JP2020069571A - 穴明け工具及びその製造方法 - Google Patents

穴明け工具及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020069571A
JP2020069571A JP2018204813A JP2018204813A JP2020069571A JP 2020069571 A JP2020069571 A JP 2020069571A JP 2018204813 A JP2018204813 A JP 2018204813A JP 2018204813 A JP2018204813 A JP 2018204813A JP 2020069571 A JP2020069571 A JP 2020069571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
tip
coating film
flank
exposed portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018204813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7082934B2 (ja
Inventor
昌英 渡邉
Masahide Watanabe
昌英 渡邉
将靖 佐藤
Masayasu Sato
将靖 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Union Tool Co
Original Assignee
Union Tool Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Union Tool Co filed Critical Union Tool Co
Priority to JP2018204813A priority Critical patent/JP7082934B2/ja
Priority to TW108131816A priority patent/TWI799640B/zh
Priority to KR1020190128307A priority patent/KR102619279B1/ko
Priority to EP19205158.9A priority patent/EP3646975A1/en
Priority to CN201911021791.5A priority patent/CN111112697B/zh
Publication of JP2020069571A publication Critical patent/JP2020069571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7082934B2 publication Critical patent/JP7082934B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/02Twist drills
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B41/00Boring or drilling machines or devices specially adapted for particular work; Accessories specially adapted therefor
    • B23B41/14Boring or drilling machines or devices specially adapted for particular work; Accessories specially adapted therefor for very small holes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2200/00Details of cutting inserts
    • B23B2200/04Overall shape
    • B23B2200/0428Lozenge
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2226/00Materials of tools or workpieces not comprising a metal
    • B23B2226/31Diamond
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2226/00Materials of tools or workpieces not comprising a metal
    • B23B2226/31Diamond
    • B23B2226/315Diamond polycrystalline [PCD]
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2228/00Properties of materials of tools or workpieces, materials of tools or workpieces applied in a specific manner
    • B23B2228/10Coatings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2228/00Properties of materials of tools or workpieces, materials of tools or workpieces applied in a specific manner
    • B23B2228/36Multi-layered
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2228/00Properties of materials of tools or workpieces, materials of tools or workpieces applied in a specific manner
    • B23B2228/41Highly conductive
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2251/00Details of tools for drilling machines
    • B23B2251/14Configuration of the cutting part, i.e. the main cutting edges
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2251/00Details of tools for drilling machines
    • B23B2251/18Configuration of the drill point
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2251/00Details of tools for drilling machines
    • B23B2251/40Flutes, i.e. chip conveying grooves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/011Micro drills

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)

Abstract

【課題】工具先端と被削材との導電性を確保すると共に、ノンコートドリルに比べ加工穴品質の低下を抑制できる穴明け工具及びその製造方法を提供する。【解決手段】超硬合金製の工具基材にコーティング膜5が被覆されて成る工具本体1の外周に、工具先端から基端側に向かう一若しくは複数の螺旋状の切り屑排出溝2が設けられ、前記切り屑排出溝2と先端逃げ面3との交差稜線部に一若しくは複数の切れ刃4が設けられた穴明け工具であって、前記工具本体1の先端には前記コーティング膜5がなく前記工具基材が露出する露出部6が設けられ、前記切れ刃4の工具外周側所定範囲には前記コーティング膜5が被覆されている。【選択図】図4

