JPWO2020050037A1 - 離型フィルム、およびそれを用いた粘着シート積層体 - Google Patents

離型フィルム、およびそれを用いた粘着シート積層体 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、基材(支持層)と離型層との密着性が良好な離型フィルムを提供することにある。上記目的を達成するため、本発明の離型フィルムは以下の構成を有する。すなわち、少なくとも支持層と離型層を有する離型フィルムであって、前記離型層は密度が0.940g/cm3以下の低密度ポリエチレン(A)を含有し、前記支持層はポリプロピレン(B)および密度が0.941g/cm3以上の高密度ポリエチレン(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種と密度が0.940g/cm3以下の低密度ポリエチレン(D)とを含有する、離型フィルムである。

Description

本発明は離型フィルムに関する。詳細には、粘着シート積層体に好適な離型フィルムに関する。
粘着シートに使用される離型フィルムには、剥離性に優れるシリコーン系離型剤が一般的に用いられている。しかし、シリコーン系離型剤に含まれるシリコーン化合物は、ハードディスクドライブ装置のような電子機器に腐食や誤動作などの悪影響を及ぼすことがある。
そこで、ハードディスクドライブ装置のような電子機器に使用する粘着シートには、シリコーン汚染を防止するために、ポリエチレンを含む離型層が、ポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルムなどの基材に、アンダーコート層や下引き層を介してラミネートされた離型フィルムが提案されている(特許文献1、2)。
特開2005−350650号公報 国際公開第2009/060924号
しかしながら、ポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルムなどの基材上にポリエチレン含有離型層を設けた離型フィルムは、基材と離型層との密着性が十分ではなかった。
従って、本発明の目的は、基材(支持層)と離型層との密着性が良好な離型フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
[1]少なくとも支持層と離型層を有する離型フィルムであって、前記離型層は密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(A)を含有し、前記支持層はポリプロピレン(B)および密度が0.941g/cm以上の高密度ポリエチレン(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種と密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(D)とを含有する、離型フィルム。
本発明によれば、支持層と離型層との密着性が良好な離型フィルムを提供することができる。
本発明の離型フィルムは、少なくとも支持層と離型層を有する。離型層は、密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(A)を含有する。このような離型層を用いることによって、比較的良好な剥離性が得られる。
支持層は、ポリプロピレン(B)および密度が0.941g/cm以上の高密度ポリエチレン(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種と、密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(D)とを含有する。このような支持層と上記離型層とを積層することによって、離型層と支持層との密着性が向上する。また、支持層がポリプロピレン(B)および密度が0.941g/cm以上の高密度ポリエチレン(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することによって、離型フィルムの剛性が高められて(腰が強くなって)、離型フィルムの取り扱い性や剥離作業性が向上する。
[離型層]
本発明における離型層は、密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(A)を含有する。上記低密度ポリエチレン(A)は、粘着シートとの剥離性を向上させるという観点から、密度が0.935g/cm以下が好ましく、0.930g/cm以下がより好ましく、0.928g/cm以下が特に好ましい。また、上記密度は、0.850g/cm以上が好ましく、0.860g/cm以上がより好ましく、0.870g/cm以上が特に好ましい。
以下の説明において、密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(A)を「低密度ポリエチレン(A)」と言うことがある。
低密度ポリエチレンには、分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンがある。一般に、低密度ポリエチレンといえば、直鎖状低密度ポリエチレン以外の分岐状低密度ポリエチレンを意味する。本発明における離型層にはいずれも用いることができる。粘着シートとの剥離性をさらに向上させるという観点から、離型層における低密度ポリエチレン(A)は、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、少なくとも密度が0.850〜0.940g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンモノマーを主成分とし、これにα− オレフィンを共重合したものである。ここで、主成分とは直鎖状低密度ポリエチレンを構成するモノマー成分全体の50モル%以上含まれる成分を意味する。
α−オレフィンとしては、炭素数が3〜12のα−オレフィンが好ましく、炭素数が4〜10のα−オレフィンがより好ましい。具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独もしくは組み合わせて用いることができる。α−オレフィンの中でも炭素数が4〜8のα−オレフィンがさらに好ましく、特に、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが重合生産性の観点から好ましく用いられる。
