JP2020066174A - 粘着シート用離型フィルムおよび粘着シート積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]少なくとも一方の面に凹凸を有し、該凹凸を有する面の粗さ曲線における最大高さ粗さRzが15.0μm超である、粘着シート用離型フィルム。
[2]一つの層からなる単層フィルム、または二つ以上の層を含む積層フィルムであって、少なくとも一つの層がポリオレフィン樹脂フィルムであり、該ポリオレフィン樹脂フィルムの一方の面に前記凹凸を有する、[1]に記載の粘着シート用離型フィルム。
[3]基材上に粘着層を備えた粘着シートと、[1]または[2]に記載の粘着シート用離型フィルムとが積層されてなり、前記粘着層と前記凹凸を有する面とが互いに接する、粘着シート積層体。
[4]ハードディスクドライブ用である、[3]に記載の粘着シート積層体。
ポリオレフィン樹脂フィルムを構成するポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、炭素数4〜10のα−オレフィン樹脂、あるいはこれらの共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型フィルムは、ポリオレフィン樹脂フィルムとポリオレフィン樹脂フィルム以外の樹脂フィルム(他の樹脂フィルム)との積層フィルムを用いることができる。
本発明の離型フィルムは、凹凸面が、公知の剥離剤、例えばシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキル系離型剤、アルキド系離型剤などの剥離剤で表面処理されていてもよいが、上記のような剥離剤による表面処理を施さなくとも良好な剥離性が得られる。つまり、本発明の離型フィルムは、生産性や材料コストの観点から、剥離剤による表面処理が施されていないことが好ましい。また、後述するように、ハードディスクドライブ用粘着シートの離型フィルムとして適用する場合は、シリコーン系離型剤は使用しないことが好ましい。
本発明の離型フィルムが適用される粘着シートは、特に限定されないが、粘着シートを構成する粘着層には、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤などの非シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。特に、アクリル系粘着剤が好ましい。
本発明の好ましい態様を以下に示す。
[1]離型フィルムの少なくとも一方の面に凹凸を有し、該凹凸を有する面の粗さ曲線における最大高さ粗さRzが15.0μm超である、粘着シート用離型フィルム。
[2]前記凹凸を有する面の粗さ曲線における表面の算術平均粗さRaが3.0μm超である、[1]に記載の粘着シート用離型フィルム。
[3]前記凹凸を有する面の粗さ曲線における要素の平均長さRSmが70μm超700μm未満である、[1]または[2]に記載の粘着シート用離型フィルム。
[4]一つの層からなる単層フィルム、または二つ以上の層を含む積層フィルムであって、少なくとも一つの層がポリオレフィン樹脂フィルムであり、該ポリオレフィン樹脂フィルムの一方の面に前記凹凸を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルム。
[5]前記離型フィルムがポリオレフィン樹脂フィルムとポリオレフィン樹脂フィルム以外の樹脂フィルム(他の樹脂フィルム)との積層フィルムであって、前記ポリオレフィン樹脂フィルム側に前記凹凸を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルム。
[6]前記ポリオレフィン樹脂フィルムが少なくとも低密度ポリエチレン樹脂を含有する、[4]または[5]に記載の粘着シート用離型フィルム。
[7]前記ポリオレフィン樹脂フィルムが少なくとも直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有する、[4]〜[6]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルム。
[8]前記ポリオレフィン樹脂フィルムが2層以上の積層構成からなり、該積層構成が、少なくとも低密度ポリエチレン樹脂を含有するA層と、少なくともポリプロピレン樹脂を含有するB層を含み、前記A層側に前記凹凸を有する、[4]〜[7]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルム。
[9]前記A層が少なくとも直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有する、[8]に記載の粘着シート用離型フィルム。
[10]前記B層に含有されるポリプロピレン樹脂の結晶化度が40%以上である、[8]または[9]に記載の粘着シート用離型フィルム。
[11]前記B層がさらに低密度ポリエチレン樹脂を含有する、[8]〜[10]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルム。
[12]前記ポリオレフィン樹脂フィルム以外の樹脂フィルム(他の樹脂フィルム)がポリエステル樹脂フィルムである、[5]〜[11]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルム。
[13]基材上に粘着層を備えた粘着シートと、[1]〜[12]のいずれかに記載の粘着シート用離型フィルムとが積層されてなり、前記粘着層と前記凹凸面が互いに接する、粘着シート積層体。
[14]ハードディスクドライブ用である、[13]に記載の粘着シート積層体。
(1)粗さ曲線における、最大高さ粗さRz、算術平均粗さRaおよび要素の平均長さRSmの測定
JIS B0601(2001)に準拠して、表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製の「サーフテストSJ−400」)を用いて測定した。
・触針先端半径;2μm
・測定力;0.75mN
・カットオフ値;λs=2.5μm、λc=2.5mm
(2)ポリエチレン樹脂の密度の測定
JIS K7112(1999)に従って密度勾配管法(23℃)により測定した。
作製した離型フィルムから、示差走査熱量計(DSC)(島津製作所製DSC−60Plus)を用いて、以下の方法で測定した。
0℃から250℃まで、昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱量を求めた。得られた融解熱量ΔH(J/g)より、(ΔH/樹脂分率/209)×100(%)の式から結晶化度を求めた。ここで、樹脂分率とは材料中のポリマー分率を示し、樹脂成分が100%であれば1.0である。209は、ポリプロピレンの100%結晶化時の融解熱量(J/g)である。
下記の粘着シートの粘着面に離型フィルムの凹凸面が接するように積層し、自重5kgのゴムローラーで押さえながら一往復させて貼り合わせて粘着シート積層体(離型フィルム付き粘着シート)を作成した。
