JP2018154982A - 柱脚の施工方法、既存柱脚の補強方法 - Google Patents

柱脚の施工方法、既存柱脚の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工が容易であり、且つ耐久性の問題を回避できる柱脚の施工方法、および既存柱脚の補強方法等を提供する。【解決手段】既存柱脚を補強する際に、既存柱脚の近傍において、基礎2に埋設されるアンカーボルト31に中間着脱式ナット35を取り付ける。そして、中間着脱式ナット35上に、補強柱23が接合されたベースプレート25を配置する。その後、ナット33によってベースプレート25をアンカーボルト31に固定し、補強柱23を既存柱3に接合する。これにより補強柱23の位置固定が行われるので、中間着脱式ナット35を取り外して、基礎2とベースプレート25の間にモルタルを充填する。【選択図】図7

Description

本発明は、柱脚の施工方法および既存柱脚の補強方法に関するものである。
鉄骨柱等の露出型柱脚構造としては、通常、柱体の下部にベースプレートが接合され、ベースプレートが基礎等のコンクリートに対してアンカーボルトで固定される(例えば特許文献1)。
柱体の建方時のベースプレートの支持は、ベースプレートの中心に対応する位置で基礎上にモルタル(中心塗りモルタル)を設置し、モルタル上にベースプレートを載せる方法が一般的である。一方、ベースプレートの貫通孔にアンカーボルトを挿通し、ベースプレートの上下でアンカーボルトに取り付けたナットにより上下からベースプレートを挟み込むことで、ベースプレートの支持を行うことも可能である。
特開2016−108810号公報
しかしながら、前者のようにベースプレート支持用のモルタルを設置する場合、モルタルに関わる施工や監理に手間を要し、モルタルの強度発現までの養生期間も必要となる。
一方、後者のようにナットによる支持を行う場合、モルタルは必ずしも必要ではないため、施工は容易となるが、建方後にベースプレートの下側のナットを取り外すことができず、当該ナットによりアンカーボルトの耐久性に問題が生じることがある。
例えば、アンカーボルトに鉄筋を用い、鉄筋と基礎等との間で付着を図る柱脚構造の場合、ベースプレートの上下にナットがあると、地震時等で柱体に正逆の鉛直面内モーメントが加わってベースプレートが基準位置から上下に往復変形する際に、アンカーボルトには引張と圧縮の繰り返しの変形が付与される。これは、ベースプレートの上下のナットによって、アンカーボルトがベースプレートに固定されると、ベースプレートの往復変形がすべてアンカーボルトにも付与されるためである。このように、ナットで固定されたベースプレートからアンカーボルトに圧縮力と引張力が繰り返し作用することで鉄筋の付着力が減少し抜けやすくなる恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、施工が容易であり、且つ耐久性の問題を回避できる柱脚の施工方法、および既存柱脚の補強方法等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するため、第1の発明は、柱脚の施工方法であって、基礎に埋設されるアンカーボルトに、中間着脱式ナットを取り付け、前記中間着脱式ナット上に、柱が接合されたベースプレートを配置し、ナットによって、前記アンカーボルトに前記ベースプレートを固定し、前記柱の位置固定を行い、前記中間着脱式ナットを取り外して、前記基礎と前記ベースプレートの間にモルタルを充填することを特徴とする柱脚の施工方法である。
前記中間着脱式ナットは、U字状のナット部材を有し、前記アンカーボルトの側方から着脱可能であることも望ましい。
第1の発明によれば、柱の建方時に上記のナットおよび中間着脱式ナットによってベースプレートの支持を行うことができ、前記したベースプレート支持用のモルタルを省略することができる。そのため、モルタルに関わる施工や監理の手間が軽減され、モルタルの養生期間が不要となることで工期短縮効果も得られる。
また、中間着脱式ナットは、柱の位置固定後に取り外すことができるので、前記のような耐久性の問題も生じない。例えば、ナットがベースプレートの上側だけで固定されるため、地震の際に、ベースプレートが上方に移動して、その際に上側のナットによってアンカーボルトにも引張力が加わった以降は、ベースプレートがその貫通孔に通したアンカーボルトに対して上下するだけになるのでアンカーボルトに圧縮力と引張力が繰り返し作用することはない。
