有していてもよい置換基の例としては、複素環式化合物が有していてもよい置換基として例示された置換基と同様の置換基が挙げられる。
アリーレン基における、置換基を除いた部分の炭素原子数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。置換基を含めたアリーレン基の炭素原子数は、通常6〜100である。
アリーレン基の例としては、フェニレン基(例えば、下記式1〜式3)、ナフタレン−ジイル基(例えば、下記式4〜式13)、アントラセン−ジイル基(例えば、下記式14〜式19)、ビフェニル−ジイル基(例えば、下記式20〜式25)、ターフェニル−ジイル基(例えば、下記式26〜式28)、縮合環化合物基(例えば、下記式29〜式35)、フルオレン−ジイル基(例えば、下記式36〜式38)、及びベンゾフルオレン−ジイル基(例えば、下記式39〜式46)が挙げられる。
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
Figure 2020088170
式1〜46中、置換基であるRは、前記と同様の意味を表す。複数個存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
P型半導体材料である高分子化合物を構成する構成単位は、式(I)で表される構成単位、式(II)で表される構成単位及び式(III)で表される構成単位から選択される2種以上の構成単位が2個以上組み合わせされて連結された構成単位であってもよい。
P型半導体材料としての高分子化合物が、式(I)で表される構成単位及び/又は式(II)で表される構成単位を含む場合、式(I)で表される構成単位及び式(II)で表される構成単位の合計量は、高分子化合物が含むすべての構成単位(100モル%)のうち、通常20〜100モル%であり、P型半導体材料としての電荷輸送性を向上させることができるので、好ましくは40〜100モル%であり、より好ましくは50〜100モル%である。
P型半導体材料である高分子化合物の具体例としては、下記式P−1〜P−6で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2020088170
Figure 2020088170
本実施形態のインクは、P型半導体材料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の割合の組み合わせで含んでいてもよい。
(N型半導体材料)
N型半導体材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
低分子化合物であるN型半導体材料(電子受容性化合物)の例としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、C60フラーレン等のフラーレン類及びその誘導体、並びに、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体が挙げられる。
高分子化合物であるn型半導体材料(電子受容性化合物)の例としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、並びに、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。
N型半導体材料としては、フラーレン及びフラーレン誘導体から選ばれる1種以上が好ましく、フラーレン誘導体がより好ましい。
フラーレンの例としては、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、及びC84フラーレンが挙げられる。フラーレン誘導体の例としては、これらのフラーレンの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を意味する。
フラーレン誘導体の例としては、下記式(N−1)〜式(N−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020088170
式(N−1)〜式(N−4)中、Rは、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、又はエステル構造を有する基を表す。複数個あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
は、アルキル基、又はアリール基を表す。複数個あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
で表されるエステル構造を有する基の例としては、下記式(19)で表される基が挙げられる。
Figure 2020088170
式(19)中、u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。Rは、アルキル基、アリール基、又は1価の複素環基を表す。
60フラーレン誘導体の例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2020088170
C70フラーレン誘導体の例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2020088170
