JP2020089300A - コンバインのdpf設置構造 - Google Patents
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Abstract
Description
上記DPF装置のカバー体は、前後左右及び上下に各配設される多数の支持部材を枠組みして構成されるフレームの外周に対し、複数の側壁カバーを貼付けた状態で組み付けることによって、DPFの全周を多くの部材で囲うように構成されている。
然しながら、上記文献のDPF設置構造は、多くの支持部材を用いてその外周を複数のカバーによって囲うので、カバーユニットの構造が複雑化していると共に、メンテナンス作業側になる右側カバーは前後方向の中央部を支持しない軟弱覆い構造によって構成されている。
そして、この種コンバインでは、グレンタンクを外方に回動退避させて脱穀部の右側を広く開放して行うメンテナンス作業時に、機台上にいる作業者がカバー体の上部又は右側カバーの中央部に足を載せて乗りあがるような場合には、その足載せ荷重によってカバーが変形し通気間隔を狭め通気を妨げ、カバー体内に熱をこもらせ(以下単に熱こもりと言う)DPFやカバー等の過度の加熱を伴うと共に、カバー変形によってDPFの外周に設置されている温度等を検知するセンサやハーネス類を損傷させ易い等の足載せ(足踏み)トラブルを生ずる欠点がある。
つまり、この種DPF設置構造においては、前後の支持部材に取付けられる上部及び右側カバーの中途部は軟弱構造であるため、作業者が足載せすることは想定していないか又は禁止対応事項とされることから、このコンバインでは、足載せトラブルを回避する上でDPF装置には「足載せ厳禁」等の表示がなされることが通例になっている。
従って、メンテナンス作業時にグレンタンクを外方に回動退避させて機台上に乗りあがる作業者が、脱穀部の高所に位置する天板部等の清掃や点検を急に思いつくような場合には、上記注意書きは看過され易く、作業者は咄嗟にDPF装置のカバー体に乗りあがり足載せ姿勢で高所箇所のメンテナンス作業を行うことは避けられないことがある。
一方、上記注意書きを厳守して高所位置のメンテナンス作業を行う場合には、予め所定高さの踏み台を準備しながらの作業になるので、足載せトラブルの回避に注意と対策を講じながら行うメンテナンス作業は煩雑で非能率なものになる等の課題もある。
前記DPF25の右側にカバー取付け用の支持部材31を走行機台4側から立設し、該支持部材31の上部にカバー支持腕31aをDPF25の上方に向け片持ち状に突出させると共に、その先端部にカバー体27の内面に沿って前後方向に接当するカバー受部材32を設けることにより、足載せ時にカバー体27に加わる荷重をDPF25にカバー受部材32を介して分担支持させることを特徴としている。
第2に、前記カバー受部材32を帯状板にすると共に、該カバー受部材32の板前後長の下側面とDPF25との間に断熱可能な支持間隙Hを形成して、カバー支持腕31aに支持することを特徴としている。
第3に、前記DPF25の前後部を、走行機台4側から前後方向の取付け間隔を有するDPF取付部材29を介して支持すると共に、該前後のDPF取付部材29に支持部材31を各立設し、そのカバー支持腕31aの上端をカバー受部材32によって各連結することを特徴としている。
カバー体とDPFとの間に形成される通気間隔内に入り込む気流をカバー受部材が妨げることなく整流状態にして排出を促進すると共に、作業者がカバー体に足載せする際の荷重を、カバー受部材がカバー体の変形を防止しながらDPFに分担支持させるため、DPF装置を簡潔で安価な構成の剛体構造にできると共に、補強部を踏み台としても利用可能にすることができるので、脱穀部等の高所位置のメンテナンス作業を能率よく容易に行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、前記カバー受部材を帯状板にすると共に、該カバー受部材の板前後長の下側面とDPFとの間に断熱可能な支持間隙を形成して、カバー支持腕に支持することにより、
DPFに対し支持間隙を有して設けられるカバー受部材は、直接的な熱伝導を規制してカバー体の過度の過熱を防止すると共に、足載せ時にはカバー体を介しカバー受部材の下側面をDPFに接当させて荷重分担をさせて支持することができる。
