JP2020086062A - レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
CH3−COO−R1 ・・・(I)
(式(I)中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数6以上のアルキル基を表す。)で示される酢酸エステルを含むことを特徴とする。このように、α−アルキルスチレン単位と、α−クロロアクリル酸エステル単位とを含有し、分子量が70000超の成分の割合が90%以上である共重合体を含むレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、得られたレジスト膜を極端紫外線で露光した後、上記式(I)で示される酢酸エステルを含む現像液として用いて現像することで、微細なレジストパターンを高感度且つ高解像度で形成することができる。
ここで、本発明のレジストパターン形成方法は、極端紫外線の照射により主鎖が切断されて低分子量化する、主鎖切断型のポジ型レジストを使用するレジストパターンの形成方法であり、例えば、ビルドアップ基板などのプリント基板、半導体、フォトマスク、モールドなどの製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に好適に用いることができる。
そして、本発明のレジストパターン形成方法は、所定の共重合体および溶剤を含むポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(レジスト膜形成工程)と、レジスト膜を極端紫外線で露光する工程(露光工程)と、露光されたレジスト膜を所定の現像液で現像する工程(現像工程)とを少なくとも含む。なお、本発明のレジストパターン形成方法は、任意に、現像工程の後に現像液を除去するリンス工程を更に含み得る。
なお、レジストパターンの形成方法において、極端紫外線を用いない場合には、レジストパターンを微細化することは困難である。また、極端紫外線を用いてレジストパターンを微細化するに当たり、所定の共重合体および所定の現像液を組み合わせて用いなければ、微細なレジストパターンを高感度且つ高解像度で形成することができない。
レジスト膜形成工程では、レジストパターンを利用して加工される基板などの被加工物の上に、ポジ型レジスト組成物を塗布し(塗布工程)、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成する(乾燥工程)。
塗布工程においてポジ型レジスト組成物を塗布する被加工物としては、特に限定されることなく、プリント基板の製造等に用いられる、絶縁層と、絶縁層上に設けられた銅箔とを有する基板;および、基板上に遮光層が形成されてなるマスクブランクスなどを用いることができる。また、ポジ型レジスト組成物の塗布方法としては、塗布方法は特に限定されることなく、既知の塗布方法にて行うことができる。
そして、被加工物上に塗布されるポジ型レジスト組成物としては、以下のポジ型レジスト組成物を使用する。
本発明のレジストパターン形成方法で使用するポジ型レジスト組成物は、以下に詳述する所定の共重合体および溶剤を含有し、任意に、レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤を更に含有する。
ポジ型レジスト組成物に含有される共重合体は、α−アルキルスチレン単位と、α−クロロアクリル酸エステル単位とを含有するα−アルキルスチレン・α−クロロアクリル酸エステル共重合体であり、分子量が70000超の成分の割合が所定の値以上であることを必要とする。
共重合体が含有するα−アルキルスチレン単位は、α−アルキルスチレンに由来する構造単位である。そして、ポジ型レジスト組成物に用いる共重合体は、α−アルキルスチレン単位を有しているので、ポジ型レジストとして使用した際に、ベンゼン環の保護安定性により優れた耐ドライエッチング性を発揮する。
α−アルキルスチレン単位としては、例えば、α−メチルスチレン単位、α−エチルスチレン単位、α−プロピルスチレン単位、α−ブチルスチレン単位などの炭素数が4以下の直鎖状アルキル基がα炭素に結合しているα−アルキルスチレン単位が挙げられる。中でも、共重合体をポジ型レジストとして使用した際の耐ドライエッチング性を高める観点からは、α−アルキルスチレン単位はα−メチルスチレン単位であることが好ましい。
ここで、共重合体は、α−アルキルスチレン単位として上述した単位を1種類のみ有していてもよいし、2種類以上有していてもよい。
共重合体が含有するα−クロロアクリル酸エステル単位は、α−クロロアクリル酸エステルに由来する構造単位である。そして、ポジ型レジスト組成物に用いる共重合体は、α−クロロアクリル酸エステル単位を有しているので、極端紫外線が照射されると、塩素原子が脱離し、β開裂反応によって主鎖が容易に切断される。
α−クロロアクリル酸エステル単位としては、例えば、α−クロロアクリル酸メチル単位、α−クロロアクリル酸エチル単位等のα−クロロアクリル酸アルキルエステル単位が挙げられる。中でも、ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の感度を高める観点からは、α−クロロアクリル酸エステル単位はα−クロロアクリル酸メチル単位であることが好ましい。
ここで、共重合体は、α−クロロアクリル酸エステル単位として上述した単位を1種類のみ有していてもよいし、2種類以上有していてもよい。
上述した共重合体は、分子量が70000超の成分の割合が、90%以上である必要があり、93%以上であることが好ましい。分子量が70000超の成分の割合が、90%以上であれば、微細なレジストパターンを高感度且つ高解像度で形成することができる。また、分子量が70000超の成分の割合が、90%以上であれば、かかる共重合体を含有するポジ型レジスト組成物を用いて形成したレジスト膜を、乾燥工程で加熱等により乾燥した場合に分子量が低下することを抑制して、所望形状のパターンを良好に形成することができる。なお、共重合体における分子量が70000超の成分の割合は、100%であっても良い。
