JP2016148033A - ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、及びその水性分散液 - Google Patents

ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、及びその水性分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】油状成分と接触した場合も、その皮膜が損なわれることなく、本来の優れた特性を維持できるフッ素化合物含有ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂とその水性分散液を提供する。
【解決手段】ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)から構成され、かつ、この(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂を用いる。
【選択図】なし

Description

この発明は、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、及びこのウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂からなる水性分散液、並びに、これを用いた化粧料に関する。本発明の樹脂を用いた化粧料は、毛髪化粧料を始めとして、メークアップ用化粧品、スキンケア用化粧品、アイメイク用化粧料、その他の化粧料等に広く適用できるという特徴を有する。また、本発明の樹脂は、工業用、家庭用の塗料や保護皮膜(コーティング剤)としても好ましく使用可能である。
ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂は、その皮膜形成性を利用して、毛髪の形状維持や皮膚の保護等のための化粧料として用いられたり(下記特許文献1、2)、あるいは工業用(自動車用)・家庭用の塗料や保護皮膜として用いられている(下記特許文献3)が、これらを適用した皮膜が油状成分と接触した場合、耐油性が不十分で、皮膜が溶解したり膨潤したりして、その性能を十分発揮できないことがあった。また、その組成によっては、耐水性が不足して、発汗時の化粧落ちなどが起こることもあった。
この耐油性を改良するためには、用いる樹脂の分子量を高くしたり、ハードセグメントの含有量を多くする等の方法があるが、場合によっては皮膜が硬くなって基材への追従性がなくなって、屈曲時に剥離したり、あるいは化粧料とした場合に、ゴワつきや使用時の違和感をもたらしたりすることがあった。
耐水性を改良するためには、撥水・親油性の成分を樹脂中に組み込むことが考えられるが、耐油性とのバランスで、これまでは満足できる結果が得られていなかった。
化粧料に用いられる合成樹脂としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、或いは両性等の各種イオン性を有するアクリル系、酢酸ビニル系、ビニルピロリドン系、ビニルメチルエーテル系等のポリマーが広く知られている。これらはいずれも樹脂の皮膜形成性を利用して、毛髪の形状維持や皮膚の保護等を目的として用いられているが、樹脂によっては皮膜が硬すぎたり、或いはべたついたりする等の問題点が指摘されていた。
前記の樹脂のごわつきや吸湿性などの欠点を改良した化粧料用樹脂として、ポリウレタンのポリマー粒子の存在下でラジカル重合性単量体を重合させて得られる複合粒子からなるウレタン−アクリル系複合樹脂を含む水性分散液が提案されている(下記特許文献1、2)。
こうした化粧料用樹脂を使用する化粧料としては、例えば毛髪化粧料の「ヘアスタイリング剤」があるが、このヘアスタイリング剤の剤形は、ミスト噴霧タイプの水系処方から、多量に油状成分が含まれるヘアワックスまで多くの用法がある。また、化粧料用樹脂の用法は、毛髪化粧料用にとどまらず、例えばメークアップ用化粧品、サンケア用化粧料用途(日焼け防止剤など)、スキンケア化粧料用途(皮膚の保護、湿潤性付与)など、多岐にわたって用いられるようになっている。
特許第2587801号公報 特許第5281232号公報 特開2011−149011号公報
前記のような耐油性を改良する方法において、前記皮膜形成性を有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂を適用した場合、例えば化粧料の中でもヘアワックスに代表されるような、油状成分を多く含む配合では、油状成分が樹脂に対して可塑剤として作用するため、毛髪の固定化や仕上げのサラッと感などが損なわれることがあり、樹脂本来の機能を十分発揮しにくいという問題があった。
また、化粧料に用いる場合は、こうした用途・用法の多様化に伴って、化粧料用樹脂にも従来以上に多様な処方における機能発現が求められるようになっている。
特に、前記ヘアワックスに代表されるような、油状成分を多く含む配合においては、油状成分が樹脂に対して可塑剤として作用するため、毛髪の固定化や仕上げのサラッと感などが損なわれることがあり、樹脂本来の機能が十分発揮されないという問題があった。
さらに、使用環境が高温多湿である場合は、汗等の代謝物影響も加わり、より樹脂本来の機能を発現することが困難となる。
そこでこの発明は、油状成分と接触した場合も、その皮膜が損なわれることなく、本来の優れた特性を維持できるフッ素化合物含有ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂とその水性分散液を提供すること、並びに化粧料用のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液に関しては、高温多湿の環境下でも柔軟性と整髪性(セット保持性)を併せ持ち、一旦セットが崩れても、容易に元に戻すことができ、サラッと感が保持された化粧料用樹脂の水性分散液及びこれを用いて得られる化粧料を提供しようとするものである。
また化粧料を使用する際にはドライヤー・ホットビューラー等の熱源機器を用いて使用することもあるが、その様な使用環境においても優れた耐油性・耐水性を発現することができる化粧料を提供しようとするものである。
この発明の要旨は、下記の[1]〜[20]に存する。
[1]ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)から構成され、かつ、この(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[2]前記の(A)成分と(B)成分との構成比は、重量比で、(A)/(B)=80/20〜30/70である[1]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[3]前記フッ素化合物がフッ化アルキル(メタ)アクリル酸エステルを含む化合物である[1]又は[2]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[4]前記ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の最低造膜温度が−20〜40℃である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[5]前記(A)成分は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの少なくとも1種を含むポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンであって、前記ポリオール成分が、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分として、かつ、数平均分子量が400以上、4000以下であるポリエーテルポリオールであるか、又は、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸由来の構成単位を有するポリエステルポリオールである[1]〜[4]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[6]前記(A)成分を構成するポリオール成分の数平均分子量の分布が、数平均分子量1000±200に最大値を有し、かつこの範囲のポリオール成分の含有割合が、ポリオール成分全体の1%以上である[5]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[7]前記(A)成分中のポリオール成分が、数平均分子量が相異なるポリオール成分及び/又はその構成単位が相異なるポリオール成分である、少なくとも2種のポリオール成分と多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンである[5]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[8]前記複数種のポリオールのうち、数平均分子量が最も小さいポリオールの数平均分子量は、400以上、1200以下である[7]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[9]前記のポリオール成分が、アルカン部分の炭素原子数が1〜6の範囲にあるジメチロールアルカン酸を含有する[5]〜[8]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[10]前記ジメチロールアルカン酸がジメチロールプロピオン酸及び/又はジメチロールブタン酸であることを特徴とする[9]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[11]前記(A)成分中におけるジメチロールアルカン酸からなるジカルボン酸由来の構成単位の含有割合が0.05重量%以上、50重量%以下である[9]又は[10]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[12]前記(A)成分のガラス転移温度(Tg)が−60℃以上、250℃以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[13]前記(A)成分の酸価が15〜60mgKOH/gであることを特徴とする[5]〜[12]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[14]前記(A)成分の最頻分子量(Mwp)が、10000以上、200000以下である[5]〜[13]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[15]前記(A)成分中に含まれるカルボキシル基が、塩基性化合物により100%以上中和されている[5]〜[14]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[16]前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)が0℃以上、120℃以下である[1]〜[15]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
[17][1]〜[16]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂が水性媒体中に乳化分散されてなる複合樹脂水性分散液。
[18]ポリウレタン((A)成分)の存在下で、(メタ)アクリル系単量体((B’)成分)を乳化重合することを特徴とする[17]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液の製造方法。
[19][1]〜[16]のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、[17]に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液、又は[18]に記載の製造方法で製造されるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液を含有することを特徴とする化粧料。
[20]用途が毛髪用、アイメイク用、皮膚用、ファンデーション用、口紅及びネイルカラー用から選ばれる少なくとも1種である[19]に記載の化粧料。
本発明のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の(A)成分であるポリウレタンは、油状成分と混合した状態から成膜することが可能なほど、その膜の耐油性が優れており、この特徴がこのポリウレタンを含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂にも反映されて、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂本来の特性である、柔軟性、ソフト感及びセット保持性を有しつつ、耐油性にも優れたものとなる。
また、この発明にかかる水性分散液を毛髪用の化粧料として用いた場合に、柔軟性が良好でソフト感があり、かつ、セット保持性も良好である。
さらに、本発明のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂は、フッ素化合物を構成成分として含有するので、使用環境が高温多湿である場合や、化粧料としてドライヤー・ホットビューラー等の熱源機器を用いて使用する等の場合において、優れた耐油性を発現することができ、樹脂本来の機能である、柔軟性、ソフト感及びセット保持性を的確に発揮することが可能となる。
また同時に、フッ素化合物に基づく撥水性・耐水性も得られるので、湿気や発汗による化粧くずれや化粧落ちも抑えることができる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂(以下「U/A樹脂」と略記することがある)は、ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)とから構成され、かつ、(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有する樹脂である。この中でも、(B)成分を構成する単量体、すなわち(B’)成分としてフッ素化合物を用いるのが好ましい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
1.ポリウレタン((A)成分)
