JP2020084100A - (メタ)アクリレート重合体の製造方法、(メタ)アクリレート重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体 - Google Patents

(メタ)アクリレート重合体の製造方法、(メタ)アクリレート重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、重合時に、酸を共存させることによって、官能基導入率が高く、且つ、分子量制御可能なポリ(メタ)アクリレート重合体の製造方法提供することを目的としている。【解決手段】無機酸及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸(A)(ただし化合物(B)である場合を除く)を含む重合媒体中で、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)と、重合開始剤(C)と、(メタ)アクリレート単量体(D)とをラジカル重合反応させる、片末端に官能基を有する(メタ)アクリレート重合体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、(メタ)アクリレート重合体の製造方法、(メタ)アクリレート重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体に関する。
従来より、片末端に官能基を有する(メタ)アクリレート重合体はプロックポリマーあるいはグラフトポリマーの原料として用いることが出来る。特に、機能性ブロックあるいはグラフトポリマーとして活用する場合は、その原料である(メタ)アクリレート重合体を得るために、片末端への高い官能基の導入率を実現でき、且つ、分子量分布を制御できる製造方法が求められている。
片末端に官能基を有する(メタ)アクリレート共重合体を製造する方法として、特許文献1には、2−アミノエタンチオール塩酸塩を連鎖移動剤として用いることで、数平均分子量が20000を超えるポリマーで且つ、末端への官能基導入率の平均値が70%を超える製造方法が示されている。しかし、マクロモノマーとして、ブロック共重合体およびグラフト共重合体を得る上での原料として使用する上では、十分に高い官能基導入率とは言い難い。さらに、数平均分子量が20000未満では、官能基導入率が70%未満しか達成されていないことから十分な分子量制御が可能で且つ、高い官能基導入率を持つ樹脂は得られていない。
一方、特許文献2では、1分子中にアミノ基とチオール基とを有する化合物(具体的には2−アミノエタンチオール)を開始剤種として用い、不活性ガス中に酸素を含有することで、片末端にアミノ基を有し、片末端のアミノ基導入率が90%を超え、且つ、数平均分子量が1000未満の(メタ)アクリレート重合体が得られることが報告されている。
しかし、この方法では、メタロセン触媒を用いることから、合成後のブロックおよびグラフトポリマー製造時には触媒を除去する必要性があることや、反応を制御する上では、不活性ガスだけを使用する反応系では置換基の導入率が低い故に、反応系中の酸素濃度を制御する必要があるため、簡便な製造方法とは言い難い。
特開平8−183815号公報 WO2017/043373号公報
本発明は、片末端への官能基導入率が高く、且つ、分子量制御が可能な(メタ)アクリレート重合体の製造方法を提供することを目的とする。また、純度の高い原料(マクロモノマー)として使用することが可能な前記(メタ)アクリレート重合体、および精製不要なブロック共重合体もしくはグラフト共重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、無機酸及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸(A)を含む重合媒体中で、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)を連鎖移動剤として用いることによって上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、無機酸及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸(A)(ただし化合物(B)である場合を除く)を含む重合媒体中で、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)と、重合開始剤(C)と、(メタ)アクリレート単量体(D)とをラジカル重合反応させる、片末端に官能基を有する(メタ)アクリレート重合体の製造方法に関する。
また本発明は、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)が一般式(1)で表される、上記記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法に関する。
一般式(1)

−R−SH

(式中、R1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Z1はアミノ基、カルボキシ基または水酸基を表す)
また、本発明は、一般式(1)のZがアミノ基であることを特徴とする上記記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法に関する。
また本発明は、酸(A)が、一般式(2)で表される有機酸であることを特徴とする上記記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法に関する。
一般式(2)

−COOH

(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または水素原子を表す)
また本発明は、重合媒体100重量%中の酸(A)の含有量が、40〜100重量%であることを特徴とする上記記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法に関する。
また本発明は、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)を(メタ)アクリレート単量体(D)100重量部に対して0.001〜15重量部の範囲で使用することを特徴とする、上記記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法に関する。
また本発明は、数平均分子量が2000〜100000であり、かつ片末端に一般式(3)で表される基を有し、一般式(3)で表される基の導入率が90〜100%であることを特徴とする(メタ)アクリレート重合体に関する。
一般式(3)