フラーレン誘導体の具体例としては、[6,6]−フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]−Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]−フェニル−C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]−Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6」−フェニル−C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]−Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、及び[6,6]−チエニル−C61酪酸メチルエステル([6,6]−Thienyl C61 butyric acid methyl ester)が挙げられる。
本実施形態のインクは、N型半導体材料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の割合の組み合わせとして含んでいてもよい。溶媒の種類やその組み合わせを下記のように選択することにより、バルクヘテロジャンクション構造を構成するP型半導体材料の相とN型半導体材料の相との連続性が高まる。連続性が高まるとラジカルの移動度が高まる為、ESRスペクトルにおける線幅が狭くなり、暗電流が低減される為、好ましい。
(第1溶媒)
溶媒は、選択されたP型半導体材料及びN型半導体材料に対する溶解性、活性層を形成する際の乾燥条件に対応するための特性(沸点など)を考慮して選択すればよい。
主溶媒である第1溶媒は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン原子)を有していてもよい芳香族炭化水素(以下、単に芳香族炭化水素という。)である。第1溶媒は、選択されたP型半導体材料及びN型半導体材料の溶解性を考慮して選択することが好ましい。
このような芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン(例、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、トリメチルベンゼン(例、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン(プソイドクメン))、ブチルベンゼン(例、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン)、メチルナフタレン(例、1−メチルナフタレン)、テトラリン、インダン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン(o−ジクロロベンゼン)が挙げられる。
第1溶媒は1種のみの芳香族炭化水素から構成されていても、2種以上の芳香族炭化水素から構成されていてもよい。第1溶媒は、1種のみの芳香族炭化水素から構成されることが好ましい。
第1溶媒は、好ましくは、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、プソイドクメン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、メチルナフタレン、テトラリン、インダン、クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼンからなる群から選択される1種以上を含み、より好ましくは、o−キシレン、プソイドクメン、テトラリン、クロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼンを含む。
(第2溶媒)
第2溶媒は、特にN型半導体材料の溶解性を高める観点から選択される溶媒であることが好ましい。第2溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル溶媒が挙げられる。
第2溶媒は、暗電流を低減する観点から、アセトフェノン、プロピオフェノン、又は安息香酸ベンジルが好ましい。
(第1溶媒及び第2溶媒の組み合わせ)
第1溶媒及び第2溶媒の組み合わせとしては、例えば、下記表1に示される組み合わせが挙げられる。
Figure 2020088170
(第1溶媒及び第2溶媒の重量比)
主溶媒である第1溶媒の添加溶媒である第2溶媒に対する重量比(第1溶媒/第2溶媒)は、P型半導体材料及びN型半導体材料の溶解性をより向上させる観点から、85/15〜99/1の範囲とすることが好ましい。
(インクにおける第1溶媒及び第2溶媒の合計の重量百分率)
本実施形態のインクに含まれる第1溶媒及び第2溶媒の総重量は、インクの全重量を100重量%としたときに、P型半導体材料及びN型半導体材料の溶解性をより向上させる観点から、好ましくは90重量%以上、より好ましくは92重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上であり、インク中のP型半導体材料及びN型半導体材料の濃度を高くして一定の厚さ以上の膜を形成し易くする観点から、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97.5重量%以下である。
