JP2020066691A - ゲル状洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、除菌剤を含みながらも、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持できるゲル状洗浄剤組成物を提供することである。【解決手段】一般式(1)に示すに示すポリオキシアルキレンブロックポリマーと一般式(2)に示す化合物を含むゲル状洗浄剤組成物は、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持できることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、トイレの便器、ガラス、窓、ドア、浴室の壁等の硬質表面に付着させて使用されるゲル状洗浄剤組成物であって、除菌剤を含みながらも、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持できるゲル状洗浄剤組成物に関する。
従来、トイレの便器等の硬質表面に付着する汚れを除去し、衛生的な環境を作り出すために、様々な洗浄剤組成物が使用されている。例えば、水洗トイレの洗浄剤組成物としては、水洗トイレの手洗い部や貯水タンク内に設置することにより、フラッシュ水に洗浄剤を溶出できるように設計されたオンタンク又はインタンク用のトイレ用洗浄剤が使用されている。しかしながら、近年、タンクレスの水洗トイレが普及しており、オンタンク又はインタンク用のトイレ用洗浄剤組成物では、タンクレスの水洗トイレに適用できないという欠点がある。そこで、近年、トイレの便器ボウルの表面に付着させて使用するゲル状洗浄剤組成物が開発されている。例えば、特許文献1には、重合度が13〜50のポリオキシエチレンと炭素数12〜18のアルキル基で構成されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むトイレ用ゲル状洗浄剤を、トイレの便器ボウルの表面に付着させることによって、流水と接触しても、便器ボウルの表面に付着した状態を維持したまま、流水に洗浄剤を持続的に放出できることが報告されている。
また、トイレの便器等の硬質表面の洗浄に使用される洗浄剤組成物には、黒ずみ等の微生物由来の汚れを防ぐ目的で、除菌剤としてジデシルジメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムクロライドが広く使用されている。そして、従来、テトラアルキルアンモニウムクロライドを含む洗浄剤組成物の性能向上を試みて、様々な組成検討がなされている。例えば、特許文献2には、硬質表面用洗浄組成物において、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドと特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルを併用することにより、洗浄力を向上できることが開示されている。
一方、トイレの便器等の硬質表面に付着させて使用されるゲル状洗浄剤組成物では、硬質表面に安定に付着させて所望の洗浄効果を発現させるために、保存中及び硬質表面に付着させた後に液化やゲル強度の低下を抑制し、安定なゲル状態を維持することが必要になる。しかしながら、従来技術では、除菌剤を含むゲル状洗浄剤組成物において、安定なゲル状態を維持させる組成設計については十分な検討が行われていないのが現状である。
特開2011−57780号公報 特開2018−95718号公報
除菌剤として従来汎用されているジデシルジメチルアンモニウムクロライドを配合したゲル状洗浄剤組成物では、経時的にゲル強度が低下するという欠点がある。そこで、本発明の目的は、除菌剤を含みながらも、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持できるゲル状洗浄剤組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、特定の構造のポリオキシアルキレンブロックポリマー(一般式(1)に示す化合物)と特定の構造の除菌剤(一般式(2)に示す化合物)を含むゲル状洗浄剤組成物は、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレンブロックポリマー、
Figure 2020066691
[一般式(1)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。A1Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数は2〜4であって、A1Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数は2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A1O、A2O及びA3Oの少なくとも1つは、エチレンオキサイドである。]及び
(B)下記一般式(2)に示す化合物
Figure 2020066691
[一般式(2)中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数6〜18のアルキル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜4のアルキル基、又は水素原子を示す。]
を含む、ゲル状洗浄剤組成物。
項2. 前記ポリオキシアルキレンブロックポリマーが、下記一般式(1a)で表されるポリオキシアルキレンブロックポリマーである、項1に記載のゲル状洗浄剤組成物。
Figure 2020066691
[一般式(1a)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。EOは、エチレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。]
項3. 前記ポリオキシアルキレンブロックポリマーにおいて、炭素数3〜4のアルキレンオキサイドが占める部分の分子量が1400以上である、項2に記載のゲル状洗浄剤組成物。
項4. 前記ポリオキシアルキレンブロックポリマーの分子量が4600以上である、項1〜3のいずれかに記載のゲル状洗浄剤組成物。
項5. 前記一般式(2)に示す化合物がジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートである、項1〜4のいずれかに記載のゲル状洗浄剤組成物。
項6. 水洗トイレの便器の洗浄に使用される、項1〜5のいずれかに記載のゲル状洗浄剤組成物。
