以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムが一台のゲーム機として構成される場合の全体構成を説明する。図1は、ゲーム機1の外観を示す斜視図である。ゲーム機1は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。
ゲーム機1は、景品の獲得を目的にプレイされるプライズゲーム(景品獲得ゲーム)として構成される。プレイズゲームは、ユーザのプレイ行為に応じて動作する各種の動作手段を介して遊技体(景品自体の場合も多いが、景品とは別の媒介物が使用される場合もある)が所定位置まで移動した場合に景品をそのユーザに付与するタイプのゲームである。ゲーム機1は、このような動作手段としてそれぞれ機能する複数のベルトコンベアBCを利用している。具体的には、ゲーム機1は、筐体2を備えている。筐体2には、ベルトコンベアユニット3と、押しボタン4と、排出口5と、収容部6と、が設けられる。押しボタン4は、ユーザのプレイ行為として押す操作が入力される周知の入力装置である。押しボタン4への押す操作によってベルトコンベアユニット3の動作が制御される。押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係は後述する。
収容部6は、遊技体を収容するための部分であり、筐体2の内部に形成される空間である。収容部6は、アクリル或いはガラス等の内部を視認可能な透明な素材によって外部と内部とが仕切られ、外部から内部が視認可能なように構成される。収容部6の底面には、排出口5とつながる開口7が設けられる。つまり、収容部6は、開口7を介して排出口5とつながっている。排出口5は、開口7を介して収容部6に収容された遊技体を筐体2の外部に排出する(払い出す)ための開口である。排出口5から遊技体が排出された場合には、ユーザに景品が付与される。つまり、排出口5は、景品を付与するための所定位置として機能する。
ベルトコンベアユニット3は、複数のベルトコンベアBCを有し、各ベルトコンベアBCを通じて被搬送物を所定方向に搬送する周知の装置である。ベルトコンベアユニット3は、複数のベルトコンベアBCが収容部6の底面を形成するように筐体2の内部に設けられる。また、ベルトコンベアユニット3は、所定方向の先に開口7が位置するように配置される。そして、各ベルトコンベアBCの所定方向への動作を通じて収容部6の遊技体が開口7に向かって搬送される。より具体的には、ベルトコンベアユニット3は、押しボタン4に対する押す操作に応じて、収容部6の底面を形成する各ベルトコンベアの上に位置する遊技体を開口7に向かって搬送するように動作する。ベルトコンベアユニット3の詳細は後述する。
なお、図1の例では、筐体2の内部には二つのベルトコンベアユニット3が設けられ、それらのベルトコンベアユニット3にそれぞれ対応するように二つの開口7、二つの排出口5、及び二つの押しボタン4が設けられている。しかし、ベルトコンベアユニット3等の数はそれらの形態(サイズや形状等)及び収容部6の形態等に応じて適宜に設定されてよい。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4の数は、ベルトコンベアユニット3の数と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。つまり、一つの開口7及び一つの押しボタン4が複数のベルトコンベアユニット3に対応するように設けられてもよい。開口7、排出口5、及び押しボタン4の関係も同様である。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4は、同様に筐体2の前方(ユーザがプレイする側、換言すればベルトコンベアユニット3が遊技体を搬送する所定方向)に設けられている。しかし、開口7、排出口5、及び押しボタン4の配置位置は適宜でよい。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4の配置位置は、互いに一致していても、一致していなくてもよい。さらに、ベルトコンベアユニット3の搬送方向(所定方向)は水平方向(図1の例の前方)に限定されない。例えば、一つの開口を挟むように収容部6の左右両端側に二つのベルトコンベアユニット3が配置されてもよい。この場合、二つのベルトコンベアユニット3は、中央の開口7に向かって水平方向に遊技体を搬送するように水平に配置されてもよいし、斜め上方に徐々に傾斜を登るように斜めに配置されてもよい。また、各ベルトコンベアBCの搬送方向は相違していてもよい。具体的には、例えば二つの開口7が互いに反対の位置に配置されている場合には、二つのベルトコンベアBCはそれらの開口7に向かってそれぞれ搬送するように互いに反対方向に配置されてもよい。つまり、ベルトコンベアユニット3等の配置は適宜でよい。
次に、図2〜図5を参照して、ベルトコンベアユニット3の詳細について説明する。図2は、筐体2から取り外された状態の一台のベルトコンベアユニット3を示す斜視図である。図2に示すように、ベルトコンベアユニット3は、一台の装置として構成され、筐体2からの取り外し及び取り付けが可能に構成される。ベルトコンベアユニット3には、10個のベルトコンベアBCが設けられる。各ベルトコンベアBCは、他のベルトコンベアBCの影響を受けず、独立して動作可能に構成される。また、ベルトコンベアユニット3には、二つのLEDユニット8が設けられる。各LEDユニット8には互いに各ベルトコンベアBC間の間隔と同じ間隔をあけるように複数の判定部としての10個のLED表示部9が設けられる。そして、二つのLEDユニット8は、各LEDユニット8の各LED表示部9によって各ベルトコンベアBCを挟むように、10個のベルトコンベアBCの前後に配置される。つまり、前後の二つのLED表示部9によって一つのベルトコンベアBCを前後で挟むように、二つのLEDユニット8は配置される。
各LED表示部9は、点灯及び消灯を通じて、10個のベルトコンベアBCのうちの駆動対象のベルトコンベアBCを特定するために使用される。具体的には、前後の二つのLED表示部9は、その間に位置するベルトコンベアBCに対応付けられる。そして、点灯中のLED表示部9によって挟まれるベルトコンベアBCが駆動対象として特定され、実際に駆動する。LED表示部9と駆動対象のベルトコンベアBCとの関係は、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係と合わせて後述する。
図3は、図2のベルトコンベアユニット3を正面から見た場合を示す正面図である。図3に示すように、各LED表示部9は、複数の量表示部としての3つのインジケータ部10を有している。3つのインジケータ部10は、各LED表示部9に対応するベルトコンベアBCの動作量を示すインジケータとして機能する。具体的には、各インジケータ部10は、5つのボックス10aによって構成される。各ボックス10aは、下方に向く矢印型に形成される。各ボックス10aの内部にはLEDが設けられ、ボックス10a毎に点灯及び消灯が可能に構成される。つまり、各LED表示部9は、各インジケータ部10の各ボックス10aを介して点灯及び消灯するように構成される。そして、各インジケータ部10は、点灯状態のボックス10aの数によりベルトコンベアBCの動作量をユーザに報知する。各インジケータ部10の点灯状態とベルトコンベアBCの動作量との関係も、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係と合わせて後述する。
図4は、図3の例のIV−IV線に関する断面を右側から見た場合の断面図である。図4に示すように、各ベルトコンベアBCは、輪状のベルトBC1の両端において内側に巻きつけられた2つのローラBC2とともに回転するベルトBC1により所定方向にベルトBC1上の物を搬送する周知の機構を有している。各ベルトコンベアBCの下には、モータ11が設けられる。モータ11は、各ベルトコンベアBCを駆動するための駆動源として機能する。具体的には、モータ11には、タイミングプーリ12がロータ部分に同軸的に取り付けられている。そして、このタイミングプーリ12がロータ部分の回転に伴い回転駆動する。つまり、タイミングプーリ12がモータ11の駆動力の出力先として機能し、モータ11によってまずタイミングプーリ12が回転駆動させられる。また、タイミングプーリ12は、ベルトコンベアBCのベルトBC1の下側に接触するように配置される。そして、タイミングプーリ12は、ベルトBC1との接触に伴う抵抗(摩擦力)を利用してベルトBC1を回転させるように駆動する。このようにしてモータ11は、各ベルトコンベアBCを駆動させる。なお、ベルトコンベアBC、及びその駆動方法等は適宜に構成されてよい。
図5は、図2のベルトコンベアユニット3を下方から見た場合を示す平面図である。図5に示すように、一つのベルトコンベアユニット3には、10個のモータ11が10個のベルトコンベアBCの下にそれぞれ配置される。また、これらのモータ11は、5個ずつの2つのグループ11Gに分けられる。一方のグループ11G1はタイミングプーリ12が左側に位置するように配置されるグループであり、他方のグループ11G2はタイミングプーリ12が右側に位置するように配置されるグループ11Gである。各グループ11Gのモータ11は一つ飛びに各ベルトコンベアBCを駆動させるように位置する。具体的には、一方のグループ11G1は左から一つ目、3つ目といった奇数番目の各ベルトコンベアBCを、他方のグループ11G2は左から2つ目、4つ目といった具合に偶数番目の各ベルトコンベアBCを、それぞれ駆動させるように位置する。このように各モータ11は、スペースを有効活用するために、向きが互い違いになるように配置される。