上述した共重合体は、分子量が80000超の成分の割合が、80%以上であることが好ましく、87%以上であることがより好ましい。分子量が80000超の成分の割合が80%以上であれば、かかる共重合体を含有するポジ型レジスト組成物を用いて形成したレジスト膜を、乾燥工程で加熱等により乾燥した場合に分子量が低下することを十分に抑制して、所望形状のパターンを一層良好に形成することができる。なお、共重合体における分子量が80000超の成分の割合は、100%であっても良い。
上述した共重合体の重量平均分子量(Mw)は、例えば、10,000以上3,000,000以下、好ましくは20,000以上2,000,000以下、より好ましくは30,000以上1,000,000以下、さらに好ましくは、300,000以上700,000以下とすることができる。共重合体の重量平均分子量(Mw)が上記上限値以下であれば、ポジ型レジスト組成物の塗工性を高めることができる。一方、共重合体の重量平均分子量(Mw)が上記下限値以上であれば、過剰に低い照射量でレジスト膜の現像液に対する溶解性を高まることを抑制することができ、得られるレジストパターンの解像度が過度に低下することを抑制することができる。
なお、本発明において、「重量平均分子量」および後述する「数平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用し、標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
上述した共重合体の分子量分布(数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn))は、例えば、2.50以下とすることができる。さらに、重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.20以上であることが好ましく、1.30以上であることがより好ましく、2.10以下であることが好ましい。共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記下限値以上であれば、共重合体の製造容易性を高めることができる。一方、共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記上限値以下であれば、得られるレジストパターンの解像度を高めることができる。
そして、上述した共重合体は、例えば、α−アルキルスチレンとα−クロロアクリル酸エステルとを含む単量体組成物を重合させた後、任意に得られた重合物を精製することにより調製することができる。
なお、共重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合条件及び精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、共重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。また、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合温度を高くすれば、小さくすることができる。更に、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合時間を短くすれば、小さくすることができる。
ここで、上述した共重合体の調製に用いる単量体組成物としては、α−アルキルスチレン及びα−クロロアクリル酸エステルを含む単量体成分と、任意の溶剤と、重合開始剤と、任意に添加される添加剤との混合物を用いることができる。そして、単量体組成物の重合は、既知の方法を用いて行うことができる。中でも、例えば、国際公開第99/62964号に開示されたようなラジカル重合法を用いることが好ましく、中でも乳化重合法を用いることがより好ましい。
なお、得られた重合物を精製する場合に用いる精製方法としては、特に限定されることなく、再沈殿法やカラムクロマトグラフィー法などの既知の精製方法が挙げられる。中でも、精製方法としては、再沈殿法を用いることが好ましい。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
そして、本発明のレジストパターン形成方法にて使用するポジ型レジスト組成物に含有される溶剤としては、上述した共重合体を溶解可能な溶剤であれば既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤は、シクロペンタノン、3−メトキシプロピオン酸メチル、クロトン酸メチル、およびアニソールからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アニソールを含むことがより好ましい。また、溶剤として、これらの成分を1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、上述したように、溶剤は、混合物でもよいが、溶剤の回収及び再利用の容易性の観点から、単一の物質からなる単一溶剤であることが好ましい。
ポジ型レジスト組成物を乾燥する方法は、特に限定されることなく、レジスト膜の形成に一般的に用いられている方法を用いることができるが、ポジ型レジスト組成物を加熱(プリベーク)してレジスト膜を形成することが好ましい。
ここで、ポジ型レジスト組成物を乾燥する温度(乾燥温度)は、乾燥工程を経て形成されたレジスト膜と被加工物との密着性の観点から、100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましい、また、被加工物及びレジスト膜に与える熱影響を低減する観点から、180℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。そして、ポジ型レジスト組成物を乾燥する時間(乾燥時間)は、より低温側の温度範囲で乾燥工程を実施して形成されたレジスト膜と被加工物との密着性を十分に向上させる観点から、1分間超であることが好ましく、2分間以上であることがより好ましく、3分間以上であることがさらに好ましく、乾燥工程前後のレジスト膜における共重合体の分子量の変化の低減の観点から、30分間以下であることが好ましく、10分間以下であることがより好ましい。
