JP2020090544A - 化粧料および飲食品組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然物に由来し、優れた抗炎症作用、抗老化作用、美白作用または育毛作用を有する新規組成物、かかる新規組成物を有効成分とする抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤、ならびに新規組成物を配合した化粧料および飲食品組成物を提供する。【解決手段】本発明により、シロキクラゲ抽出発酵物、シロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とする抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤、ならびにシロキクラゲ抽出発酵物を配合した化粧料および飲食品組成物が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、発酵により得られる新規組成物、これを用いた抗炎症剤、抗老化剤、美白剤、育毛剤、化粧料および飲食品組成物に関するものである。
炎症性疾患、例えば、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、アトピー性皮膚炎、その他肌荒れを伴う各種皮膚炎症性疾患、関節リウマチ、変形性関節症、喘息等の原因及び発症機構は、多種多様である。その原因として、主にヒアルロニダーゼの活性の亢進によるもの、マクロファージから産生される腫瘍壊死因子(TNF−α)によるものなどが知られている。
ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸の加水分解酵素である。体組織への親和性を保つヒアルロン酸塩は、含水系の中では紫外線、酸素等によって分解され、分子量の低下に伴って保水効果も減少する。また、ヒアルロン酸は、生体内において細胞間組織として存在し、血管透過性にも関与している。さらに、ヒアルロニダーゼは、肥満細胞中に存在するが、その活性化により起こる脱顆粒により遊離され、炎症系ケミカルメディエーターとして作用する。したがって、ヒアルロニダーゼの活性を阻害することで、保湿の強化及び炎症の予防・軽減が期待される。ヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有するものとして、例えば、オスベッキア属植物からの抽出物(特許文献1参照)等が知られている。
TNF−αは、腫瘍を壊死させる因子として見出されたが、最近では腫瘍に対してだけでなく、正常細胞の機能を調節するメディエーター的な役割を担うサイトカインであると考えられている。TNF−αは、炎症の初発から終息までの過程において重要な役割を担っているが、その持続的かつ過剰な産生は、皮膚を含む組織の障害を引き起こし、全身的には発熱やカケクシアの原因となり、炎症の悪化を引き起こす。したがって、病的な炎症においては、TNF−αの過剰な産生を抑制することが重要となる。TNF−α産生抑制作用を有するものとして、例えば、土貝母からの抽出物(特許文献2参照)等が知られている。
皮膚の表皮および真皮は、表皮細胞、線維芽細胞ならびにこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等の細胞外マトリックスにより構成されている。若い皮膚においては線維芽細胞の増殖は活発であり、線維芽細胞、細胞外マトリックス成分等の皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があってみずみずしい状態に維持される。
ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり、加齢が進んだりすると、細胞外マトリックスの主要構成成分であるコラーゲン、エラスチンおよびヒアルロン酸の産生量が減少するとともに、分解や変質を引き起こす。その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が生じるため、肌は張りや艶を失い、肌荒れ、シワ等の老化症状を呈するようになる。このように、皮膚の老化に伴う変化、すなわち、シワ、くすみ、きめの変化、弾力性の低下等には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等のマトリックス成分の減少・変性等が関与している。したがって、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸の産生を促進することは、皮膚の老化を予防、治療または改善する上で重要である。
ここで、これらの細胞外マトリックス成分のうち、エラスチンは、皮膚組織に弾力性を与える線維である。エラスチンの産生を促進することができれば、しわ、たるみが起こりにくくなり、張りの消失、弾力性の低下等の皮膚の老化症状を予防、治療または改善できると考えられる。
また、エラスチンは皮膚組織の他に、肺や血管等、身体において弾力性を要する組織に広く発現している。加齢に伴ってこれらの組織から正常なエラスチンが減少すると、肺や血管等において弾力性が低下し、肺気腫等の肺疾患や高血圧、動脈瘤等の血管性疾患の原因となることが知られている。そのため、エラスチンの産生を促進することができれば、肺や血管等における弾力性の低下が起こりにくくなり、肺気腫等の肺疾患や高血圧、動脈瘤等の血管性疾患等を予防・治療できると考えられる。エラスチン産生促進作用を有するものとして、例えば、グミ科ヒッポファエ属に属する植物からの抽出物が知られている(特許文献3参照)。
一方、前述した細胞外マトリックス成分のうち、ヒアルロン酸は、ムコ多糖の一種であり、細胞間の間隙に充填されることにより細胞を保持する機能を有し、さらに細胞間隙への水分の保持、組織への潤滑性や柔軟性の付与、機械的障害等の外力に対する抵抗等、数多くの機能を有している。ヒアルロン酸の産生を促進することができれば、皮膚の荒れ、しわ、くすみ、きめの変化、弾力性の低下及び保湿機能の低下等といった皮膚の老化症状を予防、治療または改善できると考えられる。また、表皮ヒアルロン酸の合成促進に関与するヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)の発現を促進することで、皮膚の老化を予防、治療または改善することができるものと考えられる。
さらに、ヒアルロン酸は、皮膚組織の他にも、軟骨、関節液、臍帯、眼硝子体、その他の結合組織に存在する。このうち、関節液に含まれるヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、ヒアルロン酸が有する潤滑機能、軟骨に対する被覆・保護機能等により、関節の円滑な作動に役立っている。一方、慢性関節リウマチ等の関節炎において、関節液におけるヒアルロン酸の濃度が低下していることが知られている。したがって、ヒアルロン酸の産生を促進することで、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、または骨関節炎等の関節炎を予防または治療することができると考えられる。さらに、創傷または熱傷の治癒過程において、肉芽(組織)が形成するが、肉芽中にヒアルロン酸が著しく増加することが知られている。そのため、ヒアルロン酸の産生を促進することで、創傷または熱傷の治癒を促進することができると考えられる。ヒアルロン酸産生促進作用を有するものとしては、クスノハガシワからの抽出物(特許文献4参照)等が知られている。また、ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進作用を有するものとして、甘草葉部抽出物(特許文献5参照)等が知られている。
他方、前述の細胞外マトリックス成分のうち、コラーゲンは、皮膚組織の構造および機械的強度の維持に寄与する繊維状タンパク質である。コラーゲンの産生を促進することができれば、しわ、たるみが起こりにくくなり、きめが粗くなり、張りが消失し、弾力性が低下する等といった皮膚の老化症状を予防、治療または改善することができると考えられる。
また、コラーゲンは、骨、腱、靱帯、角膜、血管等にも多く存在し、加齢等によるコラーゲン産生の低下が、骨粗鬆症等の原因になることが知られている。さらに、創傷の治癒過程において、コラーゲンの産生量が亢進し、線維芽細胞等の足場となることで、創傷の治癒を促進することが知られている。そのため、コラーゲンの産生を促進することは、骨粗鬆症等の予防または治療、創傷治癒の促進といった観点からも重要である。コラーゲン産生促進作用を有するものとしては、例えば、クスノハガシワからの抽出物(前述した特許文献4)等が知られている。
表皮は、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きをしており、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角質層へと連なる4層構造から構成されている。各層に存在する大部分の細胞は、基底層から分化した角化細胞である。基底層で分裂、増殖した角化細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し角質細胞となって、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角質層を構成し、最終的には垢として角質層から脱落する。
角質層は皮膚の最外殻に存在しており、外界からの刺激に対する物理的なバリアとしての役割を果たしている。皮膚ではこのバリア機能を持たせるため、角化細胞が基底層で産生されてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。しかしながら、この角質層も加齢によって新陳代謝機能が衰え、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚トラブルを発生することになる。そのため、角化細胞の増殖を促進し、肌の新陳代謝機能を回復させることにより、こじわ、くすみ、色素沈着等の皮膚の老化を改善できるものと考えられる。従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、土貝母抽出物(前述した特許文献2参照)等が知られている。