また、各モータ11には、タイミングプーリ12の回転数(回転量)を計測するための周知の計測装置13が設けられている。計測装置13は、タイミングプーリ12と一体的に回転するように、タイミングプーリ12と同様にモータ11のロータ部分14に同軸的に取り付けられる。タイミングプーリ12の回転数は、ベルトBC1の移動幅(遊技体の運搬幅、或いは動作量)に対応する。このため、計測装置13は、ベルトBC1の移動幅の計測に使用される。
次に、図6参照してゲーム機1の制御系の要部を説明する。ゲーム機1には、コンピュータとしての制御ユニット21と、記憶手段としての記憶部22と、上述のベルトコンベアユニット3と、押しボタン4と、が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPGとの組合せによって実現される論理的装置として、表示制御部23及び駆動制御部24が設けられる。表示制御部23はLED表示部9の動作を、駆動制御部24はモータ11の動作を、それぞれ制御するための各種の処理を実行する。このような処理には、表示制御処理及び駆動制御処理が含まれる。表示制御処理及び駆動制御処理の手順は後述する。
記憶部22、ベルトコンベアユニット3、及び押しボタン4はいずれも制御ユニット21に接続される。そして、ベルトコンベアユニット3の各LED表示部9の表示及び各モータ11の動作は制御ユニット21によって制御される。より具体的には、各LED表示部9は表示制御部23によって動作が制御され、各モータ11は駆動制御部24によって動作が制御される。このため、各LED表示部9に含まれる各インジケータ部10の各ボックス10aの点灯及び消灯(後述の配色の変化、及びその停止を含む)は表示制御部23からの出力信号によって制御される。同様に、各モータ11は駆動制御部24からの出力信号に従って動作し、そのような動作に伴いベルトコンベアユニット3の各ベルトコンベアBCが動作する。つまり、モータ11を介して各ベルトコンベアBCの動作が駆動制御部24によって制御される。また、各モータ11の計測装置13の計測結果及び押しボタン4に対する押す操作の結果も制御ユニット21に出力される。つまり、計測装置13及び押しボタン4は、計測結果或いは操作結果に対応する信号を制御ユニット21に入力する入力装置の一種として機能する。より具体的には、計測装置13の計測結果は、駆動制御部24に出力され、各モータ11の駆動の制御、換言すれば各ベルトコンベアBCの動作の制御に使用される。一方、押しボタン4に対する押す操作の結果は、表示制御部23及び駆動制御部24の両方に出力される。そして、表示制御部は、その出力結果を各LED表示部9、換言すれば各インジケータ部10の各ボックス10aの点灯制御に使用する。また、駆動制御部24は、その出力結果を各モータ11の駆動の制御、換言すれば各ベルトコンベアBCの動作の制御に使用する。
記憶部22は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22には、上述したプログラムPGとともに、各種のデータが記録されるが、図6の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPGに従ってユーザにプライズゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDには、例えばBGMを再生するためのBGMデータが含まれる。なお、ゲーム機1には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。このような入力装置には、例えば、プライズゲームのプレイに必要な対価を徴収するための周知の対価徴収機構が含まれる。対価徴収機構は、所定の対価として、例えば所定量のコイン(紙幣、及びメダル等の代用貨幣を含む)を徴収するように構成されてよいし、電子通貨(各種ポイントを含む)等のその他の各種の価値を徴収するように構成されてもよい。しかし、これらの図示は省略した。
次に、プライズゲームの遊び方とともに、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係について説明する。図7は、プライズゲームの遊び方を説明するための説明図である。図7の例は、遊技体として景品30自体が利用される場合を示している。このような場合、排出口5から景品30自体が排出され、そのような排出を通じてユーザに直接景品30が付与される。また、この場合、図7に示すように、景品30は、複数のベルトコンベアBCに跨って位置するようにベルトコンベアユニット3の上に置かれる。つまり、各部位がベルトコンベアBCの搬送面DAと接触するように景品30が直接的に搬送面DAに配置される。具体的には、ベルトコンベアユニット3は互いに独立的に駆動可能な10個のベルトコンベアBCを含んでいるため、各ベルトコンベアBCの個別の搬送面DA(上側の面)の集合によりベルトコンベアユニット3の搬送面DAが形成され、このような搬送面DAが景品30の配置面(収容部6の底面)として機能する。結果として、ベルトコンベアユニット3の搬送面(以下、配置面DAGと呼ぶ場合がある)には10個のベルトコンベアBCにそれぞれ対応する10個の搬送面DAが形成され、各搬送面DAに区分される。景品30は、このような10個の搬送面DAの複数の搬送面DAに跨るように配置される。
一方、各LED表示部9の各インジケータ部10は、各LED表示部9に対応するベルトコンベアBCの動作量を示すように点灯する。具体的には、各LED表示部9の各インジケータ部10は、上述のとおりボックス10aの数によりベルトコンベアBCの動作量を報知する。このため、各インジケータ部10は、点灯中のボックス10aの数が相違するように点灯する。さらに、各インジケータ部10は、動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量の特定に使用される。具体的には、各インジケータ部10は、順に別の配色(視覚的に相違して見える意図であり、単なる輝度の上昇を含む)の点灯に変化し、その配色の変化は押しボタン4への押す操作によって停止する。そして、別の配色の点灯で停止したインジケータ部10を含むLED表示部9に対応するベルトコンベアBCが動作対象として、そのインジケータ部10が示す動作量がそのベルトコンベアBCの動作量として、それぞれ特定される。
図7の例では、点灯中のインジケータ部10が左斜線で示されている。具体的には、各LED表示部9の3つのインジケータ部10のうち、中央のインジケータ部10において5つのボックス10a(全部)が、その左右両隣のインジケータ部10において3つのボックス10aが、それぞれ点灯している。この場合、中央のインジケータ部10が最大の動作量を、その左右両隣のインジケータ部10が互いに同じ最大量の半分強の動作量を、それぞれ示している。つまり、3つのインジケータ部10によって2種類の動作量が示されている。また、右から4番目のLED表示部9の中央に位置するインジケータ部10は、別の配色を示すように右斜線で示されている。つまり、押しボタン4への押す操作によって、この右から4番目のLED表示部9の中央に位置するインジケータ部10(以下、位置にかかわらず、このような別の配色のインジケータ部10を別色インジケータ部10Sと呼ぶ場合がある)において配色の変化が停止している。この場合、この4番目のLED表示部9に対応する右から4番目のベルトコンベアBCが動作対象として特定され、この別色インジケータ部10Sが示す最大量の動作量で動作する。この例において、動作対象の右から4番目のベルトコンベアBCが本発明の一部の動作手段として機能する。また、押しボタン4を押す操作が本発明の一つの共通のプレイ行為として利用され、そのような押す操作が本発明の停止行為として機能する。結果として、そのような押す操作が本発明の一部特定行為及び動作量特定行為の両方として機能する。さらに、各インジケータ部10における点灯中のボックス10aの数が本発明の動作量情報として機能する。また、別の配色の点灯及び通常の点灯が本発明の対象特定情報及び非特定情報としてそれぞれ機能する。同様に、別色インジケータ部10Sが本発明の一部情報及び対象特定情報を提示する判定部として機能する。そして、別色インジケータ部10Sにおいて点灯中のボックス10aの数、及びそれ以外のインジケータ部10において点灯中のボックス10aの数が、本発明の量特定情報及び非量特定情報として、それぞれ機能する。