−R−S−

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Zはアミノ基を示す。)
また本発明は、数平均分子量が2000〜19000である上記記載の(メタ)アクリレート重合体に関する。
また本発明は、上記記載の(メタ)アクリレート重合体を用いたブロック共重合体もしくはグラフト共重合体に関する。
本発明によれば、片末端への官能基導入率が高く、且つ、分子量制御が可能な(メタ)アクリレート重合体の製造方法を提供することができた。また、純度の高い原料(マクロモノマー)として使用することが可能な前記(メタ)アクリレート重合体、および精製不要なブロック共重合体もしくはグラフト共重合体を提供することができた。これにより、幅広い分子量の範囲において、ブロックおよびグラフトポリマー製造の際のブロック化率およびグラフト化率を向上させることができる。
なお、本願では、「(メタ)アクリル」、及び「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリル及び/又はメタクリル」、及び「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
次に、本発明の(メタ)アクリレート重合体の製造方法について具体例を示して詳細に説明する。
本発明の(メタ)アクリレート重合体の製造方法において、無機酸及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸(A)を含む重合媒体中で、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)を連鎖移動剤として用いてラジカル重合反応を行う。
<酸(A)>
酸(A)として使用できる無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、および、ホウフッ化水素酸が挙げられる。有機酸としては、カルボン酸、アルカンスルホン酸、芳香族スルホン酸が挙げられる。
有機酸の具体的な化合物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸である。
有機酸の中でも好ましくは、一般式(2)で表される酸である。
一般式(2)

−COOH

(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または水素原子を表す)
本発明における一般式(2)のRである炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert―ブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基が挙げられる。
重合媒体は、酸(A)以外の有機溶剤等をさらに含むことが出来る。
使用できる有機溶剤は、酸(A)、化合物(B)、重合開始剤(C)、および、(メタ)アクリレート単量体(D)を溶解することができ、且つ、化合物(B)の連鎖移動反応を不活性化しない有機溶剤であればよい。そのような重合時の有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などを併用することも可能である。また有機溶剤は2種以上を混合しても良い。
また、重合媒体100重量%中の酸(A)の含有量は40〜100重量%であることが好ましい。この理由は、酸(A)が反応系中に一定量存在することによって、重合初期における連鎖移動剤の活性を保つことが出来、且つ、重合時に得られたポリ(メタ)アクリレート共重合体の溶解性を向上させることが出来るためである。また、同様の理由から、酸(A)の量は(メタ)アクリレート単量体(D)およびその他の重合性単量体(合計100重量部)に対して10〜25重量部であることが好ましい。
<チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)>
チオール基以外の官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アルコキシシリル基、アリル基、アミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の基であることが好ましい。これらの官能基は、化合物中に単独で含有されていても良く、複数含有されていても良い。好ましい官能基としては、アミノ基が挙げられる。
このような官能基、およびチオール基を有する化合物の例としては、メルカプトメタノール、1−メルカプトエタノール、2―メルカプトエタノール、1−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパノール、1−メルカプト−2,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2−ブタノール、1−メルカプト−2,3−ブタンジオール、1−メルカプト−3,4−ブタンジオール、1−メルカプト−3,4,4’―ブタントリオール、2−メルカプト−3−ブタノール、2−メルカプト−3,4−ブタンジオール、および、2−メルカプト−3,4,4’―ブタントリオール、チオグリセロール等の水酸基含有チオール化合物;
α―メルカプトプロピオン酸、β―メルカプトプロピオン酸、2,3,―ジメルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、o―メルカプト安息香酸、m−メルカプト安息香酸、チオリンゴ酸、チオール炭酸、o―チオクマル酸、α―メルカプトブタン酸、β―メルカプトブタン酸、γ―メルカプトブタン酸、チオヒスチジンおよび11−メルカプトウンデカン酸等のカルボキシ基含有チオール化合物;
2−メルカプトプロピルートリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルートリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルーモノメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルーモノフェニルジメトキシシラン、2−メルカプトプロピルージメチルモノメトキシシラン、3−メルカプトプロピルーモノメチルジエトキシシラン、4−メルカプトブチルートリメトキシシランおよび3−メルカプトブチルートリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有チオール化合物;
アリルメルカプタン等のアリル基含有チオール化合物;
2−(ジメチルアミノ)エタンチオール、2−アミノエタンチオール、2−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、6−アミノ−1−ヘキサンチオール、11−アミノ−1−ウンデカンチオール等のアミノ基含有チオール化合物;を挙げることが出来る。
また、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)が一般式(1)で表される構造であることが好ましい。
一般式(1)

