JP2021143131A - 抗老化剤、皮膚化粧料および経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた抗老化作用を有する抗老化剤、皮膚化粧料および経口組成物を提供する。【解決手段】本発明の抗老化剤の有効成分として、チコリ抽出物および/またはチコリ酸を用いる。また、本発明の皮膚化粧料および経口組成物に、チコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合する。【選択図】なし

Description

本発明は、抗老化剤、皮膚化粧料および経口組成物に関するものである。
皮膚の表皮および真皮は、表皮細胞、線維芽細胞ならびにこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等の細胞外マトリックスにより構成されている。若い皮膚においては線維芽細胞の増殖は活発であり、線維芽細胞、細胞外マトリックス成分等の皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があってみずみずしい状態に維持される。
ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり、加齢が進んだりすると、細胞外マトリックスの主要構成成分であるコラーゲン、エラスチンおよびヒアルロン酸の産生量が減少するとともに、分解や変質を引き起こす。その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が生じるため、肌は張りや艶を失い、肌荒れ、シワ等の老化症状を呈するようになる。このように、皮膚の老化に伴う変化、すなわち、シワ、くすみ、きめの変化、弾力性の低下等には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等のマトリックス成分の減少・変性等が関与している。したがって、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸の産生を促進することは、皮膚の老化を予防、治療または改善する上で重要である。
これらの細胞外マトリックス成分のうち、コラーゲンは、皮膚組織の構造および機械的強度の維持に寄与する繊維状タンパク質である。コラーゲンの産生を促進することができれば、しわ、たるみが起こりにくくなり、きめが粗くなり、張りが消失し、弾力性が低下する等といった皮膚の老化症状を予防、治療または改善することができると考えられる。
また、コラーゲンは、骨、腱、靱帯等にも多く存在し、加齢等によるコラーゲン産生の低下が、骨粗鬆症等の原因になることが知られている。さらに、創傷の治癒過程において、コラーゲンの産生量が亢進し、線維芽細胞等の足場となることで、創傷の治癒を促進することが知られている。そのため、コラーゲンの産生を促進することは、骨粗鬆症等の予防又は治療、創傷治癒の促進といった観点からも重要である。コラーゲン産生促進作用を有するものとしては、例えば、クスノハガシワからの抽出物(特許文献1参照)等が知られている。
一方、エラスチンは、皮膚組織に弾力性を与える線維である。エラスチンの産生を促進することができれば、しわ、たるみが起こりにくくなり、張りの消失、弾力性の低下等の皮膚の老化症状を予防、治療または改善できると考えられる。
また、エラスチンは皮膚組織の他に、肺や血管等、身体において弾力性を要する組織に広く発現している。加齢に伴ってこれらの組織から正常なエラスチンが減少すると、肺や血管等において弾力性が低下し、肺気腫等の肺疾患や高血圧、動脈瘤等の血管性疾患の原因となることが知られている。そのため、エラスチンの産生を促進することができれば、肺や血管等における弾力性の低下が起こりにくくなり、肺気腫等の肺疾患や高血圧、動脈瘤等の血管性疾患等を予防・治療できると考えられる。エラスチン産生促進作用を有するものとして、例えば、グミ科ヒッポファエ属に属する植物からの抽出物が知られている(特許文献2参照)。
他方、ヒアルロン酸は、ムコ多糖の一種であり、細胞間の間隙に充填されることにより細胞を保持する機能を有し、さらに細胞間隙への水分の保持、組織への潤滑性や柔軟性の付与、機械的障害等の外力に対する抵抗等、数多くの機能を有している。ヒアルロン酸の産生を促進することができれば、皮膚の荒れ、しわ、くすみ、きめの変化、弾力性の低下及び保湿機能の低下等といった皮膚の老化症状を予防、治療または改善できると考えられる。また、表皮ヒアルロン酸の合成促進に関与するヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)の発現を促進することで、皮膚の老化を予防、治療または改善することができるものと考えられる。現在までにヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進作用を有するものとして、甘草葉部抽出物(特許文献3参照)等が知られている。
さらに、ヒアルロン酸は、皮膚組織の他にも、軟骨、関節液、臍帯、眼硝子体、その他の結合組織に存在する。このうち、関節液に含まれるヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、ヒアルロン酸が有する潤滑機能、軟骨に対する被覆・保護機能等により、関節の円滑な作動に役立っている。一方、慢性関節リウマチ等の関節炎において、関節液におけるヒアルロン酸の濃度が低下していることが知られている。したがって、ヒアルロン酸の産生を促進することで、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、又は骨関節炎等の関節炎を予防又は治療することができると考えられる。さらに、創傷又は熱傷の治癒過程において、肉芽(組織)が形成するが、肉芽中にヒアルロン酸が著しく増加することが知られている。そのため、ヒアルロン酸の産生を促進することで、創傷又は熱傷の治癒を促進することができると考えられる。ヒアルロン酸産生促進作用を有するものとしては、クスノハガシワからの抽出物(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
表皮は、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きをしており、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角質層へと連なる4層構造から構成されている。各層に存在する大部分の細胞は、基底層から分化した角化細胞である。基底層で分裂、増殖した角化細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し角質細胞となって、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角質層を構成し、最終的には垢として角質層から脱落する。
角質層は皮膚の最外殻に存在しており、外界からの刺激に対する物理的なバリアとしての役割を果たしている。皮膚ではこのバリア機能を持たせるため、角化細胞が基底層で産生されてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。しかしながら、この角質層も加齢によって新陳代謝機能が衰え、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚トラブルを発生することになる。そのため、角化細胞の増殖を促進し、肌の新陳代謝機能を回復させることにより、こじわ、くすみ、色素沈着等の皮膚の老化を改善できるものと考えられる。従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、土貝母抽出物(特許文献4参照)等が知られている。