本発明のポリウレタン((A)成分)は、ポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンであり、具体的には、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの少なくとも1種を含むポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンである。
以下、本明細書において、ポリウレタン((A)成分)中のポリオール成分由来の構成単位を、「ポリオール単位」と称する場合があり、ジカルボン酸成分由来の構成単位を、「ジカルボン酸単位」と称する場合がある。
(ポリオール単位と多価イソシアネート化合物との使用割合)
前記のポリオール単位と多価イソシアネート化合物との使用割合は、当量比で、ポリオール単位:多価イソシアネート化合物=1:1.2〜2がよく、1:1.5〜1.9が好ましい。ポリオール単位が多すぎると、最終的に得られる塗膜が過度に柔らかくなったり、強度が不足して、化粧料としたときのセット力が不十分となることがある。一方、ポリオール単位が少なすぎると、上記とは反対に、塗膜の剛性が高くなりすぎて、脆くなったり、化粧料としたときに、ゴワつき感が出ることがある。
1−1.(A)成分の構成成分
(1)ポリオール成分
(A)成分のポリオール単位を構成するポリオール成分とは、1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有する有機化合物をいい、前記の通り、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールが挙げられる。このポリオール成分の数平均分子量は400以上、4000以下であることが一般的であり、好ましい数平均分子量は500以上、3000以下である。
(ポリエーテルポリオール)
前記ポリエーテルポリオールは、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分としたものであり、かつ、その数平均分子量は、上述の通り通常400以上、4000以下のものである。また、好ましい数平均分子量は500以上、3000以下である。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のポリオール類、又はこれらの少なくとも一種と、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸の少なくとも一種とを重縮合して得られるポリエステルポリオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリアルキレングリコール等のポリエーテルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオール、これらのポリオール類にプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール等が挙げられる。
これらのなかでも、前記したようなポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分とするポリエーテルポリオールは、柔軟な質感を付与できる点で特に好ましい。
この(A)成分を構成するポリオール単位の炭素数の平均値は2〜4が好ましい。平均値をこの範囲内とすることにより、柔軟な質感を付与することができる。
また、(A)成分を構成するポリオール成分の数平均分子量の分布は、数平均分子量1500±800に最大値を有することが好ましく、数平均分子量1000±200に最大値を有することがより好ましい。最大値が数平均分子量1500±800より外れると、自己乳化力が低下したり、ソフト感やセット保持力が低下するという問題点を生じる場合がある。
さらに、前記の数平均分子量の分布の最大値の範囲に加え、この範囲のポリオール成分の含有割合が、ポリオール成分全体の1%以上がよく、50%以上が好ましい。1%より少ないと、ソフト感が損なわれるという問題点を生じる場合がある。一方、この上限は99%が好ましく、95%がより好ましい。99%より多いと、セット保持性が低下するという問題点を生じる場合がある。
また、前記ポリエーテルポリオールは、カルボキシル基を有すると、自己乳化力が発現したり、水分散液の安定性が向上したりすることが期待できるので好ましい。
前記ポリエーテルポリオールにカルボキシル基を導入する方法としては、ポリオール単位の一部として、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物を使用する方法が挙げられる。このカルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物の例としては、下記化学式(1)に示されるようなジメチロールアルカン酸等が挙げられる。
Figure 2016148033
なお、前記式(1)において、Rは、例えば、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、中でも炭素原子数が1〜6であるものが好ましい。特に好ましいのは、メチル基又はエチル基である。
このジメチロールアルカン酸の具体例としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等を挙げることができ、これらを併用することもできる。前記カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物の使用量は、重合により形成される前記(A)成分の酸価が、例えば15〜60mgKOH/g程度となるように調整すればよい。
前記(A)成分中におけるジメチロールアルカン酸からなるジカルボン酸由来の構成単位の含有割合は、0.05重量%以上がよく、5重量%以上が好ましい。また、上限は50重量%がよく、30重量%が好ましい。この範囲を外れると、前記した酸価の範囲を満たさない場合が生じることがある。
(ポリエステルポリオール)
前記ポリエステルポリオールは、ポリオール単位とジカルボン酸単位とからなる、両末端にヒドロキシル基を有する化合物であって、そのジカルボン酸由来の構成単位としては、特に限定されないが、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸由来の構成単位を有することが好ましい。このポリエステルポリオールの数平均分子量は400以上、4000以下であることが一般的であり、好ましい数平均分子量は500以上、3000以下である。
前記ポリオール単位としては、前記ポリエーテルポリオールの項で説明したポリオール単位と同様のものを用いることができる。
前記ジカルボン酸単位とは、1分子中に2つ以上のカルボキシル基を有する有機化合物からなる単位であり、本発明では、ジカルボン酸単位として、前記したように、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分由来の構成単位(以下、まとめて「フタル酸系単位」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。このようなフタル酸系単位を有するポリエステルポリオールを用いることにより、得られるポリウレタンやウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂に耐油性を付与することができる。
このようなフタル酸系単位を有するポリエステルポリオールのうち、イソフタル酸由来の構成単位を有するポリエステルポリオールとしては、例えばクラレポリオールP−1012、2012、530、1030、2030等((株)クラレ製、商品名)、テスラック2474(日本化成ポリマー(株)製、商品名)、OD−X−2560(DIC(株)製、商品名)、HS2F−136P(豊国製油(株)製、商品名)等を挙げることができ、また、テレフタル酸由来の構成単位を有するポリエステルポリオールとしては、例えばクラレポリオールP−1011、2011、2013、520、1020、2020等((株)クラレ製、商品名)を挙げることができる。
このフタル酸系単位を有するポリエステルポリオールの中でも、イソフタル酸由来の構成単位(以下、「イソフタル酸単位」と称する場合がある。)を有するポリエステルポリオールがより好ましい。
得られるポリウレタン中のジカルボン酸単位の含有割合は、0.05重量%以上50重量%以下が好ましい。ジカルボン酸単位が0.05重量%以上存在することにより、耐油性向上効果を得ることができる。一方、ジカルボン酸単位の含有量を50重量%以下とすることで、十分な耐油性を維持しつつ、膜の強度を高くすることが可能となる。この範囲を外れた場合は、耐油性向上効果が不十分となったり、得られる膜が脆くなったりすることがある。ジカルボン酸単位は、0.08重量%以上存在することが好ましく、0.1重量%以上存在することがより好ましい。また、その存在量の上限としては、40重量%が好ましく、35重量%がより好ましい。このジカルボン酸単位には、フタル酸系単位が含まれることが好ましく、特にイソフタル酸単位が含まれるのが好ましい。イソフタル酸単位を含むことで、柔軟性を保持しつつ、耐油性が向上するという効果が得られる。
前記ポリエステルポリオール中のフタル酸系単位(PA単位)(C=式量148)の含有量や、ポリウレタン中のフタル酸系単位の含有量は、次のようにして算出することができる。なお、ポリエステルポリオールを「PEsPO」、フタル酸系単位を「PA」、ジオールを「DOL」(ジオール単位の場合は「DOL単位」と記す)、フタル酸系単位数を「NumberPA」と称する。
ポリエステルポリオールにおいては、(両)末端は常にジオール末端となるので、以下の関係式が成立する。
1)ポリエステルポリオール(PEsPO)中のフタル酸系単位(PA単位)の数
=(PEsPOの分子量−末端DOL分子量)/(PA単位式量+DOL単位式量)
=NumberPA
(なお、前記式において「PA単位式量+DOL単位式量」はPAとDOL単位で形成されるPEsPO中のエステル単位の式量となる。)
2)PEsPO中のPA単位含有割合(wtPA(重量分率))
=(NumberPA×PA単位式量)/PEsPO分子量
3)PEsPO仕込量(F)中のPA単位含有量(重量)
=F×wtPA
4)ポリウレタン中のPA単位含有量(重量%)
=(F×wtPA)×100/総ポリウレタン量(=ウレタン原料の総仕込量)
また、酸成分としてフタル酸系単位以外のジカルボン酸が併用されている場合は、前記計算において、1)の「PA単位式量」に代えて、併用される他のジカルボン酸類の式量(−OC−X―CO−O−、但し「X」はベンゼン核以外の二価の炭化水素基である)とPA単位の式量とを、各成分のモル分率をそれぞれ乗じた上で合計した「ジカルボン酸平均式量」を用いて、前記「NumberPA」に相当する「ジカルボン酸総単位数」を求め、これらを用いて、前記と同様にして「ポリウレタン中のジカルボン酸単位含有率(重量%)を算出し、この量を両者のモル分率と式量とを用いて案分して「ポリウレタン中のPA単位含有量」を求めることができる。
ジオール成分が複数種用いられている場合も同様である。
なお、市販品等、その組成が明らかにされていない場合などは、核磁気共鳴スペクトル分析(NMR)やゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)等の高分子物質を分析できる方法を用いて、組成分析を行って求めることもできる。
前記ポリエステルポリオールには、前記のポリオール成分に加えて、ポリオールとモノカルボン酸とを有する成分を用いることも好ましい。
このような成分としてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸や、スルホン酸含有ポリオールなどを用いることが好ましく、特にジメチロールアルカン酸が好ましい。この他にもポリオール成分として、本発明の効果を損なわない限り、前記以外の各種のポリアルキレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等も使用できる。
このようなジメチロールアルカン酸は、前記化学式(1)に示される構造を有している。また、好ましいアルキル基の炭素数、種類も前記と同様である。
ジメチロールアルカン酸を構成成分として用いることで、良好な共重合性を得ることができ、また得られるポリウレタンにカルボキシル基を導入できて、水分散体として用いる場合に分散安定性が向上すると共に、ポリウレタンに反応性を付与したり、特に化粧料用に使用した場合、極性成分との混和性を改良したり、毛髪や皮膚への密着性を高くすることができる。
前記ジメチロールアルカン酸の使用量は、得られるポリウレタンの酸価、あるいは最終的に生成するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂(U/A樹脂)に求められる性能(水への分散性等)に応じて適宜調整すればよい。具体的には、前記ポリエーテルポリオールの欄で記載した(A)成分中におけるジメチロールアルカン酸からなるジカルボン酸由来の構成単位の含有割合と同様である。
このようなポリエステルポリオール成分としては、1種類のポリオール成分を用いても、複数種のポリオールに由来する成分を用いてもよい。
このポリエステルポリオールを用いる場合、後述するU/A樹脂中に含まれるウレタン成分((A)成分)中におけるポリエステルポリオールを用いたポリウレタンの含有割合は50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは85重量%以上であり、その全量が前記ポリウレタンであることがもっとも好ましい。
なお、前記ポリエステルポリオールを用いたポリウレタン((A)成分)を有するポリウレタン以外のウレタン成分は、本発明の目的・効果を損なわない限り、特に限定されない。
また、ポリエステルポリオールを用いたポリウレタンを用いて得られたU/A樹脂は、ポリエステルポリオールを有することで、耐油性が良好であるという性質を示す。
(ポリオール単位を複数種用いる場合)
前記ポリオール単位を構成するポリオール成分(ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール)としては、1種類のポリオール単位を用いてもよいが、数平均分子量が相異なるポリオール成分及び/又はその構成単位が相異なるポリオール成分である、少なくとも2種のポリオール成分を用いてもよい。このような2種もしくはそれ以上のポリオール単位を用いると、柔軟な質感を維持しつつ、ポリマーの機械的強度(伸び、破断強度)を高くすることが期待できる。