項7. ゲル状洗浄剤組成物の経時的なゲル強度の低下を抑制する方法であって、
ゲル状洗浄剤組成物に、(A)下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレンブロックポリマー、
Figure 2020066691
[一般式(1)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。A1Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数は2〜4であって、A1Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数は2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A1O、A2O及びA3Oの少なくとも1つは、エチレンオキサイドである。]及び
(B)下記一般式(2)に示す化合物
Figure 2020066691
[一般式(2)中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数6〜18のアルキル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜4のアルキル基、又は水素原子を示す。]を含有させる、
ゲル状洗浄剤組成物のゲル強度の低下抑制方法。
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、特定の構造のポリオキシアルキレンブロックポリマー(一般式(1)に示すンブロックポリマー)と特定の構造の除菌剤(一般式(2)に示す化合物)を組み合わせて含むことによって、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持することができる。
1.ゲル状洗浄剤組成物
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、(A)特定の構造のポリオキシアルキレンブロックポリマー(一般式(1)に示すブロックポリマー)、及び(B)特定の構造の除菌剤(一般式(2)の化合物)を含むことを特徴とする。以下、本発明のゲル状洗浄剤組成物について詳述する。
[(A)ポリオキシアルキレンブロックポリマー]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレンブロックポリマー(「一般式(1)に示すブロックポリマー」と表記することもある)を含有する。このような特定の構造のポリオキシアルキレンブロックポリマーと後述する特定の構造の抗菌剤とを併用してゲル状にした洗浄剤組成物を形成することによって、硬質表面に対する付着性を付与しつつ、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持させることが可能になる。また、当該ポリオキシアルキレンブロックポリマーは、界面活性作用を示すので、流水と接触して放出されることにより、硬質表面に対する洗浄作用を発揮することができる。
Figure 2020066691
一般式(1)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。A1Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数は2〜4であって、A1Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数は2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A1O、A2O及びA3Oの少なくとも1つは、エチレンオキサイドである。
一般式(1)において、A1Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを示す。経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、A1Oとして、好ましくはエチレンオキサイドが挙げられる。
また、一般式(1)において、j+nはアルキレンオキサイド(A1O)の付加モル数の合計を表し、j+nは1以上であればよく、j又はnの一方は0であってもよい。経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、j及びnはそれぞれ1以上であることが好ましい。また、j及びnは、略同数であることが好ましい。j+nの上限値については、特に制限されないが、例えば400が挙げられる。また、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、j+nは、好ましくは30以上、更に好ましくは30〜350、特に好ましくは70〜350が挙げられる。より具体的には、jは、好ましくは15以上、更に好ましくは15〜175、特に好ましくは35〜175が挙げられ、nは好ましくは15以上、更に好ましくは15〜175、特に好ましくは35〜175が挙げられる。
一般式(1)において、A2Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを示す。但し、A2Oは、A1Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドになる。即ち、A1Oがエチレンオキサイドの場合には、A2Oはプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドになり、A1Oがプロピレンオキサイドの場合には、A2Oはエチレンオキサイド又はブチレンオキサイドになり、A1Oがブチレンオキサイドの場合には、A2Oはエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドになる。経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、A2Oとして、好ましくはプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイド、更に好ましくはブチレンオキサイドが挙げられる。
