JP2020080286A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】SOCが低い状態での低温始動特性に優れた、新規な鉛蓄電池を提供する。【解決手段】鉛と、細孔を有するカーボンと、アルミニウムイオンと、を含む合剤を備えた負極31を有する鉛蓄電池において、負極の合剤に含まれている細孔を有するカーボンの質量Mcに対する、細孔を有するカーボンの表面に存在するアルミニウムイオンおよびその細孔内に存在するアルミニウムイオンの合計質量Maの比(Ma/Mc)を、10ppm以上25ppm以下にする。【選択図】なし

Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
近年、自動車用の鉛蓄電池は、電装品の増加や燃費向上のために、使用状態が過酷になってきている。よって、自動車用の鉛蓄電池には、過酷な使用に耐えられる性能が要求されている。特に、アイドリングストップ車(ISS車)が急速に普及してきており、自動車のクランキング回数は増加傾向にある。
一方、鉛蓄電池は、高充電受入性を保つために部分充電状態(Partial State of charge:PSOC)で運用される。このため、鉛蓄電池のSOC(State of charge;充電状態、充電率:残容量の満充電容量に対する比率)は常に低い状態となっており、SOCが低すぎると、クランキング時に急激に電圧が低下してイグニションせず、エンジンが停止する可能性もある。
また、低温でSOCが低い状態になると、電解液の抵抗が大きくなり、結果としてエンジンが掛からなくなる可能性もある。特に、長期間使用されていない鉛蓄電池は、自己放電によってSOCが低下してサルフェーション(不導体の硫酸鉛の結晶が負極板上で肥大化し、充電してもこの硫酸鉛は海綿状鉛に戻らなくなる現象)が生じ、通電不能になるという事態を招き易くなる。
よって、鉛蓄電池の性能向上のためにはサルフェーションや成層化を抑制することが重要であり、これまでに、サルフェーションや成層化を抑制するための様々な方法が提案されている。
その方法の一つとして、負極活物質にカーボン材料を添加する方法が挙げられる。
特許文献1には、サルフェーションを抑制するために負極活物質にカーボンブラックが添加されるが、添加量が多量であると、負極活物質ペーストが固くなり、負極活物質ペーストを、集電体の格子に充填しにくくなることが記載されている。
そして、この課題を解決するために、カーボンブラックの量を、海綿状鉛100mass%当たり1.0mass%以上2.5mass%以下に限定している。また、海綿状鉛100mass%当たり0.1mass%以上0.9mass%以下の割合で、ビスフェノール縮合物を添加している。さらに、容積基準での細孔径の中央値(細孔径の積算分布での50vol%の細孔径)を0.5μm以下、かつ多孔度(細孔径が300μm以下の細孔に対し、細孔容積を積算したもの)を0.22ml/g以上0.4ml/g以下としている。
特許文献2には、サルフェーションを抑制するために、負極活物質中にカーボンブラックを添加することが行われているが、多量に添加すると様々な問題が生じるため、添加量が実質的には活物質に対し0.01〜0.5wt%程度にしかできないことが記載されている。
そして、この課題を解決するために、負極板において、カーボン繊維または/およびカーボンウィスカーを負極活物質に対し0.01〜1wt%添加し、カーボン粉末を負極活物質に対し0.01〜10wt%添加することが記載されている。また、カーボン粉末に防縮剤を担持させることも記載されている。
また、本発明の出願人は特許文献3において、負極に粉状や繊維状のカーボンを添加することによりカーボンが負極の表面に生成する硫酸鉛の結晶の間隙に入り、導電パスを形成することにより長寿命となるが、寿命延長効果は限定的であり、各種の工業的実用化に不充分であることを開示している。
そして、この課題を解決するために、負極活物質100重量部にカーボン1〜5重量部を添加するとともに、負極活物質100重量部にビスマス0.01〜0.1重量部を添加するか、硫酸電解液にK、Ca、Alから選択した少なくとも1種を硫酸塩換算で5〜50g/l添加することを提案している。Alを添加した場合、硫酸塩換算で5〜50g/lは、カーボン濃度に対するアルミニウムイオン濃度の比が0.016ppm以上0.16ppm以下に相当する。
負極活物質にカーボン材料を添加する方法とは異なる方法で、サルフェーションを抑制する方法としては、例えば、特許文献4に記載された方法が挙げられる。