前記多分散系のポリオール単位の数平均分子量の平均は、300以上がよく、400以上が好ましく、500以上がより好ましく、600以上が特に好ましい。数平均分子量が小さすぎると、柔軟性が低下する傾向となる。一方、上限は、4000がよく、3000が好ましく、2500がより好ましい。数平均分子量が大きすぎると、自己乳化力が低下したり、ポリオール単位の種類によっては、過度に柔軟になる場合がある。
前記のとおり、複数種のポリオールに由来する単位を用いる場合、用いられる複数種のポリオールのうち、数平均分子量が最も小さいポリオールの数平均分子量は、400以上がよく、500以上が好ましい。数平均分子量が小さすぎると、得られる膜が硬くなり、柔軟性を損なう場合がある。一方、上限は、1200がよく、1500が好ましい。数均分子量が大きすぎると、自己乳化力が低下したり、低分子量ジオールを用いることによる効果が不十分になる場合がある。
前記の数平均分子量が最も小さいポリオールの具体例としては、PTMG650(三菱化学(株)製)、ハイフレックスD1000(第一工業製薬(株)製)、サンニックスPP1000(三洋化成工業(株)製)、ポリエーテルP−1000((株)ADEKA製)、PEG1000(日油(株)製)、クラレポリオールP−1030((株)クラレ製)等があげられる。
また、複数種のポリオールに由来する単位を用いる場合、用いられる複数種のポリオールのうち、数平均分子量が最も小さいポリオールの数平均分子量と、数平均分子量が最も大きいポリオールの数平均分子量の差、すなわち、数平均分子量差は、100以上がよく、500以上が好ましい。数平均分子量差が小さすぎると、複数種のポリオールを用いる効果が不十分となる場合がある。一方、上限は、2000がよく、1000が好ましい。数平均分子量差が大きすぎると、ポリウレタンを構成する成分全体としてのバランスが崩れ、合成反応が不安定になる場合がある。
(2)多価イソシアネート化合物
前記多価イソシアネート化合物とは、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する有機化合物をいい、脂肪族、脂環式、芳香族等の多価イソシアネート化合物を用いることができる。このような多価イソシアネート化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。これらの内で、脂肪族又は脂環式のイソシアネートは経時的な黄変が少ない点で好適である。
1−2.(A)成分の製造
(ウレタン生成反応)
前記(A)成分を製造するためのウレタン生成反応は、無溶媒下でも行うことができるが、反応を均一に行うために、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、その他のイソシアネート基に対して不活性で水との親和性の大きい有機溶媒を使用してもよい。また、前記以外の溶媒でも、イソシアネート基に対して反応性のない、即ち活性水素基を含まない有機溶媒も使用可能である。さらに、イソシアネート基に対して反応性のない、すなわち、活性水素基を含まない後記の(B’)成分が(A)成分の製造の際に存在していてもよい。この場合、この(B’)成分によって反応系が希釈されて反応をより均一に行うことができる。この(A)成分を得る反応は、通常50〜100℃程度で、0.5〜20時間程度である。これにより、カルボキシル基及び末端にイソシアネート基を有するポリウレタン((A)成分)を得ることができる。
前記(A)成分の製造に使用される触媒としては、一般にウレタン化反応に使用される触媒が使用できる。具体例としては、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
前記(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、−60℃以上、250℃以下であることが好ましい。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7244−4の方法で測定することができる。
1−3.(A)成分の物性
(重量平均分子量)
前記のポリウレタン((A)成分)の重量平均分子量は1000以上が好ましく、2000以上がより好ましい。重量平均分子量が1000未満では、得られる皮膜が硬くなり、化粧料として用いる際に、ごわつき感等の問題が生じる可能性がある。一方、重量平均分子量の上限は、通常150000程度であり、100000が好ましく、70000がより好ましい。150000より大きいと、プレポリマーそのものの粘度が高くなり、ゲル化したり、安定なエマルジョンが得られなくなったりする場合がある。
(酸価)
なお、得られるポリウレタンには、酸成分が含まれることが好ましい。例えば、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを用いる場合は、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物を使用する方法等によりカルボキシル基が含まれる。また、ポリオール成分としてポリエステルポリオールを用いる場合は、ポリエステルポリオールやジメチロールアルカン酸等に由来する酸成分が含まれるが、このポリウレタンの酸価は15mgKOH/g以上であることが好ましく、25mgKOH/g以上がより好ましい。15mgKOH/g未満では水への分散性が悪くなって、極端な場合は水性分散液が得られないことがある。一方で、その上限は60mgKOH/gが好ましく、55mgKOH/g以下がより好ましい。60mgKOH/gを超えると、弾性が不十分となったり、ポリマーが硬くなり過ぎて、毛髪化粧料等に用いる場合、ゴワつきを発生させたり、使用中に白粉化して、化粧料として不十分なものとなることがあり、また、整髪料として用いた際に髪に付着しにくくなったりする場合がある。
なお、酸価は、水酸化カリウムを用いる電位差滴定法(JIS K 0070)に従って測定できる。この時、試料の質量としては「ポリウレタン量」を用いることとする。
また、例えば、ポリウレタンの製造に際して、その中和に水酸化カリウムを用いた場合は、塩交換が起きにくくなるため、前記JIS法による測定が困難になる場合がある。このような時は、下式に従ってポリウレタン1gあたりの「理論酸価」を算出して用いればよい。
理論酸価(mgKOH/g−ポリウレタン)=酸含有原料仕込モル数×56.1(KOH分子量)/ポリウレタン量(g)×1000
(中和)
前記(A)成分が含有するカルボキシル基は、その少なくとも一部が、一種又は二種以上の塩基性化合物により中和されていることが好ましい。これにより、水性媒体中での(A)成分の分散性を向上させることができる。この塩基性化合物としては、アンモニアや有機アミン化合物、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。この中和反応は、ポリウレタンを製造した後であれば、任意の時期に行うことができ、1工程で実施しても、2工程以上に分割して行ってもよい。また、この中和反応に用いる塩基性化合物も工程毎に異なる種類のものを用いても構わない。
その中でも、中和工程を2工程に分割し、第1中和工程をポリウレタンの製造後に、そして第2中和工程を第1工程で中和されたポリウレタンを水性媒体中に分散させた後に行うことが好ましい。
前記の有機アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン化合物や、アミノメチルプロパノール等の二級アミン化合物等が好ましく用いられる。また、前記のアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
これらの塩基性化合物の総使用量は、(複数工程で使用した場合は合計使用量として、)ポリウレタンが有するカルボキシル基の量に対して、1当量以上であることが好ましい。すなわち、前記ポリウレタン中のカルボキシル基が、塩基性化合物により100%以上中和されていることが好ましい。1当量未満では、水性媒体中で良好な分散状態が得られないことがある。一方その上限は、2.0当量が好ましく、1.5当量がより好ましい。2.0当量を超えると塩基性化合物がエマルジョン中に残るため、化粧料用として用いる際に問題を生じるおそれがある。
前記ポリウレタンを分散させる水性媒体としては、水や、水とメタノール、エタノール等の水と相溶可能な有機溶媒との混合溶液等が挙げられる。この中でも、環境的な側面から、水がより好ましい。
2.(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)
2−1.(B)成分を構成する単量体
本発明のU/A樹脂における前記(B)成分の原料となる(メタ)アクリル酸エステル単量体((B’)成分)の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸s−ペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸t−ペンチル、(メタ)アクリル酸3−メチルブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メタ)アクリル酸3−ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等が例示される。これらの中でも、アルキル基の炭素数が1〜24の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、特にアルキル基の炭素数が1〜8のものが好ましい。
これらの(B’)成分は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
この(B’)成分には、必要に応じて、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、(メタ)アクリル系単量体以外の他の単量体、例えば、エステル基含有ビニル単量体、スチレン誘導体、ビニルエーテル系単量体等を併用してもよい。前記エステル基含有ビニル単量体の例としては、酢酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等の疎水性ビニルモノマー、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマー等の不飽和基含有マクロモノマー等が例示される。
また、前記スチレン誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。さらに、前記ビニルエーテル系単量体の具体例としては、ビニルメチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が例示される。
2−2.(B)成分のガラス転移温度(Tg)
(1)ポリエーテルポリオール系ポリウレタンと複合する場合
ポリエーテルポリオールを用いて得られるポリウレタンと複合する場合、前記(B’)成分からなる単独重合体又は共重合体のガラス転移温度(Tg)は、0℃以上であることが好ましく、5℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましく、60℃以上が特に好ましい。0℃未満では、得られる化粧料の熱戻り性(セット性を含む)が悪化することがある。一方、ガラス転移温度は120℃以下であるのが好ましく、110℃以下がより好ましい。120℃を超えると、最低造膜温度が高くなり、均一な皮膜が形成されないことがある。ガラス転移温度をこの範囲とすることで、油分配合量の多い化粧料配合においても、油分による重合体の可塑化を抑制することができる。
このガラス転移温度(Tg)は、前記(A)成分の項で説明したJIS K 7244−4で測定することができ、また、下記式(1)(FOX式)により算出することもできる。
1/Tg=(Wa/Tga)+(Wb/Tgb)+(Wc/Tgc)+… (1)
但し、Tgは(共)重合体のガラス転移温度(K)、Tga、Tgb、Tgc等は各構成単量体a、b、c等の単独重合体のガラス転移温度(K)であり、Wa、Wb、Wc等は各構成単量体a、b、cの、共重合体中の重量分率を示す。
なお、Tgを「℃」で表記したい場合は前記式で得られたTgの数値から「273」を減じればよい。
前記(B’)成分として複数の(メタ)アクリル酸エステル単量体を併用する場合、単独重合体のTgが高い第1単量体と、単独重合体のTgが低い第2単量体とを含有する混合物であることが好ましい。このように、(B’)成分として、単独重合体のTgが異なる単量体を用いることにより、好適な皮膜の柔軟性に調整することができる。
前記第1単量体の単独重合体のTgは、95℃以上がよく、100℃以上が好ましい。95℃より低いと、皮膜柔軟性の調整範囲が小さくなる。Tgの上限は、通常150℃程度である。
また、前記第2単量体の単独重合体のTgは、30℃以下がよく、10℃以下が好ましい。30℃より高いと、柔軟性が不足したり、皮膜柔軟性の調整範囲が小さくなったりする。一方、Tgの下限は、−70℃がよく、−60℃が好ましい。−70℃より低いと、皮膜のベタつきが発生する場合がある。
(2)ポリエステルポリオール系ポリウレタンと複合する場合
ポリエステルポリオールを用いて得られるポリウレタンと複合する場合、前記の(B’)成分を主成分とする単独重合体又は共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−50℃以上であることが好ましく、−40℃以上がより好ましい。Tgが−50℃よりも低くなると、得られる化粧料の手触り感にべたつきが現れることがあり、触感が悪化する恐れがある。
なお、このガラス転移温度(Tg)の好ましい上限値及びその測定方法は、前記(1)と同様である。
(3)複数の(B’)成分の併用
本発明においては、(B)成分の(メタ)アクリル系樹脂を複数種の(メタ)アクリル系単量体から製造してもよい。その場合は、単独重合体のTgが高い単量体と、単独重合体のTgが低い単量体とを併用することにより皮膜の柔軟性の調整が可能である。
この場合、一方の単量体の単独重合体のTgは、95℃以上、150℃以下がよく、100℃以上、140℃以下が好ましく、他方の単量体の単独重合体のTgは、−70℃以上、30℃以下がよく、−60℃以上、10℃以下が好ましい。
高Tg側の単量体のTgが高すぎると皮膜が硬くなり過ぎ、低Tg側の単量体のTgが低すぎるとべたつくことがある。
3.ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂(U/A樹脂)