請求項3に係る発明によれば、前記DPFの前後部を、走行機台側から前後方向の取付け間隔を有するDPF取付部材を介して支持すると共に、該前後のDPF取付部材に支持部材を各立設し、そのカバー支持腕の上端をカバー受部材によって各連結することにより、
DPFの前後左右を走行機台に安定的に取付固定するDPF取付部材に、右側前後に立設する支持部材を強度を有して取付けた状態で、各支持部材のカバー支持腕を締結する片持ち状のカバー受部材が受ける足載せ荷重をDPFに分担支持するので、カバー体を安定よく支持するカバーユニットの構成を簡潔で軽量安価な構造にしながら、ユニット剛性を高めることができて、メンテナンス作業時の踏み台としての利用も可能にすることができる。
このコンバイン1は、クローラ式の走行装置3を有する走行機台4に、従来のものと同様に前処理部5と脱穀部6等の作業部を前後方向に配置し、脱穀部6の右側に運転部7とグレンタンク8を配置している。上記運転部7の運転座席9は走行機台4に箱枠状に構成されるエンジンカバー10上に設置している。
エンジンカバー10は、走行機台4に搭載されるエンジン11を冷却風路を形成して囲うように構成され、これによるエンジンカバー10は、右側壁から吸気される冷却風を後方の空間部Sに向けて排出しながらエンジン冷却作用をする。
またエンジンカバー10側から送出されて空間部S内を通過する冷却風は、DPF装置2を冷却したのち後方排出される。
次いで、グレンタンク8に収容された穀粒を、穀粒排出オーガ13の操作作動によって機外に排出して一連のコンバイン作業を遂行する。
そして、前記排出オーガ操作部15の操作に基づき旋回傾動機構17を介して横オーガ19を旋回及び傾動作動させることができ、所望位置での穀粒排出を各内装される螺旋体の回転によって行なうことができる。
つまり、グレンタンク8をメンテナンス作業姿勢にすると、脱穀部6及びエンジンカバー10から離間させて空間部S及び走行機台4の上方を大きく開放するため、右側脱穀部機壁6a側及び各種伝動機構6b並びにDPF装置2を露出させ、その点検修理や掃除等のメンテナンス作業に十分な作業スペースを形成することができる。
このDPF装置2は、空間部Sにおいて側面視で脱穀部6の前後長の略中間位置に、近隣のメンテナンス作業を容易に行うことができるように配置され、且つ高所メンテナンス作業時に踏み台としても利用可能に構成される。
またDPF25は円筒状本体ケースの右側面に対し、内部温度を各検知する前位置センサ25s、中位置センサ25s、後位置センサ25sと、本体ケース内部圧力を検知する圧力センサ等センサ類を集約状態で設置しており、上記複数のセンサ25s及び圧力センサ等のハーネス類はメンテナンス作業容易な右側ケース外方に設置される配線部25hに纏め、ここからコントロール部の制御機器に接続している。
尚、このコンバイン1は運転部7側のコントロール部に、エンジン11を随時操作によって強制的に高回転させる再生モードスイッチ(不図示)を有しており、エンジン11がアイドリング中である場合に、上記再生モードスイッチを操作してエンジン11を定格回転に制御するので、高温の排気ガスによってDPF25内の温度を上げてフィルタに付着する粒子状物質を随時燃やし、フィルタの目詰まりを防止し排気ガスの浄化処理性能を保持するようにしている。
先ず、図示例のDPF25は、円筒状のケース本体に対し複数の外周フレーム(補強枠)25aを前後方向に取付け間隔を有して嵌合状態で突設している。
DPF取付部材29は、図4,図7に示すような逆向き台形状の板状部材であり、板下部側に機台フレーム4aに立設状態に嵌合して取付けられる機体取付部と、上部側に外周フレーム25aをボルト固定可能にするケース取付部と、左右側にカバーユニット30を着脱可能に取付ける取付部29aとを形成している。(図7)
また前側のカバー支持腕31aから前方に離間して吸気パイプ24aの近傍に配設される前位置センサ25sには、カバー受部材32の前部を延長して接近させることにより、この延長部によってセンサ保護を図るようにしている。
