JP2020088062A - 多層配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路凹みが無く表面平坦性に優れた埋め込み配線層を備えた多層配線板を簡便かつ確実に製造可能な方法を提供する。【解決手段】多層配線板の製造方法であって、(a)支持体、剥離樹脂層及び金属箔をこの順に備えた積層シートを用意する工程と、(b)金属箔にエッチングを伴うパターニングを施して第1配線層を形成する工程と、(c)積層シートの第1配線層側の面に絶縁層及び配線層を順に又は交互に形成して、第1配線層が埋め込み配線層の形で組み込まれた多層配線板とし、その際、絶縁層と剥離樹脂層との間の剥離強度が、支持体と剥離樹脂層との間の剥離強度よりも低いものとなる工程と、(d)多層配線板から支持体を剥離樹脂層とともに剥離して単体の多層配線板を得る工程とを含む方法。【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線板の製造方法に関する。
近年、プリント配線板の実装密度を上げて小型化するために、プリント配線板の多層化が広く行われるようになってきている。このような多層プリント配線板は、携帯用電子機器の多くで、軽量化や小型化を目的として利用されている。そして、この多層プリント配線板には、層間絶縁層の更なる厚みの低減、及び配線板としてのより一層の薄型化及び軽量化が要求されている。
このような要求を満足させる技術として、支持体(コア)上に絶縁層及び配線層をビルドアップ層として形成するプリント配線板の工法が提案されており、その一つとして支持体表面の金属箔上に配線層を形成し、更にビルドアップ層を形成した後、支持体を分離するコアレスビルドアップ法を用いた製造方法が採用されている。表面に金属箔が備わった支持体用の部材としてキャリア付金属箔を用いたコアレスビルドアップ法によるプリント配線板の製造方法の従来例が図8及び9に示される。図8及び9に示される例では、まず、キャリア112、剥離層114及び金属箔116をこの順に備えたキャリア付金属箔110を、プリプレグ等のコアレス支持体118に積層する。次いで、金属箔116にフォトレジスト120を所定のパターンで形成し、パターンめっき(電気銅めっき)122の形成及びフォトレジスト120の剥離を経て配線パターン124を形成させる。そして、パターンめっき122に粗化処理等の積層前処理を施して第1配線層126とする。次いで、図9に示されるように、ビルドアップ層142を形成すべく第1配線層126を絶縁層128に埋め込まれた構造とする。この積層工程では、絶縁層128及びキャリア付金属箔130(キャリア132、剥離層134及び金属箔136を備える)を積層し、キャリア132を剥離し、かつ、炭酸ガスレーザー等により金属箔136及びその直下の絶縁層128をレーザー加工する。続いて、フォトレジスト加工、無電解銅めっき、電解銅めっき、フォトレジスト剥離及びフラッシュエッチング等によりパターニングを行って第2配線層138を形成し、このパターニングを必要に応じて繰り返して第n配線層140(nは2以上の整数)まで形成する。そして、コアレス支持体118をキャリア112とともに剥離して多層配線板144とし、第1配線層126の表面に露出する金属箔116と、存在する場合にはビルドアップ層142の第n配線層140の配線パターン間に露出する金属箔136とをフラッシュエッチングにより除去して所定の配線パターンとし、プリント配線板146を得る。こうして得られたプリント配線板146は、第1配線層126を埋め込み配線層の形で内包しているため、第1配線層126側の表面が平坦となり、半導体チップの実装性に優れる等の利点を持つ。
ところで、上述したコアレスビルドアップ法において、キャリア付金属箔に代えて樹脂層付金属箔を用いることも提案されている。例えば、特許文献1(特許第5936794号公報)には、非極性樹脂、熱硬化性樹脂、及び離型剤を所定の割合で含む樹脂層を採用した樹脂層付金属箔が開示されており、この樹脂層付金属箔によれば、熱間プレスに耐えうる材料でありながら、樹脂層の破壊を生じさせることなく有意に低い剥離強度で金属箔−樹脂層間の剥離を実現できるとされている。また、特許文献1には、樹脂層付金属箔の金属箔表面に絶縁層と内層回路を含む配線層とを交互に積層してビルドアップ配線層付積層体を形成し、このビルドアップ配線層付積層体を金属箔と樹脂層との界面で分離して多層金属張積層板を得た後、得られた多層金属張積層板の外層にある金属箔をエッチング除去する等して多層プリント配線板を得ることも開示されている。
特許第5936794号公報