粘着シートとの剥離性を向上させるという観点から、離型層における低密度ポリエチレン(A)の含有量は、離型層の固形分総量100質量%に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特により好ましい。上限は100質量%である。
離型層には、低密度ポリエチレン(A)として、直鎖状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンを併用することができる。この場合、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して分岐状低密度ポリエチレンを1〜50質量部含有することが好ましく、3〜40質量部含有することがより好ましく、5〜30質量部含有することが特に好ましい。
また、離型層は、密度が0.850〜0.940g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンとして、密度が0.900g/cm以上0.940g/cm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと、密度が0.850g/cm以上0.900g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含有することが好ましい。これによって、粘着シートとの剥離性がさらに向上する。
なお、密度が0.850g/cm以上0.900g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレンは「直鎖状超低密度ポリエチレン」と称されることがある。
以下、密度が0.900g/cm以上0.940g/cm以下の直鎖状低密度ポリエチレンを「LLDPE」と言うことがあり、密度が0.850g/cm以上0.900g/cm未満の直鎖状超低密度ポリエチレンを「VLDPE」と言うことがある。
LLDPEおよびVLDPEは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの含有量が多くなると密度が小さくなる傾向にある。LLDPEにおけるα−オレフィンの含有量は、モノマー成分全体の0.5〜15モル%が好ましく、1〜10モル%がより好ましく、2〜7モル%が特に好ましい。VLDPEにおけるα−オレフィンの含有量は、モノマー成分全体の4〜30モル%が好ましく、7〜25モル%がより好ましく、10〜20モル%が特に好ましい。
LLDPEは、エチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、エチレンと炭素数が4〜10のα−オレフィンとの共重合体であることがさらに好ましく、エチレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンとの共重合体であることが特に好ましい。上記の炭素数が4〜8のα−オレフィンの中でも、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
LLDPEの密度は、0.910g/cm以上が好ましく、0.915g/cm以上がより好ましく、0.917g/cm以上が特に好ましい。また、上記密度は、0.940g/cm以下であるが、0.935g/cm以下が好ましく、0.930g/cm以下がより好ましく、0.928g/cm以下が特に好ましい。
VLDPEは、エチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、エチレンと炭素数が4〜10のα−オレフィンとの共重合体であることがさらに好ましく、エチレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンとの共重合体であることが特に好ましい。上記の炭素数が4〜8のα−オレフィンの中でも、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。このようなVLDPEを離型層に含有させることによって、加熱後の剥離力の上昇が抑制されやすくなる。特に、VLDPEがエチレンと1-オクテンとの共重合体である場合に加熱後の剥離力上昇の抑制効果が大きくなる。
VLDPEの密度は、0.895g/cm未満が好ましく、0.890g/cm未満がより好ましく、0.885g/m未満が特に好ましい。また、上記密度は、0.855g/cm以上が好ましく、0.860g/cm以上がより好ましく、0.865g/cm以上が特に好ましい。
LLDPEとVLDPEの含有比率としては、粘着シートとの剥離性をより向上させるという観点から、離型層が、LLDPE100質量部に対してVLDPEを2〜30質量部含有することが好ましく、4〜20質量部含有することがより好ましく、6〜15質量部含有することが特に好ましい。
また、離型層には、低密度ポリエチレン(A)以外のポリオレフィン(以下、「他のポリオレフィン」と言うことがある)を含有することができる。他のポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレンとα−オレフィン以外の成分との共重合体などが挙げられる。
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
上記エチレンとα−オレフィン以外の成分との共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。
上記した他のポリオレフィンは、単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
離型層が他のポリオレフィンを含有する場合の他のポリオレフィンの含有量は、低密度ポリエチレン(A)100質量部に対して、1〜30質量部が適当である。
粘着シートとの剥離性をさらに向上させるという観点から、離型層は表面粗さが比較的大きいことが好ましい。具体的には、離型層の表面の算術平均粗さRaは、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、1.5μm以上が特に好ましい。離型層の算術平均粗さRaが過度に大きくなると、粘着シートに離型層の凹凸形状が転写して粘着シートとハードディスクドライブなどの被着体との密着性が低下することがあるので、上記算術平均粗さRaは7.0μm以下が好ましい。
