以下、本発明の一形態に係るゲームシステムが一台のゲーム機として構成される場合の一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムとして機能するゲーム機の全体構成を説明する。図1は、ゲーム機1の外観を示す斜視図である。ゲーム機1は、ゲーム装置の一例であって、所定の対価(プレイ料金)の徴収(支払い)と引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。
ゲーム機1は、景品の獲得を目的にプレイされるプライズゲーム(景品獲得ゲーム)を提供するゲーム機として構成される。プライズゲームは、ユーザのプレイ行為に応じて動作する各種の動作手段を介して遊技体(景品自体の場合も多いが、景品とは別の媒介物が使用される場合もある)が所定位置まで移動した場合に景品をそのユーザに付与するタイプのゲームである。ゲーム機1は、このような動作手段としてそれぞれ機能する複数のベルトコンベアBCを利用している。具体的には、ゲーム機1は、筐体2を備えている。筐体2には、ベルトコンベアユニット3と、押しボタン4と、排出口5と、収容部6と、が設けられる。押しボタン4は、ユーザのプレイ行為として押す操作が入力される周知の入力装置である。押しボタン4への押す操作によってベルトコンベアユニット3の動作が制御される。押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係は後述する。
収容部6は、遊技体を収容するための部分であり、筐体2の内部に形成される空間である。収容部6は、アクリル或いはガラス等の内部を視認可能な透明な素材によって外部と内部とが仕切られ、外部から内部が視認可能なように構成される。収容部6の底面には、排出口5とつながる開口7が設けられる。つまり、収容部6は、開口7を介して排出口5とつながっている。排出口5は、開口7を介して収容部6に収容された遊技体を筐体2の外部に排出する(払い出す)ための開口である。排出口5から遊技体が排出された場合には、ユーザに景品が付与される。つまり、排出口5は、景品を付与するための所定位置として機能する。
ベルトコンベアユニット3は、搬送装置(搬送手段)として複数のベルトコンベアBCを有し、各ベルトコンベアBCを通じて被搬送物を所定方向に搬送する(移動させる)周知の装置である。ベルトコンベアユニット3は、複数のベルトコンベアBCが収容部6の底面を形成するように筐体2の内部に設けられる。また、ベルトコンベアユニット3は、所定方向の先に開口7が位置するように配置される。具体的には、図1の例では、収容部6は略立方体に形成され、その下方には収容部6の底面を形成するように二台のベルトコンベアユニット3が設けられている。また、これらのベルトコンベアユニット3は、いずれも短辺方向の先に開口7が位置するように同じ長辺に横並びに配置されている。そして、各ベルトコンベアBCの所定方向への動作を通じて収容部6の遊技体が開口7に向かって搬送される。より具体的には、各ベルトコンベアユニット3は、押しボタン4に対する押す操作に応じて、収容部6の底面を形成する各ベルトコンベアの上に位置する遊技体を開口7に向かって搬送するように動作する。ベルトコンベアユニット3の詳細は後述する。
なお、図1の例では、筐体2の内部には二つのベルトコンベアユニット3が設けられ、それらのベルトコンベアユニット3にそれぞれ対応するように二つの開口7、二つの排出口5、及び二つの押しボタン4が設けられている。しかし、ベルトコンベアユニット3等の数はそれらの形態(サイズや形状等)及び収容部6の形態等に応じて適宜に設定されてよい。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4の数は、ベルトコンベアユニット3の数と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。つまり、一つの開口7及び一つの押しボタン4が複数のベルトコンベアユニット3に対応するように設けられてもよい。開口7、排出口5、及び押しボタン4の関係も同様である。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4は、同様に筐体2の前方(ユーザがプレイする側、換言すればベルトコンベアユニット3が遊技体を搬送する所定方向)に設けられている。しかし、開口7、排出口5、及び押しボタン4の配置位置は適宜でよい。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4の配置位置は、互いに一致していても、一致していなくてもよい。さらに、ベルトコンベアユニット3の搬送方向(所定方向)は水平方向(図1の例の前方)に限定されない。例えば、一つの開口を挟むように収容部6の左右両端側に二つのベルトコンベアユニット3が配置されてもよい。この場合、二つのベルトコンベアユニット3は、中央の開口7に向かって水平方向に遊技体を搬送するように水平に配置されてもよいし、斜め上方に徐々に傾斜を登るように斜めに配置されてもよい。また、各ベルトコンベアBCの搬送方向は相違していてもよい。具体的には、例えば二つの開口7が互いに反対の位置に配置されている場合には、二つのベルトコンベアBCはそれらの開口7に向かってそれぞれ搬送するように互いに反対方向に配置されてもよい。つまり、ベルトコンベアユニット3等の配置は適宜でよい。
次に、図2〜図5を参照して、ベルトコンベアユニット3の詳細について説明する。図2は、筐体2から取り外された状態の一台のベルトコンベアユニット3を示す斜視図である。図2に示すように、ベルトコンベアユニット3は、一台の装置として構成され、筐体2からの取り外し及び取り付けが可能に構成される。ベルトコンベアユニット3には、10個のベルトコンベアBCが設けられる。各ベルトコンベアBCは、他のベルトコンベアBCの影響を受けず、独立して動作可能に構成される。また、ベルトコンベアユニット3には、二つのLEDユニット8が設けられる。各LEDユニット8には互いに各ベルトコンベアBC間の間隔と同じ間隔をあけるように10個のLED表示部9が設けられる。そして、二つのLEDユニット8は、各LEDユニット8の各LED表示部9によって各ベルトコンベアBCを挟むように、10個のベルトコンベアBCの前後に配置される。つまり、前後の二つのLED表示部9によって一つのベルトコンベアBCを前後で挟むように、二つのLEDユニット8は配置される。
各LED表示部9は、点灯及び消灯を通じて、10個のベルトコンベアBCのうちの駆動対象のベルトコンベアBCを特定するために使用される。具体的には、前後の二つのLED表示部9は、その間に位置するベルトコンベアBCに対応付けられる。そして、点灯中のLED表示部9によって挟まれるベルトコンベアBCが駆動対象として特定され、実際に駆動する。LED表示部9と駆動対象のベルトコンベアBCとの関係は、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係と合わせて後述する。
図3は、図2のベルトコンベアユニット3を正面から見た場合を示す正面図である。図3に示すように、各LED表示部9は、3つのインジケータ部10を有している。3つのインジケータ部10は、各LED表示部9に対応するベルトコンベアBCの動作量を示すインジケータとして機能する。具体的には、各インジケータ部10は、5つのボックス10aによって構成される。各ボックス10aは、下方に向く矢印型に形成される。各ボックス10aの内部にはLEDが設けられ、ボックス10a毎に点灯及び消灯が可能に構成される。つまり、各LED表示部9は、各インジケータ部10の各ボックス10aを介して点灯及び消灯するように構成される。そして、各インジケータ部10は、点灯状態のボックス10aの数によりベルトコンベアBCの動作量をユーザに報知する。各インジケータ部10の点灯状態とベルトコンベアBCの動作量との関係も、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係と合わせて後述する。
図4は、図3の例のIV−IV線に関する断面を右側から見た場合の断面図である。図4に示すように、各ベルトコンベアBCは、輪状のベルトBC1の両端において内側に巻きつけられた2つのローラBC2とともに回転するベルトBC1により(ベルトBC1を介して)所定方向にベルトBC1上の物を搬送する搬送動作を実行する周知の機構を有している。各ベルトコンベアBCの下には、モータ11が設けられる。モータ11は、各ベルトコンベアBCを駆動するための駆動源として機能する。具体的には、モータ11には、タイミングプーリ12がロータ部分に同軸的に取り付けられている。そして、このタイミングプーリ12がロータ部分の回転に伴い回転駆動する。つまり、タイミングプーリ12がモータ11の駆動力の出力先として機能し、モータ11によってまずタイミングプーリ12が回転駆動させられる。また、タイミングプーリ12は、ベルトコンベアBCのベルトBC1の下側に接触するように配置される。そして、タイミングプーリ12は、ベルトBC1との接触に伴う抵抗(摩擦力)を利用してベルトBC1を回転させるように駆動する。このようにしてモータ11は、各ベルトコンベアBCを駆動させる。なお、ベルトコンベアBC、及びその駆動方法等は適宜に構成されてよい。
図5は、図2のベルトコンベアユニット3を下方から見た場合を示す平面図である。図5に示すように、一つのベルトコンベアユニット3には、10個のモータ11が10個のベルトコンベアBCの下にそれぞれ配置される。また、これらのモータ11は、5個ずつの2つのグループ11Gに分けられる。一方のグループ11G1はタイミングプーリ12が左側に位置するように配置されるグループであり、他方のグループ11G2はタイミングプーリ12が右側に位置するように配置されるグループ11Gである。各グループ11Gのモータ11は一つ飛びに各ベルトコンベアBCを駆動させるように位置する。具体的には、一方のグループ11G1は左から一つ目、3つ目といった奇数番目の各ベルトコンベアBCを、他方のグループ11G2は左から2つ目、4つ目といった具合に偶数番目の各ベルトコンベアBCを、それぞれ駆動させるように位置する。このように各モータ11は、スペースを有効活用するために、向きが互い違いになるように配置される。
また、各モータ11には、タイミングプーリ12の回転数(回転量)を計測するための周知の計測装置13が設けられている。計測装置13は、タイミングプーリ12と一体的に回転するように、タイミングプーリ12と同様にモータ11のロータ部分14に同軸的に取り付けられる。タイミングプーリ12の回転数は、ベルトBC1の移動幅(遊技体の運搬幅、或いは動作量)に対応する。このため、計測装置13は、ベルトBC1の移動幅の計測に使用される。
次に、図6を参照してゲーム機1の制御系の要部を説明する。ゲーム機1には、コンピュータとしての制御ユニット21と、記憶手段としての記憶部22と、上述のベルトコンベアユニット3と、押しボタン4と、タッチパネルTPと、モニタMOと、センサSMと、が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPGとの組合せによって実現される論理的装置として、表示制御部23、駆動制御部24、及び画面制御部25が設けられる。表示制御部23はLED表示部9の動作を、駆動制御部24はモータ11の動作を、それぞれ制御するための各種の処理を実行する。一方、画面制御部25は、モニタMOの画面の表示を制御するための各種の処理を実行する。このような処理には、設定画面表示処理、景品単価処理、及びパラメータ判別処理が含まれる。設定画面表示処理、景品単価処理、及びパラメータ判別処理の手順は後述する。