ところで、上述したコアレスビルドアップ法によるプリント配線板の製造工程において、フラッシュエッチングによる金属箔116の除去を適切に制御することは容易ではない。すなわち、図10に示されるように、フラッシュエッチングを行う前には、埋め込み配線層である第1配線層126は金属箔116で隠れており視認できない。そのため、フラッシュエッチングの際に、除去されるべき金属箔116に留まらず、本来除去されるべきでない第1配線層126まで過剰に溶出が進行しがちである。その結果、第1配線層126に回路凹み126aが生じてしまい、埋め込み配線層の回路高さが仕様の範囲を超えて想定以上に減少することが起こりうる。さらに、このフラッシュエッチングによる金属箔116の除去はコアレス支持体118の剥離後でなければ実施することができない。そのため、金属箔116を除去する前の段階において、他の配線層やビアホール等が正常に形成されていたとしても、上記フラッシュエッチングに起因する埋め込み配線層の高さ不良によって、多層配線板全体が使用できなくなることもありうる。このように、埋め込み配線層の回路高さを仕様範囲に維持することが困難な点は、プリント配線板の製造コスト増の要因の一つとなっており、改善が望まれている。
本発明者らは、今般、支持体、剥離樹脂層及び金属箔を備えた積層シートを用いて、金属箔のエッチング加工による第1配線層の形成並びにその後の絶縁層及び配線層の形成を行い、最後に支持体及び剥離樹脂層を一緒に剥離することにより、回路凹みが無く表面平坦性に優れた埋め込み配線層を備えた多層配線板を簡便かつ確実に製造できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、回路凹みが無く表面平坦性に優れた埋め込み配線層を備えた多層配線板を簡便かつ確実に製造可能な方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、多層配線板の製造方法であって、
(a)支持体、剥離樹脂層及び金属箔をこの順に備えた積層シートを用意する工程と、
(b)前記金属箔にエッチングを伴うパターニングを施して第1配線層を形成する工程と、
(c)前記積層シートの前記第1配線層側の面に絶縁層及び配線層を順に又は交互に形成して、前記第1配線層が埋め込み配線層の形で組み込まれた多層配線板とし、その際、前記絶縁層と前記剥離樹脂層との間の剥離強度が、前記支持体と前記剥離樹脂層との間の剥離強度よりも低いものとなる工程と、
(d)前記多層配線板から前記支持体を前記剥離樹脂層とともに剥離して単体の多層配線板を得る工程と、
を含む、方法が提供される。
本発明の製造方法の一例を示す工程流れ図である。 MSAP法による回路パターン形成の一例を示す工程流れ図である。 サブトラクティブ法による回路パターン形成の一例を示す工程流れ図である。 例1で作製された、剥離樹脂層を剥離する前のサンプル積層体の断面を撮影した写真である。 例1で作製された、剥離樹脂層を剥離した後のサンプル基板の断面を撮影した写真である。 例2で作製された、剥離樹脂層を剥離する前のサンプル積層体の断面を撮影した写真である。 例2で作製された、剥離樹脂層を剥離した後のサンプル基板を撮影した写真である。 コアレスビルドアップ法を用いた多層配線板の製造方法の従来例における、前半の工程を示す図である。 コアレスビルドアップ法を用いた多層配線板の製造方法の従来例における、図8に示される工程に続く後半の工程を示す図である。 従来の方法における埋め込み配線層の過剰エッチングを説明するための断面模式図である。
多層配線板の製造方法
本発明による多層配線板の製造方法は、(1)積層シートの用意、(2)第1配線層の形成、(3)多層配線板の形成、(4)支持体及び剥離樹脂層の剥離、及び(5)所望により行われる多層配線板の加工の各工程を含む。
図1に本発明の製造方法の一例を示す。また、図2にMSAP法による回路パターン形成の一例を示す一方、図3にサブトラクティブ法による回路パターン形成の一例を示す。以下、これらの図面を参照しながら、工程(1)から工程(5)までの各々について説明する。
(1)積層シートの用意
図1(i)に示されるように、多層配線板を形成するためのベースとなる積層シート10を用意する。積層シート10は支持体12、剥離樹脂層14及び金属箔16をこの順に備える。なお、図1(i)に示される態様は説明の簡略化のために支持体12の片面に剥離樹脂層14及び金属箔16を設けて多層配線板24を形成するように描かれているが、支持体12の両面に剥離樹脂層14及び金属箔16を設けて当該両面に対して多層配線板24を形成するのが望ましい。積層シート10の好ましい態様については後述するものとする。
(2)第1配線層の形成
図1(ii)に示されるように、金属箔16にエッチングを伴うパターニングを施して第1配線層18を形成する。このように、金属箔16を利用して第1配線層18を形成することで、後述する多層配線板の形成工程の前に金属箔16の不要部分を除去することができる。エッチングを伴うパターニングはいかなる手法で行ってもよく、例えばMSAP(モディファイド・セミアディティブ・プロセス)法、SAP(セミアディティブ・プロセス)法、サブトラクティブ法等の公知の工法が使用可能である。
