JP2020067105A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 緩衝器が横力を受けたときにピストンロッドとロッドガイドのクリアランス(ガタ)によってガタ振動が発生し、ピストンロッドの外周にできる液膜の厚さが不安定になるのを抑制できる緩衝器を提供する。【解決手段】 緩衝器Dがシリンダ1に装着されてピストンロッド3を軸方向へ摺動自在に支持するロッドガイド4と、ロッドガイド4に取り付けられてピストンロッド3の外周をシールするシール部材5と、ピストンロッド3に一方向へ横力を与える付勢部材7とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
従来、緩衝器の中には、シリンダと、このシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、このピストンに連結されて一端がシリンダ外へと突出するピストンロッドとを備え、シリンダ内をピストンが移動する際に生じる作動油等の液体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するものがある。
このような液圧式の緩衝器は、シリンダの一端部に装着されて中心部をピストンロッドが貫通する環状のロッドガイドと、このロッドガイドに取り付けられてピストンロッドの外周に摺接する環状のシール部材とを備えている(例えば、特許文献1)。
そして、ピストンロッドがロッドガイドとピストンとで支えられつつシリンダ内を軸方向へ移動する。また、ピストンロッドがシリンダから退出する際には、シール部材でピストンロッドの外周に付着した液体を掻き落とし、シリンダ内の液体がシリンダ外へと漏れ出るのを防ぐ。このとき、ピストンロッドの外周には、薄い液膜が形成される。
特開2013−194832公報
ここで、緩衝器の中心軸が鉛直線に対して傾いた状態で緩衝器が車両に取り付けられる場合等、緩衝器の取付状態によっては、緩衝器に前後左右の様々な方向から横力が作用することがある。そして、緩衝器がこのような横力を受けたとき、ピストンロッドとロッドガイドのクリアランス(ガタ)によってガタ振動が発生すると、ピストンロッドの外周にシール部材によって形成される液膜の厚さが不安定になる可能性がある。
なぜなら、ピストンロッドにガタ振動が生じた場合においてロッドガイドがピストンロッド側から受ける横力は、図8に示すように、前後左右の全ての方向へ横力ゼロを跨いで変化する。このような状況下では、ピストンロッドとシール部材との接触面の圧力(面圧)が不安定になるためである。
そこで、本発明は、このような問題を解決するために創案されたものであり、ピストンロッドの外周に形成される液膜の厚さが不安定になるのを抑制できる緩衝器の提供を目的とする。
上記課題を解決する緩衝器は、シリンダに装着されてピストンロッドを軸方向へ摺動自在に支持するロッドガイドと、このロッドガイドに取り付けられてピストンロッドの外周をシールするシール部材と、ピストンロッドに一方向へ横力を与える付勢部材とを備える。
上記構成によれば、付勢部材によってピストンロッドをロッドガイドの内周の一方向へ押し付けて、ピストンロッドとロッドガイドのクリアランス(ガタ)によるガタ振動の発生を防止できる。これにより、ピストンロッドの外周にシール部材によってできる液膜の厚さが不安定になるのが抑制される。
また、上記緩衝器の付勢部材は、シリンダの内周に嵌合される環状のケース部と、ピストンロッドの外周に摺接するスライダと、ケース部とスライダとの間に圧縮された状態で介装されるばねとを有するか、又は、ピストンロッドの外周に嵌合される環状のケース部と、シリンダの内周に摺接するスライダと、ケース部とスライダとの間に圧縮された状態で介装されるばねとを有するとよい。これらの構成によれば、付勢部材でピストンロッドに一方向へ横力を与えるための構成を容易にできる。
