JP7071873B2 - マルチガスセンサ - Google Patents
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酸素イオンの伝導性を有する第1固体電解質体(21)、及び前記第1固体電解質体を介して配置されたアンモニア電極(22)及び第1基準電極(23)を有し、前記アンモニア電極と前記第1基準電極との間に生じる電位差(ΔV)を検出し、前記電位差に基づいて測定ガス(G)におけるアンモニア濃度を算出するよう構成されたアンモニアセンサ部(11)と、
酸素イオンの伝導性を有する第2固体電解質体(31)、前記第2固体電解質体を介して配置されたNOx電極(32)及び第2基準電極(34A)、及び前記NOx電極を収容するとともに拡散抵抗部(351)を介して測定ガスが導入される測定ガス室(35)を有し、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に電圧が印加された状態において、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に生じる電流を検出し、前記電流に基づいて測定ガスにおける補正前NOx濃度を算出し、前記補正前NOx濃度から前記アンモニア濃度を差し引いてNOx濃度を算出するよう構成されたNOxセンサ部(12)と、
前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度が前記NOxセンサ部による前記NOx濃度よりも高く、かつ前記アンモニア濃度と前記NOx濃度との差が第2濃度差(Δn2)以上となって、前記触媒からアンモニアが所定量以上流出する場合を、認定時として認定する認定部(61)と、
前記認定部が前記認定時を認定した場合において、前記NOxセンサ部による前記補正前NOx濃度が、前記NOx電極に接触するアンモニアの濃度である推定アンモニア濃度を示すとして、前記推定アンモニア濃度と前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度とを比較して、前記アンモニアセンサ部の性能劣化の有無又は度合いを判定する劣化判定部(62)と、を備えるマルチガスセンサ(1)にある。
酸素イオンの伝導性を有する第1固体電解質体(21)、及び前記第1固体電解質体を介して配置されたアンモニア電極(22)及び第1基準電極(23)を有し、前記アンモニア電極と前記第1基準電極との間に生じる電位差(ΔV)を検出し、前記電位差に基づいて測定ガス(G)におけるアンモニア濃度を算出するよう構成されたアンモニアセンサ部(11)と、
酸素イオンの伝導性を有する第2固体電解質体(31)、前記第2固体電解質体を介して配置されたNOx電極(32)及び第2基準電極(34A)、及び前記NOx電極を収容するとともに拡散抵抗部(351)を介して測定ガスが導入される測定ガス室(35)を有し、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に電圧が印加された状態において、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に生じる電流を検出し、前記電流に基づいて測定ガスにおける補正前NOx濃度を算出し、前記補正前NOx濃度から前記アンモニア濃度を差し引いてNOx濃度を算出するよう構成されたNOxセンサ部(12)と、
前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度が前記NOxセンサ部による前記NOx濃度よりも高く、かつ前記アンモニア濃度と前記NOx濃度との差が第2濃度差(Δn2)以上となって、前記触媒からアンモニアが所定量以上流出する場合を、認定時として認定する認定部(61)と、
前記認定部が前記認定時を認定した場合において、前記NOxセンサ部による前記補正前NOx濃度が、前記NOx電極に接触するアンモニアの濃度である推定アンモニア濃度を示すとし、前記推定アンモニア濃度と前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度との差に基づいて、前記アンモニアセンサ部の性能劣化量(R)を算出する劣化量算出部(63)と、
前記性能劣化量に基づいて、前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度を補正するアンモニア濃度補正部(64)と、を備えるマルチガスセンサ(1)にある。