また、図7の例では、景品30は、平坦ではなく、凹凸を含む形態を有している。このため、景品30は、配置面DAGの一部にしか接触していない。具体的には、景品30は、左から4番目、5番目、及び7番目の3つのベルトコンベアBCの搬送面DA(説明の便宜のためドット柄に配色)にしか接触しておらず、これらの3つの搬送面DAにおいてその荷重を下方から支えている。つまり、景品30は、これらの3つの搬送面DAにより実質的に支持されている。このため、景品30の搬送(移動、或いは変位)には、これらの3つの搬送面DAを有するベルトコンベアBCだけが関与することになる。結果として、この例の場合、景品30の搬送(獲得)のためには、押しボタン4の操作を通じて、これらの3つのベルトコンベアBCをより大きく動作させることがユーザに要求される。つまり、これらの搬送面DAに接触する景品30の一部ずつをこれらの3つのベルトコンベアBCの動作を通じて搬送するプレイがユーザには要求される。一方で、景品30の形態等により、これらの3つのベルトコンベアBCの間でも荷重の分布が均一になるとは限らない。このため、3つのベルトコンベアBCの全部を動作させなければ、景品30の全体が移動しない(開口7に向かわない)ということはなく、荷重分布の高いベルトコンベアBCの動作により景品30の全体が大きく移動する場合もある。結果として、これらのベルトコンベアBCに間の荷重の分布(例えば荷重分布の高いもの、換言すればより景品30の搬送に関与し得るもの)に関する推測もユーザに要求される。さらに、このように各ベルトコンベアBCによって景品30の一部ずつが支持されることから、景品30の各部分の搬送度合いにも当然相違が生じ得るし、各部分を支えるベルトコンベアBCも搬送度合いに応じて変化するかもしれない。このため、このような変化を考慮したプレイもユーザには要求される。この例において、10個のベルトコンベアBCにそれぞれ対応する10個の搬送面DAが本発明の複数の領域としてそれぞれ機能する。また、景品30の搬送と関与するように景品30と接触している左から4番目、5番目、及び7番目の3つのベルトコンベアBCが本発明の二以上の動作手段として機能する。同様に、これらのベルトコンベアBCにそれぞれ対応する3つの搬送面DAが本発明の二以上の領域として機能する。
なお、配置面DAGには、複数の搬送面DAに跨る限り、適宜の形態(大きさや形状等)の景品30(遊技体)が配置されてよい。あるいは、反対に適宜の形態の景品30が配置されるように適宜の形態のベルトコンベアユニット3が使用されてよい。また、ユーザの視覚的に複数の搬送面DAに跨るように見える(あるいはそのような可能性がある)限り、実際に景品30と接触(或いは景品30の荷重負担を行う)ベルトコンベアBCは一つだけであってもよい。景品30の搬送に関与するベルトコンベアBCについても同様である。つまり、ユーザの視覚的に複数の搬送面DAが景品30の搬送に関与しているように見える(あるいはそのような可能性がある)限り、実際に景品30の搬送に関与している(荷重を負担している)ベルトコンベアBCは一つだけであってもよい。複数の搬送面DAに跨る、或いは複数の搬送面DAが搬送に関与するといった説明の意図は、このように解釈されてよい。
また、インジケータ部10の配色の変化は、一つずつ生じる形態に限定されない。例えば、このような変化は、複数のベルトコンベアBCに同時に生じ、押しボタン4への一度の押す操作により複数のインジケータ部10が別色インジケータ部10Sとして機能するように停止してもよい。つまり、インジケータ部10の配色の変化は、一つ以上のベルトコンベアBCを示すように適宜に生じてよい。さらに、複数のインジケータ部10が別色インジケータ部10Sとして機能する場合、複数の別色インジケータ部10Sにそれぞれ対応する複数のベルトコンベアBCは、全部が一度に動作してもよいし、個別に順に動作してもよい。所定の対価に伴い複数のプレイ回数が提供される場合の複数のプレイ回数に対応する複数の動作対象のベルトコンベアBCについても同様である。つまり、複数のプレイ回数に対応する複数の動作対象のベルトコンベアBCは、プレイ回毎に順に個別に動作してもよいし、全プレイ回数分の動作対象のベルトコンベアBCを決定した後にそれらの全動作対象のベルトコンベアBCを同時に動作させてもよい。つまり、そのような複数の動作対象のベルトコンベアBCは、適宜の時期に動作してよい。複数のベルトコンベアGCが動作対象のベルトコンベアBCとして特定される場合、そのような複数のベルトコンベアGCが本発明の二以上の動作手段として機能する。
図8〜図10を参照して、プレイズゲームの流れとともに、各LED表示部9と駆動対象のベルトコンベアBCとの関係、及び各インジケータ部10の点灯状態とベルトコンベアBCの動作量との関係について更に説明する。プレイズゲームは、所定の対価の徴収とともに所定回のプレイが提供される。具体的には、所定の対価の徴収に伴い、まず各インジケータ部10の配色の変化が開始され、その変化が押しボタン4への押す操作によって停止する。続いて、その停止位置に応じて駆動対象のベルトコンベアBC及びその動作量が決定され、実際のその駆動対象のベルトコンベアBCがその動作量で駆動する。これらの配色の変化の開始から実際にベルトコンベアBCが駆動するまでを1回として、これらが繰り返し所定回提供される。一例として、このような流れでプレイズゲームは提供される。
図8は、各LED表示部9と駆動対象のベルトコンベアBCとの関係を説明するための説明図である。図8に示すように、対価の徴収(例えばコインの対価徴収機構への投入)に伴い、各インジケータ部10は左端から順に一つずつ配色が変化する。換言すれば、配色の変化が左端から右端に向かって順に移動するように、各インジケータ部10は点灯する。また、この配色の変化は、右端まで到達した場合、再度左端に生じ、同様に右端に向かって移動する。つまり、配色の変化は、左端から右端に向かって一方向に循環するように繰り返し生じる。さらに、このような配色の変化は、複数のベルトコンベアユニット3がゲーム機1に設けられている場合には、ベルトコンベアユニット3毎に所定の順番で生じる。例えば、二つのベルトコンベアユニット3が左右に並ぶように配置されている場合、左端のベルトコンベアユニット3の各インジケータ部10から右端のベルトコンベアユニットの各インジケータ部10の順番に生じる。つまり、二つのベルトコンベアユニット3を跨ぐように、一番左端のインジケータ部10から一番右端のインジケータ部10に向かって順に生じる。一方、この配色の変化は、押しボタン4が押された場合、つまり押しボタン4に押す操作(以下、停止操作と呼ぶ場合がある)が実行された場合に、その操作時期に対応するように停止する。そして、配色の変化が停止したインジケータ部10を含むLED表示部9に対応するベルトコンベアBCが駆動対象のベルトコンベアBCとして特定される。
なお、図8の例では各ベルトコンベアBCを挟むように上下に位置する二つのLEDユニット8(図3参照)のうち下側のLEDユニット8のみ示されているが、上側のLEDユニット8も下側のLEDユニット8と同様に動作する。つまり、二つのLEDユニット8は互いにシンクロするようにいずれも同じ動作を実行する。景品30は随時移動しているため、いずれか一方が景品30によって隠される(ユーザに見えない)場合が生じる可能性もあるが、このような場合が仮に生じたとしても他方の表示によって配色の変化等が報知される。つまり、前後のLEDユニット8は、いずれか一方の不備を他方がサポートするように互いに同じ表示を提示する。また、各LED表示部9の配色の変化は、適宜に生じてよい。例えば、各LED表示部9の配色の変化は、循環ではなく折り返すように生じてもよい。具体的には、ベルトコンベアユニット3に含まれる全インジケータ部10の配色の変化は、左端から右に向かって順に生じ、右端に到達した後にはそこから折り返すように改めてその右端のインジケータ部10から左端のインジケータ部10に向かって生じてもよい。複数のベルトコンベアユニット3が存在する場合にも、全ベルトコンベアユニット3の全インジケータ部10において左端から右端に向かって生じ、右端のベルトコンベアユニット3の右端のインジケータ部10に到達した後にそこで折り返すようにそこから左端のベルトコンベアユニット3の左端のインジケータ部10に向かって生じてよい。あるいは、このような配色の変化は全インジケータ部10においてランダムに順に変化してもよい。
さらに、各LED表示部9の配色の変化は、適宜の数のインジケータ部10に生じてよい。例えば、このような配色の変化は、二つのインジケータ部10毎に生じてもよい。また、このような二つのインジケータ部10は、連続していてもよいし、連続していなくてもよい。これらのインジケータ部10の配色の変化は、一度の停止操作により停止されてもよいし、インジケータ部10毎に二度の停止操作により停止されてもよい。そして、各インジケータ部10の動作量によりそのインジケータ部10に対応するベルトコンベアBCが動作してよい。具体的には、配色の変化した二つのインジケータ部10が二つのベルトコンベアBCに対応する場合それらの二つのベルトコンベアBCがそれぞれのインジケータ部10に対応する動作量で動作してよい。あるいは、配色の変化した二つのインジケータ部10が一つのベルトコンベアBCに対応する場合、二つのインジケータ部10がそれぞれ示す動作量の合算量でその一つのベルトコンベアBCが動作してもよい。もしくは、このように一つのベルトコンベアBCにおいて配色の変化が停止した場合には、別途動作量等に特典が付与されてもよい。つまり、合算量以上の動作量でその一つのベルトコンベアBCは動作してもよい。