記憶部22、ベルトコンベアユニット3、押しボタン4、タッチパネルTP、モニタMO、及びセンサSMはいずれも制御ユニット21に接続される。そして、入力装置として機能するベルトコンベアユニット3、押しボタン4、タッチパネルTP、及びセンサSMへの入力結果(或いは検出結果)は制御ユニット21に提供され、その入力結果等に基づいて出力装置として機能するベルトコンベアユニット3、及びモニタMOの動作が制御ユニット21によって制御される。例えば、ベルトコンベアユニット3の各LED表示部9、及び各モータ11は、出力装置として機能する。このため、これらの各LED表示部9の表示、及び各モータ11の動作は制御ユニット21によって制御される。より具体的には、各LED表示部9は表示制御部23によって動作が制御され、各モータ11は駆動制御部24によって動作が制御される。このため、各LED表示部9に含まれる各インジケータ部10の各ボックス10aの点灯及び消灯(後述の配色の変化、及びその停止を含む)は表示制御部23からの出力信号によって制御される。同様に、各モータ11は駆動制御部24からの出力信号に従って動作し、そのような動作に伴いベルトコンベアユニット3の各ベルトコンベアBCが動作する。つまり、モータ11を介して各ベルトコンベアBCの動作が駆動制御部24によって制御される。
一方、各モータ11の計測装置13、及び押しボタン4は、計測結果、或いは操作結果に対応する信号を制御ユニット21に入力する入力装置の一種として機能する。このため、計測装置13の計測結果、及び押しボタン4に対する押す操作の結果も制御ユニット21に出力される。より具体的には、計測装置13の計測結果は、駆動制御部24に出力され、各モータ11の駆動の制御、換言すれば各ベルトコンベアBCの動作の制御に使用される。同様に、押しボタン4に対する押す操作の結果は、表示制御部23及び駆動制御部24の両方に出力される。そして、表示制御部は、その出力結果を各LED表示部9、換言すれば各インジケータ部10の各ボックス10aの点灯制御に使用する。また、駆動制御部24は、その出力結果を各モータ11の駆動の制御、換言すれば各ベルトコンベアBCの動作の制御に使用する。
同様に、センサSMは、検出結果に応じた信号を出力する周知の入力装置である。センサSMは、例えば、排出口5に配置され、遊技体が排出口5から排出されたか否かを検出する検出装置として構成される。例えば、このような検出装置として、遊技体が排出口5を通過したか否か検出する赤外線センサが利用されてよい。センサSMの検出結果は、画面制御部25に出力される。タッチパネルTPはユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力する周知の入力装置である。タッチパネルTPに対するタッチ操作の結果は、画面制御部25に出力される。タッチパネルTPは、モニタMOの表示面を覆うように配置される。モニタMOは各種の画像を表示する周知の表示装置(出力装置)である。モニタMOには、画面制御部25から出力される信号に基づいて各種の画像を含む各種の画面が表示される。例えば、このような画面には、設定画面が含まれる。設定画面は、タッチパネルTPへのタッチ操作に応じてモニタMOに表示される画面の一種である。設定画面では、タッチパネルTPへのタッチ操作を通じて各種の設定が実行される。設定画面の表示には、センサSMの検出結果も利用される。設定画面の詳細は後述する。
記憶部22は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22には、上述したプログラムPGとともに、各種のデータが記録されるが、図6の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPGに従ってユーザにプライズゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDには、例えばBGMを再生するためのBGMデータ等の各種のデータが含まれるが、図6の例では実積データRD、及び設定データSDが示されている。設定データSDは、設定画面等を通じて設定された各種の設定内容の詳細を管理するためのデータである。実積データRDは、プライズゲームに関する各種の実積を管理するためのデータである。設定データSD、及び実積データRDの詳細は、後述する。
なお、ゲーム機1には、例えば、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。このような入力装置には、例えば、プライズゲームのプレイに必要な対価を徴収するための周知の対価徴収機構が含まれる。対価徴収機構は、所定の対価として、例えば所定量のコイン(紙幣、及びメダル等の代用貨幣を含む)を徴収するように構成されてよいし、電子通貨(各種ポイントを含む)等のその他の各種の価値を徴収するように構成されてもよい。しかし、これらの図示は省略した。
次に、プライズゲームの遊び方とともに、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係について説明する。図7は、プライズゲームの遊び方を説明するための説明図である。図7の例は、遊技体として景品TO自体が利用される場合を示している。このような場合、排出口5から景品TO自体が排出され、そのような排出を通じてユーザに直接景品TOが付与される。また、この場合、図7に示すように、景品TOは、複数のベルトコンベアBCに跨って位置するようにベルトコンベアユニット3の上に置かれる。つまり、各部位がベルトコンベアBCの搬送面DAと接触するように景品TOが直接的に搬送面DAに配置される。具体的には、ベルトコンベアユニット3は互いに独立的に駆動可能な10個のベルトコンベアBCを含んでいるため、各ベルトコンベアBCの個別の搬送面DA(ベルトBC1の上側の面)の集合によりベルトコンベアユニット3の搬送面が形成され、このような搬送面が景品TOの配置面(収容部6の底面)として機能する。結果として、ベルトコンベアユニット3の搬送面(以下、配置面DAGと呼ぶ場合がある)には10個のベルトコンベアBCにそれぞれ対応する10個の搬送面DAが形成され、各搬送面DAに区分される。景品TOは、このような10個の搬送面DAの複数の搬送面DAに跨るように配置される。
一方、各LED表示部9の各インジケータ部10は、各LED表示部9に対応するベルトコンベアBCの動作量(搬送量)を示すように点灯する。具体的には、各LED表示部9の各インジケータ部10は、上述のとおりボックス10aの数によりベルトコンベアBCの動作量を報知する。このため、各インジケータ部10は、点灯中のボックス10aの数が相違するように点灯する。さらに、各インジケータ部10は、動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量の特定に使用される。具体的には、各インジケータ部10は、順に別の配色(視覚的に相違して見える意図であり、単なる輝度の上昇を含む)の点灯に変化し、その配色の変化は押しボタン4への押す操作(以下、停止操作と呼ぶ場合がある)によって停止する。そして、別の配色の点灯で停止したインジケータ部10を含むLED表示部9に対応するベルトコンベアBCが動作対象として、そのインジケータ部10が示す動作量がそのベルトコンベアBCの動作量として、それぞれ特定される。一例として、各LED表示部9と駆動対象のベルトコンベアBCとの関係、及び各インジケータ部10の点灯状態とベルトコンベアBCの動作量との関係は、このように設定される。
図7の例では、点灯中のインジケータ部10が左斜線で示されている。具体的には、各LED表示部9の3つのインジケータ部10のうち、中央のインジケータ部10において5つのボックス10a(全部)が、その左右両隣のインジケータ部10において3つのボックス10aが、それぞれ点灯している。この場合、中央のインジケータ部10が最大の動作量を、その左右両隣のインジケータ部10が互いに同じ最大量の半分強の動作量を、それぞれ示している。つまり、3つのインジケータ部10によって2種類の動作量が示されている。また、右から4番目のLED表示部9の中央に位置するインジケータ部10は、別の配色を示すように右斜線で示されている。つまり、押しボタン4への押す操作によって、この右から4番目のLED表示部9の中央に位置するインジケータ部10(以下、位置にかかわらず、このような別の配色のインジケータ部10を別色インジケータ部10Sと呼ぶ場合がある)において配色の変化が停止している。この場合、この4番目のLED表示部9に対応する右から4番目のベルトコンベアBCが動作対象として特定され、この別色インジケータ部10Sが示す最大量の動作量で動作する。この例において、動作対象のベルトコンベアBCを示す配色、及びこのような配色が順に変化する各LED表示部9が本発明の一部情報、及び出力装置としてそれぞれ機能する。
また、図7の例では、景品TOは、平坦ではなく、凹凸を含む形態を有している。このため、景品TOは、配置面DAGの一部にしか接触していない。具体的には、景品TOは、左から4番目、5番目、及び7番目の3つのベルトコンベアBCの搬送面DA(説明の便宜のためドット柄に配色)にしか接触しておらず、これらの3つの搬送面DAにおいてその荷重を下方から支えている。つまり、景品TOは、これらの3つの搬送面DAにより実質的に支持されている。このため、景品TOの搬送(移動、或いは変位)には、これらの3つの搬送面DAを有するベルトコンベアBCだけが関与することになる。結果として、この例の場合、景品TOの搬送(獲得)のためには、押しボタン4の操作を通じて、これらの3つのベルトコンベアBCをより大きく動作させることがユーザに要求される。つまり、これらの搬送面DAに接触する景品TOの一部ずつをこれらの3つのベルトコンベアBCの動作を通じて搬送するプレイがユーザには要求される。そして、景品TOは、このようなベルトコンベアBCの動作を通じて開口7まで搬送された場合に開口7から落下し、排出口5に至る。つまり、これらのベルトコンベアBCは、開口7を介して景品TOを排出口5まで落下させるように動作する。
一方で、景品TOの形態等により、これらの3つのベルトコンベアBCの間でも荷重の分布が均一になるとは限らない。このため、3つのベルトコンベアBCの全部を動作させなければ、景品TOの全体が移動しない(開口7に向かわない)ということはなく、荷重分布の高いベルトコンベアBCの動作により景品TOの全体が大きく移動する場合もある。結果として、これらのベルトコンベアBC間の荷重の分布(例えば荷重分布の高いもの、換言すればより景品TOの搬送に関与し得るもの)に関する推測もユーザに要求される。さらに、このように各ベルトコンベアBCによって景品TOの一部ずつが支持されることから、景品TOの各部分の搬送度合いにも当然相違が生じ得るし、各部分を支えるベルトコンベアBCも搬送度合いに応じて変化するかもしれない。このため、このような変化を考慮したプレイもユーザには要求される。
なお、配置面DAGには、複数の搬送面DAに跨る限り、適宜の形態(大きさや形状等)の景品TO(遊技体)が配置されてよい。あるいは、反対に適宜の形態の景品TOが配置されるように適宜の形態のベルトコンベアユニット3が使用されてよい。また、ユーザの視覚的に複数の搬送面DAに跨るように見える(あるいはそのような可能性がある)限り、実際に景品TOと接触(或いは景品TOの荷重負担を行う)ベルトコンベアBCは一つだけであってもよい。景品TOの搬送に関与するベルトコンベアBCについても同様である。つまり、ユーザの視覚的に複数の搬送面DAが景品TOの搬送に関与しているように見える(あるいはそのような可能性がある)限り、実際に景品TOの搬送に関与している(荷重を負担している)ベルトコンベアBCは一つだけであってもよい。複数の搬送面DAに跨る、或いは複数の搬送面DAが搬送に関与するといった説明の意図は、このように解釈されてよい。
また、インジケータ部10の配色の変化は、一つずつ生じる形態に限定されない。例えば、このような変化は、複数のベルトコンベアBCに同時に生じ、押しボタン4への一度の押す操作により複数のインジケータ部10が別色インジケータ部10Sとして機能するように停止してもよい。つまり、インジケータ部10の配色の変化は、一つ以上のベルトコンベアBCを示すように適宜に生じてよい。さらに、複数のインジケータ部10が別色インジケータ部10Sとして機能する場合、複数の別色インジケータ部10Sにそれぞれ対応する複数のベルトコンベアBCは、全部が一度に動作してもよいし、個別に順に動作してもよい。所定の対価に伴い複数のプレイ回数が提供される場合の複数のプレイ回数に対応する複数の動作対象のベルトコンベアBCについても同様である。つまり、複数のプレイ回数に対応する複数の動作対象のベルトコンベアBCは、プレイ回毎に順に個別に動作してもよいし、全プレイ回数分の動作対象のベルトコンベアBCを決定した後にそれらの全動作対象のベルトコンベアBCを同時に動作させてもよい。つまり、そのような複数の動作対象のベルトコンベアBCは、適宜の時期に動作してよい。