前記一態様のマルチガスセンサは、アンモニア濃度を検出可能なアンモニアセンサ部と、NOx濃度を検出可能なNOxセンサ部とを備え、NOxセンサ部による補正前NOx濃度を利用して、アンモニアセンサ部の性能劣化の有無又は度合いを判定するものである。また、マルチガスセンサは、性能劣化の有無又は度合いを判定するために、認定部及び劣化判定部を備える。認定部においては、アンモニアセンサ部によるアンモニア濃度とNOxセンサ部によるNOx濃度とを比較し、アンモニア濃度がNOx濃度よりも所定濃度以上高い場合を特定条件として認定する。
前記他の態様のマルチガスセンサにおいては、アンモニアセンサ部の性能劣化の有無又は度合いを判定する代わりに、アンモニアセンサ部に生じた性能劣化量に応じて、アンモニアセンサ部によって算出されるアンモニア濃度を補正する。
<実施形態1>
本形態のマルチガスセンサ1は、図1~図4に示すように、アンモニアセンサ部11、NOxセンサ部12、認定部61及び劣化判定部62を備える。アンモニアセンサ部11は、酸素イオンの伝導性を有する第1固体電解質体21と、第1固体電解質体21を介して配置されたアンモニア電極(検出電極)22及び第1基準電極23とを有する。アンモニアセンサ部11は、アンモニア電極22と第1基準電極23との間に生じる電位差ΔVを検出し、電位差ΔVに基づいて測定ガスGにおけるアンモニア濃度を算出するよう構成されている。
(マルチガスセンサ1)
図1に示すように、本形態のマルチガスセンサ1は、電位差式としての混成電位式のものである。このマルチガスセンサ1においては、酸素及びアンモニアが含まれる状態の測定ガスGにおけるアンモニアの濃度を検出する。本形態のアンモニアセンサ部11は、アンモニア電極22における、酸素の電気化学的還元反応(以下、単に還元反応という。)による還元電流とアンモニアの電気化学的酸化反応(以下、単に酸化反応という。)による酸化電流とが等しくなるときに生じる、アンモニア電極22と第1基準電極23との間の電位差ΔVを検出するよう構成されている。
同図に示すように、排気管71には、NOxを還元するための触媒72と、触媒72へアンモニアを含む還元剤Kを供給する還元剤供給装置73とが配置されている。触媒72は、触媒担体に、NOxの還元剤Kとしてのアンモニアが付着されるものである。触媒72の触媒担体におけるアンモニアの付着量は、NOxの還元反応に伴って減少する。そして、触媒担体におけるアンモニアの付着量が少なくなったときには、還元剤供給装置73から触媒担体へ新たにアンモニアが補充される。還元剤供給装置73は、排気管71における、触媒72よりも排ガスの流れの上流側位置に配置されており、尿素水を噴射して発生するアンモニアガスを排気管71へ供給するものである。アンモニアガスは、尿素水が加水分解されて生成される。還元剤供給装置73には、尿素水のタンク731が接続されている。
図6に示すように、本形態のマルチガスセンサ1は、排気管71における、触媒72よりも下流側位置に配置される。なお、排気管71に配置されるのは、厳密には、マルチガスセンサ1のセンサ素子10及びセンサ素子10を保持するセンサ本体である。便宜上、本形態においては、センサ本体のことをマルチガスセンサ1ということがある。
エンジン制御ユニット50によるアンモニアの供給制御が行われることにより、触媒72の下流側位置(触媒出口721)及びマルチガスセンサ1の配置位置に存在する測定ガスGのNOx及びアンモニアの濃度領域においては、NOxがアンモニアによって適切に還元される状態と、NOxの流出量が多くなる状態と、アンモニアの流出量が多くなる状態とが、時間を変えて生じることになる。
アンモニアセンサ部11は、機械的構成部位であるアンモニア素子部2と、電気的構成部位である電位差検出部51及びアンモニア濃度算出部52とによって構成されている。アンモニア素子部2は、第1固体電解質体21、アンモニア電極22及び第1基準電極23を有する。
第1固体電解質体21は、板状に形成されており、所定の温度において酸素イオンを伝導させる性質を有するジルコニア材料を用いて構成されている。ジルコニア材料は、ジルコニアを主成分とする種々の材料によって構成することができる。ジルコニア材料には、イットリア(酸化イットリウム)等の希土類金属元素もしくはアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを用いることができる。