さらに、各LED表示部9はベルトコンベアBC毎に一つずつ対応する構成に限定されない。例えば、複数のベルトコンベアBCに対応するLED表示部9が設けられてもよい。具体的には、ベルトコンベアユニット3には、二つのベルトコンベアBCの間に二つのベルトコンベアBCに対応するLED表示部9が設けられていてもよい。そして、このようなLED表示部9の各インジケータ部10において配色の変化が停止した場合には、そのLED表示部9に対応する二つのベルトコンベアBC(例えば両側のベルトコンベアBC)が配色の停止したインジケータ部10の動作量で動作してもよい。つまり、通常一つのインジケータ部10の動作量で一つのベルトコンベアBCが動作するところ、2倍の動作量に相当する二つのベルトコンベアBCが動作してもよい。このように各ベルトコンベアBCの動作量には適宜の特典が設けられてもよい。一方、このような特典(複数のベルトコンベアBCが動作する場合には単独で動作する場合に比べて景品30の搬送効率が上がる可能性が高いため、複数のインジケータ部10に配色の変化を生じさせる場合を含んでよい)は、追加的に対価(例えば、通常のプレイの2倍の対価、或いは1.5倍の対価等)が徴収された場合に限定されてもよい。また、ベルトBC1自体が、このようなLED表示部9として機能してもよい。具体的には、このようなLED表示部9、若しくはそれと同等の表示部(動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示すもの)がベルトBC1自体に設けられてもよい。例えば、このような同等の表示部として、動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示す情報(例えば単なる光の有無や配色の変化等を含む)をベルトBC1に投影するプロジェクタ等が利用されてよい。つまり、このようなプロジェクタ等を介して、ベルトBC1自体が動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示す表示部として機能してもよい。
図9は、各インジケータ部10の点灯状態とベルトコンベアBCの動作量との関係を説明するための説明図である。図9に示すように、5つのボックス10a(全部)が変色状態で点灯している場合(5つのボックス10aが点灯しているインジケータ部10が別色インジケータ部10Sである場合)の方が、3つのボックス10aが変色状態で点灯している場合(3つのボックス10aが点灯しているインジケータ部10が別色インジケータ部10Sである場合)よりも動作量が多い。具体的には、一つのボックス10aに所定の動作量が割り当てられるため、3つのボックス10aが変色状態で点灯している場合、3つのボックス10a分の動作量だけベルトコンベアBCは駆動する。また、ベルトコンベアBCの搬送面DAが所定方向に移動する移動幅(ピッチ量)40は、このような動作量に応じて決定されるため、3つのボックス10aが変色状態で点灯している場合の移動幅40Aは、5つのボックス10a(全部)が変色状態で点灯している場合の移動幅40B(3つ分の移動幅40Aの約1.7倍)よりも当然小さい。景品30は移動幅40に応じて元の位置OPから移動する。このため、5つのボックス10aが点灯しているインジケータ部10で配色の変化が停止された方が、例えば同じ一つのベルトコンベアBCに重心が位置している場合等、同じ荷重分布のベルトコンベアBCが駆動する場合には、より開口7に近づくように景品30を搬送することができる。このため、より動作量の多いインジケータ部10(5つのボックス10aが点灯しているインジケータ部10)で配色の変化を停止させるような停止操作がユーザには要求される。
なお、3つのインジケータ部10の動作量の割当は適宜でよい。例えば、左側のインジケータ部10では2つのボックス10aが、右側のインジケータ部10では3つのボックス10aが、中央のインジケータ部10では4つのボックス10aが、それぞれ点灯していてもよい。また、3つのインジケータ部10のうち、最大の動作量を示すインジケータ部10は中央に限定されない。このようなインジケータ部10は、左右を含む適宜の位置に配置されてよい。また、点灯中のボックス10aに対応する動作量も適宜でよい。つまり、一つのボックス10aに所定の動作量が割り当てられ、各インジケータ部10が示す動作量は点灯中のボックス10aの数に線形で対応する構成に限定されない。各インジケータ部10が示す動作量は点灯中のボックス10aの数に応じて適宜に割当られてよい。
さらに、各LED表示部9に含まれるインジケータ部10の数も3つに限定されず、適宜でよい。あるいは、LED表示部9毎のインジケータ部10の代わりに、全LED表示部に対応する一つのインジケータが設けられていてもよい。この場合、そのようなインジケータでは経過時間に従い動作量を示す目盛り(ボックス10aと同様のボックス型のものを含む)の量が変化してよい。そして、停止操作によりそのような目盛りの変化が停止されてもよい。あるいは、全LED表示部に共通の一つの数値表示部が設けられ、経過時間に従って変化する数値表示部の数値の変化が停止操作によって停止されてもよい。そして、その停止時の数値が動作量として機能してもよい。この場合、このような数値の情報が本発明の動作量情報として機能してよい。結果として、動作量を示すインジケータとそれに対応するように動作するベルトコンベアBCの数とは、1対1に限定されず、適宜の比率で対応していてよい。LED表示部に関しても同様である。つまり、複数のLED表示部の代わりに、例えば各ベルトコンベアBC示す数値等の情報を提示する一つの表示部が設けられ、その情報が停止操作によって一部のベルトコンベアBCを示す情報に停止するように変化してもよい。この場合、このような数値の情報が本発明の一部情報として機能してよい。
また、ベルトコンベアユニット3には各種の形態の景品30が配置される可能性がある。例えば、同じ形状であってもサイズの大きい景品30が配置される場合もあれば、サイズの小さい景品30が配置される場合もある。サイズの小さい景品30の場合、サイズの大きい景品30に比べて相対的に開口7までの距離が遠くなる傾向にある。このため、このような場合、サイズの小さい景品30のときの動作量をサイズの大きい景品30のときの動作量よりも大きくしなければ、ユーザに不公平感(あるいは1回のプレイに関する相対的な価値の低下)を招いてしまう可能性がある。このため、点灯中のボックス10aの数に応じた動作量は、ゲーム機1の管理者(例えばそのゲーム機1の所有者、あるいは所定の施設の運営者等)によって適宜に変更可能に構成される。なお、例えばゲーム機1に景品30の大きさを検知可能なセンサが設けられる場合には、そのようなセンサの検出結果に応じてゲーム機1(制御ユニット21)がこのような動作量の設定を自動で行ってもよい。景品30の大きさ以外の要素で動作量が変更される場合も同様である。
図10は、点灯中のボックス10aの数が同じインジケータ部10において生じ得る動作量の変化を説明するための説明図である。図10に示すように、点灯中のボックス10aの数が同じインジケータ部10の場合であっても、管理者の設定に応じて移動幅40は変化する。具体的には、点灯中のボックス10aの数が同じインジケータ部10の場合であっても、ベルトコンベアユニット3に大きな景品30が配置されている場合の移動幅40Cは、小さい景品30が配置されている場合の移動幅40Dよりも小さくなるように、点灯中のボックス10aの数に応じた動作量は設定される。このように各ベルトコンベアBCの動作量は管理者によって適宜に変更可能に構成される。なお、動作量の設定は、景品30の大きさが変化する場合に限定されず、適宜の場合に実行されてよい。
次に、図11及び図12を参照して、表示制御処理、及び駆動制御処理の手順について説明する。表示制御処理、及び駆動制御処理はいずれも制御ユニット21によって実行される。表示制御処理は、各LED表示部9の表示を制御するための処理である。より具体的には、点灯中の各インジケータ部10の配色を所定の順番で変化させるとともに、停止操作に伴いその変化を停止させるための処理である。また、表示制御処理は、制御ユニット21の表示制御部23によって実行される。表示制御部23は、所定の変化開始条件が満たされた場合(例えば上述のとおりコイン等の対価が徴収された場合)に図11の表示制御処理を開始し、まず上下の両方のLEDユニット8に含まれる各インジケータ部10の点灯の配色をLEDユニット8毎に左端から順に変更する(ステップS101)。つまり、表示制御部23は、時間経過に伴い左端から右端に向かって順に配色が変化するように各インジケータ部10の点灯を制御する。また、表示制御部23は、二つのベルトコンベアユニット3がゲーム機1に設けられている場合には、このような配色の変更が左端のベルトコンベアユニット3の各インジケータ部10から右端のベルトコンベアユニット3の各インジケータ部10の順番で生じるように、このような変化を実行する。つまり、表示制御部23は、二つのベルトコンベアユニット3を跨ぐように、一番左端のインジケータ部10から一番右端のインジケータ部10に向かって順に、このような変化を生じさせる。さらに、表示制御部23は、このような変化を左端から右端に向かって順に循環的に一方向に繰り返し生じさせる。一方で、表示制御部23は、このような変化を二つのLEDユニット8においてシンクロするように実行する。つまり、表示制御部23は、上下の二つのLEDユニット8の変化が同期するように、同様の変化をLEDユニット8毎に実行する。
続いて表示制御部23は、停止操作があったか否か、つまり押しボタン4を押す操作が実行されたか否か判別する(ステップS102)。停止操作が実行されていない場合、表示制御部23は、停止操作があったか否か所定の周期で繰り返し判別する。つまり、表示制御部23は、停止操作が実行されるまで繰り返しステップS102の処理を実行する。一方、停止操作が実行された場合、表示制御部23は、その停止操作の時期に合わせて配色の変更を停止する(ステップS103)。そして、表示制御部23は、配色の変更を停止した後に今回の処理を終了する。これにより、点灯中の各インジケータ部10の配色が所定の順番で変化する。また、そのような変化が停止操作に伴い停止される。
一方、駆動制御処理は、各ベルトコンベアBCを駆動させるための処理である。具体的には、駆動制御処理は、全ベルトコンベアBCのうち、停止操作に基づいて駆動対象のベルトコンベアBC及びその動作量を特定し、その駆動対象のベルトコンベアBCをその駆動量で実際に駆動させるための処理である。また、駆動制御処理は、制御ユニット21の駆動制御部24によって実行される。駆動制御部24は、表示制御処理の終了に伴い図12の駆動制御処理を開始し、まず停止操作に伴うインジケータ部10の配色の変化の停止位置を取得する(ステップS201)。
