JP2020084673A - 露出柱脚の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた地震エネルギーの吸収能力を確保しつつ、コストを抑制することができ、弾塑性変形の評価も可能な露出柱脚の補強構造を提供する。【解決手段】 既存の露出柱脚1の下端部に接合された既設ベースプレート2の外縁付近に既設アンカーボルト5が挿通されて基礎4に固定されている露出柱脚の補強構造であって、既設ベースプレートの外側に接合された補強ベースプレートと、該補強ベースプレートの外周部に挿通された補強アンカーボルト6からなり、補強ベースプレートは、既設ベースプレートよりも低い降伏強度を有し、補強アンカーボルトは、既設アンカーボルトよりも高い降伏強度を有しており、地震発生時に、補強ベースプレートが弾性変形又は塑性変形し、かつ、既設ベースプレートと補強アンカーボルトとが塑性変形しないことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、露出柱脚の補強構造に関する。
従来より、露出柱脚の下端部に略矩形のベースプレートを接合し、そのベースプレートにアンカーボルトを挿通して基礎に固定する露出柱脚の補強構造が知られている。この露出柱脚の補強構造においては、地震に対応するための降伏形態として、アンカーボルト降伏型、柱降伏型、ベースプレート降伏型が提案されている。
アンカーボルト降伏型は、ベースプレートを強固にして、アンカーボルトを先に降伏させる形態であり、伸び能力に優れている。柱降伏型は、ベースプレートとアンカーボルトを強固にして、柱に変形能力を負担させる形態であり、地震エネルギー吸収能力に優れている。ベースプレート降伏型は、柱とアンカーボルトを強固にして、ベースプレートを降伏させる形態であり、優れた地震エネルギー吸収能力があるとされている。
しかしながら、アンカーボルト降伏型の場合、地震エネルギーの吸収能力を確保することが難しいという問題があった。また、柱降伏型の場合、アンカーボルトを多く配設する必要があるため、コストを抑えることが難しく、また、ベースプレートとアンカーボルトの剛性が高いため、地震エネルギーが柱下端に集中して損傷する恐れがあるという問題があった。さらに、ベースプレート降伏型は、高い地震エネルギー吸収能力が期待されているものの、降伏メカニズム(耐荷機構)が複雑であるため、変形制御の観点から設計に用いることが難しいという問題があった。
このような従来の問題に対して、建設の際に、ベースプレートとして露出柱脚の下端部が接合する第1のベースプレートと、この第1の設ベースプレートから外側に広がる第2のベースプレートとを設けた露出柱脚の接合構造が提案されている(特許文献1)。この提案によれば、予め、第1のベースプレートと第2のベースプレート及び、第1のベースプレートを固定する第1のアンカーボルトと、第2のベースプレートを固定する第2のアンカーボルトの降伏強度を特定の関係に設定しておくことにより地震エネルギーを吸収するようにしている。
特許第6140209号公報
特許文献1は、上記構成により、優れた地震エネルギーの吸収能力を確保しつつ、コストを抑制することができる点において優れたものである。しかしながら、特許文献1の提案は、建築設計の段階で、予め第1及び第2のベースプレート、第1及び第2のアンカーボルトの降伏強度条件を設定しておく必要があり、既存の露出柱脚に対しては適用できないという点において改良の余地があった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、既存の露出柱脚に対して適用が可能であるとともに、優れた地震エネルギーの吸収能力を確保しつつ、コストを抑えることができる露出柱脚の補強構造を提供することを課題としている。
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
第1に、既存の露出柱脚の下端部に接合された既設ベースプレートの外縁付近に既設アンカーボルトが挿通されて基礎に固定されている露出柱脚の補強構造であって、
前記既設ベースプレートの外側に接合された補強ベースプレートと、該補強ベースプレートの外周部に挿通された補強アンカーボルトからなり、
前記補強ベースプレートは、前記既設ベースプレートよりも低い降伏強度を有し、
前記補強アンカーボルトは、前記既設アンカーボルトよりも高い降伏強度を有しており、
地震発生時に、前記補強ベースプレートが弾性変形又は塑性変形し、かつ、既設ベースプレートと補強アンカーボルトとが塑性変形しないことを特徴としている。