Description

本発明は、穴明け工具及びその製造方法に関するものである。
近年、プリント配線板(PCB)は軽薄短小化が進み、要求される電気的信頼性の高度化に伴い高耐熱化、高放熱化および高剛性化が求められている。そこで、これらを実現するために、PCBの構成材であるGFRP(ガラス繊維強化樹脂)の有機樹脂材料に充填される無機フィラーの高充填化やガラス繊維の高密度化が図られている。
しかしながら、PCBの無機フィラー量やガラス繊維量が増加すると、PCBの穴明けに用いられるドリル(PCBドリル)の切れ刃が摩耗し易くなる。ドリルの切れ刃が摩耗すると、穴位置精度の悪化、内壁壁面の粗度の悪化及びPCBドリルの折損の発生等が生じる。
そこで、PCBドリルには、通常、切れ刃の摩耗を抑制し、切れ刃の摩耗に伴う加工穴品質の低下を防止すると共に工具寿命を改善する目的で、種々のコーティング膜が被覆されている(特許文献1等参照。)。
ところで、PCBの穴明けに用いられる加工機(NCボール盤)には、PCBドリル先端とPCB表面の銅箔層との接触を電気的に検知(電気的導通を検知)することで、ドリル先端とPCB表面との接触位置を検出してPCBドリルの穴明け基準位置とし、この穴明け基準位置を基にして穴明け深さを制御する機能を有するものがある。また、前記電気的導通を検知できない場合に、ドリル先端が折損していると判断する、折損の検出を行う機能を有するものもある。
ここで、PCBドリルに被覆されるコーティング膜の中にはダイヤモンド皮膜のように電気抵抗値が大きく導電性が低いものがあり、このような皮膜がコーティングされたPCBドリルは、ノンコートドリルに比べ電流が流れ難いため、PCBドリル先端とPCB表面の銅箔層との電気的導通が検知できない場合がある。
この場合、前記穴明け深さの制御が良好に行えず、加工深さ(PCB表面からの距離)を精度良く管理できなくなったり、加工機がドリルに折損が生じていると誤判断し、穴明け加工が中断したりすることがある。
なお、例えば、特許文献2には、多結晶ダイヤモンド皮膜にボロンを添加することでダイヤモンド皮膜に導電性を持たせる技術が開示されているが、この場合、内部応力の増大により多結晶ダイヤモンド皮膜と基材である超硬合金との密着性が悪化することが知られている(特許文献3参照)。
特表2009−544481号公報 特開2006−152424号公報 国際公開第2013/105348号
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、工具本体の先端にコーティング膜がなく工具基材が露出する部分を設けると共に、切れ刃の外周側所定範囲にはコーティング膜が被覆されるように構成することで、工具先端と被削材との導電性を確保すると共に、ノンコートドリルに比べ加工穴品質の低下を抑制できる極めて実用的な穴明け工具及びその製造方法を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
超硬合金製の工具基材にコーティング膜5が被覆されて成る工具本体1の外周に、工具先端から基端側に向かう一若しくは複数の螺旋状の切り屑排出溝2が設けられ、前記切り屑排出溝2と先端逃げ面3との交差稜線部に一若しくは複数の切れ刃4が設けられた穴明け工具であって、前記工具本体1の先端には前記コーティング膜5がなく前記工具基材が露出する露出部6が設けられ、前記切れ刃4の工具外周側所定範囲には前記コーティング膜5が被覆されていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1記載の穴明け工具において、前記露出部6は、前記先端逃げ面3に隣接して設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記先端逃げ面3は複数設けられ、前記複数の先端逃げ面3間に前記露出部6が設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記先端逃げ面3は複数設けられ、この先端逃げ面3は第一逃げ面3aと該第一逃げ面3aの工具回転方向後方側に設けられる第二逃げ面3bとを含み、前記第一逃げ面3a及び前記第二逃げ面3bは工具回転中心Oを挟んで一対ずつ設けられており、前記露出部6は、前記第一逃げ面3a同士の間、前記第二逃げ面3b同士の間、若しくは、前記第一逃げ面3a及び前記第二逃げ面3b間のいずれかに設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記露出部6は前記工具本体1の最先端に設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記コーティング膜5はダイヤモンド皮膜であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端視において、工具回転中心Oが前記露出部6に存在し、この露出部6の外縁と工具回転中心Oとの最短距離Sが1.5μm以上となるように設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具側面視において前記露出部6が工具外周側から工具回転中心側に向かって上り傾斜するように設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項8記載の穴明け工具において、前記露出部6と工具回転軸Aとがなす角度(傾斜角度θ)は87.5°以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記切り屑排出溝2及び前記切れ刃4が設けられる刃部の直径Dが0.05mm以上3.175mm以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜10いずれか1項に記載の穴明け工具の製造方法であって、前記工具基材に前記コーティング膜5を被覆した後、前記先端逃げ面3の一部の前記コーティング膜5を除去することで前記露出部6を形成することを特徴とする穴明け工具の製造方法に係るものである。
また、請求項11記載の穴明け工具の製造方法において、前記先端逃げ面3の一部の前記コーティング膜5を除去する際、前記コーティング膜5と共に前記工具基材の一部を除去することを特徴とする穴明け工具の製造方法に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、工具先端と被削材との導電性を確保すると共に、ノンコートドリルに比べ加工穴品質の低下を抑制できる極めて実用的な穴明け工具及びその製造方法となる。