続いて駆動制御部24は、ステップS201で取得した停止位置に基づいて駆動対象のベルトコンベアBCを特定する(ステップS202)。具体的には、駆動制御部24は、停止位置のインジケータ部10を含むLED表示部9を判別し、そのLED表示部9に対応するベルトコンベアBCを駆動対象のベルトコンベアBCとして特定する。次に駆動制御部24は、ステップS202で特定した駆動対象のベルトコンベアBCの動作量を特定する(S203)。具体的には、駆動制御部24は、停止位置のインジケータ部10において点灯中のボックス10aの数を判別し、ボックス10a毎の動作量(あるいはボックス10aの数に応じた動作量)を事前の設定結果(管理者による設定結果を含む)に基づいて特定する。そして、駆動制御部24は、特定したボックス10a毎の動作量に基づいて、判別した点灯中のボックス10aの数に応じた動作量を取得し、その動作量を駆動対象のベルトコンベアBCの駆動量として特定する。なお、停止操作により複数のベルトコンベアが駆動対象のベルトコンベアとして特定される場合、駆動制御部24は、ステップS202及びステップS203において複数のベルトコンベア及びそれらの動作量を特定する。また、複数のプレイ回数に対応する複数のベルトコンベアが同時に駆動される場合、駆動制御部24は、ステップS203の後に複数のプレイ回数に対応する全ベルトコンベア及びそれらの動作量の特定が終了したか否か判別し、そのような特定が終了していない場合はその特定が終了するまでステップS204の処理を保留してもよい。
続いて駆動制御部24は、ステップS202及びS203の特定結果に基づいて、実際にベルトコンベアBCを駆動させる。具体的には、駆動制御部24は、ステップS202で特定したベルトコンベアBCがステップS203で特定した動作量で実際に駆動動作(搬送動作)を実行するように、そのベルトコンベアBCに対応するモータ11を駆動させる。そして、駆動制御部24は駆動対象のベルトコンベアBCを実際に駆動させた後に今回の処理を終了する。これにより、停止操作に基づいて駆動対象のベルトコンベアBC及びその動作量が特定され、その駆動対象のベルトコンベアBCがその動作量で実際に動作する。
以上に説明したように、この形態によれば、景品30が二以上のベルトコンベアBCの搬送面DAに跨って位置するように配置面DAGが10個のベルトコンベアBCに対応する10個の搬送面DAに区分され、各搬送面DAに位置する景品30の一部(部位)を各搬送面DAに対応するベルトコンベアBCが所定方向(前方)に搬送する。換言すれば、10個のベルトコンベアBCが各搬送面DAに位置する景品30の一部の搬送をそれぞれ担うため、景品30が二以上の搬送面DAに跨る配置が許容される。これにより、景品30の配置及び搬送を、例えば一つのベルトコンベアや一つのクレーン(景品30を捕獲し、吊り上げて搬送するタイプの周知の動作手段)といった一つの動作手段に対応する一つの搬送可能な範囲(クレーンの場合は爪の長さや広がる角度、或いは捕獲する力等)だけに依存せず、複数の搬送面DA及びそれらに対応する複数のベルトコンベアBCにそれぞれ分担させることができる。このため、一つの動作手段の搬送可能な範囲だけでは配置及び運搬を実現できないような物でも、そのような複数の搬送面DA及びそれらに対応する複数のベルトコンベアBCを通じて配置及び搬送することができる。結果として、このような分担により、配置面DAGに一つの動作手段の搬送可能な範囲だけが形成される場合に比べて、より多様な形態の有する物を景品30として配置面DAGに配置することができるので、景品30として利用可能な物の自由度を向上させることができる。
また、ユーザの停止操作(押しボタン4を押す操作)を通じて動作対象のベルトコンベアBCが特定される。このため、このような停止操作を通じて、例えばより適切な(より荷重分布の高い)ベルトコンベアBCを見極める技量、若しくはそのようなより適切なベルトコンベアBCにおいて配色の変化を停止させる技量といった各種の技量或いは腕前をベルトコンベアBCの動作、換言すれば景品30の搬送に反映する余地を与えることができる。結果として、多様な形態の景品30を対象にそのような景品30を搬送する搬送過程を設けることができるとともに、その搬送に動作対象のベルトコンベアBCを操作する技量等を反映する余地も与えることができる。これらにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
さらに、そのような動作対象のベルトコンベアBCを特定するための停止操作を通じて、その動作対象のベルトコンベアBCの動作量も特定される。このため、このような停止操作を通じて、動作対象のベルトコンベアBCの動作量を変化させることができる。つまり、動作対象のベルトコンベアBCの動作(換言すれば景品30の搬送)にユーザの技量等を反映することができるとともに、一度のベルトコンベアBCの動作に対するユーザの期待度を変化させることができる。また、このような動作対象のベルトコンベアBCの特定及びその動作量の両方を同じ一つの共通の停止操作によって特定することができるので、これらの操作が別々の操作によって実現される場合に比べて、ユーザの手間を省略することができる。これにより、ユーザの利便性、ひいてはゲームの興趣性をより向上させることができる。
一方、景品30の一部(搬送面DA上の部分)は各ベルトコンベアBCによって前方(開口7の方向)に搬送される。このため、各ベルトコンベアBCが前方とは逆の後方(後退方向)に動作しない限り、たとえ一度の搬送によって景品30を開口7まで搬送できなかったとしても、その位置から後退せずに開口7の方向への一方向の搬送が継続的に実行される。結果として、例えば各ベルトコンベアBCの搬送方向が前方だけに限定される場合には、たとえ一度の搬送によって景品30を開口7まで搬送できなかったとしても、その搬送に伴う有利な状況(開口7に近づいている状況)を次回の搬送の機会まで維持することができる。これにより、ユーザの景品獲得に関する期待度をプレイ回数とほぼ直接的に関連付けることができるので、プレイの促進につなげることができる。また、各ベルトコンベアBCが景品30の搬送に与える影響は、各ベルトコンベアBCが一つずつ順に個別に動作する場合よりも複数のベルトコンベアBCが一度に動作する場合の方が大きい傾向にある。このため、動作対象のベルトコンベアBCが複数存在する場合、各ベルトコンベアの動作時期を調整することにより景品獲得ゲームの難易度を調整することができる。具体的には、動作対象の複数のベルトコンベアBCの全部が同時に動作する場合、それらが順に動作する場合よりも景品獲得の難易度を低下させることができる。これにより、ユーザの景品獲得に対する期待度を向上させることができる。
以上の形態において、ゲーム機1の駆動制御部24が図12の手順を実行することにより本発明の一部特定手段、動作量特定手段、及び一部動作手段として機能する。より具体的には、駆動制御部24が、図12のステップS202を実行することにより一部特定手段として、図12のステップS203を実行することにより動作量特定手段として、図12のステップS204を実行することにより一部動作手段として、それぞれ機能する。そして、このような駆動制御部24を備えることにより、ゲーム機1の制御ユニット21が本発明の動作制御手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、遊技体として景品30自体が使用されている。しかし、遊技体は、このような形態に限定されない。例えば、遊技体は、景品30とは別の物であってよい。つまり、景品とゲームの難易度或いは興趣性に関与する遊技体の形態とは相違していてもよい。そして、このように遊技体と景品とが別の物の場合、排出口5から排出された遊技体を施設の運営者等が景品と交換することによりユーザに景品が付与されてよい。
また、上述の形態では、ゲーム機1に押しボタン4が設けられ、ゲーム機1の前において景品獲得ゲームがプレイされている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、本発明のゲームシステムは、ゲーム機1にネットワークを介して接続されるサーバ装置を備え、そのようなサーバ装置に接続される各種のユーザ端末(例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、及びその他のゲーム装置等)を介して遠隔的にゲーム機1のベルトコンベアBCが操作されてもよい。そして、景品は郵送あるいは電子的手段によってユーザに付与されてよい。つまり、景品は電子的な物であってもよい。また、このような場合、ユーザ端末を介してサーバ装置が停止操作の時期等をゲーム機1に指示することにより間接的にベルトコンベアBCの動作を制御してよい。そして、このような間接的にベルトコンベアBCを制御する指示を実行することにより、サーバ装置が本発明の一部特定手段、動作量特定手段、及び一部動作手段の全部或いは一部として機能してよい。結果として、このようなサーバ装置がゲーム機1の代わりに本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
