JP7428611B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物に関する。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂は耐衝撃性、耐屈曲性、耐傷付き性、耐摩耗性、低温特性、透明性などに優れた特性を有しているため、成形材料として広範に利用されている。しかも、近年そのソフトな風合や、しっとりしたタッチ感が注目され、自動車用部材、時計バンド、靴底、カメラグリップ、電気・精密機械等のパーツなどの柔軟な射出成形品としても用途がさらに広がりつつある。用途の広がりを受け、組み付けるような部材に使用する場合には、熱可塑性ポリウレタン系樹脂の耐傷付き性や透明性を保ちつつ、剛性を改良することが強く求められている。
特許文献1では、熱可塑性ポリウレタン系樹脂に対し、アクリル系ブロック共重合体を添加した樹脂組成物が開示されているが、柔軟性の付与と耐油性の改善を目的としており柔軟性と相対する剛性の付与を目的とする本発明とは技術思想が異なるため、弾性率は低いものとなる。また特許文献2では特定構造のポリウレタン系樹脂とメタクリル系樹脂からなる組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2に従い、製造された熱可塑性樹脂組成物は透明性が十分ではなかった。
国際公開第2009/004939号公報 特表2015-532345号公報
そこで、本発明の目的は、高い透過率と同時に低いヘイズを示し、透明性、耐傷付性、成形性、剛性にも優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
メタクリル系樹脂(A)1~49質量%と、ポリエステルポリオール由来の構造単位と脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位とを有する熱可塑性ポリウレタン(B)51~99質量%と、を含み、
ISO1号ダンベル試験片である板状成形体を用いて、支点間距離を64mm(試験片厚み×16mm)としてISO178に準拠した3点曲げ試験により測定される弾性率が70MPa以上であり、
前記熱可塑性ポリウレタン(B)に含まれる全イソシアネート由来の構造単位を100質量%とした時に脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位が90質量%以上である、
ことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
[2]
前記メタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量が0.01モル%以下である、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]
[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、成形体。
[4]
射出成形体である、[3]に記載の成形体。
[5]
自動車用サイドパネル、自動車用表示パネル、センサーカバー、チェンジレバー、シール材、ヒンジ材、時計バンド、靴底、及びカメラグリップからなる群から選ばれるいずれかである、[3]又は[4]に記載の成形体。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記構成を有するため、高い透過率と同時に低いヘイズを示し、透明性、耐傷付性、成形性、剛性にも優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
[熱可塑性樹脂組成物]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、メタクリル系樹脂(A)1~49質量%と、熱可塑性ポリウレタン(B)51~99質量%とを含有する。上記熱可塑性ポリウレタン(B)は、ポリエステルポリオール由来の構造単位と脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位とを有する。
上記熱可塑性樹脂組成物は、上記メタクリル系樹脂(A)及び熱可塑性ポリウレタン(B)以外に他の成分をさらに含んでいてもよいし、上記メタクリル系樹脂(A)及び熱可塑性ポリウレタン(B)のみからなる組成物であってもよい。
本明細書においては、特に明記しない限り、熱可塑性樹脂組成物の全成分の合計質量を100質量%とする。
<メタクリル系樹脂(A)>
メタクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸エステル単量体に由来するメタクリル酸エステル単量体単位のみからなる単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル単量体単位と他の単量体に由来する他の単量体単位との共重合体であってもよい。上記共重合体は、剛性、耐傷付き性に一層優れる観点から、ランダム重合体であることが好ましい。上記メタクリル系樹脂(A)は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、メタクリル系樹脂(A)とはメタクリル酸エステル単量体単位を主な構成単位とする樹脂といい、好ましくはメタクリル系樹脂(A)100質量%中メタクリル酸エステル単量体単位の質量割合が50質量%超(より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上)の樹脂である。
メタクリル系樹脂(A)に含まれるメタクリル酸エステル単量体単位を構成するメタクリル酸エステル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸(2-エチルヘキシル)、メタクリル酸(t-ブチルシクロヘキシル)、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸(2,2,2-トリフルオロエチル)等が挙げられる。中でも、入手のしやすさ、価格の観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
上記メタクリル酸エステル単量体は、一種のみを単独で使用してもよく、又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
メタクリル系樹脂(A)100質量%中のメタクリル酸エステル単量体単位の質量割合は、85~100質量%であることが好ましく、85~99.9質量%であることがより好ましく、94~99.8質量%であることがさらに好ましく、95~99.5質量%であることがさらにより好ましく、一層高い透過率と同時に一層低いヘイズが得られる観点から、96~98.5質量%であることが特に好ましい。メタクリル酸エステル単量体単位の質量割合が99.9質量%以下であることにより、成形時における樹脂の分解を防止でき、揮発成分であるメタクリル酸エステル単量体の発生やシルバーと呼ばれる成形不良を効果的に防止できる。また、メタクリル酸エステル単量体単位が85質量%以上であることにより、剛性及び強度に優れる成形品とすることができる。
メタクリル系樹脂(A)に含まれる上記他の単量体としては、上記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体が挙げられる。上記他の単量体は、メタクリレート基を有していない単量体としてよい。
上記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル等のアクリレート基を1つ有するアクリル酸エステル単量体;アクリレート基を2つ以上有する、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアクリレート等の2個のアルコールの水酸基をアクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール誘導体をアクリル酸でエステル化したもの;等のアクリル酸エステル単量体が挙げられる。
特に、アクリレート基を1つ有するアクリル酸エステル単量体が好ましく、入手のしやすさの観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチルが好ましく、より好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチルである。
上記他の単量体(好ましくはメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体、より好ましくはアクリル酸エステル単量体)は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