また、一般式(1)において、k及びmは、アルキレンオキサイド(A2O)の付加モル数を示し、それぞれ0以上である。kが0の場合には、mも0であることが好ましいが、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、k及びmは、1以上であることが更に好ましい。また、k及びmは、略同数であることが好ましい。k及びmの上限値については、特に制限されないが、例えば、kの上限値として30、mの上限値として30が挙げられる。また、k+mの上限値については、特に制限されないが、例えば60が挙げられる。また、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、k+mは、好ましくは0〜60、更に好ましくは0〜40、特に好ましくは10〜40が挙げられる。より具体的には、kは0〜30、好ましくは0〜20、更に好ましくは5〜20;mは0〜30、好ましくは0〜20、更に好ましくは5〜20が挙げられる。
一般式(1)において、A3Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを示す。但し、A3Oは、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドになる。即ち、k及びmが0の場合(A2Oがない場合)であれば、A3Oは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドになる。また、k及び/又はmが1以上の場合、A2Oがエチレンオキサイドであれば、A3Oはプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドになり、A2Oがプロピレンオキサイドであれば、A3Oはエチレンオキサイド又はブチレンオキサイドになり、A2Oがブチレンオキサイドであれば、A3Oはエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドになる。経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、A3Oとして、好ましくはプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイド、更に好ましくはプロピレンオキサイドが挙げられる。
また、一般式(1)において、lは、アルキレンオキサイド(A3O)の付加モル数を示し、1以上である。lの上限値については、特に制限されないが、例えば、60が挙げられる。経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、lは1〜60、好ましくは15〜60が挙げられる。より具体的には、k及びmが0の場合であれば、lは、より好ましくは1〜60、特に好ましくは15〜60、最も好ましくは30〜60が挙げられる。また、k及びmが1以上の場合であれば、lは、より好ましくは1〜60、特に好ましくは15〜60、最も好ましくは15〜30が挙げられる。
一般式(1)において、A1O、A2O及びA3Oの少なくとも1つは、エチレンオキサイドになる。経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、少なくともA1Oはエチレンオキサイドであることが好ましい。A1Oがエチレンオキサイドの場合の一般式(1)に示すブロックポリマーは下記一般式(1a)に示す構造になる。
Figure 2020066691
一般式(1a)中、j、k、l、m、及びnは、前記と同様である。EOは、エチレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。
また、一般式(1a)のブロックポリマーにおいて、炭素数3〜4のアルキレンオキサイドが占める部分(疎水基部分:(A2O)k-(A3O)l-(A2O)m)の分子量については、前述する一般式(1a)の条件を充足する範囲であればよいが、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは1400以上、更に好ましくは1700以上、特に好ましくは1700〜3500が挙げられる。
また、一般式(1)に示すブロックポリマーの分子量については、前述する一般式(1)の条件を充足する範囲であればよいが、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは4600以上、更に好ましくは6500以上、特に好ましくは6500〜20000が挙げられる。
一般式(1)に示すブロックポリマーの中でも、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好適な具体例として、以下の一般式(1a−1)〜(1a−3)で表されるポリオキシアルキレンブロックポリマーが挙げられる。
Figure 2020066691
一般式(1a−1)中、EOはエチレンオキサイド、BOはブチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。また、一般式(1a−1)中、j1、k1、l1、m1、及びn1は、それぞれ付加モル数を示す。j1及びn1は、それぞれ、1以上、好ましくは15以上、更に好ましくは15〜175、特に好ましくは35〜175を示す。j1及びn1は、略同数であることが好ましい。また、j1+n1(エチレンオキサイドの付加モル数)は、好ましくは30以上、更に好ましくは30〜350、特に好ましくは70〜350である。k1及びm1は、それぞれ、0以上、好ましくは0〜30、更に好ましくは0〜20、特に好ましくは5〜20を示す。k1及びm1は、略同数であることが好ましい。また、k1+m1(ブチレンオキサイドの付加モル数)は、0以上、好ましくは0〜60、更に好ましくは0〜40、特に好ましくは10〜40である。l1は、1以上、好ましくは1〜60、更に好ましくは15〜60、特に好ましくは15〜30を示す。
Figure 2020066691
一般式(1a−2)中、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。また、一般式(1a−2)中、j2、l2、及びn2は、それぞれ付加モル数を示す。j2及びn2は、それぞれ、1以上、好ましくは15〜150、更に好ましくは35〜150を示す。j2及びn2は、略同数であることが好ましい。また、j2+n2(エチレンオキサイドの付加モル数)は、2以上、好ましくは30〜300、更に好ましくは70〜300である。l2は、1以上、好ましくは1〜60、更に好ましくは15〜60、特に好ましくは30〜60を示す。
Figure 2020066691
一般式(1a−3)中、EOはエチレンオキサイド、BOはブチレンオキサイドを示す。また、一般式(1a−3)中、j3、l3、及びn3は、それぞれ付加モル数を示す。j3及びn3は、それぞれ、1以上、好ましくは15〜150、更に好ましくは35〜150を示す。j3及びn3は、略同数であることが好ましい。また、j3+n3(エチレンオキサイドの付加モル数)は、2以上、好ましくは30〜300、更に好ましくは70〜300である。l3は、1以上、好ましくは1〜50、更に好ましくは20〜50を示す。
