JP2016148033A - ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、及びその水性分散液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)から構成され、かつ、この(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂を用いる。
【選択図】なし
Description
耐水性を改良するためには、撥水・親油性の成分を樹脂中に組み込むことが考えられるが、耐油性とのバランスで、これまでは満足できる結果が得られていなかった。
前記の樹脂のごわつきや吸湿性などの欠点を改良した化粧料用樹脂として、ポリウレタンのポリマー粒子の存在下でラジカル重合性単量体を重合させて得られる複合粒子からなるウレタン−アクリル系複合樹脂を含む水性分散液が提案されている(下記特許文献1、2)。
特に、前記ヘアワックスに代表されるような、油状成分を多く含む配合においては、油状成分が樹脂に対して可塑剤として作用するため、毛髪の固定化や仕上げのサラッと感などが損なわれることがあり、樹脂本来の機能が十分発揮されないという問題があった。
さらに、使用環境が高温多湿である場合は、汗等の代謝物影響も加わり、より樹脂本来の機能を発現することが困難となる。
また化粧料を使用する際にはドライヤー・ホットビューラー等の熱源機器を用いて使用することもあるが、その様な使用環境においても優れた耐油性・耐水性を発現することができる化粧料を提供しようとするものである。
[1]ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)から構成され、かつ、この(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[2]前記の(A)成分と(B)成分との構成比は、重量比で、(A)/(B)=80/20〜30/70である[1]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[3]前記フッ素化合物がフッ化アルキル(メタ)アクリル酸エステルを含む化合物である[1]又は[2]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[5]前記(A)成分は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの少なくとも1種を含むポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンであって、前記ポリオール成分が、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分として、かつ、数平均分子量が400以上、4000以下であるポリエーテルポリオールであるか、又は、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸由来の構成単位を有するポリエステルポリオールである[1]〜[4]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[6]前記(A)成分を構成するポリオール成分の数平均分子量の分布が、数平均分子量1000±200に最大値を有し、かつこの範囲のポリオール成分の含有割合が、ポリオール成分全体の1%以上である[5]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[8]前記複数種のポリオールのうち、数平均分子量が最も小さいポリオールの数平均分子量は、400以上、1200以下である[7]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[9]前記のポリオール成分が、アルカン部分の炭素原子数が1〜6の範囲にあるジメチロールアルカン酸を含有する[5]〜[8]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[10]前記ジメチロールアルカン酸がジメチロールプロピオン酸及び/又はジメチロールブタン酸であることを特徴とする[9]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[12]前記(A)成分のガラス転移温度(Tg)が−60℃以上、250℃以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[13]前記(A)成分の酸価が15〜60mgKOH/gであることを特徴とする[5]〜[12]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[14]前記(A)成分の最頻分子量(Mwp)が、10000以上、200000以下である[5]〜[13]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[16]前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)が0℃以上、120℃以下である[1]〜[15]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[17][1]〜[16]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂が水性媒体中に乳化分散されてなる複合樹脂水性分散液。
[18]ポリウレタン((A)成分)の存在下で、(メタ)アクリル系単量体((B’)成分)を乳化重合することを特徴とする[17]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液の製造方法。
[20]用途が毛髪用、アイメイク用、皮膚用、ファンデーション用、口紅及びネイルカラー用から選ばれる少なくとも1種である[19]に記載の化粧料。
また、この発明にかかる水性分散液を毛髪用の化粧料として用いた場合に、柔軟性が良好でソフト感があり、かつ、セット保持性も良好である。
また同時に、フッ素化合物に基づく撥水性・耐水性も得られるので、湿気や発汗による化粧くずれや化粧落ちも抑えることができる。
この発明にかかるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂(以下「U/A樹脂」と略記することがある)は、ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)とから構成され、かつ、(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有する樹脂である。この中でも、(B)成分を構成する単量体、すなわち(B’)成分としてフッ素化合物を用いるのが好ましい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