セラミドは、表皮細胞の角化の過程においてセリンとパルミトイル−CoAとを基に、セラミド合成の律速酵素として知られるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)をはじめとする酵素の働きにより生成される。セラミドは、皮膚最外層を覆う角質細胞間脂質の主成分として特異的に存在し、皮膚本来が持つ生体と外界とのバリア膜としての機能維持に重要な役割を果たしている。
角質層の構造は、レンガとモルタルとに例えられ、15層ほどに積み重なった角質細胞を細胞間脂質が繋ぎ止める形で強固なバリア膜を形成している。角質細胞は、アミノ酸を主成分とする天然保湿因子を細胞内に含有することによって水分を保持し、一方、角質細胞間脂質は、約50%のセラミドを主成分とし、コレステロール、脂肪酸等の両親媒性脂質から構成されており、疎水性部分と親水性部分とが交互に繰り返される層板構造、いわゆるラメラ構造を特徴としている。
様々な内的・外的要因による皮膚のバリア機能の低下は、経表皮水分蒸散量を増加させ、皮膚のかさつき、落屑、掻痒感等を惹き起こし、いわゆる乾燥肌に陥る。また、皮膚のバリア機能の低下は、皮膚の炎症を増大させ、外界からの様々な刺激に対する防御機能が低下するという悪循環に陥る。最近の研究において、加齢により、またはバリア障害として知られるアトピー性皮膚炎患者において、角質セラミド成分(いわゆる細胞間脂質)の減少や組成変化が報告されており(非特許文献1参照)、皮膚のバリア機能の維持、改善にセラミドが重要であることが広く知られるようになっている。皮膚のバリア機能を改善する方法として、セラミドを外部から補う方法(非特許文献2参照)や皮膚内部においてセラミド産生能を高める方法(非特許文献3参照)等が知られている。
皮膚細胞では、水チャンネルとして知られるアクアポリンが、細胞膜上に発現して、細胞間隙の水をはじめとする低分子物質を細胞内へ取り込む役割を担っていることが知られている。ヒトでは、13種類のアクアポリン(AQP0〜AQP12)の存在が知られている。表皮細胞においては、主としてAQP3が存在しており、水に加えて、水分保持作用に関与するグリセロールや尿素等の低分子化合物をも取り込む役割を担っていると考えられている。
しかしながら、AQP3は加齢とともに減少し、このことが水分保持機能の低下の一因であることが示唆されているため、AQP3の発現を促進することにより、加齢による水分保持能やバリア機能等を制御することが可能であると考えられる(非特許文献4参照)。AQP3発現促進作用を有するものとして、例えば、スターフルーツの葉部からの抽出物(特許文献5参照)等が知られている。
特開2003−146837号公報 特開2005−022993号公報 特開2010−090035号公報 特開2006−056854号公報 特開2009−191039号公報
J. Dermatol.,1993年,Vol.20,No.1,p.1-6 「フレグランスジャーナル」,2004年,Vol.32,No.11,p.23-32 Br. J. Dermatol.,2000年,Vol.143,Issue 3,p.524-531 「フレグランスジャーナル」,2006年,Vol.34,No.10,p.19-23
本発明は、優れた抗老化作用を有するものを見出し、それを有効成分とする抗老化剤ならびに当該成分を配合した皮膚化粧料および経口組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく研究を行った結果、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が、優れた抗老化作用を有することを見出し、本発明を完成させた。具体的には、本発明は以下のとおりである。
〔1〕チコリ抽出物および/またはチコリ酸を有効成分とする抗老化剤であって、ヒアルロン酸産生促進用途、表皮角化細胞増殖促進用途およびAQP3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする抗老化剤。
〔2〕チコリ抽出物を有効成分とする抗老化剤であって、I型コラーゲン産生促進用途、エラスチン産生促進用途、SPT mRNA発現促進用途およびHAS3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする抗老化剤。
〔3〕チコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合した皮膚化粧料であって、ヒアルロン酸産生促進用途、表皮角化細胞増殖促進用途およびAQP3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする皮膚化粧料。
〔4〕チコリ抽出物を配合した皮膚化粧料であって、I型コラーゲン産生促進用途、エラスチン産生促進用途、SPT mRNA発現促進用途およびHAS3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする皮膚化粧料。
〔5〕チコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合した経口組成物であって、ヒアルロン酸産生促進用途、表皮角化細胞増殖促進用途およびAQP3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする経口組成物。
〔6〕チコリ抽出物を配合した経口組成物であって、I型コラーゲン産生促進用途、エラスチン産生促進用途、SPT mRNA発現促進用途およびHAS3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられることを特徴とする経口組成物。
本発明によれば、チコリ抽出物および/またはチコリ酸を有効成分として用いることにより、作用効果に優れた抗老化剤、皮膚化粧料および経口組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の抗老化剤は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸を有効成分とするものである。
本実施形態において用いるチコリ抽出物は、チコリ(学名:Cichorium intybus L.)から得られる抽出物である。チコリはキク科キクニガナ属に属し、菊苦菜とも呼ばれる。緑葉を切除した根株を遮光して栽培すると軟白の新芽が発生し、その軟白葉はサラダなど食用に利用される。チコリは、ヨーロッパで広く栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。
ここで、本実施形態における「抽出物」には、チコリを抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
抽出原料として使用し得るチコリの構成部位としては、例えば、緑葉部、軟白葉部、茎部、花部等の地上部、根部等の地下部、種子、全草又はこれらの部位の混合物が挙げられるが、好ましくは緑葉部、軟白葉部、根部である。
ここで、緑葉部とは、遮光せずに生育した植物体の葉や芽等である。軟白葉部とは、根株を遮光して栽培することで発生した新芽および当該新芽が生育したものであり、葉の全てが白い必要はない。
上記植物の抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性抽出溶媒によって脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1〜1:9(容量比)であることが好ましく、7:3〜2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1〜2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が8:2〜1:9(容量比)であることが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜50倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
