JP2020085465A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】定常時及び過渡時のいずれにおいても、検出対象ガスにおける特定ガス成分の濃度を精度よく検出することができるガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ1は、アンモニア素子部2、ヒータ部4及び電位差検出部51を備える。電位差検出部51は、検出電極22における、検出対象ガスGに含まれる酸素の電気化学的還元反応と検出対象ガスGに含まれるアンモニアの電気化学的酸化反応とが等しくなるときに生じる、検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔVを検出するよう構成されている。発熱部411の発熱中心Pは、検出電極22における長手方向Dの先端側領域221の平均温度と、検出電極22における長手方向Dの基端側領域222の平均温度とが異なるよう、検出電極22における長手方向Dの中心位置Oから先端側D1にずれた位置に対向している。【選択図】図1

Description

本発明は、検出素子部を備えるガスセンサに関する。
例えば、車両においては、内燃機関としてのディーゼルエンジン等から排気される排ガス中のNO、NO2等のNOx(窒素酸化物)を浄化するための触媒が、排気管内に配置される。触媒の一つとしての選択式還元触媒(SCR)においては、NOxを還元するために、尿素水等に含まれるアンモニア(NH3)が触媒担体に付着され、触媒担体においてアンモニアとNOxとが化学反応して、NOxが窒素(N2)及び水(H2O)に還元される。
また、排気管内における、選択式還元触媒よりも排ガスの流れの上流側位置には、還元剤としてのアンモニアを、選択式還元触媒へ供給する還元剤供給装置が配置される。また、例えば、排気管内における、選択式還元触媒の排ガスの流れの下流側位置には、排ガスにおけるNOx濃度を検出するNOxセンサと、排ガスにおけるアンモニア濃度を検出するアンモニアセンサとが配置される。そして、NOxセンサ及びアンモニアセンサを用いてNOx及びアンモニアの量を検出することにより、選択式還元触媒からのアンモニアの流出を抑えつつ、アンモニアによるNOxの浄化率を向上させている。
例えば、特許文献1においては、NOx濃度に応じた電流を検出するNOxセンサ部と、NOxセンサ部の外表面に形成されたアンモニアセンサ部とが設けられたマルチガスセンサについて開示されている。このマルチガスセンサにおいては、1つのガスセンサによってNOx濃度とアンモニア濃度とを測定可能にしている。
特開2010−38806号公報
アンモニアセンサにおいては、固体電解質体における、アンモニアを検出するための電極は、その温度が400℃近くの低温に近くなるほど、アンモニアに対する感度が高くなる傾向にある。また、電極に、アンモニアが含まれる検出対象ガスが接触しやすくすることにより、アンモニアに対する電極の感度が高くなる傾向にある。そのため、特許文献1のマルチガスセンサにおいては、アンモニアセンサ部をアンモニアセンサにおける外側の部位に配置し、アンモニアセンサ部の温度が約400℃になるようにしている。
しかし、アンモニアセンサ部に検出対象ガスが当たりやすくするとともに、アンモニアセンサ部の温度が低温になるように制御する際には、次の課題が生じる。すなわち、検出対象ガスの流速が急激に変動したとき等においては、アンモニアセンサ部が急冷されて、アンモニアセンサ部が約400℃の付近よりもさらに低下し、アンモニアセンサ部が作動温度よりも低くなるおそれがある。この場合には、特許文献1のマルチガスセンサによっては、アンモニア濃度の検出精度が悪化するおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、定常時及び過渡時のいずれにおいても、検出対象ガスにおける特定ガス成分の濃度を精度よく検出することができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質体(21)、前記固体電解質体の表面に設けられて、検出対象ガス(G)に晒される検出電極(22)、及び前記固体電解質体の表面に設けられた基準電極(23)を有するとともに、長手方向(D)に長い形状を有する検出素子部(2)と、
通電によって発熱する発熱部(411)を有し、前記発熱部の発熱によって前記固体電解質体、前記検出電極及び前記基準電極を加熱するヒータ部(4)と、
前記検出電極における、前記検出対象ガスに含まれる酸素の電気化学的還元反応と前記検出対象ガスに含まれる特定ガス成分の電気化学的酸化反応とが釣り合うときに生じる、前記検出電極と前記基準電極との間の電位差(ΔV)を検出する電位差検出部(51)と、を備え、
前記発熱部の発熱中心(P)は、前記検出電極における前記長手方向の先端側領域(221)の平均温度と、前記検出電極における前記長手方向の基端側領域(222)の平均温度とが異なるよう、前記検出電極における前記長手方向の中心位置(O)から先端側(D1)又は基端側(D2)にずれた位置に対向している、ガスセンサ(1)にある。
前記一態様のガスセンサにおいては、検出電極とヒータ部の発熱部との位置関係に工夫をし、検出電極の温度が、長手方向の先端側領域と基端側領域とにおいて互いに異なるようにしている。具体的には、発熱部の発熱中心が、検出電極における長手方向の中心位置から先端側又は基端側にずれた位置に対向するようにしている。そして、検出電極における長手方向の先端側領域の平均温度と、検出電極における長手方向の基端側領域の平均温度とが、意図的に異なるようにしている。
この構成により、例えば、検出電極における先端側領域と基端側領域との一方を、触媒作用が活性化する作動温度又は特定ガス成分に対する感度がよい適切な温度に設定し、他方を、作動温度又は適切な温度よりも高い温度に設定することができる。そして、ガスセンサの定常時においては、作動温度又は適切な温度に制御された一方の領域によって特定ガス成分に対する感度が維持される。また、検出対象ガスの温度の低下、流速の増加等を受けて、ガスセンサ(検出素子部)の温度が急激に低下する過渡時においては、一方の領域における温度が作動温度又は適切な温度よりも下がる一方、他方の領域における温度が作動温度又は適切な温度になる、といった状況を形成することができる。
これにより、定常時及び過渡時のいずれにおいても、検出電極の先端側領域及び基端側領域の少なくとも一方を、作動温度又は適切な温度に維持することができる。それ故、前記一態様のガスセンサによれば、定常時及び過渡時のいずれにおいても、検出対象ガスにおける特定ガス成分の濃度を精度よく検出することができる。
なお、検出電極をその長手方向における中心位置において長手方向に2分割したときに、長手方向の先端側に位置する領域を「先端側領域」とし、長手方向の基端側に位置する領域を「基端側領域」とする。また、「先端側領域の平均温度」は、先端側領域における複数箇所の温度の平均値とし、「基端側領域の平均温度」は、基端側領域における複数箇所の温度の平均値とすることができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態1にかかる、ガスセンサの構成を示す断面説明図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図1のII−II断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図1のIII−III断面図。 実施形態1にかかる、他のセンサ素子を示す、図1のIII−III断面相当図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図1のV−V断面図。 実施形態1にかかる、センサ制御ユニットにおけるアンモニア濃度の検出に関する電気的構成を示す説明図。 実施形態1にかかる、ガスセンサが内燃機関に配置された状態を示す説明図。 実施形態1にかかる、検出電極において生じる混成電位を示す説明図。 実施形態1にかかる、アンモニア濃度が変化したときに検出電極において生じる混成電位を示す説明図。 実施形態1にかかる、酸素濃度が変化したときに検出電極において生じる混成電位を示す説明図。 実施形態1にかかる、検出電極の温度が変化したときに検出電極において生じる混成電位を示す説明図。 実施形態1にかかる、検出電極の温度と電位差の補正量との関係を示すグラフ。 実施形態1にかかる、測定ガスにCO及びC38の他ガスが含まれる場合に、検出電極において生じる混成電位を示す説明図。 実施形態1にかかる、酸素濃度が変化したときの、アンモニア濃度と電位差との関係を示すグラフ。 実施形態1にかかる、酸素濃度が変化したときの、電位差と酸素補正後のアンモニア濃度との関係を示すグラフ。 実施形態2にかかる、センサ素子を示す、図1のIII−III断面相当図。 実施形態2にかかる、他のセンサ素子を示す、図1のIII−III断面相当図。 実施形態3にかかる、ガスセンサの構成を示す断面説明図。 実施形態3にかかる、センサ素子を示す、図18のXIX−XIX断面図。 実施形態4にかかる、センサ素子を示す断面説明図。 実施形態4にかかる、ガスセンサの構成を示す、図20のXXI−XXI断面図。 確認試験1にかかる、検出電極の温度とセンサ出力との関係を示すグラフ。 確認試験1にかかる、検出電極の温度とセンサ出力の応答時間との関係を示すグラフ。 確認試験2にかかる、定常状態から過渡状態に変化したときの、検出電極の先端側領域及び基端側領域の平均温度の推移を示すグラフ。