第2に、上記第1の発明の露出柱脚の補強構造において、前記既設ベースプレートが略矩形状であり、前記補強ベースプレートが、前記既設ベースプレートの四隅に対して、各隅の隣り合う2辺に接するように接合されていることが好ましい。
第3に、上記第1の発明の露出柱脚の補強構造において、前記既設ベースプレートが略矩形状であり、前記補強ベースプレートが、前記既設ベースプレートの3辺に接するとともに、向かい合って挟むように接合されていることが好ましい。
第4に、上記第1から第3のいずれかの発明の露出柱脚の補強構造において、前記既設ベースプレートが略矩形状であり、その四隅に切欠部が形成されていることが好ましい。
第5に、上記第1から第4のいずれかの発明の露出柱脚の補強構造において、前記補強ベースプレートの降伏強度が15〜300kNmであることが好ましい。
第6に、上記第1から第5のいずれかの発明の露出柱脚の補強構造において、前記補強アンカーボルトの降伏強度が15〜400kNであることが好ましい。
本発明の露出柱脚の補強構造によれば、既存の露出柱脚に対して適用が可能であるとともに、優れた地震エネルギーの吸収能力を確保しつつ、コストを抑えることができる。
本発明の露出柱脚の補強構造の一実施形態を例示した断面図である。 本発明の露出柱脚の補強構造における既設ベースプレートに補強ベースプレートを接合した状態を示す上面図であり、(A)は4分割の実施形態であり、(B)は2分割の実施形態である。 補強ベースプレートの各々を突き合わせたの実施形態を示す上面図であり、(A)は4分割の実施形態であり、(B)は2分割の実施形態である。 補強ベースプレートのバリエーションを示す上面図であり、(A)は4分割のバリエーションであり、(B)は2分割のバリエーションである。 補強ベースプレートに、降伏ヒンジライン及び弾塑性領域を設けた実施形態を示す上面図である。 図5のA−A断面におけるベースプレートの形態のバリエーションを示した部分断面図である。図中の斜線部は、補強ベースプレートの弾塑性領域を示している。 (A)(B)(C)は、本発明の露出柱脚の補強構造におけるアンカーボルトの実施形態を例示した正面図である。 既設ベースプレートに対する補強ベースプレートの接合状態のバリエーションを示した上面図である。 既設ベースプレートにリブを設けた実施形態を示す上面図である。 本発明の露出柱脚の補強構造において、地震が発生した際の降伏状態を例示した断面図である。
本発明の露出柱脚の補強構造の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の露出柱脚の補強構造の一実施形態を例示した断面図であり、図2は、既設ベースプレートに補強ベースプレートを接合した状態を示す上面図である。
本発明の露出柱脚の補強構造は、既存の露出柱脚1の下端部に接合された既設ベースプレート2の外縁付近に既設アンカーボルト5が挿通されて基礎4に固定されている露出柱脚の補強構造であって、既設ベースプレート2の外側に補強ベースプレート3が接合され、さらに補強アンカーボルト6で固定されているものである。
通常、既存の鉄骨製の露出柱脚1の下端部には既設ベースプレート2が接合されている。一般的な既設ベースプレート2は、図2(A)、(B)に示すように平面外形輪郭が略矩形状であり、その中央には露出柱脚1の下端部が接合する接合部Sが形成されている。また、既設ベースプレート2の外縁付近には、基礎4上に突出する複数本の既設アンカーボルト5を挿通するための既設アンカーボルト挿通孔2aが上下方向に貫通形成されている。
そして、コンクリートの基礎4に配設して上端部を突出させた複数本の既設アンカーボルト5を既設アンカーボルト挿通孔2aに挿通させ、ナットで締結して基礎4上に該既設ベースプレート2が固定され、露出柱脚1が設置されている。なお、この際、既設ベースプレート2の下面と基礎4上面との間にモルタル4aを介在させることができる。
本発明の露出柱脚の補強構造では、既設ベースプレート2の外側に、該既設プレートを囲むように補強ベースプレート3が強固に接合される。補強ベースプレート3は、既設ベースプレート2の外縁から外側に広がり、外周部が露出する形状となっている。補強ベースプレート3の外周部の四隅には、基礎4上に突出する複数本の補強アンカーボルト6を挿通するための補強アンカーボルト挿通孔3aが上下方向に貫通形成されている。