(1)U/A樹脂の製造
この発明にかかるU/A樹脂は、通常、水性媒体中で水性分散液として製造される。具体的には、前記の通り、(A)成分及び(B’)成分を混合した混合液を調製し、次いで、これを水性媒体中で乳化分散させ、その乳化液中の(B’)成分を重合させることによって、U/A樹脂の水性分散液(エマルジョン)を得ることができる。
また、その過程において、必要に応じて、前記(A)成分の鎖伸長反応が行われる。
前記(A)成分と(B’)成分とを含む混合液を得る方法は、カルボキシル基の少なくとも一部を中和して水分散性にした(A)成分と(B’)成分とが、水性媒体中に均一に分散できる方法であればよく、(B’)成分の添加時期は特に限定されるものではない。
例えば、(A)成分中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する前に(B’)成分を添加する方法や、中和した後に添加する方法が挙げられる。さらに、前記(A)成分の原料であるポリオール単位や多価イソシアネート化合物等に、(B’)成分の一部又は全部を混合し、この(B’)成分の存在下で、ポリオール単位、多価イソシアネート化合物、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物等を反応させて、(A)成分を製造してもよい。このとき、(A)成分の製造後に(B’)成分の残量を添加する場合も、その添加時期は、(A)成分中のカルボキシル基を中和する前、同時又は後の任意の時期で構わない。
中でも、前記(B’)成分の存在下で、前記ポリオール単位、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物及び多価イソシアネートを反応させて、前記(A)成分を得る方法が、(A)成分と(B’)成分とをより均一に混合することができるので好ましい(以下、この工程を「プレポリマー化工程」と称する)。
前記のポリオール単位、カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物及び多価イソシアネートの反応方法としては、ジブチル錫ジラウレート等のウレタン重合触媒の存在下で重合する方法が挙げられる。
((A)成分と(B’)成分との混合割合)
U/A樹脂における(A)成分と(B)成分との比率は、後述の通り、純分重量比で(A)/(B)=80/20〜30/70がよく、70/30〜35/65が好ましい。(B’)成分はほぼ100%が重合体になるので、仕込時における(A)成分と(B’)成分との混合割合も、前記と同様の比率とすることが好ましい。(A)成分が80重量%を超えると、整髪料として使用した際の熱戻り性(セット性を含む)が悪くなることがある。一方、20重量%未満の場合は、合成時に乳化不足となり、水分散時にゲル化を起こしたり、不均一な水分散体となったりすることがある。
((A)成分と(B’)成分との混合液の濃度)
前記の(A)成分と(B’)成分との混合液の濃度は、特に限定されるものではないが、最終的に得られる水性エマルジョン組成物中の不揮発成分量が20重量%以上となるようにすることが好ましく、25重量%以上となるようにするのがより好ましい。20重量%未満では、乾燥に時間を要する場合がある。一方で、その上限は70重量%以下となる量とすることが好ましく、60重量%以下がより好ましい。70重量%を超えると、水分散性の調製が難しくなったり、分散安定性が低くなったりすることがある。
(第1中和工程)
(A)成分中のカルボキシル基が全く中和されていない場合、前記(A)成分及び(B’)成分の混合液に、前記塩基性化合物を加えて、前記(A)成分が含有するカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、(A)成分の中和物を得るのが好ましい(以下、この工程を「第1中和工程」と称する)。
前記第1中和工程により中和されるカルボキシル基の量は、前記(A)成分中の全カルボキシル基に対して、0.5当量以上がよく、0.55当量以上が好ましい。
前記第1中和工程により中和されるカルボキシル基の量が1当量又はそれ以上の場合は、後述する第2中和工程は行わなくてもよい。一方、1当量未満の場合は、後述する第2中和工程が必要に応じて行われる。
(乳化工程)
次いで、前記(A)成分の中和物と(B’)成分との混合液を前記水性媒体中に乳化分散させる(以下、この工程を「乳化工程」と称する)。前記(A)成分の中和物と(B’)成分との混合液に水性媒体を加える方法としては、前記混合液に水性媒体を滴下して分散させる方法、前記混合液を前記水性媒体中に滴下して分散させる方法等、特に限定されない。
乳化分散時の温度は、0℃以上がよく、10℃以上が好ましい。一方で80℃以下がよく、60℃以下が好ましい。温度が高過ぎると(A)成分が変性するおそれがある。
(重合工程)
前記のようにして得られた乳化分散液において、(B’)成分を重合させて、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の水性エマルジョンを得る(以下、この工程を「重合工程」と称する)。この(B’)成分の重合反応は、用いる(B’)成分に応じた一般的な重合方法で行うことができ、例えば、前記混合液にラジカル重合開始剤を添加して行うことができる。
このラジカル重合開始剤としては、慣用のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物系開始剤を用いることができる。また、有機過酸化物系開始剤や過硫酸塩系開始剤と、アスコルビン酸、ロンガリット又は亜硫酸金属塩等の還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤も好ましく用いられる。前記ラジカル重合開始剤の使用量は、重合性単量体(B’)に対して、0.1〜5重量%程度、好ましくは0.5〜2重量%程度とすればよい。
前記(B’)成分の重合は、重合温度10〜80℃で行うのがよく、30〜60℃で行うことがより好ましい。また、発熱終了後、40〜90℃程度に30分〜3時間程度維持することによって、重合がほぼ完了する。これにより、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の水性エマルジョンが得られる。
(脱臭工程)
前記重合工程で得られたウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の水性エマルジョン中には、通常未反応の(B’)成分が残存するが、これに由来する臭気を抑えるためには、例えばその濃度を100ppm以下、好ましくは70ppm以下とするのがよく、濃度は0に近いほど好ましい。
(B’)成分の濃度を低減させる方法としては、例えば、水性エマルジョンを加熱して残存する(B’)成分を揮発させる方法や、エマルジョンの気相部に空気等の気体を流通させる方法、エマルジョンに水蒸気を吹き込む方法、(B’)成分を減圧留去する方法等が挙げられ、これらを必要に応じて組み合わせて行ってもよい(以下、この工程を「脱臭工程」と称する。)。
前記の水性エマルジョンを加熱する場合、水性エマルジョンの液温は40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。一方で、その液温は、水性媒体の沸点以下とするのがよく、100℃以下が好ましい。また、気体を吹き込んだり流通させたりする場合は、その気体温度は20℃以上、100℃以下が好ましく、60℃以上、95℃以下がより好ましい。なお、水蒸気を吹き込む場合も、水性エマルジョンの液温は前記の条件を満たすことが好ましい。
気体を流通させる場合の流通量(気体の使用条件における体積/時間)は特に限定されないが、容器の気相部体積の2〜100容量倍/分がよく、5〜80容量倍/分が好ましい。2容量倍/分未満では、(B’)成分の除去が不十分となりやすい。一方、100容量倍/分より多いと、水性エマルジョンの飛散や、液表面の膜張りにより、容器壁に付着物が生成することがあり、好ましくない。
前記の加熱により蒸発した水分は、(B’)成分の除去後に、必要に応じて補充することができる。なお、(B’)成分を含む排気を大気中に放出することは好ましくないため、排気を冷却して得られる凝縮液をタンク等に回収し、廃水処理を行うことが好ましい。
前記のようにして、(B’)成分の残留量を100ppm以下としたウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の水性分散液は、整髪料等の化粧料用に、臭気がほとんど無い原材料として用いることができる。さらにこの発明にかかるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液を用いた場合、整髪料として、熱戻り性(セット性を含む)が良好で、髪のすべり等の感触も良好なものとなる。
((A)成分の鎖伸長反応)
ところで、前記の乳化工程と重合工程との間、及び前記重合工程と脱臭工程との間のいずれか1箇所で、必要に応じて、(A)成分((A)成分の中和物を含む。以下、同様)の少なくとも一部を鎖伸長させてもよい。また、前記の乳化工程と重合工程との間で、前記(A)成分の一部を鎖伸長させ、かつ、前記の重合工程と脱臭工程との間で、前記の鎖伸長工程によって鎖伸長されずに残存した(A)成分の少なくとも一部を鎖伸長させてもよい。これにより、(A)成分の分子量を好ましい範囲に調整することができる。
(A)成分の鎖伸長反応は、乳化液中でも、分散媒である水によっても徐々に生起するので、重合工程中も鎖伸長反応が一部起こることがある。しかし、水による鎖伸長は、通常反応速度が遅いので、より効果的かつ確実に鎖伸長を行うためには、前記した水以外の鎖伸長剤を用いて積極的に鎖伸長反応を行うのがよい。これにより、より速やかに鎖伸長されたウレタンポリマーが得られ、柔軟でかつ弾力のある皮膜を得ることができる。なお、鎖伸長反応は(メタ)アクリル系単量体を重合させる前に行っても、重合後に行ってもよい。
前記の水以外の鎖伸長剤としては、イソシアネート基と反応可能な活性水素を複数個有する化合物等が挙げられる。このイソシアネート基と反応可能な活性水素を複数個有する化合物としては、炭素数1〜8のポリオール、ポリアミン化合物等が挙げられる。前記ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。また、ポリアミン化合物の例としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン類を挙げることができる。
(第2中和工程)
また、前記の乳化工程と重合工程との間、前記重合工程と脱臭工程との間、及び前記脱臭工程の後から選ばれる少なくとも1箇所に、(A)成分中のカルボキシル基の少なくとも一部を、前記塩基性化合物を用いて、さらに中和してもよい(以下、この工程を「第2中和工程」と称する)。中和度を所定の範囲まで進めることで、得られるエマルジョンの保存安定性を改良したり、造膜性を改良する等の効果を得ることができる。
前記第2中和工程において用いる塩基性化合物の量は、前記(A)成分中のカルボキシル基に対して、前記第1中和工程において使用した量と合算した量として、1当量以上が好ましい。なお、第1中和工程で既に1当量以上の塩基性化合物が使用されている場合は、この第2中和工程を省略してもよい。
(各中和工程における塩基性化合物及び溶媒)
前記第1中和工程及び第2中和工程で使用される塩基性化合物は、添加・混合を容易にするために、水溶液又は水分散液として用いるのがよい。中和されたウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂は、水単独、極性有機溶媒と水との混合溶媒、又は有機溶媒に溶解又は分散される。この有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、又はその他の有機溶媒が挙げられる。アルコール類としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等の1〜8個の炭素原子を含むアルコールや、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール等の二価以上のアルコール等が挙げられる。また、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。その他の有機溶媒としては、ペンタン等の低沸点炭化水素、ジメチルエーテル、ジメトキシメタン等のエーテル類、モノ−、ジ−、又はトリ−エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸メチル等のエステル等が挙げられる。
(フッ素化合物の配合)
フッ素化合物は、上述のように(A)成分及び/又は(B)成分の構成単位の少なくとも一部として含有されることを必須とする。具体的には、(A)成分を構成するポリオール成分や多価イソシアネート成分としてフッ素を含有する化合物を用いる場合や、(B)成分を構成する単量体である(B’)成分としてフッ素を含有する化合物を用いる場合、(A)成分、(B’)成分のいずれとも化学反応しない物質、すなわち添加成分としてフッ素を含有する化合物を、(A)成分や(B’)成分に併用して(A)成分や(B)成分の構成単位とする場合等があげられる。
(B’)成分としてフッ素化合物を用いる場合における、このフッ素化合物としては、フッ化アルキル(メタ)アクリル酸エステルを好適に用いることができる。このフッ化アルキル(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、(メタ)アクリル酸3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸1H,1H3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル、2−(パーフルオロヘキシル)エチルビニルエーテル等が挙げられる。
(B)成分におけるこのフッ素化合物からなる構成単位の含有量は、0.1重量%以上がよく、0.4重量%以上が好ましい。0.1重量%より少ないと、フッ素化合物による耐油性等の効果を十分に発揮し得ない場合がある。また、含有量の上限は、50重量%がよく、30重量%が好ましい。50重量%より多いと、樹脂本来の柔らかさやセット力が損なわれるおそれがある。