本発明のポリウレタン((A)成分)は、ポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンであり、具体的には、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの少なくとも1種を含むポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンである。
以下、本明細書において、ポリウレタン((A)成分)中のポリオール成分由来の構成単位を、「ポリオール単位」と称する場合があり、ジカルボン酸成分由来の構成単位を、「ジカルボン酸単位」と称する場合がある。
前記のポリオール単位と多価イソシアネート化合物との使用割合は、当量比で、ポリオール単位:多価イソシアネート化合物=1:1.2〜2がよく、1:1.5〜1.9が好ましい。ポリオール単位が多すぎると、最終的に得られる塗膜が過度に柔らかくなったり、強度が不足して、化粧料としたときのセット力が不十分となることがある。一方、ポリオール単位が少なすぎると、上記とは反対に、塗膜の剛性が高くなりすぎて、脆くなったり、化粧料としたときに、ゴワつき感が出ることがある。
(1)ポリオール成分
(A)成分のポリオール単位を構成するポリオール成分とは、1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有する有機化合物をいい、前記の通り、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールが挙げられる。このポリオール成分の数平均分子量は400以上、4000以下であることが一般的であり、好ましい数平均分子量は500以上、3000以下である。
前記ポリエーテルポリオールは、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分としたものであり、かつ、その数平均分子量は、上述の通り通常400以上、4000以下のものである。また、好ましい数平均分子量は500以上、3000以下である。
前記ポリエーテルポリオールにカルボキシル基を導入する方法としては、ポリオール単位の一部として、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物を使用する方法が挙げられる。このカルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物の例としては、下記化学式(1)に示されるようなジメチロールアルカン酸等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールは、ポリオール単位とジカルボン酸単位とからなる、両末端にヒドロキシル基を有する化合物であって、そのジカルボン酸由来の構成単位としては、特に限定されないが、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸由来の構成単位を有することが好ましい。このポリエステルポリオールの数平均分子量は400以上、4000以下であることが一般的であり、好ましい数平均分子量は500以上、3000以下である。
ポリエステルポリオールにおいては、(両)末端は常にジオール末端となるので、以下の関係式が成立する。
1)ポリエステルポリオール(PEsPO)中のフタル酸系単位(PA単位)の数
=(PEsPOの分子量−末端DOL分子量)/(PA単位式量+DOL単位式量)
=NumberPA
(なお、前記式において「PA単位式量+DOL単位式量」はPAとDOL単位で形成されるPEsPO中のエステル単位の式量となる。)
2)PEsPO中のPA単位含有割合(wtPA(重量分率))
=(NumberPA×PA単位式量)/PEsPO分子量
3)PEsPO仕込量(F)中のPA単位含有量(重量)
=F×wtPA
4)ポリウレタン中のPA単位含有量(重量%)
=(F×wtPA)×100/総ポリウレタン量(=ウレタン原料の総仕込量)
ジオール成分が複数種用いられている場合も同様である。
なお、市販品等、その組成が明らかにされていない場合などは、核磁気共鳴スペクトル分析(NMR)やゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)等の高分子物質を分析できる方法を用いて、組成分析を行って求めることもできる。
このようなジメチロールアルカン酸は、前記化学式(1)に示される構造を有している。また、好ましいアルキル基の炭素数、種類も前記と同様である。
なお、前記ポリエステルポリオールを用いたポリウレタン((A)成分)を有するポリウレタン以外のウレタン成分は、本発明の目的・効果を損なわない限り、特に限定されない。
また、ポリエステルポリオールを用いたポリウレタンを用いて得られたU/A樹脂は、ポリエステルポリオールを有することで、耐油性が良好であるという性質を示す。
前記ポリオール単位を構成するポリオール成分(ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール)としては、1種類のポリオール単位を用いてもよいが、数平均分子量が相異なるポリオール成分及び/又はその構成単位が相異なるポリオール成分である、少なくとも2種のポリオール成分を用いてもよい。このような2種もしくはそれ以上のポリオール単位を用いると、柔軟な質感を維持しつつ、ポリマーの機械的強度(伸び、破断強度)を高くすることが期待できる。
前記多価イソシアネート化合物とは、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する有機化合物をいい、脂肪族、脂環式、芳香族等の多価イソシアネート化合物を用いることができる。このような多価イソシアネート化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。これらの内で、脂肪族又は脂環式のイソシアネートは経時的な黄変が少ない点で好適である。
(ウレタン生成反応)
前記(A)成分を製造するためのウレタン生成反応は、無溶媒下でも行うことができるが、反応を均一に行うために、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、その他のイソシアネート基に対して不活性で水との親和性の大きい有機溶媒を使用してもよい。また、前記以外の溶媒でも、イソシアネート基に対して反応性のない、即ち活性水素基を含まない有機溶媒も使用可能である。さらに、イソシアネート基に対して反応性のない、すなわち、活性水素基を含まない後記の(B’)成分が(A)成分の製造の際に存在していてもよい。この場合、この(B’)成分によって反応系が希釈されて反応をより均一に行うことができる。この(A)成分を得る反応は、通常50〜100℃程度で、0.5〜20時間程度である。これにより、カルボキシル基及び末端にイソシアネート基を有するポリウレタン((A)成分)を得ることができる。