一般式(1a−1)〜(1a−3)で表されるポリオキシアルキレンブロックポリマーの中でも、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは(1a−1)及び(1a−2)で表されるポリオキシアルキレンブロックポリマー、更に好ましくは(1a−1)で表されるポリオキシアルキレンブロックポリマーが挙げられる。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、一般式(1)に示すブロックポリマーとして、1種の構造のものを単独で使用してもよく、また2種以上の構造のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、一般式(1)に示すブロックポリマーの含有量については、水との共存下でゲル状を形成できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、15〜70重量%、好ましくは15〜40重量%、更に好ましくは20〜40重量%が挙げられる。
[(B)抗菌剤]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、除菌剤として、下記一般式(2)に示す化合物を含む。除菌剤として下記一般式(2)に示す化合物を選択し、これを前記一般式(1)に示すブロックポリマーと組み合わせて配合することによって、硬質表面に対する付着性を付与しつつ、経時的に生じるゲル強度の低下を抑制し、ゲル状態を安定に維持させることが可能になる。
Figure 2020066691
一般式(2)において、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数6〜18のアルキル基を示す。R1及びR2を構成するアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状が挙げられる。また、R1及びR2を構成するアルキル基の炭素数としては、優れた除菌作用を発揮させつつ、より一層高い安全性を備えさせるという観点から、好ましくは8〜16、更に好ましくは8〜14、特に好ましくは8〜12が挙げられる。
一般式(2)において、R3及びR4は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3及びR4を構成するアルキル基の炭素数が3又は4である場合、当該アルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状が挙げられる。また、R3及びR4を構成するアルキル基の炭素数としては、優れた除菌作用を発揮させつつ、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは1〜3、更に好ましくは1又は2、特に好ましくは1が挙げられる。
一般式(2)において、R5は、炭素数1〜4のアルキル基、又は水素原子を示す。R5を構成するアルキル基の炭素数が3又は4である場合、当該アルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状が挙げられる。また、R5としては、優れた除菌作用を発揮させつつ、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、更に好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基、特に好ましくはメチル基が挙げられる。
一般式(2)に示す化合物として、具体的には、ジヘキシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジオクチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジテトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジオクタデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート等が挙げられる。これらの中でも、優れた除菌作用を発揮させつつ、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくはジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート(一般式(1)において、R1及びR2がデシル基、R3及びR4がメチル基、R5がメチル基である化合物)が挙げられる。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、一般式(2)に示す化合物は、1種の構造のものを単独で使用してもよく、2種以上の構造のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状洗浄剤組成物における一般式(2)に示す化合物の含有量については、付与すべき除菌作用等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜25重量%、更に好ましくは0.7〜10重量%、特に好ましくは0.7〜3.5重量%が挙げられる。
また、本発明のゲル状洗浄剤組成物において、一般式(1)に示すブロックポリマーと一般式(2)に示す化合物の比率については、前述する各成分の含有量に応じた範囲であればよいが、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、一般式(1)に示すブロックポリマーの総量100重量部当たり、一般式(2)に示す化合物の総量が0.5〜150重量部、好ましくは2.5〜100重量部、更に好ましくは3.5〜20重量部となる比率が挙げられる。