(任意の溶媒)
本実施形態のインクは、第1溶媒及び第2溶媒以外の任意の溶媒を含んでいてもよい。インクに含まれる全溶媒の合計重量を100重量%としたときに、任意の溶媒の含有率は、好ましくは5重量%以下であり、より好ましくは3重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以下である。任意の溶媒としては、第2溶媒より沸点が高い溶媒が好ましい。
(任意の成分)
本実施形態のインクには、第1の溶媒、第2の溶媒、P型半導体材料、及びN型半導体材料の他に、本発明の目的及び効果を損なわない限度において、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増すための光安定剤といった任意の成分が含まれていてもよい。
(インクにおけるP型半導体材料及びN型半導体材料の濃度)
本実施形態のインクにおける、P型半導体材料及びN型半導体材料の合計の濃度は、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以上10重量%以下であることがより好ましく、0.01重量%以上5重量%以下であることがさらに好ましく、0.1重量%以上5重量%以下であることが特に好ましい。インク中、P型半導体材料及びN型半導体材料は溶解していても分散していてもよい。P型半導体材料及びN型半導体材料は、好ましくは少なくとも一部が溶解しており、より好ましくは全部が溶解している。
(インクの調製)
本実施形態のインクは、公知の方法により調製することができる。例えば、第1溶媒及び第2溶媒を混合して混合溶媒を調製し、得られた混合溶媒にP型半導体材料及びN型半導体材料を添加する方法、第1溶媒にP型半導体材料を添加し、第2溶媒にN型半導体材料を添加してから、各材料が添加された第1溶媒及び第2溶媒を混合する方法などにより、調製することができる。
第1溶媒及び第2溶媒とP型半導体材料及びN型半導体材料とを、溶媒の沸点以下の温度で加温して混合してもよい。
第1溶媒及び第2溶媒とP型半導体材料及びN型半導体材料とを混合した後、得られた混合物をフィルターを用いて濾過し、得られた濾液をインクとして用いてもよい。フィルターとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂で形成されたフィルターを用いることができる。
(有機光電変換素子の用途)
本実施形態の有機光電変換素子は、光が照射されることにより、電極間に光起電力を発生させることができ、太陽電池として動作させることができる。また太陽電池を複数集積することにより薄膜太陽電池モジュールとすることもできる。
また、本実施形態の有機光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極側から光を照射することにより、光電流を流すことができ、光検出素子(光センサー)として動作させることができる。また、光センサーを複数集積することによりイメージセンサーとして用いることもできる。
(有機光電変換素子の適用例)
既に説明した本発明の実施形態にかかる有機光電変換素子は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、入退室管理システム、デジタルカメラ、及び医療機器などの種々の電子装置が備える検出部に好適に適用することができる。
本発明の有機光電変換素子(光検出素子)は、上記例示の電子装置が備える、例えば、X線撮像装置及びCMOSイメージセンサーなどの固体撮像装置用のイメージ検出部(イメージセンサー)、指紋検出部、顔検出部、静脈検出部及び虹彩検出部などの生体の一部分の所定の特徴を検出する検出部、パルスオキシメーターなどの光学バイオセンサーの検出部などに好適に適用することができる。
以下、本発明の実施形態にかかる有機光電変換素子が好適に適用され得る検出部のうち、固体撮像装置用のイメージ検出部、生体情報認証装置(指紋認証装置)のための指紋検出部の構成例について、図面を参照して説明する。
(イメージ検出部)
図4は、固体撮像装置用のイメージ検出部の構成例を模式的に示す図である。
イメージ検出部1は、CMOSトランジスタ基板20と、CMOSトランジスタ基板20を覆うように設けられている層間絶縁膜30と、層間絶縁膜30上に設けられている、本発明の実施形態にかかる有機光電変換素子10と、層間絶縁膜30を貫通するように設けられており、CMOSトランジスタ基板20と有機光電変換素子10とを電気的に接続する層間配線部32と、有機光電変換素子10を覆うように設けられている封止層40と、封止層40上に設けられているカラーフィルター50とを備えている。
CMOSトランジスタ基板20は、従来公知の任意好適な構成を設計に応じた態様で備えている。
CMOSトランジスタ基板20は、基板の厚さ内に形成されたトランジスタ、コンデンサなどを含み、種々の機能を実現するためのCMOSトランジスタ回路(MOSトランジスタ回路)などの機能素子を備えている。
機能素子としては、例えば、フローティングディフュージョン、リセットトランジスタ、出力トランジスタ、選択トランジスタが挙げられる。
このような機能素子、配線などにより、CMOSトランジスタ基板20には、信号読み出し回路などが作り込まれている。