図1に示すように、本形態の電位差検出部51は、アンモニア電極22に混成電位が生じたときのアンモニア電極22と第1基準電極23との間の電位差ΔVを検出する。アンモニア電極22においては、アンモニア電極22に接触する測定ガスG中にアンモニアと酸素とが存在する場合に、アンモニアの酸化反応と、酸素の還元反応とが同時に進行する。アンモニアの酸化反応は、代表的には、2NH3+3O2-→N2+3H2O+6e-によって表される。酸素の還元反応は、代表的には、O2+4e-→2O2-によって表される。そして、アンモニア電極22における、アンモニアと酸素とによる混成電位は、アンモニア電極22における、アンモニアの酸化反応(速度)と酸素の還元反応(速度)とが等しくなるときの電位として生じる。
図1に示すように、アンモニア濃度算出部52は、電位差検出部51による電位差ΔVに基づいて、測定ガスGにおけるアンモニア濃度を算出するよう構成されている。アンモニア濃度算出部52は、測定ガスGにおけるアンモニア濃度を算出するに当たり、後述する酸素濃度算出部55によって酸素濃度を算出し、算出した酸素濃度における電位差ΔVを、電位差ΔVと酸素補正後のアンモニア濃度との関係マップM1に照合して、酸素補正後のアンモニア濃度C1を算出するように構成されている。
図1に示すように、NOxセンサ部12は、機械的構成部位であるNOx素子部3と、電気的構成部位であるポンピング部53、ポンプ電流検出部54、酸素濃度算出部55、NOx検出部56及びNOx濃度算出部57とによって構成されている。NOx素子部3は、第2固体電解質体31、NOx電極32、第2基準電極34A、ポンプ電極33及び第3基準電極34Bを有する。NOx素子部3は、第2固体電解質体31、NOx電極32及び第2基準電極34A、測定ガス室35の他に、第2固体電解質体31を介して配置されたポンプ電極33及び第3基準電極34Bを更に有する。
NOx素子部3は、第2固体電解質体31、測定ガス室35、拡散抵抗部351、ポンプ電極33、NOx電極32、第2基準電極34A及び第3基準電極34Bを有する。第2固体電解質体31は、第1固体電解質体21に対向して配置されている。第2固体電解質体31は、板状に形成されており、所定の温度において酸素イオンを伝導させる性質を有するジルコニア材料を用いて構成されている。このジルコニア材料は、第1固体電解質体21の場合と同様である。
図1及び図2に示すように、第2固体電解質体31の、第1固体電解質体21が積層された側とは反対側には、NOx素子部3及びアンモニア素子部2を加熱するヒータ部4が積層されている。ヒータ部4は、通電によって発熱する発熱体41と、発熱体41を埋設するヒータ用絶縁体42とによって形成されている。ヒータ用絶縁体42は、アルミナ等のセラミックス材料からなる。
図1に示すように、ポンピング部53は、第3基準電極34Bをプラス側として、ポンプ電極33と第3基準電極34Bとの間に直流電圧を印加して、測定ガス室35内の測定ガスGにおける酸素を汲み出すよう構成されている。ポンプ電極33と第3基準電極34Bとの間に直流電圧が印加されるときには、ポンプ電極33に接触する、測定ガス室35内の測定ガスGにおける酸素が、酸素イオンとなって第2固体電解質体31を第3基準電極34Bに向けて通過し、第3基準電極34Bから基準ガスダクト24へと排出される。これにより、測定ガス室35内の酸素濃度が、NOxの検出に適した濃度に調整される。
図1に示すように、NOx検出部56は、第2基準電極34Aをプラス側としてNOx電極32と第2基準電極34Aとの間に直流電圧を印加して、NOx電極32と第2基準電極34Aとの間に流れる直流電流を検出するよう構成されている。NOx濃度算出部57は、NOx検出部56によって検出される直流電流に基づいて、測定ガスGにおける補正前NOx濃度を算出し、補正前NOx濃度からアンモニア濃度を差し引いて補正後NOx濃度を算出するよう構成されている。NOx検出部56においては、NOxだけでなくアンモニアも検出される。そのため、NOx濃度算出部57においては、アンモニアの検出量を差し引くことにより実際のNOxの検出量が得られる。
図5及び図7に示すように、認定部61は、アンモニアセンサ部11によるアンモニア濃度と、NOxセンサ部12による補正後NOx濃度とを比較して、アンモニアセンサ部11によるアンモニア濃度がNOxセンサ部12による補正後NOx濃度よりも所定濃度Δn2以上高い場合を、認定時として認定する。この場合において、アンモニアセンサ部11によるアンモニア濃度は、酸素濃度算出部55による酸素濃度に応じて補正を行った、酸素補正後のアンモニア濃度C1とすることができる。
劣化判定部62は、認定部61が認定時を認定した場合を条件として、アンモニアセンサ部11の性能劣化の有無又は度合いを判定する判定時期を決定することができる。判定時期は、例えば、車両の走行距離が所定の設定距離以上になり、かつ認定時が認定された場合とすることができる。そして、車両の走行距離が設定距離になるごとに、判定時期が決定される。