特許文献4には、極板の活物質の細孔容積を大きくすることで、活物質中に含まれる電解液量を増やすことができるため、極板内で起こる充放電反応の割合が増え、成層化の進行を遅らせることができると記載されている。また、単純に細孔容積を増やすと、活物質密度が低くなるので、正極板では活物質の軟化が加速され、負極板では活物質間の結合力が弱まることで導電性が低下し、反応が不均一化して成層化が促進してしまうと記載されている。
そして、この課題を解決するために、極板群に含まれる正極活物質の総細孔容積Vpと負極活物質の総細孔容積Vnとの合計体積Vp+Vnの、極板群の体積Veに対する比(Vp+Vn)/Veを、0.27〜0.32にするとともに、正極活物質の総細孔容積Vpの極板群の体積Veに対する比Vp/Veを0.13〜0.15にすることが記載されている。極板群の体積Veは、正極板の極板面積Sp、負極板の極板面積Sn、および極板群の極板積層方向における電槽の内寸Dを用いた式「Ve=(Sp+Sn)×D/2」で算出している。
なお、特許文献5には、サルフェーション抑制とは目的が異なるが、負極活物質の細孔容積に関する記載がある。具体的には、トリクル電流の上昇を防ぐことができる鉛蓄電池用負極板として、負極活物質の全細孔の容積に対する2μm以下の孔径を有する細孔の容積割合が50〜70%である鉛蓄電池用負極板が記載されている。
特許文献5には、負極活物質中の細孔径を小さくすると、負極活物質の細孔内に水素ガスが残りやすくなるため、負極活物質内の細孔内に電解液が浸入し難くなり、負極活物質の見かけ上の反応面積が低下して負極過電圧が上昇すると記載されている。また、負極過電圧が上昇すると、トリクル充電時においては正極板の過電圧が低下して、正極板からの酸素ガス発生量が減少するため、負極活物質中の細孔径を小さくすることで、トリクル電流の上昇を防ぐことができると記載されている。
しかし、特許文献1〜5に記載された鉛蓄電池には、SOCが低い状態での低温始動特性という点で改善の余地がある。また、特許文献1〜5には、負極活物質(鉛)に添加されたカーボンにアルミニウムイオンが存在することに関する記載はなく、集電体に保持された合剤(鉛とカーボンを含む組成物)に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)に関する記載もない。
特許第6015427号公報 特開平9−283147号公報 特許第3936157号公報 特許第6176180号公報 特許第3518123号公報
本発明の課題は、SOCが低い状態での低温始動特性に優れた、新規な鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の鉛蓄電池は、鉛と、細孔を有するカーボンと、アルミニウムイオンと、を含む合剤が保持された負極を有し、前記合剤に含まれている前記カーボンの質量Mcに対する、前記カーボンの表面に存在するアルミニウムイオンおよび前記細孔内に存在するアルミニウムイオンの合計質量Maの比(Ma/Mc)が、10ppm以上25ppm以下を満たしている。
本発明によれば、SOCが低い状態での低温始動特性に優れた、新規な鉛蓄電池が提供される。
[一態様の鉛蓄電池]
本発明の一態様の鉛蓄電池は、負極の合剤に「細孔を有するカーボン」を含むことで、放電時に、このカーボンの周囲に存在する鉛により結晶構造が不均一な反応性の高い硫酸鉛が生成される。また、負極の合剤に含まれているアルミニウムイオンも、放電時に鉛が硫酸鉛に変化する際に、硫酸鉛の結晶構造を不均一化し反応性を高める。「カーボン表面に存在するアルミ二ウムイオン」とは、カーボンの表面に付着している場合と、電解液に溶存した状態でカーボン細孔中に取り込まれている場合とを含む。
これにより、SOCが低い状態でも、サルフェーションが抑制されて充放電性能の低下が防止される。その結果、SOCが低い状態での低温始動特性が向上する。比(Ma/Mc)が10ppm未満であると、この作用が得られない。比(Ma/Mc)が25ppmを超えると、細孔を有するカーボンによる導電パスの形成機能が損なわれて、充放電性能が低下するおそれがある。
一態様の鉛蓄電池は、負極の合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)が、0.50以上0.75以下であることが好ましい。これにより、負極合剤内の穴の状態が、電解液の硫酸イオンの拡散を十分に行える状態になることで、瞬発的な大電流充放電に対応できるため、低温でSOCが低い状態でも充放電反応が可能となる。よって、低温でSOCが低い状態でも、瞬発的な大電流放電を必要とするクランキングが可能となる。