前記の添加成分としてフッ素を含有する化合物における、このフッ素化合物の例としては、ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルPEGリン酸、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアラミド、パーフルオロヘキシルエチルホスホン酸Na、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、パーフルオロポリメチルイソプロピル、パーフルオロヘキシルエチルジメチルブチルエーテル、パーフルオロメチルシクロペンタン、2−(パーフルオロブチル)エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、3−(パーフルオロヘキシル)プロパン−1,2−ジオール等があげられる。
また、市販されているものの例としては、日光ケミカルズ(株)より提供される、FOMBLIN HC−04, HC/25, HC−R、FOMBLIN HC/OH−1000、FOMBLIN HC/P2−1000、FOMBLIN HC/SA−18等、ユニマテック(株)より提供される、CHEMINOX FA−4、CHEMINOX
FA−6、CHEMINOX FADO−6等が挙げられる。
この(A)成分(B’)成分のいずれとも反応しないフッ素化合物は、(A)成分の反応初期、(A)成分の反応後で(B)成分の添加又は反応前、(B)成分の反応後等の時期が考えられる。この中でも、(A)成分の反応初期、あるいは(A)成分の反応後で(B)成分の添加又は反応前が好ましい。また、添加時の温度は、安全性の面から60℃以下とするのがよい。
前記の添加成分としてフッ素化合物を用いる場合、前記添加成分のフッ素化合物の使用量は、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂に対し、30重量%以下がよく、20重量%以下が好ましい。30重量%より多いと、樹脂本来の柔らかさやセット力が損なわれるおそれがある。また、この化学反応しないフッ素化合物は使用しなくてもよく、含有量の下限は、0重量%である。
(2)U/A樹脂の物性
(U/A樹脂の各種平均分子量)
この発明で得られるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液(U/A樹脂水性分散液)中のU/A樹脂の重量平均分子量(Mw)は、180000以上が好ましく、200000以上がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、顔料分散性に劣る場合がある。一方、重量平均分子量(Mw)の上限は、1000000が好ましく、800000がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が大きすぎると、毛髪に塗布した時の柔らかさに劣る場合がある。このような重量平均分子量(Mw)の範囲とすることで、特に良好な耐油性(シリコーンオイルとの混合液からのキャスト成膜性)を得ることができる。
また、このU/A樹脂水性分散液中のU/A樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、10以上が好ましく、20以上がより好ましい。Mw/Mnが小さすぎると、柔軟性と高いセット力を有する(C.R.値が高い)という2つの特徴を両立し難くなる傾向がある。一方、Mw/Mnの上限は、70が好ましく、60がより好ましい。Mw/Mnが大きすぎると、低分子量側又は高分子量側のいずれか又は両方の重合体により、膜の風合いが損なわれる場合がある。
さらに、このU/A樹脂に含まれるポリウレタン成分((A)成分)の重量平均分子量(Mw)のうちの最頻度の分子量、すなわち、U/A樹脂をゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)によってMwを測定した際に得られるチャート(クロマトグラム)のうち、ポリウレタン成分の重合体に相当するピークの位置の分子量(以下、ポリウレタン成分の重合体の当該分子量をポリウレタン成分の重合体の最頻分子量(Mwp)といい、「ウレタン成分のMwp」と称する場合がある。)は、10000以上が好ましく、20000以上がより好ましい。ポリウレタン成分のMwpが10000より小さいと、U/A樹脂の長期安定性が不足して、例えば、夏期、30℃を超えるような環境下では、劣化が速くなる懸念がある。一方、ポリウレタン成分のMwpの上限は、200000が好ましく、100000がより好ましい。ポリウレタン成分のMwpが200000より大きいと、硬くなって風合いを損ねたり、合成工程で系の粘度が上がりすぎて生産性が悪化したりする場合がある。
また、このU/A樹脂に含まれるアクリル成分の重合体の最頻分子量(Mwp)(以下、「アクリル成分のMwp」と称する場合がある。)は、200000以上が好ましく、250000以上がより好ましい。アクリル成分のMwpが200000より小さいと、耐1,3BG性や顔料分散性が悪くなる場合がある。一方、アクリル成分のMwpの上限は、2000000が好ましく、1500000がより好ましい。アクリル成分のMwpが2000000より大きいと、風合いが悪くなる場合がある。
また、このU/A樹脂に含まれるアクリル成分の最頻分子量(Mwp)とウレタン成分の最頻分子量(Mwp)との((アクリル成分のMwp)−(ウレタン成分のMwp))差は、200000以上が好ましく、250000以上がより好ましい。この差が200000より小さいと、毛髪塗布時の柔らかさと下記する耐1,3BG性の両立が出来ないおそれがある。一方、この差の上限は、2000000が好ましく、1000000がより好ましい。この差が2000000より大きいと、差がありすぎるため、毛髪塗布時の柔らかさと耐1,3BG性の両立が出来ないおそれがある。
なお、「耐1,3BG性」とは、水性分散液に1,3BG(1,3−ブタンジオール)を添加し混合してもその試料液に変化が起きないことをいい、配合安定性試験の一種である。特に、化粧料用途においては、後記するC.R.試験において、1,3BGの有無で結果に変化が起きないこと、すなわち、測定対象樹脂が1,3BGの影響を受けないという状態を指す。
なお、(B’)成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体を水性媒体中で乳化重合する場合、重合途中で水性媒体中の重合開始剤、乳化剤等や生成した他の重合体等への連鎖移動反応が生じやすく、得られる重合体の分子量が低くなることがある。
一方、本願においては、(A)成分(イソシアネート基とカルボキシル基とを有するポリウレタン)と、(B’)成分((メタ)アクリル酸エステル単量体)とを水性媒体中で乳化分散してなるプレエマルジョンを用いて、(B’)成分を重合させて得られるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液(U/A樹脂水性分散液)を製造するので、エマルジョン液滴において、(A)成分の内側に(B’)成分が配された状態で、ラジカル重合が起きることとなる。このとき、(B’)成分は、(A)成分によって保護されることとなり、(B’)成分の重合中の連鎖移動反応が生じにくいだけでなく、重合の停止反応が起きにくい状態で重合が進むため、(B’)成分の分子量が大きくなる傾向となる。そして、ウレタン樹脂がシェル部を構成し、(メタ)アクリル樹脂がコア部を構成する、コア−シェル構造の複合樹脂となる。このとき、(B’)成分の分子量は、(A)成分が存在しない状態での乳化重合に比べて大きくなりやすく、得られる複合樹脂の分子量分布は、2つのピークを示すこととなる。
ところで、前記のU/A樹脂に含まれるウレタン成分の最頻分子量(Mwp)とアクリル成分の最頻分子量(Mwp)が明確に判別できない場合は、ウレタン成分とアクリル成分とを対応する条件で個別に重合して水性分散液を得、それぞれについてゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)によってMwを測定し、そのピーク位置をウレタン成分の最頻分子量(Mwp)又はアクリル成分の最頻分子量(Mwp)としてもよい。但し、この場合、特にアクリル成分((B’)成分)のMwpは、前記のような分子量増大効果がないため、通常、実際よりは低めの値となる。
(最低造膜温度(MFT))
この発明で得られるU/A樹脂水性分散液中のU/A樹脂の最低造膜温度(MFT)は、後述するように、JIS K 6828−2に基づいた方法で測定したとき、−20℃以上がよく、−10℃以上が好ましく、−5℃以上がより好ましい。−20℃より低いと、柔らかくなりすぎて、形成される皮膜のセット性や熱戻り性が不十分となる場合がある。一方、MFTの上限は、60℃がよく、50℃が好ましく、さらには40℃が好ましく、30℃であればさらによい。60℃より高いと、皮膜の柔軟性が不十分となりやすく、また、生活環境下では、造膜し難く、化粧品用途等には不向きなことがある。
本発明において、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の最低造膜温度を、前記の好適範囲とするためには、種々の方法が用いられるが、例えば最低造膜温度を低くする方法としては、以下の(1)〜(3)の方法が挙げられる。なお、最低造膜温度を高くするためには、一般に、この方法と逆の手法を用いればよい。
(1)前記ポリオール単位として、分子量が例えば1000を超えるような、比較的高分子量のジオール類の使用量を増す。
(2)(A)成分を製造する際のポリオール単位と多価イソシアネート化合物との当量比を1:1に近づける。
(3)(B’)成分として、ガラス転移温度(Tg)の低いものを用いる。
前記(1)の比較的高分子量のジオール類としては、低分子量ジオール類とジカルボン酸とを縮重合して得られるポリエステルジオール類やポリアルキレングリコール類等の(重量平均)分子量が1000以上のジオール類を例示できる。
前記低分子量ジオール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の分子量が500未満のジオール類が挙げられる。また、前記ポリアルキレングリコール類の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、(水添)ポリブタジエンジオール等が挙げられる。この他に、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリル酸エステルジオール等も用いることができる。
(水接触角、ヘキサデカン接触角)
このU/A樹脂は、水接触角及びヘキサデカン接触角による高い接触角が確認される。この高い接触角が確認できる皮膜の形成が可能であるという特徴は、例えばマスカラ、口紅、リップクリーム、ヘアワックス等の油性成分を多く含む化粧料(化粧製剤)に用いた場合、優れた膜形成性を示すこととなり、化粧料として使用した際に、皮膜によるメイクの持続性(持ち)の向上やハリ感の付与等の効果を得ることができる。
また、夏場など高温高湿度下の環境でもU/A樹脂の機能が発現するという効果も得られる。
前記の効果を得るために好ましい水接触角は50°以上がよく、60°以上が好ましい。また、180°以下が好ましい。また、同様に好ましいヘキサデカン接触角は5°以上がよく、6°以上が好ましい。また、180°以下が好ましい。
(ゲル分)
この発明で得られるU/A樹脂水性分散液のゲル分は、50重量%以上がよく、60重量%以上が好ましい。50重量%より少ないと、硬さが不足し、配合安定性や分散安定性に劣る傾向がある。一方、ゲル分の上限は、99重量%がよく、95重量%が好ましい。99重量%より多いと、硬くなりすぎたり、化粧品用途ではゴワつきを生じたりする場合がある。このようなゲル分とすることで、前述の耐油性(キャスト成膜性)がより向上する。この特性はU/A樹脂の重量平均分子量(Mw)を前記のような範囲とすることで、特に効果的に得ることができる。
(3)U/A樹脂の主な用途
本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、次のような用途に好適に使用できる。中でも、フタル酸系単位、特にイソフタル酸単位を含むU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、前記のように優れた耐油性を示すとともに、自己乳化性のポリウレタンから構成されているためか、機械的安定性(エマルジョンの安定性)や顔料分散性も優れたものとなる。
(3−1)化粧料
本願のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、毛髪化粧品用や皮膚用化粧品用等、化粧料用の樹脂として好適に使用することができる。以下、その用法について簡単に説明する。
[毛髪化粧品]
毛髪化粧品用樹脂として使用する場合は、公知のシャンプー、リンス、トリートメント、セット剤、パーマネントウエーブ液等の毛髪化粧料中に、本願にかかるU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加使用する。この時、従来使用されている公知のポリマーと併用使用してもよい。添加使用される毛髪化粧料は、液体、クリーム、エマルジョン、スプレー、ゲル、ムース(泡沫状態で噴出可能なクリーム/ジェル状物)等いかなる形状でもよい。
このU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液の添加量は、毛髪化粧料の形態や目的、或いは併用するポリマーの種類や量によって異なるが、毛髪化粧料に対し、化粧料用U/A樹脂水性分散液の樹脂分として0.05〜10重量%の割合で添加することが好ましく、0.1〜8重量%の割合で添加することがより好ましい。
また、前記U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、単独で、又は慣用のアニオン性、ノニオン性、カチオン性及び両性の公知のセット用ポリマーと併用して使用することができる。併用されるセット用ポリマーとしては、混和安定性の面からアニオン性、ノニオン性のセット用ポリマーがより好ましい。
セット用ポリマーとして用いられるアニオン性ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸とメタクリル酸アルキルとの共重合体(商品名:ダイヤホールド(三菱化学(株)製)、商品名:プラスサイズL−53シリーズ等(互応化学工業(株)製))、マレイン酸モノアルキルエステルとメチルビニルエーテル共重合体(商品名:GANTREZ AN−119(アイエスピージャパン(株)製))等が挙げられる。
