JP2020070036A - 内装ユニットおよび包装袋 - Google Patents
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Description
そこで、上記のシート材を設けた袋が提案されている。たとえば、開口の周縁で互いに対向する端縁どうしの間に、端縁に沿って延びる複数の切れ込み部が設けられたシート材が架け渡されたマチ無し袋が検討されている(特許文献1参照)。
このように懸架されたシート材は、懸架された端縁の設けられた面部だけに沿って延在するため、マチをなす面部が設けられた方向に対する緩衝性の低下を招くおそれがある。たとえば、前後の面部に対してはシート材が内装されるものの、左右の面部に対してはシート材が内装されず、包装される物品への左右方向からの衝撃の緩和が不十分となるおそれがある。
よって、包装袋の緩衝性を高めるうえで改善の余地がある。
前記本体袋は、マチを二分する中罫線に対して一側および他側のそれぞれに設けられ、前記中罫線で二分された前記マチをなすマチ面部と前記マチを折り畳む外罫線を介して前記マチ面部に連設された巾面部とを有し、開口の周縁に端縁部が設けられた一対の面部と、前記開口に対向する底部と、を備える。
当該内装ユニットは、前記端縁部のそれぞれにおいて前記外罫線を跨ぐ領域に対向して配置される対向縁部と前記底部に突き当てられる当接縁部との間で延在する一対の内装部と、前記対向縁部どうしの間で前記外罫線を跨ぐようにして懸架され、懸架方向に交差する方向に延びる複数の切れ込み部が千鳥状に設けられた伸張可能なシート状の緩衝部とを備える。
ここで開示する包装袋は、上記の内装ユニットと前記本体袋とを備える。
包装袋とは、物品を包装する袋である。本実施形態では、包装される物品を保護する緩衝部付きの内装ユニットが本体袋に設けられた包装袋を説明する。
本体袋および緩衝部は、クラフト紙、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、インクジェット記録紙、クルパック紙、ライナー、白板紙などの紙や板紙、これらの紙の片面あるいは両面にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、スパンボンドやスパンレースなどの不織布、合成紙やフィルムなどのプラスチックシートなどのシート材から形成でき、特にクラフト紙やクルパック紙を用いることが好ましい。ただし、本体袋および緩衝部のそれぞれを異なる材料から形成してもよい。
以下に述べる一実施形態では、項目[1]で包装袋の構成を説明し、その後の項目[2]で項目[1]の構成による作用および効果を述べる。
[1.構成]
図1〜図3に示すように、包装袋1では、緩衝部20の設けられた内装ユニット5が本体袋10の内側に取り付けられる。ここでは、左右対称かつ前後対称であって上部に開口9の設けられた包装袋1を例説する。
本体袋10は、上部に矩形の開口9が設けられたマチ付きの袋体である。
この本体袋10は、一対の巾面部1F,1Bおよび一対のマチ面部1L,1Rが底面部1D(底部)から折り立てられた有底の四角筒状をなす。
また、マチ面部1L,1Rのそれぞれには、中罫線CCが上下方向に延設されている。
中罫線CCを基準にすれば、左面部1Lは、前側の左前面部1LFと後側の左後面部1LBとに細別される。同様に、右面部1Rも、前側の右前面部1RFと後側の右後面部1RBとに細別される。
なお、中罫線CCが谷折りされた場合には、互いに重ね合わせられた巾面部1F,1Bどうしの間にマチ面部1L,1Rが挟まれる。このようにして本体袋10を平面状に収容することも可能である。
第一面部11は、前面部1Fならびに外罫線COを介して連設された左前面部1LFおよび右前面部1RFから構成される。また、第二面部12は、後面部1Bならびに外罫線COを介して連設された左後面部1LBおよび右後面部1RBから構成される。
上記の本体袋10には、つぎに説明する内装ユニット5が内装されている。このことから、本体袋10は外装体(外装袋)と言え、内装ユニット5は内装体(内装袋)と言える。
内装ユニット5は、本体袋10に挿入される別部材であり、本体袋10に緩衝部20を簡便に設けるためのユニットである。
内装ユニット5には、緩衝部20のほか、緩衝部20を懸架する部材として内装部50が設けられている。
以下、内装部50,緩衝部20の順に各構成を説明する。
内装部50には、以下に示す一対の内装部51,52が設けられている。
・第一内装部51:第一面部11の内側に沿って配置される内装部
