JP2005088088A - ドリル - Google Patents

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望月  学
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Abstract

【目的】FPCを複数重ねて穴加工を行うとき、加工した穴のばり、膨らみを抑制することによって、従来ドリルよりもプリント基板の重ね枚数を増加させたドリルを提供する。
【構成】本発明は、刃部(2)とシャンク部(3)とからなる丸棒状をなす工具本体(1)の該刃部(2)の周面に該刃部(2)の先端から基端側に向けて回転軸線(O)周りにねじれる切りくず排出溝(4)が形成され、該切りくず排出溝(4)の回転方向(K)を向く壁面の先端側領域をすくい面とし、該すくい面と先端逃げ面(7)との交差稜線部に切れ刃(6a、6b)が形成される。さらに、上記先端逃げ面(7)は、上記切れ刃(6a、6b)から延在する二番逃げ面(7a)と該二番逃げ面(7a)に連なる三番逃げ面(7b)とから形成され、該三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)が33〜50°範囲に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドリルに関し、特にプリント基板加工用ドリルに関する。
従来、プリント基板を複数枚重ねて穴明け加工するプリント基板加工用のドリルとして、図9〜図12に例示するものがある。図9はこのドリルの正面図、図10は図9に示すドリルの拡大側面図、図11は図9に示すドリルの一部拡大正面図である。図12は図9に示すドリルによる穴明け状況を示す概念的な説明図である。
このドリルは、3枚重ねのプリント基板をステップドリリングによって穴明け加工する小径ドリルであり、図9〜図11に示すように工具本体(1)の刃部(2)には、アンダーカットタイプの切れ刃部分(5)およびねじれた切りくず排出溝(4)をそれぞれ形成するとともに、以下の条件を満たすことを特徴とするプリント基板加工用のドリルである。
(a)芯厚比(芯厚/切れ刃外径)が0.15〜0.25であること。
(b)溝幅比(溝/ランド)が1.4〜1.7であること。
(c)1mmあたりの芯厚テーパが0.03〜0.04であること。
(d)切りくず排出溝(4)のねじれ角が27〜33°であること。
(e)先端角(α)が125〜135°であること。
該ドリルは、図12に示すような3枚重ねのプリント基板(10a、10b、10c)を当て板(11、12)とともにステップドリリングによって穴明け加工する専用の小径ドリルであり、上述した構成により剛性が高められ、切りくず排出性が良好となる。よって、穴位置精度が高く、穴明け効率が向上するという効果を奏するものである。(例えば、特許文献1参照)
特開平1−306112号公報
プリント基板には、一般的に広く用いられるリジッド基板と、フレキシブル基板(30)(以下、FPCという。)とがある。FPC(30)は図5の断面模式図に示すように例えばポリエステルやポリイミドフィルム等の柔らかいベースフィルム(31)と接着剤(32)と銅箔等(33)とを積層させたものであり(一部には接着剤を含まないものがあり)、リジッド基板にくらべ柔軟性、屈曲性を有することが最大の特徴である。
上述した従来ドリルは、リジッド基板を重ねたものに対して上述の効果を奏するものの、FPCを多数重ねたものへ穴明け加工を行う場合には、FPCの特徴である高い柔軟性と屈曲性ゆえに、切りくず詰まり、切りくず噛み込みを生じた場合、加工穴にばりが生じやすくなる。また、切りくずの加工穴内壁面への擦過、加工時の切削抵抗等の負荷によってFPCの厚み方向の上下動、ドリルの軸線(O)方向の上下動が生じると、加工穴に膨らみが生じやすくなる。
例えば切れ刃の外径が0.3mmのドリルを用いて厚さ(t)0.1mmのFPCに穴明け加工を行う場合、加工コストに見合ったFPC(30)の重ね枚数は15枚以上である。しかし、従来ドリルによる穴明け加工では上述した問題が生じ、重ね枚数は10枚程度に制限されてしまため、加工コストの高騰を招いてしまう。