また、チコリ抽出物は、特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、未精製のままでも実用上支障はない。なお、精製としては、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
チコリ酸は、下記式で表される化学構造式を有する。
Figure 2021143131
チコリ酸は、チコリ酸を含有する植物抽出物から単離・精製することにより製造することができる。このようなチコリ酸を含有する植物抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法によって得ることができる。チコリ酸を含有する植物としては、例えば、チコリ(Cichorium intybus L.)等が挙げられる。
チコリ酸を含有する植物抽出物を得る方法は、特に限定されるものではなく、例えば、前述したチコリ抽出物の製造方法が例示される。チコリ以外の植物から抽出物を得る場合もチコリ抽出物と同様に行うことができる。
以上のようにして得られたチコリ酸を含有する植物抽出液、当該抽出液の濃縮物又は当該抽出液の乾燥物からチコリ酸を単離・精製する方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。例えば、抽出物を展開溶媒に溶解し、シリカゲルやアルミナ等の多孔質物質、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やポリメタクリレート等の多孔性樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィーに付して、チコリ酸を含む画分を回収する方法等が挙げられる。この場合、展開溶媒は使用する固定相に応じて適宜選択すればよいが、例えば固定相としてシリカゲルを用いた順相クロマトグラフィーにより抽出物を分離する場合、展開溶媒としてはクロロホルム:メタノール=95:5等が挙げられる。さらに、カラムクロマトグラフィーにより得られたチコリ酸を含む画分を、ODSを用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶、液−液向流抽出、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィー等の任意の有機化合物精製手段を用いて精製してもよい。
〔抗老化剤〕
以上のようにして得られるチコリ抽出物および/またはチコリ酸は、優れた抗老化作用を有しているため、抗老化剤の有効成分として用いることができる。本実施形態の抗老化剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等の幅広い用途に使用することができる。
ここで、チコリ抽出物が有する抗老化作用は、I型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用およびHAS3 mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用に基づいて発揮される。
また、チコリ抽出物は、そのI型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用を利用して、それぞれI型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤の有効成分として使用してもよい。
チコリ酸が有する抗老化作用は、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用およびAQP3 mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用に基づいて発揮される。
また、チコリ酸は、そのヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用またはAQP3 mRNA発現促進作用を利用して、それぞれヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤またはAQP3 mRNA発現促進剤の有効成分として使用してもよい。
本実施形態の抗老化剤の有効成分として、単離したチコリ酸に替えて、チコリ酸を含有する組成物を用いてもよい。ここで、本実施形態における「チコリ酸を含有する組成物」には、チコリ酸を含有する植物を抽出原料として得られる抽出物、チコリ酸を含有する醗酵物、および当該醗酵物を抽出原料として得られる抽出物などが含まれる。また、「抽出物」には、抽出処理により得られる抽出液、当該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、または当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物などが含まれる。
本実施形態の抗老化剤の有効成分として、チコリ酸を含有する組成物を用いる場合には、優れた抗老化作用の観点から、当該組成物中におけるチコリ酸の純度を高めたものを有効成分とすることが好ましい場合がある。かかる場合には、当該組成物中におけるチコリ酸の含有量が10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
本実施形態の抗老化剤は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸のみからなるものでもよいし、チコリ抽出物および/またはチコリ酸を製剤化したものでもよい。
本実施形態の抗老化剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。抗老化剤は、他の組成物(例えば、皮膚外用剤、経口組成物等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
本実施形態の抗老化剤を製剤化した場合、チコリ抽出物および/またはチコリ酸の含有量は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
なお、本実施形態の抗老化剤は、必要に応じて、抗老化作用を有する他の天然抽出物等を、チコリ抽出物および/またはチコリ酸とともに配合して有効成分として用いることができる。
本実施形態の抗老化剤の患者に対する投与方法としては、経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態の抗老化剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本実施形態の抗老化剤は、有効成分であるチコリ抽出物および/またはチコリ酸が有するヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用およびAQP3 mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用を通じて、皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状を予防、治療または改善することができる。ただし、本実施形態の抗老化剤は、これらの用途以外にも上記作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本実施形態の抗老化剤は、有効成分であるチコリ抽出物が有するI型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、SPT mRNA発現促進作用およびHAS3 mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用を通じて、皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状を予防、治療または改善することができる。