また、表皮を構成する基底層、有棘層、顆粒層、および角質層のうち、特に、顆粒層においては、細胞膜が肥厚して肥厚細胞膜を形成するとともに、トランスグルタミナーゼ−1の作用により、蛋白分子間がグルタミル−リジン架橋され、強靭なケラチン蛋白線維が形成される。さらに、その一部にセラミド等が共有結合し、疎水的な構造をとることで、細胞間脂質のラメラ構造の土台を供給し、角質バリア機能の基礎が形成される。
しかし、加齢とともに表皮におけるトランスグルタミナーゼ−1の産生量が減少すると、角質バリア機能及び皮膚の保湿機能が低下するため、肌荒れ、乾燥肌等の皮膚の老化症状を呈したり、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)を発症したりするようになる。そのため、表皮におけるトランスグルタミナーゼ−1の産生を促進することにより、皮膚の老化症状や乾燥性皮膚疾患等を予防、治療または改善することができると考えられる。トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用を有するものとして、湖南甜茶からの抽出物(特許文献6参照)等が知られている。
セラミドは、表皮細胞の角化の過程においてセリンとパルミトイル−CoAとを基に、セラミド合成の律速酵素として知られるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)をはじめとする酵素の働きにより生成される。セラミドは、皮膚最外層を覆う角質細胞間脂質の主成分として特異的に存在し、皮膚本来が持つ生体と外界とのバリア膜としての機能維持に重要な役割を果たしている。
角質層の構造は、レンガとモルタルとに例えられ、15層ほどに積み重なった角質細胞を細胞間脂質が繋ぎ止める形で強固なバリア膜を形成している。角質細胞は、アミノ酸を主成分とする天然保湿因子を細胞内に含有することによって水分を保持し、一方、角質細胞間脂質は、約50%のセラミドを主成分とし、コレステロール、脂肪酸等の両親媒性脂質から構成されており、疎水性部分と親水性部分とが交互に繰り返される層板構造、いわゆるラメラ構造を特徴としている。
様々な内的・外的要因による皮膚のバリア機能の低下は、経表皮水分蒸散量を増加させ、皮膚のかさつき、落屑、掻痒感等を惹き起こし、いわゆる乾燥肌に陥る。また、皮膚のバリア機能の低下は、皮膚の炎症を増大させ、外界からの様々な刺激に対する防御機能が低下するという悪循環に陥る。最近の研究において、加齢により、またはバリア障害として知られるアトピー性皮膚炎患者において、角質セラミド成分(いわゆる細胞間脂質)の減少や組成変化が報告されており(非特許文献1参照)、皮膚のバリア機能の維持、改善にセラミドが重要であることが広く知られるようになっている。皮膚のバリア機能を改善する方法として、セラミドを外部から補う方法(非特許文献2参照)や皮膚内部においてセラミド産生能を高める方法(非特許文献3参照)等が知られている。
皮膚細胞では、水チャンネルとして知られるアクアポリンが、細胞膜上に発現して、細胞間隙の水をはじめとする低分子物質を細胞内へ取り込む役割を担っていることが知られている。ヒトでは、13種類のアクアポリン(AQP0〜AQP12)の存在が知られている。表皮細胞においては、主としてAQP3が存在しており、水に加えて、水分保持作用に関与するグリセロールや尿素等の低分子化合物をも取り込む役割を担っていると考えられている。
しかしながら、AQP3は加齢とともに減少し、このことが水分保持機能の低下の一因であることが示唆されているため、AQP3の発現を促進することにより、加齢による水分保持能やバリア機能等を制御することが可能であると考えられる(非特許文献4参照)。AQP3発現促進作用を有するものとして、例えば、スターフルーツの葉部からの抽出物(特許文献7参照)等が知られている。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン及びグリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、細胞内の主要なシステイン残基を有する化合物である。細胞内におけるグルタチオンは、ラジカルの捕捉、酸化還元による細胞機能の調節、異物代謝、各種酵素のSH供与体としての機能を果たすものであり、活性酸素等に対する抗酸化成分としても知られている。その作用発現は、システイン残基に由来すると考えられている。しかしながら、過剰な酸化ストレスや異物の付加、加齢などにより、細胞内のグルタチオン量が欠乏または低下することが報告されており、このことが細胞の酸化ストレスに対する防御能を低下させ、細胞のDNA及びタンパク質等の構成成分にダメージを与える一因であると考えられている。
このような、細胞内のグルタチオン量の低下または欠乏が病態と関連することが知られている疾患として、皮膚のシミ等の色素沈着、皮膚の老化、酸化ストレスが原因となって誘発される前述した疾患群のほか、肝障害(アルコールの多飲、または重金属や化学物質等の異物の摂取が原因となる)等が知られている。すなわち、グルタチオンの産生を促進することは、細胞の酸化ストレスに対する防御能を高め、細胞内のグルタチオン量が低下または欠乏することに起因する上記の疾患群を予防・治療することができると考えられる。グルタチオン産生促進作用を有するものとして、琥珀熱水抽出物(特許文献8参照)等が知られている。
毛髪は、成長期、退行期及び休止期からなる周期的なヘアサイクル(毛周期)に従って成長及び脱落を繰り返している。このヘアサイクルのうち、休止期から成長期にかけての新たな毛包が形成されるステージが、発毛に最も重要であると考えられており、このステージにおける毛包上皮系細胞の増殖・分化に重要な役割を果たしているのが、毛乳頭細胞であると考えられている。毛乳頭細胞は、毛根近傍にある外毛根鞘細胞とマトリックス細胞とからなる毛包上皮系細胞の内側にあって、基底膜に包まれている毛根の根幹部分に位置する細胞であり、毛包上皮系細胞に働きかけてその増殖を促進する等、毛包上皮系細胞の増殖・分化及び毛髪の形成において重要な役割を担っている(非特許文献5参照)。
このように、毛乳頭細胞は、毛包上皮系細胞の増殖・分化及び毛髪の形成において重要な役割を果たしており、毛乳頭細胞の増殖を促進することで、脱毛症を予防・改善することができると考えられる。これまでに、毛乳頭細胞増殖促進作用を有するものとしては、例えば、ワイルドタイム抽出物(特許文献9参照)等が知られている。
毛髪に関する問題としては、抜け毛、薄毛等といった毛根・毛包の状態に関するもののほかに、毛髪が硬い、柔らかい、細い、はり・こしがない、枝毛、くせ毛等といった毛髪の髪質に関するもの等がある。さらに、毛髪の髪質に関する問題としても、日常のヘアケア、ヘアメイク、紫外線暴露等による毛髪の損傷に起因するものや、毛幹形成における問題に起因するものなどがあり、極めて多様な要因が関与している。
毛髪は、その表面を覆うキューティクル(毛小皮)、その内部にある毛皮質(コルテックス)及び毛髪の中心を占める毛髄質(メデュラ)から構成されている。このうち、毛髪の損傷においては、その表面を覆うキューティクルがもっとも影響を受けやすく、また毛髪の硬さ、はり・こし等にはキューティクルが重要な役割を担っていることが知られている(例えば、非特許文献6参照)。そのため、キューティクルを効果的に再生することができれば、毛髪の硬さ、はり・こし等の髪質の改善が可能になると考えられる。
ここで、最近、ケラチン関連タンパク質(Keratin-associated protein;KAP)のうち、KAP5ファミリー遺伝子のmRNA発現量と毛髪のはり・こしの強さとの間に相関関係があることが明らかにされた(例えば、特許文献10参照)。また、KAP5ファミリーの一つであるKAP5.1が、成長過程にあるキューティクルに局在することも報告されている(例えば、非特許文献7参照)。このため、KAP5ファミリー、特にKAP5.1mRNAの発現を促進することができれば、キューティクルの再生、ひいては毛髪の硬さ、はり・こし等の髪質の改善につながると期待されている。
このような中、KAP5.1mRNAの発現を促進するものとして、甘草葉部抽出物等が報告されている(特許文献11参照)。
特開2003−055242号公報 特開2006−056854号公報 特開2005−022993号公報 特開2003−146837号公報 特開2010−090035号公報 特開2007−099698号公報 特開2009−191039号公報 特開2010−235551号公報 特開2006−219407号公報 特開2006−014721号公報 特開2013−193959号公報
J. Dermatol.,1993年,Vol.20,No.1,p.1-6 「フレグランスジャーナル」,2004年,Vol.32,No.11,p.23-32 Br. J. Dermatol.,2000年,Vol.143,Issue 3,p.524-531 「フレグランスジャーナル」,2006年,Vol.34,No.10,p.19-23 Trends Genet.,1992年,Vol.8,Issue 2,p.55-61 曽我部敦ら,日本化粧品技術者会誌,2002年,第36巻,第3号,p.207-216 Jones LN. et al.,Int J Trichology,2010年,Vol.2,No.2,p.89-95
本発明は、天然物に由来し、優れた抗炎症作用、抗老化作用、美白作用または育毛作用を有する新規組成物を提供することを目的とする。合わせて、本発明は、当該新規組成物を有効成分とするる抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤、ならびに当該新規組成物を配合した化粧料および飲食品組成物を提供することを、さらなる目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、天然物由来成分として、シロキクラゲ抽出発酵物を提供する。また、本発明の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤は、シロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とすることを特徴とする。さらに、本発明の化粧料および飲食品組成物は、シロキクラゲ抽出発酵物を配合したことを特徴とする。