層間絶縁膜30は、例えば酸化シリコン、絶縁性樹脂などの従来公知の任意好適な絶縁性材料により構成することができる。層間配線部32は、例えば、銅、タングステンなどの従来公知の任意好適な導電性材料(配線材料)により構成することができる。層間配線部32は、例えば、配線層の形成と同時に形成されるホール内配線であっても、配線層とは別途形成される埋込みプラグであってもよい。
封止層40は、有機光電変換素子10を機能的に劣化させてしまうおそれのある酸素、水などの有害物質の浸透を防止又は抑制できることを条件として、従来公知の任意好適な材料により構成することができる。封止層40は、既に説明した封止基板17により構成してもよい。
カラーフィルター50としては、従来公知の任意好適な材料により構成され、かつイメージ検出部1の設計に対応した例えば原色カラーフィルターを用いることができる。また、カラーフィルター50としては、原色カラーフィルターと比較して、厚さを薄くすることができる補色カラーフィルターを用いることもできる。補色カラーフィルターとしては、例えば(イエロー、シアン、マゼンタ)の3種類、(イエロー、シアン、透明)の3種類、(イエロー、透明、マゼンタ)の3種類、及び(透明、シアン、マゼンタ)の3種類が組み合わされたカラーフィルターを用いることができる。これらは、カラー画像データを生成できることを条件として、有機光電変換素子10及びCMOSトランジスタ基板20の設計に対応した任意好適な配置とすることができる。
カラーフィルター50を介して有機光電変換素子10が受光した光は、有機光電変換素子10によって、受光量に応じた電気信号に変換され、電極を介して、有機光電変換素子10外に受光信号、すなわち撮像対象に対応する電気信号として出力される。
次いで、有機光電変換素子10から出力された受光信号は、層間配線部32を介して、CMOSトランジスタ基板20に入力され、CMOSトランジスタ基板20に作り込まれた信号読み出し回路により読み出され、図示しないさらなる任意好適な従来公知の機能部によって信号処理されることにより、撮像対象に基づく画像情報が生成される。
(指紋検出部)
図5は、表示装置に一体的に構成される指紋検出部の構成例を模式的に示す図である。
携帯情報端末の表示装置2は、本発明の実施形態にかかる有機光電変換素子10を主たる構成要素として含む指紋検出部100と、当該指紋検出部100上に設けられ、所定の画像を表示する表示パネル部200とを備えている。
この構成例では、表示パネル部200の表示領域200aと略一致する領域に指紋検出部100が設けられている。換言すると、指紋検出部100の上方に、表示パネル部200が一体的に積層されている。
表示領域200aのうちの一部の領域においてのみ指紋検出を行う場合には、当該一部の領域のみに対応させて指紋検出部100を設ければよい。
指紋検出部100は、本発明の実施形態にかかる有機光電変換素子10を本質的な機能を奏する機能部として含む。指紋検出部100は、図示されていない保護フィルム(protection film)、支持基板、封止基板、封止部材、バリアフィルム、バンドパスフィルター、赤外線カットフィルムなどの任意好適な従来公知の部材を所望の特性が得られるような設計に対応した態様で備え得る。指紋検出部100には、既に説明したイメージ検出部の構成を採用することもできる。
有機光電変換素子10は、表示領域200a内において、任意の態様で含まれ得る。例えば、複数の有機光電変換素子10が、マトリクス状に配置されていてもよい。
有機光電変換素子10は、既に説明したとおり、支持基板11又は封止基板に設けられており、支持基板11には、例えばマトリクス状に電極(陽極又は陰極)が設けられている。
有機光電変換素子10が受光した光は、有機光電変換素子10によって、受光量に応じた電気信号に変換され、電極を介して、有機光電変換素子10外に受光信号、すなわち撮像された指紋に対応する電気信号として出力される。
表示パネル部200は、この構成例では、タッチセンサーパネルを含む有機エレクトロルミネッセンス表示パネル(有機EL表示パネル)として構成されている。表示パネル部200は、例えば有機EL表示パネルの代わりに、バックライトなどの光源を含む液晶表示パネルなどの任意好適な従来公知の構成を有する表示パネルにより構成されていてもよい。
表示パネル部200は、既に説明した指紋検出部100上に設けられている。表示パネル部200は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)220を本質的な機能を奏する機能部として含む。表示パネル部200は、さらに任意好適な従来公知のガラス基板といった基板(支持基板210又は封止基板240)、封止部材、バリアフィルム、円偏光板などの偏光板、タッチセンサーパネル230などの任意好適な従来公知の部材を所望の特性に対応した態様で備え得る。
以上説明した構成例において、有機EL素子220は、表示領域200aにおける画素の光源として用いられるとともに、指紋検出部100における指紋の撮像のための光源としても用いられる。
ここで、指紋検出部100の動作について簡単に説明する。