本実施例の六面図である。 ストレート形状の工具本体の先端部の拡大概略説明図である((a)は図1の左側面図、(b)は図1の正面図、(c)は図1の平面図に相当。以下図3〜5、11〜16において同様。)。 アンダーカット形状の工具本体の先端部の拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である((d)は(a)の四角枠内における中心付近の拡大概略説明断面図であって、(b)と同方向から見たものである。)。 本実施例の露出部を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 露出部の一構成例を説明する拡大概略説明図である。 レーザによるコーティング膜の除去を説明する概略説明図である。 砥石によるコーティング膜の除去を説明する概略説明図である。 工具先端の外観写真である。 工具先端の外観写真である。 工具先端の外観写真である。 工具先端の外観写真である。 図5の新たなチゼルエッジと平行な方向Xから見た概略側面図である。 実験条件及び実験結果を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
PCB等の表面に導電層を有する被削材に穴明け加工を行う際、被削材の表面に工具の先端を当接させると、露出部6を被削材に直接接触させることができる。従って、導電性の低いコーティング膜5で工具基材を被覆した場合でも、工具基材と被削材とを良好に通電させることが可能となり、両者の接触を電気的に検知できる(両者の電気的導通を検知できる。)。
また、少なくとも切れ刃4の外周側所定範囲にはコーティング膜5が被覆されているから、ノンコートドリルに比べ、加工穴品質の低下を抑制できる。
即ち、本発明によれば、工具の先端に、加工穴品質を確保するため導電性の低いコーティング膜5が被覆されていても、工具の先端がPCB等の被削材(の導電層)と当接した位置を穴明け基準位置として穴明け深さ制御を良好に行うことができる。また、工具基材と被削材との通電不良によって生じる、工具の折損の誤検知を防止でき、この誤検知に起因する穴明け加工の中断も防止できることになる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、超硬合金製の工具基材にコーティング膜5が被覆されて成る工具本体1の外周に、工具先端から基端側に向かう一若しくは複数の螺旋状の切り屑排出溝2が設けられ、前記切り屑排出溝2と先端逃げ面3との交差稜線部に一若しくは複数の切れ刃4が設けられた穴明け工具であって、前記工具本体1の先端には前記コーティング膜5がなく前記工具基材が露出する露出部6が設けられ、前記切れ刃4の工具外周側所定範囲には前記コーティング膜5が被覆されており、この穴明け工具の先端を被削材の表面に当接させた際、前記露出部6が前記被削材に接触するように構成されているものである。
各部を具体的に説明する。
本実施例は、表面に銅箔層(導電層)を有するPCBに穴明け加工するために用いられるPCBドリルである。具体的には、刃部を有する工具本体1(ボデー部)と、シャンク部10と、工具本体1及びシャンク部10を連設する連設部11とを有するソリッドドリルである。前記工具本体1は超硬合金製の工具基材にコーティング膜5が被覆されて構成されている。また、シャンク部10と連設部11とは超硬合金製(導電性材料)である。前記連設部11の直径は前記工具本体1の基端側ほど段階的若しくは連続的に径大となるように設定されている。図1は本実施例の六面図である。なお、連設部11は前記工具の刃部の直径Dやシャンク部10の直径に基づいて適宜設定すれば良く、例えば前記工具本体1の刃部の直径Dが前記シャンク部10の直径と同一の場合や前記シャンク部10の直径よりも大きい場合は、前記連設部11を設けなくても良い。
また、シャンク部10および連設部11はその全部若しくは一部が超硬合金に限らずステンレス鋼など他の導電性材料で形成され、溶接などにより工具本体1を含む超硬合金に連設された構成としても良い。
前記工具本体1の刃部の直径D(最大径)は0.05mm以上3.175mm以下に設定され、前記シャンク部10の直径は1.7mm以上3.175mm以下に設定される。刃部の直径Dが0.05mm未満では穴明け加工時の切削抵抗及び工具本体1の撓みの影響により、工具本体1での折損が発生する恐れがあるためである。本実施例では刃部の直径Dが0.45mm、シャンク部10の直径が3.175mmのものを採用している。
また、工具本体1は、工具本体1の先端側から基端側にかけて直径が一定若しくは徐々に僅かに径小となる所謂ストレート形状としても良いし、また、工具本体1の先端側から基端側に向けて直径が一定若しくは徐々に僅かに径小となる形状であって、且つ、基端側で一段径小となるような所謂アンダーカット形状としても良い。なお、前述の、基端側で一段径小となる部分(アンダーカット部分)がなく、工具本体1の先端側から基端側にかけて工具本体1の直径が徐々に僅かに径小となる所謂バックテーパ状のものも、工具本体1の回転時の外周輪郭線が直線状となることから、前記ストレート形状の分類に含まれるものとする。
図2は、ストレート形状の穴明け工具、図3はアンダーカット形状の穴明け工具の露出部6が形成される前の工具本体1の先端部の拡大図である。図中符号12は、外周面に設けられるクリアランスである。クリアランス12は、アンダーカット形状の場合には切り屑排出溝2の先端部のみに形成され、ストレート形状の場合には切り屑排出溝2の後端付近まで形成されることが一般的である。なお、クリアランスを設けない構成としても良い。
本実施例は図3のようなアンダーカット形状を採用し、刃部の先端部の径大部分の外周面が加工穴内壁に接触するマージン部14となるように設定している。
工具本体1の刃部の外周には、切り屑排出溝2が2条設けられている。各切り屑排出溝2と工具先端(刃部の先端部)の先端逃げ面3との交差稜線部に夫々切れ刃4(計2つ)が設けられている。なお、切り屑排出溝2及び切れ刃4の数は2つずつに限らず、適宜設定できる。本実施例において、先端逃げ面3は、工具基材の所定角度で傾斜する先端面にコーティング膜5を設けて形成される。
コーティング膜5は、少なくとも工具基材の先端から前記マージン部14の後端まで設けられる。本実施例においては、工具基材の先端から連設部11の後端まで完全に(露出部6を除き)コーティング膜5が被覆された構成としている。なお、コーティング膜の符号(5)は工具先端のコーティング膜の断面部分のみに付した。
一つの先端逃げ面3は、工具回転軸Aに対して所定角度で傾斜する第一逃げ面3aと該第一逃げ面3aの工具回転方向後方側に設けられ該第一逃げ面3aとは異なる角度で傾斜する第二逃げ面3bとで構成されている。また、切れ刃4は各先端逃げ面3の第一逃げ面3aと各切り屑排出溝2の工具回転方向前方側を向くすくい面との交差稜線部に設けられている。
先端逃げ面3(第一逃げ面3a及び第二逃げ面3b)は、工具回転中心Oを挟んで一対ずつ設けられており、これら一対の先端逃げ面3(第一逃げ面3a及び第二逃げ面3b)の交差稜線がチゼルエッジを成し、このチゼルエッジの中心部分(工具回転中心O近傍部分)がチゼル部T(最も工具先端側に突出し、穴明け加工の際に最初に被削材に接触する部分。)に設定されている。