そして、コンクリートの基礎4に、上端部を突出させた複数本の補強アンカーボルト6を補強アンカーボルト挿通孔3aに挿通させてナットで締結されている。この状態で、補強ベースプレート3は、既設ベースプレート2の外縁に接合されるが、既設ベースプレート2に対する補強ベースプレート3の接合は、既設ベースプレート2に補強ベースプレート3を接触させた状態で溶接によって一体に接合される。なお、補強アンカーボルト6の設置は、既設ベースプレート2に補強ベースプレート3を溶接により接合した後、補強アンカーボルト6を設置してもよい。
補強ベースプレート3の形状は、既設ベースプレート2の外縁に沿って接合する形態として4分割と2分割の形状を例示することができる。
4分割の実施形態としては、既設ベースプレート2の四隅を含み、かつ隣り合う2辺に接するように補強ベースプレート3が接合される形状となっている。具体的には、図2(A)に示すように、矩形形状の既設ベースプレート2の四隅に各々1枚づつ配設される。
4分割とした場合の補強ベースプレート3の寸法は、既設ベースプレート2の大きさ等に応じて適宜決定することができるが、設計の目安として、例えば図2(A)に示すような寸法に設定することができる。既設ベースプレート2の一辺をB、露出柱脚1からの幅をbとした場合、既設ベースプレート2の一辺に接する補強ベースプレート3の寸法aは、B/2≦a<B/2の関係とする。これにより、地震によるエネルギーを吸収することができる。
2分割の実施形態としては、既設ベースプレート2の外周の3辺に接するとともに、向かい合って挟み込むように補強ベースプレート3が接合される形状となっている。具体的には、図2(B)に示すように補強ベースプレート3の形状を既設ベースプレート2の外周に密着する略コの字型として、向かい合って挟み込むように2枚で構成される。
また本実施形態の露出柱脚の補強構造では、図3(A)に示すように4分割の補強ベースプレート3同士、或いは、図3(B)に示すように2分割の補強ベースプレート3同士を当接させて接合することもできる。この場合、補強ベースプレート3同士の接合部の一部に非接合部7を設けることが好ましい。これにより、溶接不良を防止することができる。
また、本実施形態の露出柱脚の補強構造では、図5に示すように、既設ベースプレート2の四隅に、内側に向かってカットされた切欠部2bを形成し、この切欠部2bを含む部分に補強ベースプレート3を接合することもできる。
なお、本明細書では、既設ベースプレート2の角部に切欠部2bを設けた実施形態において切欠部2bは1辺とはせず、切欠部2bを含む角部とこれを挟む2辺又は3辺に対して補強ベースプレート3を接合するものとする。
また、本発明の露出柱脚の補強構造においては、1つの補強ベースプレート3の角部に対して、複数の補強アンカーボルト挿通孔3aを設け、これに対応する位置に補強アンカーボルト6を配設して固定することもできる。
上記補強ベースプレート3としては種々の形態のものを用いることができ、具体的には、図4に例示するバリエーションを挙げることができる。図4(A)の(a)〜(h)は4分割のバリエーションを示しており、図4(B)の(a)〜(h)は2分割のバリエーションを示している。また、図4(A)、(B)共に、(a)〜(d)は矩形の既設ベースプレート2に接合するバリエーションであり、(e)〜(h)は角部に切欠部2bを設けた既設ベースプレート2に接合するバリエーションである。また、(c)(d)(g)(h)は補強ベースプレート3同士を接合する非接合部7を設けたバリエーションであり、(b)(d)(f)(h)は角部に2つの補強アンカーボルト挿通孔3aを設けたバリエーションである。
本発明の露出柱脚の補強構造では、既設ベースプレート2に接合された補強ベースプレート3は、地震発生時に、補強ベースプレート3が弾性変形又は塑性変形するように既設ベースプレート2よりも低い降伏強度に設計されている。これにより、補強ベースプレート3は、相対的に塑性変形して地震エネルギーを吸収する。
上記条件の補強ベースプレート3の降伏強度は、想定される地震の規模や建物の構造等により適宜設定されるが、例えば、一応の目安として15〜300kNmであることが好ましい。また、既設ベースプレート2と補強ベースプレート3の降伏強度の差は、20〜100kNm程度であることが好ましい。
既設ベースプレート2に対する補強ベースプレート3の降伏強度を調整する方法は特に限定されないが、例えば、補強ベースプレート3と既設ベースプレート2の材質を同等のものとした場合には、補強ベースプレート3の厚さを既設ベースプレート2よりも薄くする方法や、補強ベースプレート3と既設ベースプレート2の厚さを同じ程度とする場合には、既設ベースプレート2よりも補強ベースプレート3の降伏強度の低い材質とする方法を例示することができる。