−R−SH

(式中、R1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Z1はアミノ基、カルボキシ基または水酸基を表す)
本発明における一般式(1)のRである炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリドデシレン基、テトタドデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基である。
本発明において、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)は、(メタ)アクリレート単量体(D)100重量部に対して0.001〜15重量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜5重量部の範囲がより好ましい。チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)が0.1重量部より多く、5重量部より少ない場合では、化合物(B)が十分に樹脂の末端に効率的に導入率が高くなることや重合反応が効率的に進行することで分子量制御が可能になることから望ましい。
<重合開始剤(C)>
本発明で使用される、重合開始剤(C)としては、通常の過酸化物またはアゾ化合物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボキシレート)及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられるが、これらに限定されない。
有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルペロオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジラウロキシペロオキサイド、パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらアゾ化合物および過酸化物は1種のみを使用しても2種以上を使用してもよい。
これらの重合開始剤(C)は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができ、使用量としては、重合の際用いる(メタ)アクリレート単量体(D)の合計100重量部に対して、0.001〜0.1重量部の範囲で任意に調整することが可能である。
<(メタ)アクリレート単量体(D)>
本発明では、(メタ)アクリレート単量体(D)として以下に示すラジカル重合性モノマーを使用する事ができ、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又はイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、又は3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5)等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n − ブトキシエチル(メタ)アクリレート、n − ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2 − メトキシエチル(メタ)アクリレート、2 −エトキシエチル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート類;
3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類;
あるいは、これらの混合物が挙げられる。
また、(メタ)アクリレート単量体(D)としては、下記の重合性単量体も使用することができる。重合性単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、又は(メタ)アクリル酸アリル等のビニル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のエーテル基を有するビニルエーテル類;
などが挙げられる。
<ラジカル重合反応>
ラジカル重合反応は、一般に、50〜120℃の範囲内の温度で行うことが好ましい。重合方法については、溶液重合法により均一系で行うことが好ましい。
ラジカル重合の反応時間については、用いる重合開始剤や(メタ)アクリレート単量体等および重合性単量体の種類等に応じて適宜調整する事が望ましいが、好ましくは2〜30時間、より好ましくは3〜15時間である。
また本発明における重合開始時の反応固形分割合としては、重合の際に用いる全ての成分の重量に対して、(メタ)アクリレート単量体(D)が50〜80重量%であることが望ましい。50重量%以上であることによって、重合反応が効率的に進行するためである。
また、80重量%以下であることにより、重合中の(メタ)アクリレート単量体由来の発熱を抑え、重合反応を制御しやすくなるためである。
重合反応後、得られた反応混合物からの、(メタ)アクリレート重合体の分離・精製は、常法に従って行うことができる。例えば、(メタ)アクリレート重合体に対しては貧溶媒であるとともに、重合開始剤や連鎖移動剤に対しては良溶媒である溶剤の中に反応混合物を加えることで未反応のメタクリレート、連鎖移動剤、重合開始剤などの不純物が溶解除去され、沈殿物として、所望の(メタ)アクリレート共重合体を得ることができる。
<(メタ)アクリレート重合体>
また本発明の製造方法によって、(メタ)アクリレート重合体の片末端に官能基を高い割合で導入することができる。この(メタ)アクリレート共重合体をマクロモノマーとして使用した場合に、反応性が高いブロック共重合体もしくはグラフト共重合体を得ることができる。
本発明により得られる(メタ)アクリレート重合体において、官能基の導入率は好ましくは85%〜100%、より好ましくは90%〜100%である。すなわち、片末端に導入される一般式(3)で示される基の個数は、1分子あたり平均が好ましくは0.85〜1.0個、より好ましくは0.9〜1.0である。導入率が上記範囲内、好ましくは90%以上であると、末端に官能基を含有しないポリ(メタ)アクリレート共重合体の存在割合が非常に少ないため、得られる共重合体中の未反応成分が少なくなり共重合体の本来の性能が喪失されにくい。
本発明により得られる(メタ)アクリレートが有する上記官能基の個数の平均値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記する)により測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量と、該ポリメタクリレートの単位重量あたりの官能基含有量から計算できる。単位重量あたりの官能基含有量は、例えば、官能基がアミノ基の場合には過塩素酸などの酸を用いた中和滴定により、適宜求めることができる。また、H−NMR測定において、一般式(1)で示される官能基中のプロトンとポリメタクリレート鎖におけるメタクリレート成分中のα−メチル基のプロトンとのピーク面積比から求めることもできる。
本発明の製造方法からなる(メタ)アクリレート重合体の好ましい数平均分子量は2000から100000である。更に好ましくは、2000〜50000であり、特に好ましくは、2000〜19000である。これらの数平均分子量の範囲では、片末端に一般式(3)で示す基を高い割合で導入することができる。
本発明の(メタ)アクリレート共重合体としては、数平均分子量が2000〜100000であり、かつ片末端に一般式(3)で表される基を有し、一般式(3)で表される基の導入率が90〜100%であることが好ましい。
一般式(3)