また、中間着脱式ナットとしては、例えばU字状のナット部材を有し、アンカーボルトの側方から着脱可能なものを用いることができ、中間着脱式ナットの取り付け、取り外しが容易になる。
第2の発明は、既存柱脚の補強方法であって、既存柱脚の近傍において、基礎に埋設されるアンカーボルトに、中間着脱式ナットを取り付け、前記中間着脱式ナット上に、補強柱が接合されたベースプレートを配置し、ナットによって、前記アンカーボルトに前記ベースプレートを固定し、前記補強柱を前記既存柱脚の柱に接合し、前記中間着脱式ナットを取り外して、前記基礎と前記ベースプレートの間にモルタルを充填することを特徴とする既存柱脚の補強方法である。
前記中間着脱式ナットは、U字状のナット部材を有し、前記アンカーボルトの側方から着脱可能であることも望ましい。
前記ベースプレートは、前記既存柱脚から遠い側で前記アンカーボルトと固定され、前記ベースプレートの前記既存柱脚に近い側は、前記既存柱脚のベースプレートの上方にラップするように配置されることも望ましい。
第2の発明によれば、補強柱によって既存柱脚を補強する際、補強柱の建方時に上記のナットおよび中間着脱式ナットによって補強柱のベースプレートの支持を行い、補強柱を既存柱脚の柱に接合して位置固定を行った後に中間着脱式ナットを取り外すことで、第1の発明と同様の効果が得られる。
例えば既存柱脚の耐震補強では、工場等の既存建物を使用しながら施工を行うことが多く、前記したベースプレート支持用のモルタルの養生期間が無くなることによる工期短縮効果は非常に大きい。
また補強柱のベースプレートの下方に既存柱脚のベースプレートが張り出しているケースでは補強柱のベースプレート支持用のモルタルを設置するスペースが無い場合があり、第2の発明ではこのようなケースでもナットと中間着脱式ナットによる補強柱のベースプレートの支持を行うことで施工が容易になるという利点がある。
この第2の発明においても、中間着脱式ナットとして、U字状のナット部材を有し、アンカーボルトの側方から着脱可能なものを用いることで、中間着脱式ナットの取り付け、取り外しが容易になる。
第3の発明は、下端部にベースプレートを有する既存柱脚の補強方法であって、既存柱脚の近傍において、基礎に埋設されるアンカーボルトに、中間着脱式ナットを取り付け、前記中間着脱式ナット上に、前記ベースプレートを拡幅するための拡幅用ベースプレートを配置し、ナットによって、前記アンカーボルトに前記拡幅用ベースプレートを固定し、前記拡幅用ベースプレートを前記既存柱脚に接合し、前記中間着脱式ナットを取り外して、前記基礎と前記拡幅用ベースプレートの間にモルタルを充填することを特徴とする既存柱脚の補強方法である。
前記中間着脱式ナットは、U字状のナット部材を有し、前記アンカーボルトの側方から着脱可能であることも望ましい。
第3の発明によれば、既存柱脚のベースプレートを拡幅するための拡幅用ベースプレートを用いて既存柱脚を補強する際、上記のナットおよび中間着脱式ナットによって拡幅用ベースプレートの支持を行い、拡幅用ベースプレートを既存柱脚のベースプレートに接合して位置固定を行った後に中間着脱式ナットを取り外すことで、第1の発明と同様の効果が得られる。
この第3の発明においても、中間着脱式ナットとして、U字状のナット部材を有し、アンカーボルトの側方から着脱可能なものを用いることで、中間着脱式ナットの取り付け、取り外しが容易になる。
本発明によれば、施工が容易であり、且つ耐久性の問題を回避できる柱脚の施工方法、および既存柱脚の補強方法等を提供することができる。