(重量平均分子量)
前記のポリウレタン((A)成分)の重量平均分子量は1000以上が好ましく、2000以上がより好ましい。重量平均分子量が1000未満では、得られる皮膜が硬くなり、化粧料として用いる際に、ごわつき感等の問題が生じる可能性がある。一方、重量平均分子量の上限は、通常150000程度であり、100000が好ましく、70000がより好ましい。150000より大きいと、プレポリマーそのものの粘度が高くなり、ゲル化したり、安定なエマルジョンが得られなくなったりする場合がある。
なお、得られるポリウレタンには、酸成分が含まれることが好ましい。例えば、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを用いる場合は、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物を使用する方法等によりカルボキシル基が含まれる。また、ポリオール成分としてポリエステルポリオールを用いる場合は、ポリエステルポリオールやジメチロールアルカン酸等に由来する酸成分が含まれるが、このポリウレタンの酸価は15mgKOH/g以上であることが好ましく、25mgKOH/g以上がより好ましい。15mgKOH/g未満では水への分散性が悪くなって、極端な場合は水性分散液が得られないことがある。一方で、その上限は60mgKOH/gが好ましく、55mgKOH/g以下がより好ましい。60mgKOH/gを超えると、弾性が不十分となったり、ポリマーが硬くなり過ぎて、毛髪化粧料等に用いる場合、ゴワつきを発生させたり、使用中に白粉化して、化粧料として不十分なものとなることがあり、また、整髪料として用いた際に髪に付着しにくくなったりする場合がある。
また、例えば、ポリウレタンの製造に際して、その中和に水酸化カリウムを用いた場合は、塩交換が起きにくくなるため、前記JIS法による測定が困難になる場合がある。このような時は、下式に従ってポリウレタン1gあたりの「理論酸価」を算出して用いればよい。
理論酸価(mgKOH/g−ポリウレタン)=酸含有原料仕込モル数×56.1(KOH分子量)/ポリウレタン量(g)×1000
前記(A)成分が含有するカルボキシル基は、その少なくとも一部が、一種又は二種以上の塩基性化合物により中和されていることが好ましい。これにより、水性媒体中での(A)成分の分散性を向上させることができる。この塩基性化合物としては、アンモニアや有機アミン化合物、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。この中和反応は、ポリウレタンを製造した後であれば、任意の時期に行うことができ、1工程で実施しても、2工程以上に分割して行ってもよい。また、この中和反応に用いる塩基性化合物も工程毎に異なる種類のものを用いても構わない。
その中でも、中和工程を2工程に分割し、第1中和工程をポリウレタンの製造後に、そして第2中和工程を第1工程で中和されたポリウレタンを水性媒体中に分散させた後に行うことが好ましい。
2−1.(B)成分を構成する単量体
本発明のU/A樹脂における前記(B)成分の原料となる(メタ)アクリル酸エステル単量体((B’)成分)の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸s−ペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸t−ペンチル、(メタ)アクリル酸3−メチルブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メタ)アクリル酸3−ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等が例示される。これらの中でも、アルキル基の炭素数が1〜24の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、特にアルキル基の炭素数が1〜8のものが好ましい。
これらの(B’)成分は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
(1)ポリエーテルポリオール系ポリウレタンと複合する場合
ポリエーテルポリオールを用いて得られるポリウレタンと複合する場合、前記(B’)成分からなる単独重合体又は共重合体のガラス転移温度(Tg)は、0℃以上であることが好ましく、5℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましく、60℃以上が特に好ましい。0℃未満では、得られる化粧料の熱戻り性(セット性を含む)が悪化することがある。一方、ガラス転移温度は120℃以下であるのが好ましく、110℃以下がより好ましい。120℃を超えると、最低造膜温度が高くなり、均一な皮膜が形成されないことがある。ガラス転移温度をこの範囲とすることで、油分配合量の多い化粧料配合においても、油分による重合体の可塑化を抑制することができる。
1/Tg=(Wa/Tga)+(Wb/Tgb)+(Wc/Tgc)+… (1)
但し、Tgは(共)重合体のガラス転移温度(K)、Tga、Tgb、Tgc等は各構成単量体a、b、c等の単独重合体のガラス転移温度(K)であり、Wa、Wb、Wc等は各構成単量体a、b、cの、共重合体中の重量分率を示す。
なお、Tgを「℃」で表記したい場合は前記式で得られたTgの数値から「273」を減じればよい。
ポリエステルポリオールを用いて得られるポリウレタンと複合する場合、前記の(B’)成分を主成分とする単独重合体又は共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−50℃以上であることが好ましく、−40℃以上がより好ましい。Tgが−50℃よりも低くなると、得られる化粧料の手触り感にべたつきが現れることがあり、触感が悪化する恐れがある。
なお、このガラス転移温度(Tg)の好ましい上限値及びその測定方法は、前記(1)と同様である。
本発明においては、(B)成分の(メタ)アクリル系樹脂を複数種の(メタ)アクリル系単量体から製造してもよい。その場合は、単独重合体のTgが高い単量体と、単独重合体のTgが低い単量体とを併用することにより皮膜の柔軟性の調整が可能である。
(1)U/A樹脂の製造
この発明にかかるU/A樹脂は、通常、水性媒体中で水性分散液として製造される。具体的には、前記の通り、(A)成分及び(B’)成分を混合した混合液を調製し、次いで、これを水性媒体中で乳化分散させ、その乳化液中の(B’)成分を重合させることによって、U/A樹脂の水性分散液(エマルジョン)を得ることができる。
また、その過程において、必要に応じて、前記(A)成分の鎖伸長反応が行われる。