前述したガスセンサ1にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1〜図3及び図5に示すように、検出素子部としてのアンモニア素子部2、ヒータ部4及び電位差検出部51を備える。アンモニア素子部2及びヒータ部4は、センサ素子10の一部を構成する。アンモニア素子部2は、酸素イオン伝導性の第1固体電解質体21と、第1固体電解質体21の第1表面211に設けられて、酸素(O2)及びアンモニア(NH3)が含まれる検出対象ガスGに晒される検出電極(アンモニア電極)22と、第1固体電解質体21における、第1表面211とは反対側の第2表面212に設けられた基準電極23とを有する。アンモニア素子部2は、長手方向Dに長い形状を有する。ヒータ部4は、通電によって発熱する発熱部411を有しており、発熱部411の発熱によって第1固体電解質体21、検出電極22及び基準電極23を加熱するよう構成されている。
図1及び図3に示すように、電位差検出部51は、検出電極22における、検出対象ガスGに含まれる酸素の電気化学的還元反応と検出対象ガスGに含まれる特定ガス成分としてのアンモニアの電気化学的酸化反応とが釣り合うときに生じる、検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔVを検出するよう構成されている。発熱部411の発熱中心Pは、検出電極22における長手方向Dの先端側領域221の平均温度と、検出電極22における長手方向Dの基端側領域222の平均温度とが異なるよう、検出電極22における長手方向Dの中心位置Oから先端側D1にずれた位置に対向している。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、本形態のガスセンサ1は、電位差式としての混成電位式のものである。このガスセンサ1においては、酸素及びアンモニアが含まれる状態の検出対象ガスGにおけるアンモニアの濃度を検出する。ガスセンサ1はアンモニアセンサを構成する。本形態の電位差検出部51は、検出電極22における、酸素の電気化学的還元反応(以下、単に還元反応という。)による還元電流とアンモニアの電気化学的酸化反応(以下、単に酸化反応という。)による酸化電流とが等しくなるときに生じる、検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔVを検出するよう構成されている。
なお、ガスセンサ1のセンサ素子10の検出電極22は、アンモニア以外にも、種々の特定ガス成分を混成電位によって検出するものとすることができる。例えば、検出電極22は、CO(一酸化炭素)、NO(一酸化窒素)、NO2(二酸化窒素)、N2O(亜酸化窒素)、H2(水素)、H2O(水)、HC(CH4、C26、C38、C410、C24、C36、C48、C22等の炭化水素)を混成電位によって検出するものとすることができる。
図7に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)7の排気管71において、NOxを還元する触媒72から流出するアンモニアの濃度を検出するものである。検出対象ガスGは、内燃機関7から排気管71へ排気された排ガスである。排ガスの組成は、内燃機関7における燃焼状態によって変化する。内燃機関7における、空気と燃料との質量比である空燃比が、理論空燃比に比べて燃料リッチな状態にあるときには、排ガスの組成においては、未燃ガスに含まれるHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、H2(水素)等の割合が多くなる一方、NO、NO2、N2O等のNOx(窒素酸化物)の割合が少なくなる。内燃機関7における空燃比が、理論空燃比に比べて燃料リーンな状態にあるときには、排ガスの組成においては、HC、CO等の割合が少なくなる一方、NOxの割合が多くなる。また、燃料リッチな状態においては、検出対象ガスGに酸素(空気)がほとんど含まれず、燃料リーンな状態においては、検出対象ガスGに酸素(空気)がより多く含まれる。
(触媒72)
同図に示すように、排気管71には、NOxを還元するための触媒72と、触媒72へアンモニアを含む還元剤Kを供給する還元剤供給装置73とが配置されている。触媒72は、触媒担体に、NOxの還元剤Kとしてのアンモニアが付着されるものである。触媒72の触媒担体におけるアンモニアの付着量は、NOxの還元反応に伴って減少する。そして、触媒担体におけるアンモニアの付着量が少なくなったときには、還元剤供給装置73から触媒担体へ新たにアンモニアが補充される。還元剤供給装置73は、排気管71における、触媒72よりも排ガスの流れの上流側位置に配置されており、尿素水を噴射して発生するアンモニアガスを排気管71へ供給するものである。アンモニアガスは、尿素水が加水分解されて生成される。還元剤供給装置73には、尿素水のタンク731が接続されている。
本形態の内燃機関7は、軽油の自己着火を利用して燃焼運転を行うディーゼルエンジンである。また、触媒72は、NOx(窒素酸化物)をアンモニア(NH3)と化学反応させて窒素(N2)及び水(H2O)に還元する選択式還元触媒(SCR)である。
なお、図示は省略するが、排気管71における、触媒72の上流側位置には、NOのNO2への変換(酸化)、CO、HC(炭化水素)等の低減を行う酸化触媒(DOC)、微粒子を捕集するフィルタ(DPF)等が配置されていてもよい。
(マルチガスセンサ)
図7に示すように、本形態のガスセンサ1は、排気管71における、触媒72よりも下流側位置に配置される。なお、排気管71に配置されるのは、厳密には、電位差検出部51等を含むセンサ制御ユニット(SCU)5を除く、センサ素子10を含むセンサ本体である。便宜上、本形態においては、センサ本体のことをガスセンサ1ということがある。
本形態のガスセンサ1は、アンモニア濃度の検出だけでなく、酸素濃度及びNOx濃度の検出も可能なマルチガスセンサ(複合センサ)として形成されている。そして、ガスセンサ1において、酸素濃度は、アンモニア濃度を補正するために使用される。また、ガスセンサ1によるアンモニア濃度及びNOx濃度は、内燃機関7の制御装置としてのエンジン制御ユニット(ECU)50によって、還元剤供給装置73から排気管71へ還元剤Kとしてのアンモニアを供給する時期を決定するために使用される。
なお、制御装置には、エンジンを制御するエンジン制御ユニット50、ガスセンサ1を制御するセンサ制御ユニット5の他、種々の電子制御ユニットがある。制御装置とは、種々のコンピュータ(処理装置)のことをいう。
エンジン制御ユニット50は、ガスセンサ1によって、検出対象ガスG中にNOxが存在することが検出されるときには、触媒72においてアンモニアが不足していると検知し、還元剤供給装置73から尿素水を噴射し、触媒72へアンモニアを供給するよう構成されている。一方、エンジン制御ユニット50は、ガスセンサ1によって、検出対象ガスG中にアンモニアが存在することが検出されるときには、触媒72においてアンモニアが過剰に存在していると検知し、還元剤供給装置73からの尿素水の噴射を停止し、触媒72へのアンモニアの供給を停止するよう構成されている。触媒72には、NOxを還元するためのアンモニアが過不足なく供給されることが好ましい。
エンジン制御ユニット50によるアンモニアの供給制御が行われることにより、触媒72の下流側位置(触媒出口721)及びガスセンサ1の配置位置に存在する検出対象ガスG中のNOx及びアンモニアの濃度領域においては、NOxがアンモニアによって適切に還元される状態と、NOxの流出量が多くなる状態と、アンモニアの流出量が多くなる状態とが、時間を変えて生じることになる。
(センサ本体)
図示は省略するが、ガスセンサ1のセンサ本体は、ヒータ部4が配置されてアンモニア濃度及びNOx濃度を検出するためのセンサ素子10と、センサ素子10を保持して排気管71に取り付けるためのハウジングと、ハウジングの先端側D1に取り付けられてセンサ素子10を保護する先端側カバーと、ハウジングの基端側D2に取り付けられてセンサ素子10の電気配線部分を保護する基端側カバーとを備える。図1〜図3に示すように、センサ素子10には、ヒータ部4を構成する発熱体41が埋設されている。
(センサ素子10)
図1及び図2に示すように、センサ素子10は、マルチガスセンサを構成するために、アンモニア濃度を検出するためのアンモニア素子部2、並びに酸素濃度及びNOx濃度を検出するための酸素素子部3を有する。センサ素子10は、アンモニア素子部2を形成するための第1固体電解質体21、及び酸素素子部3を形成するための第2固体電解質体31を有する。