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、その目的は、FPCを複数重ねて穴加工を行うとき、加工した穴のばり、膨らみを抑制することによって、従来ドリルよりもプリント基板の重ね枚数を増加させたドリルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、刃部とシャンク部とからなる丸棒状をなす工具本体の該刃部の周面に該刃部の先端から基端側に向けて回転軸線周りにねじれる切りくず排出溝が形成され、該切りくず排出溝の回転方向を向く壁面の先端側領域をすくい面とし、該すくい面と先端逃げ面との交差稜線部に切れ刃が形成されたドリルにおいて、少なくとも該刃部が超硬合金、サーメット、セラミックス、超高圧焼結体のいずれか、又はこれらに硬質被膜を被覆したものからなり、さらに、上記先端逃げ面は、上記切れ刃から延在する二番逃げ面と該二番逃げ面に連なる三番逃げ面とから形成され、該三番逃げ面の逃げ角が33〜50°範囲に設定されることを要旨とする。
上述した発明によれば、二番逃げ面を介して切れ刃から延在する三番逃げ面の逃げ角を33〜50°の範囲に設定すると、上記切れ刃のチゼル角が従来ドリルにくらべて大きくなり、上記切れ刃に対向する切れ刃のこの切れ刃に沿う方向の長さが短くなる。そうすると、上記切れ刃から生成する切りくずは、上記切れ刃に沿う方向の長さが短い小型の切りくずとなるため、該ドリルの切りくず排出溝内を円滑に排出され、加工穴の内壁面への擦過がおさえられる。よって、加工穴のばり、膨らみが抑制され、従来ドリルよりもFPCの重ね枚数を増やすことができる。しかも、該ドリルおよびFPCへの負荷が軽減され、加工穴の穴位置精度を向上させるという課題が解決される。上記三番逃げ面の逃げ角を33〜50°の範囲に設定した理由は、33°未満になると、切りくずの幅が長くなり、上述した効果が得られないおそれがあり、50°を超えると、切れ刃の強度が低下し切れ刃寿命が短くなりやすいからである。
本発明のドリルにおいて、切れ刃の先端角を98〜118°の範囲に設定した場合、切りくずは、上述の切れ刃に沿う方向の長さが短くなるのに加え、切れ刃に対して垂直方向の幅(厚み)が薄くなり、ドリルの切りくず排出溝を排出するうえで最適な形状となる。しかもFPCの厚み方向に作用する切削抵抗が減少し、FPCの上下動、あるいは、ドリルの軸線(O)方向の上下動がおさえられる。そのため、加工穴のばり、膨らみがさらに抑制され、従来ドリルよりもFPCの重ね枚数を大幅に増やすことができる。また、重ねたFPCのそれぞれをドリルが貫通するとき、該ドリルの切れ刃と該ドリルの貫通側のFPC端面とのなす角度が増し、該ドリルの軸線に沿う断面でみたとき三角形状をなす取り代の強度が高められる。よって、該ドリルの貫通直前において、上記取り代が該ドリルの送り方向へ押し倒されることなく確実に切れ刃によって削り取られるので、ばりが残りにくくなる。切れ刃の先端角を98〜118°の範囲にした理由は、上記先端角が98°未満になると、切れ刃に沿う方向の切れ刃長さの増加により切りくずが大型化するおそれがあり、上記先端角が118°を超えると、切りくずの厚みが大きくなってしまうからである。
本発明のドリルにおいて、切りくず排出溝のねじれ角を38〜52°の範囲に設定した場合には、切れ刃の切れ味が向上しばりの起点となる上記三角形状をなす取り代を確実に削り取ることができる。しかも切削抵抗が低減し、FPCの上下動あるいは該ドリルの上下動が抑制されるので、加工穴の膨らみがおさえられる。切りくず排出溝のねじれ角が大きくなるにしたがい該ドリルの剛性は低下するものの、FPCの場合、基板厚さは0.1mm程度であり、例えば20枚重ねたとしても総厚は2mm程度なので、上述した効果にくらべるとドリルの剛性低下は特段問題とはならない。切りくず排出溝のねじれ角を38〜52°の範囲にした理由は、上記ねじれ角が38°未満になると、切れ刃の切れ味向上の度合いが小さく、上述した効果が得られにくいからであり、52°を超えると、該ドリルの剛性の低下が著しいからである。
本発明のドリルにおいて、芯厚比(芯厚/切れ刃外径)を0.10〜0.60の範囲に設定した場合には、切りくず排出溝の断面積が十分確保され、切りくずを切りくず排出溝から加工穴の外へ円滑に排出できる。よって、切りくずが加工穴の内壁面に擦過するのを抑制するので、加工穴へのばり、膨らみがおさえられる。
本発明のドリルにおいて、該シャンク部の直径は1.8〜4.0mmの範囲に設定されるとともに、該工具本体の全長は30〜40mmの範囲に設定される。そうすれば、該ドリルは、このドリルを把持、回転する加工機のスピンドル等に該ドリルのシャンク部が正確且つ強固に把持され、穴位置精度の高い穴加工が安定して行われる。
次に本発明を適用した実施例1について図1〜図3を参照しながら説明する。図1はこの実施例のドリルの正面図である。図2は図1に示すドリルの拡大側面図である。図3は図1に示すドリルの刃部先端部拡大図である。