具体的には、本実施例の工具本体1は、工具先端に第一逃げ面3aと第二逃げ面3bとから成る先端逃げ面3が2つ、計4つの逃げ面が設けられる所謂4面逃げドリル形状であり、第一逃げ面3aと該第一逃げ面3aの工具回転方向後方側の第二逃げ面3bとの交差稜線(境界稜線)と、第一逃げ面3aと該第一逃げ面3aの工具回転方向前方側の第二逃げ面3bとの交差稜線(チゼルエッジ)との交点部分がチゼル部T(チゼルポイント)に設定されている。
なお、前記4面逃げドリル形状ではなく、単一の逃げ面で構成される先端逃げ面3が一対設けられる所謂2面逃げドリル形状の場合は、これら一対の先端逃げ面3の交差稜線が工具回転軸Aと直交するチゼルエッジを成してチゼル部Tに設定される。
露出部6は、工具本体1の最先端に設けられる(図4〜図14参照。図6〜図10では工具本体1の先端部の(a)工具先端面(図1の左側面図に相当する部分)及び(b)図1の正面図に相当する部分のみ記載。)。具体的には、露出部6は先端逃げ面3の一部のコーティング膜5を除去して工具基材の表面を露出することで形成されるものであり、先端逃げ面3に隣接して設けられる。
本実施例においては、露出部6は、少なくとも前記チゼル部Tのコーティング膜5を除去することで形成される。
具体的には、露出部6は、工具本体1の前記チゼル部Tを含む前記チゼル部Tの近傍部、即ち、前記第一逃げ面3a若しくは前記第二逃げ面3bを構成する工具基材の表面(先端面)、または、前記切れ刃4を構成する工具基材の表面の一部を露出させることで設けられる。従って、前記露出部6は、前記第一逃げ面3a同士の間、前記第二逃げ面3b同士の間、若しくは、前記第一逃げ面3a及び前記第二逃げ面3b間に設けられる。
この際、露出部6と切れ刃4の工具回転方向前方側に位置する切り屑排出溝2とが交差する場合は(コーティング膜5の除去範囲が切れ刃4に至る場合、即ち、少なくとも後述する露出部6の周囲のコーティング膜5の断面露出部分が切れ刃4に至る場合は)、少なくとも当該切れ刃4の工具外周側所定範囲にはコーティング膜5が残存するように露出部6を設ける範囲を設定する。具体的には、当該切れ刃4の工具外周側に僅かでもコーティング膜5が残存すれば良いが、好ましくは、工具先端視において、切れ刃4の工具回転方向前方側に位置する切り屑排出溝2と交差する露出部6において、この露出部6の外縁(即ち、露出部6とコーティング膜5(コーティング膜5の断面)との境界線)と当該切れ刃4の工具外周端との最短距離Uが刃部の直径Dの10%以上となる範囲にコーティング膜5が残るように露出部6を設ける(図4,5参照)。露出部6が広い程、露出部6と被削材との接触(通電)は良好に行われるため、露出部6を可及的に広くしつつ、コーティング膜5の存在により工具基材の摩耗抑制効果を維持すると共に、切削性能を維持してノンコートドリルに比べ加工穴品質の低下を抑制するためである。
従って、工具本体1の刃部の先端部には、露出部6を設けた部分を除き、コーティング膜5が設けられる。
具体的には、本実施例の露出部6は、一般的なコーティングドリルと同様に工具基材の先端から連設部11の後端までコーティング膜5を設けた後、工具本体1の先端の一部のコーティング膜5を除去することで形成される(詳細な形成方法については後述する。)。コーティング膜5を除去すると、図4等に図示したように、露出部6の周囲にコーティング膜5の断面が露出する。図中符号9は、工具本体1の工具基材表面にコーティング膜5を被覆する際に形成される導電性を有する中間層(密着層)である。
本実施例においては、工具基材の表面である基材露出面7と前記中間層9の断面とで露出部6が構成される。
具体的には、本実施例においてはコーティング膜5の密着性を高めるため、工具本体1の工具基材、即ち導電性材料である超硬合金の表面に対して改質処理を施して改質処理層を設け、その上にコーティング膜5を被覆している。この改質処理層が中間層9であって、この中間層9は元々の超硬合金が有する導電性を著しく悪化することなく導電性を有したままである(即ち、中間層9は工具基材の一部である。)。また、上記に限らず、工具本体1の工具基材表面に、導電性の低いコーティング膜5とは異なる導電性を有する導電性コーティング膜を中間層9として被覆し、その上にコーティング膜5を被覆しても良い(この場合も、本実施例では上記同様に中間層9は工具基材の一部として扱う。)。
また、工具本体1の先端の一部のコーティング膜5を除去する際、工具基材の表面である基材露出面7を設けず、前記中間層9のみを露出させた露出部6を構成しても良い。
なお、工具本体1の工具基材とコーティング膜5との密着性に問題が無い場合、この中間層9は必ずしも設ける必要は無い(この場合、基材露出面7が露出部6となる。)。
なお、4面逃げドリル形状に限らず、単一の逃げ面で構成される先端逃げ面3が一対設けられる所謂2面逃げドリル形状としても良い。この場合にも、露出部6は、工具本体1の最先端に設けられる(図15,16参照)。
本実施例のコーティング膜5はダイヤモンド皮膜である。具体的には多結晶ダイヤモンド皮膜であり、密着性を高めるため、工具基材の表面(超硬合金の表面)に存在するCo(コバルト)の含有量を少なくする所謂脱Co処理を施して改質処理層(中間層9)が形成される。このコーティング膜5の膜厚は、3μm以上20μm以下に設定されている。好ましくは4μm以上14μm以下である。コーティング膜自体が非常に耐摩耗性に優れたものであっても、被削材が高硬度であるような場合には、コーティング膜5が薄過ぎると早期に摩滅するおそれがある。また、コーティング膜5が厚過ぎるとコーティング膜5の内部応力の影響により剥離が生じたり、切れ刃4に厚い膜が存在することで刃物角が鈍くなり切れ味が低下する。
なお、ダイヤモンド皮膜に限らず、他のコーティング膜5を採用しても良い。
露出部6の形状は、被削材表面との接触面積を確保できる形状であれば、どのような平面若しくは曲面としても良い。本実施例の露出部6は平坦面である。
また、本実施例では、工具先端視において、工具回転中心Oが前記露出部6に存在し、この露出部6の外縁、即ち、露出部6と前記コーティング膜5との境界線と工具回転中心Oとの最短距離Sが1.5μm以上となるように設けられている(図4,5参照)。最短距離Sが1.5μm未満であると工具先端で露出する導電性を有する領域が小さ過ぎ、加工時の溶着等により、被削材との正常な電気的導通が阻害される可能性があるためである。
なお、前記露出部6と前記コーティング膜5との境界線とは、前記中間層9が存在する場合は「工具先端視において中間層9とコーティング膜5との境界線」を指し、前記中間層9が存在しない場合は「工具先端視において工具本体1の工具基材とコーティング膜5との境界線」を指す。
また、露出部6は、図23に図示したように、工具側面視において工具外周側から工具回転中心側に向かって工具先端側に突出する(上り傾斜する)ように設けられている。具体的には、前記露出部6(基材露出面7)と工具回転軸Aとがなす傾斜角度θが87.5°以下となるように設けられている。なお、露出部6が曲面の場合には、工具側面視における当該曲面の稜線(例えば円錐面の母線に相当する部分)の傾斜角度θを87.5°以下とする。