マルチガスセンサ1から出力するアンモニア出力濃度は、酸素濃度算出部55の酸素濃度を用いて補正された、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度とする。また、アンモニア出力濃度は、酸素濃度を用いて補正するだけでなく、NOx濃度算出部57による補正後NOx濃度を用いて補正することもできる。
劣化判定部62は、アンモニア濃度がNOx濃度に比べて所定濃度Δn2以上高い場合に、劣化の判定を行う。そして、マルチガスセンサ1においてアンモニアがある程度検出される場合に、アンモニア素子部2の劣化の有無又は度合いを判定する。また、認定時を普遍的に決定するためには、認定部61は、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度がNOx濃度算出部57による補正後NOx濃度よりも所定濃度Δn2以上高い場合であって、かつ内燃機関がフューエルカット運転を行うとともに還元剤供給装置が触媒へ還元剤Kを供給している場合を、認定時として認定することができる。
測定ガスGとしての排ガスには、酸素、アンモニア、NOxの他に、未燃ガス成分としてのCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)等が混在する場合もある。アンモニア電極22において検出される混成電位は、アンモニア濃度及び酸素濃度によって変化するだけでなく、他ガスとしてのNOx、CO、HC等の濃度によっても変化することが確認された。ただし、この他ガスによる混成電位の変化は、測定ガスG中にアンモニアが含まれている場合には、あまり生じないことが確認された。
センサ素子10には、図14及び図15に示すように、NOx検出部56によるアンモニアの検出を容易にするために、アンモニアを酸化させてNOxに変換させる酸化触媒37を設けることができる。酸化触媒37は、アンモニア電極22の近くに配置すると、アンモニア電極22及び電位差検出部51によって検出されるべきアンモニアの濃度が低下してしまう。そのため、酸化触媒37は、アンモニア電極22からできるだけ離れた位置に配置することが望ましい。
次に、マルチガスセンサ1を用いた劣化判定方法の一例について、図16のフローチャートを参照して説明する。
内燃機関7の燃焼運転が開始されたときには、マルチガスセンサ1、還元剤供給装置73、センサ制御ユニット5、エンジン制御ユニット50等が動作する。マルチガスセンサ1においては、電位差検出部51によって、アンモニア電極22と第1基準電極23との間に生じる電位差ΔVが検出される(図16のステップS101)。また、ポンプ電流検出部54によって、ポンプ電極33と第3基準電極34Bとの間に流れる直流電流(ポンプ電流)が検出される(ステップS101)。また、NOx検出部56によって、NOx電極32と第2基準電極34Aとの間に流れる直流電流(センサ電流)が検出される(ステップS101)。
本形態のマルチガスセンサ1においては、認定部61は、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度C1とNOx濃度算出部57による補正後NOx濃度とを比較し、アンモニア濃度C1が補正後NOx濃度よりも所定濃度Δn2以上高い場合を特定条件として認定する。マルチガスセンサ1によってアンモニア濃度及びNOx濃度の検出が行われる環境下においては、アンモニアはNOxを還元するために用いられる。そして、本願発明者らは、この環境下においては、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度C1が、NOx濃度算出部57による補正後NOx濃度よりも、低くなる場合と高くなる場合とが異なるタイミングで生じることに着目している。そして、アンモニア濃度C1が補正後NOx濃度よりも所定濃度Δn2以上高い場合を特定条件として認定する。
本形態のマルチガスセンサ1は、アンモニア素子部2に生じた性能劣化量に応じてアンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度を補正するよう構成されている。
具体的には、図17に示すように、本形態のマルチガスセンサ1は、実施形態1の劣化判定部62の代わりに、劣化量算出部63及びアンモニア濃度補正部64を備える。劣化量算出部63は、認定部61が認定時を認定した場合において、NOxセンサ部12(NOx濃度算出部57)による補正前NOx濃度が、NOx電極32に接触するアンモニアの濃度である推定アンモニア濃度を示すとし、推定アンモニア濃度とアンモニアセンサ部11(アンモニア濃度算出部52)によるアンモニア濃度との差に基づいて、アンモニア素子部2の性能劣化量を算出するよう構成されている。アンモニア濃度補正部64は、性能劣化量に基づいて、アンモニア濃度算出部52によるアンモニア濃度を補正するよう構成されている。