ここで、MSAP法による回路パターン形成の一例が図2に示される。この場合、まず、金属箔16の表面にフォトレジスト17aを所定のパターンで形成する(図2(i))。フォトレジスト17aは感光性フィルムであるのが好ましく、この場合は露光及び現像により所定のパターンをフォトレジスト17aに付与すればよい。次いで、金属箔16の露出表面(すなわちフォトレジスト17aでマスキングされていない部分)に電気めっき層17bを形成し、フォトレジスト17aを剥離する(図2(ii))。その後、露出した金属箔16の不要部分をエッチングで除去することにより、第1配線層18を形成する(図2(iii))。なお、後述する多層配線板の形成工程において、第1配線層18及びエッチングにより露出した剥離樹脂層14上に絶縁層20が積層されることになる(図2(iv))。
あるいは、埋め込み回路となる第1配線層18を、アディティブ法と比較して工数の少ないサブトラクティブ法で形成することも可能である。サブトラクティブ法による回路パターンの形成の一例が図3に示される。この場合、まず、金属箔16の表面にドライフィルムを貼り付け、所定のパターンで露光及び現像を行い、エッチングレジスト17cを形成する(図3(i))。次いで、エッチングレジスト17cが形成された金属箔16をエッチング処理することにより、エッチングレジスト17c間から露出した金属を溶解除去した後、エッチングレジスト17cを剥離して第1配線層18とする(図3(ii))。その後、MSAP法の場合と同様に、後述する多層配線板の形成工程において、第1配線層18及びエッチングにより露出した剥離樹脂層14上に絶縁層20が積層されることになる(図3(iii))。
(3)多層配線板の形成
図1(iii)に示されるように、積層シート10の第1配線層18側の面に絶縁層20及び第n配線層22(nは2以上の整数)を順に又は交互に形成して、第1配線層18が埋め込み配線層の形で組み込まれた多層配線板24とする。その際、絶縁層20と剥離樹脂層14との間の剥離強度が、支持体12と剥離樹脂層14との間の剥離強度よりも低くなるように設定されている。そのため、第1配線層18を埋め込むための絶縁層20を積層する前に金属箔16の不要部分をエッチング除去しても、ビルドアップ層を構成する絶縁層20及び第n配線層22の形成後に支持体12及び剥離樹脂層14を一緒に剥離することが可能となる。
この点、従来のキャリア付金属箔や樹脂層付金属箔等を用いたコアレスビルドアップ法では、第1配線層を形成する段階(すなわち絶縁層を積層する前の段階)で金属箔の不要部分をエッチング除去することは困難である。すなわち、仮に第1配線層を形成する段階で金属箔の不要部分を除去した場合、当該除去部分の表面にはキャリア又は樹脂層が露出することになる。そして、この状態で絶縁層を積層すると、露出したキャリア又は樹脂層が絶縁層と強固に接着してしまい、後の工程でキャリア又は樹脂層を多層配線板から剥離することができなくなるためである。そのため、前述したとおり、従来のコアレスビルドアップ法を用いた多層配線板の製造では、コアレス支持体の剥離後(すなわち多層配線板作製後の最終段階)にフラッシュエッチングで金属箔を除去する必要があり、フラッシュエッチング制御の困難さに起因する埋め込み配線層の高さ不良の問題が生じていた。これに対して、本発明によれば、金属箔16の不要部分をエッチング除去した際、当該除去部分の表面に露出するのは剥離樹脂層14となり、この剥離樹脂層14の露出部分と絶縁層20とが密着することになる(例えば図2(iii)及び(iv)、並びに図3(ii)及び(iii)を参照)。そして、本発明では絶縁層20と剥離樹脂層14との間の剥離強度が、支持体12と剥離樹脂層14との間の剥離強度よりも低くなるように設定されている。そのため、多層配線板24の形成後に不要となった支持体12及び剥離樹脂層14を、破壊を生じさせることなく多層配線板24から一緒に剥離することが可能となり、それ故回路凹みが無く表面平坦性に優れた埋め込み配線層を備えた多層配線板を得ることができる。
多層配線板24からの支持体12及び剥離樹脂層14の剥離を容易に行う観点から、絶縁層20と剥離樹脂層14との間の剥離強度は、支持体12と剥離樹脂層14との間の剥離強度の0.1倍以上0.8倍以下であるのが好ましく、より好ましくは0.2倍以上0.75倍以下、さらに好ましくは0.3倍以上0.7倍以下である。また、絶縁層20と剥離樹脂層14との間の剥離強度は、支持体12と剥離樹脂層14との間の剥離強度よりも、5g/cm以上100g/cm以下低いことが好ましく、20g/cm以上60g/cm以下低いことがより好ましい。剥離強度の測定は、支持体12及び絶縁層20が硬化された状態(典型的には200℃で加熱した後)において、JIS C 6481−1996に準拠して実施することができる。絶縁層20及び剥離樹脂層14間の剥離強度、並びに支持体12及び剥離樹脂層14間の剥離強度は、剥離樹脂層14の材質や特性を調整すること、あるいは支持体12及び絶縁層20における剥離樹脂層14側の表面粗さを調整すること等により制御することが可能である。