さらに、既設ベースプレート2の四隅の角部には、図5に示すように、角部に対して略45°の角度で降伏ヒンジライン3bを形成するとともに、降伏ヒンジライン3bを境界線として、降伏ヒンジライン3bに囲まれた領域を弾塑性領域3cとすることができる。
弾塑性領域3cは、補強ベースプレート3において、部分的に降伏強度を低くした部分であり、降伏ヒンジライン3bを境として強制的に弾性変形或いは塑性変形させるために形成するものである。
弾塑性領域3cの具体的な形態としては、図6(a)〜(f)に例示するように、既設ベースプレート2の厚みよりも薄い断面の種々の形状とすることができる。なお、図6(a)〜(f)は、図5のA−A断面における部分断面図であり、図5、図6における斜線部分は、地震発生時に降伏が生じる弾塑性領域3cの領域を示している。
図6(a)に例示した形態では、図1に例示したベースプレートと同様の形状の既設ベースプレート2よりも薄い補強ベースプレート3が一体に接合されており、斜線で示す部分が降伏ヒンジライン3bを境界線として弾塑性領域3cが形成されている。図6(b)に例示した形態では、既設ベースプレート2と面一に、薄い補強ベースプレート3が接合されている。図6(c)に例示した形態では、補強ベースプレート3の表裏面に凹部が形成されており、中央部の厚さが薄い弾塑性領域3cが形成されている。なお、上記図6(a)〜(c)の実施形態では、補強ベースプレート3における弾塑性領域3cとした斜線部分の材質を他の部分の材質よりも降伏強度の低い材質とすることもできる。
また、図6(d)に例示した形態では、既設ベースプレート2と、補強アンカーボルト6が挿通されている補強ベースプレート3付近が略等しい厚さに形成されており、補強ベースプレート3の表面側には凹部が薄い弾塑性領域3cとして形成されている。図6(e)に例示した形態では、既設ベースプレート2と、補強アンカーボルト6が挿通されている補強ベースプレート3付近が略等しい厚さに形成されており、補強ベースプレート3の裏面に凹部が形成されて、既設ベースプレート2と面一に、薄い補強ベースプレート3が接合されている。図6(f)に例示した形態では、既設ベースプレート2と、補強アンカーボルト6が挿通されている補強ベースプレート3付近が略等しい厚さに形成されており、補強ベースプレート3の表裏面に凹部が形成されて、薄い弾塑性領域3cとして形成されている。補強ベースプレート3に対して上記構成で降伏ヒンジライン3b及び弾塑性領域3cを設けることにより、補強ベースプレート3の降伏による地震エネルギー吸収量を部分的に高めることができる。
また、本発明の露出柱脚の補強構造において、補強アンカーボルト6は、既設アンカーボルト5よりも高い降伏強度であり、地震発生時に、既設ベースプレート2と補強アンカーボルト6とが塑性変形しないように設計されている。上記条件の補強アンカーボルト6の降伏強度は、想定される地震の規模や建物の構造等により適宜設定されるが、例えば、15〜400kNであることが好ましい。また、既設アンカーボルト5と補強アンカーボルト6の降伏強度の差は、20〜100kN程度であることが好ましい。
補強アンカーボルト6は、上記のとおり既設アンカーボルト5よりも高い降伏強度を有しているため、既設ベースプレート2の外縁付近に挿通されている既設アンカーボルト5は、相対的に塑性変形しやすい。
補強アンカーボルト6の形態は特に限定されないが、例えば、図7(A)(B)(C)のような形態を採用することができる。図7(A)に例示した補強アンカーボルト6は、基礎4に埋設される下方部に定着板が螺合されており、基礎4から突出する上方部にはナット6aが螺合可能とされている。また、補強ベースプレート3に対してナットを締結する際には、座金6bを介設することもできる。図7(B)に例示した補強アンカーボルト6は、基礎4に埋設される下方部が略J字状に屈曲している。さらに、図7(C)に例示した補強アンカーボルト6は、異形鉄筋兼用タイプである。異形鉄筋兼用タイプは、露出柱脚1の基礎4の主筋となる異形鉄筋と補強アンカーボルト6とを兼用しているものであり、コストを抑制することができるとともに、施工性に優れている。
なお、本発明の露出柱脚の補強構造においては、1つの補強ベースプレート3の角部に対して、複数の補強アンカーボルト挿通孔3aを設け、これに対応する位置に補強アンカーボルト6を配設して固定することもできる。補強アンカーボルト6の降伏強度は、例えば、補強アンカーボルト6の太さ(径)や本数などを調整することで、所望の降伏強度に設定することができる。