低電流で放電された場合であれば、負極の合剤における硫酸イオンの拡散性はさほど問題にならないが、大電流で放電された場合には、硫酸イオンが拡散しにくい部分での充放電反応は生じにくい。これに対して、比(Vt/Vs)が0.50以上であると、負極の合剤における硫酸イオンの拡散性が高くなるため、SOCが低い状態でも、大電流放電が可能になると推測される。また、比(Vt/Vs)が0.70以上であると、負極の合剤における硫酸イオンの拡散性がより高くなるため、さらに好ましい。
比(Vt/Vs)が0.75を超えると、負極合剤の強度が低下して、負極の強度が不十分になる可能性がある。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
本発明の実施形態の鉛蓄電池は、従来公知のモノブロックタイプの電槽と、蓋と、六個の極板群を有する。電槽は、隔壁により六個のセル室に区画されている。六個のセル室は電槽の長手方向に沿って配列されている。各セル室に一つの極板群が配置されている。各極板群は、複数枚の負極板および正極板と、セパレータと、負極ストラップと、正極ストラップと、負極ストラップから立ち上がる負極中間極柱と、正極ストラップから立ち上がる正極中間極柱を有する。
負極板は、負極活物質を含む合剤が保持された負極基板と、負極基板から上側に突出する耳を有する。正極板は、正極活物質を含む合剤が保持された正極基板と、正極基板から上側に突出する耳を有する。複数枚の負極板および正極板は、セパレータを介して交互に配置されている。極板群を構成する負極板の枚数Mnは正極板の枚数Mpよりも一枚多い。
負極活物質を含む合剤は、負極活物質である鉛と、カーボンブラック(細孔を有するカーボン)と、アルミニウムイオンと、補強繊維などを含む。カーボンブラックは、鉛に対して、0.1〜1.0質量%の割合で含まれている。
また、負極活物質を含む合剤に含まれているカーボンブラックの質量Mcに対する、カーボンブラックの表面に存在するアルミニウムイオンおよび細孔内に存在するアルミニウムイオンの合計質量Maの比(Ma/Mc)は、10ppm以上25ppm以下になっている。さらに、合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)は、0.70以上0.75以下になっている。
正極活物質を含む合剤は、従来品と同様の構成である。具体的には、正極活物質である二酸化鉛と、補強繊維などを含む。
負極基板と耳および正極基板と耳はそれぞれ一体に、主として鉛を含む合金で形成されている。また、各セル室において、負極ストラップおよび正極ストラップは、全ての負極板および正極板の上方に配置され、同極性の耳同士を極板群の厚さ方向に連結している。
鉛蓄電池は、従来公知の方法によって、例えば以下の方法で製造することができる。
先ず、極板群を構成する化成前の負極板と正極板を作製する。化成前の負極板の作製は、格子状の負極基板に耳が一体化された形状の集電体を鉛合金で形成し、負極基板の格子に負極合剤形成用ペーストを充填した後、乾燥および熟成することで行う。負極合剤形成用ペーストとしては、水と、負極活物質である鉛と、カーボンブラックと、補強繊維などを含むものを用意する。
カーボンブラック以外の「細孔を有するカーボン」としては、カーボンナノチューブ、活性炭、フラーレンなどが挙げられる。
比表面積が50〜800m2/gであるカーボンブラックを用いることで、後述の電槽化成でカーボンブラックの表面に付着および細孔に入るアルミニウムイオンの量を、比(Ma/Mc)が10ppm以上25ppm以下となるようにすることができる。
また、例えば、充填前の負極合剤形成用ペーストの水含有率及びこのペーストに混合する硫酸イオン量を調整し、従来公知の条件に従って熟成と乾燥、化成を実施することで、化成後の合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)を、0.70以上0.75以下にする。なお、比(Vt/Vs)を所定値に設定するために鉛粉量に対する水の含有量及び硫酸イオン量を調整する場合、比(Vt/Vs)は、水の含有量が多いほど大きくなり、硫酸イオンが多いほど小さくなる傾向がある。
化成前の正極板の作製は、格子状の正極基板に耳が一体化された形状の集電体を鉛合金で形成し、正極基板の格子に正極合剤形成用ペーストを充填した後、乾燥および熟成することで行う。正極合剤形成用ペーストとしては、水と、正極活物質である二酸化鉛と、補強繊維などを含むものを用意する。