さらに、そのような緩衝器では、ケース部が弾性を有し、緩衝器の最伸長時にピストンロッドの外周に設けられたストッパとロッドガイドとの間で圧縮されるとよい。当該構成によれば、ケース部を最伸長時の衝撃を緩和するためのクッションゴムとして利用できる。このため、付勢部材を設けたとしても緩衝器の軸方向長さが長くなるのを抑制し、緩衝器の搭載性を良好にできる。
また、上記緩衝器の付勢部材は、環状であってシリンダの内周に嵌合し、径方向内側又は外側へ突出する突起を含むゴム部材と、このゴム部材の内周に嵌合してピストンロッドの外周に摺接する環状のスライダとを有するか、或いは、環状であってピストンロッドの外周に嵌合し、径方向内側又は外側へ突出する突起を含むゴム部材と、このゴム部材の外周に嵌合してシリンダの内周に摺接する環状のスライダとを有するとよい。これらの構成においても、付勢部材でピストンロッドに一方向へ横力を与えるための構成を容易にできる。
さらに、上記緩衝器では、ロッドガイドがシリンダに嵌合する環状の蓋部と、ピストンロッドの外周に摺接する環状のブッシュとを有するとともに、付勢部材が蓋部とブッシュとの間に設けられ、このブッシュを介してピストンロッドに横力を与えるとしてもよい。当該構成によれば、付勢部材のスライダを省略できるので、緩衝器の部品数を少なくできる。
本発明の緩衝器によれば、ピストンロッドの外周に形成される液膜の厚さが不安定になるのを抑制できる。
本発明の一実施の形態に係る緩衝器を示した縦断面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態に係る緩衝器における付勢部材を緩衝器から取り外した状態を示した横断面図である。(b)は、その付勢部材の縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器を搭載した車両の走行時において、ロッドガイドが受ける横力の分布図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器における付勢部材の第一の変形例を示し、当該変更部を含む緩衝器の一部を示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器における付勢部材の第二の変形例を示し、その付勢部材を緩衝器から取り外した状態を示した横断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器における付勢部材の第三の変形例を示し、その付勢部材を緩衝器から取り外した状態を示した横断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器における付勢部材の第四の変形例を示し、当該変更部を含む緩衝器の一部を示した縦断面図である。 従来の緩衝器を搭載した車両の走行時において、ロッドガイドが受ける横力の分布図である。
以下に本発明の実施の形態に係る緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る緩衝器Dは、自動車等の車両の車体と車軸との間に介装される。以下の説明では、説明の便宜上、特別な説明のない限り、車体に取り付けられた状態(取付状態)での緩衝器Dの上下を、単に「上」「下」という。また、その取付状態の緩衝器Dにおいて、車体前方を向く方向を「前」、車体後方を向く方向を「後」、車体左方を向く方向を「左」、車体右方を向く方向を「右」という。
つづいて、本実施の形態に係る緩衝器Dの具体的な構成について説明する。当該緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、このシリンダ1の外周に設けられる外筒10と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、先端がピストン2に連結されて、末端がシリンダ1外へと突出するピストンロッド3とを備えている。
また、そのピストンロッド3の末端は、外筒10外へも突出しており、そのピストンロッド3の末端にブラケット(図示せず)が固定されている。そして、ピストンロッド3がその末端を上側へ向けた状態で、上記したブラケットを介して車体に連結される。