これによるカバーユニット30は、例えば、過大な踏みつけ荷重や足載せ荷重及び器物の落下荷重によってカバー体27が凹入変形するような場合において、上記コーナー部を形成する部分のカバー受部材32とカバー支持腕31aがその近傍部の変形を僅少にして各センサ25sの保護を確実にすると共に、前位置センサ25sはカバー受部材32の延長部によってカバー変形を防止して保護される。
尚、カバー受部材32の長さは、前側のカバー支持腕31aによる支持位置から前方に向けてより長くして設けることが望ましく、この場合には後方排気されるエンジン冷却風をDPF25のより前部位置で左右に仕分けて取り込み、帯板面によって整流状態に案内しながらDPF25を効率よく冷却しつつ後方排出を熱こもりなくスムーズにすることができる。
つまり、これによるカバーユニット30は、カバーフレーム28を取付けた通常時の使用状態において、カバー受部材32が外周フレーム25aから前記支持間隙Hを有して上方に離間するため、DPF25からの直接的な熱伝導が規制される結果、カバー体27の過度の過熱を簡単な構成によって効率よく防止することができる。
またカバー受部材32を薄鉄板で製作する際には、帯状板の下端部をL字状又はコ字状に形成することが望ましく、この場合には足載せ時に下側面を広い平坦面積となし外周フレーム25aに面接当させ、応力集中させることなく安定支持することができる。
これによるカバー体27は、カバーフレーム28に組付けられた状態では、右側カバー27aと左側カバー27bとが互いに接合されて支持し合う正面視で山形屋根状をなす剛体構造にすることができる。
このDPF装置2は、前記空間部Sに設置されるDPF25を取付けるDPF取付部材29の右側に支持部材31を立設すると共に、その上部でDPF25の外周接線方向に片持ち状に突出するカバー支持腕31aの先端部にカバー受部材32を設け、該カバー受部材32によってカバー体27の内面を前後向きにDPF25側から支持するカバーフレーム構造にしたことにより、エンジン11から送出される冷却風を前記通気間隔内をスムーズに通過させながら熱こもりを防止し、DPF25及びカバー体27の過度の過熱を防止すると共に、DPF設置構造を簡潔で安価な剛体構造にしながら踏み台としての利用も可能にする。
尚、この際にカバー体27に降りかかり堆積しようとする藁屑等の塵埃は安息角と風流によって後方落下に向けて排出される。
2 DPF装置
4 走行機台
5 前処理部
6 脱穀部
7 運転部
8 グレンタンク
10 エンジンカバー
11 エンジン
25 DPF
27 カバー体
29 DPF取付部材
31 支持部材
31a カバー支持腕
32 カバー受部材
H 支持間隙
S 空間部
Claims (3)
- 前処理部(5)を備える走行機台(4)の後方左側に脱穀部(6)を、右側に運転部(7)及びエンジンカバー(10)で囲われるエンジン(11)並びにグレンタンク(8)が配置され、且つ脱穀部(6)とグレンタンク(8)との間に形成される空間部(S)に、エンジン排気ガス浄化用のDPF(25)を前後方向に配置すると共に、該DPF(25)の外周に通気間隔を有して覆うカバー体(27)を設けるコンバインのDPF設置構造において、
前記DPF(25)の右側にカバー取付け用の支持部材(31)を走行機台(4)側から立設し、該支持部材(31)の上部にカバー支持腕(31a)をDPF(25)の上方に向け片持ち状に突出させると共に、その先端部にカバー体(27)の内面に沿って前後方向に接当するカバー受部材(32)を設けることにより、足載せ時にカバー体(27)に加わる荷重をDPF(25)にカバー受部材(32)を介して分担支持させることを特徴とするコンバインのDPF設置構造。 - 前記カバー受部材(32)を帯状板にすると共に、該カバー受部材(32)の板前後長の下側面とDPF(25)との間に断熱可能な支持間隙(H)を形成して、カバー支持腕(31a)に支持する請求項1記載のコンバインのDPF設置構造。
- 前記DPF(25)の前後部を、走行機台(4)側から前後方向の取付け間隔を有するDPF取付部材(29)を介して支持すると共に、該前後のDPF取付部材(29)に支持部材(31)を各立設し、そのカバー支持腕(31a)の上端をカバー受部材(32)によって各連結する請求項1又は2記載のコンバインのDPF設置構造。
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