図7の例では、各ベルトコンベアBCを挟むように上下に位置する二つのLEDユニット8(図3参照)のうち下側のLEDユニット8のみ示されているが、上側のLEDユニット8も下側のLEDユニット8と同様に動作する。つまり、二つのLEDユニット8は互いにシンクロするようにいずれも同じ動作を実行する。景品TOは随時移動しているため、いずれか一方が景品TOによって隠される(ユーザに見えない)場合が生じる可能性もあるが、このような場合が仮に生じたとしても他方の表示によって配色の変化等が報知される。つまり、前後のLEDユニット8は、いずれか一方の不備を他方がサポートするように互いに同じ表示を提示する。
なお、各LED表示部9の配色の変化は、適宜に生じてよい。例えば、各LED表示部9の配色の変化は、対価の徴収(例えばコインの対価徴収機構への投入)に伴い、各インジケータ部10が左端から順に一つずつ変色するように生じてよい。換言すれば、配色の変化が左端から右端に向かって順に移動するように、各インジケータ部10は点灯してよい。また、この配色の変化は、右端まで到達した場合、再度左端に生じ、同様に右端に向かって移動してよい。つまり、配色の変化は、左端から右端に向かって一方向に循環するように繰り返し生じてよい。さらに、このような配色の変化は、複数のベルトコンベアユニット3がゲーム機1に設けられている場合には、ベルトコンベアユニット3毎に所定の順番で生じてよい。具体的には、例えば、二つのベルトコンベアユニット3が左右に並ぶように配置されている場合、左端のベルトコンベアユニット3の各インジケータ部10から右端のベルトコンベアユニットの各インジケータ部10の順番に生じてよい。つまり、二つのベルトコンベアユニット3を跨ぐように、一番左端のインジケータ部10から一番右端のインジケータ部10に向かって順に生じてよい。
あるいは、各LED表示部9の配色の変化は、上述のような循環ではなく折り返すように生じてもよい。具体的には、ベルトコンベアユニット3に含まれる全インジケータ部10の配色の変化は、左端から右に向かって順に生じ、右端に到達した後にはそこから折り返すように改めてその右端のインジケータ部10から左端のインジケータ部10に向かって生じてもよい。複数のベルトコンベアユニット3が存在する場合にも、全ベルトコンベアユニット3の全インジケータ部10において左端から右端に向かって生じ、右端のベルトコンベアユニット3の右端のインジケータ部10に到達した後にそこで折り返すようにそこから左端のベルトコンベアユニット3の左端のインジケータ部10に向かって生じてよい。あるいは、このような配色の変化は全インジケータ部10においてランダムに順に変化してもよい。また、このような循環、折返し、或いはランダム等といった順番の配色の変化は、ベルトコンベアユニット3の配置態様に応じて設定されてもよい。具体的には、例えば二台のベルトコンベアユニット3が同じ長辺側に連続的に並ぶように配置される場合、二台のベルトコンベアユニット3の間で循環型の配色の変化が生じてもよい。一方で、例えば図7の例のように各ベルトコンベアユニット3が短辺側に配置された場合には、各ベルトコンベアユニット3では折返し型に配色の変化が生じてもよい。配色の変化は、このようにベルトコンベアユニット3の配置等に応じて適宜に設定されてよい。
また、各LED表示部9の配色の変化は、適宜の数のインジケータ部10に生じてよい。例えば、このような配色の変化は、二つのインジケータ部10毎に生じてもよい。また、このような二つのインジケータ部10は、連続していてもよいし、連続していなくてもよい。これらのインジケータ部10の配色の変化は、一度の停止操作により停止されてもよいし、インジケータ部10毎に二度の停止操作により停止されてもよい。そして、各インジケータ部10の動作量によりそのインジケータ部10に対応するベルトコンベアBCが動作してよい。具体的には、配色の変化した二つのインジケータ部10が二つのベルトコンベアBCに対応する場合それらの二つのベルトコンベアBCがそれぞれのインジケータ部10に対応する動作量で動作してよい。あるいは、配色の変化した二つのインジケータ部10が一つのベルトコンベアBCに対応する場合、二つのインジケータ部10がそれぞれ示す動作量の合算量でその一つのベルトコンベアBCが動作してもよい。もしくは、このように一つのベルトコンベアBCにおいて配色の変化が停止した場合には、別途動作量等に特典が付与されてもよい。つまり、合算量以上の動作量でその一つのベルトコンベアBCは動作してもよい。
さらに、各LED表示部9はベルトコンベアBC毎に一つずつ対応する構成に限定されない。例えば、複数のベルトコンベアBCに対応するLED表示部9が設けられてもよい。具体的には、ベルトコンベアユニット3には、二つのベルトコンベアBCの間に二つのベルトコンベアBCに対応するLED表示部9が設けられていてもよい。そして、このようなLED表示部9の各インジケータ部10において配色の変化が停止した場合には、そのLED表示部9に対応する二つのベルトコンベアBC(例えば両側のベルトコンベアBC)が配色の停止したインジケータ部10の動作量で動作してもよい。つまり、通常一つのインジケータ部10の動作量で一つのベルトコンベアBCが動作するところ、2倍の動作量に相当する二つのベルトコンベアBCが動作してもよい。このように各ベルトコンベアBCの動作量には適宜の特典が設けられてもよい。一方、このような特典(複数のベルトコンベアBCが動作する場合には単独で動作する場合に比べて景品TOの搬送効率が上がる可能性が高いため、複数のインジケータ部10に配色の変化を生じさせる場合を含んでよい)は、追加的に対価(例えば、通常のプレイの2倍の対価、或いは1.5倍の対価等)が徴収された場合に限定されてもよい。また、ベルトBC1自体が、このようなLED表示部9として機能してもよい。具体的には、このようなLED表示部9、若しくはそれと同等の表示部(動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示すもの)がベルトBC1自体に設けられてもよい。例えば、このような同等の表示部として、動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示す情報(例えば単なる光の有無や配色の変化等を含む)をベルトBC1に投影するプロジェクタ等が利用されてよい。つまり、このようなプロジェクタ等を介して、ベルトBC1自体が動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示す表示部として機能してもよい。
同様に、3つのインジケータ部10の動作量の割当は適宜でよい。例えば、左側のインジケータ部10では2つのボックス10aが、右側のインジケータ部10では3つのボックス10aが、中央のインジケータ部10では4つのボックス10aが、それぞれ点灯していてもよい。また、3つのインジケータ部10のうち、最大の動作量を示すインジケータ部10は中央に限定されない。このようなインジケータ部10は、左右を含む適宜の位置に配置されてよい。また、点灯中のボックス10aに対応する動作量も適宜でよい。つまり、一つのボックス10aに所定の動作量が割り当てられ、各インジケータ部10が示す動作量は点灯中のボックス10aの数に線形で対応する構成に限定されない。各インジケータ部10が示す動作量は点灯中のボックス10aの数に応じて適宜に割当られてよい。
さらに、各LED表示部9に含まれるインジケータ部10の数も3つに限定されず、適宜でよい。あるいは、LED表示部9毎のインジケータ部10の代わりに、全LED表示部に対応する一つのインジケータが設けられていてもよい。この場合、そのようなインジケータでは経過時間に従い動作量を示す目盛り(ボックス10aと同様のボックス型のものを含む)の量が変化してよい。そして、停止操作によりそのような目盛りの変化が停止されてもよい。あるいは、全LED表示部9に共通の一つの数値表示部が設けられ、経過時間に従って変化する数値表示部の数値の変化が停止操作によって停止されてもよい。そして、その停止時の数値が動作量として機能してもよい。結果として、動作量を示すインジケータとそれに対応するように動作するベルトコンベアBCの数とは、1対1に限定されず、適宜の比率で対応していてよい。LED表示部9に関しても同様である。つまり、複数のLED表示部9の代わりに、例えば各ベルトコンベアBC示す数値等の情報を提示する一つの表示部が設けられ、その情報が停止操作によって一部のベルトコンベアBCを示す情報に停止するように変化してもよい。
また、ベルトコンベアユニット3には各種の形態の景品TOが配置される可能性がある。例えば、同じ形状であってもサイズの大きい景品TOが配置される場合もあれば、サイズの小さい景品TOが配置される場合もある。サイズの小さい景品TOの場合、サイズの大きい景品TOに比べて相対的に開口7までの距離が遠くなる傾向にある。また、搬送面DAが所定方向に移動する移動幅、換言すれば景品TOを所定方向に搬送する量はベルトコンベアBCの動作量に依存する。このため、サイズの小さい景品TOのときの動作量をサイズの大きい景品TOのときの動作量よりも大きくしなければ、ユーザに不公平感(あるいは1回のプレイに関する相対的な価値の低下)を招いてしまう可能性がある。このため、点灯中のボックス10aの数に応じた動作量は、ゲーム機1の管理者(例えばそのゲーム機1の所有者、あるいは所定の施設の運営者等)によって適宜に変更可能に構成されてよい。また、例えばゲーム機1に景品TOの大きさを検知可能なセンサが設けられる場合には、そのようなセンサの検出結果に応じてゲーム機1(制御ユニット21)がこのような動作量の設定を自動で行ってもよい。景品TOの大きさ以外の要素で動作量が変更される場合も同様である。さらに、動作量の設定は、景品TOの大きさが変化する場合に限定されず、適宜の場合に実行されてよい。
次に、図8及び図9を参照して、設定画面の詳細について説明する。設定画面は、上述のとおりモニタMOに表示される。モニタMOは、例えば、二つの押しボタン4の間に位置するように、各押しボタン4と同様のテーブルに設けられる。この場合、モニタMOには、設定画面の他にも各種のユーザ用の画面が表示されてよい。例えば、このような画面には、ゲームのルールを説明するルール説明画面、或いはゲームを広告する広告画面等が含まれてよい。また、このような広告画面等は、ゲーム機1が配置される施設の運営者等により適宜に用意された動画等の画像を含んでいてよい。つまり、広告画面等は、運営者等によって用意される適宜のコンテンツを利用するように構成されてよい。このため、ゲーム機1には、このようなコンテンツを記憶部22等に記憶させるための接続端子が用意されていてよい。そして、このような接続端子を介してフラッシュメモリ等によってコンテンツが記憶部22等に複製等されてよい。なお、モニタMOは、このようなユーザに見える位置に限定されず、筐体2の内部を含め適宜の場所に設けられてよい。
設定画面は、ゲーム機1に関する各種の設定を実行するためにモニタMOに表示される画面である。以下、図1の例のゲーム機1において左右の二つのベルトコンベアユニット3がそれぞれに対応する左右の二つの押しボタン4とともに独立てして二人のユーザにプライズゲームを提供する場合について説明する。この場合、設定画面は、ゲーム設定画面、及びアシスト設定画面を含んでいる。ゲーム設定画面は、ベルトコンベアユニット3の動作のうち、各ベルトコンベアBCの動作を設定(規定)するための設定画面である。より具体的には、ベルトコンベアユニット3には各ベルトコンベアBCの動作を制御(調整)するために設定内容を変更可能な各種のパラメータが用意されるが、ゲーム設定画面はそれらのうちユーザの押しボタン4を押す操作に関連するパラメータの設定を変更するために使用される。また、このようなパラメータとして、例えば、各ベルトコンベアBCの移動量(搬送量)、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピード(速さ)が利用される。つまり、ゲーム設定画面は、各種設定のうち、ユーザの押しボタン4を押す操作に関連するパラメータとして、各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードを設定するための設定画面である。