これらの化成前の正極板および負極板を、ポリエチレン製などのセパレータを挟んで交互に積層することで積層体(ストラップ未形成の極板群)を得る。このとき、正極板または負極板をセパレータで挟んだ後、ギアシール等で左右の端を封止し、袋状セパレータを形成してもよい。
次に、この積層体を電槽の各セル室に配置した後、COS(キャストオンストラップ)方式の鋳造装置を用い、正極板の耳同士を接続した正極ストラップおよび負極板の耳同士を接続した負極ストラップを形成する。
次に、極板群が電槽の各セル室に配置された状態で、抵抗溶接を行って隣接するセル間を電気的に直列に接続する。次に、電槽の上面と蓋の下面を熱で溶かして蓋を電槽に載せ、熱溶着により電槽に蓋を固定する。なお、蓋を電槽に載せる際に、極柱を蓋の貫通穴に通す。
その後、蓋を貫通する穴として設けた注液孔からセル室内に、電解液(硫酸に硫酸アルミニウムを添加することでアルミ二ウムイオンを含んでいる)を注入した後、注液孔を塞ぐことなどの通常の工程を行うことにより、鉛蓄電池の組み立てを完成させる。その後、通常の条件で電槽化成を行うことで、負極板および正極板の合剤に存在する穴に電解液が入り込み、負極板の合剤を構成するカーボンブラックの表面にアルミニウムイオンが付着するとともに、カーボンブラックの細孔内に電解液に溶存した状態でアルミニウムイオンが取り込まれる。
この実施形態の鉛蓄電池では、負極板の合剤に、カーボンブラックとアルミニウムイオンが含まれていて、カーボンブラックの質量Mcに対する、カーボンブラックの表面に存在するアルミニウムイオンおよび細孔内に存在するアルミニウムイオンの合計質量Maの比(Ma/Mc)が、10ppm以上25ppm以下になっている。
この実施形態の鉛蓄電池では、負極板の合剤にカーボンブラックを含むことで、放電時に、カーボンブラックの周囲に存在する鉛により結晶構造が不均一な硫酸鉛が生成される。また、負極板の合剤に含まれているアルミニウムイオンも、放電時に鉛が硫酸鉛に変化する際に、硫酸鉛の結晶構造を不均一化する。これにより、この実施形態の鉛蓄電池は、SOCが低い状態でも、サルフェーションが抑制されて充放電が可能となる。その結果、SOCが低い状態での低温始動特性が向上する。
さらに、合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)が、0.70以上0.75以下になっている。そのため、この実施形態の鉛蓄電池は、低温でSOCが低い状態でも大電流放電が可能になる。
なお、上記実施形態では、アルミニウムイオンを含まない負極合剤形成用ペーストを用いて化成前の負極板を作製し、アルミ二ウムイオンを含む電解液で化成することにより、負極板の合剤にアルミニウムを添加しているが、アルミニウムイオンを含む負極合剤形成用ペーストを用いて化成前の負極板の合剤にアルミニウムイオンを添加してもよい。
その場合、例えば、硫酸アルミニウムの水溶液(濃度0.1mol/l)を、カーボンブラックに対して2ml/gとなる割合で混ぜ合わせたものを、負極合剤形成用ペーストの他の材料(水と、負極活物質である鉛と、補強繊維など)と混合して、アルミニウムイオンが添加された負極合剤形成用ペーストを作製する。そして、この場合は、アルミ二ウムイオンを含まない電解液で化成してもよいし、アルミニウムイオンを含む電解液で化成してもよい。
アルミニウムイオン添加を、ペーストへの添加および電解液への添加のいずれかのみで行った場合も、両方で行った場合も、添加に用いた合計のアルミニウムイオン濃度が同じであれば、カーボンブラックの表面と細孔内に存在する合計アルミニウムイオン量は同じになる。そのため、アルミニウムイオン添加は上記いずれの方法で行ってもよい。
[試験電池の作製]
実施形態の鉛蓄電池と同じ構造の鉛蓄電池として、サンプルNo.1〜No.20の鉛蓄電池を作製した。具体的には、M−42型(外形寸法および端子形状はJIS B20と同じ)のアイドリングストップ用液式鉛蓄電池であって、20時間容量が40Ah、動作電圧が12Vの鉛蓄電池を作製した。
サンプルNo.1〜No.20の鉛蓄電池は、表1に示すように、それぞれ、負極合剤の比(Ma/Mc)および比(Vt/Vs)の少なくともいずれかが異なるものであり、それ以外の点は全て同じ構成を有する。
<化成前の正極板および負極板の作製>
《基材の作製》
Pb−Ca−Sn系合金を用いて、正極板および負極板用の基材(格子状基板に耳が一体化された形状の集電体)を作製した。
具体的には、正極用基材はJIS−Bサイズの重力鋳造基板を、一枚あたり約35gの重さで作製し、負極用基材はJIS−Bサイズの連続鋳造基板を、一枚あたり約32gの重さで作製した。また、電流・電位解析シミュレーションにより、鋳造性や鉛量を考慮しつつ、電位分布ができるだけ均一になるように、基板の格子デザインを決定した。具体的には、耳周辺の電流が集中する部分の鉛量を増やし、耳を基点に放射上になるような格子デザインとした。