メタクリル系樹脂(A)100質量%中の上記他の単量体単位(好ましくはメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体からなるビニル単量体単位、より好ましくはアクリル酸エステル単量体単位)の質量割合は、高い透過率と同時に低いヘイズが得られる観点から、0~15質量%であることが好ましく、0質量%超15質量%以下であることがより好ましく、0.1~10質量%であることがさらに好ましく、0.2~5質量%であることがさらに好ましく、0.5~4質量%であることが特に好ましい。0.1質量%以上であることにより、成形時におけるメタクリル系樹脂の分解、熱可塑性ポリウレタンの分解を予防でき、熱可塑性樹脂組成物の黄変や揮発成分の発生による成形不良の発生を効果的に防止できる。また、15質量%以下であることにより、高い透過率と同時に低いヘイズが得られる。
上記メタクリル系樹脂(A)が、メタクリル酸エステル単量体単位とメタクリル酸エステルに共重合可能なビニル単量体とを含む場合、メタクリル系樹脂100質量%に対して、メタクリル酸エステル単量体単位80~99.9質量%、メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位0.1~20質量%を含むことが好ましい。
また、上記他の単量体単位の質量割合は、メタクリル系樹脂(A)(100質量%)に対して、特にアクリレート基を2つ有する単量体を使用する場合には0.4質量%以下での使用が、アクリレート基を3つ有する単量体を使用する場合には0.25質量%以下での使用が、アクリレート基を4つ以上有する単量体を使用する場合には0.15質量%以下での使用が、射出成形時の流動性の確保や、透明性維持の観点から好ましい。
また、上記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な、アクリル酸エステル単量体以外の他のビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β-不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、桂皮酸等の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル;スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、3,4-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルスチレン、p-エチルスチレン、m-エチルスチレン、о-エチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、イソプロペニルベンセン(α-メチルスチレン)等のスチレン系単量体;1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、1,1-ジフェニルエチレン、イソプロペニルトルエン、イソプロペニルエチルベンゼン、イソプロペニルプロピルベンゼン、イソプロペニルブチルベンゼン、イソプロペニルペンチルベンゼン、イソプロペニルヘキシルベンゼン、イソプロペニルオクチルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;マレイミドや、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のN-置換マレイミド等;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;ジビニルベンゼン等の多官能モノマー;等が挙げられる。
なお、メタクリル系樹脂(A)においては、耐熱性、成形加工性等の特性を向上させる目的で、上記例示したビニル単量体以外のビニル系単量体を適宜添加して共重合させてもよい。上記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なアクリル酸エステル単量体や、上記例示したアクリル酸エステル単量体以外のビニル系単量体は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上組み合わせて使用してもよい。
上記メタクリル系樹脂(A)100質量%中の、上記メタクリル酸エステル単量体単位とアクリル酸エステル単量体単位との合計質量割合としては、透明性とヘイズとが一層優れた成形体が得られる観点から、88質量%以上であることが好ましく、より好ましくは94質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中のメタクリル系樹脂(A)の質量割合は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対し、1~49質量%であれば良い。透明性と剛性に優れた成形体が得られる観点から、好ましくは7~40質量%、より好ましくは13~40質量%、透明性と靭性、耐傷付性に優れた成形体が得られる観点から、20~40質量%がさらに好ましい。
(重量平均分子量)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれるメタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)について説明する。
メタクリル系樹脂(A)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した重量平均分子量(Mw)が、250,000以下であると好ましい。良好な透過率と低いヘイズの熱可塑性樹脂組成物が得られる観点から、メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)の上限は、180,000以下がより好ましく、145,000以下がさらに好ましく、140,000以下がさらにより好ましい。
機械的強度及び耐溶剤性が良好な熱可塑性樹脂組成物が得られる観点から、メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)の下限は、50,000以上が好ましく、70,000以上がより好ましく、85,000以上がさらに好ましい。
上記メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が50,000~250,000の範囲であることにより、熱可塑性樹脂組成物としたときに流動性、耐溶剤性及び良好な透過率と低いヘイズのバランスを図ることができる。
(分子量分布)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれるメタクリル系樹脂(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0~6.0であることが好ましく、1.0~5.5であることがより好ましく、1.0~5.0であることがさらに好ましく、成形性が一層向上する観点から、1.01~1.96であることが特に好ましい。メタクリル系樹脂(A)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0~6.0であることにより、メタクリル系樹脂(A)が発現する物性が安定する。
ここで、Mwは重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す。
メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPCで測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
具体的には、あらかじめ単分散の重量平均分子量が既知で試薬として入手可能な標準メタクリル系樹脂と、高分子量成分を先に溶出する分析ゲルカラムを用い、溶出時間と重量平均分子量から検量線を作成しておく。続いて得られた検量線を元に、所定の測定対象のメタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めることができ、これらにより分子量分布(Mw/Mn)を算出することができる。数平均分子量(Mn)とは、単純な分子1本あたりの分子量の平均であり、系の全重量/系中の分子数で定義される。重量平均分子量(Mw)とは、重量分率による分子量の平均で定義される。
(不飽和二重結合末端量)
メタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量は、0.012モル%以下が好ましい。より好ましくは0.01モル%以下、さらに好ましくは0.009モル%以下である。
メタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量が上記範囲であると、メタクリル系樹脂(A)の分解によって発生する単量体由来のシルバー不良等の成形不良を効果的に防止できるだけでなく、メタクリル系樹脂(A)の分解時に発生したラジカルによって引き起こされる熱可塑性ポリウレタン(B)の劣化による熱可塑性樹脂組成物の黄変や、熱可塑性樹脂組成物の分解によって生じる成形不良を効果的に予防できる。不飽和二重結合末端量は重合温度の制御や連鎖移動剤の利用によって制御することができる。
なお、不飽和二重結合末端量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(メタクリル系樹脂(A)の製造方法)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含まれるメタクリル系樹脂(A)は、溶液重合法、塊状重合法、キャスト重合法、懸濁重合法等により製造できるが、これらの方法に限定されるものではない。好ましくは、塊状重合、溶液重合、懸濁重合法である。