図8は、ゲーム設定画面の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、ゲーム設定画面30は、スピード設定領域31、移動量設定領域32、ターゲット設定領域33を含んでいる。スピード設定領域31は、動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードを設定するための領域である。動作対象のベルトコンベアBCは、例えば、上述のとおり各インジケータ部10の配色の変化に対する停止操作(停止行為の一例)によって決定される。例えば、このような配色の変化は、各LEDユニット8において左端のインジケータ部10から右端のインジケータ部10に向かって時間経過に伴い所定の速さで順に循環するように生じる。また、左右のベルトコンベアユニット3がそれぞれ別々のユーザのプレイに使用される場合、このような循環はLEDユニット8毎に生じる。つまり、一例として、LEDユニット8毎に循環するように左端から右端に向かって各インジケータ部10に所定の速さで生じる配色の変化に対して停止操作が実行された場合に、その配色が停止した位置のインジケータ部10に対応するベルトコンベアBCが動作対象のベルトコンベアBCとして決定される。このような場合、動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードとして、所定の速さ(各インジケータ部10に生じる配色の変化の速度)が機能する。このため、スピード設定領域31では、このような所定の速さが設定される。
具体的には、スピード設定領域31は、スピードゲージ31A、及び値変更アイコンCIを含んでいる。スピードゲージ31Aは、所定の速さとして設定される設定速度を示すゲージである。スピードゲージ31Aは、タッチ操作を通じて設定速度の変更に使用されてもよい。一方、値変更アイコンCIは、設定値を変更するためのタッチ位置として機能するアイコンである。値変更アイコンCIは、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2を含んでいる。値増加アイコンCI1は設定値を増加させるためのタッチ位置として、値減少アイコンCI2は設定値を減少させるためのタッチ位置として、それぞれ機能する値変更アイコンCIである。つまり、これらの値増加アイコンCI1及び値減少アイコンCI2へのタッチ操作を通じて、現在の設定速度が増減される。なお、後述のとおりベルトコンベアBCの移動量(動作量)はインジケータ部10毎に設定されるため、所定の速さ(左右方向等に各インジケータ部10に順に生じる配色の変化の速度)はベルトコンベアBCの移動量にも関連する。具体的には、同じベルトコンベアBCに対応する場合でも、配色の変化の停止位置(配色の変化が停止したインジケータ部10)が移動量の多いインジケータ部10に該当するか、移動量の少ないインジケータ部10に該当するかによって実際のベルトコンベアBCの移動量が変化する。このため、所定の速さはベルトコンベアBCの移動量に関連するとも考えられる。
図8の例では、スピードゲージ31Aが設定速度の変更に使用され、かつ設定速度として最大速度及び最小速度が設定される場合が示されている。この場合、スピードゲージ31Aの右端に位置する値変更アイコンCIが最大速度の変更に、左端に位置する値変更アイコンCIが最小速度の変更に、それぞれ使用される。同様に、スピードゲージ31Aにおいて設定速度として示される範囲(格子状の斜線)の右端が設定速度の最大値として、左端が最小値として、それぞれ機能する。このため、例えば、設定速度の範囲の右端を右側に広げるタッチ操作により最大値(設定速度における最大速度)が上昇し、左側に狭めるタッチ操作により最大値が減少する。設定速度の範囲の左端(設定速度における最小速度)に関しても同様である。そして、このような場合、各インジケータ部10に左端から右端に向かって循環的に順に生じる配色の変化は、設定速度における最大速度と最小速度との間の速度において生じる。具体的には、各インジケータ部10の配色の変化として実際に生じる速さは、ユーザによって配色の変化の開始時(例えば配色の変化は所定の対価の徴収に伴い自動的に開始されてもよいし、その後の押しボタン4を押す操作等の開始を意図する操作に伴い開始されてもよい)に、これらの最大値及び最小値の範囲においてランダムに決定される。また、そのようにランダムに決定された速さ(例えば左右方向にインジケータ部10毎に順に実際に生じる配色の変化の移動速度)は所定期間維持される。このような所定期間は適宜の期間でよいが、例えば1回のプレイ期間(所定の対価と引き換えに生じる範囲)が採用される。結果として、少なくとも1回のプレイ期間中は配色の変化の移動速度は一定の速度に維持される。
なお、各インジケータ部10の配色の変化として実際に生じる速さは、ランダムに決定される構成に限定されない。例えば、このような実際の速さは、所定の規則に従って決定されてもよい。例えば、このような規則として、最小値から所定の間隔で最大値に向かって順に速度を上昇させる(最大値後は循環でよい)規則が採用されてもよい。一方、設定速度には、最大値及び最小値の範囲(幅)ではなく、一定の速度が設定されてもよい。
一方、移動量設定領域32、及びターゲット設定領域33は、いずれも各ベルトコンベアBCの移動量を設定するための領域である。具体的には、移動量設定領域32は各ベルトコンベアBCの移動量の設定に、ターゲット設定領域33はその移動量を設定すべきベルトコンベアBCの設定に、それぞれ使用される。このため、移動量設定領域32は、量表示領域32A、及び値変更アイコンCIを含んでいる。量表示領域32Aは、各ベルトコンベアBCのベルトBC1の移動量、換言すれば動作対象のベルトコンベアBCの動作量として設定される設定量を表示する領域である。量表示領域32Aには、各インジケータ部10の一つのボックス10aあたりの移動量が設定量として表示される。値変更アイコンCIは、設定値を変更するためのアイコンであり、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2を含んでいる。そして、値増加アイコンCI1は設定量を増加させるために、値減少アイコンCI2は設定量を減少させるために、それぞれ使用される。
ターゲット設定領域33は、上述のとおり移動量設定領域32にて設定された設定量が設定されるべき対象のベルトコンベアBCを設定するための領域である。ターゲット設定領域33は、インジケータ領域33A、及び二つのラジオボタン33Bを含んでいる。二つのラジオボタン33Bは、移動量設定領域32にて設定された設定量を全ベルトコンベアBCに一律に設定するか、或いは移動量設定領域32を通じて各ベルトコンベアBCに個別に設定量を設定するか、を選択するために使用される。このため、一方のラジオボタン33Bが“全て”(全ベルトコンベアBCに一律の設定量を設定)に、他方のラジオボタン33Bが“個別”(一つ一つのベルトコンベアBCに個別の設定量を設定)に、それぞれ対応する。
一方、インジケータ領域33Aは、各LED表示部9に対応するLED対応部33Cを含んでいる。LED対応部33Cは、各LED表示部9を介してベルトコンベアBCに対応する。また、各LED対応部33Cは、各ボックス10aに対応するボックス対応部BXを含んでいる。各ボックス対応部BXは、各LED対応部33Cにおいて各インジケータ部10に対応する列を形成するように配置される。そして、各LED対応部33Cの各ボックス対応部BXへのタッチ操作により移動量設定領域32の設定量が各ベルトコンベアBCのインジケータ部10の単位で設定される。つまり、各ボックス対応部BXへのタッチ操作により、設定量の設定対象として各ベルトコンベアBCのインジケータ部10が特定される。具体的には、各LED対応部33Cでは、各ボックス対応部BXへのタッチ操作によりボックス対応部BXの単位で対象が指定される。そして、その指定されたボックス対応部BXが属する列に対応するインジケータ部10が設定対象のインジケータ部10として特定される。また、その設定対象のインジケータ部10に対応する列において指定されているボックス対応部BXの数、及び移動量設定領域32の設定量の積算量が各インジケータ部10の単位で移動量として設定される。
図8の例では、二つのラジオボタン33Bのうち、“個別”に対応するラジオボタン33Bが選択されている。つまり、各ベルトコンベアBCへの個別の設定量の設定が選択されている。また、インジケータ領域33Aでは、右から三つ目のLED対応部33Cにおいて各ボックス対応部BXが選択されている。より具体的には、右から三つ目のLED対応部33Cの真ん中の列において縦方向(列の伸びる方向、或いはインジケータ部10を形成する方向)に五つのボックス対応部BX(右斜線で示されるボックス対応部BX)が選択されている。この選択状態の五つのボックス対応部BXは、例えば上下方向にタッチ操作を変更することにより適宜の数に変更されてよい。
同様に、図8の例では、移動量設定領域32の量表示領域32Aには、設定量として“10”の移動量が設定されている。移動量の単位は、適宜でよいが、一例としてmm(ミリメータ)が採用される。このため、各ボックス10aの一つあたりの移動量として移動量設定領域32を介して10mmが設定されている。この場合、ベルトコンベアユニット3の右から三つ目のLED表示部9に対応するベルトコンベアBCにおいて真ん中に位置するインジケータ部10に、設定量の10mmに5(五つのボックス対応部BXに対応)が積算された50mmが移動量として設定される。つまり、このインジケータ部10において配色の変化が停止された場合、このインジケータ部10に対応するベルトコンベアBC(右から三つ目に位置するベルトコンベアBC)は、ベルトBC1を介して50mmに亘って景品TOを搬送するように動作する。この例において、ゲーム設定画面30が本発明の設定画面の一例として、それを表示するモニタMOが本発明の表示装置の一例として、それぞれ機能する。また、移動量設定領域32にて設定される移動量の“10”が本発明の所定量として機能する。
なお、図8の例において、“全て”に対応するラジオボタン33Bが選択されている場合、五つのボックス対応部BXの選択状態は、インジケータ領域33Aの各ボックス対応部BXが形成する全列に適用される。つまり、全ボックス対応部BXが選択状態となり、全ベルトコンベアBCの全インジケータ部10に50mmの移動量が設定される。あるいは、“全て”に対応するラジオボタン33Bの選択は、各ボックス対応部BXの列(換言すれば各インジケータ部10)毎の設定として利用されてもよい。具体的には、“全て”に対応するラジオボタン33Bが選択されている場合、例えば図8の例のようにLED対応部33Cの真ん中のボックス対応部BXの列への設定は全LED対応部33Cの真ん中のボックス対応部BXの列に適用されてよい。同様に、いずれか一つのLED対応部33Cの右側のボックス対応部BXの列に対する設定は全LED対応部33Cの右側のボックス対応部BXの列に、左側のボックス対応部BXの列に対する設定は全LED対応部33Cの左側のボックス対応部BXの列に、それぞれ適用されてよい。また、上述のとおり量表示領域32Aの移動量の単位は適宜でよいが、例えば、タイミングプーリ12が歯車として構成される場合、このような移動量の単位としてそのタイミングプーリ12のピッチ(各歯間の幅)が採用されてもよい。あるいは、移動量の単位は、時間(例えばタイミングプーリ12の回転時間)であってもよい。さらに、同じ値に再現性がある限り、移動量には特定の単位が設定されていなくてもよい。
また、ゲーム設定画面30には、その他にも各種の補助用の領域等が設けられる。例えば、そのような領域等には、対象表示領域34、対象変更アイコン35、テストアイコン36、キャンセルアイコン37、複製アイコン38、及びアシスト設定遷移アイコン39が含まれる。対象表示領域34は、現在設定中のベルトコンベアユニット3(例えば左側が1P用のベルトコンベアユニット3として、右側が2P用のベルトコンベアユニット3として互いに区別される)を表示するための領域である。一方、対象変更アイコン35は、設定対象のベルトコンベアユニット3を変更するためのタッチ位置として機能するアイコンである。図8の例では、対象表示領域34に“1P”、つまり現在設定中のベルトコンベアユニット3として1P用のベルトコンベアユニット3を示す情報が表示されている。この場合、対象変更アイコン35は、もう一方の2P用のベルトコンベアユニット3に設定対象のベルトコンベアユニット3を変更する(切り替える)ためのアイコンとして機能する。