[(C)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、前記一般式(1)に示すブロックポリマー及び一般式(2)に示す化合物と共に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含んでいることが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを更に含むことにより、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制することが可能になる。更に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが含まれる場合には、洗浄作用も向上させることができる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン基の種類については、特に制限されないが、例えば、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイドが挙げられる。これらのオキシアルキレン基の中でも、適度なゲル強度を有するゲル状態を形成させつつ、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくはエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド、更に好ましくはエチレンオキサイドが挙げられる。また、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおいて、1種の構造のオキシアルキレン基が単独で含まれていてもよく、2種以上の構造のオキシアルキレン基が組み合わされて含まれていてもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン基の付加モル数については、特に制限されないが、例えば、10〜100、好ましくは25〜75、更に好ましくは40〜60が挙げられる。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数については、特に制限されないが、例えば、10〜22、好ましくは14〜20、更に好ましくは16〜18が挙げられる。また、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの中でも、適度なゲル強度を有するゲル状態をより一層好適に形成させる、より高い透明性を備えさせる、或は硬質表面に対する付着性をより一層向上させるという観点から、好ましくはポリオキシエチレン(付加モル数10〜100)アルキル(炭素数10〜22)エーテル、更に好ましくはポリオキシエチレン(付加モル数40〜60)アルキル(炭素数16〜18)エーテルが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして、1種の構造のものを単独で使用してもよく、また2種以上の構造のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、1〜40重量%、好ましくは2〜15重量%、更に好ましくは3〜7重量%が挙げられる。
また、本発明のゲル状洗浄剤組成物において、前記一般式(1)に示すブロックポリマーとポリオキシアルキレンアルキルエーテルの比率については、前述する各成分の含有量に応じた範囲であればよいが、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、ポリオキシアルキレンブロックポリマーの総量100重量部当たり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの総量が1〜100重量部、好ましくは3〜70重量部、更に好ましくは4〜60重量部となる比率が挙げられる。
[(D)水溶性無機塩化物]
本発明のゲル状洗浄剤組成物には、更に水溶性無機塩化物が含まれていてもよい。水溶性無機塩化物を含むことによって、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制することができる。
水溶性無機塩化物の種類については、4℃程度の水に溶解できるものであることを限度として、特に制限されないが、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物;塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム等の2価金属の塩化物;塩化アンモニウム等が挙げられる。これらの水溶性無機塩化物の中でも、前記粘弾特性を好適に具備させつつ、ツヤ感がある外観、容器の吐出口からの糸引き抑制効果、及び被付着面上での複雑な形状の形成効果をより一層向上させるという観点から、好ましくはアルカリ金属の塩化物、塩化アンモニウム、更に好ましくは塩化ナトリウム及び塩化アンモニウムが挙げられる。
これらの水溶性無機塩化物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
水溶性無機塩化物として、アルカリ金属の塩化物と塩化アンモニウムを併用することが好ましい。このようにアルカリ金属の塩化物と塩化アンモニウムを併用する場合、これらの比率としては、例えば、アルカリ金属の塩化物の総量100重量部当たり、塩化アンモニウムが10〜1000重量部、好ましくは20〜200重量部、更に好ましくは30〜100重量部となる比率が挙げられる。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、水溶性無機塩化物を含有させる場合、その含有量については特に制限されないが、例えば、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%が挙げられる。
また、本発明のゲル状洗浄剤組成物において、前記一般式(1)に示すブロックポリマーと水溶性無機塩化物の比率については、前述する各成分の含有量に応じた範囲であればよいが、経時的に生じるゲル強度の低下をより一層効果的に抑制するという観点から、ポリオキシアルキレンブロックポリマーの総量100重量部当たり、水溶性無機塩化物の総量が0.5〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、更に好ましくは2.5〜30重量部となる比率が挙げられる。
[(E)水]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、ゲル状にするために水を含んでいることが好ましい。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、水の含有量については、ゲル状態を形成できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%が挙げられる。
[(F)水以外の溶剤]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、水以外の溶剤を必要に応じて含んでいてもよい。このように水以外の溶剤を含有させることによって、香料等の他の添加剤に対して分散性や溶解性を付与することが可能になる。