本発明によれば、抗炎症作用、抗老化作用、美白作用または育毛作用に優れた天然物由来成分として、シロキクラゲ抽出発酵物を提供することができる。また、シロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とすることにより、作用効果に優れた抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤を提供することができる。さらに、シロキクラゲ抽出発酵物を配合することにより、上記作用に優れた化粧料および飲食品組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔シロキクラゲ抽出発酵物〕
本実施形態に係るシロキクラゲ抽出発酵物は、シロキクラゲからの抽出物の、微生物による発酵物である。
ここで、本明細書における「シロキクラゲ抽出発酵物」には、別段の記載がある場合を除き、シロキクラゲ抽出物を発酵原料として得られる発酵液、当該発酵液の希釈液もしくは濃縮液、当該発酵液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。また、本明細書における「シロキクラゲ抽出物」には、シロキクラゲを抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本実施形態において使用する原料は、シロキクラゲ(学名:Tremella fuciformis)である。
シロキクラゲ(学名:Tremella fuciformis)は、シロキクラゲ科シロキクラゲ属に属する担子菌(キノコ)であり、日本や中国において食用とされており、これらの地域から容易に入手することが出来る。原料として使用する部位は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、子実体が好ましい。
上記シロキクラゲからの抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまままたは粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて、室温または溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1〜1:9(容量比)であることが好ましく、7:3〜2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1〜2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が7:3〜1:9(容量比)であることが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温、還流加熱下または加圧下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
以上のようにして得られたシロキクラゲ抽出物は、微生物による発酵に付される。発酵処理は、例えば、濃縮乾固したシロキクラゲ抽出物を水に溶解し、またはシロキクラゲ抽出液を濃縮乾固せずにそのまま用い、発酵を行う微生物を接種することにより行うことができる。
発酵を行う微生物は、特に限定されず、乳酸菌、酵母、麹菌などが挙げられる。具体的に、乳酸菌としては、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)等のラクトバチルス(Lactobacillus)属;ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレビ(Bifidobacterium breve)等のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属;などに属する乳酸菌が例示される。また、酵母としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae,パン酵母)、サッカロミセス・ヴェローナ(Saccharomyces veronae)等のサッカロミセス(Saccharomyces)属;シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等のシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属;クルイヴェロミセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)等のクルイヴェロミセス(Kluyveromyces)属;ジゴサッカロミセス・サーモトレランス(Zygosaccharomyces thermotolerans)等のジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属;ラカンセア・サーモトレランス(Lachancea thermotolerans)等のラカンセア属;などが好ましく例示される。麹菌としては、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae)等のアスペルギルス属(Aspergillus);モナスカス・プルプレウス(Monascus purpureus)等のモナスカス属(Monascus)などが例示される。本実施形態において、これらの微生物は1種を単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。2種以上を併用する場合には、2種以上の微生物により同時に発酵を行ってもよく、また、先に麹菌による1次発酵を行ったのち、乳酸菌および/または酵母による2次発酵を行ってもよい。
本実施形態において用いる微生物は、これらの中でも、安全性の観点や、後述するシロキクラゲ抽出発酵物が奏する作用の観点から、ラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)およびサッカロミセス・ヴェローナ(Saccharomyces veronae)のうち1種以上であることが好ましい。
ここで、ラクトバシルス・プランタラムは、乳酸菌の一種であるが、主として野菜漬物、キムチ、味噌などの植物性の発酵食品から分離されることから植物性乳酸菌に包含され、ヨーグルト等の発酵乳や乳酸菌飲料の製造に用いられる動物性乳酸菌とは異なるものである。また、サッカロミセス・ヴェローナ(Saccharomyces veronae)(別名:ラカンセア・サーモトレランス(Lachancea thermotolerans))は、実質的にアルコール発酵を行わない点において、サッカロミセス・セレビシエといった他の酵母とは異なるものである。
さらに、ラクトバシルス・プランタラムを用いる場合、ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM P−21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM P−21411)、およびラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM P−21410)からなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましく、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM P−21411)を用いることが特に好ましい。ここで、上記ラクトバシルス・プランタラム 22A−1(FERM P−21409)、ラクトバシルス・プランタラム 22A−3(FERM P−21411)、およびラクトバシルス・プランタラム 22B−2(FERM P−21410)の3株は、本出願人により漬物から単離・同定された株であり、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている。
上記微生物を用いた発酵処理は、例えば、シロキクラゲ抽出物水溶液と上記微生物とを発酵槽に入れ、25〜35℃、好ましくは28〜32℃の温度範囲で、12〜72時間、好ましくは18〜48時間処理することにより、行うことができる。また、発酵処理の開始時において、反応液のpHが5.0〜7.0に、好ましくは5.5〜6.5に調整されていると、発酵処理が好適に進行する。かかる発酵処理は、発酵液を冷却、加熱殺菌、ろ過などの所望の手段に付し、発酵菌を不活性化させることで終了させる。
このようにして得られた発酵液は、そのまま発酵物として用いてもよく、または適宜希釈しもしくは濃縮して、発酵物として用いてもよい。さらには、濃縮物をさらに乾燥してもよく、粗精製などを行ってもよい。
なお、前述した抽出処理や発酵処理の前に、抽出原料や抽出物(発酵原料)に対し、抽出効率や発酵効率を高めるための処理を行ってもよい。このような処理としては、例えば、グルカナーゼ、セルラーゼ等を用いた酵素処理が好ましく例示される。例えば、抽出処理により得られた抽出物に酵素処理を行うと、その後の発酵処理の効率が高まるため、特に好ましい。
このようにして得られるシロキクラゲ抽出発酵物は、優れた抗炎症作用、抗老化作用、美白作用および育毛作用を示すため、以下に述べる抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤の有効成分として、また化粧料または飲食品組成物の配合成分として特に好適である。
〔抗炎症剤,抗老化剤,美白剤,育毛剤〕
本実施形態に係る抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤は、前述のようにして得られるシロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とするものである。本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の幅広い用途に使用することができる。