露出部6の形成方法について詳述する。
露出部6は、工具本体1のコーティング膜5の一部を除去することで形成することができる。例えば研削砥石による研削加工等の機械的方法やレーザのような高エネルギー光照射による除去加工等の光学的方法により、任意の箇所のコーティング膜5を除去できる。
本実施例においては、コーティング膜5と共に、工具本体1の前記境界稜線若しくは前記チゼルエッジを含む、先端逃げ面の一部若しくは全部または切れ刃の一部を構成する工具基材の表面を除去する。この除去により形成される露出部6の傾斜角度θは、工具回転軸Aと直交する角度(90°)とすることもできるし、上述の角度範囲で適宜設定することもできる。露出部6の傾斜角度θを適宜設定することで、食い付き性等を改善することもできる。また、露出部6同士の交差稜線若しくは交点を、除去加工前の工具本体1に現れているチゼル部Tに替えてコーティング膜5が設けられていない新たなチゼル部N(新たなチゼルエッジ若しくは新たなチゼルポイント)とすることもできる。
例えば、最も簡単な方法としては、コーティング膜5を除去する際、前記露出部6が工具本体1の工具回転軸Aと直交する平坦面となるように(除去面が平坦面となるように)、工具先端に工具回転軸Aと直交する方向からレーザ照射装置20によりレーザ21を照射したり(図17)、砥石22を当てたりすることで(図18)、コーティング膜5及び工具基材の表面を除去する方法がある。
この場合、前記露出部6は、図4に図示したような工具最先端に位置する先端平坦面8(加工時に被削材に接触する平坦面)に設けられることになる。即ち、露出部6(基材露出面7および中間層9の断面)とコーティング膜5の断面とが略面一な一つの平坦面となり、基材露出面7と中間層9の断面とコーティング膜5の断面とが段差なく並設される一つの先端平坦面8となる。
具体的には、図4は、上述の前記露出部6が工具本体1の工具回転軸Aと直交する先端平坦面8に含まれるように、コーティング膜5及び工具基材の一部を除去した例(フラットタイプ)である。この場合、加工が容易である反面、工具本体1の工具基材または中間層9を露出させるためコーティング皮膜5の膜厚に応じた面(コーティング皮膜5の断面)が形成されるため、工具先端に形成される平坦面の総面積が大きくなり、工具の食い付き性が悪化したり、スラスト抵抗が増大し工具性能が悪化する場合がある。
そこで、本実施例では、前記露出部6を、工具回転軸Aと直交する面でなく、工具本体1の前記チゼルエッジと略平行に形成される面とするように傾斜角度θを設定し、前記各チゼルエッジ(及びその近傍部)を、前記露出部6と前記コーティング膜5の断面とが略面一な一つの平坦面(基材露出面7と中間層9の断面とコーティング膜5の断面とが段差なく並設される一つの平坦傾斜面)として現出するように除去することで形成している。
具体的には、図5に図示したように、工具本体1の前記チゼルエッジと略平行な前記露出部6とするように該露出部6と工具回転軸Aとがなす傾斜角度θを設定し該チゼルエッジ(コーティング膜5及び工具基材の表面)を除去し、第一逃げ面3aと第二逃げ面3bとの間に形成された露出部6(第一逃げ面3aと工具回転方向前方側の第二逃げ面3bとに隣接して設けられた露出部6)を含む前記平坦傾斜面同士の交差稜線を新たなチゼルエッジ(新たなチゼル部N)としている。この場合、露出部6同士が成す角度は加工前の工具本体1の先端角より鈍角となる。なお、図5(a)において、除去加工をする前の前記チゼルエッジを破線Pで図示している。図4(a)、図6(a)、図7(a)および図11(a)〜図14(a)についても同様である。
なお、図6は前記平坦傾斜面をチゼルエッジと略平行ではなく該チゼルエッジと工具回転軸Aとがなす角度より小さい傾斜角度θで設けた(鋭角に設けた)例であり、図7は前記平坦傾斜面をチゼルエッジと工具回転軸Aとがなす角度より大きい傾斜角度θで設けた(鈍角に設けた)例である。いずれも図5の例と同様に新たなチゼルエッジ(新たなチゼル部N)が形成される例である。
また、前記露出部6を含む前記平坦傾斜面を、工具本体1の前記境界稜線と略平行に形成される面とするように、前記境界稜線(及びその近傍部)を除去することで形成しても良い。
図8は、上述の前記境界稜線と略平行な前記平坦傾斜面とするように該境界稜線を除去し、前記第一逃げ面3aと第二逃げ面3bとの間に形成された露出部6(第一逃げ面3aと工具回転方向後方側の第二逃げ面3bとに隣接して設けられた露出部6)を含む前記平坦傾斜面同士の交差稜線を新たなチゼルエッジ(新たなチゼル部N)とした例である。この場合、露出部6同士が成す角度は加工前の工具本体1の先端角より鋭角となる。なお、図8(a)において、除去加工をする前の前記境界稜線を破線Qで図示している。図9(a)〜図13(a)についても同様である。
なお、図9は前記平坦傾斜面を境界稜線と平行ではなく該境界稜線と工具回転軸Aとがなす角度より小さい傾斜角度θで設けた(鋭角に設けた)例であり、図10は前記平坦傾斜面を境界稜線と工具回転軸Aとがなす角度より大きい傾斜角度θで設けた(鈍角に設けた)例である。いずれも図8の例と同様に新たなチゼルエッジ(新たなチゼル部N)が形成される例である。
図11は、図8の例と同様に、境界稜線と略平行な前記平坦傾斜面を形成した例であるが、切れ刃4近傍を除き第一逃げ面3a及び第二逃げ面3bの大部分のコーティング膜5及び工具基材の表面を除去した例である。
また、図12に図示したように、第二逃げ面3bに沿う角度で第二逃げ面3bの略全面のコーティング膜5及び工具基材の表面と第一逃げ面3aの一部のコーティング膜5及び工具基材の表面を除去することで、前記露出部6を含む前記平坦傾斜面を、第二逃げ面3bに沿う角度で第一逃げ面3a側にまで拡張した構成としても良い。この場合、切削に直接的に関与しない第二逃げ面3b側に主に露出部6を設けることで、第一逃げ面3a(切れ刃4)にコーティング膜5を多く残すことができるため、切れ刃4全体の耐摩耗性を維持することができる。
また、図13に図示したように、切れ刃4の外周側(コーナー部)近傍を除き第一逃げ面3aの大部分のコーティング膜5及び工具基材の表面と第二逃げ面3bの一部のコーティング膜5及び工具基材の表面を、第一逃げ面3aにも第二逃げ面3bにも平行でない両者の中間的な角度で除去することで、前記平坦傾斜面を設ける構成としても良い。この場合、切れ刃4の大部分のコーティング膜5を一部除去することで、即ち、切れ刃4の大部分がコーティング膜5の断面とすくい面との交差稜線となることで切れ刃4が鋭利となり、切味が向上する可能性がある。
図11〜図13のいずれの例も、新たなチゼルエッジ(新たなチゼル部N)が形成される例である。