溶剤の種類については、特に制限されないが、例えば、グリセリンポリオキシエチレン付加物(例えば、付加モル数が5〜80、好ましくは10〜40、更に好ましくは15〜30のエチレンオキサイド3つが、グリセリンにエステル結合しているグリセリンポリオキシエチレン付加物);エタノール、プロパノール、ブタノール等の1価の低級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。
これらの溶剤の中でも、好ましくはグリセリンポリオキシエチレン付加物が挙げられる。
これらの溶剤は、1種単独で使用していてもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、溶剤(水以外)を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、0超〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは5〜10重量%が挙げられる。
[(G)香料]
本発明のゲル状洗浄剤組成物には、使用する空間に芳香を付与するために、必要に応じて、香料が含まれていてもよい。香料は、ゲル状洗浄剤組成物の用途に応じて、所望の芳香を呈する香料成分を適宜選択すればよい。本発明のゲル状洗浄剤組成物に含有される香料としては、例えば、天然香料の他、炭化水素系香料、エーテル系香料、エステル系香料、アルコール系香料、アルデヒド系香料、ケトン系香料等の合成香料が挙げられる。
天然香料としては、例えば、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、イランイラン油、パチュリ油、シトロネラ油、レモングラス油、ボアドローズ油、チョウジ油、ユーカリ油、セダー油、ラベンダー油、ビャクダン油、ベチバー油、ゼラニウム油、ラブダナム油、ミント油、ペパーミント油、ローズ油、ジャスミン油、リッツアキュベバ油等が挙げられる。また、炭化水素系香料としては、例えば、リモネン、α−ピネン、カンフェン、p−サイメン、フェンチェン等が挙げられる。また、エーテル系香料としては、例えば、テトラヒドロ−2,4−ジメチル−4−フェニルフラン、1,8−シネオール、ローズオキサイド、セドロールメチルエーテル(セドランバー)、p−クレジルメチルエーテル、イソアミルフエェニルエチルエーテル、4−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン、アネトール等が挙げられる。また、エステル系香料としては、例えば、ゲラニルアセテート、エチルアセテート、エチルプロピオネート、メチルブチレート、エチルイソブチレート、エチルブチレート、ブチルアセテート、エチル2−メチルブチレート、イソアミルアセテート、エチル2−メチルペンタノエート(マンザネート)、ヘキシルアセテート、アリルヘキサノエート、トリシクロデセニルプロピオネート(VERTOPRO;フロロシクレン)、アリルヘプタノエート、イソボルニルアセテート、リナリルアセテート、シトロネリルアセテート、2−ter−ブチルシクロヘキシルアセテート(ナルシドール)等が挙げられる。また、アルコール系香料としては、例えば、リナノール、3−オクタノール、2,6−ジメチル−ヘプタノール、10−ウンデセノール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ミルセノール、テトラヒドロリナロール、ターピネオール、セドロール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキサン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、ネロリドール、9−デセノール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、オイゲノール等が挙げられる。また、アルデヒド系香料としては、例えば、シトロネラール、オクタナール、パラアルデハイド、ベンズアルデヒド、アルデヒドC−6、アルデヒドC−7、 アルデヒドC−8、アルデヒドC−9、アルデヒドC−10、トリプラール、p−エチルジメチルヒドロシンナミックアルデヒド(フローラゾン)、2−トリデセナール、アルデヒドC11等が挙げられる。また、ケトン系香料としては、例えば、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン-1-イル)−4−ペンテン−1−オン、アセトイン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプテノン、コアボン、カンファー、カルボン、メントン、d−プレゴン、ピペリトン、フェンチョン、ゲラニルアセトン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフラノン、プリカトン、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンジルケトン等が挙げられる。
これらの香料は、単品香料として1種単独で使用してもよく、また調合香料として2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、香料を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、0超〜15重量%、好ましくは1〜12重量%、更に好ましくは3〜10重量%が挙げられる。
[その他の添加剤]
本発明のゲル状洗浄剤組成物には、前述する成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、非イオン性界面活性剤(一般式(1)に示すブロックポリマー及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル以外)、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤(一般式(2)に示す化合物以外)、酵素、殺菌剤、キレート剤、着色剤、顔料、消臭剤、乳化剤、可溶化剤、増量剤、溶解性調整剤、漂白剤、撥水剤、親水剤、充填剤、pH調整剤、増粘剤、緩衝剤、消泡剤等の添加剤を適量含むことができる。
[製造方法]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、常温において、含有させる成分を所定量混合することによって製造される。