また、上述の形態では、押しボタン4への押す操作によって動作対象のベルトコンベア及びその動作量が特定されている。具体的には、時間経過に伴い変化するインジケータ部10の配色の変化を押しボタンを押す操作により停止させ、その停止位置により動作対象のベルトコンベア及びその動作量が特定されている。換言すれば、押す操作の時期に応じて動作対象のベルトコンベア及びその動作量が特定されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、各種の別のゲームによって動作対象のベルトコンベア及びその動作量が特定されてもよい。そして、そのような各種の別のゲームにおいて要求されるプレイ行為を入力するための各種の入力装置が本発明の入力装置として利用されてよい。さらに、動作対象のベルトコンベア及びその動作量は別々のプレイ行為(別のゲームのものを含む)によって特定されてもよい。
また、ベルトコンベアBCは適宜に構成されてよい。例えば、上述の形態では、各ベルトコンベアBCのベルトBC1は、ほぼ平坦に形成されている。しかし、ベルトBC1の形状は、このような平坦な形態に限定されない。例えば、ベルトBC1には、各種の突起或いは溝が設けられていてもよい。図13は、変形例に係るベルトコンベアユニット3の斜視図を示す図である。また、図13の例は、ベルトBC1に、各種の突起BCBが設けられている場合を示している。図13に示すように、このような突起BCBには、落差の小さい小突起BCB1、落差の大きい大突起BCB2(図13の例では小突起BCB1に比べて各突起BCB間の幅も大きい)、及び矢印型に突起する矢印突起BCB3が含まれてよい。このような突起BCBにより、各ベルトコンベアBCの搬送力を調整することができる。具体的には、このような突起BCBが設けられている場合、突起BCBによって景品30を引っかけることができるので、平坦な場合に比べて搬送力を上げることができる。このような搬送力の上昇は突起BCBの落差が大きいほど高い(例えば大突起BCB2の方が小突起BCB1よりも搬送力は上昇する)。結果として、このような突起BCBにより、景品獲得ゲームの難易度を低下させることができる。また、矢印突起BCB3の場合、その形状により搬送方向を示すことができるので、ゲームの興趣性にも影響を与えることができる。例えば搬送方向が相違するように複数のベルトコンベアユニット3が設けられている場合には、搬送方向の把握が難しくなる可能性も生じ得るが、矢印突起BCB3により、このような把握を容易にすることもできる。例えば、その他にも同等の落差を有しつつ間隔幅が相違する突起BCB等、ベルトBC1には難易度の調整用に各種の突起BCBが設けられていてよい。さらに、各ベルトコンベアBCは、前後の両方向に搬送可能に構成されてもよい。そして、このような搬送方向もゲーム性の一つとして追加されてもよい。具体的には、例えば、搬送方向を変化させるように表示する搬送表示部が設けられている場合には、このような搬送表示部の変化が動作量等と同様に停止操作により停止され、その停止時の搬送方向にベルトコンベアBCは動作してもよい。あるいは、搬送方向毎のボタンが設けられている場合には、そのようなボタンへの選択を通じてユーザによって搬送方向が指定されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、入力装置(4)を介して入力されるユーザのプレイ行為に応じて動作する複数の動作手段(BC)のうち二以上の動作手段が収容部(6)に収容された遊技体(30)の位置の変化に関与するように配置された筐体(2)を利用し、当該筐体において前記二以上の動作手段の動作を介して前記遊技体が所定位置(7)まで移動した場合に景品(30)を前記ユーザに付与する景品獲得ゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記複数の動作手段のうちの一部を特定するための一部特定行為を前記プレイ行為が含む場合に、当該一部特定行為に応じて一部の動作手段を特定する一部特定手段(24)と、前記一部の動作手段の動作量を特定するための動作量特定行為を前記プレイ行為が含む場合に、当該動作量特定行為に応じて前記一部の動作手段が動作するときの動作量を特定する動作量特定手段(24)と、前記一部特定手段及び前記動作量特定手段の特定結果に基づいて、前記一部の動作手段を実際に動作させる一部動作手段(24)と、を備えるものである。
本発明によれば、プレイ行為としての一部特定行為を通じて動作対象の一部の動作手段が特定される。このため、このような一部特定行為を通じてユーザの技量等を動作手段の動作に反映する余地を与えることができる。また、そのような一部の動作手段の動作量は、プレイ行為としての動作量特定行為を通じて特定される。このため、動作量特定行為を通じて、そのような一部の動作手段の動作量を変化させることができる。これにより、一度の動作手段の動作に対するユーザの期待度を変化させることができる。結果として、動作手段の動作にユーザの技量を反映することができるとともに、一度の動作手段の動作に対するユーザの期待度を変化させることができる。
一部特定行為及び動作量特定行為として、各種のプレイ行為が利用されてよい。また、これらの一部特定行為と動作量特定行為とは、同じ一つの共通のプレイ行為であってもよいし、互いに独立したプレイ行為(プレイ行為自体が同種のものである場合、つまり別々に実行される二つの同じプレイ行為である場合を含む)であってもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記一部特定手段及び前記動作量特定手段は、前記一部特定行為及び前記動作量特定行為として一つの共通のプレイ行為を利用し、当該一つ共通のプレイ行為に応じて前記一部の動作手段及び当該一部の動作手段の動作量をそれぞれ特定してもよい。この場合、一つの共通のプレイ行為によって動作対象の動作手段及びその動作量の両方を特定することができるので、これらが別々に実行される場合に比べて、ユーザの手間を省略することがきる。これにより、ユーザの利便性、ひいてはゲームの興趣性を向上させることができる。
一部特定行為及び動作量特定行為として同じ一つの共通のプレイ行為が利用される場合において、このような同じ一つの共通のプレイ行為として各種の行為(各種の操作部に対する各種の操作だけでなく、ユーザの各種の動作を含む)が採用されてよい。そして、入力装置は、このような各種の同じ一つの共通のプレイ行為を入力するように構成されてよい。同様に、このような各種の同じ一つの共通のプレイ行為を補助するために、各種の出力装置が利用されてよい。例えば、一部特定行為及び動作量特定行為として同じ一つの共通のプレイ行為が利用される本発明の一態様において、前記一部特定手段は、前記複数の動作手段のうちの一つ以上の動作手段を示す一部情報を時間経過に従い対象の動作手段が変化するように提示する判定部(9)を有する表示装置(8)に接続され、前記一部情報の変化を停止させるための停止行為が前記プレイ行為として実行される場合に、当該停止行為を前記一つの共通のプレイ行為として利用し、当該停止行為により停止された前記一部情報に対応する動作手段を前記一部の動作手段として特定し、前記動作量特定手段は、前記一部の動作手段の動作量を示す動作量情報を経過時間に従い変化させるように表示する量表示部(10)を前記表示装置が有し、前記動作量情報の変化が前記停止行為により更に停止する場合に、前記一部特定手段と同様に前記一つの共通のプレイ行為として前記停止行為を利用し、当該停止行為によって停止された動作量情報に対応する動作量を前記一部の動作手段の動作量として特定してもよい。
また、同じ一つの共通のプレイ行為を補助するために、時間経過に伴い提示する情報を変化させる判定部及び量表示部を有する表示装置が出力装置として利用され、そのような同じ一つの共通のプレイ行為としてそれらの判定部及び量表示部の変化を停止させる停止操作が利用される場合において、それらの判定部及び量表示部は、時間経過に伴い提示する情報を変化させることができる限り、適宜に設けられてよい。例えば、一部の動作手段を特定するための数値の情報、及びその動作量を特定するための数値の情報をそれぞれ提示するように、一つの判定部及び一つの量表示部が設けられていてもよいし、複数の動作手段に対応する複数の判定部及び複数の量判定部がそれぞれ設けられていてもよい。この場合、複数の動作手段の数と複数の判定部の数、複数の動作手段の数と複数の量判定部の数、或いは複数の判定部の数と複数の量判定部の数とは一致していてもよいし、一致していなくてもよい。具体的には、例えば、判定部及び量表示部を利用する本発明の一態様において、前記一部特定手段は、前記判定部が前記一つ以上の動作手段にそれぞれ対応し、前記停止行為に伴い対象特定情報或いは非対象特定情報のいずれかにおいて停止するように時間経過に従い前記対象特定情報及び前記非対象特定情報を順にそれぞれ提示する複数の判定部を含む場合に、前記対象特定情報を前記一部情報として利用し、前記対象特定情報を提示する判定部に対応する前記一つ以上の動作手段を前記一部の動作手段として特定し、前記動作量特定手段は、前記量表示部が異なる動作量をそれぞれ示し、前記停止行為に伴い量特定情報或いは非量特定情報のいずれかにおいて停止するように時間経過に従い前記量特定情報及び前記非量特定情報を順にそれぞれ提示する複数の量表示部を含む場合に、前記前記動作量情報として前記量特定情報を利用し、前記量特定情報に対応する動作量を前記一部の動作手段の動作量として特定してもよい。また、このような態様において、前記複数の量表示部は、判定部毎に設けられていてもよい。