U/A樹脂における(A)成分と(B)成分との比率は、後述の通り、純分重量比で(A)/(B)=80/20〜30/70がよく、70/30〜35/65が好ましい。(B’)成分はほぼ100%が重合体になるので、仕込時における(A)成分と(B’)成分との混合割合も、前記と同様の比率とすることが好ましい。(A)成分が80重量%を超えると、整髪料として使用した際の熱戻り性(セット性を含む)が悪くなることがある。一方、20重量%未満の場合は、合成時に乳化不足となり、水分散時にゲル化を起こしたり、不均一な水分散体となったりすることがある。
前記の(A)成分と(B’)成分との混合液の濃度は、特に限定されるものではないが、最終的に得られる水性エマルジョン組成物中の不揮発成分量が20重量%以上となるようにすることが好ましく、25重量%以上となるようにするのがより好ましい。20重量%未満では、乾燥に時間を要する場合がある。一方で、その上限は70重量%以下となる量とすることが好ましく、60重量%以下がより好ましい。70重量%を超えると、水分散性の調製が難しくなったり、分散安定性が低くなったりすることがある。
(A)成分中のカルボキシル基が全く中和されていない場合、前記(A)成分及び(B’)成分の混合液に、前記塩基性化合物を加えて、前記(A)成分が含有するカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、(A)成分の中和物を得るのが好ましい(以下、この工程を「第1中和工程」と称する)。
次いで、前記(A)成分の中和物と(B’)成分との混合液を前記水性媒体中に乳化分散させる(以下、この工程を「乳化工程」と称する)。前記(A)成分の中和物と(B’)成分との混合液に水性媒体を加える方法としては、前記混合液に水性媒体を滴下して分散させる方法、前記混合液を前記水性媒体中に滴下して分散させる方法等、特に限定されない。
前記のようにして得られた乳化分散液において、(B’)成分を重合させて、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の水性エマルジョンを得る(以下、この工程を「重合工程」と称する)。この(B’)成分の重合反応は、用いる(B’)成分に応じた一般的な重合方法で行うことができ、例えば、前記混合液にラジカル重合開始剤を添加して行うことができる。
前記重合工程で得られたウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の水性エマルジョン中には、通常未反応の(B’)成分が残存するが、これに由来する臭気を抑えるためには、例えばその濃度を100ppm以下、好ましくは70ppm以下とするのがよく、濃度は0に近いほど好ましい。
ところで、前記の乳化工程と重合工程との間、及び前記重合工程と脱臭工程との間のいずれか1箇所で、必要に応じて、(A)成分((A)成分の中和物を含む。以下、同様)の少なくとも一部を鎖伸長させてもよい。また、前記の乳化工程と重合工程との間で、前記(A)成分の一部を鎖伸長させ、かつ、前記の重合工程と脱臭工程との間で、前記の鎖伸長工程によって鎖伸長されずに残存した(A)成分の少なくとも一部を鎖伸長させてもよい。これにより、(A)成分の分子量を好ましい範囲に調整することができる。
また、前記の乳化工程と重合工程との間、前記重合工程と脱臭工程との間、及び前記脱臭工程の後から選ばれる少なくとも1箇所に、(A)成分中のカルボキシル基の少なくとも一部を、前記塩基性化合物を用いて、さらに中和してもよい(以下、この工程を「第2中和工程」と称する)。中和度を所定の範囲まで進めることで、得られるエマルジョンの保存安定性を改良したり、造膜性を改良する等の効果を得ることができる。
前記第1中和工程及び第2中和工程で使用される塩基性化合物は、添加・混合を容易にするために、水溶液又は水分散液として用いるのがよい。中和されたウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂は、水単独、極性有機溶媒と水との混合溶媒、又は有機溶媒に溶解又は分散される。この有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、又はその他の有機溶媒が挙げられる。アルコール類としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等の1〜8個の炭素原子を含むアルコールや、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール等の二価以上のアルコール等が挙げられる。また、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。その他の有機溶媒としては、ペンタン等の低沸点炭化水素、ジメチルエーテル、ジメトキシメタン等のエーテル類、モノ−、ジ−、又はトリ−エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸メチル等のエステル等が挙げられる。
フッ素化合物は、上述のように(A)成分及び/又は(B)成分の構成単位の少なくとも一部として含有されることを必須とする。具体的には、(A)成分を構成するポリオール成分や多価イソシアネート成分としてフッ素を含有する化合物を用いる場合や、(B)成分を構成する単量体である(B’)成分としてフッ素を含有する化合物を用いる場合、(A)成分、(B’)成分のいずれとも化学反応しない物質、すなわち添加成分としてフッ素を含有する化合物を、(A)成分や(B’)成分に併用して(A)成分や(B)成分の構成単位とする場合等があげられる。
FA−6、CHEMINOX FADO−6等が挙げられる。
(U/A樹脂の各種平均分子量)
この発明で得られるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液(U/A樹脂水性分散液)中のU/A樹脂の重量平均分子量(Mw)は、180000以上が好ましく、200000以上がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、顔料分散性に劣る場合がある。一方、重量平均分子量(Mw)の上限は、1000000が好ましく、800000がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が大きすぎると、毛髪に塗布した時の柔らかさに劣る場合がある。このような重量平均分子量(Mw)の範囲とすることで、特に良好な耐油性(シリコーンオイルとの混合液からのキャスト成膜性)を得ることができる。
なお、「耐1,3BG性」とは、水性分散液に1,3BG(1,3−ブタンジオール)を添加し混合してもその試料液に変化が起きないことをいい、配合安定性試験の一種である。特に、化粧料用途においては、後記するC.R.試験において、1,3BGの有無で結果に変化が起きないこと、すなわち、測定対象樹脂が1,3BGの影響を受けないという状態を指す。