また、極端紫外線に対する感度を更に向上させる観点からは、レジスト膜形成工程で形成されるレジスト膜の密度は、1.35g/cm3以上であることが好ましく、1.40g/cm3以上であることがより好ましい。ここで、レジスト膜の密度は、共重合体の組成やレジスト膜の形成条件を変更することにより調整することができる。
露光工程では、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜を極端紫外線で露光して、所望のパターンを描画する。
また、極端紫外線の照射には、EQ−10M(ENERGETIQ社製)、NXE(ASML社製)などの既知の露光装置を用いることができる。
そして、露光量は、通常、10mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下であり、露光時間は、通常、0.1秒以上180秒以下である。
現像工程では、露光されたレジスト膜を、以下に詳述する所定の現像液を用いて現像する。具体的には、露光工程で露光されたレジスト膜と、現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、被加工物上にレジストパターンを形成する。
ここで、レジスト膜と現像液とを接触させる方法としては、特に限定されることなく、現像液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜への現像液の塗布等の既知の手法を用いることができる。
そして、現像工程において使用する現像液は、下記一般式(I):
CH3−COO−R1 ・・・(I)
で示される酢酸エステルを含むことを必要とする。
なお、得られるレジストパターンの品質にばらつきが生じることを抑制し、現像液の回収を容易にする観点からは、現像液として、式(I)で示される酢酸エステルを単独で用いることが好ましい。
なお、現像温度や現像時間等の現像条件は、特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、現像温度は、通常−20℃以上30℃以下であり、例えば5℃以上25℃以下とすることができる。また、現像時間は、現像温度にもよるが、通常10秒以上2分以下とし、45秒以下であることが好ましく、30秒以下であることがより好ましい。現像時間を2分以下とすることで、レジストパターンの形成時間を短縮することができる。
本発明のレジストパターン形成方法は、任意に、現像工程後に、リンス液を用いてリンス処理を行うリンス工程を更に含み得る。具体的には、リンス工程では、現像工程で現像されたレジスト膜と、リンス液とを接触させて、現像されたレジスト膜をリンスする。リンス工程を行えば、現像されたレジスト膜に付着したレジストの残渣を効果的に除去することができる。
なお、実施例および比較例において、共重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布、共重合体中の各分子量の成分の割合、並びに、レジストパターンの線幅の限界寸法を表すCD値、線幅粗さを示すLWR値、および線端粗さを表すLER値は、下記の方法で測定および評価した。
得られた共重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー社製、HLC−8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、共重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー製、HLC−8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、共重合体のクロマトグラムを得た。そして、得られたクロマトグラムから、ピークの総面積(A)、分子量が70000超の成分のピークの面積の合計(B)および分子量が80000超の成分のピークの面積の合計(C)を求めた。
そして、下記式を用いて各分子量の成分の割合を算出した。
分子量が70000超の成分の割合(%)=(B/A)×100
分子量が80000超の成分の割合(%)=(C/A)×100
形成されたレジストパターンのCD値、LWR値、およびLER値は、高分解能FEB測長装置(日立ハイテクノロジー社製、CG5000)および解析ソフト(日立ハイテクノロジー社製、Design Based Metrology System)を用いて計測・算出した。なお、レジストパターンを解像できなかった場合には、「−」(測定不能)とした。
CD値が16nm±0.5nmの範囲で、LWR値およびLER値が低いほど、レジストパターンの解像度が高いことを示す。
<共重合体Aの調製>
純水2750部、炭酸ナトリウム3部、KSソープ(花王社製、半硬化牛脂脂肪酸カリ石鹸)をイオン交換水に固形分濃度17.5質量%で溶解して得た溶液225部をセパラブルフラスコに入れ溶解した。単量体としてのα−クロロアクリル酸メチル450部及びα−メチルスチレン1084部を加え、強攪拌して乳化した。フラスコ内を窒素置換した後、亜ジチオン酸ナトリウム0.4部、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム三水和物0.15部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物0.375部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.225部、及びクメンハイドロパーオキサイド0.786部を順に加え、次いで、5℃で48時間攪拌した。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフエノール7.5部を加え、反応を停止した後、反応液に14000部のメタノールを滴下し、析出した固形分を濾別した。得られた固形分を8000部のテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、得られた溶液を14000部のメタノールに滴下し、析出した固形分を濾別した。さらに、得られた固形分を8000部のTHFに溶解し、得られた溶液を14000部のメ夕ノールに滴下した。析出した固形分を濾別し固形分Aを得た。そして得られた固形分Aを乾燥し、750部のα−メチルスチレン単位及びα−クロロアクリル酸メチル単位を含有する重合体を得た。重合体は、α−メチルスチレン単位を47mol%、α−クロロアクリル酸メチル単位を53mol%含んでいた。