また、図14に図示したように中心が新たなチゼルポイント(新たなチゼル部N)を形成するように4つの前記平坦傾斜面を除去加工前の先端逃げ面3(第一逃げ面3a、第二逃げ面3b)とは異なる角度で工具回転中心Oの周囲位置に設ける構成としても良い。
上述の方法で、工具最先端のチゼル部T、第一逃げ面3aの一部、または、第二逃げ面3bの一部若しくは全面のコーティング膜5等を除去して露出部6を設けることができる。
なお、上述のように一度工具基材に設けたコーティング膜5を除去するのではなく、工具基材へのコーティング処理時に、露出部6を設けたい部分にマスキングをし、当該部分にコーティング膜5が形成されないようにすることで露出部6を設けても良い。この場合、前記新たなチゼル部Nを形成できない点以外は、上述のコーティング膜5を除去する場合と同様に露出部6を設けることができる。
また、2面逃げドリル形状の場合、工具本体1の前記チゼルエッジと工具回転軸Aとが直交していることから、図15に図示したように、前記露出部6が工具本体1の工具回転軸Aと直交する先端平坦面8に含まれるように(前記チゼルエッジと略平行となるように)、コーティング膜5及び工具基材の一部を除去しても良いし、図16に図示したように、前記露出部6を前記チゼルエッジと略平行ではなく、この露出部6と工具回転軸Aとがなす傾斜角度θを、前記チゼルエッジと工具回転軸Aとがなす角度より小さい角度に設定して該チゼルエッジ(及びその近傍部)を除去し、この先端逃げ面3間に設けられる露出部6(前記傾斜平坦面)同士の交差稜線を新たなチゼルエッジ(新たなチゼル部N)としても良い。図15の場合、加工が容易である反面、工具本体1の工具基材または中間層9を露出させるためコーティング皮膜5の膜厚に応じた面(コーティング皮膜5の断面)が形成されるため、工具先端に形成される平坦面の総面積が大きくなり、工具の食い付き性が悪化したり、スラスト抵抗が増大し工具性能が悪化する場合がある。また、図16の場合、元の2面形状よりもチゼルエッジを短くでき、食い付き性を向上させることができる。
なお、図15(a)と図16(a)において、除去加工をする前の前記チゼルエッジを破線Pで図示している。
露出部6を設けた工具は、その先端が、中心側から、工具基材の基材露出面7、工具基材の導電性を有する中間層9の断面及びコーティング膜5の断面が順に現れる他のドリルにはない特異な外観を呈する。図19は図4の、図20は図5の、図21は図14の構成において、砥石によりコーティング膜5(及び工具基材の表面)を除去した場合の先端の外観写真である。また、図22は図5の構成において、レーザによりコーティング膜5(及び工具基材の表面)を除去した場合の先端の外観写真である。
本実施例は上述のように構成したから、PCB等の表面に導電層を含む被削材に穴明け加工を行う際、被削材の表面に工具の先端を当接させると、露出部6を被削材に直接接触させることができる。従って、導電性の低いコーティング膜5で工具基材を被覆した場合でも、工具基材と被削材とを良好に通電させることが可能となり、両者の接触を電気的に検知できる(両者の電気的導通を検知できる。)。
また、少なくとも切れ刃4の外周側所定範囲にはコーティング膜5が被覆されているから、ノンコートドリルに比べ、加工穴品質の低下を抑制できる。
即ち、本実施例によれば、工具の先端に、加工穴品質を確保するため導電性の低いコーティング膜5が被覆されていても、工具の先端がPCB等の被削材(の導電層)と当接した位置を穴明け基準位置として穴明け深さ制御を良好に行うことができる。また、工具基材と被削材との通電不良によって生じる、工具の折損の誤検知を防止でき、この誤検知に起因する穴明け加工の中断も防止できることになる。
よって、本実施例は、工具先端と被削材との導電性を確保すると共に、ノンコートドリルに比べ加工穴品質の低下を抑制できる極めて実用的なものとなる。
本実施例の効果を裏付ける実験例について図24に基づいて説明する。
[加工条件]
・2枚刃(4面逃げ)でアンダーカットを有する刃部直径0.45mm、溝長5.5mmのドリルに、膜厚が10μmとなるように多結晶ダイヤモンドコーティング処理を実施した。
・加工対象のPCBは、t:1.0mm(6層板)、銅箔層厚:外層18μm・内層35μmのものを4枚重ねとした。
・当て板はt:0.4mmのベーク板(非導電性材料)とした(4枚重ね最上位基板表面のバリ抑制のために用いた。)。
・捨て板はベーク板とし、捨て板への切り込み量は0.4mmとした。
・ヒット数は3000ヒットとした。
・従来例はコーティング膜5を除去せず露出部6を設けない構成である。実験例1,2は図4に図示したように露出部6が工具回転軸Aと直交する先端平坦面8に含まれるようにコーティング膜5を除去した構成(フラットタイプ)であり、工具先端の露出部6の大きさ(コーティング膜5と工具回転中心Oとの最短距離S)を夫々異ならせている。実験例3〜9は図5に図示したようにチゼルエッジに沿ってコーティング膜5を除去した構成であり、基材露出面7の工具回転軸Aに対する傾斜角度θ若しくは工具先端の露出部6の大きさ(露出部6の外縁と工具回転中心Oとの最短距離S)を夫々異ならせている。
以上の条件で加工を行い、以下の点を測定し評価した。
・穴位置精度:プログラム上での狙いの位置と実際に加工した穴の位置のズレ量(4枚重ねの最下位基板裏側について評価)
・穴径拡大:当て板や基板表面でのドリルの歩みによる穴径の拡大量(4枚重ねの最上位基板表面について評価)
・銅溶着:加工した銅箔の工具先端部への溶着による全長変動量
・導電性:工具先端が当て板(非導電性ベーク板)を貫通してPCB(4枚重ねの最上位基板表面)に接触することでの導通・回路の形成可否
評価は以下の基準で行った。
・穴位置精度(n=10 3000ヒットの平均+3σ)
◎:20μm以下、○:20μmを超え35μm以下、△:35μmを超え50μm以下、×:50μmを超える
・穴径拡大(n=10 3000ヒットの平均)
○:刃部の直径(D)+10μm以下、△:D+10μmを超えD+25μm以下、×:D+25μmを超える
・銅溶着(n=10)
穴明け実施前後での銅の溶着による全長の変動が、○:1μm以下、△:1μmを超え5μm以下、×:5μmを超える
・導電性(n=100)
1001ヒット目の工具先端と最上位基板表面の接触時の、穴明け機の電流検知率が、◎:100%、○:98%以上100%未満、△:95%以上98%未満、×:95%未満
図24より、従来例では工具先端の工具基材(超硬合金部分)が露出していないため、導通せず、穴明け加工機による被削材表面(導電層)との接触が検知できない場合が多いのに対し、実験例では工具先端の超硬合金部分が露出することで、被削材表面(導電層)との接触を良好に検知でき、加工穴品質の低下も抑制できることが確認できた。
1 工具本体
2 切り屑排出溝
3 先端逃げ面
3a 第一逃げ面
3b 第二逃げ面
4 切れ刃
5 コーティング膜
6 露出部
A 工具回転軸
D 刃部の直径
O 工具回転中心
S 露出部6の外縁と工具回転中心Oとの最短距離
θ 傾斜角度