また、テストアイコン36は、各ベルトコンベアBCにテスト的に動作を実行させるためのタッチ位置として機能するアイコンである。テストアイコン36にタッチ操作が実行された場合、現在設定中の内容(ゲーム設定画面30が維持された状態)で実際に各ベルトコンベアBCが動作する。具体的には、図8の例においてテストアイコン36がタッチされた場合、1P用のベルトコンベアユニット3において右から三つ目に位置するベルトコンベアBCが50mmの移動量で実際に動作する。
同様に、キャンセルアイコン37は現在の設定内容をキャンセルする(取り消す)ためのタッチ位置として、複製アイコン38は現在の設定内容を他のベルトコンベアユニット3(例えば2P用のベルトコンベアユニット3に複製(コピー)するためのタッチ位置として、それぞれ機能するアイコンである。一方、アシスト設定遷移アイコン39は、アシスト設定画面に遷移するためのタッチ位置として機能するアイコンである。つまり、アシスト設定遷移アイコン39へのタッチ操作に伴い、アシスト設定画面が呼び出され、ゲーム設定画面30からアシスト設定画面に遷移(移行)する。
アシスト設定画面は、各種設定のうち、ゲーム設定画面30における各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードの設定を補助する設定を行うための設定画面である。より具体的には、アシスト設定画面は、各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードの自動設定を実現するための設定画面である。つまり、ゲーム機1は、このようなアシスト設定画面を介して、ユーザの押しボタン4を押す操作に関連するパラメータの設定を自動で実行する自動設定機能を有している。
図9は、アシスト設定画面の一例を模式的に示す図である。図9に示すように、アシスト設定画面40は、単価設定領域41、目標値設定領域42、実績表示領域43、及び設定切替領域44を含んでいる。単価設定領域41は、景品TOの一つあたりの単価(費用)を設定するための領域である。単価設定領域41は、単価表示領域41A、及び値変更アイコンCIを含んでいる。値変更アイコンCIは、設定値(設定金額)を変更するためのアイコンであり、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2を含んでいる。単価表示領域41Aは、設定された単価を表示するための領域である。単価表示領域41Aに表示される単価(設定中の単価)は、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2へのタッチ操作により増減される。この場合、このような単価設定領域41を含むことによりアシスト設定画面40の提供が本発明の単価設定機会として機能する。なお、景品の単価は適宜に取得されてよい。例えば、ICタグ等が各景品TOに、それを読み取るリーダがゲーム機1にそれぞれ設けられている場合、そのようなICタグを介して景品TOの種類毎に自動で単価が取得されてもよい。そして、そのような単価に基づいて後述の払出金額等が算出されてもよい。このため、単価の設定は省略されてもよい。
目標値設定領域42は、ペイアウト率(以下、PO率と呼ぶ場合がある)の目標値(以下、目標PO率と呼ぶ場合がある)を設定するための領域である。PO率は、一例として、払出金額(ユーザに付与した景品の費用を所定期間において累計した金額)をインカム金額(所定の対価、つまりプレイ料金として徴収された収益を所定期間において累計した金額)で割ることにより得られる。目標値設定領域42は、目標値表示領域42A、及び値変更アイコンCIを含んでいる。値変更アイコンCIは、設定値(目標値)を変更するためのアイコンであり、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2を含んでいる。目標値表示領域42Aは、目標値として設定されたPO率を表示するための領域である。目標値表示領域42Aに表示される目標値(設定中の目標値)は、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2へのタッチ操作により増減される。この場合、このような目標値設定領域42を含むことによりアシスト設定画面40の提供が本発明の目標設定機会として機能する。
実績表示領域43は、ベルトコンベアBCの移動量等の自動設定に関連する実績の情報を表示するための領域である。実績表示領域43は、PO率領域43A、インカム領域43B、払出金額領域43C、及びクリアアイコン43Dを含んでいる。PO率領域43Aは、現在のPO率(所定期間におけるPO率の実績)を表示するための領域である。インカム領域43Bは、所定期間におけるインカム金額の実績を表示するための領域である。一方、払出金額領域43Cは、所定期間における払出金額(ユーザに付与された景品の費用、つまりプライズゲームの提供に要した景品の金額を所定期間において累計した額)の実績を表示するための領域である。払出金額は、単価設定領域41に設定された景品TOの単価と所定期間においてユーザに付与した景品TOの個数(センサSMによって検出された個数)との積算によって算出される。一方、クリアアイコン43Dは、実績表示領域43に表示中の各実績を算出する所定期間をリセット(初期値に戻す)するためのタッチ位置として機能するアイコンである。つまり、クリアアイコン43Dへのタッチ操作に伴い、所定期間が初期値(例えばゼロ)に戻り、新しく所定期間が開始される。また、所定期間のリセットに伴い、実績表示領域43の表示内容もリセットされ、初期値に戻る。
設定切替領域44は、自動設定のON(自動設定を行う)/OFF(自動設定を行わない)を切り替えるための領域である。設定切替領域44は、一方が“ON”に他方が“OFF”にそれぞれ対応する二つのラジオボタン44AAを含んでいる。そして、“ON”に対応するラジオボタン44Aが選択された場合に自動設定が実行される。このような自動設定は、目標PO率、所定期間におけるPO率の実績、及び現在の各パラメータ(例えば、各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピード)に基づいて実行される。具体的には、まず目標PO率とPO率の実績とが比較され、PO率の実績が目標PO率を超えている場合、現在のパラメータの設定内容よりも一段階難易度が高くなる内容が各パラメータに設定されるべき推奨内容として判別される。そして、その判別結果に従って推奨内容になるように各パラメータの設定内容が変更される。つまり、目標PO率とPO率の実績との比較結果に基づいて推奨内容が判別され、その推奨内容が各ベルトコンベアBCの移動量、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さとして実際にゲーム設定画面30の量表示領域32A等に設定される。同様に、目標PO率とPO率の実績との比較結果に基づいてPO率の実績が目標PO率を下回っている場合(PO率の実績が目標PO率未満の場合)には、現在のパラメータの設定内容よりも一段階難易度が低くなる内容が推奨内容として判別され、その推奨内容が実際にゲーム設定画面30の量表示領域32A等に設定される。なお、目標PO率とPO率の実積とが一致している場合、推奨内容として現在の設定内容が判別され、その設定内容が維持される。
図9の例では、単価表示領域41Aには“500”が表示されている。つまり、景品TOの一つあたりの単価として500円が設定されている。そして、この単価に基づいて、払出金額領域43Cには払出金額として“3000”が表示されている。つまり、所定期間における払出金額の実績として3000円の情報が払出金額領域43Cに表示されている。これらの情報から(3000円を500円で割ることにより)、所定期間における景品の付与数(ユーザに付与された景品個数、換言すればユーザに景品が付与された回数の累計)が6個(センサSMによって検出された個数)と把握される。同様に、目標PO率として、目標値表示領域42Aには“20”が設定されている。つまり、PO率の目標値として20%が設定されている。一方で、現在のPO率として、PO率領域43Aには“30”、つまり現在のPO率として30%を示す情報が表示されている。現在のPO率は、払出金額の実績(“3000”)をインカム金額(“10000”)で割ることによって得られるが、目標PO率よりも10%高くなっている。この場合、各ベルトコンベアBCの移動量等には現在の移動量等よりも一段階難易度が高くなる内容が設定される。この例において、“500”、及び付与数の6個が本発明の景品の単価、及び累計回数としてそれぞれ機能する。同様に、インカム金額の“10000”、払出金額の“3000”、現在のPO率の“30”、及び目標PO率の“20”が本発明の累計対価額、累計費用、費用対価率、及び目標費用対価率としてそれぞれ機能する。
一段階高い難易度(あるいは一段階低い難易度も同様)は、所定の規則に従って予め用意されていてよいが、例えば、各ベルトコンベアBCの現在の移動量よりも所定量(例えば、値変更アイコンCIが一度タッチ操作された場合に相当する量)少ない量(一段階低い難易度の場合はその反対)、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する現在の速さよりも所定値(例えば、値変更アイコンCIが一度タッチ操作された場合に相当する値)速い速さ(一段階低い難易度の場合はその反対)が利用される。つまり、図9の例の場合、移動量設定領域32において値減少アイコンCI2が一度タッチ操作され、スピード設定領域31において最大値に対応する値増加アイコンCI1、及び最小値に対応する値増加アイコンCI1がそれぞれ一度ずつタッチ操作された内容と同様の内容が自動で設定される。同様に、仮に目標PO率の方がPO率の実績を上回っていた場合(目標PO率がPO率の実積を超えている場合)には、その反対の調整が実行される。つまり、一段階難易度が低くなるように、移動量設定領域32において値増加アイコンCI1が一度タッチ操作され、スピード設定領域31において最大値に対応する値減少アイコンCI2、及び最小値に対応する値減少アイコンCI2がそれぞれ一度ずつタッチ操作された内容と同様の内容が自動で設定される。そして、このような調整が所定期間毎に実行される。
なお、所定期間は適宜に設定されてよい。例えば、PO率の実績等を算出するための所定期間と、難易度を調整するための所定期間とは一致していても、相違していてもよい。具体的には、例えば、PO率の実績等を算出するための所定期間として一週間が、難易度を調整するための所定期間として一日(電源ONからOFFされるまでが一日とカウントされてもよいし、実時間の一日が計測されてもよい)が、それぞれ採用され、一週間後に目標PO率に近づくように日々難易度が調整されてもよい。このように難易度を調整するための所定期間の方が短い場合、細かく難易度を調整することができるので、より自然に目標PO率に近づける調整を実現することができる。一方、難易度の調整は、所定期間におけるPO率の平均値に基づいて実行される形態にも限定されない。例えば、所定期間におけるPO率の最頻出値、或いは最大値等の適宜の実績値に基づいて目標PO率に近づくように調整が実行されてよい。