二以上の動作手段は、各種の態様で遊技体の位置の変化に関与してよい。例えば、二以上の動作手段は、遊技体を搬送することにより遊技体の位置の変化に関与してもよいし、例えば遊技体の位置を変化させようとする別の要素が作用している場合にはその別の要素の作用に反すように遊技体を支持することにより遊技体の位置の変化に関与していてもよい。例えば、このような別の要素として重力が利用されてもよい。つまり、例えば二以上の動作手段は、遊技体の落下を防ぐように下方から支持することにより遊技体の位置の変化に関与していてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数の動作手段は、前記収容部の前記遊技体を前記筐体の外部に排出する開口として当該収容部の下方に位置するとともに前記所定位置として機能する排出口(5)と、当該排出口につながるように前記収容部の底面に開口する開口(7)とが前記筐体に形成される場合に、前記二以上の動作手段によって前記遊技体を下方から支持することにより前記収容部の底面を形成するように配置されていてもよい。
動作手段として遊技体を搬送する搬送手段が利用される場合において、このような搬送手段は適宜に構成されてよい。例えば、このような搬送手段は、水流や気流を利用した圧力により遊技体の一部を所定方向に変位させるように構成されてもよい。あるいは、各動作手段は、棒状の部材若しくは棒状の部材に設けられた突起部で所定方向に押すことにより遊技体の一部を所定方向に変位させるように構成されていてもよい。さらに、例えば遊技体自体が金属等の磁力の影響を受ける物である場合、或いは同様の影響を受ける器等を介して遊技体が配置面に置かれている場合、各動作手段は、磁力を通じて遊技体の一部を所定方向に変位させるように構成されていてもよい。また、このような動作手段として、所定方向に搬送面を変位させることにより遊技体を搬送するベルトコンベアが利用されてもよい。さらに、このようなベルトコンベア或いは棒状の部材等は磁力を利用して遊技体の一部を所定方向の変位させるように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数の動作手段として、前記遊技体の一部を支持する搬送面(DA)の当該一部を所定方向に搬送するようにそれぞれ動作する複数のベルトコンベア(BC)が利用され、前記複数のベルトコンベアは、前記所定方向の先に前記開口が位置するように配置されていてもよい。この場合、遊技体はベルトコンベアによって所定方向に搬送される。このため、ベルトコンベアが所定方向と逆の後退方向に動作しない限り、たとえ一度の搬送によって遊技体を所定位置まで搬送できなかったとしても、その位置から後退せずに所定方向への一方向の搬送が継続的に実行される。結果として、例えばベルトコンベアの動作方向が所定方向だけに限定される場合には、たとえ一度の搬送によって遊技体を所定位置まで搬送できなかったとしても、その搬送に伴う有利な状況を次回の搬送まで維持することができる。これにより、ユーザの景品獲得に関する期待度をプレイ回数とほぼ直接的に関連付けることができるので、プレイの促進につなげることができる。
動作対象の一部の動作手段は、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、動作対象の一部の動作手段が複数の場合において、それらの動作手段は適宜の時期に動作してよい。例えば、それらの動作時期(動作開始時期及び動作期間を含む)は一致していてもよいし、一致していなくてもよい。同様に、一部の動作手段が複数の場合において、それらの動作手段は一度の機会によって決定されてもよいし、複数の機会に分けられて決定されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記一部動作手段は、前記一部の動作手段として二以上の動作手段が特定される場合に、各動作手段を順に動作させてもよい。あるいは、本発明のゲームシステムの一態様において、前記一部動作手段は、前記一部の動作手段として二以上の動作手段が特定される場合に、前記一部の動作手段の全部を同時に動作させてもよい。これらのような複数の動作手段が遊技体の搬送に与える影響は、各動作手段が順に個別に動作する場合よりも複数の動作手段が一度に動作する場合の方が大きい傾向にある。このため、複数の動作手段の動作の時期を調整することにより景品獲得ゲームの難易度を調整することができる。具体的には、一部の動作手段として二以上の動作手段の全部が同時に動作する場合、一部の動作手段として二以上の動作手段が順に動作する場合よりも景品獲得の難易度を低下させることができる。これにより、ユーザの景品獲得に対する期待を向上させることができる。
また、遊技体として各種の物が利用されてよい。例えば、遊技体は、景品と別の物であってもよいし、同じ物であってもよい。つまり、遊技体として、景品それ自体が利用されてもよい。そして、所定位置への到達に伴い、そのような景品自体がユーザに付与されてもよい。具体的には、本発明のゲームシステムの一態様において、前記遊技体として、前記景品が利用されていてもよい。
(参考例)
上述の特許文献1のゲームでは、景品毎にコンベアベルトが用意されるため、コンベアベルトの大きさに景品の大きさが依存してしまう。このため、例えばコンベアベルトよりも大きい物が景品として利用される場合には、景品の搬送に支障をきたす可能性がある。このような支障(不具合)の可能性を解消するためには、景品の大きさや形状毎にコンベアベルトを用意する、或いはコンベアベルトに配置可能な物に景品を限定する、といった対策が要求される可能性が高い。少なくとも、固定的な一つのコンベアベルトだけでは景品の形態に制限が生じてしまう可能性がある。
同様に、特許文献2及び3のゲーム装置でも、遊技体としてやはり景品自体が利用されている。一方で、このゲーム装置では、景品は開口の露出面積が変化するように動作する複数の景品支持部により開口上において下方より支持され、そのような景品支持部の動作により景品の支持が解除された場合に、開口から景品が景品取出し口落下し、その落下した景品が景品取出口からプレイヤに付与される。このような機構の場合、開口の大きさは景品の大きさと関連するように設計する必要がある。具体的には、景品に比べて開口をあまりに大きく作りすぎてしまうと、景品支持部による景品の支持を適切に実行できなかったり景品支持部の動作と景品の落下との関係が意図しないものになったりする可能性がある。このような開口を利用するため、このゲーム装置は特許文献1のゲーム装置のように景品を搬送する構成ではないが、やはり景品の形態が開口や景品支持部の大きさに依存してしまう可能性が高い。結果として、景品の形態毎に開口(換言すればゲーム装置)を用意するか、或いは開口に配置可能な物に景品を限定する必要があると言え、やはり景品の形態に制限が生じてしまう可能性がある。
また、特許文献1〜3のゲーム装置はいずれも動作手段の動作を介して景品の獲得を目指すタイプの景品獲得ゲームに属し、このうち特許文献1のゲーム装置は動作手段によって景品を搬送することにより景品を獲得するタイプのゲームに該当する。このような景品を搬送するタイプの景品獲得ゲームでは、そのような動作手段による景品の搬送過程やそのような動作手段を操作する技量あるいは腕前がゲームの興趣性の一部として機能する場合が多い。
しかし、特許文献1のゲーム装置では、コンベアベルト毎に一つの景品が配置されており、コンベアベルトの動作に伴いその景品が必ず搬送されるため、搬送過程に想定外の展開が生じる可能性は低い。具体的には、例えば動作手段が景品を捕獲するように構成される場合、搬送過程において捕獲状態から景品が解放されてしまい、景品を付与するための所定位置まで運べない展開、そのような解放に伴い景品の位置関係が配置角度の変化等に伴い捕獲しやすくなったりし難くなったり変化する展開、また複数の景品が存在する場合にはそれらの景品との位置関係により捕獲しやすくなったりしにくくなったりする展開、或いは反対に他の景品の付与を容易にしたり実際に他の景品の付与につながったりといった思いもよらない展開を招く可能性がある。このような可能性がユーザに刺激を与えることにより興趣性の一部として寄与する場合も多いが、特許文献1の場合、このような展開が生じる可能性は低い。また、コンベアベルトの動作はスロットの結果に応じて自動で制御される。このため、プレイヤーはスロットを介して搬送量の決定には関与できるものの、実際にコンベアベルトを動作させる操作を行うわけではない。結果として、このようなコンベアベルトの動作にプレイヤーの技量あるいは腕前を反映する余地も少ない。
一方、特許文献2及び3のゲーム装置は、複数の景品支持部のうち動作対象の景品支持部がプレイヤの操作によって決定されるため、ユーザの技量等に応じて動作手段を操作するタイプの景品獲得ゲームと言えるかもしれない。このため、動作対象の景品支持部を決定する過程においてプレイヤの技量等を反映する余地はあるかもしれない。しかし、その景品支持部は支持状態から支持解除状態に変化するように動作するに過ぎず、景品の景品取出口への移動は主として重力に依存しているため、景品を動作手段によって搬送するタイプの景品獲得ゲームではない。結果として、動作手段による搬送過程が生じず、当然搬送過程に伴う興趣性も生じない。このため、景品獲得ゲームの興趣性を向上させる余地がある。
そこで、以下に例示する態様は、遊技体として利用可能な物の自由度を向上させることができるゲームシステムを提供することを目的とする。