セット用ポリマーとして用いられるノニオン性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン重合体(商品名:PVPシリーズ(アイエスピージャパン(株)製))、ビニルピロリドンと酢酸ビニル共重合体(商品名:LUVISKOL VAシリーズ(BASFジャパン(株)製))等が挙げられる。両性ポリマーでは、例えば、メタクリル酸エステル共重合体(商品名:ユカフォーマ−シリーズ(三菱化学(株)製))等が挙げられる。
セット用ポリマーとして用いられるカチオン性ポリマーとしては、例えばヒドロキシセルロースとグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドとのエーテル(商品名:レオガードG(ライオン(株)製)、商品名:ポリマーJR−30M−125及び同−400(ユニオンカーバイド製))、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体の4級化物(商品名:GAFQUAT 734及び755(アイエスピージャパン(株)製))、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体(商品名:MERQUAT 100(Lubrizol社製))、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドアクリロアマイド共重合体(商品名:MERQUAT550(Lubrizol社製))等が挙げられる。
前記U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液とセット用ポリマーとが使用されるセット用化粧料には、エアゾールヘアスプレー、ポンプ式ヘアスプレー、フォーム状ヘアスプレー、ヘアミスト、セットローション、ヘアクリーム、ヘアーオイル等の、水及び/又はエタノール、イソプロパノール等のアルコール類を含有する各種の整髪料が含まれる。
前記整髪料として、泡状態で噴出可能な毛髪化粧料(ムース)とする場合、例えば、前記U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液(固形分)として、0.01〜10重量%、公知のセット用ポリマー0〜15重量%、ノニオン性界面活性剤0.1〜5重量%、液化ガス3〜25重量%及び水を主体とする水溶性溶媒60重量%〜残余分等の組成が用いられる。(但し、水は毛髪化粧料中60重量%以上含有される)。
ここで、用いるノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
また、ゲル(ジェル)状の整髪料とする場合は、前記U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液(固形分)0.01〜10重量%、セット用ポリマー0〜15重量%、ジェルベース0.1〜3重量%、水72重量%〜残余分等の組成が用いられる。
ヘアスプレーとする場合は、前記U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液(固形分)0.01〜10重量%、セット用ポリマー0〜15重量%、有機溶媒30〜80重量%、噴射剤10〜70重量%等の組成が用いられる。
また、前記のスプレーやムースに使用できる噴射剤としては、エタノール、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハロゲン化炭化水素等の液化ガスや空気、二酸化炭素、窒素ガス等の圧縮ガス等が挙げられる。
本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、シャンプー、コンディショナー(リンス)、パーマネント液等のコンディショニング化粧料に使用することができる。このような毛髪化粧品には、配合として、例えば、溶媒として水及び/又はエタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、これに加えて沸点50℃〜300℃の炭化水素類が含まれることが多い。こうしたコンディショニング化粧料は、前述のセット用化粧料と同様に、通常U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液単独で、又は慣用のアニオン性、ノニオン性、カチオン性及び両性のコンディショニング用ポリマーと併せて用いられる。併用するセット用ポリマーとしては混和安定性の面からアニオン性又はノニオン性のセット用ポリマーがより好ましい。
また、シャンプー用に使用する場合、アニオン性、両性又はノニオン性の界面活性剤に、前記U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加して使用できる。ここで使用される界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤としては、N−ココノイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム等のN−脂肪酸アシル−N−メチル−β−アラニン塩等が挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、ココアシドプロピルベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルベタイン、シクロヘキシルラウリルアミンオキシド、ジメチルラウリルアミンオキシド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミンオキシド等が例示できる。
ノニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、等が挙げられる。
また、リンス用に使用する場合、カチオン性界面活性剤に本願のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加して使用することができる。このようなカチオン性界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
さらに、パーマネント液として用いる場合は、臭素酸塩類、過ホウ素酸類等の酸化剤、及びチオグリコール酸及びその塩、システイン等の還元剤に、U/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加して使用する。
前記以外に、例えば、ヘアートリートメントとして使用する場合には、カチオン性界面活性剤、及び/又はカチオン性ポリペプタイド、カチオン性セルロース、カチオン性ポリシロキサン等のカチオン化ポリマーと併用又は代替して、本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を使用することができる。このようなカチオン性界面活性剤としては、例えばリンス用に例示したものが、特に問題なく使用できる。
前記のセット用化粧料及びコンディショニング化粧料のいずれの場合も、前述した各種成分の他に、必要に応じて、本発明の効果に影響のない範囲で、他の任意成分を配合してもよい。このような任意成分としては、炭化水素類、直鎖アルコール、分岐アルコール類、高級脂肪酸類及びその誘導体、植物系高分子、微生物系高分子、天然水溶性高分子、セルロース系高分子、半合成水溶性高分子、ビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、合成水溶性高分子、無機の水溶性高分子、シリコーン類、N−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩、N−脂肪酸−N−メチルタウリン塩、N−脂肪酸サルコシン縮合物の塩、前記した界面活性剤以外の界面活性剤、乳化剤、保湿剤、抗菌剤、血管拡張剤、清涼感付与剤、刺激感付与剤、ビタミン類、殺菌防腐剤、キレート化剤、pH調製剤、増泡剤、発泡剤、泡安定剤等が挙げられる。さらに、これらの化粧料が、エアゾール形態の製品の場合には、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の噴射剤が併用され、その他用途・目的に応じて、金属イオン捕捉剤、防黴剤、殺菌剤、乳濁剤、コンディショニング剤、増粘剤、酸化防止剤、可溶化剤、ロジン、ハイドロトロープ、養毛剤、生薬、色素、香料等を用いてもよい。
炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー等が挙げられる。前記直鎖アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。
分岐アルコール類としては、モノステアリルグリセリンエーテル、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
高級脂肪酸類及びその誘導体としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニル)酸、オレイン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸等が挙げられる。
前記植物系高分子としては、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等が挙げられる。
前記微生物系高分子としては、キサンタンガム、デキストラン、プルラン等が挙げられる。前記天然水溶性高分子としては、コラーゲン、ゼラチン等の動物系高分子等が挙げられる。前記セルロース系高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース粉末等が挙げられる。
前記半合成水溶性高分子としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等が挙げられる。前記ビニル系高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系高分子としては、ポリエチレングリコール20,000、4,0,000、60,000等が挙げられる。前記合成水溶性高分子としては、ポリエチレンイミン等が挙げられる。前記無機の水溶性高分子としては、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラボナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
シリコーン類としては、揮発性シリコーン油、シリコーン樹脂、シリコーンガム、アルキル変性シリコーン等が挙げられ、また、前記N−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩としては、N−ラウリル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸モノトリエタノールアミン、N−ミリスチル酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−混合脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム等が挙げられる。
N−脂肪酸−N−メチルタウリン塩としては、ラウリン酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。前記N−脂肪酸サルコシン縮合物の塩としては、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム等が挙げられる。
他の界面活性剤としては、アシルサルコシンナトリウム、アシルグルタミン酸塩、アシル−β−アラニンナトリウム、アシルタウレート、ラウリル硫酸塩、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
乳化剤としては、グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
保湿剤としては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、マルチトール、ソルビトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−1,2−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン等が挙げられる。
抗菌剤としては、ヒノキチオール、ヘキサクロロフェン、ベンザルコニウムクロリド、トリクロロカルバニリド及びピチオノール等が挙げられる。血管拡張剤としては塩化カルプロニウム等が挙げられる。清涼感付与剤としては、メントール類等が挙げられる。刺激感付与剤としては、ニコチン酸ベンジル等が挙げられる。また、ビタミン類としては、ビタミンA、B、C、D、E等が挙げられる。
殺菌・防腐剤としては、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル等が挙げられる。キレート化剤としては、タンパク加水分解物、アミノ酸、植物抽出エキス、EDTA−Na等が挙げられる。pH調整剤としては、コハク酸、コハク酸ナトリウム、トリエタノールアミン等が挙げられる。
次に、本願にかかるU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液の他の用途である、皮膚用化粧品とメークアップ用化粧品について説明する。
[皮膚用化粧品]
皮膚用化粧品用の樹脂として使用する場合は、スキンクリーム、化粧水、乳液等の皮膚用化粧料品中に、本願にかかるU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を添加使用する。
[メークアップ用化粧品]
メークアップ用化粧品としては、例えば、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ等のアイメイク化粧料や、口紅、リップグロス、ファンデーション、及びメークアップルージュ等が例示でき、これらのメークアップ用化粧品は、本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液に、固形油剤、油脂、ワックス、シリコーンオイル等の等の油剤、顔料等の粉体成分、あるいは液状アルコール等の溶媒などの化粧料に通常用いられる材料をその用途・目的に応じて添加・混合することによって得られる。
ポリエーテルポリオールを使用したポリウレタンを用いたU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を用いる場合、前記顔料等の粉体成分としては、以下のようなものが例示できる。