上記した離型層の表面粗さは、離型層表面に微細な凹凸を形成することによって、制御することができる。
離型層表面の凹凸形状としては、特に限定されず、同一の凹凸パターンが規則的あるいは不規則的に配列されたもの、異なる凹凸パターンが規則的あるいは不規則的に配列されたものなどを採用することができる。凹凸パターンとしては、例えば、格子状パターン、絹目状パターン、梨地状パターン、ドット状パターンなどが挙げられる。
また、離型層表面に微細な凹凸を形成する場合、最大高さ粗さRzは5.0μm以上であることが好ましく、10.0μm以上であることがより好ましく、さらに15.0μm以上であることが好ましく、21.0μm以上であることが特に好ましい。上記最大高さ粗さRzの上限は50μm程度である。離型層表面の最大高さ粗さRzが5.0μm以上であることによって、好ましくは10.0μm以上であることによって、加熱後の粘着シートとの剥離力の上昇が抑制されやすくなる。
離型層表面に微細な凹凸を形成する方法としては、例えば、エンボス処理、サンドブラスト処理、化学処理、あるいは離型層の製膜工程で溶融状態の離型層に凹凸彫刻を施した成形ロールを押し当てる方法が挙げられる。
上記の凹凸形成方法の中でも、エンボス処理が好ましい。エンボス処理としては、例えば、離型フィルムの離型層に加熱したエンボスロール押し当てる方法が好ましく、エンボスロールの加熱温度やプレス圧を調整することにより離型層に形成される凹凸形状を制御することができる。エンボスロールの加熱温度としては、80℃〜160℃が好ましく、100℃〜140℃がより好ましい。
[支持層]
本発明における支持層は、ポリプロピレン(B)および密度が0.941g/cm以上の高密度ポリエチレン(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種と、密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(D)とを含有する。以下の説明において、密度が0.941g/cm以上の高密度ポリエチレン(C)を「高密度ポリエチレン(C)」と言うことがあり、また、密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(D)を「低密度ポリエチレン(D)」と言うことがある。
支持層に含有することができるポリプロピレン(B)としては、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、またはそれらの混合物を挙げることができる。
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体における他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体としては、ランダム共重合体およびブロック共重合体のいずれも用いることができる。プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体におけるα−オレフィンの含有量は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。α−オレフィンの含有量が20質量%を越えると結晶化度が低下することがある。
ポリプロピレン(B)は、離型フィルムの剛性を高める(腰を強くする)という観点から、結晶化度が高い方が好ましい。具体的には、支持層に含有するポリプロピレン(B)の結晶化度は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが特に好ましい。結晶化度の上限は100%である。
ポリプロピレンの結晶化度は、支持層の溶融押出による製膜工程で溶融押出後の冷却温度や冷却速度を制御することによって調整できる。例えば、冷却速度を遅くすることによってポリプロピレンの結晶化度は高くなる。また、結晶核剤を併用することによって、結晶化度を高めることができる。
上記結晶核剤は、特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。例えば、タルク等の無機物、カルボン酸金属塩、リン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、ロジンの金属塩などが挙げられる。
支持層に含有することができる高密度ポリエチレン(C)としては、密度が0.941〜0.980g/cmのポリエチレンが好ましく、密度が0.945〜0.975g/cmのポリエチレンがより好ましく、密度が0.950〜0.970g/cmのポリエチレンが特に好ましい。
支持層は、ポリプロピレン(B)と高密度ポリエチレン(C)をそれぞれ単独で用いてもよいし、併用してもよい。ポリプロピレン(B)と高密度ポリエチレン(C)とを併用する場合の含有比率(B:C)は、特に限定されないが、例えば、質量比で98:2〜2:98が好ましく、95:5〜5:95がより好ましい。
支持層に含有する低密度ポリエチレン(D)としては、密度が0.935g/cm以下が好ましく、0.930g/cm以下がより好ましく、0.928g/cm以下が特に好ましい。また、上記密度は、0.870g/cm以上が好ましく、0.890g/cm以上がより好ましく、0.900g/cm以上が特に好ましい。
低密度ポリエチレン(D)は、直鎖状低密度ポリエチレンであってもよいし、分岐状低密度ポリエチレンであってもよい。また上記2種を併用することができる。
低密度ポリエチレン(D)は、前述の離型層に用いられる低密度ポリエチレン(A)と同種あるいは異種のものを用いることができるが、密着性および生産性の観点から同種のものが好ましい。ここで、直鎖状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンとは異種であり、密度差が0.005g/cm以上の場合は異種とし、上記範囲に該当しない場合を同種とする。
支持層におけるポリプロピレン(B)と高密度ポリエチレン(C)の合計含有量は、離型フィルムの剛性を高めるという観点から、支持層の固形分総量100質量%に対して、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。一方、ポリプロピレン(B)と高密度ポリエチレン(C)の合計含有量が多くなりすぎると離型層との密着性が低下することがあるので、上記合計含有量は97質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