−R−S−

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Zはアミノ基を示す。)
本発明における一般式(3)のRである炭素数1〜20のアルキレン基は、前述の一般式(1)に記載の炭素数1〜20のアルキレン基と同義である。
本発明の好ましい(メタ)アクリレート重合体は、片末端にアミノ基が高い割合で導入されており、且つ、数平均分子量が2000〜100000の範囲内であることから、マクロモノマーとして使用した場合に、反応性が高い、ブロック共重合体もしくはグラフト共重合体を得ることができる。
ブロック共重合体としては、主鎖の片末端または両末端に反応性基を持ったセグメントポリマーAに対して、本発明の(メタ)アクリレート共重合体をセグメントポリマーBとして反応させることによって、ABブロックポリマーまたはABAブロックポリマーを得ることができる。セグメントポリマーAは、(メタ)アクリレート共重合体の官能基と反応し得る基を有するポリマーであれば特に制限されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
セグメントポリマーAの具体例として、アクリル樹脂の場合、反応性基としては、カルボキシ基、酸無水物、イソシアネート基、エポキシ基等が好ましく挙げられ、例えば、チオール基と官能基を併せ持つ化合物を連鎖移動剤として用いることで片末端に官能基を導入することができる。具体的な化合物としては、前述のチオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)に挙げた化合物と同義である。水酸基の場合は、メルカプトエタノール、チオグリセロール等の前述の通りの水酸基含有チオール化合物、カルボン酸基の場合は、メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸等の前述カルボキシ基含有チオール化合物が挙げられる。
他の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル等のポリエステル、ナイロン6,ナイロン6−6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−10、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド等のポリアミド、ピロメリット酸無水物、ジフェニルエーテル3,4,3‘、4’−テトラカルボン酸無水物、ジフェニルプロパン3,4,3’、4’−テトラカルボン酸無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとからなるポリイミド等の芳香族ポリイミド、トリメリット酸と芳香族ジアミンとからなるポリアミドイミド、ピロメリット酸無水物とジカルボン酸の組み合わせと芳香族ジアミンとからなるポリアミドイミド等のポリアミドイミド、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートと、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アジピン酸とグリコールからなる両末端ジオールポリエステル等のジオールとからなるポリウレタン等を用いることができる。
これらのポリマーの官能基の導入方法としては、例えば、ポリエステルの場合は、ジオールを過剰に用いてポリエステルを重合し、ポリアミドの場合は、ジカルボン酸を過剰に用いたポリアミドを重合し、ポリイミドの場合は、ジカルボン酸二無水物を過剰に用いたポリイミドを重合することで両末端に官能基を有するポリマーを得ることができる。
片末端の場合は重合時にモノオール、モノカルボン酸、モノカルボン酸モノエステル等を一部併用することによって片末端水酸基のポリマーを得ることができる。重合体がポリイミド、ポリアミドイミドの場合は、無水フタル酸を一部併用することで片末端のものが得られる。
本発明のブロック共重合体は、一般式(3)で示される基を有する(メタ)アクリレート重合体とセグメントポリマーAを別個に重合する方法、もしくは、(メタ)アクリレート重合体とセグメントポリマーAの原料成分との反応後、セグメントポリマーAを合成することによって得ることができる。
グラフト共重合体としては、本発明の一般式(3)で示す官能基を有するポリ(メタ)アクリレート共重合体と反応し得る基を主鎖中に持ったセグメントポリマーCとの反応物であれば良い。セグメントポリマーCの反応基としては、イソシアネート基、無水物基、およびグリシジル基等が挙げられる。これら置換基を有するポリマーであれば特に制限はないが、2−イソシアナトエチルアクリレート成分を共重合したアクリル共重合体、メタクリル酸グリシジル成分を共重合したアクリル共重合体、無水マレイン酸アクリル共重合体、無水物変性ポリオレフィン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、オレフィン−無水マレイン酸共重合体、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
以下に、実施例に基づき、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。
なお、実施例中の、数平均分子量(Mn)の測定方法は次の通りである。
<数平均分子量(Mn)>
数平均分子量の測定は、東ソー社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC−8020」を用いた、カラムはSHODEX KF−806L 2本、KF−804L 1本、KF−802 1本を用い、溶媒はテトラヒドロフランを用いた。数平均分子量は標準ポリスチレン換算で算出した。
[実施例1]
<共重合体(1)の合成>