指紋認証の実行時には、表示パネル部200の有機EL素子220から放射される光を用いて指紋検出部100が指紋を検出する。具体的には、有機EL素子220から放射された光は、有機EL素子220と指紋検出部100の有機光電変換素子10との間に存在する構成要素を透過して、表示領域200a内である表示パネル部200の表面に接するように載置された手指の指先の皮膚(指表面)によって反射される。指表面によって反射された光のうちの少なくとも一部は、間に存在する構成要素を透過して有機光電変換素子10によって受光され、有機光電変換素子10の受光量に応じた電気信号に変換される。そして、変換された電気信号から、指表面の指紋についての画像情報が構成される。
表示装置2を備える携帯情報端末は、従来公知の任意好適なステップにより、得られた画像情報と、予め記録されていた指紋認証用の指紋データとを比較して、指紋認証を行う。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示す。本発明は下記の実施例に限定されない。
(ESRスペクトルの測定)
ESR法によるESRスペクトルの測定は、X−band ESR測定装置(Bruker社製、EMXplus(登録商標))を用いて下記の条件で行った。
マイクロ波パワー:1mW
時定数:163ms
掃引時間:180s
掃引範囲:120G
モジュレーション幅:0.5G
なお、ESRスペクトルの測定は、常温(25℃)で行った。
(ESRスペクトル成分の取得)
得られたESRスペクトルについてJ. A. Weil, J. R. Bolton, J. E. Wertz, Electron Paramagnetic Resonance Elementary Theory and Practical Applications, WILEY−INTERSCIENCE.の知見を参考にして検討した結果、得られたESRスペクトルは2以上のスペクトル成分を含むと判断できたため、ESRスペクトル成分の取得を行った。
ESRスペクトル成分の信号強度が0であり、かつ、ESRスペクトル成分を積分したときに極大を示す点における共鳴磁場をHとし、下記式Aに基づいてg値を求めた。ESRスペクトルからg値に対応するピークを含むように分離されたESRスペクトル成分の取得にはベースライン法を用いた。
式A:hν=gβH
式中、hはプランク定数を表し、νは共鳴周波数を表し、βはボーア磁子を表し、Hは共鳴磁場を表す。
(ESRスペクトル成分の信号成分、g値及び線幅ΔHの特定)
得られたESRスペクトル成分におけるg値のgx、gy及びgzをフィッティング法を用いて求めた。フィッテイング法は、シミュレーションソフトウェア(Bruker社製、Simfonia)を用いて実施した。次いで、g値に対応するピークの線幅ΔHを求めた。
(電子スピン数の同定)
ESRスペクトル成分における線幅ΔHと、ESRスペクトル成分のg値を中心として線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(ER)の面積について、解析ソフトウェア(Bruker社製、Xenon)を用いて積分することにより計算して、サンプル(活性層)の電子スピン数を同定した。
<実施例1>有機光電変換素子の製造及び評価
(有機光電変換素子の製造)
スパッタ法により150nmの厚さでITO薄膜(陰極)が形成されたガラス基板を用意し、このガラス基板の表面に対し、オゾンUV処理を行った。
次に、ポリエチレンイミンエトキシレート(PEIE)(アルドリッチ社製、商品名ポリエチレンイミン、80%エトキシ化溶液、重量平均分子量110000)を水で500倍に希釈した溶液を、スピンコート法により、オゾンUV処理を行ったガラス基板のITO薄膜上に塗布した。
次いで、塗布液が塗布されたガラス基板を、ホットプレートを用いて、100℃で10分間加熱して、塗布膜を乾燥させる乾燥処理を行うことにより、陰極上に電子輸送層を形成した。
次に、P型半導体材料である高分子化合物P−1と、N型半導体材料であるC60PCBM(フロンティアカーボン社製、商品名:E100)とを重量比1:2で混合して、第1溶媒であるo−キシレンと第2溶媒であるアセトフェノンとの混合溶媒(o−キシレン:アセトフェノン=97:3(重量比))に加え、60℃で8時間撹拌することにより、活性層形成用の塗布液を調製した。
調製した塗布液を、ガラス基板の電子輸送層上にバーコート法により塗布し、得られた塗布膜を常温で減圧乾燥した。
次いで、ケミカルフィルター(ニチアス社製、商品名:ケミカルガード TOMBO No.8803−HA)を用いて雰囲気を制御した環境下(オゾン(O)濃度:0.001ppm以下)で、ホットプレートを用いて、85℃で15分間加熱処理を行い溶媒を除去し、活性層を形成した。得られた活性層を、さらに、メカニカル法によりパターニングした。形成された活性層の厚さは500nmであった。
次に、PEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiophene、Heraeus社製、商品名:FHC Solar)をスピンコート法により、形成された活性層上に塗布した。得られた塗布膜を、ケミカルフィルター(ニチアス社製、商品名:ケミカルガード TOMBO No.8803−HA)を用いて雰囲気を制御した環境下(オゾン濃度:0.001ppm以下)で、オーブンを用いて、85℃で30分間乾燥させることにより陽極を形成した。形成された陽極の厚さは100nmであった。