《正極合剤形成用ペーストの作製》
電池用の鉛粉(粒径が数μm〜30数μmである鉛と酸化鉛との混合粉末で、質量比での混合比が鉛:酸化鉛=約25:75)100重量部に対し、酸化ビスマス粉末を0.07重量部、ポリエステル繊維(補強繊維)を0.1重量部、それぞれ添加して混合した。このようにして得られた混合物に、20℃での比重Dが1.37である硫酸水溶液を、鉛粉100重量部に対して硫酸分が5.41重量部となるように加えて混練することで、正極合剤形成用ペーストを得た。この正極合剤形成用ペーストの水分含有量は、鉛粉100質量部に対して16.0質量部であった。得られたペーストを上述の基材の格子状基板に充填して、通常の条件による熟成乾燥工程を行い、化成前の正極板を得た。
《負極合剤形成用ペーストの作製》
(サンプルNo.1)
電池用の鉛粉(粒径が数μm〜30数μmである鉛と酸化鉛との混合粉末で、質量比での混合比が鉛:酸化鉛=約25:75)100重量部に対し、比表面積が5m2/g(10m2/g以下)であるカーボンブラックを0.2重量部、硫酸バリウムを1.0重量部、ポリエステル繊維(補強繊維)を0.1重量部、それぞれ添加して混合した。
このようにして得られた混合物に、鉛粉100質量部に対して0.2重量部となる量のリグニンを含むリグニン水溶液を加えた後、さらに、20℃での比重Dが1.37である硫酸水溶液を、鉛粉100重量部に対して硫酸分が4.15重量部となるように加えて混練することで、負極合剤形成用ペーストを得た。この負極合剤形成用ペーストの水分含有量は、鉛粉100質量部に対して21.0質量部であった。
得られたペーストを上述の基材の格子状基板に充填して、通常の条件による熟成乾燥工程を行い、化成前の負極板を得た。
(サンプルNo.2)
リグニン水溶液を加える際に水の量をサンプルNo.1よりも少なくすることで、水分含有量が鉛粉100質量部に対して20.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外はサンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.3)
リグニン水溶液を加える際に水の量をサンプルNo.2よりも少なくすることで、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.5質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外はサンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.4)
リグニン水溶液を加える際に水の量をサンプルNo.3よりも少なくすることで、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外はサンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.5)
リグニン水溶液を加える際に水の量をサンプルNo.4よりも少なくすることで、水分含有量が鉛粉100質量部に対して18.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.6)
添加するカーボンブラックとして比表面積が70m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して21.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.7)
添加するカーボンブラックとして比表面積が70m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.2と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して20.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.8)
添加するカーボンブラックとして比表面積が70m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.3と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.5質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.9)