また、一段階低い難易度、及び一段高い難易度は、適宜に設定されてもよい。例えば、上述の形態では、一段低い難易度(あるいは一段高い難易度)として、各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さの両方が調整されている。しかし、難易度の調整は、これらのいずれか一方に生じてもよい。この場合、調整対象のパラメータ(移動量、或いは速さ)は、所定の順番で順に決定されてもよい。また、難易度の調整には限度(下限、或いは上限)が設定されていてもよい。そして、一方の調整が限度に達した場合に他方が調整されてもよい。具体的には、例えばまず移動量が調整され、移動量の値が下限値(或いは上限値)まで調整された場合に、速さの調整が開始されてもよい。移動量等に一定以上の値が設定されてしまうと、不自然な動作になってしまう可能性があるため、このような調整により比較的自然な調整を実現することができる。あるいは、いずれか一方のパラメータだけが調整対象として利用されてもよい。さらに、このような調整対象のパラメータ(いずれか一方だけの場合を含む)は、過去の実績に応じて決定されてもよい。例えば、目標PO率とPO率の実績との相違の程度に応じて適宜により適切ないずれか一方が選択されてもよい。具体的には、例えば、過去の実績において移動量の調整の方が速さの調整よりも効果的である場合、調整対象として速さが選択されてもよいし、その反対に調整の効果を抑制するために移動量が選択されてもよい。このような過去の実績の利用は、移動量及び速さの両方が調整される場合にも適用されてよい。また、このような一段階低い難易度等に対応する推奨内容は適宜にテーブル等によって予め指定されてもよい。さらに、調整される難易度は一段階に限定されず、二段階等の適宜の段階で調整されてよい。また、このような適宜の段階の調整は一律ではなく、例えば標PO率とPO率の実績との間の乖離度等に応じて可変的に実行されてもよい。具体的には、乖離度が高くなるに従って一段階、二段階、三段階と比例的に徐々に難易度の調整の程度が上昇してもよい。
同様に、速さの調整は、速さの範囲が維持されるように最大値及び最小値の両方に生じる形態に限定されない。最大値、或いは最小値(例えば実績に応じてより適切な一方が特定されてもよい)のいずれか一方に実行されてもよい。同様に、調整対象の所定量も実績等に応じて適宜に設定されてよい。さらに、このような実績にベルトコンベアBC毎に個性が生じている場合(例えば景品TOを排出口5まで搬送したベルトコンベアBCはセンサSMの検出結果、及びその際の動作対象のベルトコンベアBCに基づいて特定されてよい)、そのような個性が難易度の調整に反映されてよい。つまり、各ベルトコンベアBCの排出実績に応じてベルトコンベアBC毎に難易度が調整されてもよい。
一方で、このような自動設定において自動で設定される推奨内容(調整対象の所定量も含んでいよい)は、自動設定されない場合等において参考情報としてユーザに提供されてもよい。例えば、このような情報は、ゲーム設定画面30或いはアシスト設定画面40に表示されてよい。つまり、このような参考情報としての推奨内容はモニタMOを介して適宜にユーザに提供されてよい。あるいは、音声出力装置等の適宜の出力装置を介してユーザに提供されてもよい。そして、ユーザは、そのような参考情報(推奨内容)を参考に適宜の内容を各パラメータに設定してもよい。つまり、自動設定は省略され、推奨内容は参考情報としてユーザに提供されてもよい。
次に、設定データSD、及び実積データの詳細について説明する。図10は、設定データSDの構成の一例を示す図である。設定データSDは、設定画面における設定結果を管理するためのデータである。より具体的には、図10の例は、設定画面における設定結果としてゲーム設定画面30及びアシスト設定画面40における設定結果が管理される場合の設定データSDを示している。つまり、図10の例は、ゲーム設定画面30及びアシスト設定画面40において設定された現在の設定内容が管理される場合の設定データSDを示している。この場合、図10に示すように、設定データSDは、現在の設定内容を管理する設定レコードSDRを含んでいる。
設定レコードSDRは、“PO率”、“景品単価”、“移動量”、“速さ”、及び“アシスト”の情報を含んでいる。“PO率”は、アシスト設定画面40において設定された目標PO率を示す情報である。目標PO率が設定されていない場合には、そのような設定なしを示す情報が“PO率”に記述される。“景品単価”は、アシスト設定画面40において設定された景品TOの一つあたりの単価を示す情報である。“移動量”は、ゲーム設定画面30(あるいは自動設定)において設定された移動量を示す情報である。“移動量”の情報は、移動量がインジケータ部10毎に設定される場合(ゲーム設定画面30において“個別”のラジオボタン33Bが選択されている場合)、各インジケータ部10を識別するための情報を含んでいてよい。つまり、“移動量”には、インジケータ部10毎の移動量の情報が記述されてよい。“速さ”は、動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さ、つまりゲーム設定画面30において設定された速さ(スピード)を示す情報である。“アシスト”は、自動設定のON/OFF(換言すれば、“ON”或いは“OFF”のいずれに対応するラジオボタン44AAが選択されているか)を示す情報である。設定レコードSDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
なお、設定データSDでは、ゲーム設定画面30等の設定画面を通じて設定される各種の設定結果が適宜に管理されてよい。このため、設定データSDは、このような各種の設定結果の情報を含んでいてよい。また、設定データSDでは、過去の設定結果(設定実績)が管理されてもよい。この場合、各設定レコードSDRには、各設定レコードSDRを識別するための情報が含まれてよい。そして、ゲーム設定画面30等の設定において、設定実績が参照されてよい。具体的には、設定実績が参考情報として提示されてもよい。あるいは、設定実績が選択肢として提示され、選択された設定実績がゲーム設定画面30等に設定されてもよい。つまり、設定実績がゲーム設定画面30等の設定用のいわゆるテンプレートとして使用されてもよい。さらに、このような設定データSDは、外部から提供されたり、外部に提供されたりしてよい。具体的には、例えば、ゲーム機1がネットワークを介してサーバ装置に接続される場合、設定データSDは、そのようなネットワークを介して他者と共有されるようにサーバ装置にアップロードされてもよいし、反対に他者の設定内容がゲーム機1で利用されるようにサーバ装置からダウンロードされてもよい。あるいは、ゲーム機1にフラッシュメモリ(フラッシュドライブ)等の外付け型の記憶装置を接続するための端子が設けられている場合、そのような記憶装置を介して外部に提供されたり、外部から提供されたりしてもよい。また、このような設定データSDは、制御ユニット21が人口知能(いわゆるAI)として機能するように設けられる場合、そのような人口知能によって使用されてもよい。具体的には、目標PO率を含む各種の設定値に基づき、所定のアルゴリズム(重みづけ)によって各種の設定実績からより適切な設定内容が算出されてもよい。
図11は、実積データRDの構成の一例を示す図である。上述のとおり、実積データRDは、プライズゲームに関する各種の実積を管理するデータである。実積データRDは、このような実積を日時に応じて管理するための実積レコードRDRを含んでいる。実積レコードRDRは、“日時”、“プレイ回数”、及び“個数”の情報を含んでいる。“日時”は、日付、及び時間を示す情報である。“日時”の情報は、例えば所定期間の特定に使用される。“プレイ回数”は、プライズゲームがプレイされた回数、換言すればユーザに提供されたプライズゲームの回数の実積を示す情報である。“プレイ回数”は、例えば所定期間におけるインカム金額の算出(プレイ回数と1回あたりのプレイ料金との積算)に使用される。“個数”はユーザに付与された景品の個数の実積を示す情報である。“個数”は、例えば払出金額の算出に使用される。実積レコードRDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、実積データRDでは、これらの実積に限定されず、プライズゲームの管理等に必要な適宜の実積が管理されてよい。
次に、図12〜図14を参照して、設定画面表示処理、景品単価処理、及びパラメータ判別処理の手順について説明する。設定画面表示処理、景品単価処理、及びパラメータ判別処理は、いずれも制御ユニット21の画面制御部25によって実行される。設定画面表示処理は、設定画面をモニタMOに表示させるための処理である。図12の例は、設定画面の一つとしてアシスト設定画面40をモニタMOに表示させるための設定画面表示処理を示している。この場合、画面制御部25は、ゲーム設定画面30においてアシスト設定遷移アイコン39がタッチ操作される毎に図12の設定画面表示処理を開始し、まずアシスト設定画面40の表示に必要な実績の情報を取得する(ステップS101)。このような実績には適宜に各種の実績が含まれてよいが、例えば、インカム金額を算出するためのプレイ回数、及び払出金額を算出するための付与数(払出個数)の情報が含まれる。これらの情報は実積データRDから取得される。具体的には、これらの情報として、実積データRDの“プレイ回数”、及び“個数”の情報が取得される。また、目標PO率等が既に設定されている場合には、設定済みの設定内容を設定データSDから取得する。具体的には、このような設定内容には、例えば、景品TOの一つあたりの単価を示す“景品単価”、及び目標PO率を示す“PO率”が含まれる。
続いて画面制御部25は、ステップS101で取得した実績の情報を参照しつつ、アシスト設定画面40をモニタMOに表示させる(ステップS102)。具体的には、画面制御部25は、プレイ回数と一回あたりのプレイ料金とに基づいて所定期間におけるインカム金額を算出し、実績表示領域43のインカム領域43Bに提示する。また、既に景品TOの単価が設定されている場合、画面制御部25は、この単価とユーザに付与された景品TOの個数とを積算することにより払出金額の実績を算出し、実績表示領域43の払出金額領域43Cに提示する。同様に、画面制御部25は、払出金額の実績をインカム金額で除算することによりPO率の実績を算出し、実績表示領域43のPO率領域43Aに提示する。また、画面制御部25は、既に目標PO率が設定されている場合には、目標値設定領域42の目標値表示領域42Aに提示する。これらにより、インカム金額等の各種の情報が所定の領域に配置されたアシスト設定画面40がモニタMOに表示される。そして、画面制御部25は、このようにアシスト設定画面40を表示した後に今回の設定画面表示処理を終了する。これにより、アシスト設定画面40がモニタMOを介してユーザに提供される。換言すれば、アシスト設定画面40を介して、目標PO率等を設定するための設定機会がユーザに提供される。
景品単価処理は、アシスト設定画面40において実績表示領域43の払出金額領域43Cに表示されるべき払出金額を算出するための処理である。アシスト設定画面40において単価設定領域41の単価表示領域41Aに景品TOの一つあたりの単価が設定(入力)される毎に画面制御部25は図13の景品単価処理を開始し、まず単価表示領域41Aに入力された景品TOの単価の入力結果を取得する(ステップS201)。続いて画面制御部25は、その取得した単価に基づいて実績表示領域43の払出金額領域43Cに表示されるべき払出金額を算出する(ステップS202)。具体的には、画面制御部25は、ステップS201で取得した景品TOの単価と所定期間においてユーザに付与された景品TOの個数(例えば実績データRDを参照)とを積算することによりこの払出金額を算出する。次に画面制御部25は、この算出結果を実績表示領域43の払出金額領域43Cに提示する(ステップS203)。そして、画面制御部25は、その払出金額を提示した後に今回の景品単価処理を終了する。これにより、アシスト設定画面40において設定された景品TOの単価に応じて所定期間における払出金額が算出され、その払出金額が実績表示領域43の払出金額領域43Cを介してユーザに提供される。
パラメータ判別処理は、ユーザによって設定される目標値に基づいて、プレイ行為に関連する動作手段のパラメータに推奨内容を自動設定するための処理である。つまり、パラメータ判別処理は、自動設定機能を実現するための処理である。また、図14の例は、目標値としてPO率がユーザによって設定される場合のパラメータ判別処理を示している。この場合、画面制御部25は、自動設定がONになっているときに所定期間(難易度の見直しのための期間)毎に繰り返し図14のパラメータ判別処理を開始し、まず設定内容(難易度)の調整(見直し)に必要な各種データを取得する(ステップS301)。このようなデータには、実績データRD、及び設定データSDが含まれる。つまり、画面制御部25は、ステップS301において、まず実績データRD、及び設定データSDを取得する。