重合温度は、重合方法に応じて適宜最適の重合温度を選択すればよいが、好ましくは50℃以上200℃以下であり、より好ましくは60℃以上180℃以下である。重合温度を200℃以下にすることで不飽和二重結合末端量を低減することができ、メタクリル系樹脂(A)の分解によって発生したラジカルによって引き起こされた熱可塑性ポリウレタン(B)の劣化による熱可塑性樹脂組成物の黄変や成形不良を効果的に予防することができる。また、50℃以上とすることで生産性良くメタクリル系樹脂を製造することができる。
メタクリル系樹脂(A)を製造する際には、重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、ラジカル重合を行う場合は、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシネオデカネート、t-ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル等のアゾ系の一般的なラジカル重合開始剤;が挙げられる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらのラジカル重合開始剤と適当な還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として用いてもよい。
これらのラジカル重合開始剤及び/又はレドックス系開始剤は、メタクリル系樹脂(A)の重合の際に使用する全単量体の総量100質量部に対して、0質量部超1質量部以下の範囲で用いるのが一般的であり、重合を行う温度と重合開始剤の半減期を考慮して適宜選択することができる。
メタクリル系樹脂(A)の重合方法として、塊状重合法、キャスト重合法、又は懸濁重合法を選択する場合には、メタクリル系樹脂(A)の着色を防止する観点から、過酸化系重合開始剤を用いて重合することが好ましい。
上記過酸化系重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、及びt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられ、ラウロイルパーオキサイドがより好ましい。
メタクリル系樹脂(A)を、90℃以上の高温下で溶液重合法により重合する場合には、10時間半減期温度が80℃以上で、かつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤等を重合開始剤として用いることが好ましい。
上記過酸化物、アゾビス開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等が挙げられる。
メタクリル系樹脂(A)を製造する際には、本発明の目的を損なわない範囲で、メタクリル系樹脂(A)の分子量の制御を行ってもよい。メタクリル系樹脂(A)の分子量を制御する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルメルカプタン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の連鎖移動剤、ジチオカルバメート類、トリフェニルメチルアゾベンゼン、テトラフェニルエタン誘導体等のイニファータ等を用いることによって分子量の制御を行う方法が挙げられる。また、これらの添加量を調整することにより、分子量を調整することも可能である。
上記連鎖移動剤としては、取扱性や安定性の観点から、アルキルメルカプタン類が好ましく、当該アルキルメルカプタン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n-ブチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-テトラデシルメルカプタン、n-オクタデシルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等が挙げられる。
これらは、目的とするメタクリル系樹脂(A)の分子量に応じて適宜添加することができるが、一般的には、メタクリル系樹脂(A)の重合の際に使用する全単量体の総量100質量部に対して0.001質量部~5質量部の範囲で用いられる。
また、その他の分子量制御方法としては、重合方法を変える方法、重合開始剤、上述した連鎖移動剤やイニファータ等の量を調整する方法、重合温度等の各種重合条件を変更する方法等が挙げられる。
これらの分子量制御方法は、一種の方法のみを用いてもよく、二種以上の方法を併用してもよい。
<熱可塑性ポリウレタン(B)>
本実施形態においては、熱可塑性ポリウレタン(B)を熱可塑性樹脂組成物中に含有する。上記熱可塑性ポリウレタン(B)は、上記熱可塑性ポリウレタン(B)は、ポリエステルポリオール由来の構造単位と、脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位とを含む。
上記熱可塑性ポリウレタン(B)は、熱可塑性樹脂組成物の透明性を良好なものにするために、全イソシアネート由来の構造単位を100質量%とした時に脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位70質量%以上であることが好ましい。全イソシアネート由来の構造単位を100質量%とした時に脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位は、75質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
上記熱可塑性ポリウレタン(B)は、少なくとも一種の熱可塑性ポリウレタンであればよく、一種単独の熱可塑性ポリウレタンを用いてもよいし、二種以上の熱可塑性ポリウレタンを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性ポリウレタンは、通常、以下の成分:(a)イソシアネート、(b)イソシアネートに対して反応性を有する化合物、並びに、任意に、少なくとも一種の(c)触媒及び/又は(d)従来の助剤及び/若しくは添加剤の存在下で反応することによって製造される。以下の成分:(a)イソシアネート及び(b)イソシアネートに対して反応性を有する化合物は、構造成分と呼ばれる。これら構造成分を同定する方法としては、従来公知の方法、例えば、以下に限定されるものではないが、日本接着学会誌 Vol.40 No.6(2004)に記載の方法が挙げられる。
(a)イソシアネートとしては、熱可塑性樹脂組成物の透明性(例えば、高い全光線透過率及び低いヘイズ)、耐傷付性の観点から、構造中に脂環を1つ有するイソシアネートを少なくとも用いることが必要で、不飽和炭素結合、芳香族環を持たず脂環を1つ有するイソシアネートを少なくとも用いることがより好ましい。以下に限定されるものではないが、具体的には、1,3-ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が、成形加工性、透明性に一層優れる観点から好ましい。熱可塑性ポリウレタンの製造時に用いるイソシアネートは、本発明の効果を損ねない範囲で、イソシアネート中に5質量%以下の混在物又は添加物を有するイソシアネートでも良い。
(a)イソシアネートとしては、脂環の数が1個であるイソシアネートを用いることが必要である。
熱可塑性ポリウレタン(B)の製造に用いる上記(a)イソシアネートは、構造中に脂環を1つ有するイソシアネートのみであってもよいし、さらに他のイソシアネートを含んでいてもよい。上記他のイソシアネートとしては、脂環数が2個以上のイソシアネートを用いてもよい。上記(a)イソシアネート中にイソシアネートが複数種含まれる場合、(a)イソシアネートに含まれる化合物のうち最も脂環数の小さい化合物の脂環数が1であることが好ましく、また、(a)イソシアネートに含まれる化合物のうち最も脂環数の大きい化合物の脂環数が1であることが好ましい。
熱可塑性ポリウレタン(B)の製造に用いる、上記(a)イソシアネート全量100質量%中の、脂環数が1個のイソシアネートの質量割合としては、70質量%以上が好ましく、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
(b)イソシアネートに対して反応性を有する化合物としては、ポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールを用いることで、熱可塑性樹脂組成物としたときの透明性が良好となる。熱可塑性ポリウレタン(B)の構造中に、ポリエステルポリオール由来、又は2以上のそれらの混合物由来の構造単位が含まれることが好ましい。なお、上記ポリエステルポリオールには、ポリカーボネートジオールが含まれる。
上記熱可塑性ポリウレタン(B)中に含まれるポリオールに由来する構成単位100質量%中の、ポリエステルポリオールに由来する構成単位の質量割合としては、80~100質量%であることが好ましく、より好ましくは90~100質量%、さらに好ましくは95~100質量%である。