第1固体電解質体21及び第2固体電解質体31は、直方体状であって板状に形成されている。第1固体電解質体21及び第2固体電解質体31には、板状の絶縁体25,36,42が積層されている。第1固体電解質体21と第2固体電解質体31との間に位置する絶縁体25には、基準電極23が収容された基準ガスダクト24が形成されている。検出電極22は、センサ素子10の外側表面を形成するとともに検出対象ガスGに露出される、第1固体電解質体21の外側表面としての第1表面211に設けられている。第1固体電解質体21の第1表面211は、センサ素子10の最表面となり、検出対象ガスGが所定の流速で衝突する表面となる。
図1及び図6に示すように、本形態のガスセンサ1は、アンモニア素子部2、ヒータ部4及び電位差検出部51の他に、アンモニア濃度算出部52及び通電制御部58を備える。アンモニア濃度算出部52は、検出対象ガスGにおける酸素濃度、及び電位差検出部51による電位差ΔVに基づいて、酸素濃度に応じた補正が行われた、検出対象ガスGにおけるアンモニア濃度を算出するよう構成されている。通電制御部58は、検出電極22の温度が350〜600℃の範囲内の目標制御温度になるよう、発熱体41への通電量を制御するよう構成されている。また、アンモニア濃度算出部52は、通電制御部58による目標制御温度が高いほど、酸素濃度が所定量変化したときのアンモニア濃度の補正量を小さくするよう構成されている。ヒータ部4は、通電によって発熱する発熱体41を有する。
(アンモニア素子部2)
図1及び図2に示すように、第1固体電解質体21は、板状に形成されており、所定の温度において酸素イオンを伝導させる性質を有するジルコニア材料を用いて構成されている。ジルコニア材料は、ジルコニアを主成分とする種々の材料によって構成することができる。ジルコニア材料には、イットリア(酸化イットリウム)等の希土類金属元素もしくはアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを用いることができる。
検出電極22は、アンモニア及び酸素に対する触媒活性を有する金(Au)を含有する貴金属材料を用いて構成されている。検出電極22の貴金属材料は、白金−金合金、白金−パラジウム合金、パラジウム−金合金等によって構成することができる。基準電極23は、酸素に対する触媒活性を有する白金(Pt)等の貴金属材料を用いて構成されている。また、検出電極22及び基準電極23は、第1固体電解質体21と焼結する際の共材となるジルコニア材料を含有していてもよい。
第1固体電解質体21の、検出対象ガスGに晒される第1表面211は、ガスセンサ1のセンサ素子10における最も外側の表面を形成する。そして、第1表面211に設けられた検出電極22には、検出対象ガスGが接触しやすい状態が形成されている。本形態の検出電極22の表面には、セラミックスの多孔質体等による保護層が設けられていない。そして、検出電極22には、検出対象ガスGが拡散律速されずに接触する。なお、検出電極22の表面には、検出対象ガスGの流速を極力低下させない保護層を設けることも可能である。
第1固体電解質体21の第2表面212に設けられた基準電極23は、基準ガスAとしての大気に晒されている。第1固体電解質体21の第2表面212には、大気が導入される基準ガスダクト(大気ダクト)24が隣接して形成されている。
(電位差検出部51及び電位差ΔV)
図1に示すように、本形態の電位差検出部51は、検出電極22に混成電位が生じたときの検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔVを検出する。検出電極22においては、検出電極22に接触する検出対象ガスG中にアンモニアと酸素とが存在する場合に、アンモニアの酸化反応と、酸素の還元反応とが同時に進行する。アンモニアの酸化反応は、代表的には、2NH3+3O2-→N2+3H2O+6e-によって表される。酸素の還元反応は、代表的には、O2+4e-→2O2-によって表される。そして、検出電極22における、アンモニアと酸素とによる混成電位は、検出電極22における、アンモニアの酸化反応(速度)と酸素の還元反応(速度)とが等しくなるときの電位として生じる。
図8は、検出電極22において生じる混成電位を説明するための図である。同図においては、横軸に、基準電極23に対する検出電極22の電位(電位差ΔV)をとり、縦軸に、検出電極22と基準電極23との間に流れる電流をとって、混成電位の変化の仕方を示す。また、同図においては、検出電極22においてアンモニアの酸化反応が行われる際の電位と電流の関係を示す第1ラインL1と、検出電極22において酸素の還元反応が行われる際の電位と電流の関係を示す第2ラインL2とを示す。第1ラインL1及び第2ラインL2は、いずれも右肩上がりのラインによって示す。
電位差ΔVが0(ゼロ)の場合は、検出電極22の電位が基準電極23の電位と同じであることを示す。混成電位は、アンモニアの酸化反応を示す第1ラインL1上のプラス側の電流と、酸素の還元反応を示す第2ラインL2上のマイナス側の電流とが釣り合ったときの電位となる。そして、検出電極22における混成電位は、基準電極23に対してマイナス側の電位として検出される。
また、図9に示すように、検出対象ガスGにおけるアンモニア濃度が高くなるときには、アンモニアの酸化反応を示す第1ラインL1の傾きθaが急になる。この場合には、第1ラインL1上のプラス側の電流と、第2ラインL2上のマイナス側の電流とが釣り合う電位が、よりマイナス側へシフトする。これにより、アンモニア濃度が高くなるほど、基準電極23に対する検出電極22の電位がマイナス側に大きくなる。言い換えれば、アンモニア濃度が高くなるほど、検出電極22と基準電極23との電位差(混成電位)ΔVが大きくなる。そのため、アンモニア濃度が高くなるほど電位差ΔVが大きくなり、電位差ΔVを検出することにより、検出対象ガスGにおけるアンモニア濃度を検出することが可能になる。
また、図10に示すように、検出対象ガスGにおける酸素濃度が高くなるときには、酸素の還元反応を示す第2ラインL2の傾きθsが急になる。この場合には、第1ラインL1上のプラス側の電流と、第2ラインL2上のマイナス側の電流とが釣り合う電位が、マイナス側におけるゼロに近い位置へシフトする。これにより、酸素濃度が高くなるほど、基準電極23に対する検出電極22のマイナス側の電位が小さくなる。言い換えれば、酸素濃度が高くなるほど、検出電極22と基準電極23との電位差(混成電位)ΔVが小さくなる。そのため、酸素濃度が高くなるほど、電位差ΔV又はアンモニア濃度を高くする補正を行うことにより、アンモニア濃度の検出精度を高めることができる。
(検出電極22の温度と電位差ΔV)
図11に示すように、検出電極22(及びアンモニア素子部2)の温度が高くなるときには、アンモニアの酸化反応を示す第1ラインL1の傾きθaが急になるとともに、酸素の還元反応を示す第2ラインL2の傾きθsも急になる。同図においては、検出電極22の温度が450℃から500℃に変化した場合を示す。そして、検出電極22の温度が高くなると、アンモニアの酸化反応による酸化電流と酸素の還元反応による還元電流とが大きくなるとともに、電位差(混成電位)ΔVは小さくなる。なお、検出電極22の温度が低くなると、これとは逆の変化が生じる。
また、同図においては、検出電極22の温度が450℃及び500℃のそれぞれの場合について、酸素濃度が5%(体積%)から10%に変化したときの電位差(混成電位)ΔVの変化も示す。酸素濃度が増加したときには、前述したように電位差(混成電位)ΔVが小さくなる。そして、検出電極22の温度が450℃の場合において、酸素濃度が5%から10%に変化するときに電位差(混成電位)ΔVが小さくなる変化量は、検出電極22の温度が500℃の場合において、酸素濃度が5%から10%に変化するときに電位差(混成電位)ΔVが小さくなる変化量に比べて大きい。
言い換えれば、検出電極22の温度が高い状態にあるほど、酸素濃度が変化したときの電位差(混成電位)ΔVの変化量は小さくなる。これに基づき、検出電極22の温度が高くなるほど、すなわち通電制御部58による目標制御温度が高くなるほど、アンモニア濃度算出部52は、酸素濃度の変化量に応じたアンモニア濃度の補正量を小さくする。
図12には、検出電極22の温度が400〜600℃の間の所定の温度にある場合に、検出対象ガスGの酸素濃度が5%から10%に変化したときに、酸素濃度の変化に応じて、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度がどれだけ補正されたかを示す。アンモニア濃度の補正量は、電位差ΔVの補正量[mV]として示す。また、この場合の電位差ΔVの補正量は、酸素濃度が高くなった場合の補正量であり、電位差ΔVを高くする補正量である。
同図においては、検出電極22へ供給する検出対象ガスGは、窒素中に、酸素が5%(体積%)及びアンモニアが100ppm含まれる状態から、窒素中に、酸素が10%及びアンモニアが100ppm含まれる状態に変化させた。検出対象ガスGは、500ml/minの流量で検出電極22へ供給した。基準電極23は大気に接触させた。