支持層における低密度ポリエチレン(D)の含有量は、離型層と支持層との密着性を向上させるという観点から、支持層の固形分総量100質量%に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上が特に好ましい。一方、低密度ポリエチレン(D)の含有量が多くなりすぎると離型フィルムの剛性が低下することがあるので、上記含有量は40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が特に好ましい。
支持層において、ポリプロピレン(B)と高密度ポリエチレン(C)の合計(B+C)と低密度ポリエチレン(D)との含有比率{(B+C):(D)}は、質量比で97:3〜60:40であることが好ましく、95:5〜70:30がより好ましく、93:7〜75:25が特に好ましい。上記比率で含有することによって、離型フィルムの剛性を確保しながら密着性をより向上させることができる。
支持層は、着色顔料や酸化防止剤などの添加剤を含有することができる。
[離型フィルム]
本発明の離型フィルムは、少なくとも支持層と離型層を有する。離型層は、支持層に直接あるいは他の層を介して配置することができるが、離型層と支持層との密着性の観点から、離型層は支持層に直接に積層されていることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、離型層表面に、シリコーン系離型剤あるいはシリコーン系離型剤以外の離型剤、例えば、長鎖アルキル離型剤、アルキド樹脂離型剤、フッ素系離型剤などで表面処理することができる。しかし、本発明の離型フィルムは、粘着シートとの剥離性が比較的良好であること、および離型剤の粘着シートへの移行などを考慮すると、上記の離型剤による表面処理は施さない方が好ましい。
また、本発明の離型フィルムには、支持層の離型層が設けられた面とは反対面に背面層を設けることができる。かかる背面層は、離型層とは同種あるいは異種の組成で構成することができる。背面層については、詳細は後述する。
離型フィルムの厚みは、特に限定されないが、30〜150μmが好ましく、40〜120μmがより好ましく、50〜100μmが特に好ましい。
支持層の厚みは、20〜130μmが好ましく、30〜120μmがより好ましく、さらに40〜100μmが好ましく、50〜80μmが特に好ましい。
離型層の厚みは、5〜40μmが好ましく、10〜35μmがより好ましく、15〜30μmが特に好ましい。
粘着シートとの剥離性および離型フィルムの剛性の観点から、支持層の厚み(St)に対する離型層の厚み(Rt)の比率(Rt/St)は、0.05〜0.50であることが好ましく、0.10〜0.40であることがより好ましく、0.15〜0.40であることが特に好ましい。
本発明の離型フィルムは、溶融押出法や溶融押出ラミネート法などの公知の方法で製造することができる。特に、支持層と離型層および必要に応じて設けられる背面層とを溶融共押出法で製膜するが好ましい。これによって、離型層と支持層との密着性が高められる。また、溶融共押出法は、生産性の観点からも好ましい。
本発明の離型フィルムは、離型層/支持層/背面層の3層構成であることが好ましく、これらの層はいずれもポリオレフィンを主成分とすることが好ましく、さらに上記したように溶融共押出法で製膜されることが好ましい。つまり、本発明の離型フィルムは、ポリオレフィンの多層(3層)共押出フィルムからなることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、加熱することによって粘着シートとの剥離力を低減させることができる。加熱温度は、70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましく、80℃以上が特に好ましい。上限は130℃程度である。加熱時間は、加熱温度および離型フィルムの形態によって適宜設定される。
離型フィルムの製膜工程などのフィルム搬送工程で加熱する場合は、例えば、75〜130℃の温度で、30秒以上加熱することが好ましく、60秒以上加熱することがより好ましい、100秒以上加熱することが特に好ましい。一方、離型フィルムがロール状形態である場合は、例えば70〜100℃の温度で、1時間以上加熱することが好ましく、2時間以上加熱することがより好ましく、5時間以上加熱することが特に好ましい。
離型フィルムの加熱による剥離力低減効果は、離型層がLLDPEとVLDPEを含有する場合に大きくなる傾向にある。LLDPEとVLDPEを含有する離型層を有する離型フィルムは、上記の加熱処理を施すことによって、離型層表面にエンボス処理などで凹凸を形成しなくても剥離力を低減することができる。
つまり、LLDPEとVLDPEを含有する離型層を有する離型フィルムは、離型層表面の算術平均粗さRaが0.5μm未満であっても、粘着シートとの剥離力を低減することができる。
本発明の離型フィルムは、離型層表面の粘着テープに対する剥離力(常態剥離力)が、7.0N/50mm以下が好ましく、4.0N/50mm以下がより好ましく、さらに2.0N/50mm以下が好ましく、1.0N/50mm以下が特に好ましい。上記剥離力の下限は0.05N/50mm程度である。また、加熱剥離力と常態剥離力の差(加熱剥離力から常態剥離力を差し引いた値)は、2.0N/50mm以下が好ましく、1.0N/50mm以下がより好ましく、さらに0.7N/50mm以下が好ましく、0.3N/50mm以下が特に好ましい。
ここで、離型層表面の粘着テープに対する剥離力は、後述の実施例において、剥離力(B)として測定したものである。測定方法の詳細は後述する。また、常態剥離力および加熱剥離力についても、剥離力(B)の測定方法に準じる。
[背面層]
本発明の離型フィルムは、支持層の離型層を有する面とは反対面に背面層を有することが好ましい。背面層は、支持層の保護あるいは離型フィルムの滑り性向上のために設けることができる。
背面層は、ポリオレフィンを含有することが好ましく、ポリオレフィンを主成分として含有することがより好ましい。ここで、ポリオレフィンを主成分として含有するとは、背面層の固形分総量100質量%に対してポリオレフィンを50質量%以上含有することを意味するものであり、ポリオレフィンを60質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することがさらに好ましく、80質量%以上含有することが特に好ましい。上限は100質量%である。
ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレンおよび炭素数が4〜10のα−オレフィンの単独重合体、並びにこれらの共重合体が挙げられる。炭素数が4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等を挙げられる。
上記共重合体としては、例えば、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレンと炭素数が4〜10のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数が4〜10のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
上記ポリオレフィンは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
背面層は、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。ポリエチレンとしては、前述の低密度ポリエチレン(A)が好ましく用いられる。ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体が好ましく用いられる。
背面層は、離型層と同種の組成で構成されてもよいし、異種の組成で構成されてもよい。
背面層は、離型フィルムの滑り性を確保するという観点から、比較的粗面であることが好ましい。特に、離型層表面が比較的平滑である場合(エンボス処理などによる凹凸が形成されていない場合)、具体的には、離型層の表面の算術平均粗さRaが0.5μm未満、さらに0.3μm未満の場合には、背面層は比較的粗面であることが好ましい。例えば、背面層の表面の算術平均粗さRaは0.1〜0.5μmであることが好ましく、0.2〜0.4μmであることがより好ましい。同様に、背面層の表面の最大高さ粗さRzは1.0〜7.0μmであることが好ましく、1.5〜6.0μmであることがより好ましく、2.0〜5.0μmであることが特に好ましい。
背面層を粗面化するために、背面層はプロピレン単独重合体とプロピレン単独重合体以外のポリオレフィンを含有することが好ましい。プロピレン単独重合体以外のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、炭素数が4〜10のα−オレフィンの単独重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、およびエチレンと炭素数が4〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。これらの中でも、プロピレン−エチレン・ランダム共重合体が好ましい。
背面層の厚みは、2〜40μmが好ましく、5〜40μmがより好ましく、さらに10〜35μmが好ましく、15〜30μmが特に好ましい。
離型フィルムが、離型層/支持層/背面層の構成である場合、離型フィルムの剛性を確保してカールを抑制するという観点から、離型層と背面層の合計厚みに対する支持層厚みの比率{(支持層厚み)/(離型層と背面層の合計厚み)}は、1.0以上4.0未満が好ましく、1.2以上3.5未満が好ましく、1.5以上3.0未満が特に好ましい。
[適用例]
本発明の離型フィルムは、粘着シートの離型フィルムとして好適である。つまり、本発明の離型フィルムは、基材フィルム上に粘着層を備えた粘着シートの粘着層上に積層される離型フィルムとして好適である。
特に、本発明の離型フィルムは、ハードディスクドライブ用粘着シートの離型フィルムとして好適である。この粘着シートは、シリコーン化合物を含まない非シリコーン粘着シートであることが好ましい。
[粘着シート]
本発明の離型フィルムが適用される粘着シートは、特に限定されないが、粘着シートを構成する粘着層には、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤などの非シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。特に、アクリル系粘着剤が好ましい。
粘着シートを構成する基材フィルムとしては、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルムなどのプラスチックフィルム、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、およびプラスチックフィルムと金属箔との積層フィルムが挙げられる。
本発明の粘着シート積層体(離型フィルム付き粘着シート)は、本発明の離型フィルムと粘着シートとが積層されてなる粘着シート積層体であって、前記粘着シートは基材フィルム上に粘着層を備えた粘着シートであり、前記離型フィルムの離型層と前記粘着シートの粘着層とが接するように積層されてなる。
上記粘着シート積層体は、ハードディスクドライブ用粘着シート積層体であることが好ましい。この粘着シートは、非シリコーン系粘着シートであることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法および評価方法]
(1)ポリエチレンの密度の測定
JIS K7112(1999)に従って密度勾配管法(23℃)により測定した。
(2)支持層に含まれるポリプロピレンの結晶化度の測定
作製した離型フィルムから、示差走査熱量計(DSC)(島津製作所製DSC−60Plus)を用いて、以下の方法で測定した。
<測定方法>
0℃から250℃まで、昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱量を求めた。得られた融解熱量ΔH(J/g)より、(ΔH/樹脂分率/209)×100(%)の式から結晶化度を求めた。ここで、樹脂分率とは材料中のポリマー分率を示し、樹脂成分が100%であれば1.0である。209は、ポリプロピレンの100%結晶化時の融解熱量(J/g)である。
(3)密着性の評価
離型フィルムの離型層の面に、1mmのクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼り付け、指で強く押し付けた後、90度方向に急速に剥離した。セロハンテープを剥離した後の離型層面に残存したクロスカットの個数により、以下の基準で密着性を評価した。