上記熱可塑性ポリウレタン(B)中に含まれるポリオールに由来する構成単位100質量%中の、ポリエーテルに由来する構成単位の質量割合は、5質量%未満であることが好ましく、より好ましくは2質量%未満、さらに好ましくは1質量%未満であり、含まないことが特に好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、2個から12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸(好ましくは8個~12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸)、及び多価アルコール(好ましくは2個から12個の炭素原子を有するジオール、より好ましくは2個から6個の炭素原子を有するジオール)から製造されるポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記有機ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の異性体である。ジカルボン酸は、単体又は他のジカルボン酸との混合物のいずれかで使用される。有機ジカルボン酸の代わりに、対応するジカルボン酸誘導体、例えば、1個~4個の炭素原子を有するアルコールのジカルボン酸エステル、又はジカルボン酸無水物も使用することができる。
上記多価アルコールとしては、ジオールが好ましい。上記ジオールとしては、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-又は1,3-プロパンジオール、メチル-1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、グリセロール、トリメチルオールプロパンが挙げられ、好ましくは、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール又は1,6-ヘキサンジオールである。上記多価アルコールとしては、ラクトン(例えば、ε-カプロラクトン)から製造されるポリエステルジオール、ヒドロキシカルボン酸(例えば、ω-ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸)を用いてもよい。
ポリエステルポリオールの製造において、有機ジカルボン酸とポリアルコールの反応条件は、製造されるポリエステルポリオールが遊離酸基を有さないような方法で選択してよい。製造されるポリエステルポリオールの実際の官能基数は、1.9~2.1が好ましく、より好ましくは2.0である。
ポリエステルポリオールの製造において、有機ジカルボン酸及びポリアルコールの混合物を、触媒の存在下又は非存在下で縮重合してよい。中でも、触媒存在下の反応が好ましく、エステル化触媒の存在下の反応がより好ましい。
また、ポリエステルポリオールの製造において、有機ジカルボン酸及びポリアルコールの混合物を、不活性ガス(例えば、窒素、一酸化炭素、ヘリウム、又はアルゴン等)の雰囲気下で縮重合してよい。
有機ジカルボン酸とポリアルコールとの縮重合時の温度としては、150~250℃が好ましく、より好ましくは180~220℃である。上記縮重合は、任意に減圧下で行うことができる。
上記縮重合は、通常、望ましい酸価(例えば、10未満の酸価、好ましくは2未満の酸価)に到達するまで連続される。
上記縮重合に用いる、有機ジカルボン酸とポリアルコールのモル比としては、1:1~1.8が好ましく、より好ましくは1:1.05~1.2である。
特に、ε-カプロラクトンから製造されるポリエステルポリオールに由来する構造単位、並びに/又はアジピン酸若しくはセバシン酸と、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、及び1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される少なくとも一種の多価アルコールとの縮合物由来の構造単位、が熱可塑性ポリウレタン(B)に含まれていることが好ましい。
使用されるポリエステルポリオールの数平均分子量Mnは、500~4,000であることが好ましく、より好ましくは650~3,500、さらに好ましくは800~3,000である。
なお、数平均分子量Mnは、GPC法により測定することができる。
(b)イソシアネートに対して反応性を有する化合物として、ポリエステルポリオール以外には、多価アルコールが挙げられる。多価アルコールの中でも、エチレン-1,2-ジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジメタノールシクロヘキサン、及びネオペンチルグリコールからなる群から選択される少なくとも一種の多価アルコールが好ましい。エチレン-1,2-ジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される多価アルコールがより好ましい。多価アルコールは鎖延長剤として機能する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物においては、ポリオールとして、エチレン-1,2-ジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される少なくとも一種の多価アルコール由来の構造単位が熱可塑性ポリウレタン(B)に含有されていることが好ましい。
上記(c)触媒としては、(a)イソシアネートのNCO基と、(b)イソシアネートに対して反応性を有する化合物のヒドロキシ基との間の反応を速くする(c)触媒であることが好ましい。上記(c)触媒としては、第三級アミンが挙げられ、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N,N’-ジメチルピペラジン、2-(ジメチルアミノエトキシ)エタノール又はジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが好ましい。また、上記(c)触媒は、有機金属化合物(例えば、チタン酸エステル、鉄化合物(好ましくは鉄(III)アセチルアセトネート)、スズ化合物(好ましくは、スズジアセテート、スズジオクトエート、スズジラウレート)又は脂肪族カルボン酸のジアルキルスズ塩(好ましくはジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート)、ビスマスが好ましくは2又は3、特に3の酸化状態で存在するビスマス塩)が好ましい。
上記(c)触媒としては、好ましくは、カルボン酸の塩である。上記カルボン酸としては、好ましくは6個から14個の炭化水素、特に好ましくは8個~12個の炭化水素を有するカルボン酸である。カルボン酸の塩としてはビスマス塩が好ましく、好適なビスマス塩の例は、ビスマス(III)ネオデカノエート、ビスマス2-エチルヘキサノエート及びビスマスオクタノエートである。
熱可塑性ポリウレタン(B)の製造時に使用される(c)触媒の質量割合としては、(b)イソシアネートに対して反応性を有する化合物100質量部に対して0.0001~0.1質量部が好ましい。上記(c)触媒としては、スズ触媒、特にスズジオクトエートを使用することが好ましい。
熱可塑性ポリウレタン(B)を製造する際の、構造成分(a)、(b)の割合は、構造成分(b)のヒドロキシ基の合計に対する(a)イソシアネートのNCO基の当量比が0.9~1.1:1であることが好ましく、より好ましくは0.95~1.05:1、さらに好ましくは0.96~1.0:1である。熱可塑性ポリウレタン(B)の製造は、(c)触媒、任意に(d)助剤及び/又は添加剤の存在下で反応することが好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性ポリウレタン(B)の質量割合は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、51~99質量%であり、良好な耐傷付き性と透明性、剛性を有する成形体が得られる観点から、好ましくは60~93質量%、より好ましくは60~87質量%、さらに好ましくは60~80質量%である。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中の、メタクリル系樹脂(A)及び熱可塑性ポリウレタン(B)の合計質量割合は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中の、メタクリル系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)との合計100質量部に対する、メタクリル系樹脂(A)の質量割合としては、透明性と剛性に優れた成形体が得られる観点から、1~49質量部であることが好ましく、より好ましくは7~40質量部、さらに好ましくは13~40質量部、透明性と靭性、耐傷付性に優れた成形体が得られる観点から、特に好ましくは20~40質量部である。