検出電極22の温度が400℃程度に低い場合には、酸素濃度が所定量変化したときの(酸素濃度の変化量に応じた)電位差ΔV(アンモニア濃度)の補正量が相対的に大きくなる。一方、検出電極22の温度が550℃程度に高い場合には、酸素濃度が所定量変化したときの(酸素濃度の変化量に応じた)電位差ΔV(アンモニア濃度)の補正量が相対的に小さくなる。なお、電位差ΔVはアンモニア濃度を示すため、電位差ΔVを補正することと、アンモニア濃度を補正することとは同じことを示す。
本形態のガスセンサ1においては、通電制御部58によって、検出電極22の温度が350〜600℃の温度範囲内のいずれかの温度になるよう制御される。そして、検出電極22が350〜600℃の温度範囲内にあることにより、酸素濃度に応じた補正を行ってアンモニア濃度を算出する精度を高めることができる。言い換えれば、検出電極22の温度が350〜600℃の温度範囲内にあるといった条件は、酸素濃度に応じた補正を行ってアンモニア濃度を求める混成電位式のガスセンサ1にとって不可欠であることが発明者らによって見出された。
図13には、検出対象ガスG中に、アンモニア及び酸素以外の他ガス、例えば、CO、NO、炭化水素(C38等)が存在する場合に、他ガスが電位差(混成電位)ΔVに与える影響を示す。同図においては、他ガスがCO及びC38である場合について示す。同図において、検出対象ガスG中に酸素、CO及びC38が存在するときには、酸素の還元反応を示す第2ラインL2上のマイナス側の電流は、アンモニアの酸化反応を示す第1ラインL1上のプラス側の電流と釣り合おうとするとともに、CO及びC38の他ガスの還元反応を示す第3ラインL3上のマイナス側の電流とも釣り合おうとする。
CO及びC38によるマイナス側の電位がアンモニアによるマイナス側の電位よりも小さいことにより、酸素の還元反応とCO及びC38の酸化反応とが釣り合う混成電位ΔV2は、酸素の還元反応とアンモニアの酸化反応とが釣り合う混成電位ΔV1よりも低くなる(マイナス側のゼロに近い位置になる)。これにより、アンモニア濃度を示す混成電位ΔV1が、他ガスの濃度を示す混成電位ΔV2による影響を受け、混成電位ΔV1の検出精度が悪化するおそれがある。言い換えれば、混成電位ΔV1は、混成電位ΔV2と複合されたような電位となるおそれがある。また、混成電位ΔV1と混成電位ΔV2との温度依存性は異なる。
同図において、検出電極22の温度が低くなると、アンモニアの酸化反応を示す第1ラインL1の傾きθa、酸素の還元反応を示す第2ラインL2の傾きθs、及び他ガスの酸化反応を示す第3ラインL3の傾きθxが小さくなり、アンモニア濃度を示す電位差(混成電位)ΔV1が、他ガスによる影響をより受けやすくなる。
検出電極22の温度が350℃以上である場合には、アンモニアに対する検出電極22の酸化触媒性能が、他ガスに対する検出電極22の酸化触媒性能よりも大幅に高い。そのため、アンモニアの酸化反応と酸素の還元反応とによる混成電位ΔV1が、他ガスの酸化反応と酸素の還元反応とによる混成電位ΔV2の影響をほとんど受けない。
一方、検出電極22の温度が350℃未満である場合には、アンモニアに対する検出電極22の酸化触媒性能と、他ガスに対する検出電極22の酸化触媒性能との差が小さくなる。そのため、アンモニアの酸化反応と酸素の還元反応とによる混成電位ΔV1が、他ガスの酸化反応と酸素の還元反応とによる混成電位ΔV2の影響を受けやすくなる。
また、検出電極22の温度が600℃超過である場合には、アンモニアの酸化反応を示す第1ラインL1の傾きθa、及び酸素の還元反応を示す第2ラインL2の傾きθsがかなり急になる。そして、アンモニアの酸化反応を示すプラス側の電流と、酸素の還元反応を示すマイナス側の電流とが、電位差ΔVがゼロの原点付近で釣り合いやすくなる。そのため、混成電位ΔV1又はアンモニア濃度の絶対値が小さくなり、アンモニア濃度の検出精度が低下する。
従って、通電制御部58によって、検出電極22の温度が350〜600℃の温度範囲内のいずれかの温度になるよう制御することによって、酸素補正後のアンモニア濃度の検出精度を高く維持することができる。なお、検出対象ガスGとしての排ガスに含まれる可能性がある、NOx、CO、HC(炭化水素)等の他ガスは、検出電極22の温度が350〜600℃の範囲内にあり、検出対象ガスG中に例えば10ppm以上のアンモニアが含まれる場合には、アンモニア濃度の検出精度にあまり影響を与えないことが確認された。
(酸素素子部3)
図1及び図6に示すように、本形態のガスセンサ1は、マルチガスセンサを形成するために、アンモニア素子部2、電位差検出部51、アンモニア濃度算出部52、ヒータ部4及び通電制御部58の他に、酸素素子部3、ポンピング部53、ポンプ電流検出部54、酸素濃度算出部55、NOx検出部56及びNOx濃度算出部57を備える。また、酸素素子部3には、酸素素子部3及びアンモニア素子部2を加熱するヒータ部4が積層されている。
酸素素子部3は、第2固体電解質体31、ガス室35、拡散抵抗部351、ポンプ電極32、NOx電極33及び他の基準電極34を有する。第2固体電解質体31は、第1固体電解質体21に対向して配置されている。第2固体電解質体31は、板状に形成されており、所定の温度において酸素イオンを伝導させる性質を有するジルコニア材料を用いて構成されている。このジルコニア材料は、第1固体電解質体21の場合と同様である。
なお、ガスセンサ1がNOxを検出する機能を持たない場合には、酸素素子部3は、NOx電極33を有さず、ガスセンサ1はNOx検出部56及びNOx濃度算出部57を備えていなくてもよい。
図1、図2及び図5に示すように、ガス室35は、第2固体電解質体31の第3表面311に接して形成されている。ガス室35は、ガス室用絶縁体36によって形成されている。ガス室用絶縁体36は、アルミナ等のセラミックス材料からなる。拡散抵抗部351は、多孔質のセラミックス層として形成されており、ガス室35へ拡散速度を制限して検出対象ガスGを導入するための部分である。
ポンプ電極32は、第3表面311におけるガス室35内に収容されており、ガス室35内の検出対象ガスGに晒される。NOx電極33は、第3表面311におけるガス室35内に収容されており、ポンプ電極32によって酸素濃度が調整された後の検出対象ガスGに晒される。他の基準電極34は、第2固体電解質体31における、第3表面311とは反対側の第4表面312に設けられている。
ポンプ電極32は、酸素に対する触媒活性を有する一方、NOxに対する触媒活性を有しない貴金属材料を用いて構成されている。ポンプ電極32の貴金属材料は、白金−金合金又は白金及び金を含有する材料から構成することができる。NOx電極33は、NOx及び酸素に対する触媒活性を有する貴金属材料を用いて構成されている。NOx電極33の貴金属材料は、白金−ロジウム合金又は白金及びロジウム(Rh)を含有する材料から構成することができる。他の基準電極34は、酸素に対する触媒活性を有する白金等の貴金属材料を用いて構成されている。また、ポンプ電極32、NOx電極33及び他の基準電極34は、第2固体電解質体31と焼結する際の共材となるジルコニア材料を含有していてもよい。
本形態の他の基準電極34は、第2固体電解質体31を介して、ポンプ電極32と対向する位置及びNOx電極33と対向する位置のそれぞれに設けられている。なお、他の基準電極34は、ポンプ電極32及びNOx電極33と対向する位置の全体に1つ設けられていてもよい。
図1〜図3に示すように、第2固体電解質体31の第4表面312に設けられた他の基準電極34は、基準ガスAとしての大気に晒されている。第1固体電解質体21と第2固体電解質体31とは、基準ガスダクト24を形成するダクト用絶縁体25を介して積層されている。ダクト用絶縁体25は、アルミナ等のセラミックス材料からなる。
基準ガスダクト24は、第1固体電解質体21の第2表面212における基準電極23と、第2固体電解質体31の第4表面312における他の基準電極34とに大気を接触させる状態で形成されている。基準電極23及び他の基準電極34は、基準ガスダクト24内に収容されている。基準ガスダクト24は、センサ素子10の基端からガス室35に対向する位置まで形成されている。
ガスセンサ1の基端側カバー内に導入された基準ガスAは、基準ガスダクト24の基端側D2の開口部から基準ガスダクト24内に導入される。本形態のセンサ素子10は、第1固体電解質体21と第2固体電解質体31との間に基準ガスダクト24を有することにより、基準電極23及び他の基準電極34の全体をまとめて大気に接触させることができる。
(ポンピング部53、ポンプ電流検出部54及び酸素濃度算出部55)
図1に示すように、ポンピング部53は、他の基準電極34をプラス側として、ポンプ電極32と他の基準電極34との間に直流電圧を印加して、ガス室35内の検出対象ガスGにおける酸素を汲み出すよう構成されている。ポンプ電極32と他の基準電極34との間に直流電圧が印加されるときには、ポンプ電極32に接触する、ガス室35内の検出対象ガスGにおける酸素が、酸素イオンとなって第2固体電解質体31を他の基準電極34に向けて通過し、基準電極23から基準ガスダクト24へと排出される。これにより、ガス室35内の酸素濃度が、NOxの検出に適した濃度に調整される。