上記観点から、支持体12の剥離樹脂層14側の表面の算術平均粗さRaであるRが2.0μm以上であるのが好ましく、より好ましくは2.5μm以上、さらに好ましくは2.8μm以上、特に好ましくは3.0μm以上である。Rの上限値は特に限定されるものではないが、典型的には15.0μm以下であり、より典型的には10.0μm以下である。このような表面粗さであると、表面の凹凸に起因するアンカー効果によって、剥離樹脂層14との密着性が高まり、支持体12及び剥離樹脂層14間の剥離強度が向上する。一方、剥離樹脂層14との密着性を低くする観点から、硬化後の絶縁層20の剥離樹脂層14側の表面の算術平均粗さRaであるRが2.0μm未満であるのが好ましく、より好ましくは1.5μm未満、さらに好ましくは1.2μm未満、特に好ましくは1.0μm未満である。Rの下限値は特に限定されるものではないが、典型的には0.1μm以上であり、より典型的には0.2μm以上である。さらに、Rに対するRの比R/Rが0.5以下であるのが好ましく、より好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.4以下、特に好ましくは0.35以下である。比R/Rの下限値は特に限定されるものではないが、典型的には0.05以上であり、より典型的には0.1以上である。こうすることで、剥離樹脂層14において、絶縁層20に対する剥離強度を支持体12に対する剥離強度よりも低く制御することがより一層容易となる。この算術平均粗さRaは、硬化された状態の支持体12又は絶縁層20に対して、JIS B 0601−2001に準拠して市販の粗さ測定装置を用いて測定することができる。
多層配線板24は少なくとも2層の配線層(すなわち少なくとも第1配線層18及び第2配線層22)を少なくとも1層の絶縁層20とともに有する。絶縁層20及び第n配線層22の形成は所望の層数の配線層が得られるまで繰り返し行えばよい。この段階で、必要に応じて、外層面にソルダーレジストや、ピラー等の実装用のバンプ等を形成してもよい。絶縁層20及び第n配線層22の形成方法についての工法は特に限定されず、サブトラクティブ法、MSAP法、SAP法、フルアディティブ法等が使用可能である。例えば、樹脂層及び銅箔に代表される金属箔を同時にプレス加工で張り合わせる場合は、ビアホール形成及びパネルめっき等の層間導通手段の形成と組み合わせて、当該パネルめっき層及び金属箔をエッチング加工して、配線パターンを形成することができる。また、第1配線層18の表面に樹脂層のみをプレス又はラミネート加工により張り合わせる場合は、その表面にSAP法で配線パターンを形成することもできる。絶縁層20及び第n配線層22を形成する工程は、レーザー等でビアホールを形成した際に生じるビアホール底部の樹脂残渣(スミア)を除去する工程として、クロム酸塩溶液及び過マンガン酸塩溶液の少なくともいずれか一方を用いたデスミア工程を含むのが好ましい。
絶縁層20を形成するための樹脂層を積層する前に、第1配線層18に内層処理を施してもよい。内層処理はCZ処理等の粗化処理を含むのが好ましく、CZ処理は有機酸系マイクロエッチング剤(例えばメック株式会社製、CZ−8101)を用いて、第1配線層18表面に微細粗化を施すことにより好ましく行うことができる。こうすることで、第1配線層18表面に微細凹凸を形成し、第1配線層18と絶縁層20との密着性を向上させることができる。
(4)支持体及び剥離樹脂層の剥離
多層配線板24から支持体12を剥離樹脂層14とともに剥離して単体の多層配線板24を得る。剥離の方法は、物理的な引き剥がしが好ましく、この引き剥がし方法については、機械若しくは冶具、手作業又はこれらの組合せによる方法が採用され得る。上述したように、本発明では第1配線層18を形成する段階で金属箔16の不要部分を予めエッチング除去しているため、支持体12及び剥離樹脂層14を一緒に剥離しさえすれば、埋め込み回路である第1配線層18を備えた単体の多層配線板24を得ることができる。換言すれば、支持体12及び剥離樹脂層14の剥離後に、多層配線板24の第1配線層18側表面にフラッシュエッチングを行うことを要しないため、オーバーエッチングによる第1配線層18における回路凹みの発生を回避できる。その結果、従来のコアレスビルドアップ法で問題とされていた埋め込み回路の高さ不良が効果的に抑制された、表面平坦性に優れた埋め込み回路を備えた多層配線板を得ることができる。
(5)多層配線板の加工(任意工程)
こうして得られた単体の多層配線板24を必要に応じて加工し、プリント配線板を得ることもできる。この工程では、上記剥離工程により得られた単体の多層配線板24を用いて所望の多層プリント配線板に加工する。多層配線板24から多層プリント配線板への加工方法は公知の種々の方法を採用すればよい。例えば、多層配線板24にさらにビルドアップ配線層としての絶縁層と配線層を任意の層数として積層してもよく、或いは第1配線層18の表面にソルダーレジストを形成し、Ni−Auめっき、Ni−Pd−Auめっき、水溶性プレフラックス処理等の外層パッドとしての表面処理を施してもよい。さらには外層パッドに柱状のピラー等を設けてもよい。この際、本発明の製造方法で作製された第1配線層18は回路凹みの発生が極めて少ないものとなる。このため、回路厚さの極端に薄い部位や回路凹み等に起因する表面処理工程における局所的な処理不良やソルダーレジスト残渣不良、更には実装パッドの凹凸による実装不良等の不具合発生率の少ない、実装信頼性に優れたプリント配線板を得ることができる。