ブチルメタクリレート(以下BMAと略記する)100部、2−アミノエタンチオール0.5部、および6N硫酸10部および酢酸ブチル15部を、冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃ まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記する)0.003部を加えて6時間重合反応を行った。反応終了後、水で洗浄し、得られた反応混合液を大量のメタノール中に注ぎ、ポリマーを再沈殿させることで精製し、真空乾燥することで白色粉末の精製ポリマーを89部得た。(収率:89%)得られた精製ポリマーのMnは16,000であった。また、精製ポリマーが片末端にアミノ基を有するポリブチルメタクリレートであることは、H―NMRスペクトル分析(溶媒:CDCl)において、δ0.9〜1.2にポリブチルメタクリレート鎖の末端メチル基のピーク、δ1.4〜1.6にポリブチルメタクリレート鎖メチレン基のピーク、δ1.8〜2.1にポリブチルメタクリレート鎖のα―メチル基のピーク、δ2.8〜2.9に2−アミノエチルチオ基中のメチレン基のピークが求められた事により確認した。また、精製ポリマーのアセトン溶液を過塩素酸の酢酸溶液で滴定することにより定量したアミノ基の量と上記Mnの値とから算出されたポリブチルメタクリレートにおける官能基(アミノ基)の導入率が96%であることを確認した。
[実施例2〜実施例24]
<共重合体(2)〜(24)の合成>
表1記載の化合物および配合量に変更する点以外は実施例1と同様の方法で、共重合体(2)〜共重合体(24)の精製ポリマーを作製した。得られたポリマーにおける官能基導入率およびMnを表1に示す。
アミノ基以外の官能基導入率は、特許文献1に記載された方法に従って文献官能基の量とMnの値とから算出した。
[比較例1]
<共重合体(25)の合成>
特開平08−183815号公報記載の方法を参考にして得た。
BMA20部、2−アミノエタンチオール塩酸塩0.23部、およびDMF(ジメチルホルムアミド)の30部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃まで昇温してAIBN0.003部を加えて6時間重合反応を行った。反応終了後、得られた反応混合液を大量のメタノール中に注ぎ、ポリマーを再沈殿させることで精製し、真空乾燥することで白色粉末の精製ポリマーを収率35%で得た。得られた精製ポリマーのMnは37、500であり、実施例1と同様の方法にて算出したポリブチルメタクリレートにおける官能基(アミノ基)の導入率が83%であることを確認した。
[比較例2〜比較例6]
<共重合体(26)〜(30)の合成>
表1記載の化合物および配合量に変更する点以外は比較例1同様の方法で、共重合体(26)〜共重合体(30)の精製ポリマーを作製した。得られたポリマーにおける官能基導入率およびMnを表1に示す。
表1に記載の略称を下記に示す。
・BMA:ブチルメタクリレート
・2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
・MAA:メタクリル酸
・St:スチレン
・HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
まず、実施例1〜24で示す製造方法で得られた共重合体は、いずれも、重合時に酸性成分を共存することによって、得られる(メタ)アクリレート共重合体は、片末端に高い官能基導入率を示すことが示された。
更に、実施例2および実施例16〜19では、連鎖移動剤である2−アミノエタンチオールの濃度を変えた実施例となっており、連鎖移動剤濃度に応じて、得られる共重合体の分子量が変化している一方、比較例4〜6では、2−アミノエタンチオールの濃度を変えた例にもかかわらず、得られる共重合体の分子量制御ができなかった。
これらの結果より、本特許の酸成分を共存する重合方法によって製造する方法を用いることにより、2-アミノエタンチオールが連鎖移動剤として機能することを示している。
一般的に、化合物や合成条件に応じて重合度の逆数と連鎖移動剤濃度/モノマー濃度の比から連鎖移動定数を求めることができることが知られている。つまり、モノマ−濃度が一定の場合、連鎖移動剤濃度と重合度は相関する。言い換えると、反応系中において、モノマー濃度が固定された条件では、連鎖移動剤濃度が高いと低分子量のポリマーが得られ、逆に連鎖移動剤濃度が低いと高分子のポリマーが得られる場合、その合成時に使用したモノマーに対する連鎖移動能が優れているということができる。(参考文献:特開2005−29747号公報)
また、実施例14および実施例15の重合媒体中に有機溶剤と酸(A)が共存する系では、酸(A)の含有量が40重量%以上で非常に高い官能基導入率を実現することができた。これは恐らく、酸(A)が、連鎖移動剤としての働きを促進しているためであると考えられる。
更に、実施例20〜実施例24で示すようにモノマーの種類を変えた合成を行った結果、いずれのモノマー種においても、目的とする高い官能基導入率で分子量制御可能な共重合体を得ることが出来ることを明らかとした。
[実施例25]
<ブロック共重合体(1)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン50重量部、カルボン酸二無水物としてピロリメット酸無水物78.2重量部を仕込み80℃に昇温した。共重合体(2)溶液100.5重量部を3時間かけて滴下した。
続いて1時間撹拌した後に、ジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル71.8重量部を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌を実施した。IRによりアミック酸由来のピーク(1649、1557cm−1)を確認した。