ポンプ電流検出部54は、ポンプ電極32と他の基準電極34との間に流れる直流電流を検出するよう構成されている。酸素濃度算出部55は、ポンプ電流検出部54によって検出された直流電流に基づいて、検出対象ガスGにおける酸素濃度を算出するよう構成されている。ポンプ電流検出部54においては、ポンピング部53によってガス室35内から基準ガスダクト24へ排出される酸素の量に比例した直流電流が検出される。
また、ポンピング部53は、ガス室35内の検出対象ガスGにおける酸素濃度が所定の濃度になるまで、ガス室35内から基準ガスダクト24へ酸素を排出する。そのため、酸素濃度算出部55は、ポンプ電流検出部54によって検出される直流電流を監視することにより、アンモニア素子部2及び酸素素子部3に到達する検出対象ガスGにおける酸素濃度を算出することができる。
酸素濃度算出部55によって算出される酸素濃度は、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度を補正するための酸素濃度として利用される。
(NOx検出部56及びNOx濃度算出部57)
図1に示すように、NOx検出部56は、他の基準電極34をプラス側としてNOx電極33と他の基準電極34との間に直流電圧を印加して、NOx電極33と他の基準電極34との間に流れる直流電流を検出するよう構成されている。NOx濃度算出部57は、NOx検出部56によって検出される直流電流に基づいて、検出対象ガスGにおける補正前NOx濃度を算出し、補正前NOx濃度からアンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度を差し引いて補正後NOx濃度を算出するよう構成されている。NOx検出部56においては、NOxだけでなくアンモニアも検出される。そのため、NOx濃度算出部57においては、アンモニアの検出量を差し引くことにより実際のNOxの検出量が得られる。
NOx濃度算出部57によるNOx濃度は、2種類あるものとする。NOx検出部56に生じる電流に基づくNOx濃度を補正前NOx濃度とする。補正前NOx濃度においては、NOx電極33において反応するアンモニアによるアンモニア濃度が含まれる。一方、NOx濃度算出部57による補正前NOx濃度からアンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度を差し引いた濃度を、補正後NOx濃度とする。補正後NOx濃度は、アンモニアによる影響が除外されたNOx濃度を示す。アンモニア濃度とNOx濃度とが比較される場合には、補正後NOx濃度が用いられる。
NOx電極33には、ポンプ電極32によって酸素濃度が調整された後の検出対象ガスGが接触する。そして、NOx検出部56において、NOx電極33と他の基準電極34との間に直流電圧が印加されるときには、NOx電極33に接触するNOxが窒素と酸素に分解され、酸素が酸素イオンとなって第2固体電解質体31を他の基準電極34に向けて通過し、基準電極23から基準ガスダクト24へと排出される。また、NOx検出部56にアンモニアが到達するときには、アンモニアが酸化されて生成されたNOxも同様に窒素と酸素に分解される。そして、NOx濃度算出部57は、NOx検出部56によって検出される直流電流を監視することにより、酸素素子部3に到達する検出対象ガスGにおける補正前NOx濃度を算出し、補正前NOx濃度からアンモニア濃度を差し引いて、NOx濃度を補正後NOx濃度として算出する。
ガスセンサ1を、アンモニア濃度だけでなく酸素濃度及びNOx濃度も検出するマルチガスセンサとしたことにより、アンモニア濃度及びNOx濃度を検出する際に、排気管71に配置するガスセンサ1の使用数を減らすことができる。また、NOx濃度を検出するために使用されるポンプ電極32及びポンピング部53を利用して、ポンプ電流検出部54及び酸素濃度算出部55によって酸素濃度を検出することができる。
ポンピング部53、ポンプ電流検出部54及びNOx検出部56は、アンプ等を用いてセンサ制御ユニット5内に形成されている。酸素濃度算出部55及びNOx濃度算出部57は、コンピュータ等を用いてセンサ制御ユニット5内に形成されている。
なお、図1においては、便宜的に、電位差検出部51、ポンピング部53、ポンプ電流検出部54及びNOx検出部56を、センサ制御ユニット5と区別して記載する。実際には、これらは、センサ制御ユニット5内に構築されている。また、図示は省略するが、各電極22,23,32,33,34には、電気接続用のリード部が、発熱体41のリード部412と同様に、センサ素子10の基端側D2の位置まで形成されている。
(アンモニア濃度算出部52)
図1及び図6に示すように、アンモニア濃度算出部52は、酸素濃度算出部55による酸素濃度と電位差検出部51による電位差ΔVとに基づいて、検出対象ガスGにおけるアンモニア濃度を算出する。
図14は、混成電位式のアンモニア素子部2において、検出対象ガスGにおけるアンモニア濃度の変化に応じて検出される、電位差検出部51による検出電極22と基準電極23との間の電位差(混成電位)ΔVが、酸素濃度の影響を受けて変化することを示す。同図に示すように、電位差検出部51によって検出される電位差(混成電位)ΔVは、酸素濃度が高くなるほど小さく検出される(マイナス側のゼロに近い位置で検出される)。この理由は、図10における傾きθsによって説明したとおりである。
図15に示すように、本形態のアンモニア濃度算出部52においては、検出対象ガスGにおける酸素濃度をパラメータとして、電位差検出部51による電位差ΔVと、酸素濃度に応じた補正が行われた酸素補正後のアンモニア濃度C1との関係を示す関係マップM1が設定されている。この関係マップM1は、酸素濃度が所定の値にあるときの電位差ΔV(酸素補正前のアンモニア濃度C0)と酸素補正後のアンモニア濃度C1との関係として作成されている。アンモニア濃度算出部52は、検出対象ガスGにおける酸素濃度及び電位差検出部51による電位差ΔVを関係マップM1に照合して、検出対象ガスGにおける酸素補正後のアンモニア濃度C1を算出するよう構成されている。
より具体的には、アンモニア濃度算出部52は、酸素濃度算出部55による酸素濃度と、電位差検出部51による電位差ΔVとを、関係マップM1の酸素濃度及び電位差ΔVにそれぞれ照合する。そして、関係マップM1から、電位差ΔVのときの酸素補正後のアンモニア濃度C1を読み取る。そして、アンモニア濃度算出部52は、酸素濃度が高いほど、酸素補正後のアンモニア濃度C1が高くなるように補正する。こうして、図6に示すように、酸素補正後のアンモニア濃度C1は、酸素濃度に応じて補正された、ガスセンサ1から出力されるアンモニア出力濃度となる。なお、関係マップM1においては、電位差ΔVを、酸素補正前のアンモニア濃度C0としてもよい。
同図においては、検出対象ガスG中の酸素濃度が、例えば、5[体積%]、10[体積%]、20[体積%]である場合の関係マップM1を示す。この関係マップM1を用いることにより、酸素濃度に応じたアンモニア濃度C1又は電位差ΔVの補正を容易にすることができる。電位差ΔVと酸素補正後のアンモニア濃度C1との関係マップM1は、ガスセンサ1の試作・実験時等において求めておくことができる。
また、図15の関係マップM1は、検出電極22の温度ごとに設定することができる。そして、検出電極22の温度の違いを反映して、酸素濃度に応じた酸素補正後のアンモニア濃度C1を算出することができる。また、関係マップM1から算出された酸素補正後のアンモニア濃度C1を、検出電極22の温度に応じて定められた温度補正係数を用いて補正することもできる。
電位差検出部51及びアンモニア濃度算出部52は、ガスセンサ1に電気接続されたセンサ制御ユニット(SCU)5内に形成されている。電位差検出部51は、検出電極22と基準電極23との電位差ΔVを測定するアンプ等を用いて形成されている。アンモニア濃度算出部52は、コンピュータ等を用いて形成されている。また、センサ制御ユニット5は、内燃機関7のエンジン制御ユニット(ECU)50に接続されており、エンジン制御ユニット50による、内燃機関7、還元剤供給装置73等の動作の制御に利用される。
なお、アンモニア濃度算出部52は、酸素濃度に応じたアンモニア濃度の補正を行う際には、NOx検出部56による補正前NOx濃度又は補正後NOx濃度も加味してアンモニア濃度を補正することもできる。酸素素子部3におけるNOx電極33は、NOxに対する触媒活性を有するだけでなく、アンモニアに対する触媒活性も有する。そのため、アンモニア濃度は、NOx電極33において、補正前NOx濃度として検出することが可能である。これにより、アンモニア濃度算出部52においては、酸素濃度、検出電極22の温度及びNOx濃度に基づいて、電位差ΔVによるアンモニア濃度を補正することもできる。
(ヒータ部4及び通電制御部58)
図1及び図2に示すように、第2固体電解質体31の、第1固体電解質体21が積層された側とは反対側には、酸素素子部3及びアンモニア素子部2を加熱するヒータ部4が積層されている。換言すれば、ヒータ部4は、酸素素子部3に対して、アンモニア素子部2が積層された側とは反対側に積層されている。
