JP2020066595A - 含フッ素環状ジオールを原料としたエステル類およびアリルエーテル類の製造法 - Google Patents

含フッ素環状ジオールを原料としたエステル類およびアリルエーテル類の製造法 Download PDF

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博基 福元
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Abstract

【課題】新規な含フッ素環状エステル化合物を提供する。【解決手段】下記構造式(1)で示される、含フッ素環状エステル化合物である。【化1】〔ここで、Rは、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)2−又は−P(=O)R1−(ここで、R1は、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基である。)である。〕【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素環状エステル化合物及びその製造方法に関する。
従来、含フッ素環状エステル化合物として、幾つかの環状炭酸エステル、環状亜硫酸エステル、環状硫酸エステルが報告されている(特許文献1〜6、非特許文献1)。また、イノシトールを、無水フッ化水素下で、四フッ化硫黄と反応させることにより、複雑な反応機構を経て、フッ素原子が2つ導入された、ジフルオロ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンの亜硫酸エステルが得られたことが報告されている(非特許文献2)。
特開平9−251861号公報 特開2000−309583号公報 特開2000−344763号公報 特開2008−230970号公報 特開2009−203225号公報 特開2006−328011号公報
L.L.Knunyants et.al、"Perfluoropropylene oxide in reactions with electrophilic reagents"、Bulletin of the Academy of Sciences of the USSR、Division of chemical science、1973年、Vol.22,Issue 12,p.2659−2662 P.L.Coe et.al、"Fluorination of (+)−chiro−inositol with SF4/HF to give 2α,3β−difluoro−7−oxabicyclo[2.2.1]heptane−5α,6α−sulfite"、Journal of Fluorine Chemistry、2002年、Vol.115、p.13−20
近年、上述したような既知の含フッ素環状エステル化合物とは構造の異なる、新規な化合物が必要とされてきた。そこで、本発明は、かかる新規な化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った。そして、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを出発原料として、新規な含フッ素環状エステル化合物を合成することに成功し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、構造式(1)で示される、含フッ素環状エステル化合物が提供される。
Figure 2020066595
〔ここで、Rは、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−P(=O)R−(ここで、Rは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基である。)である。〕
本発明の含フッ素環状エステル化合物は、環状炭酸エステル、環状亜硫酸エステル、環状硫酸エステル、環状ホスホン酸エステル、環状リン酸エステルを包含する。
含フッ素アルキル基は、水素原子の全部又は一部がフッ素原子で置換されていてもよく、含フッ素アルコキシ基は、水素原子の全部又は一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
さらに、本発明によれば、構造式(2)で示される、含フッ素環状エステル化合物が提供される。この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状炭酸エステルである。
Figure 2020066595
さらに、本発明によれば、構造式(3)で示される、含フッ素環状エステル化合物が提供される。この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状亜硫酸エステルである。
Figure 2020066595
さらに、本発明によれば、構造式(4)で示される、含フッ素環状エステル化合物が提供される。この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状硫酸エステルである。
Figure 2020066595
さらに、本発明によれば、構造式(5)で示される、含フッ素環状エステル化合物が提供される。この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステルである。
Figure 2020066595
(ここで、Rは、前記と同じ意味を表す。)
また、本発明によれば、上記含フッ素環状エステル化合物の製造方法が提供される。
すなわち、本発明によれば、上記構造式(2)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、1,1−カルボニルジイミダゾールと反応させる工程を含む、製造方法が提供される。3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールは、以下の構造式(6)で示される。
Figure 2020066595
さらに、本発明によれば、上記構造式(3)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、有機アミン存在下に、構造式:SOX (ここで、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよい。)で示される化合物と反応させる工程を含む、製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記構造式(4)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、有機アミン存在下に、構造式:SO (ここで、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよい。)で示される化合物と反応させる工程を含む、製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記構造式(5)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、有機アミン存在下に、構造式:RP(=O)X (ここで、Rは、前記と同じ意味であり、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよい。)で示される化合物と反応させる工程を含む、製造方法が提供される。