<他の成分>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記メタクリル系樹脂(A)及び上記熱可塑性ポリウレタン(B)以外の他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、例えば、メタクリル系樹脂(A)又は上記熱可塑性ポリウレタン(B)以外の従来公知のその他の樹脂を用いることができる。
当該その他の樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が好適に使用される。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シンジオタクテックポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、BAAS系樹脂、AAS樹脂、生分解性樹脂、ポリカーボネート-ABS樹脂のアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フェノール系樹脂、等が挙げられる。
特に、AS樹脂、BAAS樹脂は、流動性を向上させるために好ましく、ABS樹脂、は耐衝撃性を向上させるために好ましく、また、ポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるために好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フェノール系樹脂等は、難燃性を向上させる効果が得られる。
また、硬化性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、キシレン樹脂、トリアジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、スチリルピリジン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム、等が挙げられる。
これらの樹脂は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
上記他の成分としては、各種の添加剤を用いてもよい。
添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系等の可塑剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、又はトリグリセリド系等の離型剤;ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩等の帯電防止剤;ホスフィン系安定剤、光安定剤、熱安定剤等の安定剤;難燃剤;難燃助剤;硬化剤;硬化促進剤;導電性付与剤;応力緩和剤;結晶化促進剤;染料;加水分解抑制剤;潤滑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;耐衝撃性付与剤;摺動性改良剤;相溶化剤;核剤;強化剤;補強剤;流動調整剤;増感材;着色用顔料;ゴム質重合体;増粘剤;沈降防止剤;タレ防止剤;充填剤;消泡剤;カップリング剤;防錆剤;抗菌・防黴剤;防汚剤;導電性高分子;カーボンブラック;等が挙げられる。
特に、紫外線吸収剤、熱安定剤が好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中における、上述した他の成分の質量割合は、熱可塑性樹脂組成物の透明性を保ち、ブリードアウト等の成形不良を防止するために、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、0~40質量%が好ましく、0.01~30質量%がより好ましく、0.02~25質量%がさらに好ましい。上記範囲で含有することにより、それぞれの材料の機能を発揮することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し、紫外線吸収剤を0.001~0.5質量部含有していることが好ましい。紫外線吸収剤を含有することで耐候性が良好になり、成形したときに長期使用に好適な成形体が得られるだけでなく、光源に含まれる紫外領域の波長の光に曝された時の変色を効果的に防止することができる。紫外線吸収剤の性能を十分に発揮するために、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対し、紫外線吸収剤は0.003質量%以上含有されていることがより好ましく、0.005質量%以上がさらに好ましく、0.01質量%以上がさらにより好ましい。金型の汚染や金属ロールへの樹脂の張り付きを防止するために、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対し、紫外線吸収剤は0.5質量%以下含有されていることが好ましく、より好ましくは0.4質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物等が挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物である。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、紫外線吸収剤を添加する場合、成形加工性の観点から、20℃における蒸気圧(P)が1.0×10-4Pa以下であるものが好ましく、より好ましくは1.0×10-6Pa以下であり、さらに好ましくは1.0×10-8Pa以下である。
成形加工性に優れるとは、例えば射出成形時に、金型表面への紫外線吸収剤の付着が少ないことや、フィルム成形時に、紫外線吸収剤のロールへの付着が少ないこと等を示す。
ロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるおそれがあるため、成形体を光学用材料として使用する場合は好ましくない。
また、紫外線吸収剤の融点(Tm)は80℃以上であることが好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。融点が80℃以上であると、紫外線吸収剤が成形時に揮発することを抑制でき、性能を十分に発揮させることができる。また、揮発した紫外線吸収剤における金型への汚染を効果的に予防できる。
上記紫外線吸収剤は、23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の重量減少率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは15%以下、さらにより好ましくは10%以下、よりさらに好ましくは5%以下である。
上記熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工安定剤等の酸化防止剤等が挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオンアミド、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-キシリン)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミン)フェノール等が挙げられ、ペンタエリスリトールテラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい熱安定化剤として挙げられる。
熱安定剤を用いる際は、その効果を十分に発揮するために、メタクリル系樹脂(A)100質量部に対し、0.03質量部以上が好ましく、0.05質量部以上添加することがより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましい。また、モールドデポジットなどの金型汚染を防止するために熱安定剤の添加量は0.8質量部以下が好ましく、0.6質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、平板試料としたときの全光線透過率が、89%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは91%以上である。
上記全光線透過率は、例えば、メタクリル系樹脂(A)及び熱可塑性ポリウレタン(B)の質量割合を上述の好適範囲とする、メタクリル系樹脂(A)として上述の好適例のものを用いる、等により調整することができる。
なお、上記全光線透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、平板試料としたときのヘイズが10%以下であることが好ましく、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは8%以下である。
上記ヘイズは、例えば、メタクリル系樹脂(A)及び熱可塑性ポリウレタン(B)の質量割合を上述の好適範囲とする、メタクリル系樹脂(A)として上述の好適例のものを用いる、熱可塑性ポリウレタン(B)を上述な好適例のものを用いる等により調整することができる。