そして、得られた重合体750部を、9000部のジクロロメタンに溶解し溶液を得た。得られた溶液に対して、0.005Nの塩酸水溶液(pH:2.3)9000部を加えて攪拌し、混合液とした。かかる混合液を静置後、水層をデカンテーションにより除去した。
残ったジクロロメタン層を14000部のメタノールに対して滴下し、析出した固形分を濾別、乾燥して、α−メチルスチレン単位及びα−クロロアクリル酸メチル単位を含有する共重合体Aを740部得た。
そして、共重合体Aについて、上記に従って測定したところ、共重合体A中の所定の分子量の成分の割合は、分子量が70000超の成分の割合が94.13(%)、及び分子量が80000超の成分の割合が92.53(%)であり、重量平均分子量が342123であり、数平均分子量が169117であり、分子量分布が2.023であった。
得られた共重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、共重合体の濃度が1.5質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。
塗布装置(東京エレクトロン株式会社製、CLEAN TRACK(登録商標)ACT(登録商標)12)を用いて、濃度1.5質量%のポジ型レジスト組成物を、直径12インチのシリコンウェハ上に膜厚30nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。
EUV描画装置(ASML社製、TWINSCAN NXE:3300B)を用いて、極端紫外線の照射量が互いに異なるパターン(寸法10mm×10mm)をレジスト膜上に複数描画し、現像液として酢酸ヘキシル(日本ゼオン社製、ZED−N60)を用いて、現像温度を7℃、現像時間を30秒間として、現像処理を行った。その後、リンス液としてイソプロピルアルコールを用いて15秒間リンスした。なお、極端紫外線の照射量は、10mJ/cm2から200mJ/cm2の範囲内で10mJ/cm2ずつ異ならせた。次に、描画した部分のレジストパターンのCD値を計測した。そして、CD値が16nmに最も近いパターンが形成された50mJ/cm2の照射量を基準として、プラスマイナス10mJ/cm2の範囲内で、0.1mJ/cm2ピッチで極端紫外線の照射量を異ならせて、上記と同様にパターンを描画し、得られたレジストパターンのCD値、LWR値、およびLER値を計測・算出した。
得られた照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータを用いて、極端紫外線の最適露光量(CD値が16nm±0.5nmの範囲で、LWR値およびLER値が良好となる照射量)を決定した。結果を表1に示す。
[露光、現像およびリンス]
EUV描画装置(ASML社製、TWIN SCAN NXE:3300B)を用いて、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:47mJ/cm2)で露光して、パターンを描画した(露光工程)。なお、レジスト膜として、上述のようにして形成したレジスト膜を使用した。また、パターンの描画(パターニング)において、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、いずれも16nm(即ち、hpを16nm)とした。
そして、レジストパターンの形成にあたり、現像液として酢酸ヘキシル(日本ゼオン社製、ZED−N60)を用いて、現像温度を7℃、現像時間を30秒間として、現像処理を行った(現像工程)。
その後、イソプロピルアルコールを用いて15秒間リンスして(リンス工程)、レジストパターンを形成した。そして、得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像温度を23℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、共重合体Aおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:44mJ/cm2)で露光すると共に、現像温度を23℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、共重合体Aに替えて以下のように調製した共重合体Bを使用した以外は、実施例2と同様にして、ポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:46mJ/cm2)で露光した以外は、実施例2と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
<共重合体Bの調製>
実施例1と同様にして得られた共重合体Aの粉末10gをTHF90gに溶解させた。得られた溶液を、THFとメタノール(MeOH)の混合溶媒(THF/MeOH=300g/700g)に再沈殿させ、凝固分側を回収して、共重合体Bを得た。