本発明によれば、既知の化合物とは構造の異なる、新規な化合物が提供される。
(含フッ素環状エステル化合物)
本発明に従う含フッ素環状エステル化合物は、下記構造式(1)で示される。
Figure 2020066595
〔ここで、Rは、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−P(=O)R−(ここで、Rは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基であり、好ましくは、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基であり、より好ましくは、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシ又は2,2,2−トリフルオロエトキシである。)である。〕
上記のような構造を有する、本発明による新規化合物は、含フッ素医農薬中間体、含フッ素ポリマー用のモノマー、リチウム電池等に使用される電解液及び添加剤、フッ素化合物の合成原料などとしての応用が期待される。
本発明による新規化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを出発原料として用い、当該ジオールの2つの水酸基を、エステル化剤によってエステル化するとともに、環化することによって製造することができる。
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールは、例えば、Journal of Fluorine Chemistry,Vol.210,78−82(2018)に記載されているように、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンをアセトン−水系下で、過マンガン酸カリウムにより酸化させることにより合成することができる。また、本発明者らは、特願2017−237198号において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの合成を記載している。
(環状炭酸エステル)
本発明による新規化合物は、下記構造式(2)で示される含フッ素環状エステル化合物を含む。
Figure 2020066595
この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状炭酸エステルであり、炭酸エステル化剤として、カルボニルジイミダゾールを用いて製造することができる。
カルボニルジイミダゾールの使用量としては、原料である、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオール1モルに対して、0.9モル以上が好ましく、1.1モル以上がより好ましく、20モル以下がより好ましく、また、15モル以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、収率の低下を抑制することができ、また、使用量が上記上限値以下であれば、分子内ジオール間でのカルボニル化反応以外に、分子間でのカルボニル化反応が進行してしまうことを抑制することができる。
反応は、反応溶媒を使用して行うことができる。反応溶媒としては、原料であるジオールを溶解することができ、これと反応することのない溶媒であれば特に限定されない。具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、2H,3H−デカフルオロシクロヘキサン、1H,1H,2H−ヘプタフルオロシクロペンタン、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテルなどのフッ素系溶媒を挙げることができる。これらの中でも、取扱い易さ及び経済性の観点で、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒が好ましい。
反応溶媒の使用量としては、原料であるジオール1gに対して、30ml以上が好ましく、40ml以上がより好ましく、また、150ml以下が好ましく、100ml以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、反応が急激に進行して危険を伴う虞れを十分回避でき、また、使用量が上記上限値以下であれば、十分な生産性を確保することができる。
反応温度は、−20℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、また、30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、原料が消費されるまでに多大な時間を要するといった事態を十分に回避することができる。また、反応温度が上記上限値以下であれば、反応が急減に進行してしまい、目的物である環状炭酸エステルが分解してしまう虞れを十分に回避することができる。
反応時間は、用いる装置の大きさや、撹拌機の能力、反応実施の規模にもよるが、5時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましく、また、50時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましい。反応時間が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、目的物である環状炭酸エステルの収率低下を招くといった事態を十分に回避することができる。また、反応時間が上記上限値以下であれば、副反応を併発し、好ましくない化合物を生成してしまう虞れを十分に回避することができる。
反応実施の形態としては、反応実施の規模にもよるが、原料であるジオール、カルボニルジイミダゾール及び反応溶媒を反応容器に仕込み、撹拌する方法を採ることができる。あるいは、原料であるジオールを反応溶媒に溶解させ、この溶液にカルボニルジイミダゾールを一括で添加し、撹拌するか、又は撹拌しながら、分割で添加するなどの方法を採ることができる。
反応後の後処理としては、水を添加して、未反応のカルボニルジイミダゾールを失活させ、有機溶媒で抽出、硫酸ナトリウムなどの乾燥剤を用いて乾燥後、有機溶媒を留去することで、目的物である環状炭酸エステルを固体として得ることができる。