なお、上記ヘイズは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、板状成形体とした時の弾性率は70MPa以上が必要である。70MPa以上であることで、従来の熱可塑性ポリウレタンとは異なる剛性が必要とされる用途にも好適に用いることができる。弾性率は、100MPa以上が好ましく、200MPa以上がより好ましく、300MPa以上がさらに好ましく、400MPa以上がさらにより好ましい。上記剛性は、例えば、メタクリル系樹脂(A)及び熱可塑性ポリウレタン(B)の質量割合を上述の好適範囲とする、メタクリル系樹脂(A)として上述の好適例のものを用いる、熱可塑性ポリウレタン(B)を上述な好適例のものを用いる等により調整することができる。
一例として、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン系樹脂(PANDEX T-8180N:ディーアイシー バイエル ポリマー(株)製)の弾性率は、約16MPa、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン系樹脂(PANDEX T-1180:ディーアイシー バイエル ポリマー(株)製)の弾性率は約12MPaと特許文献1に示されている。
なお、上記弾性率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、メタクリル系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)と、必要に応じて、上述した種々の他の成分とを混合し、混練することにより得られる。
例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより製造できる。
特に押出機による混練が、生産性の観点から好ましい。
混練温度(即ち、メタクリル系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)とを配合する際の温度)は、生産性の観点から、170℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、メタクリル系樹脂(A)や熱可塑性ポリウレタン(B)の劣化、各種添加剤の揮発防止の観点から、290℃以下が好ましく、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下である。本実施形態における混錬温度とは、押出機を用いた場合、シリンダー中央部の設定温度のことを指す。
<成形体>
本実施形態の成形体は、上記の本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を含む。本実施形態の成形体は、上記熱可塑性樹脂組成物のみからなる成形体であってもよい。上記成形体は、射出成形体であってもよい。
<成形体の製造方法>
本実施形態の成形体は、公知の成形方法によって製造できる。公知の成形方法とは、以下に限定されるわけではないが、例えば、射出成形、押出成形、ブロー(中空)成形、真空成形、圧縮成形、カレンダー成形、インフレーション成形等が挙げられる。特に射出成形による成形が、生産性の観点から好ましい。
成形温度は、生産性の観点から、170℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、メタクリル系樹脂(A)や熱可塑性ポリウレタン(B)の劣化、各種添加剤の揮発防止の観点から、290℃以下が好ましく、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下である。
また、成形時のシリンダー温度としては、生産性の観点から、170℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、メタクリル系樹脂(A)や熱可塑性ポリウレタン(B)の劣化、各種添加剤の揮発防止の観点から、290℃以下が好ましく、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下である。
<成形体の用途>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体は、耐候性、耐傷付性、透明性が良好であり、ポリウレタン系樹脂における課題であった剛性が改良された樹脂成形体を得ることができるため、自動車用内外装部材、建材、雑貨に好適に用いることが出来る。着色製品に対しても良好な透明性のため、高品位な着色品とすることができる。本実施形態の成形体の用途は、具体的には、例えば、自動車用サイドパネル、自動車用表示パネル、センサーカバー、チェンジレバー、シール材、ヒンジ材、時計バンド、靴底、カメラグリップ等である。中でも、自動車用サイドパネル、自動車用表示パネル、チェンジレバーとして用いられることが特に好ましい。
本発明の他の実施形態は、特許請求の範囲及び実施例で知ることができる。本発明に係る物品、製法、使用方法の上述の特徴及び以下に説明される特徴は、当然、それぞれ記載された組み合わせだけではなく、本発明の範囲を超えない限り、他の組み合わせでも使用することができる。したがって、例えば、本発明はまた、組み合わせが明示的に記載されていなくても、暗に、好ましい特徴と、特に好ましい特徴との組み合わせ又は、詳しく特徴付けられていない特徴と、特に好ましい特徴と組み合わせること等も含む。
本発明の実施例を以下に示すが、これは本発明を限定するものではない。特に、本発明はまた、それらの組み合わせから生じる実施形態も含む。
[実施例及び比較例において用いた原料]
<メタクリル系樹脂(A)の原料>
熱可塑性樹脂組成物の製造に用いたメタクリル系樹脂(A)の原料は、下記のとおりである。
・メタクリル酸メチル(MMA):旭化成製(重合禁止剤として中外貿易製2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノールが2.5質量ppm添加されているもの)
・アクリル酸メチル(MA):三菱ケミカル製(重合禁止剤として川口化学工業製4-メトキシフェノール(4-methoxyphenol)が14質量ppm添加されているもの)
・アクリル酸エチル(EA):三菱ケミカル製
・n-オクチルメルカプタン:アルケマ製
・ラウロイルパーオキサイド:日油製
・パーヘキサ22:日油製
・メタキシレン:東京化成製
・第三リン酸カルシウム:日本化学工業製、懸濁剤として使用
・炭酸カルシウム:白石工業製、懸濁剤として使用
・ラウリル硫酸ナトリウム:和光純薬工業製、懸濁助剤として使用
<熱可塑性ポリウレタン(B)>
・エラストランXCT-A1095:エフ・シー・アイ製 ポリウレタンB-1
・エラストランNY5685N00A:エフ・シー・アイ製 ポリウレタンB-2
Figure 0007428611000001
<添加剤>
・チヌビンP:BASF製 融点128℃
・ステアリルアルコール:花王製 カルコール8098
[測定、評価方法]
<I.メタクリル系樹脂(A)の分子量測定>
メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)(Mnは数平均分子量)を下記の装置、及び条件で測定した。
・測定装置:東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC-8320GPC)
・測定条件:
カラム:TSKguardcolumn SuperH-H 1本、TSKgel SuperHM-M 2本、TSKgel SuperH2500 1本を順に直列接続して使用した。本カラムでは、高分子量が早く溶出し、低分子量は溶出する時間が遅い。
検出器 :RI(示差屈折)検出器
検出感度 :3.0mV/min
カラム温度:40℃
サンプル :0.02gのメタクリル系樹脂のテトラヒドロフラン20mL溶液
注入量 :10μL
展開溶媒 :テトラヒドロフラン、流速;0.6mL/min、内部標準として、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)を、0.1g/L添加した。
検量線用標準サンプルとして、単分散のピーク分子量が既知で分子量が異なる以下の10種のポリメタクリル酸メチル(Polymer Laboratories製;PMMA Calibration Kit M-M-10)を用いた。
なお、検量線用標準サンプルに用いた標準試料のポリメタクリル酸メチルは、それぞれ単ピークのものであるため、それぞれに対応するピークを重量ピーク分子量Mpと表記した。この点、一試料についてピークが複数ある場合に算出されるピークトップ分子量と区別した。
重量ピーク分子量(Mp)
標準試料1 1,916,000
標準試料2 625,500
標準試料3 298,900
標準試料4 138,600
標準試料5 60,150
標準試料6 27,600
標準試料7 10,290
標準試料8 5,000
標準試料9 2,810
標準資料10 850
上記の条件で、メタクリル系樹脂(A)の溶出時間に対するRI検出強度を測定した。
GPC溶出曲線におけるエリア面積と、3次近似式の検量線とを基に、メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
<II.メタクリル系樹脂(A)構造単位の解析>
1H-NMR測定により構造単位を同定し、その存在量(質量%)を算出した。
1H-NMR測定の測定条件は、以下のとおりである。
装置:JEOL-ECA500
溶媒:CDCl3-d1(重水素化クロロホルム)
