JP5360723B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、主として光学用分野で使用される偏光板や位相差板等の各種光学フィルム等の表面に仮着させ使用する表面保護フィルムに関し、特に、該表面保護フィルムのフィッシュアイや巻きジワ、更には背面層表面の微細な凹凸等により被着体に凹みや変形等の打痕欠点を生じさせることなく、また、被着体表面を汚染することのない特徴を有する表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムは過酷な使用条件に耐える粘着機能を保持しながら、表面保護機能を終えた際には、容易に剥離できる軽度の密着力であることが要求され、しかも被着体を汚染してはならず、表面保護フィルムの痕跡を被着体に残さないことが要求される。光学用に供する場合は、特に被着体を汚染しないことに加え、表面保護フィルム中のフィッシュアイ等の凸部欠点や巻きジワ等により被着体に凹みや変形等の打痕欠点を生じさせないことが厳しく要求される。この要求は近年、益々厳しくなってきており、被着体に表面保護フィルムが貼り合わされた後、ロール状に巻き取られ、巻重体として長期間保管された場合においても、巻き締まり等の影響を受け押圧が負荷されるためか、極微小のフィッシュアイによる凸部欠点や極く僅かな巻きジワ、更には表面の微細な凹凸等による凹みや変形等の打痕欠点が生じる場合があり、かかる欠点までが無きことを要求されている。
尚、表面保護フィルムは通常、ロール状で供されるが、粘着層と背面層間の滑り性、耐ブロッキング性に優れ(巻きだし容易性)、被着体に貼り込む際の作業性が安定しており、加工性にも優れることは基本的な要求事項である。
上述の如く、表面保護フィルムは材料特性として、活性と不活性な裏腹な機能を同時に満足させる必要があり、これらの要求特性を満足させるべく、種々数多くの提案がなされてきている。
表面保護フィルムの高温加工等における粘着昂進を防ぐための手段としては、粘着層にエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる提案が数多くなされている(特許文献1、2、3)。
また、表面保護フィルムの巻きだし容易性を改善する方法として、基材層を構成する熱可塑性樹脂に無機粒子を添加することなどが提案されている(特許文献4)。
更に、保護フィルムを被着体に貼合わせた状態で、打ち抜きや絞り加工、切断や研磨加工が施されるが、かかる二次加工性改良として種々提案されているが、いずれも一長一短の面があり、複数の交錯している特性を同時に満足するものは見出されておらず、本発明者等はかかる複数の交錯している特性を同時に満足する提案を行っている(特許文献5)。
また、近時、要求が益々高まってきているフィッシュアイ等の凸部欠点による被着体への凹み等(打痕)を解消すべく、基材層にポリエチレン系樹脂を用いた提案(特許文献6)、或いは、ポリプロピレン系樹脂を用いた提案(特許文献7)がなされているが、未だ微小フィッシュアイ等により被着体への打痕解消に対しては十分に満足されるレベルまでには至っていない。
即ち、特許文献6においては、基材層に低密度ポリエチレン等を使用することを提案しているものの、フィッシュアイそのものを完全に解消することはできず、非常に平滑な表面を有する位相差板等に対しては、基材層に比較的柔軟なポリエチレン系樹脂を使用していても、該表面保護フィルムと被着体を貼合わせ、ロール状の巻物として長期間保管したりすると、該表面保護フィルムが有するフィッシュアイによる膨らみ(凸)部分に応力集中が生じることから、かかる膨らみにより被着体に凹み欠点が生じ、未だ完全に被着体のフィッシュアイ等による打痕を解消することは困難であった。また、特許文献7では基材層にポリプロピレン系樹脂を用いフィッシュアイ自体を低減させることが提案されているが、基材層にポリプロピレン系樹脂を用いた場合、フィッシュアイ自体の個数は低減できても基材層が硬くクッション性に劣ることから、逆にフィッシュアイ欠点が存在すると被着体への打痕はポリエチレン系樹脂を使用した場合より酷くなる傾向にあった。
尚、本発明者等の提案(特許文献5)によっても、微小なフィッシュアイ等の欠点や巻きジワ、表面の微細な凹凸により被着体に凹みや変形を生じさせないこと等の高度な要求品質を全ての光学用フィルムに対しては十二分には満足させるまでには至ってはいなかった。特に、被着体に貼り合わされた後、ロール状に巻き取られ、かかる巻重体として長期間保管された場合等に微小なフィッシュアイの凸部により被着体に凹みが生じる場合があった。
かかる問題に対し、本出願人は、背面の表面粗度を大きくすることでフィッシュアイ等のふくらみ(凸部欠点)を背面の凹凸で緩和・吸収させることによって、フィッシュアイ等の欠点による被着体の凹みが改善されることを提案(特許文献8)しているが、比較的表面の硬い被着体に対しては十分な改善効果が得られるものの、極一部の非常に柔らかい被着体(薄膜の位相差フィルム等)に対しては、背面の凹凸が被着体に転写してしまうという新たな欠点を有していた。
特開平3−47886号公報 特開平4−55488号公報 特開平5−239418号公報 特開昭55−165974号公報 特開2008−30349号公報 特開平9−111208号公報 特開2009−143215号公報 特願2010−91947号
本発明は、粘着層、中間層及び背面層からなる積層構成において、特に微小なフィッシュアイ等の欠点や巻きジワ、更には背面層表面の微細な凹凸等により被着体に凹みや変形等を生じさせないこと等の高度な品質が要求される偏光板や位相差板等の光学用フィルムに対して、粘着力が昂進することなく、かつ、被着体を汚染したり、被着体に凹みや変形等の打痕欠点を生じさせることがない表面保護フィルムを提供せんとするものである。