(環状亜硫酸エステル)
本発明による新規化合物は、下記構造式(3)で示される含フッ素環状エステル化合物を含む。
Figure 2020066595
この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状亜硫酸エステルであり、有機アミン存在下に、亜硫酸エステル化剤として、構造式:SOX (ここで、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよく、好ましくは同じである。)で示されるハロゲン化チオニルを用いて製造することができる。
ハロゲン化チオニルとしては、具体的には、フッ化チオニル、塩化チオニル、臭化チオニルを挙げることができ、これらの中でも、取扱い易さ及び経済性の観点から、塩化チオニルが好ましい。
ハロゲン化チオニルの使用量としては、原料であるジオール1モルに対して、0.9モル以上が好ましく、1.1モル以上がより好ましく、また、2モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、収率の低下を抑制することができ、また、使用量が上記上限値以下であれば、反応終了後の後処理段階で、未反応のハロゲン化チオニルを分解させるために要する労力を抑えることができる。
有機アミンとしては、特に限定はないが、一般的な3級アミンを使用することができる。具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジンなどの環状アミンを挙げることができる。これらの中でも、取扱いが容易な、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミンが好ましい。
有機アミンの使用量としては、原料であるジオール1モルに対して、2モル以上が好ましく、2.5モル以上がより好ましく、また、5モル以下が好ましく、4.5モル以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、目的物である環状亜硫酸エステルの収率の低下を抑制することができ、また、使用量が上記上限値以下であれば、好ましくない副反応を併発する虞れを十分に回避することができる。
使用する反応溶媒としては、原料であるジオールを溶解することができ、これと反応することのない溶媒であれば特に限定されず、環状炭酸エステルの製造と同様の溶媒を使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、原料であるジオール1gに対して、30ml以上が好ましく、40ml以上がより好ましく、また、150ml以下が好ましく、100ml以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、反応が急激に進行して危険を伴う虞れを十分に回避でき、また、使用量が上記上限値以下であれば、十分な生産性を確保することができる。
反応温度は、−20℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、また、30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、原料が消費されるまでに多大な時間を要するといった事態を十分に回避することができる。また、反応温度が上記上限値以下であれば、急激に反応が進行してしまい、目的物である環状亜硫酸エステルが分解してしまうなどの副作用を十分に回避することができる。
反応時間は用いる装置の大きさや、撹拌機の能力、反応実施の規模にもよるが、0.5時間以上が好ましく、1.5時間以上がより好ましく、また、20時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましい。反応時間が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、目的物である環状亜硫酸エステルの収率低下を招くといった事態を十分に回避することができる。また、反応時間が上記上限値以下であれば、目的物である環状亜硫酸エステルと未反応の有機アミン間の好ましくない副反応を抑制することができる。
反応実施の形態としては、反応実施の規模にもよるが、原料であるジオール、有機アミン及び反応溶媒を反応容器に仕込み、これにハロゲン化チオニルを滴下する方法を採ることができる。原料であるジオールは、反応溶媒に溶解させて、反応容器に仕込んでもよい。また、ハロゲン化チオニルは、反応溶媒に溶解させて、滴下してもよい。
反応後の後処理としては、未反応のハロゲン化チオニルを分解し、有機アミンを除去するために、酸性水溶液で洗浄、有機溶媒で抽出、硫酸ナトリウムなどの乾燥剤を用いて乾燥後、有機溶媒を留去することで、目的物である環状亜硫酸エステルを固体として得ることができる。
(環状硫酸エステル)
本発明による新規化合物は、下記構造式(4)で示される含フッ素環状エステル化合物を含む。
Figure 2020066595
この化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状硫酸エステルであり、有機アミン存在下に、硫酸エステル化剤として、構造式:SO (Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよく、好ましくは同じである。)で示されるハロゲン化スルフリルを用いて、製造することができる。
ハロゲン化スルフリルとしては、具体的には、フッ化スルフリル、塩化スルフリル、臭化スルフリルを挙げることができ、これらの中でも、取扱い易さ及び経済性の観点から、塩化スルフリルが好ましい。
ハロゲン化スルフリルの使用量としては、原料である、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオール1モルに対して、0.9モル以上が好ましく、1モル以上がより好ましく、また、2モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、収率の低下を抑制することができ、使用量が上記上限値以下であれば、反応終了後の後処理段階で、未反応のハロゲン化スルフリルを分解させるために要する労力を抑えることができる。
有機アミンとしては、特に限定はないが、一般的な3級アミンを使用することができる。具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジンなどの環状アミンを挙げることができる。これらの中でも、取扱いが容易な、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミンが好ましい。