Claims (12)

  1. 超硬合金製の工具基材にコーティング膜が被覆されて成る工具本体の外周に、工具先端から基端側に向かう一若しくは複数の螺旋状の切り屑排出溝が設けられ、前記切り屑排出溝と先端逃げ面との交差稜線部に一若しくは複数の切れ刃が設けられた穴明け工具であって、前記工具本体の先端には前記コーティング膜がなく前記工具基材が露出する露出部が設けられ、前記切れ刃の工具外周側所定範囲には前記コーティング膜が被覆されていることを特徴とする穴明け工具。
  2. 請求項1記載の穴明け工具において、前記露出部は、前記先端逃げ面に隣接して設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記先端逃げ面は複数設けられ、前記複数の先端逃げ面間に前記露出部が設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  4. 請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記先端逃げ面は複数設けられ、この先端逃げ面は第一逃げ面と該第一逃げ面の工具回転方向後方側に設けられる第二逃げ面とを含み、前記第一逃げ面及び前記第二逃げ面は工具回転中心を挟んで一対ずつ設けられており、前記露出部は、前記第一逃げ面同士の間、前記第二逃げ面同士の間、若しくは、前記第一逃げ面及び前記第二逃げ面間のいずれかに設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記露出部は前記工具本体の最先端に設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記コーティング膜はダイヤモンド皮膜であることを特徴とする穴明け工具。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端視において、工具回転中心が前記露出部に存在し、この露出部の外縁と工具回転中心との最短距離が1.5μm以上となるように設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具側面視において前記露出部が工具外周側から工具回転中心側に向かって上り傾斜するように設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  9. 請求項8記載の穴明け工具において、前記露出部と工具回転軸とがなす角度(傾斜角度θ)は87.5°以下であることを特徴とする穴明け工具。
  10. 請求項1〜9いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記切り屑排出溝及び前記切れ刃が設けられる刃部の直径が0.05mm以上3.175mm以下であることを特徴とする穴明け工具。
  11. 請求項1〜10いずれか1項に記載の穴明け工具の製造方法であって、前記工具基材に前記コーティング膜を被覆した後、前記先端逃げ面の一部の前記コーティング膜を除去することで前記露出部を形成することを特徴とする穴明け工具の製造方法。
  12. 請求項11記載の穴明け工具の製造方法において、前記先端逃げ面の一部の前記コーティング膜を除去する際、前記コーティング膜と共に前記工具基材の一部を除去することを特徴とする穴明け工具の製造方法。
JP2018204813A 2018-10-31 2018-10-31 穴明け工具及びその製造方法 Active JP7082934B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018204813A JP7082934B2 (ja) 2018-10-31 2018-10-31 穴明け工具及びその製造方法
TW108131816A TWI799640B (zh) 2018-10-31 2019-09-04 鑽孔工具及其製造方法
KR1020190128307A KR102619279B1 (ko) 2018-10-31 2019-10-16 드릴링 공구 및 그 제조 방법
EP19205158.9A EP3646975A1 (en) 2018-10-31 2019-10-24 Drilling tool and method for manufacturing the same
CN201911021791.5A CN111112697B (zh) 2018-10-31 2019-10-25 开孔工具及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018204813A JP7082934B2 (ja) 2018-10-31 2018-10-31 穴明け工具及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020069571A true JP2020069571A (ja) 2020-05-07
JP7082934B2 JP7082934B2 (ja) 2022-06-09