表面保護フィルムは実用において、多種多様の使用条件や要求品質特性があり、かかる使用条件において、工業的に円滑かつ容易に取り扱うことができ、また、かかる要求品質特性を満たして、はじめて目的を達成しうるものである。
そのためには、粘着に係る機能に止まらず、表面保護フィルムの各種の加工性や取り扱いに関する基本的な性能は言うに及ばず、近年、特に、偏光板や位相差板等の光学フィルムで要求されるフィッシュアイやフィルムの各種シワ等が起因で被着体に凹み等の打痕や汚染などが生じないことが重要であり、本発明は、上記従来技術の背景に鑑み、滑り性やブロッキング性や腰があり取り扱い易い等のハンドリング性をはじめ、基本的な粘着特性を満足するとともに粘着昂進も少なく、かつ、近年、厳しく要求されるフィッシュアイ等や各種シワ更には背面層表面の微細な凹凸等による被着体への凹みや変形も生じ難い表面保護フィルムを提供せんとするものである。
特に、被着体に貼り合わされた後、ロール状に巻き取られ、かかる巻重体として長期間保管された場合等にフィルム表面の微細な凹凸状態が被着体に転写することのない表面保護フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の表面保護フィルムは、粘着層と背面層と中間層の3層積層形態からなり、該粘着層は、エチレン・α−オレフィン共重合体およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種からなり、該中間層は密度0.870〜0.935g/cmのポリエチレン系樹脂、およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有し、該背面層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂で構成されてなり、該背面層の表面粗さがJIS B0601−1982に準拠される中心面平均粗さ(SRa)として0.2〜0.6μmで、十点平均粗さ(SRz)として2.0〜5.0μm、かつ、ISO 4287−1997に準拠される凹凸平均間隔(RSm)が0.08mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、前記課題を解決し、被着体との貼合わせ時のフィルム巻きだし時には容易に巻き戻すことができ、腰があり、被着体との貼り合わせ加工においても、取り扱いし易く加工性に優れ、特に、偏光板や位相差板等の光学フィルムで要求されるフィッシュアイや各種シワ、更には背面層表面の微細な凹凸等が起因で被着体に凹みや変形等の打痕や汚染などが生じることのない表面保護フィルムを再現性よく提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は、前記課題、つまり、粘着力や多種多様な加工特性、ブロッキング性で代表されるハンドリング性(表面特性)をはじめ、特にフィッシュアイ等の凸部欠点やフィルムの各種シワまたは背面層表面の微細な凹凸等が起因で被着体に凹みや変形等の打痕欠点や汚染などが生じることのない表面保護フィルムについて、鋭意検討し、フィッシュアイ等の膨らみによる凸部の応力集中を緩和させる特定な粘着層、中間層、背面層からなる積層形態にすることで、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
先ず、本発明の粘着層の要件は次の通りである。
本発明の粘着層は、エチレン・α−オレフィン共重合体およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種からなる。エチレン・α−オレフィン共重合体とはいわゆる直鎖状低密度ポリエチレンあるいは超低密度ポリエチレンを指し、コモノマーであるα−オレフィンの化学構造は特に限定されるものでないが、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等を挙げることができる。中でもα−オレフィンとして、ヘキセン−1を用いると平滑な粘着表面が得られ、被着体に対する密着力も安定し、汚染性に優れることから特に好ましい。該エチレン・α−オレフィン共重合体の密度としては、0.870〜0.935g/cmの範囲のものを用いることができるが、特に120℃以上の高温処理が施されても粘着昂進しない特性を要求される場合、該エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は0.910〜0.935g/cmの範囲で、融点の主ピークが100〜130℃の範囲のものを使用すると、被着体を汚染することなく、被着体に対する密着力も安定し、高温処理が施されても粘着昂進し難いなどの優れた粘着特性が得られることから特に好ましい。かかるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度や融点はα−オレフィンの短鎖分岐の状態やそれによる結晶状態などにより決まる。エチレン・α−オレフィン共重合体の構造因子は、その平均分子量、分子量分布の他に短鎖分岐種、短鎖分岐度及び組成分布などがあるが、密度、融点の要件はコモノマー量が10モル%までで得ることが出来る。かかるエチレン・α−オレフィン共重合体は複数の融点ピークを示すこともあるが、本発明では示差走査熱量計を用いた示差走査熱量測定(DSC)曲線から求められる融点の主ピークを指す。エチレン・α−オレフィン共重合体は従来のマルチサイト触媒による重合方法に加え、シングルサイト触媒(カミンスキー触媒、メタロセン触媒)を用いた重合方法を用いて得られたもの、いずれも本発明において有用することができる。
他の成分として、他のポリオレフィン、オレフィン共重合体のポリマや脂肪族化合物ないしは環式化合物を含んでもよいが、必要最小限量に止めるのが好ましい。必要以上に配合すると被着体汚染の原因となる。