有機アミンの使用量としては、原料であるジオール1モルに対して、2モル以上が好ましく、2.5モル以上がより好ましく、また、5モル以下が好ましく、4.5モル以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、目的物である環状硫酸エステルの収率の低下を抑制することができ、使用量が上記上限値以下であれば、好ましくない副反応を併発する虞れを十分に回避することができる。
反応は、反応溶媒を使用して行うことができる。使用する反応溶媒としては、原料であるジオールを溶解することができ、これと反応することのない溶媒であれば特に限定されず、環状炭酸エステルの製造と同様の溶媒を使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、原料であるジオール1gに対して、30ml以上が好ましく、40ml以上がより好ましく、また、150ml以下が好ましく、100ml以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、反応が急激に進行して危険を伴う虞れを十分に回避でき、また、使用量が上記上限値以下であれば、十分な生産性を得ることができる。
反応温度としては、−20℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、また、30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、原料が消費されるまでに多大な時間を要するといった事態を回避することができる。また、反応温度が上記上限値以下であれば、急激に反応が進行してしまい、目的物である環状硫酸エステルが分解してしまうなどの副作用を十分に回避することができる。
反応時間は用いる装置の大きさや、撹拌機の能力、反応実施の規模にもよるが、0.5時間以上が好ましく、1.5時間以上がより好ましく、また、20時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましい。反応時間が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、目的物である環状硫酸エステルの収率低下を招くといった事態を十分に回避することができる。また、反応時間が上記上限値以下であれば、目的物である環状硫酸エステルと未反応の有機アミン間の好ましくない副反応を抑制することができる。
反応実施の形態としては、反応実施の規模にもよるが、原料であるジオール、有機アミン及び反応溶媒を反応容器に仕込み、これにハロゲン化スルフリルを滴下する方法を採ることができる。原料であるジオールは、反応溶媒に溶解させて、反応容器に仕込んでもよい。また、ハロゲン化スルフリルは、反応溶媒に溶解させて滴下してもよい。
反応後の後処理としては、未反応のハロゲン化スルフリルを分解し、有機アミンを除去するために、酸性水溶液で洗浄、有機溶媒で抽出、硫酸ナトリウムなどの乾燥剤を用いて乾燥後、有機溶媒を留去することで、目的物である環状硫酸エステルを液体として得ることができる。
(環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステル)
本発明による新規化合物は、下記構造式(5)で示される含フッ素環状エステル化合物を含む。
Figure 2020066595
(ここで、Rは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基であり、好ましくは、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基であり、より好ましくはトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシである。)
が、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基である構造式(5)の化合物は、環状ホスホン酸エステルに対応し、Rが、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基である構造式(5)の化合物は、環状リン酸エステルに対応する。
上記構造式(5)で示される化合物は、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステルであり、有機アミン存在下に、ホスホン酸エステル化剤又はリン酸エステル化剤として、構造式:RP(=O)X (ここで、Rは、構造式(5)におけるRと同じ意味であり、同様の好適例が適用され、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、好ましくは塩素原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよく、好ましくは同じである。)で示される反応試剤を用いて、製造することができる。
が、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基である反応試剤は、ホスホン酸エステル化剤に対応し、Rが、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基である反応試剤は、リン酸エステル化剤に対応する。
ホスホン酸エステル化剤としては、メチルホスホン酸ジクロリド、エチルホスホン酸ジクロリド、トリフルオロメチルホスホン酸ジクロリド、2,2,2−トリフルオロエチルホスホン酸ジクロリドなどのホスホン酸ジハライドを挙げることができ、トリフルオロメチルホスホン酸ジクロリド、2,2,2−トリフルオロエチルホスホン酸ジクロリドが好ましい。取扱い易さ及び経済性の観点から、メチルホスホン酸ジクロリド、エチルホスホン酸ジクロリドも好適に使用することができる。
リン酸エステル化剤としては、ジクロロリン酸メチル、ジクロロリン酸エチル、ジクロロリン酸プロピル、ジクロロリン酸トリフルオロメチル、ジクロロリン酸2,2,2−トリフルオロエチルなどのジハロリン酸エステルを挙げることができ、ジクロロリン酸トリフルオロメチル、ジクロロリン酸2,2,2−トリフルオロエチルが好ましい。取扱い易さ及び経済性の観点から、ジクロロリン酸メチル、ジクロロリン酸エチルも好適に使用することができる。
反応試剤の使用量としては、原料である、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオール1モルに対して、1モル以上が好ましく、1.2モル以上がより好ましく、また、2モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、収率の低下を抑制することができ、使用量が上記上限値以下であれば、反応終了後の後処理段階で、未反応の反応試剤を分解させるために要する労力を抑えることができる。