そして、共重合体Bについて、上記に従って測定したところ、共重合体B中の所定の分子量の成分の割合は、分子量が70000超の成分の割合が100(%)、及び分子量が80000超の成分の割合が100(%)であり、重量平均分子量が630000であり、数平均分子量が484615であり、分子量分布が1.3であった。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像液として酢酸ヘキシルに替えて酢酸ヘプチル(日本ゼオン社製、ZED−N70)を用いた以外は、実施例2と同様にして、共重合体Aおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:54.5mJ/cm2)で露光すると共に、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記酢酸ヘプチルを用いた以外は、実施例2と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像液として酢酸ヘキシルに替えて酢酸ヘプチル(日本ゼオン社製、ZED−N70)を用いた以外は、実施例3と同様にして、共重合体Bおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:58mJ/cm2)で露光すると共に、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記酢酸ヘプチルを用いた以外は、実施例3と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像液として酢酸ヘキシルに替えて酢酸アミル(日本ゼオン社製、ZED−N50)を用いた以外は、実施例2と同様にして、共重合体Aおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:33mJ/cm2)で露光すると共に、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記酢酸アミルを用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ったが、レジスト膜が全て溶解してしまい、解像することができなかった。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像液として酢酸ヘキシルに替えてジイソブチルケトン(日本ゼオン社製、K−90)を用いた以外は、実施例2と同様にして、共重合体Aおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:81mJ/cm2)で露光すると共に、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記ジイソブチルケトンを用いた以外は、実施例2と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像温度を7℃、現像時間を25秒、リンス時間を30秒間に変更した以外は、比較例2と同様にして、共重合体Aおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、極端紫外線の最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:116mJ/cm2)で露光すると共に、現像温度を7℃、現像時間を25秒、リンス時間を30秒に変更した以外は、比較例2と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、レジスト膜の膜厚を35nm、現像温度を7℃、現像時間を25秒に変更し、現像液として酢酸ヘキシルに替えてジイソブチルケトン(日本ゼオン社製、K−90)を用いた以外は、実施例3と同様にして、共重合体Bおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、極端紫外線の最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜の膜厚を35nmに変更し、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:96mJ/cm2)で露光すると共に、現像温度を7℃、現像時間を25秒に変更し、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記ジイソブチルケトンを用いた以外は、実施例3と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
極端紫外線の最適露光量の決定において、現像温度を7℃、現像時間を25秒、リンス時間を30秒に変更し、現像液として酢酸ヘキシルに替えてジイソブチルケトン(日本ゼオン社製、K−90)を用いた以外は、実施例3と同様にして、共重合体Bおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、照射量とCD値、LWR値、およびLER値の関係のデータの作成を行った。次いで、得られたデータを用いて、極端紫外線の最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:112mJ/cm2)で露光すると共に、現像温度を7℃、現像時間を25秒、リンス時間を30秒に変更し、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記ジイソブチルケトンを用いた以外は、実施例3と同様にしてレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンについて、CD値、LWR値およびLER値を計測・算出した。結果を表1に示す。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
実施例1と同様にして得られた共重合体Aを溶剤としてのアニソールに溶解させ、共重合体Aの濃度が11質量%である溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を用いて、濃度11質量%のポジ型レジスト組成物を、直径4インチのシリコンウェハ上に膜厚500nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。