積層シート
前述したとおり、本発明の方法で用いられる積層シート10は、支持体12、剥離樹脂層14及び金属箔16をこの順に備える(図1(i))。
支持体12は所望の剛性を有するものであればその材質は特に限定されず、例えば樹脂、金属、ガラス、セラミックス、又はそれらの組合せであってよいが、剥離樹脂層14との密着性の観点から樹脂を含むのが好ましい。また、支持体12はプリプレグの形態であってもよい。プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸させた複合材料の総称である。
支持体12は2層以上の層構成を有していてもよい。例えば、支持体12は、樹脂層と、この樹脂層の少なくとも一方の表面に設けられる金属層とを備えたものであってもよい。この金属層はステンレス板等の剛性を有する金属板であってもよい。樹脂層は、樹脂を含むものであり、例えばプリプレグや樹脂シート等の形態でありうる。金属層は樹脂層の片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。金属層を構成する金属の好ましい例としては、Cu、Al、Ni及びそれらの組合せが挙げられ、より好ましくはCu、Al及びそれらの組合せ、さらに好ましくはCuが挙げられる。金属層は純金属であってもよいし、合金であってもよい。
支持体12の軟化点は180℃であるのが好ましく、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは220℃以上、最も好ましくは250℃以上である。こうすることで、ビルドアップ層の形成時等において、複数回の加熱プレスを受けた際にも、所望の剛性を保持することが可能となる。軟化点はISO 306のB50法(荷重50N)に準拠して測定することができる。
加熱に伴う反り防止の観点から、支持体12の熱膨張係数は1ppm/℃以上400ppm/℃以下であるのが好ましく、より好ましくは1ppm/℃以上350ppm/℃以下、さらに好ましくは1ppm/℃以上300ppm/℃以下である。熱膨張係数はIPC−TM−650(TM 2.4.24C)に準拠して測定することができる。
剥離樹脂層14は、多層配線板24から支持体12を剥離する際、支持体12とともに剥離される樹脂からなる層である。剥離樹脂層14は、絶縁層20との剥離強度が支持体12との剥離強度よりも低くなるように、材質や特性等が調整されているのが好ましい。
絶縁層20との剥離性を向上する観点から、剥離樹脂層14はフッ素を含有するのが好ましい。剥離樹脂層14のフッ素濃度は300ppm以上100000ppm以下が好ましく、より好ましくは500ppm以上80000ppm以下、さらに好ましくは700ppm以上70000ppm以下、特に好ましくは900ppm以上60000ppm以下、最も好ましくは1000ppm以上50000ppm以下である。剥離樹脂層14のフッ素濃度の測定は燃焼イオンクロマトグラフィーにより実施することができる。
剥離樹脂層14は支持体12側表面、及び剥離樹脂層14の支持体12と反対側表面(すなわち絶縁層20と接する側の表面)でフッ素濃度が異なっていてもよい。この場合、剥離樹脂層14の支持体12側表面のフッ素濃度Fが300ppm以上であるのが好ましく、より好ましくは500ppm以上80000ppm以下、さらに好ましくは700ppm以上70000ppm以下、特に好ましくは900ppm以上60000ppm以下である。一方、剥離樹脂層14の支持体12と反対側表面のフッ素濃度Fが600ppm以上であるのが好ましく、より好ましくは1000ppm以上300000ppm以下、さらに好ましくは2000ppm以上250000ppm以下、特に好ましくは3000ppm以上200000ppm以下である。また、上記Fに対する上記Fの比、すなわちF/Fが2以上であるのが好ましく、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは2.8以上、特に好ましくは3.0以上である。F/Fの上限値は特に限定されるものではないが、典型的には10.0以下である。こうすることで、支持体12との適度な密着力を確保する一方、絶縁層20との密着力を望ましく低くして、絶縁層20に対する剥離強度を支持体12に対する剥離強度よりも低く制御することがより一層容易となる。このフッ素濃度F及びFはフッ素コート処理により調整することが可能である。また、フッ素濃度F及びFの測定は、剥離樹脂層14の支持体12側表面、及びその反対側表面に対して、それぞれ当該部分の燃焼イオンクロマトグラフィーにより実施することができる。なお、本発明において「剥離樹脂層14の支持体12側表面」、及び「剥離樹脂層14の支持体12と反対側表面」とは、当該表面のみならずその近傍(例えば表面から10μmの範囲)をも包含するものである。