ここで、シロキクラゲ抽出発酵物が有する抗炎症作用は、例えば、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用および/または腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用に基づいて発揮される。ただし、シロキクラゲ抽出発酵物が有する抗炎症作用は、上記作用に基づいて発揮される抗炎症作用に限定されるものではない。また、シロキクラゲ抽出発酵物は、そのヒアルロニダーゼ活性阻害作用またはTNF−α産生抑制作用を利用して、それぞれヒアルロニダーゼ活性阻害剤またはTNF−α産生抑制剤の有効成分として使用してもよい。
シロキクラゲ抽出発酵物が有する抗老化作用は、例えば、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、トランスグルタミナーゼ−1(TG−1)産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用、アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用およびヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用に基づいて発揮される。ただし、シロキクラゲ抽出発酵物が有する抗老化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗老化作用に限定されるものではない。
また、シロキクラゲ抽出発酵物は、そのエラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、TG−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用またはHAS3mRNA発現促進作用を利用して、それぞれエラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、IV型コラーゲン産生促進剤、表皮角化細胞増殖剤、TG−1産生促進剤、プロフィラグリンmRNA発現促進剤、SPTmRNA発現促進剤、AQP3mRNA発現促進剤またはHAS3mRNA発現促進剤の有効成分として使用してもよい。
シロキクラゲ抽出発酵物が有する美白作用は、例えば、グルタチオン産生促進作用に基づいて発揮される。ただし、シロキクラゲ抽出発酵物が有する美白作用は、上記作用に基づいて発揮される美白作用に限定されるものではない。また、シロキクラゲ抽出発酵物は、そのグルタチオン産生促進作用を利用して、グルタチオン産生促進剤の有効成分として使用してもよい。
シロキクラゲ抽出発酵物が有する育毛作用は、例えば、毛乳頭細胞増殖促進作用および/またはケラチン関連タンパク質5.1(KAP5.1)mRNA発現促進作用に基づいて発揮される。ただし、シロキクラゲ抽出発酵物が有する育毛作用は、上記作用に基づいて発揮される育毛作用に限定されるものではない。また、シロキクラゲ抽出発酵物は、その毛乳頭細胞増殖促進作用またはKAP5.1mRNA発現促進作用を利用して、それぞれ毛乳頭細胞増殖促進剤またはKAP5.1mRNA発現促進剤の有効成分として使用してもよい。
本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤は、シロキクラゲ抽出発酵物のみからなるものでもよいし、シロキクラゲ抽出発酵物を製剤化したものでもよい。
本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤は、他の組成物(例えば、後述する化粧料、飲食品組成物等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤を製剤化した場合、シロキクラゲ抽出発酵物の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
なお、本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤は、必要に応じて、抗炎症作用、抗老化作用、美白作用または育毛作用を有する他の天然抽出物等を、シロキクラゲ抽出発酵物とともに配合して有効成分として用いることができる。
本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤の患者に対する投与方法としては、経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本実施形態の抗炎症剤は、有効成分であるシロキクラゲ抽出発酵物が有するヒアルロニダーゼ活性阻害作用および/またはTNF−α産生抑制作用を通じて、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、アトピー性皮膚炎、その他肌荒れに伴う各種皮膚炎症性疾患を予防、治療または改善することができる。ただし、本実施形態の抗炎症剤は、これらの用途以外にもヒアルロニダーゼ活性阻害作用またはTNF−α産生抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
例えば、本実施形態の抗炎症剤または前述したヒアルロニダーゼ活性阻害剤もしくはTNF−α産生抑制剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有するヒアルロニダーゼ活性阻害作用またはTNF−α産生抑制作用を通じて、関節リウマチ、変形性関節症、喘息などを予防、治療または改善することができる。
本実施形態の抗老化剤は、有効成分であるシロキクラゲ抽出発酵物が有するエラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、TG−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用およびHAS3mRNA発現促進作用からなる群より選択される1または2以上の作用を通じて、皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状を予防、治療または改善することができる。ただし、本実施形態の抗老化剤は、これらの用途以外にもエラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、TG−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用またはHAS3mRNA発現促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
例えば、本実施形態の抗老化剤または前述したエラスチン産生促進剤は、そのエラスチン産生促進作用により、肺気腫等の肺疾患;高血圧、動脈瘤等の血管性疾患;などの予防、治療または改善の用途に用いることができる。また、本実施形態の抗老化剤または前述したヒアルロン酸産生促進剤は、そのヒアルロン酸産生促進作用により、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、骨関節炎等の関節炎の予防、治療または改善;創傷または熱傷の治癒の促進;などの用途に用いることができる。さらに、本実施形態の抗老化剤または前述したコラーゲン産生促進剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有するIV型コラーゲン産生促進作用を通じて、骨粗鬆症等のコラーゲン産生の低下に起因する疾患の予防、治療または改善;損傷した腱や靱帯の再生促進;創傷または熱傷の治癒の促進;等の用途に用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述した表皮角化細胞増殖促進剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有する表皮角化細胞増殖促進作用を通じて、肌の新陳代謝を回復させ、こじわ、くすみ、色素沈着等の予防、治療または改善;再生医療;などの用途に使用することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したTG−1産生促進剤もしくはSPTmRNA発現促進剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有するTG−1産生促進作用またはSPTmRNA発現促進作用を通じて、皮膚のバリア機能を強化し、肌荒れ、乾燥肌等のほか、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)を予防、治療または改善することができる。また、本実施形態の抗老化剤または前述したAQP3mRNA発現促進剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有するAQP3mRNA発現促進作用を通じて、加齢による水分保持能やバリア機能等を改善することができる。
本実施形態の美白剤は、有効成分であるシロキクラゲ抽出発酵物が有するグルタチオン産生促進作用を通じて、皮膚の黒化、シミ、ソバカス等の色素沈着を予防・改善することができる。ただし、本実施形態の美白剤は、これらの用途以外にもグルタチオン産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
例えば、本実施形態の美白剤または前述したグルタチオン産生促進剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有するグルタチオン産生促進作用を通じて、肝障害(アルコールの多飲,または重金属や化学物質等の異物の摂取が原因となる)等の細胞内グルタチオン量の低下または欠乏が病態と関連することが知られている疾患などを予防、治療または改善することができる。
本実施形態の育毛剤は、有効成分であるシロキクラゲ抽出発酵物が有する毛乳頭細胞増殖促進作用を通じて、男性型脱毛症、円形脱毛症、トリコチロマニア等の脱毛症等を予防、治療または改善することができ、特に男性型脱毛症の予防、治療または改善に好適である。また、本実施形態の育毛剤は、有効成分であるシロキクラゲ抽出発酵物が有するKAP5.1mRNA発現促進作用を通じて、毛髪の髪質、特に毛髪のはり・こしを改善することができる。ただし、本発明の育毛剤は、これらの用途以外にも毛乳頭細胞増殖促進作用またはKAP5.1mRNA発現促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