反応容器の還流冷却器へディーンスターク管を取り付け、トルエン50重量部、トリエチルアミン5重量部を加え、150℃に昇温することにより脱水が確認された。理論収量と同量の水が出たことを確認し、さらにIRによりアミック酸由来のピークの消失を確認したことから終点と判断し、50℃まで放冷した。別の反応溶液にメタノール1000重量部を入れ撹拌しながら、反応液を滴下することにより、固体の析出を確認した。固体をろ別し、適当量のメタノールで振りかけ洗浄を行った後、80℃下真空オーブンで乾燥を実施することにより、ブロック共重合体(1)を収率95%で得た。数平均分子量は40,000であった。ブロック共重合体であることは以下の(1)―(3)から判定した。
(1)GPCのRI検出器によるクロマトグラムにおいて(メタ)アクリレート共重合体ユニット由来のピーク(分子量16,100)が消失し、プロック共重合体(1)として単峰性のピークが確認された。(分子量40,000)
(2)GPCのUV検出器によるクロマトグラムにおいて、ブロック共重合体(1)が単峰性のピークを示した。アクリルにはUV吸収性がなく、ポリイミドにはUV吸収性があることから、アクリルとポリイミドが複合するとこのピークが確認される。また単峰性であることから目的の構造体が選択的に合成していることが確認された。
(3)GPCの測定溶液(THF)に一切の不溶物が見られなかった。ブロックポリマーが形成されていない場合、THFに不溶なポリイミド単体が生成するため不溶物として確認できる。
[比較例7]
<ブロック共重合体(2)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン50重量部、カルボン酸二無水物としてピロリメット酸無水物78.2重量部を仕込み80℃に昇温した。共重合体(25)溶液100.5重量部を3時間かけて滴下した。
続いて1時間撹拌した後に、ジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル71.8重量部を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌を実施した。IRによりアミック酸由来のピーク(1649、1557cm−1)を確認した。
反応容器の還流冷却器へディーンスターク管を取り付け、トルエン50重量部、トリエチルアミン5重量部を加え、150℃に昇温することにより脱水が確認された。理論収量と同量の水が出たことを確認し、さらにIRによりアミック酸由来のピークの消失を確認したことから終点と判断し、50℃まで放冷した。別の反応溶液にメタノール1000重量部を入れ撹拌しながら、反応液を滴下することにより、固体の析出を確認した。固体をろ別し、適当量のメタノールで振りかけ洗浄を行った後、80℃下真空オーブンで乾燥を実施することにより、ブロック共重合体(2)を収率35%で得た。数平均分子量は61,000であった。GPCのRI検出器によるクロマトグラムにおいてポリ(メタ)アクリレート共重合体ユニット由来のピーク(分子量37,500)の消失に至らず、ブロック共重合体(1)として多峰性のピークが確認されたことからブロック共重合体および未反応の(メタ)アクリレート共重合体の混合物であることを確認した。
[実施例26]
<グラフト共重合体(1)の合成>
グラフト共重合体に用いるセグメントポリマーCとして以下の通り合成を行った。
ブチルアクリレート80部、2−2−イソシアナトエチルメタクリレート20部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃ まで昇温してAIBN0.003部を加え、溶剤として酢酸プロピル中で6時間重合反応を行い、セグメントポリマーCを収率98%で得た。
その後、セグメントポリマーCのワニスを中に、触媒としてジオクチルスズラウレート(日東化成「ネオスタンU―810」)を0.045部加え80℃に昇温し、共重合体(2)溶液20.5重量部を3時間かけて滴下した。反応終了後、得られた反応混合液を大量のメタノール中に注ぎ、ポリマーを再沈殿させることで精製し、真空乾燥することで白色粉末の精製ポリマー(セグメントポリマーCに共重合体(2)がグラフトしたグラフト共重合体(2))を収率90%で得た。数平均分子量は71,000であった。
[比較例8]
<グラフト共重合体(2)の合成>
実施例26において示した通りセグメントポリマーCを用いて、共重合体(2)を共重合体(25)に変更する以外は同様の方法でグラフト共重合体(2)を合成した。その結果、セグメントポリマーCに、共重合体(25)がグラフト重合したグラフト共重合体(2)を収率34%で得た。数平均分子量は60,000であった。
ブロック共重合体およびグラフト共重合体合成において、末端に官能基を有するポリマーであるマクロモノマーの官能基導入率および分子量は反応収率や純度に対して大きな影響を与えることが明らかとなった。つまり、高い官能基導入率および適正な分子量サイズの制御によって、その後の構造制御された共重合体を得ることで物性発現の上では重要であることが示された。
以上の通り、本発明は、片末端に高い官能基導入率で且つ、分子量制御可能な(メタ)アクリレート共重合体の製造方法であることが明らかとなった。またこの製造方法で得られた(メタ)アクリレート共重合体は、マクロモノマーとして有用であり、官能基を有する他のポリマーと反応させて得られるブロック状、またはグラフト状の共重合体の形で樹脂改質剤や分散剤等として好適に用いることができる。
実施例2で得られた本発明による(メタ)アクリレート共重合体のH−NMRスペクトルである。
[実施例2〜実施例24]
<共重合体(2)〜(24)の合成>
表1記載の化合物および配合量に変更する点以外は実施例1と同様の方法で、共重合体(2)〜共重合体(24)の精製ポリマーを作製した。得られたポリマーにおける官能基導入率およびMnを表1に示す。
アミノ基以外の官能基導入率は、特許文献1に記載された方法に従って文献官能基の量とMnの値とから算出した。ただし、実施例9〜13は参考例である。