一方、本願においては、(A)成分(イソシアネート基とカルボキシル基とを有するポリウレタン)と、(B’)成分((メタ)アクリル酸エステル単量体)とを水性媒体中で乳化分散してなるプレエマルジョンを用いて、(B’)成分を重合させて得られるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液(U/A樹脂水性分散液)を製造するので、エマルジョン液滴において、(A)成分の内側に(B’)成分が配された状態で、ラジカル重合が起きることとなる。このとき、(B’)成分は、(A)成分によって保護されることとなり、(B’)成分の重合中の連鎖移動反応が生じにくいだけでなく、重合の停止反応が起きにくい状態で重合が進むため、(B’)成分の分子量が大きくなる傾向となる。そして、ウレタン樹脂がシェル部を構成し、(メタ)アクリル樹脂がコア部を構成する、コア−シェル構造の複合樹脂となる。このとき、(B’)成分の分子量は、(A)成分が存在しない状態での乳化重合に比べて大きくなりやすく、得られる複合樹脂の分子量分布は、2つのピークを示すこととなる。
この発明で得られるU/A樹脂水性分散液中のU/A樹脂の最低造膜温度(MFT)は、後述するように、JIS K 6828−2に基づいた方法で測定したとき、−20℃以上がよく、−10℃以上が好ましく、−5℃以上がより好ましい。−20℃より低いと、柔らかくなりすぎて、形成される皮膜のセット性や熱戻り性が不十分となる場合がある。一方、MFTの上限は、60℃がよく、50℃が好ましく、さらには40℃が好ましく、30℃であればさらによい。60℃より高いと、皮膜の柔軟性が不十分となりやすく、また、生活環境下では、造膜し難く、化粧品用途等には不向きなことがある。
(2)(A)成分を製造する際のポリオール単位と多価イソシアネート化合物との当量比を1:1に近づける。
(3)(B’)成分として、ガラス転移温度(Tg)の低いものを用いる。
このU/A樹脂は、水接触角及びヘキサデカン接触角による高い接触角が確認される。この高い接触角が確認できる皮膜の形成が可能であるという特徴は、例えばマスカラ、口紅、リップクリーム、ヘアワックス等の油性成分を多く含む化粧料(化粧製剤)に用いた場合、優れた膜形成性を示すこととなり、化粧料として使用した際に、皮膜によるメイクの持続性(持ち)の向上やハリ感の付与等の効果を得ることができる。
また、夏場など高温高湿度下の環境でもU/A樹脂の機能が発現するという効果も得られる。
この発明で得られるU/A樹脂水性分散液のゲル分は、50重量%以上がよく、60重量%以上が好ましい。50重量%より少ないと、硬さが不足し、配合安定性や分散安定性に劣る傾向がある。一方、ゲル分の上限は、99重量%がよく、95重量%が好ましい。99重量%より多いと、硬くなりすぎたり、化粧品用途ではゴワつきを生じたりする場合がある。このようなゲル分とすることで、前述の耐油性(キャスト成膜性)がより向上する。この特性はU/A樹脂の重量平均分子量(Mw)を前記のような範囲とすることで、特に効果的に得ることができる。
本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、次のような用途に好適に使用できる。中でも、フタル酸系単位、特にイソフタル酸単位を含むU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、前記のように優れた耐油性を示すとともに、自己乳化性のポリウレタンから構成されているためか、機械的安定性(エマルジョンの安定性)や顔料分散性も優れたものとなる。
本願のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、毛髪化粧品用や皮膚用化粧品用等、化粧料用の樹脂として好適に使用することができる。以下、その用法について簡単に説明する。
毛髪化粧品用樹脂として使用する場合は、公知のシャンプー、リンス、トリートメント、セット剤、パーマネントウエーブ液等の毛髪化粧料中に、本願にかかるU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加使用する。この時、従来使用されている公知のポリマーと併用使用してもよい。添加使用される毛髪化粧料は、液体、クリーム、エマルジョン、スプレー、ゲル、ムース(泡沫状態で噴出可能なクリーム/ジェル状物)等いかなる形状でもよい。
[皮膚用化粧品]
皮膚用化粧品用の樹脂として使用する場合は、スキンクリーム、化粧水、乳液等の皮膚用化粧料品中に、本願にかかるU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加使用する。
メークアップ用化粧品としては、例えば、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ等のアイメイク化粧料や、口紅、リップグロス、ファンデーション、及びメークアップルージュ等が例示でき、これらのメークアップ用化粧品は、本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液に、固形油剤、油脂、ワックス、シリコーンオイル等の等の油剤、顔料等の粉体成分、あるいは液状アルコール等の溶媒などの化粧料に通常用いられる材料をその用途・目的に応じて添加・混合することによって得られる。
(a)赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号などの色素、
(b)青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキなどのレーキ色素、
(d)黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青などの有色顔料、
(f)雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタンなどのパール顔料、
(h)シリカ、アルミナなどの無機粉体、
(i)ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、ラウロイルリジン、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など。
(a)イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸などの脂肪酸、
(b)ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチルなどの脂肪酸エステル類、
(d)ポリエチレンワックス、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレン、コポリマー等、中〜低分子量の合成高分子、