試料:メタクリル樹脂(A)1gをアセトン10mlに溶解させ、メタノール20mlを滴下しろ過。不溶分を40℃で15時間真空乾燥したもの15mgをCDCl3-d1 0.75mLに溶解し、測定用サンプルとした。
<III.メタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量>
1H-NMR測定により構造単位を同定し、メタクリル系樹脂(A)中の存在量(モル%)を算出した。
不飽和二重結合末端ピークの積分値(5.4~5.6ppm)とメタクリル系樹脂(A)のエステル基の酸素原子に結合しているメチル基のピーク積分値(3.6ppm)から不飽和二重結合末端量を算出した。
1H-NMR測定の測定条件は、以下のとおりである。
装置:JEOL-ECA500
スキャン数:5000回
測定温度:室温
観測核:1H(500MHz)
溶媒:CDCl3-d1(重水素化クロロホルム)
試料:熱可塑性樹脂組成物1gをクロロホルム10mlに溶解させ、不溶分をろ過によって取り除く。その後、クロロホルム溶液に対しメタノール20mlを滴下しろ過。ろ過後の不溶分について、再度クロロホルム10mlに溶解させ、メタノール20mlを滴下しろ過を2度繰り返す。最終的に残った不溶分を40℃で15時間真空乾燥したもの75mgをCDCl3-d1 0.75mLに溶解し、測定用サンプルとした。最終ろ過後の不溶分が75mgに満たなかった場合は、75mgになるまで上記操作を繰り返した。
<全光線透過率>
後述する方法で得られた厚さ2mmの平板試料の全光線透過率は日本電色製NDH7000を用いてJIS K7361に準じて測定した。全光線透過率は、91%以上で「◎」(特に優れている)、90%以上で「〇」(良好)、89%以上で「△」(実用上問題ないレベル)、89%未満で「×」(不良)とした。
<ヘイズ、耐傷付き性>
後述する方法で得られた厚さ2mmの平板試料を学振摺動試験機に設置し、面積1cm2の圧子先端にスチールウール(#0000)を固定したものを相手材とし、加重200gf、試験速度100mm/秒の条件で5往復摺動を行った。
試験前後のヘイズを、日本電色製NDH7000を用いてJIS K7136に準じて測定し、その変化値を求め耐傷付性を評価した。
耐傷付性の判定は、ヘイズの変化量が4%以下で「◎」(特に優れている)10%以下で「○」(良好)、10%を超える場合は「×」(不良)とした。なお、ヘイズの変化量は下記式に従って算出した。
(ヘイズの変化量(%))=(試験後のヘイズ(%))-(試験前のヘイズ(%))
また、ヘイズの判定として、後述する方法で得られた厚さ2mmの平板試料の試験前のヘイズを熱可塑性樹脂組成物のヘイズとし、ヘイズ値が6%以下であれば「◎」(特に優れている)、6%を超え9%以下であれば「〇」(優れている)、9%を超え11%以下であれば「△」(実用上問題ないレベル)、11%を超えていた場合は「×」(不良)とした。
<成形性>
後述する<平板試料>(射出成形)における成形温度を265℃として厚さ2mmの平板試料を作製し、成形温度240℃で作製した平板試料と目視で比較した時に、外観に大幅な黄変が見られた場合を「△」(実用上問題ないが成形性に課題がある)とし、大幅な黄変がなかったものを「○」(良好)とした。
<金型脱離時間>
後述する<平板試料>(射出成形)において、金型での冷却時間のみを70秒から5秒刻みで短くしていき、金型の4隅に設置されたエジェクターピンによって金型から取り出す際に金型への張り付きが見られる冷却時間を調べた。冷却時間が30秒以下であった場合「〇」(良好)、30秒を超え60秒以内であった場合「△」(実用上問題ない)、60秒以上であった場合「×」(不良)とした。金型脱離時間は短いほど、射出成形においては成形のハイサイクル化に対応でき、良好な生産性となる。
<弾性率>
後述する<ISOダンベル試験片>(射出成形)で得られたダンベル試験片(板状成形体)を室温23℃、湿度50%の環境下で1日静置したISOダンベル試験片をISO178に準拠し、島津製作所製オートグラフAGS-5kNXを用い3点曲げ試験を行った。支点間距離は64mm(試験片厚み×16mm)とした。ISO178に準拠し、規定の歪区間での応力から曲げ弾性率を求めた。弾性率は70MPa以上であれば「〇」(良好)、70MPa未満であれば「×」(不良)とした。
[熱可塑性樹脂組成物]
後述する実施例及び比較例で、熱可塑性樹脂組成物の構成成分として用いたメタクリル系樹脂(A)について、以下記載する。
<メタクリル系樹脂(A)>
メタクリル系樹脂(A)は、下記製造例A1~A5により製造した(A-1)~(A-5)のメタクリル系樹脂を使用した。
(製造例A1(メタクリル系樹脂(A-1)の製造))
攪拌機を有する容器に、イオン交換水:2kg、第三リン酸カルシウム:65g、炭酸カルシウム:39g、ラウリル硫酸ナトリウム:0.39gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、イオン交換水:26kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)、メタクリル酸メチル:21.2kg、アクリル酸メチル:0.43kg、ラウロイルパーオキサイド:27g、及びn-オクチルメルカプタン:62gを投入した。
その後、約60℃で1時間重合を行い、ついで、約80℃に昇温し、約80℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークを観測後、92℃に1℃/minの速度で昇温し、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次いで、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために、20質量%硫酸を投入後、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状ポリマーを洗浄脱水乾燥処理し、ポリマー微粒子1を得た。このポリマー微粒子1を240℃に設定したφ26mmの2軸押出機によってペレタイズを行い、「メタクリル系樹脂(A-1)」を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は10.2万であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.85、構造単位はMMA/MA=98/2(質量%)、不飽和二重結合末端量は0.004モル%であった。
(製造例A2(メタクリル系樹脂(A-2)の製造))
攪拌機を有する容器に、イオン交換水:2kg、第三リン酸カルシウム:65g、炭酸カルシウム:42g、ラウリル硫酸ナトリウム:0.39gを投入し、混合液(b)を得た。
次いで、60Lの反応器にイオン交換水:26kgを投入して80℃に昇温し、混合液(b)、メタクリル酸メチル:20.6kg、アクリル酸エチル:1.32kg、ラウロイルパーオキサイド:44g、及びn-オクチルメルカプタン:29.2gを投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークを観測後、92℃に1℃/minの速度で昇温した。
その後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次いで、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために、20質量%硫酸を投入後、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状ポリマーを洗浄脱水乾燥処理し、ポリマー微粒子2を得た。このポリマー微粒子2を250℃に設定したφ26mmの2軸押出機によってペレタイズを行い、「メタクリル系樹脂(A-2)」を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は18.5万であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.95、構造単位はMMA/EA=94/6(質量%)、不飽和二重結合末端量は0.009モル%であった。
(製造例A3(メタクリル系樹脂(A-3)の製造))
攪拌機を有する容器に、イオン交換水:2kg、第三リン酸カルシウム:65g、炭酸カルシウム:39g、ラウリル硫酸ナトリウム:0.39gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器にイオン交換水:26kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)、メタクリル酸メチル:20.6kg、アクリル酸メチル:1.32kg、ラウロイルパーオキサイド:35g、及びn-オクチルメルカプタン:39.1gを投入した。
その後、約75℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークを観測後、92℃に1℃/minの速度で昇温した。