ヒータ部4は、通電によって発熱する発熱体41と、発熱体41を埋設するヒータ用絶縁体42とによって形成されている。ヒータ用絶縁体42は、アルミナ等のセラミックス材料からなる。基準ガスAが導入される基準ガスダクト24は、アンモニア素子部2と酸素素子部3との間に形成されている。基準電極23及び他の基準電極34は、基準ガスダクト24内に収容されている。
図1〜図3に示すように、発熱体41は、発熱部411と、発熱部411に繋がるリード部412とによって形成されており、発熱部411は、各固体電解質体21,31と各絶縁体25,36,42とが積層された方向(以下、積層方向Sという。)において、各電極22,23,32,33,34に対向する位置に形成されている。発熱体41には、発熱体41に通電を行うための通電制御部58が接続されている。通電制御部58による発熱体41への通電量は、発熱体41へ印加する電圧を変化させることによって調整することができる。通電制御部58は、発熱体41に、PWM(パルス幅変調)制御等を行った電圧を印加するドライブ回路等を用いて形成されている。通電制御部58は、センサ制御ユニット5内に形成されている。
アンモニア素子部2とヒータ部4との距離は、酸素素子部3とヒータ部4との距離よりも大きい。そして、ヒータ部4によって酸素素子部3を加熱する温度に比べて、ヒータ部4によってアンモニア素子部2を加熱する温度は低い。酸素素子部3のポンプ電極32及びNOx電極33は、600〜900℃の作動温度範囲内において使用され、アンモニア素子部2の検出電極22は、350〜600℃の作動温度範囲内において使用される。検出電極22の下限作動温度は350℃となり、上限作動温度は600℃となる。なお、検出電極22の下限作動温度は400℃とすることもできる。
検出電極22の温度は、ヒータ部4の加熱によって、350〜600℃の作動温度範囲内のいずれかの温度を目標として制御される。通電制御部58は、検出電極22の温度を目標制御温度に制御するときには、NOx電極33を、600〜900℃の作動温度範囲内に加熱するよう構成されている。この構成により、通電制御部58によるヒータ部4の加熱制御によって、アンモニア素子部2の検出電極22及び酸素素子部3のNOx電極33のそれぞれを、アンモニアの検出及びNOxの検出に適切な温度に加熱することができる。
また、酸素素子部3とアンモニア素子部2との間に基準ガスダクト24が形成されていることにより、ヒータ部4によって酸素素子部3及びアンモニア素子部2を加熱する際に、基準ガスダクト24を断熱層として作用させることができる。これにより、酸素素子部3のポンプ電極32及びNOx電極33の温度に比べて、アンモニア素子部2の検出電極22の温度を容易に低くすることができる。また、通電制御部58による通電制御を行うことにより、酸素素子部3及びアンモニア素子部2の温度を目標とする温度に制御する。
(温度設定部501)
図6に示すように、ガスセンサ1は、通電制御部58による検出電極22の先端側領域221及び基端側領域222の目標制御温度を設定するための温度設定部501を備える。温度設定部501においては、検出電極22の目標制御温度が、350〜600℃の作動温度範囲内のうちの特定の温度として設定されている。検出電極22の目標制御温度は、350〜600℃の作動温度範囲内において適宜変更することができる。
(検出電極22と発熱中心Pとの位置関係)
図1及び図3に示すように、本形態のガスセンサ1のセンサ素子10においては、検出電極22の長手方向Dの中心位置Oよりも、発熱体41の発熱部411の発熱中心Pを長手方向Dの先端側D1に配置している。また、図3に示すように、本形態の発熱部411の発熱中心Pは、検出電極22の先端側領域221よりも長手方向Dの先端側D1の位置にある。なお、発熱部411の発熱中心Pは、図4に示すように、検出電極22の先端側領域221と積層方向Sにおいて対向する位置(重なる位置)にあってもよい。
そして、検出電極22においては、長手方向Dの先端側領域221の平均温度が、長手方向Dの基端側領域222の平均温度よりも高い。ここで、先端側領域221とは、検出電極22をその長手方向Dにおける中心位置Oにおいて長手方向Dに2分割したときに、長手方向Dの先端側D1に位置する領域のことを示し、基端側領域222とは、先端側領域221を除く領域のことであって、長手方向Dの基端側D2に位置する領域のことを示す。
発熱部411の発熱による長手方向Dの温度分布は、発熱部411の発熱中心Pに近い位置ほど温度が高い山型の分布となる。そして、検出電極22の長手方向Dの各部位においては、発熱部411の発熱中心Pに近いほど高い温度に加熱される。
また、先端側領域221及び基端側領域222における各温度は、検出電極22の表面温度とする。そして、先端側領域221の平均温度は、先端側領域221の複数箇所における表面温度の平均値とし、基端側領域222の平均温度は、基端側領域222の複数箇所における表面温度の平均値とする。先端側領域221の平均温度は、例えば、先端側領域221における5〜100箇所の表面温度を測定したときの算術平均値とすることができる。基端側領域222の平均温度は、例えば、基端側領域222における5〜100箇所の表面温度を測定したときの算術平均値とすることができる。検出電極22の表面温度は、例えば、赤外線を利用して非接触で温度を測定するサーモグラフィを用いて測定することができる。
検出電極22の先端側領域221及び基端側領域222を加熱する温度は、通電制御部58による発熱体41への通電電流の大きさ等を変更することによって変更可能である。また、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差は、10〜60℃の範囲内にすることができる。この温度差は、発熱部411の発熱中心Pの長手方向Dの位置に対して、検出電極22の中心位置Oの長手方向Dの位置を変更することによって調整することができる。また、温度差は、通電制御部58による発熱体41への通電電流の大きさ等によって調整することもできる。
本形態においては、発熱体41の発熱部411は、ポンプ電極32及びNOx電極33を600〜900℃の作動温度に加熱するために、積層方向Sにおいてポンプ電極32及びNOx電極33に対向する位置に配置されている。一方、検出電極22は、350〜600℃の作動温度になるよう、発熱体41の発熱中心Pに対する長手方向Dの配置位置を適宜変更することができる。発熱中心Pに対して検出電極22の長手方向Dの中心位置Oが先端側D1又は基端側D2に離れるほど、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差を大きくすることができる。
発熱部411の発熱中心Pを、検出電極22の長手方向Dの中心位置O(先端側領域221と基端側領域222との境界位置)に近づけるほど温度差が小さくなり、発熱部411の発熱中心Pを、検出電極22の長手方向Dの中心位置Oから長手方向Dに遠ざけるほど温度差が大きくなる。先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差を、10〜60℃の範囲内として適切に設定することにより、検出対象ガスGの温度変化を受けたガスセンサ1の定常時及び過渡時のいずれにおいても、先端側領域221及び基端側領域222の少なくとも一方の温度を、350℃以上の作動温度に維持することができる。
また、本形態の検出電極22においては、先端側領域221の全部位の温度が、基端側領域222の全部位の温度以上になるように、検出電極22の長手方向Dの中心位置Oに対する発熱部411の発熱中心Pの長手方向Dの位置を設定している。この構成により、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差が出やすくして、先端側領域221及び基端側領域222の少なくとも一方が350℃以上の作動温度に維持されやすくすることができる。
ガスセンサ1の定常時において、検出電極22の先端側領域221の平均温度は、390〜480℃の範囲内になるようにすることができる。また、ガスセンサ1の定常時において、検出電極22の基端側領域222の平均温度は、先端側領域221の平均温度よりも低く、かつ380〜420℃の範囲内になるようにすることができる。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1においては、検出電極22とヒータ部4の発熱部411との位置関係に工夫をし、検出電極22の温度が、長手方向Dの先端側領域221と基端側領域222とにおいて互いに異なるようにしている。具体的には、センサ素子10の積層方向Sにおいて、発熱部411の発熱中心Pが、検出電極22における長手方向Dの中心位置Oから先端側D1にずれた位置に対向するようにしている。換言すれば、センサ素子10を各固体電解質体21,31と各絶縁体25,36,42との積層方向Sから見たときに、発熱部411の発熱中心Pが、検出電極22における長手方向Dの中心位置Oから先端側D1にずれた位置に配置されている。そして、検出電極22における長手方向Dの先端側領域221の平均温度が、検出電極22における長手方向Dの基端側領域222の平均温度よりも高くなるようにしている。