続いて画面制御部25は、ステップS301で取得した実績データRD、及び設定データSDに基づいてプレイ行為に関連するパラメータの推奨内容を判別する(ステップS302)。プレイ行為に関連するパラメータとして、例えば上述のとおり各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さが利用される。このため、画面制御部25は、ステップS302において実績データRD及び設定データSDを参照しつつ、これらの移動量、及び速さに設定されるべき内容を推奨内容として判別する。具体的には、画面制御部25は、まず設定データSDの目標PO率と現在のPO率(例えば実績データRDの“プレイ回数”及び一回あたりのプレイ料金に基づくインカム金額を“個数”と単価とに基づく払出金額で割ることにより算出)とを比較し、それらの間の大小関係を判別する。そして、その判別結果として現在のPO率が目標PO率を超えている場合、画面制御部25は一段階難易度が高くなる設定内容をパラメータの推奨内容として判別する。例えば、画面制御部25は、このような一段階高い難易度の推奨内容として現在の移動量よりも所定量少ない移動量(例えば値変更アイコンCIに対する一度のタッチ操作分)、及び現在の速さよりも所定値(例えば値変更アイコンCIに対する一度のタッチ操作分)速い速さを推奨内容として判別する。一方、目標PO率と現在のPO率との比較結果として現在のPO率が目標PO率よりも小さい場合、画面制御部25は一段階難易度が低くなる設定内容をパラメータの推奨内容として判別する。例えば、画面制御部25は、このような一段階低い難易度の推奨内容として現在の移動量よりも所定量多い移動量、及び現在の速さよりも所定値遅い速さを推奨内容として判別する。あるいは、目標PO率と現在のPO率とが一致している場合には、画面制御部25は、現在の移動量等の設定内容が維持されるように、現在の設定内容を推奨内容として判別する。
次に画面制御部25は、ステップS302で判別した推奨内容をプレイ行為に関連するパラメータに設定する(ステップS303)。具体的には、画面制御部25は、現在のPO率が目標PO率を超えている場合には、現在の移動量よりも所定量少ない移動量、及び現在の速さよりも所定値速い速さを推奨内容として、ベルトコンベアBCの移動量、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さにそれぞれ設定する(実際にベルトコンベアBC等を制御するための値として設定される。ベルトコンベアBC等の動作が設定データSDの“移動量”或いは“速さ”の情報によって制御される場合、ステップS303は続くステップS304の処理によって代替されてもよい。つまりステップS303は省略されてもよい。以下の現在のPO率が目標PO率よりも小さい場合、或いはこれらが一致している場合も同様。)。一方、画面制御部25は、現在のPO率が目標PO率よりも小さい場合には、現在の移動量よりも所定量多い移動量、及び現在の速さよりも所定値遅い速さを推奨内容として、ベルトコンベアBCの移動量、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さにそれぞれ設定する。あるいは、画面制御部25は、目標PO率と現在のPO率とが一致している場合には、現在の移動量等の設定内容を維持する(画面制御部25は、同様の設定内容を再度設定してもよいし、その設定内容をそのまま維持してもよい)。
続いて画面制御部25は、ステップS303の設定結果が反映されるように、設定データSDを更新する(ステップS304)。具体的には、画面制御部25は、ベルトコンベアBCの移動量、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さを変更した場合には、設定データSDの“移動量”、及び“速さ”の情報をその設定結果の情報に変更する(ベルトコンベアBC等の動作が設定データSDの“移動量”或いは“速さ”の情報によって制御される場合、これらの更新後の“移動量”或いは“速さ”の情報が参照され、ベルトコンベアBC等が実際に動作する)。そして、画面制御部25は、設定データSDを更新した後に今回のパラメータ判別処理を終了する。これにより、プレイ行為に関連するパラメータに関する自動設定機能が実現される。より具体的には、アシスト設定画面40において設定された目標PO率に実際のPO率が近づくように、ベルトコンベアBCの移動量、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さとして設定されるべき推奨内容が所定期間毎に判別され、その推奨内容がそれらの移動量及び速さに実際にそれぞれ自動で設定される。つまり、目標PO率に実際のPO率が近づくように、これらの移動量、及び速さの変更を通じてプライズゲームの難易度が所定期間毎に調整される。
以上に説明したように、この形態によれば、景品TOが二以上のベルトコンベアBCの搬送面DAに跨って位置するように配置面DAGが10個のベルトコンベアBCに対応する10個の搬送面DAに区分され、各搬送面DAに位置する景品TOの一部(部位)を各搬送面DAに対応するベルトコンベアBCが所定方向(前方)に搬送する。換言すれば、10個のベルトコンベアBCが各搬送面DAに位置する景品TOの一部の搬送をそれぞれ担うため、景品TOが二以上の搬送面DAに跨る配置が許容される。これにより、景品TOの配置及び搬送を、例えば一つのベルトコンベアや一つのクレーン(景品TOを捕獲し、吊り上げて搬送するタイプの周知の動作手段)といった一つの動作手段に対応する一つの搬送可能な範囲(クレーンの場合は爪の長さや広がる角度、或いは捕獲する力等)だけに依存せず、複数の搬送面DA及びそれらに対応する複数のベルトコンベアBCにそれぞれ分担させることができる。このため、一つの動作手段の搬送可能な範囲だけでは配置及び運搬を実現できないような物でも、そのような複数の搬送面DA及びそれらに対応する複数のベルトコンベアBCを通じて配置及び搬送することができる。結果として、このような分担により、配置面DAGに一つの動作手段の搬送可能な範囲だけが形成される場合に比べて、より多様な形態の有する物を景品TOとして配置面DAGに配置することができるので、景品TOとして利用可能な物の自由度を向上させることができる。
また、このような各ベルトコンベアユニット3の動作を制御するために、アシスト設定画面40を介して目標PO率が設定され、その設定された目標PO率と実際のPO率の実積とに基づいて各ベルトコンベアBCの移動量、或いは動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さとして設定されるべき推奨内容が判別される。そして、そのような移動量等に応じて各ベルトコンベアユニット3の動作(各ベルトコンベアBCの動作、及びLED表示部9の動作)は変更される。つまり、そのような移動量等の設定内容に応じて各ベルトコンベアユニット3の動作が実際に調整される。このため、押しボタン4を押す操作(例えば停止操作等)に基づくベルトコンベアユニット3の動作を調整するための目標値としてPO率を利用することができる。さらに、自動設定がONになっている場合、そのような推奨内容が各ベルトコンベアBCの移動量等として実際に設定される。このため、このような場合、推奨内容に応じて実際にベルトコンベアユニット3の動作を調整することができる。これにより、このような調整が実行されない場合に比べて、実際のPO率を目標PO率により近づけることができる。つまり、ゲーム機1のPO率をより好ましいPO率に誘導することができる。
以上の形態において、ゲーム機1の制御ユニット21が画面制御部25を介して図12のステップS102を実行することにより本発明の目標設定手段、及び費用設定手段として機能する。また、ゲーム機1の制御ユニット21が画面制御部25を介して図14の手順を実行することにより本発明のパラメータ判別手段、及びパラメータ設定手段として機能する。より具体的には、画面制御部25が図14のステップS302を実行することにより本発明のパラメータ判別手段として、ステップS304を実行することにより本発明のパラメータ設定手段として、それぞれ機能する。さらに、ゲーム機1の制御ユニット21が画面制御部25を介して図13のステップS202(あるいは図12のステップS102でもよい)を実行することにより本発明の費用算出手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、遊技体として景品TO自体が使用されている。しかし、遊技体は、このような形態に限定されない。例えば、遊技体は、景品TOとは別の物であってよい。つまり、景品とゲームの難易度或いは興趣性に関与する遊技体の形態とは相違していてもよい。そして、このように遊技体と景品とが別の物の場合、排出口5から排出された遊技体を施設の運営者等が景品と交換することによりユーザに景品が付与されてよい。
また、上述の形態では、ゲーム機1に押しボタン4が設けられ、ゲーム機1の前において景品獲得ゲームがプレイされている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機1のベルトコンベアユニット3は、ゲーム機1にネットワークを介してサーバ装置が接続される場合(複数台の場合を含む)に、そのようなサーバ装置に接続される各種のユーザ端末装置(例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、及びその他のゲーム装置等)を介して遠隔的に操作されてもよい。そして、ゲーム機1は、そのようなサーバ装置に接続される各種のユーザ端末装置を介してプライズゲームを提供してもよい。つまり、ユーザ端末装置を介してプレイ行為が入力され、そのようなプレイ行為に従ってベルトコンベアBCが実際に動作してもよい。つまり、プレイ行為を入力するための入力装置、及びプライズゲームに使用される出力装置は、ユーザ端末装置に設けられていてもよい。この場合、ゲーム機1には、押しボタン4等の入力装置、及びLED表示部9等の出力装置は設けられていなくてもよい。このため、本発明のゲームシステムは、このようなゲーム機1(押しボタン4等の入力装置、及びLED表示部9等の出力装置が設けられていない場合を含む)にネットワークを介して接続され、このようなゲーム機1を介してプライズゲームを提供するように構成されてもよい。つまり、本発明のゲームシステムは一台のゲーム機1によって構成される形態に限定されない。この場合において、図12〜図14の処理の一部、或いは全部はサーバ装置及びユーザ端末装置の少なくともいずれか一方によって適宜に分担されてよい。このため、例えば、全部の処理がサーバ装置、或いはユーザ端末装置によって実行される場合、それらのサーバ装置、或いはユーザ端末装置が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。このような場合、景品は、例えば郵送あるいは電子的手段によってユーザに付与されてよい。つまり、景品は電子的な物であってもよい。
また、ゲーム機1の動作手段はベルトコンベアBC(ベルトコンベアユニット3)に限定されない。ゲーム機1の動作手段として、遊技体の位置を変化させることができる各種の動作手段が採用されてよい。図15は、本発明のゲームシステムが一台のゲーム機として構成される場合の他の例を示す図である。図15に示すように、他の例に係るゲーム機50は、動作手段としてショベル型の搬送手段51を利用するように構成される。具体的には、このゲーム機50は、搬送手段51、景品収容部52、押ボタン53、及び排出口54を備えている。景品収容部52は、景品を収容するための空間が設けられた部分である。景品収容部52には、景品をユーザに付与するための排出口54につながる開口55が一部に設けられている。また、景品収容部52の中央には回転軸52Aが設けられ、景品収容部52はその回転軸52Aを中心に景品及び開口55とともに回転するように動作する。