図8は、本発明の露出柱脚の補強構造における既設ベースプレート2と補強ベースプレート3、補強アンカーボルト6の実施形態のバリエーションを例示した上面図である。なお、図8においては、図1、図2、図4に例示した形態と共通する部分の符号を省略している。
図8(A)〜(H)に例示した形態は、4分割の補強ベースプレート3を用いた実施形態であり、図8(I)〜(P)に例示した形態は、2分割の補強ベースプレート3を用いた実施形態である。
図8(A)〜(H)に例示した4分割の補強ベースプレート3の実施形態において、図8(E)〜(H)は既設ベースプレート2の角部に切欠部2bを形成した実施形態であり、図8(C)、(D)、(G)、(H)は、隣り合う補強ベースプレート3同士を接合した実施形態、図8(B)、(D)、(F)、(H)は、補強ベースプレート3の四隅に、それぞれ2つ(計8つ)の補強アンカーボルト挿通孔3aを設けた実施形態である。
図8(I)〜(P)に例示した2分割の補強ベースプレート3の実施形態において、図8(M)〜(P)は既設ベースプレート2の角部に切欠部2bを形成した実施形態であり、図8(K)、(L)、(O)、(P)は、向かい合う補強ベースプレート3同士を接合した実施形態、図8(J)、(L)、(N)、(P)は、補強ベースプレート3の四隅に、それぞれ2つ(計8つ)の補強アンカーボルト挿通孔3aを設けた実施形態である。
また、図8(A)〜(P)に例示した形態においては、既設ベースプレート2のアンカーボルト挿通孔を囲むように図9に示すようなリブプレート8を設けることができる。リブプレート8を設けることにより、既設ベースプレート2の降伏強度・剛性を高め、既設ベースプレート2と補強ベースプレート3との相対的な降伏強度の差を出すことが可能となり、既設ベースプレート2に対して補強ベースプレート3の降伏強度を相対的に低く調整することができる。
本発明の露出柱脚の補強構造の施工方法としては、例えば、図4に例示した補強ベースプレート3を露出柱脚1の既設ベースプレート2に接合する場合、補強ベースプレート3の補強アンカーボルト挿通孔3aが位置する基礎4の場所に補強アンカーボルト6が突出するように配設し、補強アンカーボルト6が補強アンカーボルト挿通孔3aに挿通するように補強ベースプレート3を配設する。そして、露出柱脚1に接合された既設ベースプレート2と補強ベースプレート3とを溶接により接合し、ナットにより補強ベースプレート3と補強アンカーボルト6を固定する。このようにして基礎4上に設置された露出柱脚1は、既設ベースプレート2と補強ベースプレート3の接合により補強される。
図10は、本発明の露出柱脚の補強構造において、地震が発生した際の降伏状態を例示した断面図である。既設ベースプレート2及び補強ベースプレート3は、図1、図2に例示した形態を例示している。
本発明の露出柱脚の補強構造では、補強ベースプレート3は、既設ベースプレート2と比較して相対的に降伏強度が低く、補強アンカーボルト6は、既設アンカーボルト5と比較して相対的に降伏強度が高く設計されている。このため、地震の力が加わると、引張側の補強ベースプレート3と既設アンカーボルト5は弾塑性変形して、効果的に地震エネルギーを吸収することできる。したがって、想定された規模の地震が発生した場合には、引張側の補強ベースプレート3と既設アンカーボルト5が降伏する。
このように本発明の露出柱脚の補強構造は、優れた地震エネルギーの吸収能力を確保しつつ、アンカーボルトの数を抑えてコストを抑制することができる。さらに、弾性変形の評価をアンカーボルト降伏型の評価をもって露出柱脚1の弾性変形として安全性を評価することが可能となる。これにより、ベースプレート降伏型の要素を実施設計に取り入れることが可能になり、既設ベースプレート2を備えた露出柱脚1に対して、コストを抑制しつつ、ベースプレート降伏型の高い地震エネルギー吸収能力を有効活用することができる。
また、本発明の露出柱脚の補強構造では、露出柱脚1に対する補強ベースプレート3及び補強アンカーボルト6の距離を考慮することができる。
具体的には、図1、図2に例示したように、例えば、露出柱脚1が角形鋼管柱(200×200mm〜550×550mm)の場合、補強ベースプレート3の外端から露出柱脚1の中心Lまでの距離b2を30〜60cmとするのが好ましい。また、補強アンカーボルト6から露出柱脚1の中心Lまでの距離a2は25〜50cmが好ましい。