添加するカーボンブラックとして比表面積が70m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.4と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.10)
添加するカーボンブラックとして比表面積が70m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.5と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して18.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.11)
添加するカーボンブラックとして比表面積が800m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して21.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.12)
添加するカーボンブラックとして比表面積が800m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.2と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して20.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.13)
添加するカーボンブラックとして比表面積が800m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.3と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.5質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.14)
添加するカーボンブラックとして比表面積が800m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.4と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.15)
添加するカーボンブラックとして比表面積が800m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.5と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して18.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.16)
添加するカーボンブラックとして比表面積が1200m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して21.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.17)
添加するカーボンブラックとして比表面積が1200m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.2と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して20.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.18)
添加するカーボンブラックとして比表面積が1200m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.3と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.5質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.19)
添加するカーボンブラックとして比表面積が1200m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.4と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して19.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
(サンプルNo.20)
添加するカーボンブラックとして比表面積が1200m2/gであるカーボンブラックを用いた以外は、サンプルNo.5と同じ方法で、水分含有量が鉛粉100質量部に対して18.0質量部である負極合剤形成用ペーストを得た。このペーストを用いた以外は、サンプルNo.1と同じ方法で、化成前の負極板を作製した。
<ストラップ形成による正極板および負極板の固定>
先ず、上述方法で作製した化成前の正極板を六枚と、サンプルNo.毎に同じ七枚の化成前の負極板を用意した。次に、七枚の化成前の負極板をそれぞれ袋状セパレータ内に収納し、この化成前の負極板入りセパレータと化成前の正極板とを交互に積層することで、化成前の正極板を六枚、および負極板を七枚有する積層体を、サンプルNo.1〜20で六個ずつ得た。
次に、サンプルNo.毎に、得られた六個の積層体を、ポリプロピレン製のモノブロックタイプの電槽の六個のセル室にそれぞれ入れた後、COS(キャストオンストラップ)方式の鋳造装置を用い、キャビティ内に溶融金属(鉛合金)を供給するとともに、耳を下側に向けた状態で積層体の耳を挿入することで、先ず、各耳同士を接続する正極ストラップおよび負極ストラップを形成した。続いて、配列方向両端のセル室に配置された負極ストラップおよび正極ストラップには小片と極柱を形成し、それ以外の各正極ストラップおよび負極ストラップには、それぞれ正極中間極柱および負極中間極柱を形成した。
次に、電槽のセル室同士を仕切る隔壁を挟んで対向する正極中間極柱および負極中間極柱を、隔壁に設けた貫通孔の部分で抵抗溶接することにより接続した。この状態では、電槽の各セル内に化成前の極板群が配置されている。
この状態の電槽と蓋を、実施形態に記載された方法で熱溶着することで、No.1〜20の化成前の鉛蓄電池を得た。
<電槽化成>
20℃での比重が1.22である硫酸に、硫酸アルミニウムを添加して、アルミニウムイオン濃度0.18mol/lの電解液を調製した。この電解液を、No.1〜20の化成前の鉛蓄電池の蓋の注液孔から、電槽の各セル室内へ注入した。その後、電槽化成として、温度40℃の雰囲気で、2Aの電流による0.4時間充電、6Aの電流による3.0時間充電、10Aの電流による8.7時間充電、10Aの電流による0.5時間放電、および10Aの電流による7.0時間充電を、この順に行った。電槽化成後の硫酸の比重は1.285(20℃換算値)となっていた。このようにして、No.1〜20の鉛蓄電池が得られた。
電槽化成により、化成前の負極板が有する合剤は、海綿状の鉛(負極活物質)と、カーボンブラックと、アルミニウムイオンを含み、カーボンブラックの表面および細孔内にアルミニウムイオンが存在する合剤に変化した。そして、化成前の負極板が有する合剤は、鉛の表面積が非常に大きく、多くの穴を含むものであった。また、化成後の正極板が有する合剤は、二酸化鉛(正極活物質)を含む合剤に変化した。
[比(Ma/Mc)および比(Vt/Vs)の測定]
No.1〜20の各鉛蓄電池を構成する電解化成後の負極板が有する合剤について、水銀圧入法により、合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsと、穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtを測定して、両者の比(Vt/Vs)を算出した。
また、No.1〜20の各鉛蓄電池を構成する電解化成後の負極板から、合剤を乳鉢内に叩き落とし、その合剤を乳棒で磨り潰して粉末状にした。この粉末を30質量%の水酸化ナトリウム水溶液に入れて、加熱することで、金属の鉛とカーボンブラックとが分離し、比重の軽いカーボンブラックが分散した溶液を得た。この溶液をフィルターでろ過した後、フィルター上に残った固体を水洗、乾燥することで、カーボンブラックを含む抽出物を得た。
この抽出物に硝酸を加えて加熱してアルミニウムイオンを溶出させ、得られた水溶液をICP発光分光装置にかけて、カーボンブラックの表面に存在するアルミニウムイオンおよび細孔内に存在するアルミニウムイオンの合計質量Maを測定した。この測定値Maと、負極用合剤に含ませたカーボンブラックの質量Mcとから、比(Ma/Mc)を算出した。
[試験および評価]
得られた各鉛蓄電池について、以下の方法で試験を行った。
<低温始動性を調べる試験>
No.1〜20の各鉛蓄電池を−15℃の雰囲気に18時間以上放置して、電解液温度が−15℃になったのを確認した後、150Aでの放電を電圧が6Vになるまで行い、それまでにかかった時間(放電持続時間)を調べた。そして、得られたNo.1〜20の各放電持続時間について、基準構成であるNo.6の値を100とした相対値を算出した。この放電持続時間(相対値)が100以上であると、所定の基準を満たすと判定できる。
<過放電放置後の充電受入性を調べる試験>