本形態のマルチガスセンサ1の制御方法の一例を、図18のフローチャートを参照して説明する。
内燃機関7の燃焼運転が開始されたときには、マルチガスセンサ1、還元剤供給装置73、センサ制御ユニット5、エンジン制御ユニット50等が動作する。また、本形態においては、マルチガスセンサ1の使用初期において、アンモニア素子部2の性能劣化量Rを0(ゼロ)にする(ステップS201)。次いで、実施形態1のステップS101と同様にして、アンモニア電極22と第1基準電極23との間に生じる電位差ΔV、ポンプ電極33と第3基準電極34Bとの間に流れるポンプ電流、及びNOx電極32と第2基準電極34Aとの間に流れるセンサ電流が検出される(ステップS202)。
11 アンモニアセンサ部
12 NOxセンサ部
61 認定部
62 劣化判定部
63 劣化量算出部
64 アンモニア濃度補正部
Claims (7)
- NOxを還元する触媒(72)及び前記触媒へアンモニアを含む還元剤(K)を供給する還元剤供給装置(73)が配置された、内燃機関(7)の排気管(71)において、前記触媒から流出するアンモニア及びNOxの濃度を検出するマルチガスセンサであって、
酸素イオンの伝導性を有する第1固体電解質体(21)、及び前記第1固体電解質体を介して配置されたアンモニア電極(22)及び第1基準電極(23)を有し、前記アンモニア電極と前記第1基準電極との間に生じる電位差(ΔV)を検出し、前記電位差に基づいて測定ガス(G)におけるアンモニア濃度を算出するよう構成されたアンモニアセンサ部(11)と、
酸素イオンの伝導性を有する第2固体電解質体(31)、前記第2固体電解質体を介して配置されたNOx電極(32)及び第2基準電極(34A)、及び前記NOx電極を収容するとともに拡散抵抗部(351)を介して測定ガスが導入される測定ガス室(35)を有し、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に電圧が印加された状態において、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に生じる電流を検出し、前記電流に基づいて測定ガスにおける補正前NOx濃度を算出し、前記補正前NOx濃度から前記アンモニア濃度を差し引いてNOx濃度を算出するよう構成されたNOxセンサ部(12)と、
前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度が前記NOxセンサ部による前記NOx濃度よりも高く、かつ前記アンモニア濃度と前記NOx濃度との差が第2濃度差(Δn2)以上となって、前記触媒からアンモニアが所定量以上流出する場合を、認定時として認定する認定部(61)と、
前記認定部が前記認定時を認定した場合において、前記NOxセンサ部による前記補正前NOx濃度が、前記NOx電極に接触するアンモニアの濃度である推定アンモニア濃度を示すとして、前記推定アンモニア濃度と前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度とを比較して、前記アンモニアセンサ部の性能劣化の有無又は度合いを判定する劣化判定部(62)と、を備えるマルチガスセンサ(1)。 - NOxを還元する触媒(72)及び前記触媒へアンモニアを含む還元剤(K)を供給する還元剤供給装置(73)が配置された、内燃機関(7)の排気管(71)において、前記触媒から流出するアンモニア及びNOxの濃度を検出するマルチガスセンサであって、
酸素イオンの伝導性を有する第1固体電解質体(21)、及び前記第1固体電解質体を介して配置されたアンモニア電極(22)及び第1基準電極(23)を有し、前記アンモニア電極と前記第1基準電極との間に生じる電位差(ΔV)を検出し、前記電位差に基づいて測定ガス(G)におけるアンモニア濃度を算出するよう構成されたアンモニアセンサ部(11)と、
酸素イオンの伝導性を有する第2固体電解質体(31)、前記第2固体電解質体を介して配置されたNOx電極(32)及び第2基準電極(34A)、及び前記NOx電極を収容するとともに拡散抵抗部(351)を介して測定ガスが導入される測定ガス室(35)を有し、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に電圧が印加された状態において、前記NOx電極と前記第2基準電極との間に生じる電流を検出し、前記電流に基づいて測定ガスにおける補正前NOx濃度を算出し、前記補正前NOx濃度から前記アンモニア濃度を差し引いてNOx濃度を算出するよう構成されたNOxセンサ部(12)と、