[用途]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、硬質表面の洗浄及び除菌に使用される。具体的には、硬質表面に付着させ、硬質表面上に付着した本発明のゲル状洗浄剤組成物に水を接触させることにより、水に含有成分が流出し、硬質表面の洗浄及び除菌が行われる。
本発明のゲル状洗浄剤組成物において、洗浄対象となる硬質表面としては、水との接触が可能な硬質表面であればよく、例えば、トイレ便器ボウル、トイレの手洗い部、ガラス、窓、ドア、浴室の壁等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはトイレ便器ボウルが挙げられる。
本発明のゲル状洗浄剤組成物をトイレ便器の洗浄に使用する場合、本発明のゲル状洗浄剤組成物は、フラッシュ水として供給される水と接触する部位に付着させればよい。このような付着部位として、好ましくは便器ボウルの表面が挙げられるが、貯水タンクの上に手洗い部が付いている水洗トイレの場合であれば、当該手洗い部の受け皿(貯水タンクの上蓋表面)であってもよい。本発明のゲル状洗浄剤組成物は、このような部位に付着させても、被付着面に対する優れた付着性を備えているため、フラッシュ水が流れても、又はフラッシュ水として貯水タンクに供給される水と接触しても、付着した状態を維持することができる。
本発明のゲル状洗浄剤組成物を硬質表面に付着させるには、被付着面に対して本発明のゲル状洗浄剤組成物を収容した容器から押出又は噴射させて吐出すればよい。
[容器]
本発明のゲル状洗浄剤組成物は、チューブ容器、ボトル容器、シリンジ型容器等の押出式容器;エアゾール容器等の噴射式容器等に収容して供給される。押出式容器の押出機構については、特に制限されず、手動式、圧縮式等のいずれであってもよい。
また、本発明のゲル状洗浄剤組成物を収容する容器は、ゲル状洗浄剤組成物を吐出させる吐出口の形状は、吐出されたゲル状洗浄剤組成物が被付着面上で所望の形状を形成できるように設計されていればよい。
2.ゲル状洗浄剤組成物のゲル強度の低下抑制方法
本発明は、更にゲル状洗浄剤組成物の経時的なゲル強度の低下を抑制する方法を提供する。当該方法は、具体的には、ゲル状洗浄剤組成物に前記一般式(1)に示すブロックポリマーと前記一般式(2)に示す化合物を含有させることによって行われる。
当該方法において使用される一般式(1)に示すブロックポリマー及び一般式(2)に示す化合物の種類や含有量、ゲル状洗浄剤組成物に配合可能な他の成分の種類や含有量、ゲル状洗浄剤組成物の洗浄対象等については、前記「1.ゲル状洗浄剤組成物」の欄に記載の通りである。
以下、実施例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例、参考例及び比較例で使用した主な成分の構造、商品名等は、以下の通りである。
・ポリオキシアルキレンブロックポリマー:構造式:HO-(EO)j1-(BO)k1-(PO)l1-(BO)m1-(EO)n1-H[j1及びn1は略同数、k1及びm1は略同数、EO付加モル数(j1+n1)は約330、BOの付加モル数(k1+m1)は約20、POの付加モル数(l1)は約20、分子量は約16800、疎水基部分((BO)k1-(PO)l1-(BO)m1)の分子量は約2200]
・ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート:商品名「リポカード210-80MSPG」(ライオン・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を使用した。
・ジデシルジメチルアンモニウムクロライド:商品名「カチオンDDC-70PG」(三洋化成工業株式会社製)を使用した。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:ポリオキシエチレン(付加モル数約50)セチルエーテル及びポリオキシエチレン(付加モル数約50)セオレイルエーテルの混合物
・グリセリンオキサイド:付加モル数20のエチレノキサイド3つがグリセリンにエステル結合しているグリセリンポリオキシエチレン付加物、商品名「GE20」、第一工業製薬株式会社製。
・両性界面活性剤:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン、商品名「アモーゲンCB−H」、第一工業製薬株式会社製
・香料A:ミント系香料
・香料B:ソープ系香料
・香料C:フローラル系香料
参考試験例1
表1に示す各成分の所定量をガラス製ビーカー(AGCテクノグラス株式会社製/容量500ml)に入れて、常温において、所定量混合することにより、ゲル状洗浄剤組成物(容器中に50g収容)を調製した。なお、表1に示す含有量は、添加した添加剤(商品)に含まれる溶媒を除いた各成分の実質的な量を示す。得られたゲル状洗浄剤組成物を60℃で5日間保存した。調製直後と保存後のゲル状洗浄剤組成物のゲル強度を下記条件で測定し、下記式に従って、ゲル強度維持率を算出した。
<ゲル強度の測定条件>
直径3cm、高さ6.5cmの円柱状容器にゲル状洗浄剤組成物を充填し、レオメーター(「SUNRHEOMETERCR-500DX」(株式会社サン科学製)を用いて、下記条件にてゲル強度を測定した。
・測定モード:定深度測定(MODE20)
・測定治具:直径10mmφ、厚さ1mmのプレート
・進入速度:60mm/min
・進入深さ:40mm
・測定温度:25℃
Figure 2020066691
結果を表1に示す。この結果、ポリオキシアルキレンブロックポリマーを含むゲル状洗浄剤組成物において、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドを含まない場合(参考例1)には、保存後にゲル強度の低下は認められなかったが、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドを含む場合(比較例1)には、保存後にゲル強度の低下が認められた。即ち、本結果から、除菌剤として従来汎用されているジデシルジメチルアンモニウムクロライドを含むゲル状洗浄剤組成物では、経時的にゲル強度の低下が生じ、ゲル状態を安定に維持できないことが確認された。
Figure 2020066691
試験例1
表2に示す各成分の所定量をガラス製ビーカー(AGCテクノグラス株式会社製/容量500ml)に入れて、常温において、所定量混合することにより、ゲル状洗浄剤組成物(容器中に50g収容)を調製した。なお、表2に示す含有量は、添加した添加剤(商品)に含まれる溶媒を除いた各成分の実質的な量を示す。得られたゲル状洗浄剤組成物を60℃で5日間保存した。前記参考試験例1の場合と同様の方法で、調製直後と保存後のゲル状洗浄剤組成物のゲル強度を測定し、ゲル強度維持率を求めた。