以上の工程により、有機光電変換素子を得た。
次に、UV硬化性封止剤を、得られた有機光電変換素子の周辺であるガラス基板上に塗布し、封止基板であるガラス基板を貼り合わせた後、UV光を照射することでUV硬化性封止剤を硬化させることにより、有機光電変換素子を封止した。
(有機光電変換素子の評価)
製造された有機光電変換素子に−10Vの電圧を印加した状態で、暗電流(Jd)を半導体パラメーターアナライザー(アジレントテクノロジー社製、Agilent Technology B1500A)を用いて測定した。測定結果(相対値)を表1に示す。
(ESRスペクトル測定用サンプルの製造)
ESRスペクトル測定用サンプル(以下、単にサンプルともいう。)を下記のとおり製造した。
有機光電変換素子の製造に用いた上記の活性層形成用の塗布液を、ガラス基板上にバーコート法により塗布し、得られた塗布膜を、常温で減圧乾燥した。次いで、ケミカルフィルター(ニチアス社製、商品名:ケミカルガード TOMBO No.8803−HA)によって雰囲気を制御した環境下(オゾン濃度:0.001ppm以下)で、ホットプレートを用いて、85℃で15分間加熱処理を行い溶媒を除去し、活性層を形成した。その後、活性層が形成されたガラス基板を3mm×3cm角の板状体になるようにガラススクライバーを用いて裁断することによりサンプルとした。
(ESRスペクトル測定用サンプルの評価)
得られたサンプルを、サンプル管に封入し、X−band ESR測定装置(Bruker社製、EMXplus(登録商標))を用いて上記の条件で測定を行った。得られたESRスペクトルでは、3365G近傍に極大値及び極小値をそれぞれ有する2つのピークが観測された。得られたESRスペクトルから活性層の全電子スピン数を算出した。
得られたESRスペクトルに対し、ベースライン法を適用してスペクトル分離を行うことによりESRスペクトル成分を得た。
得られたESRスペクトル成分の線幅ΔHは、0.5mT以下であった。次いで、ERの電子スピン数を算出した。得られた全電子スピン数、ESRスペクトル成分の線幅ΔH、及びERの電子スピン数を表2に示す。
ESRスペクトル成分のERにおけるg値は、gx=2.0024、gy=2.0024、及びgz=2.00329であった。結果として、実施例1のESRスペクトル成分のg値は、異方性信号成分にかかるg値であることがわかった。
<実施例2>
活性層の形成後、メカニカル法により活性層をパターニングする代わりに、テトラヒドロフラン(THF)を用いて活性層のうちの不要な部分を剥ぎ取ってパターニングする剥ぎ取り法によりパターニングした以外は、実施例1と同様にして、有機光電変換素子、及びESRスペクトル測定用サンプルを製造し、評価した。得られた有機光電変換素子の暗電流の測定結果(実施例1の測定結果を基準とした相対値)、ESRスペクトル測定用サンプルの測定結果から算出した全電子スピン数、ERの電子スピン数及び線幅ΔH、並びにERを除いた範囲の線幅ΔHを表2に示す。
ERにおけるg値は、gx=2.0024、gy=2.0024、及びgz=2.00329であった。結果として、実施例2のESRスペクトル成分のg値は、異方性信号成分のg値であることがわかった。
<実施例3>
活性層形成用の塗布液の塗布後の乾燥処理を、130℃での加熱処理とした以外は、実施例1と同様にして、有機光電変換素子とESRスペクトル測定用サンプルを製造し、評価した。得られた有機光電変換素子の暗電流の測定結果(実施例1の測定結果を基準とした相対値)、ESRスペクトル測定用サンプルの測定結果から算出した全電子スピン数、ERの電子スピン数及び線幅ΔHを表2に示す。
ESRスペクトル成分のg値は、gx=2.0024、gy=2.0024、及びgz=2.00329であった。結果として、実施例3のESRスペクトル成分のg値は、異方性信号成分のg値であることがわかった。
<比較例1>
活性層形成用の塗布液の塗布後、実施例1において説明したケミカルフィルターを用いた雰囲気の制御を行わない環境(大気雰囲気)下(オゾン濃度:0.030ppm)で乾燥処理を行った以外は、実施例3と同様にして、有機光電変換素子及びESRスペクトル測定用サンプルを製造し、評価した。得られた有機光電交換素子の暗電流の測定結果(実施例1の測定結果を基準とした相対値)、ESRスペクトル測定用サンプルの測定結果から算出した全電子スピン数、ERの電子スピン数及び線幅ΔHを表2に示す。
Figure 2020088170
<実施例4>
活性層形成用の塗布液の材料として、P型半導体材料である高分子化合物P−1の代わりに、高分子化合物P−2を用いた以外は、実施例3と同様にして、有機光電変換素子及びESRスペクトル測定用サンプルを製造し、評価した。得られた有機光電交換素子の暗電流の測定結果(実施例1の測定結果を基準とした相対値)、ESRスペクトル測定用サンプルの測定結果から算出した全電子スピン数、ERの電子スピン数及び線幅ΔHを表3に示す。
ESRスペクトル成分のg値は、gx=2.0024、gy=2.0024、及びgz=2.00329であった。結果として、実施例4のESRスペクトル成分のg値は、異方性信号成分のg値であることがわかった。
<比較例2>