ただし、本実施形態の抗老化剤は、これらの用途以外にも上記作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したI型コラーゲン産生促進剤は、チコリ抽出物が有するI型コラーゲン産生促進作用を通じて、骨粗鬆症等のコラーゲン産生の低下に起因する疾患の予防、治療または改善;損傷した腱や靱帯の再生促進;創傷または熱傷の治癒の促進;等の用途に用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したエラスチン産生促進剤は、チコリ抽出物が有するエラスチン産生促進作用を通じて、肺気腫等の肺疾患の予防、治療または改善;高血圧、動脈瘤等の血管性疾患の予防、治療または改善の用途に用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したヒアルロン酸産生促進剤は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有するヒアルロン酸産生促進作用を通じて、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、骨関節炎等の関節炎の予防、治療または改善;創傷または熱傷の治癒の促進;などの用途に用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述した表皮角化細胞増殖促進剤は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有する表皮角化細胞増殖促進作用を通じて、肌の新陳代謝を回復させ、こじわ、くすみ、色素沈着等の予防、治療または改善;再生医療;などの用途に使用することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したSPT mRNA発現促進剤は、チコリ抽出物が有するSPT mRNA発現促進作用を通じて、皮膚のバリア機能を強化し、肌荒れ、乾燥肌等のほか、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)を予防、治療または改善することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したAQP3 mRNA発現促進剤は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有するAQP3 mRNA発現促進作用を通じて、加齢による水分保持能やバリア機能等を改善することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したHAS3 mRNA発現促進剤は、チコリ抽出物が有するHAS3 mRNA発現促進作用を通じて、皮膚の乾燥・萎縮、弾力性の低下、小じわの形成等の皮膚の老化症状を予防又は改善することができる。
また、本実施形態の抗老化剤は、優れたI型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用を有するため、例えば、皮膚外用剤、経口組成物等に配合するのに好適である。この場合にチコリ抽出物および/またはチコリ酸をそのまま配合してもよいし、チコリ抽出物および/またはチコリ酸から製剤化した抗老化剤を配合してもよい。
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、後述する皮膚化粧料のほか、経皮的に使用される医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。
また、本実施形態の抗老化剤は、優れたI型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用を有するので、これらの作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
〔皮膚化粧料〕
チコリ抽出物および/またはチコリ酸は、優れた抗老化作用を有しているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。
この場合、チコリ抽出物および/またはチコリ酸をそのまま配合してもよいし、チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸から製剤化した抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤を配合してもよい。
チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸、上記抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤を配合することにより、皮膚化粧料に抗老化作用、I型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用を付与することができる。これらの作用は、皮膚化粧料に付与されることで作用効果が発揮されやすいため、好適である。
チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸、上記抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤を配合し得る皮膚化粧料の種類は特に限定されるものではなく、皮膚化粧料としては、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション等が挙げられる。
チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸、上記抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤を皮膚化粧料に配合する場合、その配合量は、皮膚化粧料の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、約0.0001〜10質量%であり、特に好適な配合率は、標準的な抽出物に換算して約0.001〜1質量%である。
本実施形態の皮膚化粧料は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有する抗老化作用、I型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用を妨げない限り、通常の皮膚化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された他の有効成分との間の相乗作用が、通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
本実施形態の皮膚化粧料は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有する抗老化作用、I型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用を通じて、皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状の予防、治療または改善;骨粗鬆症等のコラーゲン産生の低下に起因する疾患の予防、治療または改善;損傷した腱や靱帯の再生促進;創傷または熱傷の治癒の促進;肺気腫等の肺疾患の予防、治療または改善;高血圧、動脈瘤等の血管性疾患の予防、治療または改善;慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、骨関節炎等の関節炎の予防、治療または改善;創傷または熱傷の治癒の促進;肌の新陳代謝を回復させ、こじわ、くすみ、色素沈着等の予防、治療または改善;再生医療;肌荒れ、乾燥肌等のほか、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)の予防、治療または改善;加齢による水分保持能やバリア機能等の改善;皮膚の乾燥・萎縮、弾力性の低下、小じわの形成等の皮膚の老化症状の予防又は改善;などをすることができる。