補強構造1を示す図。 補強構造1を示す図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 中間着脱式ナット35を示す図。 中間着脱式ナット35の取り付け方法を示す図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 柱脚構造41を示す図。 柱脚構造41を示す図。 柱脚構造41の施工方法について説明する図。 柱脚構造41の施工方法について説明する図。 柱脚構造41の施工方法について説明する図。 柱脚構造41の施工方法について説明する図。 補強構造71を示す図。 補強構造71を示す図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 既存柱脚の補強方法について説明する図。 中間着脱式ナット65を示す図。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る既存柱脚の補強方法により構築した補強構造1を示す図である。なお、図1は図2の線A−Aに沿った鉛直方向断面であり、図2は図1の線B−Bに沿った水平方向断面である。補強構造1は、既存柱3やベースプレート5等からなる既存柱脚が補強柱23によって補強された補強構造である。
補強構造1は、既存柱3に補強柱23を接合することによって既存柱脚の耐震補強を行ったものである。既存柱3および補強柱23は基礎2上に設けられる。
基礎2には段差があり、既存柱3は基礎2の上段に設けられる。既存柱3は鋼材等によって形成された鉄骨柱である。既存柱3は例えば複数のトラスによって構成される組立柱であるが、その他の角柱やH鋼柱であってもよい。本実施の形態において既存柱3はおよそ長方形状の平面を有する。
既存柱3の下端部には、ベースプレート5が溶接等によって接合される。ベースプレート5は略長方形状の板材であり、その平面の四隅近傍に貫通孔7が設けられる。既存柱3は、その長辺方向と短辺方向をベースプレート5の長辺方向と短辺方向にそれぞれ一致させ、ベースプレート5の略中央に接合される。
基礎2の上段とベースプレート5の間にはモルタル9が設けられる。基礎2の上段には複数のアンカーボルト11が埋設される。アンカーボルト11には例えばネジ付鉄筋等が用いられ、鉄筋と基礎2等との間で付着を図る構成となっている。各アンカーボルト11はモルタル9を通ってベースプレート5の各貫通孔7に挿通され、貫通孔7から突出したアンカーボルト11の上端部にベースプレート5の上からナット13が締め込まれる。なお、モルタル9を省略し、基礎2に直接ベースプレート5を設けることも可能である。
こうして既存柱3およびベースプレート5が基礎2に設置される。なお、既存柱3やベースプレート5の形状、またアンカーボルト11の配置および本数等は上記の例に限らない。
既存柱3の外側には補強柱23が配置される。補強柱23は鋼材等によって形成された鉄骨柱である。補強柱23は例えば鋼材を角型に組み合わせた組立柱であるが、その他の角柱やH鋼柱であってもよい。補強柱23は、既存柱3の平面の一方の短辺(図2の左側の短辺)の外側に配置される。補強柱23の高さは例えば1〜2m程度とするが、これに限ることは無い。
補強柱23の下端部にはベースプレート25が溶接等によって接合される。ベースプレート25は略長方形状の板材である。ベースプレート25は、その長辺方向をベースプレート5の短辺方向に一致させ、ベースプレート25の既存柱3に近い側の端部(図1、図2の右側の端部)がベースプレート5の補強柱23に近い側の端部(図1、図2の左側の端部)の上方にラップするように配置される。
補強柱23は、ベースプレート25の既存柱3に近い側の端部に接合される。補強柱23は予めベースプレート25に接合しておいてもよく、現場でベースプレート25上に補強柱23を接合してもよい。補強柱23を予めベースプレート25に接合しておくことで、現場での溶接作業が削減され、より精度よく接合を行うことが可能である。
一方、ベースプレート25の既存柱3から遠い側の端部(図1、図2の左側の端部)では、ベースプレート25の長辺方向の両端近傍に貫通孔27が設けられる。
ベースプレート25の下にはモルタル21が設けられる。モルタル21は上記したベースプレート5の補強柱23に近い側の端部も覆っている。図1、2では、説明のためベースプレート25の下方のモルタル21に埋設される部分も点線で図示している。
既存柱3の近傍では、基礎2の下段にアンカーボルト31が埋設される。本実施の形態ではアンカーボルト31が後施工アンカーであり、その下部が基礎2の下段に形成された穴30に挿入され、その周囲にモルタル等の固化材32が充填される。アンカーボルト31には例えばネジ付鉄筋等が用いられ、鉄筋と固化材32等との間で付着を図る構成となっている。
アンカーボルト31はモルタル21を通り、ベースプレート25の貫通孔27に挿通される。貫通孔27から突出したアンカーボルト31の上端部にベースプレート25の上からナット33が締め込まれる。