n−ブチルアクリレート93質量部とアクリル酸7質量部とを、酢酸エチル中で重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)の存在下で常法により溶液重合させて、質量平均分子量が150万のアクリル系ポリマー溶液(固形分濃度25質量%)を得た。このアクリル系ポリマー溶液100質量部に、架橋剤としてトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製「コロネートL」)を2質量部加えて、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
以下の基材フィルムを作製した。
3層積層構成(A層/B層/A層)のポリオレフィン樹脂フィルムを作製した。各層の原料を以下に示す。
・A層;直鎖状低密度ポリエチレン樹脂((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標”SP0540;密度0.903g/cm3)
・B層;ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂((株)プライムポリマーの「エボリュー」SP0540、密度0.903g/cm3)10質量部との混合物。
A層およびB層の原料をそれぞれ単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ230℃にて溶融してA層/B層/A層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、60℃に保たれたキャスティングドラム上に、各層の厚み比率がA層/B層/A層=13%/74%/13%となるように押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、厚みが100μmのポリオレフィン樹脂フィルムを得た。B層に含有するポリプロピレン樹脂の結晶化度は、70%であった。
3層積層構成(A層/B層/A層)のポリオレフィン樹脂フィルムを作製した。各層の原料を以下のように変更する以外は、基材フィルム1と同様にして作製した。B層に含有するポリプロピレン樹脂の結晶化度は、70%であった。
・A層;分岐状低密度ポリエチレン樹脂(旭化成(株)製“サンテック(登録商標)L1850A;密度0.918g/cm3)
・B層;ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と低密度ポリエチレン樹脂(旭化成(株)製“サンテック(登録商標)L1850A;密度0.918g/cm3)10質量部との混合物。
ポリオレフィン樹脂フィルムと他の樹脂フィルム(ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム)との積層フィルムを下記要領にて作製した。
・アンカーコート層;分岐状低密度ポリエチレン樹脂(旭化成(株)製“サンテック(登録商標)L1850A;密度0.918g/cm3)
・ポリオレフィン樹脂フィルム;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm3)85質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm3)15質量部とエチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製“タフマーP(登録商標)”P0180)10質量部との混合物。
ポリオレフィン樹脂フィルムと他の樹脂フィルム(ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム)との積層フィルムを下記要領にて作製した。
・アンカーコート層;分岐状低密度ポリエチレン樹脂(旭化成(株)製“サンテック(登録商標)L1850A;密度0.918g/cm3)
・ポリオレフィン樹脂フィルム;エチレン−1−ブテン共重合体(住友化学(株)製“エクセレン(登録商標)VL200;密度0.900g/cm3)70質量部と分岐状低密度ポリエチレン樹脂(旭化成(株)製“サンテック(登録商標)L1850A;密度0.918g/cm3)30質量部との混合物。
基材フィルム1の一方の面に、120℃に加熱されたエンボスロールを押し当ててエンボス処理を施して、離型フィルムを作製した。エンボスロールとして、比較的深めの梨地状に加工されたエンボスロール1を用いた。
エンボスロールの温度を110℃に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
エンボスロールの温度を100℃に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
エンボスロールの温度を80℃に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルム1の一方の面に、120℃に加熱されたエンボスロールを押し当ててエンボス処理を施して、離型フィルムを作製した。エンボスロールとして、比較的浅めの梨地状に加工されたエンボスロール2を用いた。
基材フィルム1の一方の面に、100℃に加熱されたエンボスロールを押し当ててエンボス処理を施して、離型フィルムを作製した。エンボスロールとして、絹目状に加工されたエンボスロール3を用いた。
エンボスロールの温度を90℃に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルム2に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルム2に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
基材フィルム3のポリオレフィン樹脂フィルム側に、実施例1と同様にしてエンボス処理を施して離型フィルムを作製した。
基材フィルム3のポリオレフィン樹脂フィルム側に、実施例4と同様にしてエンボス処理を施して離型フィルムを作製した。
基材フィルム4のポリオレフィン樹脂フィルム側に、実施例1と同様にしてエンボス処理を施して離型フィルムを作製した。
基材フィルム4のポリオレフィン樹脂フィルム側に、実施例4と同様にしてエンボス処理を施して離型フィルムを作製した。
上記で作製した実施例および比較例の離型フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
11 凹凸面
21 ポリオレフィン樹脂フィルム
22 他の樹脂フィルム
31 A層
32 B層
33 A層またはC層
Claims (4)
- 少なくとも一方の面に凹凸を有し、該凹凸を有する面の粗さ曲線における最大高さ粗さRzが15.0μm超である、粘着シート用離型フィルム。
- 一つの層からなる単層フィルム、または二つ以上の層を含む積層フィルムであって、少なくとも一つの層がポリオレフィン樹脂フィルムであり、該ポリオレフィン樹脂フィルムの一方の面に前記凹凸を有する、請求項1に記載の粘着シート用離型フィルム。
- 基材上に粘着層を備えた粘着シートと、請求項1または2に記載の粘着シート用離型フィルムとが積層されてなり、前記粘着層と前記凹凸を有する面とが互いに接する、粘着シート積層体。
- ハードディスクドライブ用である、請求項3に記載の粘着シート積層体。
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