〔経口組成物〕
チコリ抽出物および/またはチコリ酸は、優れた抗老化作用を有しているため、経口組成物に配合するのに好適である。
経口組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「経口組成物」は、経口的に摂取される一般食品、飼料、健康食品、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。本実施形態に係る経口組成物は、当該経口組成物またはその包装に、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有する好ましい作用を表示することのできる経口組成物であることが好ましく、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品または医薬品であることが特に好ましい。
チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸、上記抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤を配合することにより、経口組成物に抗老化作用、I型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用を付与することができる。これらの作用は、経口組成物に付与されることで作用効果が発揮されやすいため、好適である。
チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸、上記抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤を経口組成物に配合する場合、その配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象となる経口組成物の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの抽出物摂取量が約1〜1000mgになるようにするのが好ましい。なお、添加対象の経口組成物が顆粒状、錠剤状またはカプセル状の経口組成物の場合、チコリ抽出物および/もしくはチコリ酸、上記抗老化剤、I型コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、SPT mRNA発現促進剤、AQP3 mRNA発現促進剤またはHAS3 mRNA発現促進剤の添加量は、添加対象の経口組成物に対して通常0.1〜100質量%であり、好ましくは5〜100質量%である。
本実施形態の経口組成物は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸をその活性を妨げないような任意の経口組成物に配合したものであっても良いし、チコリ抽出物および/またはチコリ酸を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
本実施形態の経口組成物は、チコリ抽出物および/またはチコリ酸が有する抗老化作用、I型コラーゲン産生促進作用、エラスチン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、SPT mRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用またはHAS3 mRNA発現促進作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用を通じて、皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状の予防、治療または改善;骨粗鬆症等のコラーゲン産生の低下に起因する疾患の予防、治療または改善;損傷した腱や靱帯の再生促進;創傷または熱傷の治癒の促進;肺気腫等の肺疾患の予防、治療または改善;高血圧、動脈瘤等の血管性疾患の予防、治療または改善;慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、骨関節炎等の関節炎の予防、治療または改善;創傷または熱傷の治癒の促進;肌の新陳代謝を回復させ、こじわ、くすみ、色素沈着等の予防、治療または改善;再生医療;肌荒れ、乾燥肌等のほか、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)の予防、治療または改善;加齢による水分保持能やバリア機能等の改善;皮膚の乾燥・萎縮、弾力性の低下、小じわの形成等の皮膚の老化症状の予防又は改善;などをすることができる。
本実施形態の経口組成物を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の経口組成物にすることができる。
チコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合し得る経口組成物は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液および調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられ、これらの経口組成物にチコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合するときに、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
なお、本実施形態の抗老化剤、皮膚化粧料および経口組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
以下、製造例および試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。なお、本試験例においては、被験試料として下記製造例1〜3で得た試料1〜3の他に、チコリ酸(東京化成工業社製,試料4)を使用した。
〔製造例1〕チコリ軟白葉部抽出物の製造
チコリの軟白葉部の乾燥物30gに50%容量エタノール450mlを加え、還流抽出器で80〜90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理をした。得られた抽出液を合わせて減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥してチコリ軟白葉部抽出物(8.5g,試料1)を得た。
〔製造例2〕チコリ根部抽出物の製造
チコリの根部の乾燥物30gに50%容量エタノール450mlを加え、還流抽出器で80〜90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理をした。得られた抽出液を合わせて減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥してチコリ根部抽出物(15g,試料2)を得た。
〔製造例3〕チコリ緑葉部抽出物の製造