ガスセンサ1によってアンモニアセンサを構成する際には、アンモニアを検出するための検出電極22の加熱温度は、作動温度範囲内の350℃又は400℃の下限作動温度近くまで低い方が、アンモニアを検出するための検出電極22の感度が高いことが分かっている。そのため、発熱体41によって検出電極22を加熱する温度は、作動温度範囲内の下限作動温度近くに設定することが好ましい。しかし、検出電極22を加熱する温度を下限作動温度付近にすると、内燃機関の運転状況に応じて検出対象ガスGとしての排ガスの温度が急激に下がる場合には、センサ素子10が排ガスによって急冷されて、検出電極22の温度が下限作動温度よりも低くなるおそれがある。
そこで、本形態のガスセンサ1においては、検出電極22を加熱する温度を、その先端側領域221と基端側領域222とにおいて異ならせ、基端側領域222の平均温度は作動温度範囲内の下限作動温度に近い温度に設定し、先端側領域221の平均温度は基端側領域222の平均温度よりも高い温度に設定する。これにより、ガスセンサ1の定常時においては、下限作動温度に近い温度に制御された基端側領域222によってNOxに対する感度が高く維持される。また、検出対象ガスGの温度の低下、流速の増加等を受けて、アンモニア素子部2の温度が急激に低下する過渡時において、基端側領域222における平均温度が下限作動温度よりも下がった場合でも、先端側領域221における平均温度が作動温度範囲内の下限作動温度に近い温度になる、といった状況を形成することができる。
これにより、定常時及び過渡時のいずれにおいても、検出電極22の先端側領域221及び基端側領域222の少なくとも一方を、作動温度範囲内の下限作動温度に近い温度に維持することができる。それ故、本形態のガスセンサ1によれば、定常時及び過渡時のいずれにおいても、検出対象ガスGにおける特定ガス成分の濃度を精度よく検出することができる。
<実施形態2>
本形態は、検出電極22と発熱中心Pとの位置関係が実施形態1の場合と異なるセンサ素子10について示す。
図16に示すように、本形態のガスセンサ1のセンサ素子10においては、発熱体41の発熱部411の発熱中心Pは、検出電極22の長手方向Dの中心位置Oから長手方向Dの基端側D2にずれた位置にある。また、本形態の発熱部411の発熱中心Pは、検出電極22の基端側領域222よりも長手方向Dの基端側D2の位置にある。なお、発熱部411の発熱中心Pは、図17に示すように、積層方向Sにおいて検出電極22の基端側領域222と対向する位置(重なる位置)にあってもよい。本形態の検出電極22においては、長手方向Dの基端側領域222の平均温度が、長手方向Dの先端側領域221の平均温度よりも高い。
本形態の検出電極22においては、先端側領域221の全部位の温度が、基端側領域222の全部位の温度以下になるように、検出電極22の長手方向Dの中心位置Oに対する発熱部411の発熱中心Pの位置を設定している。この構成により、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差が出やすくして、先端側領域221及び基端側領域222の少なくとも一方が350℃以上の作動温度範囲内に維持されやすくすることができる。
ガスセンサ1の定常時において、検出電極22の基端側領域222の平均温度は、390〜480℃の範囲内になるようにすることができる。また、ガスセンサ1の定常時において、検出電極22の先端側領域221の平均温度は、基端側領域222の平均温度よりも低く、かつ380〜420℃の範囲内になるようにすることができる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態3>
本形態は、酸素素子部3を備えないセンサ素子10について示す。
図18及び図19に示すように、センサ素子10がアンモニア濃度のみを検出する場合には、センサ素子10は、検出電極22と基準電極23とが設けられた第1固体電解質体21と、基準ガスダクト24が形成された絶縁体25と、発熱体41が埋設された絶縁体42とが積層されたものとすることができる。本形態の固体電解質体は1つであるが、検出電極22及び基準電極23が設けられた第1固体電解質体21として示す。
検出電極22は、検出対象ガスGに晒される第1固体電解質体21の外側表面としての第1表面211に配置されており、基準電極23は、基準ガスダクト24内に配置されている。この場合にも、検出電極22の先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度とを異ならせることができる。また、この場合には、ガスセンサ1においてアンモニア濃度を求めるために、他のガスセンサによって測定された酸素濃度を利用することができる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1,2の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1,2に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1,2の場合と同様である。
<実施形態4>
本形態も、酸素素子部3及び基準ガスダクト24を備えないセンサ素子10について示す。
図20及び図21に示すように、基準電極23を基準ガスダクト24内に配置しない場合には、検出電極22及び基準電極23を、センサ素子10の外側表面を構成する第1固体電解質体21の第1表面211に配置することができる。この場合には、検出電極22と基準電極23とのアンモニアに対する触媒活性の違いに基づき、検出対象ガスGにおけるアンモニアの濃度を検出することができる。この場合にも、検出電極22の先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度とを異ならせることができる。
本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1,2の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1,2に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1,2の場合と同様である。
<確認試験1>
確認試験1においては、検出電極22の温度と、検出電極22のセンサ出力及び応答時間との関係について確認した。図22には、検出電極22の温度[℃]と、センサ出力[mV]との関係について確認した結果を示す。検出電極22の温度は、検出電極22の中心位置Oの温度として示す。センサ出力は、検出電極22に生じる混成電位(検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔV)として示す。検出電極22には試験ガスを接触させ、基準電極23には大気を接触させた。試験ガスは、酸素を10体積%、アンモニアを100ppm含有するとともに、残部が窒素からなるものとした。試験ガスの温度は250℃とし、検出電極22に供給する試験ガスの流量は3L/minとした。
同図において、検出電極22の温度が350〜600℃の範囲内にあるときには、センサ出力が得られ、この範囲が検出電極22の作動温度であることが分かる。また、検出電極22における混成電位は、350〜600℃の作動温度の範囲内においては、できるだけ温度を低くした方が大きくなることが分かる。一方、検出電極22の温度が350℃未満の場合には、固体電解質体の酸素イオン伝導性が低下して、検出電極22に混成電位が発現しないことが確認された。また、検出電極22の温度が600℃超過の場合には、アンモニアが検出電極22上において反応・消失することにより、検出電極22に混成電位が発現しないことが確認された。
図23には、検出電極22の温度[℃]と、試験ガスのアンモニア濃度を変化させたときのセンサ出力の応答時間[s]との関係について確認した結果を示す。検出電極22の温度は、検出電極22の中心位置Oの温度として示す。センサ出力の応答時間は、試験ガスにおけるアンモニアの濃度を100ppmから200ppmに切り替えたときに、センサ出力が、切り換え後のセンサ出力と切り換え前のセンサ出力との出力差の10%の出力から90%の出力に変化するまでの時間として示す。試験ガスの他の条件は、図22のセンサ出力の試験の場合と同様である。
図23において、検出電極22の温度が高いほど応答時間が短くなることが分かる。一方、検出電極22の温度が350℃付近まで低くなると応答時間が長くなることが分かる。
図22のセンサ出力の結果、及び図23の応答時間の結果を総合すると、検出電極22の温度は作動温度範囲内において350℃に近くなるまで低い方が、検出電極22の感度(センサ出力)が大きくなるものの、検出電極22の応答性が悪化する(応答時間が長くなる)。そのため、検出電極22の温度は、センサ出力と応答時間とのバランスから、400〜500℃の範囲内に設定することが、より好ましいと考える。
<確認試験2>