図1〜図3に示すように、このドリルは刃部(2)とシャンク部(3)とからなるドリルであり、例えば超硬合金、サーメット、セラミックス、超高圧焼結体のいずれか、又はこれらに硬質被膜を被覆したものからなる。そして、該ドリルは切れ刃の外径(D)が例えば0.050〜5.000mmの範囲に設定され、図6に示すように複数のFPC(30)を重ね、当て板(34a)および捨て板(35b)とともに穴明け加工を行う。本実施例のドリルでは、切れ刃の外径(D)は0.300mmに設定され、切りくず排出溝(4)の長さ(L2)および刃部(2)の長さ(L3)は、FPC(30)の厚さ(t)0.101mmとその重ね枚数15枚、当て板(34a)の厚さ(T2)0.6mm、捨て板(34b)の厚さ(T3)1.6mmの条件をもとに、L2=5.0mm、L3=5.4mmに設定される。
一方、該ドリルの全長(L)は30〜40mmの範囲、シャンク部(3)の直径(D1)は1.8〜4.0mmの範囲が適しており、この実施例において該ドリルの全長(L)はL=38.1mmに設定され、シャンク部(3)の長さ(L1)および直径(D1)はそれぞれL1=32.7mm、D1=3.175mmに設定される。そうして、該ドリルの上記シャンク部(3)は図示しない加工機の主軸又はチャックホルダ等の保持工具に強固に把持される。
しかして、刃部(2)の軸線(O)方向には、ねじれ角(θ)を有する一対の切りくず排出溝(4)が形成され、その先端部には、切りくず排出溝(4)の該ドリルの回転方向(K)を向く壁面の先端領域がすくい面とされ、先端角(α)によって一対の切れ刃(6a、6b)が形成される。この切れ刃(6a、6b)に連なる先端面には、先端逃げ面(7)が形成され、この先端逃げ面(7)は、上記切れ刃(6a、6b)に連なる二番逃げ面(7a)と、この二番逃げ面(7a)に連なる三番逃げ面(7b)とから形成される。この三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)は後述する実験結果から33〜50°の範囲が適しており、この実施例のドリルでは上記逃げ角(β2)が40°に設定されている。
図2において、(a)は、三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)を40°に設定した本実施例のドリルの拡大側面図であり、(b)は同逃げ角(β2)を30°以下に設定した従来ドリルの拡大側面図である。これら図に対比して示すように、本実施例のドリルは、従来ドリルにくらべ、切れ刃(6a、6b)のチゼル角(γ1)が大きくなる。そうすると、上記切れ刃(6a、6b)に対向する切れ刃(6b、6a)のこの切れ刃(6b、6a)に沿う方向の長さ(A1)が従来ドリルにおける上記長さ(A2)よりも短くなり、上記切れ刃(6b、6a)から排出される切りくずは、図7の(a)と(b)に対比して示すように従来ドリルの切りくずにくらべ、上記切れ刃(6b、6a)に沿う方向の長さが短くて小型化された切りくずになる。したがって、本実施例のドリルにおいては、切りくずは、切りくず排出溝(4)内を円滑に排出され、加工穴の内壁面への擦過がおさえられて、加工穴のばり、膨らみが防止される。
以下に、FPC(30)を重ねたものに対して穴明け加工したときのドリルの三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)の作用効果を確認する実験について表2〜表8を参照しながら説明する。穴明け加工に用いたFPC(30)は、厚さ(t1)25μmのポリイミドのベースフィルム(31)の上下にそれぞれ、厚さ(t2)20μmの接着剤(32)と、厚さ(t3)18μmの銅箔(33)を積層させたもので、総計の厚さ(t)が0.101mmである。当て板(34a)と捨て板(34b)はそれぞれの厚さが(T2)0.6mmと(T3)1.6mmのベークライトを使用した。加工条件は表1に示すようにT1〜T6の6種の加工条件とし、ステップドリリングは採用していない。
Figure 2005088088
本実施例のドリルおよび比較用従来ドリルの共通の仕様は、切れ刃の外径(D)が0.300mm、全長(L)が38.1mm、切りくず排出溝(4)の長さ(L2)が5.0mm、刃部(2)の長さ(L3)が5.4mm、シャンク部(3)の長さ(L1)が32.7mmであり、切れ刃(6a、6b)の先端角(α)が125°、切れ刃(6a、6b)の二番逃げ面(7a)の逃げ角(β1)が13°である。