本発明において、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(以下にMMA共重合体と略す)としては、エチレンにメチルメタクリレート(以下にMMAと略す)を共重合した樹脂を用いることができ、MMAの共重合割合としては、5重量%〜約40重量%共重合されたものが入手可能であるが、粘着層樹脂としては、MMA共重合割合が5重量%〜20重量%の範囲のものが好ましい。中でもMMA共重合割合10重量%〜15重量%の範囲のものは、粘着力、耐熱性の観点からより好ましい。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・メチルメタクリレート共重合体はそれぞれ単独で粘着層を構成することも、また、任意の割合で所望する粘着力に適合するように適宜調整することも可能である。
尚、上記エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・メチルメタクリレート共重合体の押出成形時の熱劣化を抑制し、フィッシュアイの核となるゲル発生を防止する目的から酸化防止剤を500〜3,000ppm添加することは好ましい方法であるが、但し、添加し過ぎると被着体を汚染する恐れがあるため、最小必要量に限定するのが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系、芳香族アミン系、チオエーテル系、リン系などがあり、少量配合で効果を高めるため、2種以上のものを併用するのが好ましい。例えば、フェノール系とリン系の併用は好ましい方法である。
また、粘着層には、粘着力を高めるために、テルペン化合物等の粘着付与剤を添加してもよいが、後述の如く、平滑な表面を有する偏光板や位相差板等の被着体に用いる場合は粘着付与剤を用いなくとも適度な粘着特性をもたせることが出来る。尚、かかる粘着付与剤としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等の構造ユニットを有するポリテルペンやかかる水添化物(水添テルペン樹脂)、かかる変性物としてのテルペンスチレン樹脂、テルペンフェノール樹脂、また、ロジン類としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジン変性物、誘導体としてロジン或いは水添ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリットエステルなどを例示することができる。
次に本発明の中間層の要件は次の通りである。
即ち、本発明の表面保護フィルムの中間層は、密度0.870〜0.935g/cmのポリエチレン系樹脂、およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種から主として構成される。かかるポリエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンを挙げることができる。中間層は後述するフィッシュアイ等の膨らみ(凸部欠点)の被着体に対する応力集中を緩和させ、クッション性をもたせることから柔軟な樹脂から構成することが肝要である。ここで、樹脂の柔軟性を示す1つの尺度として曲げ弾性率が挙げられるが、かかる曲げ弾性率が500MPa以下、より好ましくは300MPa以下が望ましい。曲げ弾性率を500MPa以下とすることで、フィッシュアイ等の膨らみの被着体に対する応力を緩和させ、被着体への打痕のダメージを軽減することができる。また、曲げ弾性率を20MPa以上とすることで、後述の本発明の背面層の樹脂構成と相まって、コシのある扱い易い表面保護フィルムとすることができる。
中でも密度0.910〜0.935g/cmの高圧法低密度ポリエチレンは、樹脂そのものが有するフィッシュアイも少なく、クッション性にも優れることから好ましい。
また、密度0.870〜0.935g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンは、中間層を柔軟なものにすると共に、展延性に富み、高速で薄膜フィルムを製膜し得ることからより好ましい。更に、密度0.870〜0.91g/cmのいわゆる超低密度ポリエチレンは、中間層をより柔軟なものとし、クッション性に頗る富むことから特に好ましく用いることができる。逆に、密度が0.870g/cmを下回ると、柔軟化しすぎるため、後述の背面層の樹脂構成とを組み合わせても腰がなく、取り扱いし難くなるので望ましくない。かかる超低密度ポリエチレンとしては、コモノマーにヘキセン−1やオクテン−1を用いたポリエチレン系プラストマーとして、日本ポリエチレン(株)製“カーネル”、住友化学(株)製“エクセレンVL”、東ソ(株)製“LUMITAC”、ダウケミカル(株)製“アフィニティー”、“ナックフレックス”等を挙げることができる。
また、中間層に用いることのできるエチレン・メチルメタクリレート共重合体としては、前述の粘着層構成樹脂と同一のものであっても、異なるものであってもよい。かかるエチレン・メチルメタクリレート共重合体は上記ポリエチレン系樹脂と同等以上の柔軟性を有することから好ましい。樹脂としての曲げ弾性率では100MPa以下のものを容易に入手可能である。
本発明の表面保護フィルムにおいて、上記中間層には、密度0.870〜0.935g/cmのポリエチレン系樹脂、およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種に粘着層構成樹脂及び後述の背面層樹脂を添加・混合して用いてもよい。