その一方、ピストンロッド3が突出する側とは反対側に位置する外筒10の下端は、ボトムキャップ11で塞がれており、そのボトムキャップ11にブラケット(図示せず)が固定されている。そして、外筒10がそのブラケットを介して車軸に連結される。なお、シリンダ1は、その外筒10内に固定されているので、シリンダ1も車軸に連結されるといえる。
このように、緩衝器Dは、ピストンロッド3を上側(車体側)へ、シリンダ1及び外筒10を下側(車輪側)へ向けた状態で車体と車軸との間に介装される。そして、車両が凹凸のある路面を走行する等して車輪が車体に対して上下に振動すると、ピストンロッド3がシリンダ1に出入りして緩衝器Dが伸縮し、ピストン2がシリンダ1内を上下(軸方向)に移動する。
また、緩衝器Dにおいて、シリンダ1の上端には、中心部をピストンロッド3が貫通する環状のロッドガイド4が嵌合されている。このロッドガイド4は、シリンダ1に嵌合される嵌合部40aと、この嵌合部40aの上側に連なり外周部がシリンダ1から径方向外側へ張り出して外筒10側へ延びる大径部40bとを含む環状の蓋部40と、この蓋部40の内周に嵌合してピストンロッド3の外周に摺接する環状のブッシュ41とを有する。
そして、ピストンロッド3がそのロッドガイド4により軸方向へ摺動自在に支えられている。このように、本実施の形態では、ロッドガイド4におけるシリンダ1に嵌合される部分(蓋部40)とピストンロッド3に摺接する部分(ブッシュ41)が個別に形成されて、嵌合により一体化されている。しかし、蓋部40とブッシュ41が一つの部品として一体成形されていてもよい。
また、緩衝器Dにおいて、そのロッドガイド4の上側には、環状のシール部材5が積層されている。このシール部材5は、ピストンロッド3の外周に摺接してシリンダ1内への異物の侵入を防ぐダストリップ5aと、ピストンロッド3の外周に摺接してシリンダ1内の液体の流出を防ぐオイルリップ5bと、ロッドガイド4と外筒10との間をシールする外周シール部5cとを含み、シリンダ1及び外筒10内の液体が外方へ漏れ出るのを防ぐ。
つまり、シリンダ1及び外筒10の上端は、ロッドガイド4とシール部材5によって液密に塞がれる。その一方、外筒10の下端は、前述のボトムキャップ11により液密に塞がれている。このようにして外筒10内は密閉空間となっている。そして、シリンダ1内を含む外筒10内に、作動油等の液体と、エア又は窒素ガス等の気体が封入されている。
より詳しくは、シリンダ1内には、液体が充填されており、そのシリンダ1内は、ピストン2で上側の伸側室L1と下側の圧側室L2とに区画されている。その一方、シリンダ1と外筒10との間の筒状の隙間は、リザーバ室Rとされており、そのリザーバ室Rに液体が貯留されるとともに、その液面上方に気体が封入されている。また、シリンダ1の下端には、バルブケース6が嵌合されており、このバルブケース6によってリザーバ室Rと圧側室L2とが仕切られている。
そして、ピストン2には、伸側室L1と圧側室L2とを連通する伸側通路2aと圧側通路2bが形成されている。さらに、そのピストン2の下側には伸側通路2aを開閉する伸側バルブ20が積層されるとともに、ピストン2の上側には圧側通路2bを開閉する圧側バルブ21が積層されている。
伸側バルブ20は、緩衝器Dの伸長時に開いて伸側通路2aを伸側室L1から圧側室L2へ向かう液体の流れに抵抗を与えるが、緩衝器Dの収縮時には伸側通路2aを閉塞した状態に維持される。その一方、圧側バルブ21は、緩衝器Dの収縮時に開いて圧側通路2bを圧側室L2から伸側室L1へ向かう液体の流れを許容するが、緩衝器Dの伸長時には圧側通路2bを閉塞した状態に維持される。
また、バルブケース6には、圧側室L2とリザーバ室Rとを連通する吸込通路6aと排出通路6bが形成されている。さらに、そのバルブケース6の上側には吸込通路6aを開閉する吸込バルブ60が積層されるとともに、バルブケース6の下側には排出通路6bを開閉する減衰バルブ61が積層されている。