例えば、本実施形態の育毛剤または前述した毛乳頭細胞増殖促進剤は、シロキクラゲ抽出発酵物が有する毛乳頭細胞増殖促進作用を通じて、毛乳頭細胞を用いた毛髪再生等の再生医療分野への応用に使用することもできる。
また、本実施形態抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤は、優れた抗炎症作用、抗老化作用、美白作用または育毛作用を有するため、例えば、皮膚外用剤等に配合するのに好適である。この場合に、シロキクラゲ抽出発酵物をそのまま配合してもよいし、シロキクラゲ抽出発酵物から製剤化した抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤を配合してもよい。
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、後述する皮膚化粧料のほか、経皮的に使用される医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。
また、本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤は、優れた抗炎症作用、抗老化作用、美白作用または育毛作用を有するので、これらの作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
〔化粧料〕
本実施形態の化粧料は、前述したシロキクラゲ抽出発酵物が配合されるものである。本実施形態に係る化粧料には、シロキクラゲ抽出発酵物をそのまま配合してもよいし、シロキクラゲ抽出発酵物から製剤化した抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤を配合してもよい。
シロキクラゲ抽出発酵物、または上記抗炎症剤、抗老化剤、美白剤もしくは育毛剤を配合し得る化粧料の種類は特に限定されるものではないが、シロキクラゲ抽出発酵物の作用をより効果的に発揮させる観点から、皮膚化粧料または頭髪化粧料であることが好ましい。皮膚化粧料または頭髪化粧料の形態は、特に限定されるものではないが、皮膚化粧料としては、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション等が挙げられ、また、頭髪化粧料としては、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス等が挙げられる。
シロキクラゲ抽出発酵物、または上記抗炎症剤、抗老化剤、美白剤もしくは育毛剤を化粧料に配合する場合、その配合量は、化粧料の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、シロキクラゲ抽出発酵物の固形分に換算して約0.0001〜10質量%であり、特に好適な配合率は約0.001〜1質量%である。
本実施形態の化粧料は、シロキクラゲ抽出発酵物が有する抗炎症作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、抗老化作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用、HAS3mRNA発現促進作用、美白作用、グルタチオン産生促進作用、育毛作用、毛乳頭細胞増殖促進作用、またはKAP5.1mRNA発現促進作用を妨げない限り、通常の化粧料の製造に用いられる主剤、助剤またはその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された他の有効成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
シロキクラゲ抽出発酵物または上記抗炎症剤、抗老化剤、美白剤もしくは育毛剤は、化粧料に配合されることにより、抗炎症作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、抗老化作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用、HAS3mRNA発現促進作用、美白作用、グルタチオン産生促進作用、育毛作用、毛乳頭細胞増殖促進作用、またはKAP5.1mRNA発現促進作用を化粧料に付与することができる。
これらの作用は、いずれも化粧料に付与されることで好ましい作用を発揮するものであるが、中でも、化粧料が皮膚化粧料である場合に、抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、TNF−α産生抑制作用、抗老化作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用、HAS3mRNA発現促進作用、美白作用、またはグルタチオン産生促進作用が皮膚化粧料に付与されると、それらの作用が発揮されやすいため、特に好適である。
また、化粧料が頭髪化粧料である場合には、育毛作用、毛乳頭細胞増殖促進作用、KAP5.1mRNA発現促進作用、抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、TNF−α産生抑制作用、抗老化作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、またはHAS3mRNA発現促進作用が頭髪化粧料に付与されると、それらの作用が発揮されやすいため、特に好適である。
本実施形態の化粧料は、シロキクラゲ抽出発酵物が有する抗炎症作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、抗老化作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、表皮角化細胞増殖作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、SPTmRNA発現促進作用、AQP3mRNA発現促進作用、HAS3mRNA発現促進作用、美白作用、グルタチオン産生促進作用、育毛作用、毛乳頭細胞増殖促進作用、およびKAP5.1mRNA発現促進作用からなる群より選択される1または2以上の作用を通じて、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚炎症性疾患の予防、治療または改善;皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状の予防、治療または改善;肌荒れ、乾燥肌等のほか、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)の予防、治療または改善;皮膚の黒化、シミ、ソバカス等の色素沈着の予防、治療または改善;男性型脱毛症、円形脱毛症、トリコチロマニア等の脱毛症の予防、治療または改善;毛髪のはり・こしの改善;などをすることができる。
〔飲食品組成物〕
本実施形態の飲食品組成物は、前述したシロキクラゲ抽出発酵物が配合されるものである。本実施形態に係る飲食品組成物には、シロキクラゲ抽出発酵物をそのまま配合してもよいし、シロキクラゲ抽出発酵物から製剤化した抗炎症剤、抗老化剤、美白剤または育毛剤を配合してもよい。
ここで、飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口または消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「飲食品組成物」は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を構成する組成物を幅広く含むものである。本実施形態に係る飲食品組成物は、当該組成物からなる飲食品またはその包装に、シロキクラゲ抽出発酵物が有する好ましい作用が表示される飲食品を構成する組成物であることが好ましく、当該飲食品は、保健機能食品(特定保健用食品,機能性表示食品、栄養機能食品)、医薬部外品および医薬品であることが特に好ましい。
シロキクラゲ抽出発酵物、またはシロキクラゲ抽出発酵物から製剤化した抗炎症剤、抗老化剤、美白剤もしくは育毛剤を飲食品組成物に配合する場合、それらにおける有効成分の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象となる飲食品組成物の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの抽出物摂取量が約1〜1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象飲食品組成物が顆粒状、錠剤状またはカプセル状の飲食品組成物の場合、シロキクラゲ抽出発酵物、またはシロキクラゲ抽出発酵物から製剤化した抗炎症剤、抗老化剤、美白剤もしくは育毛剤の添加量は、添加対象飲食品組成物に対して通常0.1〜100質量%であり、好ましくは5〜100質量%である。
本実施形態の飲食品組成物は、シロキクラゲ抽出発酵物をその活性を妨げないような任意の飲食品組成物に配合したものであってもよいし、シロキクラゲ抽出発酵物を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
本実施形態の飲食品組成物を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の飲食品組成物にすることができる。
シロキクラゲ抽出発酵物を配合し得る飲食品組成物は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられる。これらの飲食品組成物にシロキクラゲ抽出発酵物を配合するときには、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
なお、本実施形態の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤、育毛剤、化粧料、および飲食品組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