・第二内装部52:第二面部12の内側に沿って配置される内装部
なお、図1には、前方または後方に開放側を向けたチャンネル形状の内装部51,52を例示する。図2には、上下方向かつ左右方向に沿う矩形の平面状をなす内装部51,52を例示する。
・剛性1:平面状に収容された本体袋10の底面部1Dに突き当てられてられること
で、第一面部11および第二面部12に対して底面部1Dを直角に折り立
てて、本体袋10を立体状に展開することが可能な剛性
・剛性2:包装袋1に入れられる物品2(図5参照)に想定される最大重量に対抗可
能な剛性
上記の剛性1,2を満たす内装部51,52の材料としては、ボール紙や段ボールシートなどが挙げられる。
同様に、第二内装部52には、第二面部12における二つの外罫線COを跨ぐ領域Rに対向して配置される対向縁部52Uが上部に延在し、本体袋10の底面部1Dに突き当てられる当接縁部52Dが下部に延在している。これらの対向縁部52Uと当接縁部52Dとの間に第二内装部52が延在している。
なお、対向縁部51U,52Uは、中罫線CCを跨がずに面部11,12の内側に配置される。
上記の内装部51,52には、つぎに説明する緩衝部20が取り付けられている。
緩衝部20は、クッションペーパやハニーペーパとも称され、複数の切れ込み部23a(図面では一箇所のみに符号を付す)が千鳥状に設けられたシート状の緩衝材である。
緩衝部20には、外罫線COや内装罫線CNに対応する位置に罫線(以下「内罫線」という)CIが設けられている。具体的に言えば、内罫線CIは、外罫線COや内装罫線CNに対して内側で上下方向に延設されている。
上記のように懸架される緩衝部20は、内装部51,52の対向縁部51U,52Uに貼り付けられる貼付端部21,22と、これらの貼付端部21,22の間に設けられる本体部23との二種の部位に大別される。
具体的には、第一内装部51の対向縁部51Uにおいて二つの外罫線COを跨ぐようにして第一貼付端部21が貼り付けられている。同様に、第二内装部52の対向縁部52Uにおいて二つの外罫線COを跨ぐようにして第二貼付端部22が貼り付けられる。すなわち、内装罫線CNを跨いで貼付端部21,22が対向縁部51U,52Uに貼り付けられる。
ここでは、図3に示すように、本体部23に沿って貼付端部21,22どうしを結ぶ懸架方向において中央の折曲線230(折曲部)で二つ折りにされた状態の緩衝部20を例示する。このように二つ折りにされた本体部23は、折曲線230に対して第一貼付端部21側の第一本体部231と第二貼付端部22側の第二本体部232とに大別される。
上記の本体部23は、開口9から包装袋1に入れられた物品2(図5参照)が載せられることで、物品2の重量によって伸長する。
このように緩衝部20を伸長可能とする構造は、本体部23に設けられる。
以下、未伸長状態の本体部23を説明し、その後に伸長状態の本体部23を説明する。
図4に示すように、未伸長状態の本体部23には、多数の切れ込み部23aが切り込まれて形成されている。これらの切れ込み部23aは、緩衝部20のうち少なくとも本体部23に設けられている。
切れ込み部23aは、懸架方向に対して直交(交差)する方向に延びている。具体的には、本体部23のうち、巾面部1F,1Bに沿う箇所では左右方向(巾方向)に沿って切れ込み部23aが延在し、マチ面部1L,1Rに沿う箇所では前後方向(マチ方向)に沿って切れ込み部23aが延在する。
切れ込み部23aの寸法は、非切れ込み部23bの寸法よりも大きく設定されている。すなわち、切れ込み部23aの寸法を「L1」とし、非切れ込み部23bの寸法を「L2」とすれば、不等式1「L1>L2」が満たされる。
第一片部31は、第一パターンP1の切れ込み部23aのうち一方(図4では左方)と第二パターンP2の切れ込み部23a′のうち他方(図4では右方)とで挟まれる部位である。第二片部32は、第一パターンP1の切れ込み部23aの中央と第二パターンP2の非切れ込み部23b′とで挟まれる部位である。第三片部33は、第一パターンP1の切れ込み部23aのうち他方と第二パターンP2の切れ込み部23a′のうち一方とで挟まれる部位である。
第四片部34は、第一パターンP1の切れ込み部23aのうち一方と第二パターンP2の切れ込み部23a′の他方とで挟まれる。第五片部35は、第一パターンP1の切れ込み部23aの中央と第二パターンP2の非切れ込み部23b′とで挟まれる。第六片部36は、第一パターンP1の切れ込み部23aのうち他方と第二パターンP2の切れ込み部23a′のうち一方とで挟まれる。