(a)赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号などの色素、
(b)青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキなどのレーキ色素、
(c)ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末などの粉体状の高分子、
(d)黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青などの有色顔料、
(e)酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウムなどの体質顔料、
(f)雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタンなどのパール顔料、
(g)硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムなどの金属塩、
(h)シリカ、アルミナなどの無機粉体、
(i)ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、ラウロイルリジン、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など。
これらの粉体の大きさとしては、5nm〜100μmの範囲に入るものが好ましく、より好ましくは10nm〜50μmである。また、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)は、特に制限はない。
前記に例示される各種の粉体は、それぞれ個別に配合しても、また粉体配合剤の混合物として予め混合した上で配合しても構わない。
また、混合物の色を例えば肌色などの所望の色に調色したものを用いてもよく、さらに、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛などの紫外線散乱成分を添加して配合物に紫外線防御機能を付与することもできる。
前記固形油剤などの油剤成分としては、通常化粧料に用いられる揮発性又は不揮発性の油剤、溶剤、及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体状のいずれであっても構わない。
本発明に用いることができる油剤成分の例としては、例えば以下のようなものが例示される。
(a)イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸などの脂肪酸、
(b)ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチルなどの脂肪酸エステル類、
(c)流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、スクワランなどの高級炭化水素類、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックスなどのいわゆるロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油などの油脂類、
(d)ポリエチレンワックス、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレン、コポリマー等、中〜低分子量の合成高分子、
(e)環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリル変性シリコーン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸などのシリコーンオイル及びシリコーン化合物、
(f)パーフルオロポリエーテル、フルオロカーボン、フルオロアルコールなどのフッ素化合物類。
前記液状アルコール等の溶媒類としては、以下のようなものが例示できる。
(a)低級アルコール:エタノール、イソプロピルアルコール等、
(b)高級アルコール:セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等、
(c)多価アルコール:グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.3ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール等、
(d)その他の溶媒:水、軽質流動イソパラフィン、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、各種フロン類等。
その他、本発明の化粧料には、前記の各成分に加えて、通常化粧料に用いられる、フッ素化合物、各種の樹脂、界面活性剤、粘性付与剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機系を含む。UV−A、Bのいずれかに対応していてもよい)、生理活性成分、塩類、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤などの成分を、本発明の目的・効果を損なわない限り、適宜配合することができる。
また、ポリエーテルポリオールを使用したポリウレタンを用いたU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を用いる場合は、良好なセット効果と風合を有する、ヘアスプレー、ムース、セットローション、ジェル、スプレー等、各種の毛髪化粧料を提供することができる。
一方、ポリエステルポリオールを使用したポリウレタンを用いたU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液を用いる場合、これらのU/A樹脂は、得られる皮膜が柔軟であるため、皮膚用化粧料としても好ましく使用でき、例えばリキッドファンデーション、スキンクリーム、UVケアクリーム、及びスキンローション等にも用いることができる。
更に、耐油性が優れているという特徴から、油性成分が多く含まれる化粧料においても良好なフィルム形成能力を示すので、マスカラ、アイライナー等の用途にも適している。
なお本発明のU/A樹脂は、ネイルカラー等の前記以外の化粧料にも使用することができ、その場合は、それぞれの目的・用途に応じて、化粧料用のフッ素化合物、各種の樹脂、界面活性剤、粘性付与剤、防腐剤、香料、有機系/無機系の紫外線吸収剤、生理活性成分、塩類、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤などの成分を、本発明の目的・効果を損なわない限り、適宜配合することができる。
(3−2)その他の用途
本発明のU/A樹脂又はU/A樹脂水性分散液は、その耐油性、柔軟性、密着性、基材追従性、耐摩耗性等の特長を活かして、工業用塗料(特に自動車用塗料)、家庭用の塗料等の塗料やコーティング剤、保護皮膜形成剤、等に用いることができる。
以下、実施例を用いて、この発明をより具体的に説明するが、この発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
1.原材料
まず、使用する原材料について説明する。
<ポリオール>
・D1000…第一工業製薬(株)製:商品名 ハイフレックスD1000、ポリプロピレングリコール(C3ポリオール)、数平均分子量(Mn)=1000、OHV=111
・D2000…第一工業製薬(株)製:商品名 ハイフレックスD2000、ポリプロピレングリコール(C3ポリオール)数平均分子量(Mn)=2000、OHV=55.8
・N4073…日本ポリウレタン工業(株)製:商品名 ニッポラン4073、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とのポリエステルポリオール(1,6HD−AA)、数平均分子量(Mn)=2000、OHV=56.5
・P2012…(株)クラレ製:商品名 クラレポリオールP−2012、メチルペンタンジオールとアジピン酸/イソフタル酸の混合ポリエステルポリオール(MPD−AA−IP)(アジピン酸/イソフタル酸のモル比=1/1)、数平均分子量(Mn)=2000、OHV=55.8
・P1030…(株)クラレ製:商品名 クラレポリオールP−1030、メチルペンタンジオールとイソフタル酸のポリエステルポリオール(MPD−IP)、数平均分子量(Mn)=1000、OHV=111.3
なお、前記において、「OHV」は、水酸基価(OH Value)を意味し、単位は、「mgKOH/g」である。
<多価イソシアネート化合物>
・IPDI…デグサ・ジャパン(株)製:商品名 VESTANAT IPDI(イソホロンジイソシアネート)
<カルボキシル基含有多価ヒドロキシ化合物>
・Bis−MPA…パーストープ(株)製:ジメチロールプロピオン酸(カルボン酸含有ジオール)
・DMBA…Huzhou Changsheng Chemical Co., Ltd.製:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸
<重合禁止剤>
・MEHQ…和光純薬工業(株)製:2−メトキシヒドロキノン
<重合性単量体>
・MMA…三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート
・BA…三菱化学(株)製、n−ブチルアクリレート
<フッ素化合物>
・フッ素化合物1…メタクリル酸パーフルオロヘキシルエチル、ダイキン工業(株)製:C6SFMAモノマー、Tgの理論計算においては、これのホモポリマーのTgを30℃とした。
・フッ素化合物2…ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアラミド、日光ケミカルズ(株)製:FOMBLIN HC/SA−18
<ラジカル重合開始剤>
tBPO…化薬アクゾ(株)製:ジ−tert−ブチルパーオキサイド
<還元剤>
AsA…和光純薬工業(株)製:L−アスコルビン酸(試薬特級)
<塩基性化合物>
・KOH:水酸化カリウム…和光純薬工業(株)製(試薬)
2.試験方法
以下、それぞれの試験方法について説明する。
<ポリオールの数平均分子量>
水酸基価(OHV:単位mgKOH/g)から数平均分子量を以下の式に従って算出した。
ポリオールMn=水酸化カリウム式量(56.1)/原料のOHV×2×1000
なお、水酸基価(OHV)は、JIS K 1557−1によって測定した。
<ポリオール成分中の数平均分子量(Mn)が1000±200の範囲内の含有割合(以下、「Mn1000割合」と称する。)>
Mn1000割合は、下式に従って算出できる。
Mn1000割合(%)=Mn1000仕込み量/全ポリオール成分の仕込み量×100
ここで、「Mn1000仕込み量」とは、数平均分子量(Mn)が1000±200の範囲内のポリオール成分の仕込み量である。
<酸価の測定方法及び算出方法>
水酸化カリウムを用いる電位差滴定法(JIS K 0070)に従って測定した。この時、試料の質量としては「ポリウレタン量」を用いた。
また、例えば、ポリウレタンの製造に際して、その中和に水酸化カリウムを用いている場合は、塩交換が起きにくくなるため、前記JIS法による測定が困難になる場合がある。このような時は、下式に従ってポリウレタン1gあたりの「理論酸価」を算出して用いた。
理論酸価(mgKOH/g−ポリウレタン)=酸含有原料仕込モル数×56.1(KOH式量)/ポリウレタン量(g)×1000
<MFTの測定方法及び算出方法>
JIS K 6828−2を参照し、水性分散液を乾燥後、亀裂の無い均一皮膜が形成される最低温度を造膜温度(MFT)として測定した。
具体的には、日理商事(株)製:熱勾配試験機を用い、得られた水性分散液を0.2〜0.3mmの厚さになる様にアプリケータを使用して塗布し、水分を乾燥した後、連続フィルムと非連続フィルムの境界線に相当する温度をMFTとした。
<中和度>
得られたポリウレタンまたはウレタン−アクリル樹脂の中和度は、本明細書の第1中和工程や第2中和工程についての記載に示すように、仕込みに用いた(A)成分に基づくカルボキシル含有モル数とその中和に用いた中和剤(KOH等)の当量数とから計算で求めた。
なお、実験的には、通常用いられる中和滴定による酸成分の含有量と、(A)成分の仕込量とから求めることも可能である。
<ガラス転移温度(Tg)>
[(A)成分]
JIS K 7244−4に従って測定した。
[(B’)成分]
下記式(1)(FOX式)に従い、使用する重合性単量体の各々の単独重合体のTg及び重量分率から重合体のTgを算出した。
1/Tg=(Wa/Tga)+(Wb/Tgb)+(Wc/Tgc)+… (1)
但し、Tgは(共)重合体のガラス転移温度(K)、Tga、Tgb、Tgc等は各構成単量体a、b、c等の単独重合体のガラス転移温度(K)であり、Wa、Wb、Wc等は各構成単量体a、b、cの、共重合体中の重量分率を示す。
なお、前述の通り、Tgを「℃」で表記したい場合は、前記式で得られたTgの数値から「273」を減じればよい。
なお、もう一つの測定方法としてJIS K 7121に従って測定することもできる。
<皮膜物性>
[Stress−Strain(S−S)]
・樹脂単独のS−S
(1)試験片の作成
ポリプロピレン製の板上に、乾燥皮膜の厚さが200μmになるように試料(水分散液)を塗布し、室温で一夜放置して造膜する。得られた皮膜を剥離し、真空乾燥機で6時間乾燥する。
(2)評価方法
前記で得られた乾燥皮膜を0.5cm幅の短冊状に切り出し、オートコムC型万能試験機((株)キーエスイー製)を用い、23℃、50%RHの恒温恒湿室中で、チャック間隔2cm、引張速度200mm/分の条件で、100%モジュラス、最大強度、最大伸度を測定した。
・可塑剤(グリセリン)を配合したときのS−S
(1)試験片の作成
塗布する前の試料(水分散液)に、樹脂に対して10%のグリセリンを配合する点と、得られた皮膜を真空乾燥しない点を除いて、上記「樹脂単独のS−S」の(1)と同様に作成した。
(2)評価方法
上記「樹脂単独のS−S」の(2)と同様にして評価した。
<塗膜接触角>
アプリケータを用いて、得られた樹脂を100μmの厚さとなるように塗布し、室温で24時間乾燥して試験片を作成した。
JIS R 3257を参照し、水又はヘキサデカンを2μL滴下し、待機時間を1秒としてθ/2法で測定した。
なお、測定は、Drop Master DM−500(協和界面化学(株)製)を用いて行った。
<応用物性>
[C.R.:カールリテンション]
・高温高湿度下でのC.R.