A;100個
B;80〜99個
C;50〜79個
D;50個未満。
(4)剥離力(A)の測定
離型フィルムの離型層表面に下記の粘着シートの粘着面が向き合うように貼り付け自重5kgのゴムローラーで押さえながら一往復させて貼り合わせて粘着シート積層体(離型フィルム付き粘着シート)を作成した。
この粘着シート積層体を、室温(23±2℃)で24時間放置したサンプル、40℃で10日間加熱したサンプルを作製し、それぞれのサンプルについて、引張り試験機(島津製作所社製「EZ−SX」品番)にて、300mm/minの速度で、粘着シート側を180°に引き剥したときの剥離力を測定した。
室温(23±2℃)で24時間放置したサンプルの剥離力を常態剥離力、40℃で10日間加熱したサンプルの剥離力を加熱剥離力とした。
<粘着シート>
n−ブチルアクリレート93質量部とアクリル酸7質量部とを、酢酸エチル中で重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)の存在下で常法により溶液重合させて、質量平均分子量が150万のアクリル系ポリマー溶液(固形分濃度25質量%)を得た。このアクリル系ポリマー溶液100質量部に、架橋剤としてトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製「コロネートL」)を2質量部加えて、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
このアクリル系粘着剤組成物を、厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製“ルミラー(登録商標)”S−105)上に、乾燥厚みが25μmとなるように塗布し、140℃で3分間乾燥してアクリル系粘着シートを得た。
(5)剥離力(B)の測定
離型フィルムの離型層表面にアクリル系粘着テープ(日東電工(株)製の「No.31B」)の粘着面が向き合うように重ねて自重5kgのゴムローラーで押さえながら一往復させて貼り合わせて、室温(23±2℃)で24時間放置したサンプルおよび70℃で24時間加熱したサンプルをそれぞれ作製した。それぞれのサンプルについて、引張り試験機(島津製作所社製「EZ−SX」品番)にて、300mm/minの速度で、粘着シート側を180°に引き剥したときの剥離力を測定した。
室温(23±2℃)で24時間放置したサンプルの剥離力を常態剥離力、70℃で24時間加熱したサンプルの剥離力を加熱剥離力とした。
(6)離型層(背面層)表面の算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRzの測定
JIS B0601(2001)に準拠して表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製の「サーフテストSJ−400」)を用いて測定した。
<測定条件>
・触針先端半径;2μm
・測定力;0.75mN
・カットオフ値;λs=2.5μm、λc=0.8mm
(エンボス処理後のカットオフ値;λs=2.5μm、λc=2.5mm)。
[実施例1]
離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを、下記の原料を用いて3層溶融共押出法にて作製した。各層のダイ温度を、離型層が225℃、支持層が250℃、背面層が220℃に設定し、60℃に保たれたキャスティングドラム上に、離型層の厚みが20μm、支持層の厚みが60μm、背面層の厚みが20μmとなるように押し出して、総厚みが100μmの離型フィルムを作製した。
この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)10質量部との混合物
・背面層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標”SP0540;密度0.903g/cm)。
[実施例2]
支持層原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)97質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)3質量部との混合物。
[実施例3]
支持層原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)93質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)7質量部との混合物。
[実施例4]
支持層原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)80質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)20質量部との混合物。
[実施例5]
支持層原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)70質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)30質量部との混合物。
[実施例6]
各層の原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)10質量部との混合物
・背面層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)。
[実施例7]
各層の原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)10質量部との混合物
・背面層原料;分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)。
[実施例8]
各層の原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)80質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)20質量部との混合物
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)10質量部との混合物