Claims (9)

  1. 無機酸及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸(A)(ただし化合物(B)である場合を除く)を含む重合媒体中で、チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)と、重合開始剤(C)と、(メタ)アクリレート単量体(D)とをラジカル重合反応させる、片末端に官能基を有する(メタ)アクリレート重合体の製造方法。
  2. チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)が一般式(1)で表される、請求項1記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法。
    一般式(1)

    −R−SH

    (式中、R1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Z1はアミノ基、カルボキシ基または水酸基を表す)
  3. 一般式(1)のZがアミノ基であることを特徴とする請求項1または2記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法。
  4. 酸(A)が、一般式(2)で表される有機酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法。
    一般式(2)

    −COOH

    (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基または水素原子を表す)
  5. 重合媒体100重量%中の酸(A)の含有量が、40〜100重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法。
  6. チオール基とチオール基以外の官能基とを有する化合物(B)を(メタ)アクリレート単量体(D)100重量部に対して0.001〜15重量部の範囲で使用することを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の(メタ)アクリレート重合体の製造方法。
  7. 数平均分子量が2000〜100000であり、かつ片末端に一般式(3)で表される基を有し、一般式(3)で表される基の導入率が90〜100%であることを特徴とする(メタ)アクリレート重合体。
    一般式(3)

    −R−S−

    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Zはアミノ基を示す。)
  8. 数平均分子量が2000〜19000である請求項7記載の(メタ)アクリレート重合体。
  9. 請求項7または8に記載の(メタ)アクリレート重合体を用いたブロック共重合体もしくはグラフト共重合体。
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