吸込バルブ60は、緩衝器Dの伸長時に開いて吸込通路6aをリザーバ室Rから圧側室L2へ向かう液体の流れを許容するが、緩衝器Dの収縮時には吸込通路6aを閉塞した状態に維持される。その一方、減衰バルブ61は、緩衝器Dの収縮時に開いて排出通路6bを圧側室L2からリザーバ室Rへ向かう液体の流れに抵抗を与えるが、緩衝器Dの伸長時には排出通路6bを閉塞した状態に維持される。
上記構成によれば、ピストンロッド3がシリンダ1から退出する緩衝器Dの伸長時にピストン2がシリンダ1内を上方へ移動して伸側室L1を縮小すると、この伸側室L1の液体が伸側バルブ20を押し開き、伸側通路2aを通って圧側室L2へと移動する。さらに、緩衝器Dの伸長時には吸込バルブ60が開き、シリンダ1から退出したピストンロッド3体積分の液体が吸込通路6aを通ってリザーバ室Rから圧側室L2へと供給される。
このような緩衝器Dの伸長時には、伸側室L1から圧側室L2へ向かう液体の流れに対し、伸側バルブ20によって抵抗が付与される。このため、緩衝器Dの伸長時には伸側室L1の圧力が上昇し、緩衝器Dの伸長作動を妨げる伸側の減衰力が発生する。
反対に、ピストンロッド3がシリンダ1内へ侵入する緩衝器Dの収縮時にピストン2がシリンダ1内を下方へ移動して圧側室L2を縮小すると、この圧側室L2の液体が圧側バルブ21を開き、圧側通路2bを通って伸側室L1へと移動する。さらに、緩衝器Dの収縮時には圧側室L2の液体が減衰バルブ61を押し開き、シリンダ1内へ侵入したピストンロッド3体積分の液体が排出通路6bを通ってリザーバ室Rへと排出される。
このような緩衝器Dの収縮時には、圧側室L2からリザーバ室Rへ向かう液体の流れに対し、減衰バルブ61によって抵抗が付与される。このため、緩衝器Dの収縮時にはシリンダ1内の圧力が上昇し、緩衝器Dの収縮作動を妨げる圧側の減衰力が発生する。
このように、本実施の形態では、伸側バルブ20が伸側減衰力発生用の伸側の減衰要素、減衰バルブ61が圧側減衰力発生用の圧側の減衰要素として機能する。しかし、各減衰要素の構成は、この限りではない。例えば、圧側バルブ21を圧側の減衰要素として利用してもよい。また、ピストン2に双方向流れを許容するオリフィスを設け、当該オリフィスを伸圧共用の減衰要素として利用してもよい。
また、本実施の形態では、緩衝器Dが片ロッド型に設定されており、リザーバ室Rでシリンダ1に出入りするピストンロッド3の体積補償をしている。さらに、緩衝器Dがシリンダ1と外筒10とを有して複筒型に設定されており、シリンダ1と外筒10との間にリザーバ室Rが形成されている。しかし、本発明が具現化される緩衝器の様式はこの限りではなく、適宜変更できる。
例えば、外筒10を廃し、内部にリザーバ室が形成されるリザーバタンクをシリンダ1とは別置き型に設けてもよい。また、外筒10を廃してシリンダ1内に膨縮可能な気室を形成し、当該気室でピストンロッド3の体積補償をしてもよい。そして、このように緩衝器を単筒型にした場合には、ピストンロッドを車輪側へ、シリンダを車体側へ向けて配置して緩衝器を倒立型にしてもよい。
さらには、ピストンロッド3をピストン2の両側からシリンダ1外へ突出させて、緩衝器を両ロッド型にしてもよい。このような場合には、ピストンロッドの体積補償自体を不要にできる。
また、本実施の形態の緩衝器Dにおいて、ピストン2とロッドガイド4との間には、ピストンロッド3に一方向へ横力(軸に対して垂直方向へ作用する力)を与える付勢部材7が設けられている。この付勢部材7は、ロッドガイド4の直下であって、シリンダ1の内周に嵌合する環状のケース部70と、ピストンロッド3の外周に摺接するスライダ71と、ケース部70とスライダ71との間に圧縮された状態で介装されるばね72とを有している。
また、本実施の形態のケース部70は、ゴム又は合成樹脂等で形成されていて、弾性を有する。さらに、ピストンロッド3の外周であってそのケース部70とピストン2との間には、ケース部70と対向するストッパ8が設けられている。そして、緩衝器Dの最伸長時にストッパ8がケース部70に突き当たり、このケース部70が弾性変形して緩衝器Dの最伸長時の衝撃を緩和する。このように、本実施の形態では、付勢部材7のケース部70が緩衝器Dの最伸長時の衝撃を緩和するクッションゴムとしても機能する。