(f)パーフルオロポリエーテル、フルオロカーボン、フルオロアルコールなどのフッ素化合物類。
(a)低級アルコール:エタノール、イソプロピルアルコール等、
(b)高級アルコール:セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等、
(d)その他の溶媒:水、軽質流動イソパラフィン、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、各種フロン類等。
本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、その耐油性、柔軟性、密着性、基材追従性、耐摩耗性等の特長を活かして、工業用塗料(特に自動車用塗料)、家庭用の塗料等の塗料やコーティング剤、保護皮膜形成剤、等に用いることができる。
まず、使用する原材料について説明する。
・D1000…第一工業製薬(株)製:商品名 ハイフレックスD1000、ポリプロピレングリコール(C3ポリオール)、数平均分子量(Mn)=1000、OHV=111
・D2000…第一工業製薬(株)製:商品名 ハイフレックスD2000、ポリプロピレングリコール(C3ポリオール)数平均分子量(Mn)=2000、OHV=55.8
・N4073…日本ポリウレタン工業(株)製:商品名 ニッポラン4073、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とのポリエステルポリオール(1,6HD−AA)、数平均分子量(Mn)=2000、OHV=56.5
・P2012…(株)クラレ製:商品名 クラレポリオールP−2012、メチルペンタンジオールとアジピン酸/イソフタル酸の混合ポリエステルポリオール(MPD−AA−IP)(アジピン酸/イソフタル酸のモル比=1/1)、数平均分子量(Mn)=2000、OHV=55.8
・P1030…(株)クラレ製:商品名 クラレポリオールP−1030、メチルペンタンジオールとイソフタル酸のポリエステルポリオール(MPD−IP)、数平均分子量(Mn)=1000、OHV=111.3
なお、前記において、「OHV」は、水酸基価(OH Value)を意味し、単位は、「mgKOH/g」である。
・IPDI…デグサ・ジャパン(株)製:商品名 VESTANAT IPDI(イソホロンジイソシアネート)
・Bis−MPA…パーストープ(株)製:ジメチロールプロピオン酸(カルボン酸含有ジオール)
・DMBA…Huzhou Changsheng Chemical Co., Ltd.製:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸
<重合禁止剤>
・MEHQ…和光純薬工業(株)製:2−メトキシヒドロキノン
・MMA…三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート
・BA…三菱化学(株)製、n−ブチルアクリレート
<フッ素化合物>
・フッ素化合物1…メタクリル酸パーフルオロヘキシルエチル、ダイキン工業(株)製:C6SFMAモノマー、Tgの理論計算においては、これのホモポリマーのTgを30℃とした。
・フッ素化合物2…ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアラミド、日光ケミカルズ(株)製:FOMBLIN HC/SA−18
tBPO…化薬アクゾ(株)製:ジ−tert−ブチルパーオキサイド
<還元剤>
AsA…和光純薬工業(株)製:L−アスコルビン酸(試薬特級)
<塩基性化合物>
・KOH:水酸化カリウム…和光純薬工業(株)製(試薬)
以下、それぞれの試験方法について説明する。
<ポリオールの数平均分子量>
水酸基価(OHV:単位mgKOH/g)から数平均分子量を以下の式に従って算出した。
ポリオールMn=水酸化カリウム式量(56.1)/原料のOHV×2×1000
なお、水酸基価(OHV)は、JIS K 1557−1によって測定した。
Mn1000割合は、下式に従って算出できる。
Mn1000割合(%)=Mn1000仕込み量/全ポリオール成分の仕込み量×100
ここで、「Mn1000仕込み量」とは、数平均分子量(Mn)が1000±200の範囲内のポリオール成分の仕込み量である。
水酸化カリウムを用いる電位差滴定法(JIS K 0070)に従って測定した。この時、試料の質量としては「ポリウレタン量」を用いた。
また、例えば、ポリウレタンの製造に際して、その中和に水酸化カリウムを用いている場合は、塩交換が起きにくくなるため、前記JIS法による測定が困難になる場合がある。このような時は、下式に従ってポリウレタン1gあたりの「理論酸価」を算出して用いた。
理論酸価(mgKOH/g−ポリウレタン)=酸含有原料仕込モル数×56.1(KOH式量)/ポリウレタン量(g)×1000
JIS K 6828−2を参照し、水性分散液を乾燥後、亀裂の無い均一皮膜が形成される最低温度を造膜温度(MFT)として測定した。
具体的には、日理商事(株)製:熱勾配試験機を用い、得られた水性分散液を0.2〜0.3mmの厚さになる様にアプリケータを使用して塗布し、水分を乾燥した後、連続フィルムと非連続フィルムの境界線に相当する温度をMFTとした。
得られたポリウレタンまたはウレタン−アクリル樹脂の中和度は、本明細書の第1中和工程や第2中和工程についての記載に示すように、仕込みに用いた(A)成分に基づくカルボキシル含有モル数とその中和に用いた中和剤(KOH等)の当量数とから計算で求めた。
なお、実験的には、通常用いられる中和滴定による酸成分の含有量と、(A)成分の仕込量とから求めることも可能である。
[(A)成分]
JIS K 7244−4に従って測定した。
[(B’)成分]
下記式(1)(FOX式)に従い、使用する重合性単量体の各々の単独重合体のTg及び重量分率から重合体のTgを算出した。
1/Tg=(Wa/Tga)+(Wb/Tgb)+(Wc/Tgc)+… (1)
但し、Tgは(共)重合体のガラス転移温度(K)、Tga、Tgb、Tgc等は各構成単量体a、b、c等の単独重合体のガラス転移温度(K)であり、Wa、Wb、Wc等は各構成単量体a、b、cの、共重合体中の重量分率を示す。
なお、前述の通り、Tgを「℃」で表記したい場合は、前記式で得られたTgの数値から「273」を減じればよい。
なお、もう一つの測定方法としてJIS K 7121に従って測定することもできる。
[Stress−Strain(S−S)]
・樹脂単独のS−S
(1)試験片の作成
ポリプロピレン製の板上に、乾燥皮膜の厚さが200μmになるように試料(水分散液)を塗布し、室温で一夜放置して造膜する。得られた皮膜を剥離し、真空乾燥機で6時間乾燥する。
(2)評価方法
前記で得られた乾燥皮膜を0.5cm幅の短冊状に切り出し、オートコムC型万能試験機((株)キーエスイー製)を用い、23℃、50%RHの恒温恒湿室中で、チャック間隔2cm、引張速度200mm/分の条件で、100%モジュラス、最大強度、最大伸度を測定した。