活性層形成用の塗布液の材料として、P型半導体材料である高分子化合物P−1の代わりに、高分子化合物P−2を用いた以外は、比較例1と同様にして、有機光電変換素子及びESRスペクトル測定用サンプルを製造した。得られた有機光電変換素子の暗電流の測定結果(実施例1の測定結果を基準とした相対値)、ESRスペクトル測定用サンプルの測定結果から算出した全電子スピン数、ERの電子スピン数及び線幅ΔHを表3に示す。
Figure 2020088170
実施例1〜4の結果から明らかなとおり、活性層の形成工程の乾燥処理における雰囲気のオゾン濃度を0.010ppm以下(0.001ppm以下)とすることにより、活性層についてのESRスペクトルに基づいて求められる異方性信号成分にかかる電子スピン数を5.0×1016未満とすることができた。すなわち、オゾン濃度を低減させた雰囲気下で活性層を形成することにより特に移動度の大きな暗電流の発生に寄与する電荷の発生を抑制することができ、結果として、有機光電変換素子の暗電流を効果的に低減することができていた。
また、上記作用効果は、乾燥処理の温度が130℃程度とより高温であっても得ることができる。すなわち、比較例1と実施例1との対比からも明らかなとおり、より効率的な有機光電変換素子の製造が可能である130℃程度での乾燥処理を行ったとしても雰囲気のオゾン濃度を調整すれば、電子スピン数及び暗電流を低減することができることがわかった。
また、実施例1、2及び比較例1から明らかなとおり、ERにおける電子スピン数を低減させることにより、電子スピン数及び暗電流を低減することができることがわかった。
さらに、乾燥処理の温度を85℃程度とより低温とすれば、より効果的に電子スピン数及び暗電流を低減することができることがわかった。
加えて、上記作用効果は、活性層の材料として用いられるP型半導体材料(高分子化合物)の種類に依存しないことが明らかとなった。
本発明の有機光電変換素子は、暗電流をより低減することができるので、光検出素子として好適に用いることができる。
1 イメージ検出部
2 表示装置
10 有機光電変換素子
11、210 支持基板
12 陰極
13 電子輸送層
14 活性層
15 正孔輸送層
16 陽極
17、240 封止基板
20 CMOSトランジスタ基板
30 層間絶縁膜
32 層間配線部
40 封止層
50 カラーフィルター
100 指紋検出部
200 表示パネル部
200a 表示領域
220 有機EL素子
230 タッチセンサーパネル

Claims (21)

  1. 陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられており、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する有機光電変換素子において、
    前記活性層をESR法で測定することにより得られるESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ESRスペクトル成分のg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(ER)の電子スピン数が5.0×1016/cm未満である、有機光電変換素子。
  2. 前記ESRスペクトル成分が異方性信号成分である、請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 前記活性層は、オゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理した活性層である、請求項1又は2に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記活性層は、130℃以下で乾燥処理した活性層である、請求項3に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記活性層は、前記有機材料としてP型半導体材料とN型半導体材料とを含むバルクヘテロジャンクション構造を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  6. 前記P型半導体材料は、下記式(I)で表される構成単位を有する高分子化合物である、請求項5に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2020088170
    〔式(I)中、Zは下記式(Z−1)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基を表す。Ar及びArは、同一であっても異なっていてもよい3価の芳香族複素環基を表す。〕
    Figure 2020088170
    〔式(Z−1)〜式(Z−7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、又はニトロ基を表す。Rが2個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。〕
  7. 前記式(I)で表される構成単位が、下記式(I−1)で表される構成単位である、請求項6に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2020088170
    〔式(I−1)中、Zは前記と同様の意味を表す。〕