こうして補強柱23およびベースプレート25が基礎2に設置される。なお、補強柱23の形状、配置や数等は特に限定されない。例えば既存柱3の平面の両短辺の外側に補強柱23を設けることも可能である。同様に、ベースプレート25の形状、配置や数、アンカーボルト31の配置および本数等も上記の例に限らない。また貫通孔27の代わりに切欠きを設けてもよい。
補強柱23は既存柱3に接合される。本実施の形態では、添接板29が補強柱23および既存柱3に溶接され、これにより既存柱3に補強柱23が接合される。添接板29の形状、位置等は特に限定されない。また添接板29は1か所に限ることはなく、複数個所に設けてもよい。
次に、補強柱23の施工方法(既存柱脚の補強方法)について説明する。本実施の形態では、まず、図3に示すように、既存柱3の近傍において、基礎2の下段に穴30を形成して穴30に固化材32を設け、その中にアンカーボルト31の下部を挿入する。そして、基礎2の上に突出したアンカーボルト31の上部に中間着脱式ナット35(中間挿入式ナットとも呼ばれる)を取り付ける。
図4は中間着脱式ナット35を示す図である。図4(a)は中間着脱式ナット35の平面を示す図であり、図4(b)は凹部35bの方向から中間着脱式ナット35を見た図である。
中間着脱式ナット35は、上下2つのナット部材35a、35aを、その平面中心周りに相対回転可能に連結したものである。各ナット部材35a、35aはU字状の形状を有し、その凹部35bの先端の半円部分がナット部材35aの平面の中心部にあり、当該半円部分に雌ネジ35cが形成される。
中間着脱式ナット35は、上下2つのナット部材35a、35aの凹部35bの位置を合わせ、アンカーボルト31を側方から凹部35bに挿入して図5(a)に示すように配置する。その後、図5(b)に示すように、一方のナット部材35aを所定角度(例えば180°)回転し固定する。
本実施の形態では、上記のようにアンカーボルト31に中間着脱式ナット35を取り付けた後、図6に示すように、アンカーボルト31の上端部をベースプレート25の貫通孔27に挿通してベースプレート25を中間着脱式ナット35の上に配置し、ベースプレート25の上からアンカーボルト31の上端部にナット33を締め込み、ナット33によってベースプレート25をアンカーボルト31に固定する。
前記したように、ベースプレート25の既存柱3に近い側の端部には補強柱23が接合されており、補強柱23の建方時にナット33および中間着脱式ナット35によってベースプレート25が支持される。ベースプレート25の既存柱3に近い側の端部はベースプレート5の補強柱23に近い側の端部の上方にラップするように配置され、ベースプレート25は、既存柱3から遠い側の端部において、ナット33によりアンカーボルト31に固定されることになる。
その後、図7に示すように補強柱23および既存柱3に添接板29を溶接し、補強柱23を既存柱3に接合する。これにより補強柱23の位置固定が行われるので、図8に示すように中間着脱式ナット35を取り外す。中間着脱式ナット35の取り外しは、両ナット部材35aの凹部35bの位置を合わせた後、アンカーボルト31の側方から中間着脱式ナット35を抜き取ることによって行うことができる。
その後、基礎2とベースプレート25の間に図1に示したようにモルタル21を充填する。モルタル21が固化すると、前記した既存柱脚の補強構造1が形成される。
以上、本実施の形態によれば、補強柱23によって既存柱脚を補強する際、補強柱23の建方時にナット33および中間着脱式ナット35によって補強柱23のベースプレート25の支持を行うことができ、前記したベースプレート支持用のモルタルを省略できる。そのため、モルタルに関わる施工や監理の手間が軽減され、モルタルの養生期間が不要となることで工期短縮効果も得られる。例えば既存柱脚の耐震補強では、工場等の既存建物を使用しながら施工を行うことが多く、モルタルの養生期間が無くなることによる工期短縮効果は非常に大きい。
また補強柱23による耐震補強を行う場合では、モルタルを施工するレベルに高低差がある、基礎レベルが低いためモルタルの高さが大きくなる等の理由により、補強柱23のベースプレート支持用のモルタルの施工が煩雑になるケースがあるが、ナット33および中間着脱式ナット35によって補強柱23の支持を行う場合、そのような問題も無い。