有機アミンとしては、特に限定はないが、環状硫酸エステル製造時に使用される有機アミンと使用することができる。具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジンなどの環状アミンを挙げることができる。これらの中でも、取扱いが容易な、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミンが好ましい。
有機アミンの使用量としては、原料であるジオール1モルに対して、1.5モル以上が好ましく、2モル以上がより好ましく、また、5モル以下が好ましく、4モル以下がより好ましい。有機アミンの使用量が上記下限値以上であれば、目的物である環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステルの収率の低下を抑制することができ、使用量が上記上限値以下であれば、好ましくない副反応を併発する虞れを十分に回避することができる。
反応は、反応溶媒を使用して行うことができる。使用する反応溶媒としては、原料であるジオールを溶解することができ、これと反応することのない溶媒であれば特に限定されず、環状炭酸エステルの製造と同様の溶媒を使用することができる。
反応溶媒の使用量としては、原料であるジオール1gに対して、30ml以上が好ましく、40ml以上がより好ましく、また、150ml以下が好ましく、100ml以下がより好ましい。使用量が上記下限値以上であれば、反応が急激に進行して危険を伴う虞れを十分に回避でき、また、使用量が上記上限値以下であれば、十分な生産性を得ることができる。
反応温度としては、−20℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、また、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、原料が消費されるまでに多大な時間を要するといった事態を回避することができる。また、反応温度が上記上限値以下であれば、急激に反応が進行してしまい、目的物である環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステルが分解してしまうなどの副作用を十分に回避することができる。
反応時間は用いる装置の大きさや、撹拌機の能力、反応実施の規模にもよるが、2時間以上が好ましく、5時間がより好ましく、また、30時間以下が好ましく、25時間以下がより好ましい。反応時間が上記下限値以上であれば、原料であるジオールの転化率が悪く、目的物である環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステルの収率低下を招くといった事態を十分に回避することができる。また、反応時間が上記上限値以下であれば、生産性を低下させることなく製造することができる。
反応実施の形態としては、反応実施の規模にもよるが、原料であるジオールを反応溶媒に溶解させ、この溶液に、有機アミンを滴下する方法を採ることができる。有機アミンは、反応溶媒に溶解させて、滴下してもよい。
反応後の後処理としては、未反応のホスホン酸エステル化剤又はリン酸エステル化剤を分解し、有機アミンを除去するために、酸性水溶液で洗浄、有機溶媒で抽出、硫酸ナトリウムなどの乾燥剤を用いて乾燥後、有機溶媒を留去することで、目的物である環状ホスホン酸エステル又は環状リン酸エステルを得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によってその範囲を限定されるものではない。
なお、各実施例で得られた物質についての測定及び分析は、以下の方法に従って行った。
<NMR測定>
ブルカー・バイオスピン社製の核磁気共鳴装置「Bruker AvanceIII 400型」を用いて測定を行った。
<赤外吸収分光分析>
KBr錠剤法に従い、島津製作所製「IRAffinity−1型」を用いて分析を行った。
[製造例] 3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオール(構造式(6))の合成
撹拌機を付したガラス製丸底反応器に、出発原料である3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン1.76g(10mmol)、並びに反応溶媒としてアセトン5ml及び水200mlを入れ、さらに過マンガン酸カリウム1.59g(10mmol)を添加し、25℃で1時間撹拌し、反応を行った。撹拌停止後、反応混合物をセライトに加え、二酸化マンガン等の固形物を濾別し、濾液をジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル溶液に硫酸(1mol/L)を添加して洗浄を行った後に、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、無色結晶の物質を取得した。
得られた物質について、NMR測定を実施した、結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=4.28(s,2H),4.59(s,2H)
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=69.98−69.31(m)
19F NMR(376MHz、CDCl)δ=−117.59(d,2F),−127.98(d,1F),−129.58(d,2F),−130.35(d,1F)
また、得られた物質について赤外吸収分光分析を行ったところ、波数3400cm−1に水酸基のO−H伸縮振動に由来する吸収ピークが観察された。
以上の測定及び分析の結果から、得られた無色結晶物質が、目的物である3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールであることが同定され、収量は1.05g(収率50%)であった。
[実施例1] 環状炭酸エステル(構造式(2))の合成
撹拌子を付した容量20mlのガラス製丸底フラスコに、製造例で合成した3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオール0.21g(1mmol)、1,1−カルボニルジイミダゾール1.8g(11mmol)及び塩化メチレン10mlを仕込み、系内をアルゴン雰囲気下に置いた。内容物を室温(20℃)にて、24時時間撹拌後、精製水を添加して反応を停止した。反応混合物を塩化メチレン抽出し、有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターを使用して塩化メチレンを留去し、無色固体として、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状炭酸エステルが0.22g(収率95%)得られた。
得られた物質について、NMR測定を実施した、結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=5.17−5.21(m,2H)