比較用従来ドリルにおいて、切れ刃(6a、6b)の三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)は30°に設定されており、このドリルを用いてFPC(30)の重ね枚数を15枚、12枚、10枚としたときの穴明け加工したときの加工穴のばりの有無をそれぞれ表6〜表8に示す。これらの表において、基板No.(n)とは重ねられた各FPCをドリル食付き側から貫通側へ順次番号を付したものであり、表中の○はばりが無かったことを示し、A、B、Cはばりが発生したことを示しており、加工穴の内壁面から内側へ突出するばりの高さが2〜4μmの場合にはA、5〜14μmの場合にはB、15μm以上の場合にはCで示した。表6〜表8からわかるように、比較用従来ドリルにおいては、FPCの重ね枚数が12枚以上になると全ての加工条件で加工穴にばりが生じた。(加工穴の形状は図8(b)参照。)
Figure 2005088088
Figure 2005088088
Figure 2005088088
一方、三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)を40°に設定した本実施例のドリルによって重ねたFPC(30)を穴明け加工したときの加工穴のばりの有無を表2に示す。この表の見方は上述した表6〜表8と同様である。本実施例のドリルでは、表2にからわかるようにFPC(30)を15枚重ねても全ての加工条件で加工穴にばり、膨らみが生じることはなかった。(加工穴の形状は、図8(a)参照。)
Figure 2005088088
次に、切れ刃(6a、6b)の三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)を33°、50°、55°に設定したドリルを用いて、FPCを15枚重ねたものに穴明け加工を行った。そのときの加工穴のばりの発生状況を表3〜表5に示す。表の見方は上述した表6〜表8の場合と同様である。上述したドリルのいずれにおいても、加工穴のばりは発生しなかった。しかし、上記三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)が55°のドリルでは、切れ刃強度の低下により切れ刃(6a、6b)の微小欠損が見られた。
Figure 2005088088
Figure 2005088088
Figure 2005088088
以上の結果から、切れ刃(6a、6b)の三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)が33°未満になると、切りくずの切れ刃(6a、6b)に沿う方向の長さ(A1)が長くなり、加工穴にばりが生じやすくなるおそれがあり、50°を超えると、切れ刃(6a、6b)の強度が低下し切れ刃寿命が短くなるおそれがあるので、上記三番逃げ面(7b)の逃げ角(β2)は33〜50°に範囲に限定した。
実施例1のドリルにおいて、切れ刃(6a、6b)の先端角(α)は98〜118°の範囲が適しており、実施例2のドリルでは、上記先端角(α)は115°に設定されている。この理由について図4を参照しながら以下に説明する。図4は、ドリルの軸線(O)に沿う断面でみた加工穴の断面図である。図4の(a)は本実施例のドリルにおける加工穴断面図であり、図4の(b)、(c)はそれぞれ先端角(α)が130°、145°に設定された従来ドリルにおける加工穴断面図である。ドリルが貫通するとき、FPC(30)では、図4に示すように該ドリルの切れ刃(6a、6b)と該FPCの貫通側端面(22)とで囲まれた上記断面で三角形状をなす取り代(23)が生じる。先端角(α)が115°に設定された本実施例のドリルでは、この取り代(23)は、上記ドリルの切れ刃(6a、6b)とFPC(30)の貫通側端面(22)とのなす角度が大きくなり、従来ドリルの場合にくらべ、この取り代(23)の強度が高められる。よって、上記取り代(23)が該ドリルの送り方向(F)へ押し倒されることなく、確実に切れ刃(6a、6b)によって削り取られ、ばりが残りにくくなる。
さらに、上述した切りくずを小型化する作用に加え、切りくずの厚みを薄くする作用が得られ、切りくずは切りくず排出溝をよりいっそう円滑に排出されることになり、加工穴のばり、膨らみが大幅に防止される。なお、切れ刃(6a、6b)の先端角(α)を98〜118°の範囲に限定した理由は、上記先端角(α)が98°未満になると、切れ刃(6a、6b)に沿う方向の切れ刃長さ(A1)の増加により切りくずが長くなり、また上記先端角(α)が118°を超えると、切りくずの厚みが大きくなってしまい、いずれにおいても上述した効果を得にくくなるからである。