特に本実施の形態のように補強柱23のベースプレート25の下方に既存柱脚のベースプレート5が張り出しているケースでは、補強柱23のベースプレート支持用のモルタルを設置するスペースが無い場合があり、本実施の形態ではこのようなケースでもナット33と中間着脱式ナット35によるベースプレート25の支持を行うことで施工が容易になるという利点がある。
また本実施の形態では中間着脱式ナット35を補強柱23の位置固定後に取り外すことができるので、前記したような耐久性の問題も生じない。中間着脱式ナット35としては、U字状のナット部材35a、35aを有し、アンカーボルト31の側方から着脱可能なものを用いることで、その取り付け、取り外しが容易になる。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の方法で新設の柱脚を施工するものである。
図9は、第2の実施の形態に係る柱脚の施工方法によって構築した柱脚構造41(柱脚)を示す図であり、図10は図9の線C−Cに沿った水平方向断面である。柱脚構造41は柱43やベースプレート45等を有する。柱43は基礎42上に設けられ、上端部が梁61に接合される。柱43は鋼材等によって形成された鉄骨柱である。柱43は例えば角柱であるが、前記と同様、複数のトラスによって構成される組立柱であってもよいし、H鋼柱であってもよい。
柱43の下端部には、ベースプレート45が溶接等によって接合される。ベースプレート45は略矩形状の板材であり、貫通孔47が設けられる。貫通孔47は前記のベースプレート25と同様、ベースプレート45の平面の四隅近傍に設けられ、また柱43はベースプレート45の略中央に接合されるものとする。
基礎42とベースプレート45の間にはモルタル49が設けられる。基礎42には複数のアンカーボルト51が埋設される。アンカーボルト51には例えばネジ付鉄筋等が用いられ、鉄筋と基礎42等との間で付着を図る構成となっている。各アンカーボルト51はモルタル49を通ってベースプレート45の各貫通孔47に挿通され、貫通孔47から突出したアンカーボルト51の上端部にベースプレート45の上からナット53が締め込まれる。なお、モルタル49を省略し、基礎42に直接ベースプレート45を設けることも可能である。
こうして柱43およびベースプレート45が基礎42に設置される。なお、柱43やベースプレート45の形状、またアンカーボルト51の配置および本数等は上記の例に限らない。
次に、柱脚構造41の施工方法について説明する。本実施の形態では、まず、図11に示すように、基礎42の上に突出したアンカーボルト51の上部に、前記と同様、中間着脱式ナット35を取り付ける。
次に、図12に示すように、アンカーボルト51の上端部をベースプレート45の貫通孔47に挿通してベースプレート45を中間着脱式ナット35の上に配置し、ベースプレート45の上からアンカーボルト51の上端部にナット53を締め込み、ナット53によってベースプレート45をアンカーボルト51に固定する。これにより、柱43の建方時にナット53および中間着脱式ナット35によってベースプレート45が支持される。
その後、図13に示すように柱43の上端部を梁61に接合する。これにより柱43の位置固定が行われるので、図14に示すように中間着脱式ナット35を取り外す。その後、基礎42とベースプレート45の間に図9に示したようにモルタル49を充填する。モルタル49が固化すると、前記した柱脚構造41が形成される。
この第2の実施の形態でも、柱43の建方時にナット53および中間着脱式ナット35によってベースプレート45の支持を行うことで、前記したベースプレート支持用のモルタルを省略できるため、モルタルに関わる施工や監理の手間が軽減され、モルタルの養生期間が不要となることで工期短縮効果が得られる。中間着脱式ナット35は柱43の位置固定後に取り外すことができるので、前記したような耐久性の問題も生じない。
続いて、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、既存柱脚のベースプレートを拡幅し、アンカーボルトを増設することで既存柱脚の補強を行うものである。第3の実施の形態は、第2の実施の形態の柱脚構造41を既存柱脚とし、これを補強する例について説明する。第2の実施の形態で既に説明した構成については、同じ符号を付すなどして説明を省略する。