・背面層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)80質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)20質量部との混合物。
[実施例9]
各層の原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)75質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)15質量部とエチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製“タフマーP(登録商標)”P0180)10質量部との混合物
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)10質量部との混合物
・背面層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)。
[実施例10]
離型層/支持層の2層積層構成の離型フィルムを、下記の原料を用いて2層溶融共押出法にて作製した。各層のダイ温度を、離型層が225℃、支持層が250℃に設定し、60℃に保たれたキャスティングドラム上に、離型層の厚みが25μm、支持層の厚みが75μmとなるように押し出して、総厚みが100μmの離型フィルムを作製した。
この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)90質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)10質量部との混合物。
[実施例11]
離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを、下記の原料を用いて3層溶融共押出法にて作製した。各層のダイ温度を、離型層が225℃、支持層が250℃、背面層が250℃に設定し、60℃に保たれたキャスティングドラム上に、離型層の厚みが15μm、支持層の厚みが40μm、背面層の厚みが5μmとなるように押し出して、総厚みが60μmの離型フィルムを作製した。得られた離型フィルムは、90℃で60秒間加熱処理した。
なお、背面層表面の算術平均粗さRaは0.3μm、最大高さ粗さRzは2.6μmであった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)90質量部と直鎖状超低密度ポリエチレン(エチレン−1−オクテン共重合体;ダウケミカル社製“アフィニティー(登録商標)”KC8852G;密度0.875g/cm)10質量部との混合物
・支持層原料;高密度ポリエチレン( 日本ポリエチレン(株)製“ノバテック(登録商標)”HF562;密度=0.961g/cm)75質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)25質量部との混合物
・背面層原料;ポリプロピレン(住友化学(株)製“ノーブレン(登録商標)“FLX80E4)80質量部とプロピレン−エチレン・ランダム共重合体(エチレン含有量5質量%)20質量部との混合物。
[実施例12]
離型層原料を以下のように変更した以外は、実施例11と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製し、同様に加熱処理した。なお、背面層表面の算術平均粗さRaは0.3μm、最大高さ粗さRzは2.6μmであった。
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)85質量部と直鎖状超低密度ポリエチレン(エチレン−1−ブテン共重合体;三井化学(株)製“タフマーP(登録商標)”P1070S;密度0.870g/cm)15質量部との混合物。
[実施例13]
支持層原料を以下のように変更した以外は、実施例11と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製し、同様に加熱処理した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。なお、背面層表面の算術平均粗さRaは0.3μm、最大高さ粗さRzは2.6μmであった。
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)75質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)25質量部との混合物。
[実施例14]
支持層原料を以下のように変更した以外は、実施例11と同様にして離型層/支持層/背面層の3層積層構成の離型フィルムを作製し、同様に加熱処理した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は、70%であった。なお、背面層表面の算術平均粗さRaは0.3μm、最大高さ粗さRzは2.6μmであった。
・支持層原料;高密度ポリエチレン( 日本ポリエチレン(株)製“ノバテック(登録商標)”HF562;密度=0.961g/cm)60質量部とポリプロピレン(住友化学(株)製“ノーブレン(登録商標)“FLX80E4)15質量部と直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP2540;密度0.924g/cm)25質量部との混合物。
[比較例1]
各層の原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)
・背面層原料;分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)。
[比較例2]
各層の原料を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。この離型フィルムの支持層におけるポリプロピレンの結晶化度は70%であった。
<各層の原料>
・離型層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)75質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)15質量部とエチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製“タフマーP(登録商標)”P0180)10質量部との混合物