剥離樹脂層14は、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルサルフォン、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、及びスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含むのが好ましく、より好ましくはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルサルフォン、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、及びスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含み、さらに好ましくはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルサルフォン、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリオレフィン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、及びスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む。こうすることで、剥離樹脂層14に望ましい耐熱性を付与しながら剥離性及び密着性をバランス良く実現することができる。
剥離樹脂層14の形成は、上記樹脂や離型剤(例えばフッ素系界面活性剤)、必要に応じて無機フィラー等を溶剤(好ましくはトルエン等の有機溶剤)に溶解して樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを金属箔16に塗布し、乾燥、及び加熱処理を施すことにより好ましく行うことができる。樹脂ワニスは、樹脂固形分が5重量%以上50重量%以下であるのが好ましく、より好ましくは15重量%以上40重量%以下である。乾燥は自然乾燥、風乾、及び加熱乾燥のいずれであってもよい。また、加熱処理は所望の剥離樹脂層14が形成されるかぎりその条件は特に限定されないが、例えば50℃以上200℃以下(好ましくは80℃以上180℃以下)の温度で例えば1分間以上10分間以下(好ましくは1分間以上5分間以下)行えばよい。
剥離樹脂層14の厚さは特に限定されないが、1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは10μm以上70μm以下であり、特に好ましくは15μm以上50μm以下である。これらの範囲内の厚さであると樹脂組成物の塗布により剥離樹脂層14の形成がしやすいとともに、望ましく高いせん断強度を確保することができ、それにより破断、割れ等の破壊が生じにくくなる。
金属箔16は特に限定されず、公知の種々の材質の箔であることができ、圧延箔及び電解箔のいずれであってもよい。金属箔16を構成する金属の好ましい例としては、Cu、Al、Ni、Co、Zn、Cr、及びそれらの組合せが挙げられる。金属箔16は純金属であってもよいし、合金であってもよい。好ましい金属箔16は銅箔又は銅合金箔である。
金属箔16は、電解製箔又は圧延製箔されたままの金属箔(いわゆる生箔)であってもよいし、少なくともいずれか一方の面に表面処理が施された表面処理箔の形態であってもよい。表面処理は、金属箔16の表面において何らかの性質(例えば防錆性、耐湿性、耐薬品性、耐酸性、耐熱性、及び基板との密着性)を向上ないし付与するために行われる各種の表面処理でありうる。表面処理は金属箔16の少なくとも片面に行われてもよいし、金属箔16の両面に行われてもよい。金属箔16に対して行われる表面処理の例としては、防錆処理、シラン処理、粗化処理、バリア形成処理等が挙げられる。
金属箔16の厚さは特に限定されないが、0.1μm以上210μm以下であるのが好ましく、より好ましくは0.5μm以上105μm以下であり、さらに好ましくは1.0μm以上70μm以下である。これらの範囲内の厚さであると、一般的な回路パターン形成方法である、MSAP法、SAP法、サブトラクティブ法等の工法を用いて第1配線層18を形成することが可能である。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
積層シートを作製し、この積層シートを用いてMSAP法により埋め込み配線層を備えたサンプル基板を作製した。具体的には以下のとおりである。
(1)積層シートの作製