図15は、第3の実施の形態に係る既存柱脚の補強方法による補強を行った補強構造71を示す図であり、図16は図15の線D−Dに沿った水平方向断面である。補強構造71は、柱43のベースプレート45をスティフナ73付きのベースプレート75(拡幅用ベースプレート)によって拡幅し、アンカーボルト81を増設した補強構造である。
ベースプレート75は、ベースプレート45の柱43を挟んだ両側辺に接合される。本実施の形態ではベースプレート75が略長方形状の板材であり、その長辺がベースプレート45の側辺に溶接部85で溶接される。ベースプレート75の長辺方向の両端部には貫通孔77が設けられる。またベースプレート75の下にはモルタル79が設けられる。
柱43の近傍では、基礎42にアンカーボルト81が埋設される。アンカーボルト81は後施工アンカーであり、第1の実施の形態と同様の手順で設置される。なお、アンカーボルト81の設置時に基礎42に形成する穴や穴に設ける固化材の図示は省略している。アンカーボルト81には例えばネジ付鉄筋等が用いられ、鉄筋と固化材等との間で付着を図る構成となっている。
アンカーボルト81はモルタル79を通り、ベースプレート75の貫通孔77に挿通される。貫通孔77から突出したアンカーボルト81の上端部にベースプレート75の上からナット83が締め込まれる。
ベースプレート75の上にはスティフナ73が設けられる。スティフナ73は略L字状の板材であり、そのL字の一端が溶接等によりベースプレート75の長辺方向の中心部に接合される。スティフナ73はベースプレート75の短辺方向に沿って配置され、L字の他端は柱43の側面に接合される。この他端は、溶接部87において柱43の側面に溶接されるものとする。
こうしてスティフナ73付きのベースプレート75によって柱43のベースプレート45が拡幅される。なお、ベースプレート75の形状、配置や数等は特に限定されない。例えばベースプレート45の四辺のそれぞれにベースプレート75を接合することも可能である。同様に、スティフナ73の形状、配置や数、アンカーボルト81の配置および本数等も上記の例に限らない。また貫通孔77の代わりに切欠きを設けてもよい。
次に、本実施の形態に係る既存柱脚の補強方法について説明する。本実施の形態では、まず、図17に示すように、柱43の近傍において、第1の実施の形態と同様の手順でアンカーボルト81を設置する。そして、基礎42の上に突出したアンカーボルト81の上部に、前記と同様、中間着脱式ナット35を取り付ける。なお本実施の形態では、ベースプレート75の長辺と接合されるベースプレート45の側辺を、図中aで示すように溶接前に予め斜めに面取りしておく。
次に、図18に示すように、アンカーボルト81の上端部をベースプレート75の貫通孔77に挿通してベースプレート75を中間着脱式ナット35の上に配置し、ベースプレート75の上からアンカーボルト81の上端部にナット83を締め込み、ナット83によってベースプレート75をアンカーボルト81に固定する。これにより、ナット83および中間着脱式ナット35によってベースプレート75が支持される。前記したように、ベースプレート75にはスティフナ73が接合されている。なおベースプレート45の側辺と接合されるベースプレート75の長辺は、図中bで示すように溶接用に予め斜めに面取りされている。
その後、図19に示すように、ベースプレート75の長辺を溶接部85でベースプレート45の側辺に溶接し、スティフナ73を溶接部87によって柱43の側面に溶接する。これによりベースプレート75の位置固定が行われるので、図20に示すように中間着脱式ナット35を取り外す。その後、基礎42とベースプレート75の間に図15に示したようにモルタル79を充填する。モルタル79が固化すると、前記した補強構造71が形成される。
この第3の実施の形態でも、ベースプレート75を用いて既存柱脚を補強する際、ナット83および中間着脱式ナット35によってベースプレート75の支持を行うことで、前記したベースプレート支持用のモルタルを省略でき、モルタルに関わる施工や監理の手間が軽減され、モルタルの養生期間が不要となることで工期短縮効果が得られる。前記と同様、中間着脱式ナット35はベースプレート75の位置固定後に取り外すことができるので、前記したような耐久性の問題も生じない。