一方、搬送手段51は、ショベル部51AA、駆動部51B、駆動軸51Cを含んでいる。ショベル部51AAは、景品収容部52の景品を掬うように駆動軸51Cを中心に回転駆動する。駆動部51Bは、ショベル部51Aを景品収容部52に近づけるように上下に移動させるとともに、ショベル部51Aに回転駆動を実行させる。駆動軸51Cは駆動部51Bの駆動力の出力先として機能し、駆動部51Bとショベル部51AAとを接続するように設けられる。押ボタン53は、ショベル部51AAに掬う動作を実行させるための操作部である。押ボタン53への押す操作が実行されると、ショベル部51Aが下方に下がり、景品収容部52の内部にて掬う動作を実行するとともに、その掬う動作の後に開口55に掬った景品を落とす動作を実行する。その落とす動作の際に開口55がショベル部51AAの位置と一致していれば、ショベル部51AAによって救われた景品が開口55から排出口54に払い出される。そして、このようなゲーム機50として本発明のゲームシステムが構成される場合、例えば、搬送手段51のショベル部51AAを回転させる速さ、或いは押ボタン53を押してからショベル部51AAが動作を開始するまでの反応速度がパラメータとして利用されてよい。あるいは、掬う動作の後に景品を落とす動作を実行するまでの期間等がパラメータとして利用されてもよい。このように各種の動作手段に応じた各種のパラメータが自動設定用に利用されてよい。
さらに、ゲーム機1は、上述のとおりアーケードゲーム機に限定されない。プライズゲームを提供可能な適宜のゲーム装置(家庭用のゲーム機等の個人用のゲーム装置を含む)がゲーム機1として利用されてよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、物理的な遊技体(TO)の位置の変化に関与するように動作する動作手段(3)を、入力装置(4)を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置(5)まで移動した場合にユーザに景品(TO)を付与する景品獲得ゲームを所定の対価の徴収と引き換えに提供するゲームシステム(1)であって、前記対価として徴収された額を所定期間において累計した累計対価額と前記ユーザに付与された前記景品の費用を前記所定期間において累計した累計費用とに基づく費用対価率の目標として目標費用対価率を設定するための目標設定機会を付与する目標設定手段(25)と、設定内容を変更可能なパラメータが用意され、前記動作手段の動作が前記パラメータの前記設定内容に応じて変更される場合に、前記費用対価率を前記目標費用対価率に近づけるために前記設定内容として前記パラメータに設定されるべき推奨内容を前記費用対価率、及び前記目標費用対価率に基づいて判別するパラメータ判別手段(25)と、を備えるものである。
本発明によれば、目標設定機会を介して累計対価額と累計費用とに基づく費用対価率の目標として目標費用対価率が設定され、その設定された目標費用対価率と実際の費用対価率とに基づいてパラメータに設定されるべき推奨内容が判別される。一方で、そのようなパラメータの設定内容に応じて動作手段の動作は変更される。つまり、そのようなパラメータの設定内容に応じて動作手段の動作が実際に調整される。このため、プレイ行為に基づく動作手段の動作を調整するための目標値として費用対価額を利用することができる。
推奨内容は適宜に利用されてよい。例えば、そのような推奨内容は、ユーザによってパラメータの設定内容が設定される場合にその設定内容を決定するための参考情報としてユーザに提供されてもよい。あるいは、推奨内容は、パラメータの設定内容として自動的に設定されてもよい。当然、その両方に利用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記パラメータ判別手段は、前記パラメータに前記設定内容を設定するための設定画面(30)を表示する表示装置(MO)が接続される場合に、前記設定画面を通じて前記推奨内容が前記ユーザによって前記設定内容として設定されるように、前記表示装置を介して前記ユーザに前記推奨内容を提示してもよい。あるいは、本発明のゲームシステムの一態様として、前記目標費用対価率が設定されている場合に、前記パラメータ判別手段の判別結果に基づいて前記推奨内容を前記設定内容として前記パラメータに設定するパラメータ設定手段(25)を備える態様が採用されてもよい。これらの場合、推奨内容(あるいはそれを参考にした近い内容)に応じて実際に動作手段の動作を調整することができるので、このような調整が実行されないに比べて、実際の費用対価額(費用対価額の実績)を目標費用対価額に近づけることができる。
景品の累計費用は適宜に取得されてよい。例えば、累計費用は別途集計され、その集計結果として与えられてもよい。あるいは、景品単価に基づいて算出されてもよい。累計対価額、及び費用対価率についても同様である。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記景品の一つあたりの費用としての単価を設定するための単価設定機会を付与する費用設定手段と、前記単価設定機会において設定された前記景品の単価と、前記景品を付与した回数を前記所定期間において累計した累計回数と、に基づいて前記累計費用を算出する費用算出手段(25)と、を備える態様が採用されてもよい。
動作手段として各種の動作手段が利用されてよい。例えば、動作手段は、遊技体を搬送することにより位置の変化に関与する搬送手段として構成されてもよい。あるいは、動作手段は、開口の上において遊技体を支持する一方で、その支持の開放に伴い遊技体を開口に落下させることにより位置の変化に関与する装置として構成されてもよい。具体的には、例えば、動作手段は、開口の少なくとも一部を開閉するように配置され、開口を閉じる場合に遊技体を下方から支持する一方で、開口を開く場合にその遊技体を下方に落下させることにより位置の変化に関与する装置として構成されてもよい。また、その他にも遊技体の位置を変化させることができる適宜の構成が動作手段として利用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記動作手段として、前記プレイ行為に伴い配置面(DAG)に配置された前記遊技体を所定方向に搬送する搬送動作を実行する搬送手段(3)が利用されてもよい。
また、適宜の数の搬送手段が利用されてよい。例えば、搬送手段は、一つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、搬送手段を利用する本発明の一態様において、前記搬送手段として、前記遊技体が二以上の領域(DA)に跨って位置するように前記配置面を複数の領域に区分する複数の搬送手段(BC)のそれぞれが利用され、各搬送手段は、前記搬送動作として各搬送手段に対応する領域に位置する前記遊技体の一部を前記プレイ行為に伴い前記所定方向に搬送する動作を実行してもよい。この場合、一つの搬送手段の搬送可能範囲に対応する一つの領域だけでは配置及び搬送を実現できないような物でも、複数の領域及び複数の搬送手段を通じて配置及び搬送することができる。結果として、このような分担により、配置面に一つの搬送手段の搬送可能範囲に対応する一つの領域だけが形成される場合に比べて、より多様な形態を有する物を遊技体として配置面に配置することができるので、遊技体として利用可能な物の自由度を向上させることができる。そして、このような自由度の高い遊技体を利用可能なゲームにおいて、プレイ行為に基づく動作手段の動作を調整するための目標値として費用対価額を利用することができる。
動作手段の構成に応じて各種のパラメータが利用されてよい。例えば、動作手段として遊技体を挟んで運ぶクレーンが利用される場合には、そのような遊技体を挟む力がパラメータとして利用されてもよい。あるいは、挟んだ後に所定位置まで遊技体を運ぶときのクレーンの移動速度、或いは遊技体の位置までクレーンを移動させるときの移動速度がパラメータとして利用されてもよい。さらに、例えば移動するクレーンに対するユーザの停止操作等に応じて挟む動作等を実行させる位置が決定される場合、そのような停止操作等の時期と実際にクレーンの移動が停止する時期との間の反応速度がパラメータとして利用されてもよい。同様に、例えば、遊技体を掬い、その掬った遊技体を所定位置において落とすような動作を実行するショベルを利用する装置が動作手段として利用される場合には、そのようなショベルの掬う速度(例えば回転速度)がパラメータとして利用されてもよい。また、そのようなショベルの移動がユーザの停止操作等に応じて停止し、その停止位置において掬う動作、或いは落とす動作が実行される場合、そのような停止操作等と実際のショベルの停止時期との間の反応速度がパラメータとして利用されてもよい。
具体的には、例えば、複数の搬送手段を利用する本発明の一態様において、前記パラメータ判別手段は、前記複数の搬送手段の一部を特定するための一部情報を当該一部情報によって特定される前記一部の搬送手段が時間経過に伴い所定の速さで変化するように提供する出力装置(9)に接続され、前記プレイ行為が前記一部情報の変更を停止するための停止行為を含み、かつ前記所定の速さが前記パラメータとして機能する場合に、前記推奨内容として前記所定の速さに設定されるべき速さを判別してもよい。この場合において、出力装置は、一つであっても、複数であってもよい。例えば、一部情報として各搬送手段を示す数字が、出力装置としてそのような数字を所定の速さで変化するように提供する一つの表示装置(音声出力装置等、情報を提供する適宜の出力装置でよい)が利用されてもよい。あるいは、複数の搬送手段にそれぞれ対応する複数の出力装置が設けられ、一部情報を提供する一部の出力装置が所定の速さで変化してもよい。
同様に、例えば、搬送手段を利用する本発明の一態様において、前記パラメータ判別手段は、前記プレイ行為に伴い前記搬送動作が前記所定方向に所定量に亘って実行され、当該所定量が前記パラメータとして機能する場合に、前記推奨内容として前記所定量に設定されるべき量を判別してもよい。
搬送手段は、各種の手法により遊技体を搬送するように構成されてよい。例えば、各搬送手段は、水流や気流を利用した圧力により遊技体を所定方向に変位させるように構成されてもよい。あるいは、各搬送手段は、棒状の部材若しくは棒状の部材に設けられた突起部で所定方向に押すことにより遊技体を所定方向に変位させるように構成されていてもよい。さらに、例えば遊技体自体が金属等の磁力の影響を受ける物である場合、或いは同様の影響を受ける器等を介して遊技体が配置面に置かれている場合、各搬送手段は、磁力を通じて遊技体を所定方向に変位させるように構成されていてもよい。また、このような搬送手段として、所定方向に搬送面を変位させることにより遊技体を搬送するベルトコンベアが利用されてもよい。さらに、このようなベルトコンベア或いは棒状の部材等は磁力を利用して遊技体を所定方向の変位させるように構成されていてもよい。具体的には、例えば、搬送手段を利用する本発明の一態様において、前記搬送手段として、前記配置面を形成するように配置されるベルト(BC1)を介して前記搬送動作を実行するベルトコンベア(BC)が利用されてもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記動作手段、及び前記入力装置に接続されるコンピュータ(21)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
あるいは、本発明の制御方法は、物理的な遊技体(TO)の位置の変化に関与するように動作する動作手段(3)を、入力装置(4)を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置(5)まで移動した場合にユーザに景品(TO)を付与する景品獲得ゲームを所定の対価の徴収と引き換えに提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記対価として徴収された額を所定期間において累計した累計対価額と前記ユーザに付与された前記景品の費用を前記所定期間において累計した累計費用とに基づく費用対価率の目標として目標費用対価率を設定するための目標設定機会を付与する目標設定手順と、設定内容を変更可能なパラメータが用意され、前記動作手段の動作が前記パラメータの前記設定内容に応じて変更される場合に、前記費用対価率を前記目標費用対価率に近づけるために前記設定内容として前記パラメータに設定されるべき推奨内容を前記費用対価率、及び前記目標費用対価率に基づいて判別するパラメータ判別手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。