以下、製造例および試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
〔製造例1〕シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物の製造
乾燥したシロキクラゲ(9g)に水(300mL)を加え、還流冷却器を用いて、80〜90℃にて2時間抽出を行った後、滅菌処理を行い、シロキクラゲ抽出液を得た(300g)。
得られたシロキクラゲ抽出液(100g)にラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)22A−3株(受託番号:FERM P−21411)を植菌し、30℃で24時間発酵させた。得られた発酵液を濾過し、濾液を濃縮乾固することにより、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(1.6g,試料1)を得た。
〔製造例2〕シロキクラゲ抽出酵母発酵物の製造
製造例1の過程で得られたシロキクラゲ抽出液を用い、当該シロキクラゲ抽出液(100g)に発酵用酵母(サッカロミセス・ヴェローナ,秋田今野商店社製)を植菌し、30℃で24時間発酵させた。得られた発酵液を濾過し、濾液を濃縮乾固することにより、シロキクラゲ抽出酵母発酵物(1.5g,試料2)を得た。
〔試験例1〕ヒアルロニダーゼ活性阻害作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてヒアルロニダーゼ活性阻害作用を試験した。
0.1mol/L酢酸緩衝液(pH3.5)に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表1を参照)0.2mLに、ヒアルロニダーゼ溶液(SIGMA社製,Type IV-S,from bovine testes,400 NF units/mL)0.1mLを加え、37℃で20分間静置した。さらに、活性化剤として2.5mmol/L塩化カルシウム0.2mLを加え、37℃で20分間静置した。これに0.8mg/mLヒアルロン酸ナトリウム溶液(from rooster comb)0.5mLを加え、37℃で40分間反応した。その後、0.4mol/L水酸化ナトリウム0.2mLを加えて反応を止め冷却した後、各反応溶液にホウ酸溶液0.2mLを加え、3分間煮沸した。氷冷後、p−DABA試薬6mLを加え、37℃で20分間反応した。その後、波長585nmにおける吸光度を測定した。
また、ブランクとして、酵素溶液を添加しない場合についても同様の操作および吸光度の測定を行った。さらに、コントロールとして、試料を添加しない0.1mol/L酢酸緩衝液(pH3.5)を用いて同様の操作および測定を行った。
得られた結果から、下記式によりヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)を算出した。
ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加・酵素添加での波長585nmにおける吸光度
B:被験試料添加・酵素無添加での波長585nmにおける吸光度
C:試料無添加・酵素添加での波長585nmにおける吸光度
D:試料無添加・酵素無添加での波長585nmにおける吸光度
結果を表1に示す。
Figure 2020090544
表1に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有することが確認された。
〔試験例2〕腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてTNF−α産生抑制作用を試験した。
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した細胞を1.0×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、4時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、終濃度0.5%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地で溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表2を参照)を各ウェルに100μL添加し、終濃度1μg/mLで10%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS)(DIFCO社製,E.coli 0111;B4)を100μL加え、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の終濃度0.5%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地等を用いて同様の操作を行った。培養終了後、各ウェルの培養上清中のTNF−α量を、サンドイッチELISA法を用いて測定した。得られた結果から、下記式によりTNF−α産生抑制率(%)を算出した。
TNF−α産生抑制率(%)={(B−A)/B}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのTNF−α量
B:試料無添加でのTNF−α量
結果を表2に示す。
Figure 2020090544
表2に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたTNF−α産生抑制作用を有することが確認された。
〔試験例3〕エラスチン産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてエラスチン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.2×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表3を参照)を各ウェルに150μL添加し、5日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、上清を回収し、培養上清に遊離したエラスチン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりエラスチン産生促進率(%)を算出した。
エラスチン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのエラスチン量
B:試料無添加でのエラスチン量
結果を表3に示す。
Figure 2020090544
表3に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたエラスチン産生促進作用を有することが確認された。
〔試験例4〕表皮ヒアルロン酸産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにして表皮ヒアルロン酸産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、24時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表4を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、7日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のヒアルロン酸量を、ヒアルロン酸結合タンパク(HABP)を用いたサンドイッチ法により測定した。測定結果から、下記式により表皮ヒアルロン酸産生促進率(%)を算出した。
表皮ヒアルロン酸産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのヒアルロン酸量
B:試料無添加でのヒアルロン酸量
結果を表4に示す。
Figure 2020090544
表4に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れた表皮ヒアルロン酸産生促進作用を有していると認められた。
〔試験例5〕IV型コラーゲン産生促進作用試験
製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてIV型コラーゲン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表5を参照)を各ウェルに150μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のIV型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりIV型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
IV型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのIV型コラーゲン量
B:試料無添加でのIV型コラーゲン量
結果を表5に示す。
Figure 2020090544
表5に示すように、シロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、優れたIV型コラーゲン産生促進作用を有していた。
〔試験例6〕表皮角化細胞増殖促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにして表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を3.0×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表6を参照)を各ウェルに100μL添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKMG培地を用いて同様に培養した。