チコリの緑葉部の乾燥物30gに50%容量エタノール450mlを加え、還流抽出器で80〜90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理をした。得られた抽出液を合わせて減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥してチコリ緑葉部抽出物(8g,試料3)を得た。
〔試験例1〕I型コラーゲン産生促進作用試験
チコリ緑葉部抽出物(試料3)について、以下のようにして、I型コラーゲン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料3,試料濃度は下記表1を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のI型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりI型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
I型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのI型コラーゲン量
B:試料無添加でのI型コラーゲン量
結果を表1に示す。
Figure 2021143131
表1に示すように、チコリ緑葉部抽出物(試料3)は優れたI型コラーゲン産生促進作用を示した。
〔試験例2〕エラスチン産生促進作用試験
チコリ緑葉部抽出物(試料3)について、以下のようにして、エラスチン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.2×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料3,試料濃度は下記表2を参照)を各ウェルに150μLずつ添加し、5日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、上清を回収し、培養上清に遊離したエラスチン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりエラスチン産生促進率(%)を算出した。
エラスチン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのエラスチン量
B:試料無添加でのエラスチン量
結果を表2に示す。
Figure 2021143131
表2に示すように、チコリ緑葉部抽出物(試料3)は優れたエラスチン産生促進作用を示した。
〔試験例3〕表皮ヒアルロン酸産生促進作用試験
チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)、チコリ緑葉部抽出物(試料3)およびチコリ酸(試料4)について、以下のようにして表皮ヒアルロン酸産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.0×10cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、24時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1〜4,試料濃度は下記表3を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のヒアルロン酸量を、ヒアルロン酸結合タンパク(HABP)を用いたサンドイッチ法により測定した。測定結果から、下記式により表皮ヒアルロン酸産生促進率(%)を算出した。
表皮ヒアルロン酸産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのヒアルロン酸量
B:試料無添加でのヒアルロン酸量
結果を表3に示す。
Figure 2021143131
表3に示すように、チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)、チコリ緑葉部抽出物(試料3)およびチコリ酸(試料4)は優れた表皮ヒアルロン酸産生促進作用を示した。
〔試験例4〕表皮角化細胞増殖促進作用試験
チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)、チコリ緑葉部抽出物(試料3)およびチコリ酸(試料4)について、以下のようにして表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を3.0×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、24時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1〜4,試料濃度は下記表4を参照)を各ウェルに100μL添加し3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKMG培地を用いて同様に培養した。
表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。すなわち、3日間培養後、培地を除去し、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)緩衝液に溶解したMTTを各ウェル100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。得られた結果から、下記式により表皮角化細胞増殖促進率(%)を算出した。
表皮角化細胞増殖促進率(%)=St/Ct×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
St:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
Ct:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表4に示す。
Figure 2021143131
表4に示すように、チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)、チコリ緑葉部抽出物(試料3)およびチコリ酸(試料4)は優れた表皮角化細胞増殖促進作用を示した。
〔試験例5〕セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用試験
チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)およびチコリ緑葉部抽出物(試料3)について、以下のようにしてSPT mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を40×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(80×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1〜3,試料濃度は下記表5を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、SPTおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用い、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。SPT mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりSPT mRNA発現促進率(%)を算出した。
SPT mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表5に示す。
Figure 2021143131
表5に示すように、チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)およびチコリ緑葉部抽出物(試料3)は優れたSPT mRNA発現促進作用を示した。