欧州規格(EN規格)の「EN 50342−6:2015」に記載の「7.5 Endurance in cycle test with 50% depth of discharge(DoD)at 40℃ and preceded deep dischargeのtable15」の試験を行い、放置試験後の充電で定格電圧(16V)になるまでの到達時間を調べた。
具体的には、先ず、雰囲気温度25℃で満充電状態にした鉛蓄電池に、12V、10Wの豆電球を取り付けて、168時間(1週間)放置した。次に、定電流10A、定電圧16V(CC−CV)で24時間充電し、一定電圧(16V)になるまでにかかった時間(到達時間)を調べた。この時間が早ければ、鉛蓄電池内の内部抵抗が低く、充電受入性が良いと判断できる。そして、得られたNo.1〜20の各到達時間について、基準構成であるNo.6の値を100とした相対値を算出した。この到達時間(相対値)が100以下であると、所定の基準を満たすと判定できる。
これらの試験結果を、負極合剤の構成(サンプルNo.毎に異なる構成を記載)とともに表1に示す。
Figure 2020080286
表1では、負極合剤の構成の欄において、比(Ma/Mc)が本発明の一態様の条件(10ppm以上25ppm以下)から外れる数値に下線が施されている。また、好ましい態様である「比(Vt/Vs)が0.50以上0.75以下」から外れる数値に二重下線が施されている。さらに、より好ましい態様である「比(Vt/Vs)が0.70以上0.75以下」を満たす数値が斜体で記されている。
表1に示すように、比(Ma/Mc)が10ppm以上25ppm以下を満たすNo.6〜No.15の鉛蓄電池は、低温始動時の放電持続時間が100以上となっていた。これに対して、比(Ma/Mc)が10ppm以上25ppm以下を満たさないNo.1〜No.5およびNo.15〜No.20の鉛蓄電池では、低温始動時の放電持続時間が100未満となっていた。
また、No.6〜No.15の鉛蓄電池のうち、比(Vt/Vs)が0.50以上0.75以下を満たすNo.7〜No.9およびNo.12〜No.14の鉛蓄電池は、低温始動時の放電持続時間105以上と、過放電放置後の定電圧までの到達時間100以下の両方を満たしていた。これに対して、No.6、No.10、No.11、およびNo.15の鉛蓄電池では、低温始動時の放電持続時間105以上および過放電放置後の定電圧までの到達時間100以下のいずれかを満たさない結果となった。
さらに、No.7〜No.9およびNo.12〜No.14の鉛蓄電池のうち、比(Vt/Vs)が0.70以上0.75以下を満たすNo.8、No.9、No.10、およびNo.11の鉛蓄電池は、過放電放置後の定電圧までの到達時間を95以下にすることができた。
また、No.1〜No.15で比(Ma/Mc)が同じ鉛蓄電池の比較において、比(Vt/Vs)が0.75以下の範囲では、比(Vt/Vs)が大きくなるにつれて、低温始動時の放電持続時間が増加し、過放電放置後の定電圧までの到達時間が短くなっている。
以上の結果から、比(Ma/Mc)を10ppm以上25ppm以下の範囲内にすることで、低温始動性能が良好となり、これに加えて、比(Vt/Vs)を0.50以上0.75以下の範囲内にすることで、充電受入性が向上し、比(Vt/Vs)0.70以上0.75以下の範囲内にすることで、充電受入性がさらに向上することが分かった。

Claims (3)

  1. 鉛と、細孔を有するカーボンと、アルミニウムイオンと、を含む合剤を備えた負極を有し、
    前記合剤に含まれている前記カーボンの質量Mcに対する、前記カーボンの表面に存在するアルミニウムイオンおよび前記細孔内に存在するアルミニウムイオンの合計質量Maの比(Ma/Mc)が、10ppm以上25ppm以下である鉛蓄電池。
  2. 前記合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、前記穴のうち穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)が、0.50以上0.75以下である請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 前記合剤に存在する全ての穴の合計体積Vsに対する、前記穴のうち穴径が0.1μm以上1.0μm以下である穴の合計体積Vtの比(Vt/Vs)が、0.70以上0.75以下である請求項1記載の鉛蓄電池。
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