(1)試験片の作成
塗布する前の試料(水分散液)に、樹脂に対して10%のグリセリンを配合する点と、得られた皮膜を真空乾燥しない点を除いて、上記「樹脂単独のS−S」の(1)と同様に作成した。
(2)評価方法
上記「樹脂単独のS−S」の(2)と同様にして評価した。
アプリケータを用いて、得られた樹脂を100μmの厚さとなるように塗布し、室温で24時間乾燥して試験片を作成した。
JIS R 3257を参照し、水又はヘキサデカンを2μL滴下し、待機時間を1秒としてθ/2法で測定した。
なお、測定は、Drop Master DM−500(協和界面化学(株)製)を用いて行った。
[C.R.:カールリテンション]
・高温高湿度下でのC.R.
毛髪サンプルに試料を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、下記の所定温度・湿度条件下で3時間経過後の、形態保持状態を観察する。
試料液として、得られた水溶液を固形分含量5重量%となるように水で希釈し、これを長さ23cm×重量2gの毛束に塗布量0.7gとなるように塗布した。この毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×2時間乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外して、30℃×90%RHの環境中に吊り下げて、3時間後のカール毛束の長さを測定し、下式よりカール保持率を算出した。
カール保持率(%)=(23−「3時間後の長さ」)×100/(23−「初期長さ」)
但し、「長さ」とは、カールした状態での毛束の長さをいう。
上記「高温高湿度下でのC.R.」と同様にカール毛束を作成し、ロッドから外した後、水に8秒間浸漬させた。水から引き上げ、カール毛束表面の余分な水分を軽く拭き取った後、室温に吊り下げた。直後と30分後にカール毛束の長さを測定し、カール保持率を算出した。
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させた後、水に浸漬し、引き上げ直後と15分後の重量から、吸水性と速乾性をそれぞれ評価した。
上記「高温高湿度下でのC.R.」と同様にカール毛束を作成し、ロッドから外した後、水に3秒間浸漬させた。水から引き上げた直後に、カール毛束表面の余分な水分を軽く拭き取り重量を測定した。下式より重量変化率を算出し、吸水性を評価した。
重量変化率(%)={(水から引き上げ直後の重量)−(初期重量)}×100/初期重量
次いで、室温に15分置いた後、カール毛束の重量を測定した。下式より、水分保有率を算出し、速乾性を評価した。
水分保有率(%)={(水から引き上げ15分後の重量)−(初期重量)}×100/初期重量
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、カールの弾力を指触で確認した。
試料液は、得られた水分散液を固形分含量1重量%となるように水で希釈し、これを長さ23cm×重量2gの毛束に塗布量0.7gとなるように塗布した。
この毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃で2時間乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外し毛髪サンプルとした。この毛髪サンプルを指触にて感触に違いがあるか確認し、下記の基準で評価した。
○:弾力が感じられる。
△:やや弾力が感じられる。
×:弾力が感じられない。
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、表面の滑り感(なめらかさ)を指触により評価した。
上記「カール弾力」における手順と同様にして作成した毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×30分乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外し毛髪サンプルとした。
○:なめらかで柔軟な感じである。
△:ややなめらかさが感じられる。
×:きしみ感がある。
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、毛束の柔らかさを指触により評価した。
上記「カール弾力」における手順と同様にして作成した毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×30分乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外し毛髪サンプルとした。
◎:特に柔らかく、自然な質感である。
○:柔らかい感じである。
△:やや硬い感じがある。
毛髪サンプル試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、表面の乾燥状態を指触で評価した。
上記「カール弾力」における手順と同様にして作成した毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×20分乾燥した後、毛束をロッドから外す際の乾燥状態を指触で評価した。
○:乾燥している。
×:乾燥が不十分で、湿った感じがする。
(実施例1〜15)
温度計、攪拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表に記載のウレタン原料、アクリル原料、フッ素化合物1、フッ素化合物2及び重合禁止剤を所定量ずつ加え、内温を50℃にして混合した後、90℃に昇温し、この温度で5時間反応させて、(メタ)アクリル系重合性単量体中に分散した、イソシアネート基及びカルボキシル基を含有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得た。
続いて液温を50℃に保って表1及び表2に記載の中和剤(塩基性化合物)を所定量加えて、前記カルボキシル基含有ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基の全部又は一部を中和した。
次に、転相水(純水:DW)を表1及び表2に示す量で、内温を50℃に保ちながら、15分間かけて滴下して、エマルジョンを転相し、乳白色で透明性のある分散液を得た。
この分散液を50℃に保って、表1及び表2に記載の、アクリル重合触媒(重合開始剤及び還元剤)を所定量添加して、(メタ)アクリル系重合性単量体の重合を開始した。重合による発熱が終了した後、更に70℃に昇温して3時間維持して、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂と未反応の重合性単量体とを含むウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液を得た。その結果を表1及び表2に示す。