Figure 2020066691
結果を表2に示す。この結果、ポリオキシアルキレンブロックポリマー及びジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートを含むゲル状洗浄剤組成物では、保存後のゲル強度の低下を抑制できており、ゲル状態を安定に維持できることが確認された。
試験例2
表3に示す各成分の所定量をガラス製ビーカー(AGCテクノグラス株式会社製/容量500ml)に入れて、常温において、所定量混合することにより、ゲル状洗浄剤組成物(容器中に50g収容)を調製した。なお、表3に示す含有量は、添加した添加剤(商品)に含まれる溶媒を除いた各成分の実質的な量を示す。得られたゲル状洗浄剤組成物を40℃で4カ月間保存した。前記参考試験例1の場合と同様の方法で、調製直後と保存後のゲル状洗浄剤組成物のゲル強度を測定し、ゲル強度維持率を求めた。
結果を表3に示す。この結果からも、ポリオキシアルキレンブロックポリマー及びジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートを含むゲル状洗浄剤組成物では、保存後のゲル強度の低下を抑制できることが確認された。
Figure 2020066691
試験例3
表4に示す各成分の所定量をガラス製ビーカー(AGCテクノグラス株式会社製/容量500ml)に入れて、常温において、所定量混合することにより、ゲル状洗浄剤組成物(容器中に50g収容)を調製した。なお、表4に示す含有量は、添加した添加剤(商品)に含まれる溶媒を除いた各成分の実質的な量を示す。得られたゲル状洗浄剤組成物を40℃で4カ月間、及び50℃で40日間の条件で保存した。前記参考試験例1の場合と同様の方法で、調製直後と保存後のゲル状洗浄剤組成物のゲル強度を測定し、ゲル強度維持率を求めた。
結果を表4に示す。この結果からも、ポリオキシアルキレンブロックポリマー及びジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートを含むゲル状洗浄剤組成物では、保存後のゲル強度の低下を抑制できることが確認された。
Figure 2020066691

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレンブロックポリマー、
    Figure 2020066691
    [一般式(1)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。A1Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数は2〜4であって、A1Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数は2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A1O、A2O及びA3Oの少なくとも1つは、エチレンオキサイドである。]及び
    (B)下記一般式(2)に示す化合物
    Figure 2020066691
    [一般式(2)中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数6〜18のアルキル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜4のアルキル基、又は水素原子を示す。]
    を含む、ゲル状洗浄剤組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレンブロックポリマーが、下記一般式(1a)で表されるポリオキシアルキレンブロックポリマーである、請求項1に記載のゲル状洗浄剤組成物。
    Figure 2020066691
    [一般式(1a)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。EOは、エチレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。]
  3. 前記ポリオキシアルキレンブロックポリマーにおいて、炭素数3〜4のアルキレンオキサイドが占める部分の分子量が1400以上である、請求項2に記載のゲル状洗浄剤組成物。
  4. 前記ポリオキシアルキレンブロックポリマーの分子量が4600以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のゲル状洗浄剤組成物。
  5. 前記一般式(2)に示す化合物がジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートである、請求項1〜4のいずれかに記載のゲル状洗浄剤組成物。
  6. 水洗トイレの便器の洗浄に使用される、請求項1〜5のいずれかに記載のゲル状洗浄剤組成物。
  7. ゲル状洗浄剤組成物の経時的なゲル強度の低下を抑制する方法であって、
    ゲル状洗浄剤組成物に、(A)下記一般式(1)に示すポリオキシアルキレンブロックポリマー、
    Figure 2020066691
    [一般式(1)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。A1Oは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを示す。A2Oは、炭素数は2〜4であって、A1Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A3Oは、炭素数は2〜4であって、A2Oとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。A1O、A2O及びA3Oの少なくとも1つは、エチレンオキサイドである。]及び
    (B)下記一般式(2)に示す化合物
    Figure 2020066691
    [一般式(2)中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数6〜18のアルキル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜4のアルキル基、又は水素原子を示す。]を含有させる、
    ゲル状洗浄剤組成物のゲル強度の低下抑制方法。
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