次に、本実施例のドリルにおいて、切りくず排出溝(4)のねじれ角(θ)は、38〜52°の範囲が適しており、本実施例のドリルでは45°に設定される。上記ねじれ角(θ)を38〜52°の範囲に設定した場合には、切れ刃(6a、6b)の切れ味が向上し、上述した取り代(23)を該ドリルの送り方向(F)へ押し倒すことがなく確実に削り取ることができるので、加工穴のばりおよび膨らみがおさえられる。しかも切削抵抗が低減し、膨らみの発生原因である加工穴の変形もおさえられる。切りくず排出溝(4)のねじれ角(θ)が大きくなるにしたがい該ドリルの剛性は低下するが、FPC(30)の場合、基板1枚の厚さ(t)は0.1mm程度であり、例えば20枚重ねたとしても総計の厚み(T1)は2mm程度なので、ドリルの折損や加工穴の曲がりといった問題は生じにくい。切りくず排出溝(4)のねじれ角(θ)を38〜52°の範囲に限定した理由は、上記ねじれ角(θ)が38°未満になると、切れ刃(6a、6b)の切れ味向上の効果が小さくなるためであり、52°を超えると、該ドリルの剛性の低下が著しいからである。
さらに、本実施例のドリルにおいて、芯厚比(芯厚W/切れ刃外径D)は0.10〜0.60の範囲が適しており、本実施例のドリルでは0.27に設定されている。そうすれば、切りくず排出溝(4)の断面積が十分確保され、切りくずを切りくず排出溝(4)から加工穴の外へ円滑に排出することができる。よって、切りくずが加工穴の内壁面に擦過しないので、加工穴のばり、膨らみが抑制される。
芯厚比(芯厚W/切れ刃外径D)を0.10〜0.60の範囲に限定した理由は、上記芯厚比が0.10未満になると、該ドリルの剛性が低下し折損等を生じやすいからであり、上記芯厚比が0.60を越えると、切りくず排出溝(4)の断面積が小さくなり、切りくず詰まりや噛み込みが生じやすくなるからである。
本実施例のドリルの正面図である。 (a)は図1に示すドリルの拡大側面図であり、(b)は従来ドリルの拡大側面図である。 図1に示すドリルの刃部先端部拡大図である。 ドリルの軸線(O)に沿う断面でみた加工穴の断面図であり、(a)は本実施例のドリルにおける加工穴断面図であり、(b)および(c)は従来ドリルにおける加工穴断面図である。 FPCの一例を示す断面模式図である。 本実施例のドリルによる穴明け状況を示す概念的な説明図である。 切りくず形状を示す図であり、(a)は本実施例のドリルの切りくず形状であり、(b)は従来ドリルの切りくず形状である。 加工穴を示す図であり、(a)は本実施例のドリルによる加工穴であり、(b)は従来ドリルによるばりが生じた加工穴であり、(c)は従来ドリルによる膨らみが生じた加工穴である。 従来ドリルの正面図である。 図9に示すドリルの拡大側面図である。 図9に示すドリルの刃部先端部拡大図である。 図9に示すドリルによる穴明け状況を示す概念的な説明図である。
符号の説明
1 工具本体
2 刃部
3 シャンク部
4 切りくず排出溝
6a、6b 切れ刃
7 先端逃げ面
7a 二番逃げ面
7b 三番逃げ面
8a、8b チゼル
9 マージン
30 FPC
α 先端角
θ 切りくず排出溝のねじれ角
β2 三番逃げ面の逃げ角
γ1、γ2 チゼル角
D 切れ刃の外径
D1 シャンク部の直径
L 全長
L1 シャンク部の長さ
L2 切りくず排出溝の長さ
L3 刃部の長さ
W 芯厚

Claims (5)

  1. 刃部とシャンク部とからなる丸棒状をなす工具本体の該刃部の周面に該刃部の先端から基端側に向けて回転軸線周りにねじれる切りくず排出溝が形成され、該切りくず排出溝の工具本体の回転方向(K)を向く壁面の先端側領域をすくい面とし、該すくい面と先端逃げ面との交差稜線部に切れ刃が形成されたドリルにおいて、少なくとも該刃部が超硬合金、サーメット、セラミックス、超高圧焼結体のいずれか、又はこれらに硬質被膜を被覆したものからなり、さらに、上記先端逃げ面は、上記切れ刃から延在する二番逃げ面と該二番逃げ面に連なる三番逃げ面とから形成され、該三番逃げ面の逃げ角が33〜50°の範囲に設定されることを特徴とするドリル。
  2. 上記切れ刃の先端角が98〜118°の範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 上記切りくず排出溝のねじれ角が38〜52°の範囲に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドリル。
  4. 芯厚比(芯厚/切れ刃外径)が0.10〜0.60の範囲に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のドリル。
  5. 該シャンク部の直径が1.8〜4.0mmの範囲に設定されるとともに、該工具本体の全長が30〜40mmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のドリル。
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