表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。すなわち、3日間培養後、培地を除去し、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)緩衝液に溶解したMTTを各ウェル100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。得られた結果から、下記式により表皮角化細胞増殖促進率(%)を算出した。
表皮角化細胞増殖促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
B:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表6に示す。
Figure 2020090544
表6に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有することが確認された。
〔試験例7〕トランスグルタミナーゼ−1(TG−1)産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにTG−1産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、2日間培養した。
培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表7を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、培地を除去し、細胞をプレートに固定させ、細胞表面に発現したトランスグルタミナーゼ−1の量を、モノクローナル抗ヒトトランスグルタミナーゼ−1抗体(Biomedical Technologies Inc.社製)を用いたELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりトランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)を算出した。
トランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのトランスグルタミナーゼ−1量
B:試料無添加でのトランスグルタミナーゼ−1量
結果を表7に示す。
Figure 2020090544
表7に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたTG−1産生促進作用を有していると認められた。
〔試験例8〕プロフィラグリンmRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてプロフィラグリンmRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10cells/シャーレ)、一晩培養した。
培養後に培地を除去し、正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表8を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、プロフィラグリンおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。プロフィラグリンmRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりプロフィラグリンmRNA発現促進率(%)を算出した。
プロフィラグリンmRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表8に示す。
Figure 2020090544
表8に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたプロフィラグリンmRNA発現促進作用を有していた。
〔試験例9〕セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてSPTmRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表9を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、SPTおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用い、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。SPTの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりSPTmRNA発現促進率(%)を算出した。
SPT mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表9に示す。
Figure 2020090544
表9に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたSPTmRNA発現促進作用を有することが確認された。
〔試験例10〕アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてAQP3mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表10を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、AQP3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。AQP3mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりAQP3mRNA発現促進率(%)を算出した。
AQP3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表10に示す。
Figure 2020090544
表10に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたAQP3mRNA発現促進作用を有することが確認された。
〔試験例11〕ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてHAS3mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表11を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、HAS3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。HAS3mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりHAS3mRNA発現促進率(%)を算出した。
HAS3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表11に示す。
Figure 2020090544
表11に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れたHAS3mRNA発現促進作用を有していた。
〔試験例12〕グルタチオン産生促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてB16メラノーマ細胞に対するグルタチオン産生促進作用を試験した。
B16メラノーマ細胞を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて前培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を10×10cells/mLの細胞密度になるように10%FBS含有ダルベッコMEM培地で希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。
培養後、培地を除去し、1%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表12を参照)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の1%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、400μLのPBS(−)緩衝液にて洗浄後、150μLのM−PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに溶解した細胞抽出液100μL、0.1mmol/Lリン酸緩衝液50μL、2mmol/L NADPH25μL及びグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え37℃で10分間加温した後、10mMの5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を使用して作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
グルタチオン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料を添加した細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量
B:試料無添加の細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量(対照)
結果を表12に示す。
Figure 2020090544
表12に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれもB16メラノーマ細胞に対して優れたグルタチオン産生促進作用を有することが確認された。
〔試験例13〕毛乳頭細胞増殖促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにして毛乳頭細胞増殖促進作用を試験した。