前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度が前記NOxセンサ部による前記NOx濃度よりも高く、かつ前記アンモニア濃度と前記NOx濃度との差が第2濃度差(Δn2)以上となって、前記触媒からアンモニアが所定量以上流出する場合を、認定時として認定する認定部(61)と、
前記認定部が前記認定時を認定した場合において、前記NOxセンサ部による前記補正前NOx濃度が、前記NOx電極に接触するアンモニアの濃度である推定アンモニア濃度を示すとし、前記推定アンモニア濃度と前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度との差に基づいて、前記アンモニアセンサ部の性能劣化量(R)を算出する劣化量算出部(63)と、
前記性能劣化量に基づいて、前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度を補正するアンモニア濃度補正部(64)と、を備えるマルチガスセンサ(1)。 - 前記NOxセンサ部は、
前記第2固体電解質体を介して配置されたポンプ電極(33)及び第3基準電極(34B)を更に有し、前記ポンプ電極と前記第3基準電極との間に電圧を印加して、前記ポンプ電極が収容された前記測定ガス室における酸素を汲み出すとともに、前記ポンプ電極と前記第3基準電極との間に流れる電流に基づいて測定ガスにおける酸素濃度を検出するようにも構成されており、
前記アンモニアセンサ部は、
前記アンモニア電極における、酸素の還元反応とアンモニアの酸化反応とが等しくなるときに生じる、前記アンモニア電極と前記第1基準電極との間の電位差を検出するよう構成されており、かつ、前記NOxセンサ部による酸素濃度に応じた補正を行って前記アンモニア濃度を算出するよう構成されている、請求項1又は2に記載のマルチガスセンサ。 - 前記第1固体電解質体と前記第2固体電解質体とは、基準ガス(A)が導入される基準ガスダクト(24)を介して積層されており、
前記第1基準電極、前記第2基準電極及び前記第3基準電極は、前記基準ガスダクト内に収容されており、
前記第2固体電解質体に対して前記第1固体電解質体が積層された側とは反対側には、前記第2固体電解質体及び前記第1固体電解質体を加熱するヒータ部(4)が積層されている、請求項3に記載のマルチガスセンサ。 - 前記認定部は、
前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度が前記NOxセンサ部による前記NOx濃度よりも高く、かつ前記アンモニア濃度と前記NOx濃度との差が第2濃度差(Δn2)以上である場合であって、かつ前記内燃機関がフューエルカット運転を行うとともに前記還元剤供給装置が前記触媒へ前記還元剤を供給している場合を、前記認定時として認定するよう構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のマルチガスセンサ。 - 前記マルチガスセンサは、
前記アンモニアセンサ部によるアンモニア濃度と前記NOxセンサ部によるNOx濃度との関係を示す濃度領域を、前記NOx濃度が前記アンモニア濃度よりも高く、かつ前記NOx濃度と前記アンモニア濃度との差が第1濃度差(Δn1)以上となって、前記触媒からNOxが所定量以上流出することを示す第1濃度領域(N1)、前記アンモニア濃度が前記NOx濃度よりも高く、かつ前記アンモニア濃度と前記NOx濃度との差が第2濃度差(Δn2)以上となって、前記触媒からアンモニアが所定量以上流出することを示す第3濃度領域(N3)、及び前記第1濃度領域と前記第3濃度領域との間の第2濃度領域(N2)に区分したとき、
前記アンモニアセンサ部による前記アンモニア濃度と前記NOxセンサ部による前記NOx濃度とが前記第2濃度領域内になるよう、前記還元剤供給装置が前記触媒への前記還元剤の供給量を調整するために用いられるものである、請求項1~5のいずれか1項に記載のマルチガスセンサ。 - 前記拡散抵抗部、前記第2固体電解質体の表面又は前記第2固体電解質体に積層された絶縁体(25,36,42)の表面には、アンモニアを酸化させてNOxに変換させる酸化触媒が設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載のマルチガスセンサ。
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