また、本実施の形態のばね72は、コイルばねである。そして、図2に示すように、ケース部70には内周側へ開口する凹部70aが形成されており、この凹部70aにばね72の一端部が収容されている。その一方、そのばね72の他端は、スライダ71に設けられた凸部71aの外周に嵌合している。
本実施の形態において、そのスライダ71は、ピストンロッド3の外周に沿うように、軸方向視で円弧状に湾曲するガイド部71bを含み、このガイド部71bをピストンロッド3の外周に摺接させるが、そのガイド部71bは環状でもよい。また、ばね72は、皿ばね等のコイルばね以外のばねでもよい。
図2には、付勢部材7を緩衝器Dから取り外した状態を示している。このような状態では、ばね72が伸び切って自然長となっている。しかし、図1に示すように、付勢部材7を緩衝器Dに装着した状態ではばね72が圧縮されて弾性変形し、これにより生じる弾性力によってピストンロッド3がばね72から離れる方向へ付勢される。
換言すると、付勢部材7は、ばね72から離れる方向(図2中右方向)の横力をピストンロッド3に付与するようになっている。そして、このような付勢部材7からの横力を受けることにより、ピストンロッド3がロッドガイド4においてピストンロッド3から見てばね72とは反対側の内周へ向けて常に一方向へ押し当てられた状態で摺動するようになっている。
より具体的には、例えば、図8に示すように、付勢部材7のない状態でピストンロッド3側からロッドガイド4に作用する横力が左前方に集中する傾向がある場合、それとは反対側(右後方)にばね72が位置するように付勢部材7を装着する。そして、図3に示すように、ピストンロッド3側からロッドガイド4に作用する横力が横力ゼロを跨がないようにする。
当該構成によれば、ピストンロッド3が常にロッドガイド4の内周の一方向へ押し当てられた状態で摺動するので、ピストンロッド3とロッドガイド4のクリアランスによるガタ振動の発生が防止される。このため、ピストンロッド3とシール部材5との接触面の圧力が安定し、ピストンロッド3の外周にシール部材5によってできる液膜の厚さが不安定になるのが抑制される。
また、前述のようにばね72を配置した場合、付勢部材7のない状態でロッドガイド4へ入力される横力が集まる方向(左前方)へ付勢部材7でピストンロッド3に横力を付与することになる。この場合、ピストンロッド3のガタ振動を抑制するのに必要な横力が少なくて済むので、ばね定数の小さい小型のばね72を利用できる。よって、付勢部材7が小型になって緩衝器Dへの搭載性が向上する。
つづいて、本実施の形態に係る緩衝器Dの作用効果について説明する。
本実施の形態に係る緩衝器Dは、シリンダ1と、このシリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、このピストン2に連結されるとともに末端(一端)がシリンダ1外へと突出するピストンロッド3と、シリンダ1に装着されてピストンロッド3を軸方向へ摺動自在に支持するロッドガイド4と、このロッドガイド4に取り付けられてピストンロッド3の外周をシールするシール部材5と、ピストンロッド3に一方向へ横力を与える付勢部材7とを備えている。
上記構成によれば、付勢部材7によってピストンロッド3をロッドガイド4の内周の一方向へ押し付けて、ピストンロッド3とロッドガイド4のクリアランス(ガタ)によるガタ振動の発生を防止できる。これにより、ピストンロッド3の外周にシール部材5によってできる液膜の厚さが不安定になるのを抑制できる。
また、本実施の形態では、付勢部材7がシリンダ1の内周に嵌合される環状のケース部70と、ピストンロッド3の外周に摺接するスライダ71と、ケース部70とスライダ71との間に圧縮された状態で介装されるばね72とを有する。当該構成によれば、ばね72の弾性力を利用してピストンロッド3に横力を付与できる。このため、付勢部材7でピストンロッド3に一方向へ横力を与えるための構成を容易にできる。
さらに、本実施の形態では、ケース部70が弾性を有し、緩衝器Dの最伸長時にピストンロッド3の外周に設けられたストッパ8とロッドガイド4との間で圧縮される。このため、緩衝器Dの最伸長時の衝撃をケース部70で緩和できる。