スチレン−ブタジエン共重合体(JSR株式会社製、TR2250)58.0重量部、ポリスチレン樹脂(DIC株式会社製、CR2500)30.0重量部、α−メチルスチレンダイマー(五井化成株式会社製、AMSD)9.0重量部、ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱ガス化学株式会社製、OPE−2St 2200)1.0重量部、シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KP−301)1.0重量部、及びフッ素系界面活性剤(DIC株式会社製、F−553)1.0重量部を、溶剤であるトルエンに溶解し、樹脂固形分20重量%の樹脂ワニスを調製した。この樹脂ワニスを厚さ3μm、表面の算術平均粗さRaが0.30μmの銅箔に均一に塗布し、風乾後、120℃で3分間の加熱処理を行い、剥離樹脂層付銅箔を得た。このとき、剥離樹脂層14の厚さは50μmとした。得られた剥離樹脂層付銅箔の剥離樹脂層14側の表面に、支持体12としてプリプレグ(三菱ガス化学株式会社製、830NS、厚さ200μm、軟化点255℃、熱膨張係数10ppm/℃)を当接させ、圧力30kgf/cm及び温度220℃で90分間の熱間プレス成形を行って、支持体12、剥離樹脂層14及び金属箔16である銅箔をこの順に備えた積層シート10を得た。なお、剥離樹脂層14のフッ素濃度は7000ppm、支持体12の剥離樹脂層14側の表面の算術平均粗さRaは2.10μmであった。
(2)第1配線層の形成
上記得られた積層シート10に対して酸性脱脂剤(メルテックス株式会社製、メルプレートPC−316)を用いて洗浄を行った。洗浄した積層シート10の銅箔表面にドライフィルム(日立化成株式会社製、RY5319)を貼り付け、露光及び現像を行い、フォトレジスト17aを所定のパターンで形成した。フォトレジスト17aが形成された積層シート10にパターンめっきを行い、銅箔の露出表面(すなわちフォトレジスト17aでマスキングされていない部分)に厚さ20μmの銅層を形成した後、フォトレジスト17aを剥離した。その後、積層シート10を過酸化水素及び硫酸を含むエッチング液(三菱ガス化学株式会社製、CPE−800)で処理することにより、フォトレジスト17aの剥離により露出した銅箔の不要部分を溶解除去し、ライン/スペース=20μm/20μmの第1配線層18を形成した。
(3)埋め込み配線層を備えた積層体の作製
第1配線層18の表面に対して、有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製、CZ−8101)を用いて内層処理(CZ処理)を施した。次いで、第1配線層18上にプリプレグ(三菱ガス化学株式会社製、830NSF、厚さ45μm×3枚)を絶縁層20として積層し、圧力30kgf/cm及び温度200℃で90分間の熱間プレス成形を行い、剥離樹脂層14の表面形状が転写された絶縁層20により、第1配線層18が埋め込み配線層の形で組み込まれたサンプル積層体を作製した。その後、このサンプル積層体から支持体12及び剥離樹脂層14を物理的に剥離して、埋め込み配線層を備えたサンプル基板を得た。なお、このサンプル基板は多層配線板ではないものの、支持体12及び剥離樹脂層14の剥離前に、絶縁層20上に公知の工法を用いて更なる配線層等を形成することで、本発明の製造方法で作製された多層配線板とすることが可能である。
例2
積層シートを作製し、この積層シートを用いてサブトラクティブ法により埋め込み配線層を備えたサンプル基板を作製した。具体的には以下のとおりである。
(1)積層シートの作製
厚さ12μmの銅箔を用いたこと以外は、例1(1)と同様の手順により積層シート10を作製した。
(2)第1配線層の形成
得られた積層シート10に対して脱脂剤(メルテックス株式会社製、メルプレートPC−316)を用いて洗浄を行った。洗浄した積層シート10の銅箔表面にドライフィルム(日立化成株式会社製、RY5319)を貼り付け、露光及び現像を行い、エッチングレジスト17cを所定のパターンで形成した。その後、積層シート10の銅箔表面を塩化第二銅エッチング液で処理して、エッチングレジスト17c間から銅を溶解除去した後、エッチングレジスト17cを剥離して、ライン/スペース=30μm/30μmの第1配線層18を形成した。
(3)埋め込み配線層を備えたサンプル基板の作製
例1(3)と同様の手順により第1配線層18が埋め込み配線層の形で組み込まれたサンプル積層体を作製した。このサンプル積層体から支持体12及び剥離樹脂層14を剥離して、埋め込み配線層を備えたサンプル基板を得た。
評価
例1及び2で作製されたサンプル積層体及び/又はサンプル基板について、剥離樹脂層の剥離前後における断面の観察を行った。具体的には以下のとおりである。
<剥離樹脂層を剥離する前のサンプル積層体の断面観察>
まず、支持体12及び剥離樹脂層14を剥離する前のサンプル積層体を所定のサイズに切り出して試料片とした。この試料片に対してミクロトーム(Leica Biosystems社製、RM2265)で切削を行って第1配線層18の断面を露出させた。露出した試料片の断面に対してデジタルマイクロスコープ(株式会社フローベル製、XD500)を用いて倍率2000倍で写真撮影を行った。こうして得られたサンプル積層体の断面の写真は図4(例1、MSAP法)及び図6(例2、サブトラクティブ法)に示されるとおりであった。
<剥離樹脂層を剥離した後のサンプル基板の断面観察>
支持体12及び剥離樹脂層14を除去した後のサンプル基板を所定のサイズに切り出して試料片とした。この試料片の第1配線層18側の表面に保護用の樹脂を塗工し、上記同様にして層断面の写真撮影を行った。得られたサンプル基板の断面の写真は図5(例1、MSAP法)及び図7(例2、サブトラクティブ法)に示されるとおりであった。