  8. 前記Zが、前記式(Z−4)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基である、請求項6又は7に記載の有機光電変換素子。
  9. 前記式(I−1)で表される構成単位が、下記式で表される構成単位である、請求項7に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2020088170
    〔式中、Rは、前記と同様の意味を表す。2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。〕
  10. 光検出素子である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  11. 請求項10に記載の光電変換素子を含む、イメージセンサー。
  12. 請求項10に記載の光電変換素子を含む、指紋認証装置。
  13. 請求項1に記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    有機材料を含む塗布液を塗布法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜をオゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理することにより活性層を形成する工程を含む、有機光電変換素子の製造方法。
  14. 前記有機材料は高分子化合物を含み、前記ESRスペクトル成分が異方性信号成分である、請求項13に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  15. 前記乾燥処理が130℃以下で行われる、請求項13又は14に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  16. 前記有機材料としてP型半導体材料とN型半導体材料とを用いて、バルクヘテロジャンクション構造を有する前記活性層を形成する、請求項13〜15のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  17. 前記P型半導体材料は、下記式(I)で表される構成単位を有する高分子化合物である、請求項16に記載の有機光電変換素子の製造方法。
    Figure 2020088170
    〔式(I)中、Zは下記式(Z−1)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基を表す。Ar及びArは、同一であっても異なっていてもよい3価の芳香族複素環基を表す。〕
    Figure 2020088170
    〔式(Z−1)〜式(Z−7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、1価の複素環基、置換アミノ基、アシル基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、置換オキシカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、又はニトロ基を表す。Rが2個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。〕
  18. 前記式(I)で表される構成単位が、下記式(I−1)で表される構成単位である、請求項17に記載の有機光電変換素子の製造方法。
    Figure 2020088170
    〔式(I−1)中、Zは前記と同様の意味を表す。〕
  19. 前記Zが、前記式(Z−4)〜式(Z−7)のうちのいずれかで表される基である、請求項17又は18に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  20. 前記式(I−1)で表される構成単位が、下記式で表される構成単位である、請求項18又は19に記載の有機光電変換素子の製造方法。
    Figure 2020088170
    〔式中、Rは、前記と同様の意味を表す。2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。〕
  21. 陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に設けられており、有機材料を含む少なくとも1層の活性層を有する有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記有機材料を含む塗布液を塗布法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜とオゾン濃度が0.010ppm以下である雰囲気下で乾燥処理する条件で活性層を形成する工程を含み、
    ガラス基板上に前記条件で形成された参照用の活性層をESR法で測定することにより得られるESRスペクトル成分のg値に対応するピークの線幅ΔHが0.5mT以下であり、ESRスペクトル成分のg値を中心とした線幅ΔHの3倍の磁場強度の範囲(ER)の電子スピン数が5.0×1016/cm未満である、有機光電変換素子の製造方法。
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