換言すると、本実施の形態では、ケース部70が緩衝器Dの最伸長時の衝撃を緩和するクッションゴムとしての機能を兼ねるので、ケース部70の他にクッションゴムを設ける必要がない。このため、上記構成によれば、付勢部材7を設けたとしても緩衝器Dの軸方向長さが長くなるのを抑制し、緩衝器Dの搭載性を良好にできる。
しかし、付勢部材7の構成は、上記の限りではなく適宜変更できる。例えば、図2に示す付勢部材7は、一つのばね72を有しているが、複数のばね72を有し、これらばね72の弾性力の合力でピストンロッド3へ一方向の横力を与えるようにしてもよい。さらには、ケース部70がシリンダ1に対して周方向に回転するのを防止するため、凹凸等の回転防止構造を設けてもよく、図4−7に示すように付勢部材7を変更してもよい。
まず、図4に示す第一の変形例に係る付勢部材7Aは、ピストンロッド3の外周に嵌合される環状のケース部70Aと、シリンダ1の内周に摺接するスライダ71Aと、ケース部70Aとスライダ71Aとの間に圧縮された状態で介装されるばね72Aとを有している。当該構成においても、付勢部材7Aでピストンロッド3に一方向へ横力を与えるための構成を容易にできる。
さらに、本例では、付勢部材7Aがストッパ8とピストン2との間に設けられるとともに、ストッパ8とロッドガイド4との間にクッションゴム9が設けられている。そして、緩衝器の最伸長時にクッションゴム9がストッパ8とロッドガイド4との間で圧縮されて最伸長時の衝撃を緩和する。
上記構成によれば、ケース部70Aがクッションゴムとして機能しないので、ケース部70Aの素材の選択自由度が向上する。また、デッドスペースとなっていたピストン2とストッパ8との間を付勢部材7Aの取付スペースとして有効に利用できる。さらには、ロッドガイド4と付勢部材7Aを離して配置できるので、付勢部材7Aからピストンロッド3へ付与する横力が小さくてもピストンロッド3のガタ振動を防止できる。
このため、上記構成によれば、付勢部材7Aを設けたとしても緩衝器の軸方向長さが長くなるのを抑制し、緩衝器の搭載性を良好にできる。さらに、上記構成によれば、ばね定数の小さい小型のばね72Aを利用できるので、付勢部材7Aを小型化して緩衝器への搭載性を向上できる。
なお、本例のようにケース部70Aをピストンロッド3の外周に嵌合する場合であっても、ケース部70Aを弾性体にして最伸長時の衝撃を緩和するためのクッションゴムとして利用してもよいのは勿論である。また、本例においてもばね72Aをコイルばね以外のばねにしてもよい。さらには、複数のばね72Aを設け、これらばね72Aの弾性力の合力でピストンロッド3に一方向の横力を与えるようにしてもよい。また、本例においては、ケース部70Aがピストンロッド3に対して周方向に回転するのを防止するため、凹凸等の回転防止構造を設けてもよい。
つぎに、図5に示す第二の変形例の係る付勢部材7Bは、環状であってシリンダ1の内周に嵌合し、径方向外側へ突出する突起73aを含むゴム部材73と、このゴム部材73の内周に嵌合してピストンロッド3の外周に摺接する環状のスライダ74とを有している。
その一方、図6に示す第三の変形例に係る付勢部材7Cは、環状であってピストンロッド3の外周に嵌合し、径方向内側へ突出する突起75aを含むゴム部材75と、このゴム部材75の外周に嵌合してシリンダ1の内周に摺接する環状のスライダ76とを有している。
これら第二、第三の変形例によれば、ゴム部材73,75の弾性力を利用してピストンロッド3に横力を付与できる。このため、上記各構成においても、付勢部材7B,7Cでピストンロッド3に一方向へ横力を与えるための構成を容易にできる。
なお、第二、第三の変形例に係る突起73a,75aの突出方向は、ともにゴム部材73,75の径方向内側でも外側でもよい。また、取付状態の付勢部材において緩衝器の中心軸が通る部分をゴム部材の中心とすると、内(外)側へ突出する突起を環状のゴム部材に設けた状態とは、自然長となった状態でのゴム部材の中心から内(外)周までの距離が周方向に不均一になっていて、その距離が短(長)い部分があることをいい、その突起の数は複数であってもよい。また、第二、第三の変形例においては、ゴム部材73がシリンダ1に対して周方向に回転したり、ゴム部材75がピストンロッド3に対して周方向に回転したりするのを防止するため、凹凸等の回転防止構造を設けてもよい。