19F NMR(376MHz、CDCl)δ=−117.54(d,J=266,2F),−130.55(d,J=266Hz,1F),−132.92(d,J=266Hz,1F),−141.95(d,J=266Hz,2F)
[実施例2] 環状亜硫酸エステル(構造式(3))の合成
撹拌子及び滴下ロートを付した容量30mlのガラス製丸底フラスコに、製造例で合成した、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−ジオール0.21g(1.0mmol)、トリエチルアミン0.56ml(4.0mmol)及び塩化メチレン10mlを仕込み、系内をアルゴン雰囲気下に置き、0℃に冷却した。内容物を撹拌しながら、塩化チオニル0.09ml(1.2mmol)を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を滴下ロートから30分かけて滴下した。内容物は0℃で30分間撹拌後、室温(20℃)まで昇温させて、さらに2時間撹拌した。反応混合物に塩化メチレンと飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、洗浄後、有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを使って塩化メチレンを留去し、褐色固体として3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状亜硫酸エステルが0.16g(収率63%)得られた。
得られた物質について、NMR測定を実施した、結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=5.46−5.51(m,2H)
19F NMR(376MHz、CDCl)δ=−115.52(d,J=262Hz,2F),−129.45(d,J=262Hz,1F),−131.64(d,J=262Hz,2F),−138.47(d,J=262Hz,1F)
[実施例3] 環状硫酸エステル(構造式(4))の合成
撹拌子及び滴下ロートを付した容量30mlのガラス製丸底フラスコに、製造例で合成した、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−ジオール0.21g(1.0mmol)、トリエチルアミン0.56ml(4.0mmol)及び塩化メチレン10mlを仕込み、系内をアルゴン雰囲気下に置き、0℃に冷却した。内容物を撹拌しながら、塩化スルフリル0.09ml(1.1mmol)を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を滴下ロートから30分かけて滴下した。内容物は0℃で30分間撹拌後、室温(20℃)まで昇温させて、さらに2時間撹拌した。反応混合物に塩化メチレンと飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、洗浄後、有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターを使って塩化メチレンを留去し、黄色液体として3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールの環状硫酸エステルが0.16g(収率90%)得られた。
得られた物質について、NMR測定を実施した、結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=5.40−5.44(m,2H)
19F NMR(376MHz,CDCl)δ=−116.59(d,J=265Hz,2F),−130.43(d,J=265Hz,1F),−130.67(d,J=265Hz,2F),−138.63(d,J=265Hz,1F)

Claims (9)

  1. 構造式(1)で示される、含フッ素環状エステル化合物。
    Figure 2020066595
    〔ここで、Rは、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−又は−P(=O)R−(ここで、Rは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルキル基、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状の含フッ素アルコキシ基である。)である。〕
  2. 構造式(2)で示される、請求項1記載の含フッ素環状エステル化合物。
    Figure 2020066595
  3. 構造式(3)で示される、請求項1記載の含フッ素環状エステル化合物。
    Figure 2020066595
  4. 構造式(4)で示される、請求項1記載の含フッ素環状エステル化合物。
    Figure 2020066595
  5. 構造式(5)で示される、請求項1記載の含フッ素環状エステル化合物。
    Figure 2020066595
    (ここで、Rは、請求項1と同じ意味を表す。)
  6. 請求項2に記載の構造式(2)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、1,1−カルボニルジイミダゾールと反応させる工程を含む、製造方法。
  7. 請求項3に記載の構造式(3)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、有機アミン存在下に、構造式:SOX (ここで、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよい。)で示される化合物と反応させる工程を含む、製造方法。
  8. 請求項4に記載の構造式(4)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、有機アミン存在下に、構造式:SO (ここで、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよい。)で示される化合物と反応させる工程を含む、製造方法。
  9. 請求項5に記載の構造式(5)で示される含フッ素環状エステル化合物の製造方法であって、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンタン−cis−1,2−ジオールを、有機アミン存在下に、構造式:RP(=O)X (ここで、Rは、請求項1と同じ意味を表し、Xは、フッ素、塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子であり、2つのXは、同じであっても、異なっていてもよい。)で示される化合物と反応させる工程を含む、製造方法。

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