本参考例のゲームシステムは、遊技体(30)が配置される配置面(DGA)と当該配置面の前記遊技体を所定位置(5)に搬送するための搬送動作を実行する動作手段(3)とが設けられた筐体(2)の当該搬送動作を、入力装置(4)を介してユーザのプレイ行為が入力されたときに当該プレイ行為に応じて制御する動作制御手段(21)を備え、前記動作手段を介して前記遊技体が前記所定位置まで搬送された場合に景品(30)を前記ユーザに付与する景品獲得ゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記筐体には、前記遊技体が二以上の領域(DA)に跨って位置するように前記配置面を区分する複数の領域が前記配置面に形成され、各領域に位置する前記遊技体の一部を領域毎に前記所定位置に向かって変位させるようにそれぞれ動作する複数の動作手段(BC)が前記動作手段として設けられ、前記動作制御手段は、前記ユーザのプレイ行為として前記複数の動作手段の一部を特定するための一部特定行為が実行された場合に当該一部特定行為に応じて一部の動作手段を特定する一部特定手段(24)と、前記複数の動作手段のうち当該一部の動作手段が当該一部の動作手段に対応する前記遊技体の一部を前記所定位置に向かって変位させるように当該一部の動作手段を動作させる一部動作手段(24)と、を備えている。
本参考例によれば、遊技体が二以上の領域に跨って位置するように配置面が複数の領域に区分され、各領域に位置する遊技体の一部を各領域に対応する動作手段が変位させる。換言すれば、複数の動作手段が各領域に位置する遊技体の一部の搬送をそれぞれ担うため、遊技体が二以上の領域に跨る配置が許容される。これにより、遊技体の配置及び搬送を一つの動作手段に対応する一つの領域だけに依存せず、複数の領域及び複数の動作手段にそれぞれ分担させることができる。このため、一つの動作手段の搬送可能範囲に対応する一つの領域だけでは配置及び搬送を実現できないような物でも、複数の領域及び複数の動作手段を通じて配置及び搬送することができる。結果として、このような分担により、配置面に一つの動作手段の搬送可能範囲に対応する一つの領域だけが形成される場合に比べて、より多様な形態を有する物を遊技体として配置面に配置することができるので、遊技体として利用可能な物の自由度を向上させることができる。また、遊技体を搬送する搬送過程を設けることができるとともに、その搬送に動作手段を操作する技量等を反映する余地も与えることができる。これらにより、ゲームの興趣性を向上させることもできる。
各動作手段は、各種の手法により遊技体の一部を所定方向に変位させてよい。例えば、各動作手段は、水流や気流を利用した圧力により遊技体の一部を所定方向に変位させるように構成されてもよい。あるいは、各動作手段は、棒状の部材若しくは棒状の部材に設けられた突起部で所定方向に押すことにより遊技体の一部を所定方向に変位させるように構成されていてもよい。さらに、例えば遊技体自体が金属等の磁力の影響を受ける物である場合、或いは同様の影響を受ける器等を介して遊技体が配置面に置かれている場合、各動作手段は、磁力を通じて遊技体の一部を所定方向に変位させるように構成されていてもよい。また、このような動作手段として、所定方向に搬送面を変位させることにより遊技体を搬送するベルトコンベアが利用されてもよい。さらに、このようなベルトコンベア或いは棒状の部材等は磁力を利用して遊技体の一部を所定方向の変位させるように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、本参考例のゲームシステムの一態様において、前記筐体には、前記遊技体の一部を所定方向に変位させるようにそれぞれ動作する複数のベルトコンベア(BC)が前記複数の動作手段として設けられ、前記複数のベルトコンベアは、前記所定方向の先に前記所定位置が位置するように配置されていてもよい。この場合、遊技体はベルトコンベアによって所定方向に搬送される。このため、ベルトコンベアが所定方向と逆の後退方向に動作しない限り、たとえ一度の搬送によって遊技体を所定位置まで搬送できなかったとしても、その位置から後退せずに所定方向への一方向の搬送が継続的に実行される。結果として、例えばベルトコンベアの動作方向が所定方向だけに限定される場合には、たとえ一度の搬送によって遊技体を所定位置まで搬送できなかったとしても、その搬送に伴う有利な状況を次回の搬送まで維持することができる。これにより、ユーザの景品獲得に関する期待度をプレイ回数とほぼ直接的に関連付けることができるので、プレイの促進につなげることができる。
また、動作手段としてベルトコンベアが利用される場合において、所定方向として各種の方向が機能するように、ベルトコンベアは適宜に配置されてよい。例えば、ベルトコンベアは所定方向として斜め上方に遊技体の一部を搬送するように斜め上方の所定位置に向かって斜めに配置されていてもよい。あるいは、例えばベルトコンベアのベルト部分に磁性体が取り付けられ、遊技体が金属の場合等、遊技体を搬送可能であれば、所定方向として鉛直方向(若しくはそれに近い真上方向)に遊技体の一部を搬送するようにベルトコンベアは上方の所定位置に向かって真上を向くように配置されてもよい。同様に、所定位置も適宜の位置に設けられてよい。具体的には、所定位置は、所定方向の先にベルトコンベアによって遊技体が直接的に搬送されるように設けられていてもよいし、間接的に搬送されるように設けられていてもよい。例えば、遊技体がベルトコンベアによって所定位置に間接的に搬送される場合、ベルトコンベアの先には、所定位置までの搬送と同等に機能するように所定位置への搬送を自動的に実現する搬送機構が別途設けられていてもよい。例えば、所定方向の先に接続通路を介して下方の排出口と接続される開口が位置するようにベルトコンベアが配置され、このような開口、接続通路、及び排出口が重力を利用した搬送機構として機能してもよい。具体的には、例えば、動作手段としてベルトコンベアを利用する本参考例の一態様において、前記複数のベルトコンベアは、前記配置面が底面として機能するように前記筐体の内部において前記遊技体を収容する収容部(6)と、当該収容部の前記遊技体を前記筐体の外部に排出する開口として当該収容部の下方に位置するとともに前記所定位置として機能する排出口(5)と、当該排出口につながるように前記収容部の底面に開口する開口(7)とが前記筐体に形成される場合に、前記所定方向として前記開口に向かって前記遊技体の一部をそれぞれ変位させるように前記排出口の上方に配置されていてもよい。
複数の動作手段と複数の領域とは、一つの動作手段に二つ以上の領域が対応するように設けられていてもよいし、反対に一つの領域に二つの動作手段が対応するように設けられていてもよい。また、このような対応関係は一律であってもよいし、一律でなくてもよい。つまり、例えば二つの動作手段に対応する一つの領域と、一つの動作手段に対応する一つの領域とが混在するように、複数の動作手段と複数の領域との間の対応関係が設定されてもよい。あるいは、複数の動作手段と複数の領域とは、一つの動作手段と一つの領域とが対応するように設けられていてもよい。具体的には、例えば、排出口の上方にベルトコンベアが各動作手段として配置される本参考例の一態様において、前記複数のベルトコンベアは、各ベルトコンベアの搬送面が各領域にそれぞれ対応するように配置され、各ベルトコンベアは、前記遊技体の一部として各ベルトコンベアの上方に位置する部分を前記所定方向に搬送するように動作してもよい。
遊技体は適宜には配置されてよい。例えば、複数のベルトコンベアが動作手段として利用される場合において、これらのベルトコンベアの上に遊技体は間接的に配置されてもよい。例えば、このようにベルトコンベアの上に間接的に遊技体が配置される場合において、遊技体は金属等の器に入れられ、そのような器を磁力で搬送するようにベルトコンベアが構成されてもよい。具体的には、例えばベルトコンベアの搬送面に磁石が設けられ、このような磁石に磁力によって引きつけられている器に遊技体は入れられていてもよい。つまり、遊技体は、このような器を介して搬送面(配置面)に間接的に配置されていてもよい。あるいは、これらのベルトコンベアと器との間には別途配置面(磁力に影響を与えない素材のもの)が配置されてもよい。一方、遊技体はベルトコンベアの上に直接的に配置されてもよい。具体的には、例えば、排出口の上方にベルトコンベアが各動作手段として配置される本参考例の一態様において、前記複数のベルトコンベアには、各ベルトコンベアの搬送面に前記遊技体の一部が接触するように前記遊技体が直接配置されていてもよい。
動作対象の一部の動作手段は、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、動作対象の一部の動作手段が複数の場合において、それらの動作手段は適宜の時期に動作してよい。例えば、それらの動作時期(動作開始時期及び動作期間を含む)は一致していてもよいし、一致していなくてもよい。同様に、一部の動作手段が複数の場合において、それらの動作手段は一度の機会によって決定されてもよいし、複数の機会に分けられて決定されてもよい。例えば、本参考例のゲームシステムの一態様において、前記一部動作手段は、前記一部の動作手段として二以上の動作手段が特定される場合に、各動作手段を順に動作させてもよい。あるいは、本参考例のゲームシステムの一態様において、前記一部動作手段は、前記一部の動作手段として二以上の動作手段が特定される場合に、前記一部の動作手段の全部を同時に動作させてもよい。これらのような複数の動作手段が遊技体の搬送に与える影響は、各動作手段が順に個別に動作する場合よりも複数の動作手段が一度に動作する場合の方が大きい傾向にある。このため、複数の動作手段の動作の時期を調整することにより景品獲得ゲームの難易度を調整することができる。具体的には、一部の動作手段として二以上の動作手段の全部が同時に動作する場合、一部の動作手段として二以上の動作手段が順に動作する場合よりも景品獲得の難易度を低下させることができる。これにより、ユーザの景品獲得に対する期待を向上させることができる。