つぎに、図7に示す第四の変形例に係る付勢部材7Dは、ロッドガイド4の蓋部40とブッシュ41との間に設けられ、このブッシュ41を介してピストンロッド3に横力を与えるようになっている。当該構成においても、付勢部材7Dに一方向へ横力を与えられる。さらには、付勢部材7Dのスライダを省略できるので、緩衝器の部品数を少なくできる。また、本例においては、ピストンロッド3へ一方向の横力を与えるのにばねを利用してもゴムを利用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
D・・・緩衝器、1・・・シリンダ、2・・・ピストン、3・・・ピストンロッド、4・・・ロッドガイド、5・・・シール部材、7,7A,7B,7C,7D・・・付勢部材、8・・・ストッパ、40・・・蓋部、41・・・ブッシュ、70,70A・・・ケース部、71,71A,74,76・・・スライダ、72,72A・・・ばね、73,75・・・ゴム部材、73a,75a・・・突起

Claims (7)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、
    前記ピストンに連結されるとともに一端が前記シリンダ外へと突出するピストンロッドと、
    前記シリンダに装着されて前記ピストンロッドを軸方向へ摺動自在に支持するロッドガイドと、
    前記ロッドガイドに取り付けられて前記ピストンロッドの外周をシールするシール部材と、
    前記ピストンロッドに一方向へ横力を与える付勢部材とを備える
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記付勢部材は、前記シリンダの内周に嵌合される環状のケース部と、前記ピストンロッドの外周に摺接するスライダと、前記ケース部と前記スライダとの間に圧縮された状態で介装されるばねとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記付勢部材は、前記ピストンロッドの外周に嵌合される環状のケース部と、前記シリンダの内周に摺接するスライダと、前記ケース部と前記スライダとの間に圧縮された状態で介装されるばねとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  4. 前記ケース部は、弾性を有し、最伸長時に前記ピストンロッドの外周に設けられたストッパと前記ロッドガイドとの間で圧縮される
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の緩衝器。
  5. 前記付勢部材は、環状であって前記シリンダの内周に嵌合し、径方向内側又は外側へ突出する突起を含むゴム部材と、前記ゴム部材の内周に嵌合して前記ピストンロッドの外周に摺接する環状のスライダとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  6. 前記付勢部材は、環状であって前記ピストンロッドの外周に嵌合し、径方向内側又は外側へ突出する突起を含むゴム部材と、前記ゴム部材の外周に嵌合して前記シリンダの内周に摺接する環状のスライダとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  7. 前記ロッドガイドは、前記シリンダに嵌合する環状の蓋部と、前記ピストンロッドの外周に摺接する環状のブッシュとを有し、
    前記付勢部材は、前記蓋部と前記ブッシュとの間に設けられ、前記ブッシュを介して前記ピストンロッドに横力を与える
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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