既設アンカーボルト5は、露出柱脚1からの距離が近いため、既設ベースプレート2が塑性化せず、補強ベースプレート3が塑性化することで、既設アンカーボルト5は、露出柱脚1が回転する際の影響を受けやすく、塑性化しやすくなる。
補強アンカーボルト6は、露出柱脚1からの距離が遠いため、既設アンカーボルト5が塑性化し、補強ベースプレート3が塑性化することで、補強アンカーボルト6は、露出柱脚1が回転する際の影響を受け難く、塑性化し難くなる。
既設ベースプレート2は、露出柱脚1からの距離が近いため、既設アンカーボルト5が塑性化し、補強ベースプレート3が塑性化することで、既設ベースプレート2は、露出柱脚1が回転する際の影響を受けやすいが、露出柱脚1からの距離が近く、通常、厚みが厚いため変形しにくく、塑性化し難くなる。
補強ベースプレート3は、露出柱脚1からの距離が遠いため、既設アンカーボルト5が塑性化し、既設ベースプレート2が塑性化せず、補強アンカーボルト6が塑性化しないことで、露出柱脚1が回転する際の影響を受け難いが、露出柱脚1からの距離が遠く、通常、厚みが薄いため、塑性化しやすくなる。
このように、本発明の露出柱脚の補強構造では、地震の力が加わると、引張側の補強ベースプレート3と既設アンカーボルト5は、弾塑性変形しやすく、効果的に地震エネルギーを吸収することできる。したがって、想定された規模の地震が発生した場合には、引張側の補強ベースプレート3と既設アンカーボルト5が降伏する。
このように、本発明の露出柱脚の補強構造は、コストを抑制することが難しいという柱降伏型の課題や、地震エネルギーの吸収能力を確保することが難しいというアンカーボルト降伏型の課題、降伏メカニズムが複雑であり、特に弾性変形の評価が困難であるというベースプレート降伏型の課題が解決されている。
以上、実施形態に基づき本発明の露出柱脚の補強構造を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、補強アンカーボルトは公知のアンカーボルトを使用することができ、その数や配置などは適宜設計することができる。また、補強ベースプレート及び補強アンカーボルトの降伏強度は、想定される地震の規模や建物の構造などに応じて適宜設計することができる。
1 露出柱脚
2 既設ベースプレート
2a 既設アンカーボルト挿通孔
2b 切欠部
3 補強ベースプレート
3a 補強アンカーボルト挿通孔
3b 降伏ヒンジライン
3c 弾塑性領域
4 基礎
4a モルタル
5 既設アンカーボルト
6 補強アンカーボルト
7 非接合部
8 リブプレート

Claims (6)

  1. 既存の露出柱脚の下端部に接合された既設ベースプレートの外縁付近に既設アンカーボルトが挿通されて基礎に固定されている露出柱脚の補強構造であって、
    前記既設ベースプレートの外側に接合された補強ベースプレートと、該補強ベースプレートの外周部に挿通された補強アンカーボルトからなり、
    前記補強ベースプレートは、前記既設ベースプレートよりも低い降伏強度を有し、
    前記補強アンカーボルトは、前記既設アンカーボルトよりも高い降伏強度を有しており、
    地震発生時に、前記補強ベースプレートが弾性変形又は塑性変形し、かつ、既設ベースプレートと補強アンカーボルトとが塑性変形しないことを特徴とする露出柱脚の補強構造。
  2. 前記既設ベースプレートが略矩形状であり、その四隅を含み、かつ隣り合う2辺に接するように前記補強ベースプレートが接合されていることを特徴とする請求項1に記載の露出柱脚の補強構造。
  3. 前記既設ベースプレートが略矩形状であり、その3辺に接するとともに、向かい合って挟み込むように前記補強ベースプレートが接合されていることを特徴とする請求項1に記載の露出柱脚の補強構造。
  4. 前記既設ベースプレートが略矩形状であり、その四隅に切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露出柱脚の補強構造。
  5. 前記補強ベースプレートの降伏強度が15〜300kNmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の露出柱脚の補強構造。
  6. 前記補強アンカーボルトの降伏強度が15〜400kNであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の露出柱脚の補強構造。
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