・支持層原料;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製“ノバテックPP(登録商標)”FL4)
・背面層原料;直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)。
[比較例3]
厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製“ルミラー(登録商標)S−105)上に、タンデム方式にて、先ず、分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)をダイ温度325℃にて押出し積層して、アンダーコート層(UC層;乾燥厚み10μm)を形成した。続いて、このアンダーコート層の上に、下記の離型層原料をダイ温度273℃にて押し出して離型層(乾燥厚み厚み10μm)を積層した。
<離型層原料>
直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製“エボリュー(登録商標)”SP0540;密度0.903g/cm)75質量部と分岐状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製“スミカセン(登録商標)”CE3059;密度0.924g/cm)15質量部とエチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製“タフマーP(登録商標)”P0180)10質量部との混合物。
[評価]
上記で作製した実施例および比較例の離型フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2020050037
[実施例21〜31]
実施例1および実施例6〜11で作製したそれぞれの離型フィルムに以下のエンボスロールを用いてエンボス処理を施して、離型層表面に微細な凹凸が形成された離型フィルムを得た。エンボス処理は、140℃に加熱されたエンボスロールを離型フィルムの離型層に押し当てることで実施した。エンボス処理前の離型フィルムとエンボスロールとの関係を表2に示す。
<エンボスロール>
・エンボスロール1;比較的深めの梨地状に加工されたエンボスロール
・エンボスロール2;比較的浅めの梨地状に加工されたエンボスロール
・エンボスロール3;絹目状に加工されたエンボスロール
[評価]
上記で作製した実施例の離型フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2020050037

Claims (14)

  1. 少なくとも支持層と離型層を有する離型フィルムであって、前記離型層は密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(A)を含有し、前記支持層はポリプロピレン(B)および密度が0.941g/cm以上の高密度ポリエチレン(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種と密度が0.940g/cm以下の低密度ポリエチレン(D)とを含有する、離型フィルム。
  2. 前記離型層における低密度ポリエチレン(A)は、少なくとも密度が0.850〜0.940g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記離型層は、密度が0.850〜0.940g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンとして、密度が0.900g/cm以上0.940g/cm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと、密度が0.850g/cm以上0.900g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項2に記載の離型フィルム。
  4. 前記離型層が、前記密度が0.900g/cm以上0.940g/cm以下の直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して前記密度が0.850g/cm以上0.900g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレンを2〜30質量部含有する、請求項3に記載の離型フィルム。
  5. 前記支持層に含有するポリプロピレン(B)の結晶化度が40%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム。
  6. 前記離型層の表面の算術平均粗さRaが0.5〜7.0μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の離型フィルム。
  7. 前記支持層において、ポリプロピレン(B)と高密度ポリエチレン(C)の合計(B+C)と低密度ポリエチレン(D)との含有比率{(B+C):(D)}が、質量比で97:3〜60:40である、請求項1〜6のいずれかに記載の離型フィルム。
  8. 前記支持層の厚み(St)に対する前記離型層の厚み(Rt)の比率(Rt/St)が0.05〜0.50である、請求項1〜7のいずれかに記載の離型フィルム。
  9. 前記支持層の離型層を有する面とは反対面に背面層を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の離型フィルム。
  10. 前記背面層がポリオレフィンを含有する、請求項9に記載の離型フィルム。
  11. 前記背面層の表面の算術平均粗さRaが0.1〜0.5μmである、請求項9または10に記載の離型フィルム。
  12. ポリオレフィンの多層共押出フィルムからなる、請求項1〜11のいずれかに記載の離型フィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の離型フィルムと粘着シートとが積層されてなる粘着シート積層体であって、前記粘着シートは基材フィルム上に粘着層を備えた粘着シートであり、前記離型フィルムの離型層と前記粘着シートの粘着層とが接するように積層されてなる、粘着シート積層体。
  14. ハードディスクドライブ用である、請求項13に記載の粘着シート積層体。
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