なお、本発明は以上の実施の形態に限られることはない。例えば中間着脱式ナット35としては2つのナット部材35aが相対回転可能なものを用いているが、中間着脱式ナットはこれに限らない。
例えば図21(a)の中間着脱式ナット65は、一組のU字状のナット部材65a、65aから構成されており、各ナット部材65a、65aの半円状の凹部65bに雌ネジ65cが形成されている。この中間着脱式ナット65は、アンカーボルト31(51、81)の側方から図21(b)に示すようにナット部材65a、65aでアンカーボルト31(51、81)を挟み込むように配置し、その両端部同士を固定部65dで固定することでアンカーボルト31(51、81)に取り付けることができ、固定を解除すればアンカーボルト31(51、81)の側方から取り外しできる。この他、中間着脱式ナットとしては様々な形状、機構のものが考えられる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、71………補強構造
2、42………基礎
3………既存柱
5、25、45、75………ベースプレート
7、27、47、77………貫通孔
9、21、49、79………モルタル
11、31、51、81………アンカーボルト
13、33、53、83………ナット
23………補強柱
29………添接板
30………穴
32………固化材
35、65………中間着脱式ナット
35a、65a………ナット部材
35b、65b………凹部
35c、65c………雌ネジ
41………柱脚構造
43………柱
61………梁
65d………固定部
73………スティフナ
85、87………溶接部

Claims (7)

  1. 柱脚の施工方法であって、
    基礎に埋設されるアンカーボルトに、中間着脱式ナットを取り付け、
    前記中間着脱式ナット上に、柱が接合されたベースプレートを配置し、
    ナットによって、前記アンカーボルトに前記ベースプレートを固定し、
    前記柱の位置固定を行い、
    前記中間着脱式ナットを取り外して、前記基礎と前記ベースプレートの間にモルタルを充填することを特徴とする柱脚の施工方法。
  2. 前記中間着脱式ナットは、U字状のナット部材を有し、前記アンカーボルトの側方から着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の柱脚の施工方法。
  3. 既存柱脚の補強方法であって、
    既存柱脚の近傍において、基礎に埋設されるアンカーボルトに、中間着脱式ナットを取り付け、
    前記中間着脱式ナット上に、補強柱が接合されたベースプレートを配置し、
    ナットによって、前記アンカーボルトに前記ベースプレートを固定し、
    前記補強柱を前記既存柱脚の柱に接合し、
    前記中間着脱式ナットを取り外して、前記基礎と前記ベースプレートの間にモルタルを充填することを特徴とする既存柱脚の補強方法。
  4. 前記中間着脱式ナットは、U字状のナット部材を有し、前記アンカーボルトの側方から着脱可能であることを特徴とする請求項3記載の既存柱脚の補強方法。
  5. 前記ベースプレートは、前記既存柱脚から遠い側で前記アンカーボルトと固定され、前記ベースプレートの前記既存柱脚に近い側は、前記既存柱脚のベースプレートの上方にラップするように配置されることを特徴とする請求項3または請求項4記載の既存柱脚の補強方法。
  6. 下端部にベースプレートを有する既存柱脚の補強方法であって、
    既存柱脚の近傍において、基礎に埋設されるアンカーボルトに、中間着脱式ナットを取り付け、
    前記中間着脱式ナット上に、前記ベースプレートを拡幅するための拡幅用ベースプレートを配置し、
    ナットによって、前記アンカーボルトに前記拡幅用ベースプレートを固定し、
    前記拡幅用ベースプレートを前記既存柱脚に接合し、
    前記中間着脱式ナットを取り外して、前記基礎と前記拡幅用ベースプレートの間にモルタルを充填することを特徴とする既存柱脚の補強方法。
  7. 前記中間着脱式ナットは、U字状のナット部材を有し、前記アンカーボルトの側方から着脱可能であることを特徴とする請求項6記載の既存柱脚の補強方法。
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