図5に示すように、伸張状態の本体部23は、非伸張状態の本体部23(図3参照)と比較して、懸架方向に伸びている。このときの本体部23では、懸架方向から内装部51,52や面部11,12の厚み方向(非伸張状態における本体部23の厚み方向)へ片部31〜36(図6および図7参照)が立ち上がり、立ち上がった片部31〜36(図6および図7参照)によって立体状の緩衝セル40(図6および図7参照)が形成される。言い換えれば、一つの切れ込み部23aに対して周囲に配置された片部31〜36が立ち上がることで、一つの緩衝セル40が出現する。
本体袋10の底面部1Dに内装部51,52の当接縁部51D,52Dが突き当てられることから、底面部1Dの上下方向位置と当接縁部51D,52Dの上下方向位置とを同視することができる。そのため、本体袋10の底面部1Dと非接触に伸張状態の緩衝部20が設けられたともいえる。
逆に言えば、図3に示すように、最大伸張状態の緩衝部20が本体袋10の底面部1Dと接触しないように、未伸張状態の緩衝部20における折線線230が本体袋10の底面部1Dに対して予め所定寸法「M3」だけ上方に設けられている。すなわち、緩衝部20は、伸び代を見越して短く形成されている。
緩衝部20におけるパターンP1,P2の行数を「N」とし、貼付端部21,22の上下寸法を「M4」とすれば、近似式3「M2−M4≒(L1−L2)×(N/4)」が成立する。
この近似式3の左辺は、最大伸張状態における第一本体部231または第二本体部232の上下寸法を表している。
また、本体部23において緩衝セル40が懸架方向に並ぶ数がパターンP1,P2の行数の半数(N/2)であることから、近似式3の右辺のうち(N/4)は、第一本体部231または第二本体部232において緩衝セル40が懸架方向に並ぶ数を表している。
そのため、寸法L1,L2,M2,M4やパターンP1,P2の行数といった近似式3における各項に対応するパラメータを適宜設定することで、上記の非接触構造を設計することができる。
本実施形態の内装ユニット5および包装袋1は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
開口9から物品2を包装袋1に入れて、緩衝部20の本体部23に物品2を載置すると、内装ユニット5で内装部50に懸架された緩衝部20の本体部23が懸架方向に伸びる。これにより、面部11,12の厚み方向へ切れ込み部23a周辺の片部31〜36が立ち上がり、本体部23に緩衝セル40が出現する。このようにして、物品2が緩衝セル40で囲まれる。
よって、包装袋1の物品2に対する緩衝性を確保することができる。
よって、包装袋1の緩衝性を高めることができる。
このように、本体袋10の展開と内装ユニット5の取り付けとが同時に実施されることで、包装袋1のユーザビリティを向上させることができる。
たとえば、本体袋10と内装ユニット5とをそれぞれに用意しておき、平面状の本体袋10に内装ユニット5を取り付けることで組み立てられた包装袋1に物品2が挿入される使用シーンが想定される。このような使用シーンであれば、包装袋1に組み立て可能な本体袋10および内装ユニット5をそれぞれに出荷すればよい。
一方、巾面部1F,1Bが互いに重ね合わせられた状態であって中罫線CCが谷折りされてマチ面部1L,1Rが巾面部1F,1Bどうしの間に挟まれた状態の本体袋10であれば、上記のようにマチ面部1L,1Rが露出した状態の本体袋10よりも平面状に収容された包装袋1のサイズを抑えることができる。
緩衝部20が二つ折りにされた状態で懸架されることから、たとえば緩衝部が三つ以上に折られた状態で懸架される包装袋と比較して、未使用時における包装袋1の厚みを抑えることができる。
なお、内装ユニット5の緩衝部20および内装部50ならびに本体袋10が何れも同種の材料から形成される場合には、使用後の包装袋1の処理性を向上させることができる。たとえば、包装袋1を再生利用(リサイクル)あるいは廃棄する際に、材料の種別ごとに分別する必要がなく、処理作業性を向上させることができる。内装ユニット5の緩衝部20および内装部50ならびに本体袋10が紙製であれば、古紙回収や可燃ごみに使用後の包装袋をそのまま出すことができる。
上述した実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、切れ込み部および非切れ込み部は、懸架方向の直交する方向に延びる配向に限らず、少なくとも懸架方向に対して交差する方向に延びていればよい。このような配向により、緩衝部を懸架方向に伸張させることができる。