その後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次いで、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために、20質量%硫酸を投入後、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状ポリマーを洗浄脱水乾燥処理し、ポリマー微粒子3を得た。このポリマー微粒子3を250℃に設定したφ26mmの2軸押出機によってペレタイズを行い、「メタクリル系樹脂(A-2)」を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は14.5万であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.95、構造単位はMMA/MA=94/6(質量%)、不飽和二重結合末端量は0.007モル%であった。
(製造例A4(メタクリル系樹脂(A-4)の製造))
攪拌機を有する容器に、イオン交換水:2kg、第三リン酸カルシウム:65g、炭酸カルシウム:39g、ラウリル硫酸ナトリウム:0.39gを投入し、混合液(c)を得た。
次いで、60Lの反応器に、イオン交換水:26kgを投入して80℃に昇温し、混合液(c)、メタクリル酸メチル:20.7kg、アクリル酸メチル:0.87kg、ラウロイルパーオキサイド:27g、及びn-オクチルメルカプタン:88gを投入した。
その後、約75℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークを観測後、92℃に1℃/minの速度で昇温し、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次いで、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために、20質量%硫酸を投入後、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状ポリマーを洗浄脱水乾燥処理し、ポリマー微粒子4を得た。このポリマー微粒子4を230℃に設定したφ26mmの2軸押出機によってペレタイズを行い、「メタクリル系樹脂(A-4)」を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は7.2万であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.83、構造単位はMMA/MA=96/4(質量%)、不飽和二重結合末端量は0.007モル%であった。
(製造例A5(メタクリル系樹脂(A-5)の製造))
攪拌機を備えた耐圧重合反応器に、メタクリル酸メチル:932g、アクリル酸メチル:24g、重合開始剤としてパーヘキサ22を0.2g、n-オクチルメルカプタン:2.8g、メタキシレン:240gを投入した。反応容器内を窒素雰囲気に置換し、温度を185℃に昇温し90分間重合反応を行った。内容物を取り出し、反応器の洗浄を行った後、繰り返し上記反応を5回実施した。取り出した内容物に対し凍結粉砕を行った後、230℃に設定されたφ42mmの脱気押出機でペレタイズを行い「メタクリル系樹脂(A-5)」を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は7.6万であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.98、構造単位はMMA/MA=97.5/2.5(質量%)、不飽和二重結合末端量は0.014モル%であった。
[実施例1~10][比較例1~3]
表2に記載の配合割合になるよう、メタクリル系樹脂(A)、熱可塑性ポリウレタン(B)、他の成分をそれぞれ計量した後、タンブラーへ投入し、混合した。十分混合させた後、φ26mmの二軸押出機にその混合原料を投入し、溶融混練(コンパウンド)してストランドを生成し、ウォーターバスでそのストランドを冷却した後、ペレタイザーで切断してペレットを得た。なお、コンパウンドの際、押出機のベント部に真空ラインを接続し、-0.08MPaの条件で水分やモノマー成分等の揮発成分を除去した。こうして、熱可塑性樹脂組成物を得た。なお、熱可塑性樹脂組成物の混錬温度は、シリンダー中央部を230℃に設定した。なお、表2中の数値は、メタクリル系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)との合計質量を100質量部とする。
Figure 0007428611000002
<平板試料>
(射出成形)
得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを射出成形機(東芝機械製EC-100SX)に投入し、平板試料(100mm×100mm×2mm)に成形し、評価用の平板試料とした。なお、金型は、金型表面(金型キャビティ内面)が8000番の磨き番手で研磨されているものを用いた。
なお、この評価用平板試料の成形条件は、下記のように設定した。
成形温度(シリンダー温度):240℃
射出速度:15mm/秒
金型温度:40℃
また、金型での樹脂冷却時間は70秒とした。
<ISOダンベル試験片>
(射出成形)
得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを射出成形機(東芝機械製EC-100SX)に投入し、ISO1号ダンベル試験片を成形し、弾性率評価用の試料とした。成形条件は、下記のように設定した。
成形温度(シリンダー温度):240℃
射出速度:15mm/秒
金型温度:40℃
また、金型での樹脂冷却時間は70秒とした。
表2に示すように実施例2~5、9において優れた透明性と耐傷付性、剛性を兼ね備えるだけでなく成形性、生産性も良好な熱可塑性樹脂組成物を製造することが出来た。比較例1においては、耐傷付性と剛性は良好であったが、単量体構造としてイソシアネートに含まれる脂環の数が2つである単量体構造を有する熱可塑性ポリウレタン(B)を用いたため、全光線透過率がやや劣り、ヘイズが高く、透明性が良好でなかった。また、生産性も良好ではなかった。比較例2においては、透明性、成形性、耐傷付性は良好であったが、メタクリル系樹脂(A)を含有していないため剛性に劣り、また、生産性においても実用上十分なレベルであるが実施例2~5、9と比べるとやや劣っていた。比較例3においては熱可塑性ポリウレタン(B)の含有量が本発明の範囲でないため、耐傷付き性が劣っていた。
また、実施例1は、実用上十分なレベルであるものの、実施例2~5、9と比較すると生産性がやや劣っていた。実施例6~8においては実用上十分なレベルであるものの、実施例2~5、9と比較するとヘイズが高く、透明性がやや劣っていた。実施例10は実用上十分なレベルであるものの、実施例2~5、9と比較すると成形性評価において黄変が見られ、成形性がやや劣っていた。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体は、耐候性、耐傷付性、透明性が良好であり、ポリウレタン系樹脂における課題であった剛性が改良された樹脂成形体を生産性、成形性良く得ることができるため、自動車用内外装部材、建材、雑貨として産業上利用の可能性を有している。着色製品に対しても良好な透明性のため、高品位な着色品とすることができる。具体的には、例えば、自動車用サイドパネル、自動車用表示パネル、センサーカバー、チェンジレバー、シール材、ヒンジ材、時計バンド、靴底、カメラグリップ等として産業上利用の可能性を有している。中でも、自動車用サイドパネル、自動車用表示パネル、センサーカバー、チェンジレバーとして用いられることが特に好ましい。

Claims (5)

  1. メタクリル系樹脂(A)1~49質量%と、ポリエステルポリオール由来の構造単位と脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位とを有する熱可塑性ポリウレタン(B)51~99質量%と、を含み、
    ISO1号ダンベル試験片である板状成形体を用いて、支点間距離を64mm(試験片厚み×16mm)としてISO178に準拠した3点曲げ試験により測定される弾性率が70MPa以上であり、
    前記熱可塑性ポリウレタン(B)に含まれる全イソシアネート由来の構造単位を100質量%とした時に脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位が90質量%以上である、
    ことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記メタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量が0.01モル%以下である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、成形体。
  4. 射出成形体である、請求項3に記載の成形体。
  5. 自動車用サイドパネル、自動車用表示パネル、センサーカバー、チェンジレバー、シール材、ヒンジ材、時計バンド、靴底、及びカメラグリップからなる群から選ばれるいずれかである、請求項3又は4に記載の成形体。
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