電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いて、電子線の照射量が互いに異なるパターン(寸法500μm×500μm)をレジスト膜上に複数描画し、レジスト用現像液として酢酸ヘキシル(日本ゼオン社製、ZED−N60)を用いて、現像温度を23℃、現像時間を60秒間として、現像処理を行った。その後、リンス液としてイソプロピルアルコールを用いて10秒間リンスした。なお、電子線の照射量は、100μC/cm2から500μC/cm2の範囲内で4μC/cm2ずつ異ならせた。次に、描画した部分のレジスト膜の厚みを光学式膜厚計(SCREENセミコンダクターソリューション社製、ラムダエースVM−1200)で測定し、電子線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成した。
得られた感度曲線(横軸:電子線の総照射量の常用対数、縦軸:レジスト膜の残膜率(0≦残膜率≦1.00))について、残膜率0.20〜0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成した。その後、作成した直線(感度曲線の傾きの近似線)において残膜率が0となる際の、電子線の総照射量(μC/cm2)を算出した。この電子線の総照射量からパターニングにおけるおおよその露光量を算出し、最もパターン形状が優れている露光量を最適露光量と決定した。結果を表1に示す。
[露光、現像およびリンス]
電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いて、レジスト膜を最適露光量(電子線:220μC/cm2)で露光すると共に、現像時間を60秒、リンス時間を10秒に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、レジストパターンを形成することができなかった。結果を表1に示す。
電子線の最適露光量の決定において、現像液として酢酸ヘキシルに替えて酢酸ヘプチル(日本ゼオン社製、ZED−N70)を用いた以外は、比較例6と同様にして、共重合体Aおよびポジ型レジスト組成物の調製、レジスト膜の形成、並びに、感度曲線の作成を行った。次いで、得られた感度曲線を用いて、最適露光量を決定した。結果を表1に示す。
そして、レジストパターンの形成にあたり、レジスト膜を最適露光量(極端紫外線:360mJ/cm2)で露光すると共に、現像液として酢酸ヘキシルに替えて上記酢酸ヘプチルを用いた以外は、比較例6と同様の操作を行ったが、レジストパターンを形成することができなかった。結果を表1に示す。
「EUV」は、極端紫外線を示し、
「EB」は、電子線を示し、
「DIK」は、ジイソブチルケトンを示し、
「IPA」は、イソプロピルアルコールを示す。
なお、最適露光量の値が小さいほど、レジスト膜の感度が高いことを示す。
実施例1〜5より、所定の共重合体をポジ型レジストとして用いてレジストパターンを形成するに当たり、極端紫外線および現像液としての酢酸ヘキシルまたは酢酸ヘプチルを用いると、極端紫外線に対する感度の高いレジスト膜を形成することができ、且つ、解像度の高いレジストパターンが得られることが分かる。
また、比較例1より、所定の共重合体をポジ型レジストとして用いてレジストパターンを形成するに当たり、極端紫外線および現像液としての酢酸アミルを用いると、極端紫外線の未照射部まで溶解してしまい、微細なレジストパターンを解像できないことが分かる。
更に、比較例2〜5より、所定の共重合体をポジ型レジストとして用いてレジストパターンを形成するに当たり、極端紫外線および現像液としてのジイソブチルケトンを用いると、解像度の高いレジストパターンを形成することはできるものの、極端紫外線に対するレジスト膜の感度は低下することが分かる。
そして、比較例6〜7より、所定の共重合体をポジ型レジストとして用いてレジストパターンを形成するに当たり、現像液としての酢酸ヘキシルまたは酢酸ヘプチルを用いた場合でも、電子線を用いた場合には、レジストパターンを形成できないことが分かる。
即ち、電子線と比較して未照射部の露光が抑制され得る極端紫外線を用いた場合であっても、極端紫外線の照射部近傍の未照射部においてレジスト膜は極端紫外線に多少露光されると考えられる。そして、形成しようとするレジストパターンの線幅が狭くなるほど、未照射部におけるレジスト膜の露光量は増大すると考えられる。そのため、ハーフピッチが16nmの微細なレジストパターンを形成する場合には、極端紫外線の照射部近傍の未照射部において、レジスト膜中の共重合体は、主鎖が切断されてしまう量の露光を受けると推察される。この場合、例えば比較例1の様に現像液として酢酸アミルを用いると、未照射部におけるレジスト膜が現像液に溶解してしまうためパターンを解像できない。しかし、酢酸ヘキシルまたは酢酸ヘプチル(式(I)で表される酢酸エステル)を用いることで、極端紫外線の照射部におけるレジスト膜のみを良好に溶解させることができるため、極端紫外線に対するレジスト膜の感度を高めつつ、微細なレジストパターンを高解像度で形成できると考えられる。
Claims (4)
- 共重合体および溶剤を含むポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜を極端紫外線で露光する露光工程と、
露光された前記レジスト膜を現像液で現像する現像工程と
を含み、
前記共重合体は、α−アルキルスチレン単位と、α−クロロアクリル酸エステル単位とを含有し、且つ、分子量が70000超の成分の割合が90%以上であり、
前記現像液は、下記一般式(I):
CH3−COO−R1 ・・・(I)
(式(I)中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数6以上のアルキル基を表す。)
で示される酢酸エステルを含む、レジストパターン形成方法。 - 前記R1が直鎖状のアルキル基である、請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記式(I)で示される酢酸エステルが、酢酸ヘキシルと酢酸ヘプチルの少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記共重合体の、分子量が80000超の成分の割合が80%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
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