Family

ID=68342840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018204813A Active JP7082934B2 (ja) 2018-10-31 2018-10-31 穴明け工具及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP3646975A1 (ja)
JP (1) JP7082934B2 (ja)
KR (1) KR102619279B1 (ja)
CN (1) CN111112697B (ja)
TW (1) TWI799640B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021122934A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 ユニオンツール株式会社 切削工具

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114571610B (zh) * 2022-04-14 2024-01-26 深圳市天傲实业有限公司 氧化锆的微细孔加工工艺及装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS563117A (en) * 1979-06-25 1981-01-13 Mitsubishi Metal Corp Coated miniature drill made of hard alloy metal
JP2005238349A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Aisin Seiki Co Ltd ドライ加工用工具及びドライ加工用ドリルの製造方法
WO2016063893A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 京セラ株式会社 ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5943247B2 (ja) * 1979-06-25 1984-10-20 三菱マテリアル株式会社 表面被覆超硬合金製ミニチユアドリル
CN2192422Y (zh) * 1994-06-13 1995-03-22 王亚平 高效耐用特殊钻角超硬膜钻头
US5882152A (en) * 1997-06-09 1999-03-16 Janitzki; Bernhard M. Multi-bit drill
BR9814505A (pt) * 1998-03-06 2000-12-19 Fcd Holdings Pty Ltd Ferramenta e parafuso escareador
CN100446901C (zh) * 2004-07-08 2008-12-31 住友电工硬质合金株式会社 具有压缩应力的强度分布的有涂膜的表面涂敷切削工具
JP2006152424A (ja) 2004-12-01 2006-06-15 Osg Corp 硬質被膜および硬質被膜被覆加工工具
CN1853837A (zh) * 2005-04-27 2006-11-01 周钟霖 用于铣切印刷电路板的切削刀具
DE102005048474A1 (de) * 2005-10-07 2007-04-19 Gühring Ohg Zerspanungswerkzeug mit Schneidenbeschichtung
US20080019787A1 (en) 2006-07-24 2008-01-24 Karthikeyan Sampath Drill for machining fiber reinforced composite material
JP4324211B2 (ja) * 2007-05-29 2009-09-02 ユニオンツール株式会社 穴明け工具
US8316742B2 (en) * 2007-12-11 2012-11-27 Kennametal Inc. Cutting tool with integrated circuit chip
JP2010058179A (ja) 2008-09-01 2010-03-18 Fuji Heavy Ind Ltd 切削工具及びその製造方法
JP2010076021A (ja) 2008-09-25 2010-04-08 Covalent Materials Corp 穴加工用工具
JP5851802B2 (ja) 2011-03-30 2016-02-03 富士重工業株式会社 炭素繊維強化樹脂複合材用ドリル
US20140341664A1 (en) 2012-01-10 2014-11-20 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Diamond coated tool
JP5782497B2 (ja) * 2013-11-11 2015-09-24 ユニオンツール株式会社 穴明け工具の製造方法
TW201605315A (zh) * 2014-02-21 2016-02-01 維亞機械股份有限公司 背鑽加工方法以及背鑽加工裝置
KR101537718B1 (ko) 2014-04-23 2015-07-20 한국야금 주식회사 부분적으로 제거된 피막이 형성된 절삭공구
JP5873532B2 (ja) * 2014-07-08 2016-03-01 ユニオンツール株式会社 穴明け工具
EP3034652A1 (en) * 2014-12-19 2016-06-22 Sandvik Intellectual Property AB CVD coated cutting tool
JP2016175141A (ja) 2015-03-19 2016-10-06 三菱マテリアル株式会社 硬質炭素被膜付切削工具

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS563117A (en) * 1979-06-25 1981-01-13 Mitsubishi Metal Corp Coated miniature drill made of hard alloy metal
JP2005238349A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Aisin Seiki Co Ltd ドライ加工用工具及びドライ加工用ドリルの製造方法
WO2016063893A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 京セラ株式会社 ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021122934A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 ユニオンツール株式会社 切削工具
JP7140816B2 (ja) 2020-02-07 2022-09-21 ユニオンツール株式会社 プリント配線板用ドリル

Also Published As

Publication number Publication date
CN111112697B (zh) 2023-11-24
TWI799640B (zh) 2023-04-21
JP7082934B2 (ja) 2022-06-09
EP3646975A1 (en) 2020-05-06
CN111112697A (zh) 2020-05-08
KR102619279B1 (ko) 2024-01-02
KR20200049539A (ko) 2020-05-08
TW202019589A (zh) 2020-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4505007B2 (ja) 穴明け工具
JP3801606B2 (ja) ドリル
KR101543518B1 (ko) 구멍 뚫기 공구
US10357832B2 (en) Drill and method for manufacturing machined product using same
KR102619279B1 (ko) 드릴링 공구 및 그 제조 방법
KR101701023B1 (ko) 구멍 뚫기 공구
JP4324211B2 (ja) 穴明け工具
JP2008049404A (ja) ボールエンドミル
JP2008142834A (ja) ドリル
JP3929901B2 (ja) ドリル
JP4564562B2 (ja) 穴明け工具
JP2020023051A (ja) ドリル
JP2014195863A (ja) エンドミル
CN115319158A (zh) 钻孔工具及盲孔加工方法
JP3686022B2 (ja) クーラント穴付き穴明け工具
CN207205353U (zh) 一种高强度钻针
JP2005088088A (ja) ドリル
CN113245576A (zh) 切削工具
CN113301724A (zh) 软硬结合板短槽孔加工方法
JP3967213B2 (ja) ドリル
JP2006082206A (ja) 被覆ドリルの刃先再生方法
WO2006109347A1 (ja) ドリル
JP7140816B2 (ja) プリント配線板用ドリル
JP3452985B2 (ja) 複合材料加工用コアドリル
JP2007098569A (ja) ドリル

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190605

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210804

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220316

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220316

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220324

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7082934

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150