毛髪サンプルに試料を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、下記の所定温度・湿度条件下で3時間経過後の、形態保持状態を観察する。
試料液として、得られた水溶液を固形分含量5重量%となるように水で希釈し、これを長さ23cm×重量2gの毛束に塗布量0.7gとなるように塗布した。この毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×2時間乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外して、30℃×90%RHの環境中に吊り下げて、3時間後のカール毛束の長さを測定し、下式よりカール保持率を算出した。
カール保持率(%)=(23−「3時間後の長さ」)×100/(23−「初期長さ」)
但し、「長さ」とは、カールした状態での毛束の長さをいう。
・水浸漬後のC.R.
上記「高温高湿度下でのC.R.」と同様にカール毛束を作成し、ロッドから外した後、水に8秒間浸漬させた。水から引き上げ、カール毛束表面の余分な水分を軽く拭き取った後、室温に吊り下げた。直後と30分後にカール毛束の長さを測定し、カール保持率を算出した。
[吸水性、速乾性]
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させた後、水に浸漬し、引き上げ直後と15分後の重量から、吸水性と速乾性をそれぞれ評価した。
上記「高温高湿度下でのC.R.」と同様にカール毛束を作成し、ロッドから外した後、水に3秒間浸漬させた。水から引き上げた直後に、カール毛束表面の余分な水分を軽く拭き取り重量を測定した。下式より重量変化率を算出し、吸水性を評価した。
重量変化率(%)={(水から引き上げ直後の重量)−(初期重量)}×100/初期重量
次いで、室温に15分置いた後、カール毛束の重量を測定した。下式より、水分保有率を算出し、速乾性を評価した。
水分保有率(%)={(水から引き上げ15分後の重量)−(初期重量)}×100/初期重量
[カール弾力]
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、カールの弾力を指触で確認した。
試料液は、得られた水分散液を固形分含量1重量%となるように水で希釈し、これを長さ23cm×重量2gの毛束に塗布量0.7gとなるように塗布した。
この毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃で2時間乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外し毛髪サンプルとした。この毛髪サンプルを指触にて感触に違いがあるか確認し、下記の基準で評価した。
○:弾力が感じられる。
△:やや弾力が感じられる。
×:弾力が感じられない。
[滑り感]
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、表面の滑り感(なめらかさ)を指触により評価した。
上記「カール弾力」における手順と同様にして作成した毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×30分乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外し毛髪サンプルとした。
○:なめらかで柔軟な感じである。
△:ややなめらかさが感じられる。
×:きしみ感がある。
[柔らかさ]
毛髪サンプルに試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、毛束の柔らかさを指触により評価した。
上記「カール弾力」における手順と同様にして作成した毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×30分乾燥し、得られたカールした毛束をロッドから外し毛髪サンプルとした。
◎:特に柔らかく、自然な質感である。
○:柔らかい感じである。
△:やや硬い感じがある。
[速乾性(指触感触)]
毛髪サンプル試料液を塗布し、カールさせた状態で乾燥させ、表面の乾燥状態を指触で評価した。
上記「カール弾力」における手順と同様にして作成した毛束を直径1cmのコールドロッドに巻き付け、50℃×20分乾燥した後、毛束をロッドから外す際の乾燥状態を指触で評価した。
○:乾燥している。
×:乾燥が不十分で、湿った感じがする。
3.実施例、比較例
(実施例1〜15)
温度計、攪拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表に記載のウレタン原料、アクリル原料、フッ素化合物1、フッ素化合物2及び重合禁止剤を所定量ずつ加え、内温を50℃にして混合した後、90℃に昇温し、この温度で5時間反応させて、(メタ)アクリル系重合性単量体中に分散した、イソシアネート基及びカルボキシル基を含有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得た。
続いて液温を50℃に保って表1及び表2に記載の中和剤(塩基性化合物)を所定量加えて、前記カルボキシル基含有ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基の全部又は一部を中和した。
次に、転相水(純水:DW)を表1及び表2に示す量で、内温を50℃に保ちながら、15分間かけて滴下して、エマルジョンを転相し、乳白色で透明性のある分散液を得た。
この分散液を50℃に保って、表1及び表2に記載の、アクリル重合触媒(重合開始剤及び還元剤)を所定量添加して、(メタ)アクリル系重合性単量体の重合を開始した。重合による発熱が終了した後、更に70℃に昇温して3時間維持して、ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂と未反応の重合性単量体とを含むウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液を得た。その結果を表1及び表2に示す。
(比較例1〜2)
初期仕込時にフッ化化合物を添加しない点を除いて、実施例1、4と同様の手順にて合成した。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2016148033
Figure 2016148033
(結果)
実施例1、2、4、6〜8、12〜15は、水浸漬後、引き上げ直後のカールリテンションが95%以上であり、耐水性に優れている。雨や発汗による化粧くずれを防止したい場合等に特に有効であると考えられる。
実施例1、9〜12、14は、毛束の感触が特に柔らかく、ヘアスタイリング剤等で自然な質感が必要な場合に特に有効であると考えられる。
実施例12は、耐水性と柔らかさを両立しており、高温高湿下でのカールリテンションも高い。さらには、可塑剤を配合した場合にも丈夫な皮膜を形成することから、油状成分を多く含む配合においても樹脂本来の機能を発揮できると考えられる。
実施例1〜4、6〜8、13、14においては、S−S最大伸度が100%以上であり、得られた皮膜は十分に柔軟であり、毛髪や皮膚に追従でき化粧料に使用可能であった。
一方、比較例2は、S−S最大伸度が100%未満であり、得られた皮膜は、硬く脆すぎる皮膜であった。
接触角は、フッ素化合物を用いることにより、実施例1〜4、13で向上した。また、特に実施例1、6、13〜15は、加熱することにより、接触角が更に向上しており、ドライヤー・ホットビューラーといった熱源を使うシーンが想定される化粧料に特に有効であると考えられる。

Claims (20)

  1. ポリウレタン成分((A)成分)及び(メタ)アクリル系樹脂((B)成分)から構成され、かつ、この(A)成分及び/又は(B)成分を構成する構成成分の少なくとも一部として、フッ素化合物を含有するウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  2. 前記の(A)成分と(B)成分との構成比は、重量比で、(A)/(B)=80/20〜30/70である請求項1に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  3. 前記フッ素化合物がフッ化アルキル(メタ)アクリル酸エステルを含む化合物である請求項1又は2に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  4. 前記ウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂の最低造膜温度が−20〜40℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  5. 前記(A)成分は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの少なくとも1種を含むポリオール成分と、多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンであって、
    前記ポリオール成分が、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール由来の構成単位を主成分として、かつ、数平均分子量が400以上、4000以下であるポリエーテルポリオールであるか、又は、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸由来の構成単位を有するポリエステルポリオールである請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  6. 前記(A)成分を構成するポリオール成分の数平均分子量の分布が、数平均分子量1000±200に最大値を有し、かつこの範囲のポリオール成分の含有割合が、ポリオール成分全体の1%以上である請求項5に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  7. 前記(A)成分中のポリオール成分が、数平均分子量が相異なるポリオール成分及び/又はその構成単位が相異なるポリオール成分である、少なくとも2種のポリオール成分と多価イソシアネート成分とから得られるポリウレタンである請求項5に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  8. 前記複数種のポリオールのうち、数平均分子量が最も小さいポリオールの数平均分子量は、400以上、1200以下である請求項7に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  9. 前記のポリオール成分が、アルカン部分の炭素原子数が1〜6の範囲にあるジメチロールアルカン酸を含有する請求項5〜8のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  10. 前記ジメチロールアルカン酸がジメチロールプロピオン酸及び/又はジメチロールブタン酸であることを特徴とする請求項9に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  11. 前記(A)成分中におけるジメチロールアルカン酸からなるジカルボン酸由来の構成単位の含有割合が0.05重量%以上、50重量%以下である請求項9又は10に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  12. 前記(A)成分のガラス転移温度(Tg)が−60℃以上、250℃以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  13. 前記(A)成分の酸価が15〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  14. 前記(A)成分の最頻分子量(Mwp)が、10000以上、200000以下である請求項5〜13のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  15. 前記(A)成分中に含まれるカルボキシル基が、塩基性化合物により100%以上中和されている請求項5〜14のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  16. 前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)が0℃以上、120℃以下である請求項1〜15のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂が水性媒体中に乳化分散されてなる複合樹脂水性分散液。
  18. ポリウレタン((A)成分)の存在下で、(メタ)アクリル系単量体((B’)成分)を乳化重合することを特徴とする請求項17に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液の製造方法。
  19. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂、請求項17に記載のウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液、又は請求項18に記載の製造方法で製造されるウレタン−(メタ)アクリル複合樹脂水性分散液を含有することを特徴とする化粧料。
  20. 用途が毛髪用、アイメイク用、皮膚用、ファンデーション用、口紅及びネイルカラー用から選ばれる少なくとも1種である請求項19に記載の化粧料。
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