確認試験2においては、検出電極22に先端側領域221及び基端側領域222が形成されたセンサ素子10の試作品を作製し、先端側領域221と基端側領域222との温度の変化について観察した。試作品のセンサ素子10は、アルミナからなる絶縁体と、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる第1固体電解質体21とを積層したものとした。検出電極22と基準電極23とは、第1固体電解質体21を挟んで互いに対向する位置に配置した。検出電極22は、AuとYSZのサーメット電極から構成し、基準電極23は、PtとYSZのサーメット電極から構成した。また、絶縁体には、基準電極23が収容される基準ガスダクト24を形成した。
また、本確認試験におけるセンサ素子10は、図18及び図19に示すセンサ素子10において、第1固体電解質体21に対するヒータ部4の位置を変更可能にしたものである。そして、サーモグラフィによって検出電極22の先端側領域221及び基端側領域222の表面の温度分布を測定し、サーモグラフィによる温度分布が所望の分布になるように、ヒータ部4に対する検出電極22の位置を設定するとともに、ヒータ部4への通電量を制御した。検出電極22及び基準電極23の面積は、10mm2(2mm×5mm)とした。
また、検出電極22には試験ガスを接触させ、基準電極23には大気を接触させた。試験ガスは、酸素を10体積%、アンモニアを100ppm含有するとともに、残部が窒素からなるものとした。試験ガスの温度は250℃とし、検出電極22に晒される試験ガスの流量は、定常状態においては0.3L/minとし、過渡状態においては30L/minとした。
そして、250℃の試験ガスが0.3L/min流れる定常状態において、先端側領域221の平均温度が440℃程度、基端側領域222の平均温度が400℃程度になるようにヒータ部4を制御し、所定時間経過後に、試験ガスが30L/min流れる過渡状態に変化させた。そして、時間が経過する過程における、先端側領域221の平均温度及び基端側領域222の平均温度を、サーモグラフィによって測定した。なお、過渡状態に変化してから所定時間経過した後には、ヒータ部4による検出電極22の先端側領域221及び基端側領域222の温度制御により、先端側領域221の平均温度が440℃程度に回復し、基端側領域222の平均温度が400℃程度に回復した。
図24には、本確認試験における温度の測定結果を示す。同図に示すように、検出電極22の下限作動温度は350℃とし、検出電極22の上限作動温度は600℃とする。試験ガスの状態が、定常状態から過渡状態に変化した後には、先端側領域221の平均温度及び基端側領域222の平均温度がともに下がっていることが分かる。この平均温度の低下は、試験ガスの流量が増加したことにより、試作品のセンサ素子10が冷やされたために生じた。
この平均温度の低下時において、基端側領域222の平均温度は、下限作動温度である350℃よりも低い温度に低下した。このとき、基端側領域222の少なくとも一部は、350℃未満となり、基端側領域222は、センサ出力を発生させるための酸素イオン伝導性を発現しにくい状態になったと推察される。ただし、このときにおいても、先端側領域221の平均温度は400℃以上程度に維持されており、先端側領域221は、センサ出力を発生させるための酸素イオン伝導性を発現できる状態に維持されている。
この試験結果より、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度とを異ならせた検出電極22を用いたセンサ素子10を使用することにより、センサ素子10の温度が急激に低下する過渡時においても、検出電極22の全体によって検出電極22の感度を維持できることが確認された。なお、基端側領域222の平均温度を先端側領域221の平均温度よりも高くする場合についても、本確認試験と同様の結果が得られた。
<確認試験3>
確認試験3においては、検出電極22における、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差がどれだけあればよいかを確認した。本確認試験においては、先端側領域221を高温側領域とし、基端側領域222を、高温側領域の平均温度よりも平均温度が低い低温側領域とした。また、温度差が5〜70℃の範囲内で互いに異なる試作品1〜8のセンサ素子10を作製した。
そして、各試作品について、検出ガスに供給する試験ガスの流量が0.3L/minである定常状態から、試験ガスの流量が30L/minである過渡状態に変化させたときに、ガスセンサ1のセンサ出力(検出電極22と基準電極23との間の電位差ΔV)がどれだけ変化したかを測定し、この変化をセンサ出力の変化率[%]として求めた。センサ出力の変化率は、定常状態におけるセンサ出力をX1[mV]、過渡状態におけるセンサ出力をX2[mV]としたとき、(X1−X2)/X1×100[%]の式によって求められる。
また、各試作品について、センサ出力のばらつきがどれだけ生じたかを、センサ出力の安定性として確認した。この安定性については、ばらつきが少なかった場合を○によって示し、ばらつきが多かった場合を×によって示す。
本確認試験を行った結果を表1に示す。同表において、試作品1〜8について、検出電極22として適切か否かを判定し、適切である場合を○、適切でない場合を×として示す。
Figure 2020085465
温度差が5℃である試作品1については、センサ出力の変化率が55%と大きくなり、判定が×となった。また、温度差が70℃である試作品8については、センサ出力の安定性が×となり、判定が×となった。一方、温度差が10〜60℃である試作品2〜7については、センサ出力の変化率が小さく、かつセンサ出力の安定性が良好であり、判定が○となった。この結果より、検出電極22における、先端側領域221の平均温度と基端側領域222の平均温度との温度差は、10〜60℃の範囲内にあることが好ましいことが分かった。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガスセンサ
10 センサ素子
21 第1固体電解質体
22 検出電極
221 先端側領域
222 基端側領域
23 基準電極
4 ヒータ部
51 電位差検出部

Claims (6)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質体(21)、前記固体電解質体の表面に設けられて、検出対象ガス(G)に晒される検出電極(22)、及び前記固体電解質体の表面に設けられた基準電極(23)を有するとともに、長手方向(D)に長い形状を有する検出素子部(2)と、
    通電によって発熱する発熱部(411)を有し、前記発熱部の発熱によって前記固体電解質体、前記検出電極及び前記基準電極を加熱するヒータ部(4)と、
    前記検出電極における、前記検出対象ガスに含まれる酸素の電気化学的還元反応と前記検出対象ガスに含まれる特定ガス成分の電気化学的酸化反応とが釣り合うときに生じる、前記検出電極と前記基準電極との間の電位差(ΔV)を検出する電位差検出部(51)と、を備え、
    前記発熱部の発熱中心(P)は、前記検出電極における前記長手方向の先端側領域(221)の平均温度と、前記検出電極における前記長手方向の基端側領域(222)の平均温度とが異なるよう、前記検出電極における前記長手方向の中心位置(O)から先端側(D1)又は基端側(D2)にずれた位置に対向している、ガスセンサ(1)。
  2. 前記先端側領域の全部位の温度は、前記基端側領域の全部位の温度以上又は前記基端側領域の全部位の温度以下である、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記発熱部の発熱中心は、前記先端側領域に対向する位置、又は前記先端側領域よりも前記長手方向の先端側の位置にあり、
    前記先端側領域の平均温度は、前記基端側領域の平均温度よりも高い、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記発熱部の発熱中心は、前記基端側領域に対向する位置、又は前記基端側領域よりも前記長手方向の基端側の位置にあり、
    前記基端側領域の平均温度は、前記先端側領域の平均温度よりも高い、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  5. 前記先端側領域の平均温度と前記基端側領域の平均温度との差は、10〜60℃の範囲内にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  6. 前記固体電解質体は、板状に形成されており、
    前記固体電解質体には、板状の絶縁体(25,42)が積層されており、
    前記ヒータ部は、前記発熱部が形成されて前記絶縁体内に埋設された発熱体(41)を有しており、
    前記絶縁体には、前記基準電極が収容された基準ガスダクト(24)が形成されており、
    前記検出電極は、前記検出対象ガスに露出される、前記固体電解質体の外側表面に設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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