正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(HFDPC,男性頭頂部由来)を、1%FCSおよび増殖添加剤を含有する毛乳頭細胞用増殖培地(PCGM,東洋紡社製)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を、10%FBS含有DMEM培地を用いて1.0×10cells/mLの細胞密度になるように希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種し、3日間培養した。
その後、培地を除去し、無血清DMEM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表13を参照)200μLを各ウェルに添加し、さらに4日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の無血清DMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、MTTアッセイにより毛乳頭細胞増殖促進作用を測定した。すなわち、培地を除去し、無血清DMEM培地で調製した0.4mg/mL MTT200μLを添加し、さらに2時間培養した後、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。この抽出液について、ブルーホルマザンの吸収極大点がある570nmの吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。測定結果から、下記式に基づいて、毛乳頭細胞増殖促進率(%)を算出した。
毛乳頭細胞増殖促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
B:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表13に示す。
Figure 2020090544
表13に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれも優れた毛乳頭細胞増殖促進作用を有していると認められた。
〔試験例14〕ケラチン関連タンパク質5.1(KAP5.1)mRNA発現促進作用試験
製造例1で得られたシロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)および製造例2で得られたシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)について、以下のようにしてKAP5.1mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて37℃・5%COの条件下で前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を15×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(30×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で24時間培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1および2,試料濃度は下記表14を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、KAP5.1及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR Kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No.RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。KAP5.1mRNAの発現量は、「被験試料添加」、「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた結果から、下記式によりKAP5.1mRNA発現促進率(%)を算出した。
KAP5.1 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加時の補正値
B:試料無添加時の補正値
結果を表14に示す。
Figure 2020090544
表14に示すように、シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(試料1)およびシロキクラゲ抽出酵母発酵物(試料2)は、いずれもKAP5.1mRNA発現促進作用を有していると認められた。
〔配合例1〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(製造例1) 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例2〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.05g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性甘草エキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例4〕
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(製造例1) 0.4g
酢酸トコフェロール 適量
セファラチン 0.002g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
グリセリン 15.0g
エタノール 15.0g
香料 適量
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
防腐剤(ヒノキチオール) 適量
可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例5〕
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.5g
マジョラム抽出物 1.0g
ウメ果実部抽出物 0.2g
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
プロピレングリコール 2.0g
香料 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例6〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
シロキクラゲ抽出乳酸菌発酵物(製造例1) 5.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
〔配合例7〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
シロキクラゲ抽出酵母発酵物(製造例2) 0.3質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)
本発明の抗炎症剤、抗老化剤、美白剤および育毛剤は、各種皮膚炎症性疾患の予防、治療または改善;皮膚の老化症状の予防、治療または改善;創傷または熱傷の治癒の促進;乾燥性皮膚疾患の予防、治療または改善;皮膚の黒化、シミ、ソバカス等の色素沈着の予防、治療または改善;脱毛症、特に男性型脱毛症の予防、治療または改善;毛髪のはり・こしの改善;などに大きく貢献できる。

Claims (10)

  1. シロキクラゲ抽出物の乳酸菌による発酵物を加熱殺菌および/またはろ過したことを特徴とするシロキクラゲ抽出発酵物。
  2. 前記乳酸菌が、ラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)であることを特徴とする請求項1に記載のシロキクラゲ抽出発酵物。
  3. シロキクラゲ抽出物のラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)による発酵物であるシロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とすることを特徴とする抗炎症剤。
  4. ヒアルロニダーゼ活性阻害用途および/または腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制用途に用いられることを特徴とする請求項3に記載の抗炎症剤。
  5. シロキクラゲ抽出物のラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)による発酵物を加熱殺菌および/またはろ過したシロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とすることを特徴とする抗老化剤。
  6. エラスチン産生促進用途、ヒアルロン酸産生促進用途、IV型コラーゲン産生促進用途、表皮角化細胞増殖用途、トランスグルタミナーゼ−1産生促進用途、プロフィラグリンmRNA発現促進用途、セリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進用途、アクアポリン3mRNA発現促進用途およびヒアルロン酸合成酵素3mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする請求項5に記載の抗老化剤。
  7. シロキクラゲ抽出物のラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)による発酵物であるシロキクラゲ抽出発酵物を有効成分とすることを特徴とする美白剤。
  8. グルタチオン産生促進用途に用いられることを特徴とする請求項7に記載の美白剤。
  9. シロキクラゲ抽出物のラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)による発酵物を加熱殺菌および/またはろ過したシロキクラゲ抽出発酵物を配合したことを特徴とする化粧料。
  10. シロキクラゲ抽出物のラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)による発酵物であるシロキクラゲ抽出発酵物を配合したことを特徴とする飲食品組成物。
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