〔試験例6〕アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用試験
チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)、チコリ緑葉部抽出物(試料3)およびチコリ酸(試料4)について、以下のようにしてAQP3 mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を40×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(80×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1〜4,試料濃度は下記表6を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、AQP3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。AQP3 mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりAQP 3mRNA発現促進率(%)を算出した。
AQP3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表6に示す。
Figure 2021143131
表6に示すように、チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)、チコリ緑葉部抽出物(試料3)およびチコリ酸(試料4)は優れたAQP3 mRNA発現促進作用を示した。
〔試験例7〕ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進作用試験
チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)およびチコリ緑葉部抽出物(試料3)について、以下のようにしてHAS3 mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を40×10cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(80×10cells/シャーレ)、37℃・5%COの条件下で一晩培養した。培養後、培地を正常ヒト表皮角化細胞基礎培地(KBM,上記KGM培地に増殖因子(hEGF,BPE,インスリン)を添加していないもの)に交換し、さらに24時間培養した。
24時間培養後、培地を除去し、KBM培地に溶解した被験試料(試料1〜3,試料濃度は下記表7を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%COの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKBM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、HAS3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用い、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。HAS3 mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりHAS3 mRNA発現促進率(%)を算出した。
HAS3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表7に示す。
Figure 2021143131
表7に示すように、チコリ軟白葉部抽出物(試料1)、チコリ根部抽出物(試料2)およびチコリ緑葉部抽出物(試料3)は優れたHAS3 mRNA発現促進作用を示した。
〔配合例1〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
チコリ軟白葉部抽出物(製造例1) 0.03g
チコリ酸 0.02g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性カンゾウエキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例2〕
下記組成に従い、乳液を常法により製造した。
チコリ根部抽出物(製造例2) 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルレチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
チコリ酸 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
〔配合例4〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
チコリ緑葉部抽出物(製造例3) 2.0mg
チコリ酸 3.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
〔配合例5〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
チコリ緑葉部抽出物(製造例3) 0.3質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)
本発明の抗老化剤は、皮膚のシワの形成、弾力性の低下、保湿機能の低下等の皮膚の老化症状を予防、治療または改善などに大きく貢献できる。

Claims (6)

  1. チコリ抽出物および/またはチコリ酸を有効成分とする抗老化剤であって、
    ヒアルロン酸産生促進用途、表皮角化細胞増殖促進用途およびAQP3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする抗老化剤。
  2. チコリ抽出物を有効成分とする抗老化剤であって、
    I型コラーゲン産生促進用途、エラスチン産生促進用途、SPT mRNA発現促進用途およびHAS3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする抗老化剤。
  3. チコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合した皮膚化粧料であって、
    ヒアルロン酸産生促進用途、表皮角化細胞増殖促進用途およびAQP3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする皮膚化粧料。
  4. チコリ抽出物を配合した皮膚化粧料であって、
    I型コラーゲン産生促進用途、エラスチン産生促進用途、SPT mRNA発現促進用途およびHAS3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする皮膚化粧料。
  5. チコリ抽出物および/またはチコリ酸を配合した経口組成物であって、
    ヒアルロン酸産生促進用途、表皮角化細胞増殖促進用途およびAQP3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする経口組成物。
  6. チコリ抽出物を配合した経口組成物であって、
    I型コラーゲン産生促進用途、エラスチン産生促進用途、SPT mRNA発現促進用途およびHAS3 mRNA発現促進用途からなる群より選択される1種または2種以上の用途に用いられる
    ことを特徴とする経口組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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