初期仕込時にフッ化化合物を添加しない点を除いて、実施例1、4と同様の手順にて合成した。その結果を表1及び表2に示す。
実施例1、2、4、6〜8、12〜15は、水浸漬後、引き上げ直後のカールリテンションが95%以上であり、耐水性に優れている。雨や発汗による化粧くずれを防止したい場合等に特に有効であると考えられる。
実施例1、9〜12、14は、毛束の感触が特に柔らかく、ヘアスタイリング剤等で自然な質感が必要な場合に特に有効であると考えられる。
実施例12は、耐水性と柔らかさを両立しており、高温高湿下でのカールリテンションも高い。さらには、可塑剤を配合した場合にも丈夫な皮膜を形成することから、油状成分を多く含む配合においても樹脂本来の機能を発揮できると考えられる。
実施例1〜4、6〜8、13、14においては、S−S最大伸度が100%以上であり、得られた皮膜は十分に柔軟であり、毛髪や皮膚に追従でき化粧料に使用可能であった。
一方、比較例2は、S−S最大伸度が100%未満であり、得られた皮膜は、硬く脆すぎる皮膜であった。
接触角は、フッ素化合物を用いることにより、実施例1〜4、13で向上した。また、特に実施例1、6、13〜15は、加熱することにより、接触角が更に向上しており、ドライヤー・ホットビューラーといった熱源を使うシーンが想定される化粧料に特に有効であると考えられる。
Claims (20)
- ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)から構成され、かつ、この(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記の(A)成分と(B)成分との構成比は、重量比で、(A)/(B)=80/20〜30/70である請求項1に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記フッ素化合物がフッ化アルキル(メタ)アクリル酸エステルを含む化合物である請求項1又は2に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の最低造膜温度が−20〜40℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの少なくとも1種を含むポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンであって、
前記ポリオール成分が、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分として、かつ、数平均分子量が400以上、4000以下であるポリエーテルポリオールであるか、又は、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸由来の構成単位を有するポリエステルポリオールである請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。 - 前記(A)成分を構成するポリオール成分の数平均分子量の分布が、数平均分子量1000±200に最大値を有し、かつこの範囲のポリオール成分の含有割合が、ポリオール成分全体の1%以上である請求項5に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分中のポリオール成分が、数平均分子量が相異なるポリオール成分及び/又はその構成単位が相異なるポリオール成分である、少なくとも2種のポリオール成分と多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンである請求項5に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記複数種のポリオールのうち、数平均分子量が最も小さいポリオールの数平均分子量は、400以上、1200以下である請求項7に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記のポリオール成分が、アルカン部分の炭素原子数が1〜6の範囲にあるジメチロールアルカン酸を含有する請求項5〜8のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記ジメチロールアルカン酸がジメチロールプロピオン酸及び/又はジメチロールブタン酸であることを特徴とする請求項9に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分中におけるジメチロールアルカン酸からなるジカルボン酸由来の構成単位の含有割合が0.05重量%以上、50重量%以下である請求項9又は10に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分のガラス転移温度(Tg)が−60℃以上、250℃以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分の酸価が15〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分の最頻分子量(Mwp)が、10000以上、200000以下である請求項5〜13のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(A)成分中に含まれるカルボキシル基が、塩基性化合物により100%以上中和されている請求項5〜14のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)が0℃以上、120℃以下である請求項1〜15のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂が水性媒体中に乳化分散されてなる複合樹脂水性分散液。
- ポリウレタン((A)成分)の存在下で、(メタ)アクリル系単量体((B’)成分)を乳化重合することを特徴とする請求項17に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液の製造方法。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、請求項17に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液、又は請求項18に記載の製造方法で製造されるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液を含有することを特徴とする化粧料。
- 用途が毛髪用、アイメイク用、皮膚用、ファンデーション用、口紅及びネイルカラー用から選ばれる少なくとも1種である請求項19に記載の化粧料。
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