図5及び図7から明らかなように、MSAP法及びサブトラクティブ法のいずれの工法を用いた場合においても、破壊を生じることなく支持体12及び剥離樹脂層14をサンプル基板からスムーズに剥離することが可能であった。これは、絶縁層20及び剥離樹脂層14間の剥離強度が支持体12及び剥離樹脂層14間の剥離強度よりも低く制御されていることにより、積層体から支持体12及び剥離樹脂層14を容易に剥離できたためと考えられる。また、図4から図7に示されるように、剥離樹脂層14を剥離した後のサンプル基板の断面において、埋め込み配線層である第1配線層18に回路凹みは生じておらず、剥離樹脂層14を剥離する前の積層体の断面における第1配線層18とほぼ同一の回路高さを維持していることが分かる。
10 積層シート
12 支持体
14 剥離樹脂層
16,116,136 金属箔
17a,120 フォトレジスト
17b 電気めっき層
17c エッチングレジスト
18,126 第1配線層
20,128 絶縁層
22,140 第n配線層
24,144 多層配線板
110,130 キャリア付金属箔
112,132 キャリア
114,134 剥離層
118 コアレス支持体
122 パターンめっき
124 配線パターン
126a 回路凹み
138 第2配線層
142 ビルドアップ層
146 プリント配線板


Claims (12)

  1. 多層配線板の製造方法であって、
    (a)支持体、剥離樹脂層及び金属箔をこの順に備えた積層シートを用意する工程と、
    (b)前記金属箔にエッチングを伴うパターニングを施して第1配線層を形成する工程と、
    (c)前記積層シートの前記第1配線層側の面に絶縁層及び配線層を順に又は交互に形成して、前記第1配線層が埋め込み配線層の形で組み込まれた多層配線板とし、その際、前記絶縁層と前記剥離樹脂層との間の剥離強度が、前記支持体と前記剥離樹脂層との間の剥離強度よりも低いものとなる工程と、
    (d)前記多層配線板から前記支持体を前記剥離樹脂層とともに剥離して単体の多層配線板を得る工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記絶縁層と前記剥離樹脂層との間の剥離強度が、前記支持体と前記剥離樹脂層との間の剥離強度の0.1倍以上0.8倍以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記支持体の前記剥離樹脂層側の表面の算術平均粗さRaであるRが2.0μm以上であり、硬化後の前記絶縁層の前記剥離樹脂層側の表面の算術平均粗さRaであるRが2.0μm未満であって、かつ、Rに対するRの比R/Rが0.5以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記支持体の軟化点が180℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記支持体の熱膨張係数が1ppm/℃以上400ppm/℃以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記支持体が、樹脂層と、該樹脂層の少なくとも一方の表面に設けられる金属層とを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記金属層が、Cu、Al及びNiからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属又は合金で構成される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記剥離樹脂層がフッ素を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記剥離樹脂層のフッ素濃度が300ppm以上100000ppm以下である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記剥離樹脂層の前記支持体側表面のフッ素濃度Fが300ppm以上であり、かつ、Fに対する前記剥離樹脂層の前記支持体と反対側表面のフッ素濃度Fの比、すなわちF/Fが2以上である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記剥離樹脂層が、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルサルフォン、液晶ポリマー、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、及びスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記金属箔がCu、Al、Ni、Co、Zn及びCrからなる群から選択される少なくとも1種の金属で構成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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