また、貼付端部と本体部との間で緩衝部が山折りされて、対向縁部の外面に貼付端部が貼り付けられてもよい。このときには、内装部に引っ掛かるようにして緩衝部が懸架されることにより、内装部に対する緩衝部の脱落が確実に抑えられ、緩衝部の耐荷重が高められうる。
あるいは、内装部に対する緩衝部の取り付け手法は、貼り付ける手法に限らず、さまざまな公知の取付手法を用いてもよい。
・手順1:物品(図示省略)を包装袋1′の内部に収納(包装)する
・手順2:両面粘着シートS′の剥離シートを除去する
・手順3:罫線CO′,CC′,CN′,CI′を折り畳んで開口9′を閉鎖する
・手順4:上端縁部110′,120′の他方(図8では第一面部11′の上端縁部
110′)にフラップ部8′を両面粘着シートS′で貼り付ける
1F,1B 巾面部
1F 前面部(第一巾面部)
1B 後面部(第二巾面部)
1L,1R マチ面部
1L 左面部(第一マチ面部)
1LF 左前面部
1LB 左後面部
1R 右面部(第二マチ面部)
1RF 右前面部
1RB 右後面部
1D 底面部(底部)
2 物品
5 内装ユニット
8′ フラップ部(封止部)
9,9′ 開口
10 本体袋
11,12 一対の面部
11,11′ 第一面部
110,110′ 上端縁部(第一端縁部)
12,12′ 第二面部
120,120′ 上端縁部(第二端縁部)
20 緩衝部
21 第一貼付端部
22 第二貼付端部
23 本体部
230 折曲線(折曲部)
231 第一本体部
232 第二本体部
23a,23a′ 切れ込み部
23b,23b′ 非切れ込み部
50 内装部
51 第一内装部
51U 第一対向縁部
51D 第一当接縁部
52 第二内装部
52U 第二対向縁部
52D 第二当接縁部
CO,CO′ 外罫線
CC,CC′ 中罫線
CN,CN′ 内装罫線
CI,CI′ 内罫線
Ca,Ca′ 切れ込み部23a,23a′の延在方向中心
Cb,Cb′ 非切れ込み部23b,23b′の延在方向中心
L1 切れ込み部23aの寸法
L2 非切れ込み部23bの寸法
P1 第一パターン
P2 第二パターン
R 領域
S′ 両面粘着シート(封止用材)
Claims (8)
- マチを二分する中罫線に対して一側および他側のそれぞれに設けられ、前記中罫線で二分された前記マチをなすマチ面部と前記マチを折り畳む外罫線を介して前記マチ面部に連設された巾面部とを有し、開口の周縁に端縁部が設けられた一対の面部と、
前記開口に対向する底部と、
を備えた本体袋を具備した包装袋において、前記本体袋の内側に設けられる内装ユニットであって、
前記端縁部のそれぞれにおいて前記外罫線を跨ぐ領域に対向して配置される対向縁部と前記底部に突き当てられる当接縁部との間で延在する一対の内装部と、
前記対向縁部どうしの間で前記外罫線を跨ぐようにして懸架され、懸架方向に交差する方向に延びる複数の切れ込み部が千鳥状に設けられた伸張可能なシート状の緩衝部とを備えた
ことを特徴とする内装ユニット。 - 前記内装部は、前記外罫線に対応する位置に設けられた罫線である内装罫線を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の内装ユニット。 - 前記緩衝部は、前記外罫線に対応する位置に設けられた罫線である内罫線を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内装ユニット。 - 前記緩衝部は、伸長した状態で前記当接縁部よりも前記対向縁部側に設けられた
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の内装ユニット。 - 前記緩衝部は、前記領域どうしの間で二つ折りにされた状態で懸架された
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の内装ユニット。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の内装ユニットと、
前記本体袋と
を備えたことを特徴とする包装袋。 - 前記一対の面部は、それぞれの前記巾面部が互いに重ね合わせられた状態で前記中罫線が山折りされて前記マチ面部が露出する
ことを特徴とする請求項6に記載の包装袋。 - 前記一対の面部は、それぞれの前記巾面部が互いに重ね合わせられた状態で前記中罫線が谷折りされて前記マチ面部が前記巾面部どうしの間に挟まれる
ことを特徴とする請求項6に記載の包装袋。
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