一般に溶融共押出法で製膜した場合、端部の厚み不均一な部分はスリット工程等でスリットされ、除去されているが、かかる部分(フィルム屑)を中間層に用いることは、使用原料の量を低減でき経済的に好ましい方法である。
かかる場合のフィルム屑の中間層への添加・混合量としては、後述の背面層構成樹脂30重量%未満までが好ましい。かかるポリプロピレン系樹脂を主体とした背面層樹脂の含有量が多くなると、本発明の骨子である中間層の柔軟性が得られ難くなる。
尚、本発明の中間層は、密度0.870〜0.935g/cmのポリエチレン系樹脂およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種を好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上含有することにより、中間層を柔軟化でき、フィッシュアイなどの凸部欠点の応力集中を緩和することができるが、上記中間層には、その特性を阻害しない範囲内において、タルク、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム等の充填剤や滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、耐電防止剤、核剤等を適宜添加してもよい。また、これらを単独若しくは2種以上併用して添加してもよい。
次に本発明の背面層の要件は次の通りである。
即ち、本発明の表面保護フィルムの背面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂から構成されてなるが、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体やポリプロピレンホモポリマーを挙げることができる。
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体としては、ポリプロピレンブロック95〜70重量%と、プロピレンと炭素数2〜12(ただし、3を除く)のα−オレフィンとの共重合体ブロック5〜30重量%からなるブロック共重合体を挙げることができる。ここで、ポリプロピレンブロックとは、ホモポリプロピレンまたは、プロピレン以外のα−オレフィン成分が5重量%以下のプロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体成分からなるものをいう。プロピレン以外のα−オレフィン成分は、好ましくは4.5重量%以下、特に好ましくは4.0重量%以下である。
また、プロピレンと炭素数2〜12(ただし、3を除く)のα―オレフィンとの共重合体ブロックとしては、プロピレンと炭素数2〜12のα−オレフィンとの共重合体からなり、該共重合体中の炭素数2〜12のα−オレフィンの共重合割合は30〜80重量%が例示できるが、共重合割合は好ましくは35〜75重量%、特に好ましくは38〜72重量%である。上記炭素数2〜12のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは1種類でもよく2種類以上を混合して使用することもできるが、中でもエチレンとの共重合体ブロックが好ましい。
かかるエチレンとのブロック共重合体は、2段以上の重合槽を使用して共重合される公知の方法により得られるものである。
また、エチレン・プロピレンランダム共重合体としては、エチレンが0.5〜7重量%
共重合されたエチレン・プロピレンランダム共重合体を挙げることができる。
また、エチレン・α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体としては、エチレン・ブテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン・3−メチルブテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン・3−メチルペンテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン・4,4−ジメチルペンテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン・ビニルシクロペンタン−プロピレンランダム共重合体などの所謂ターポリマーを例示することができる。
かかるポリプロピレン系樹脂は単一で用いてもよいが、好ましくは、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体とポリプロピレンホモポリマー及び/又はエチレン・プロピレンランダム共重合体の混合組成、特に、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体15〜30重量%とポリプロピレンホモポリマー及び/又はエチレン・α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体80〜60重量%と後述のポリエチレン系樹脂5〜10重量%から構成することで、本発明の目的とする背面層の微細な粗面化が得られることから特に好ましい。
ここで、本発明における背面層の1構成要件であるポリエチレン系樹脂としては、密度範囲0.910〜0.965g/cm、特に、密度0.945〜0.965g/cmの高密度ポリエチレンが特に好ましく、190℃、荷重2.16kg/cm下でのMFRが0.5〜5g/10分と粘度の高いものが好ましい。該ポリエチレン系樹脂の190℃下MFRと前記ポリプロピレン系樹脂の230℃下MFRの差が大きい程、粗面化効果が顕著に発現されるためより好ましい。
尚、背面層はその他の配合剤を含有してもよいが、粘着層と同様に必要最小限量に止めることが重量である。必要以上に配合すると、被着体への汚染の原因になる。滑りやブロッキングに関する表面状態はポリマ構成要件により体勢が決まる。一般的に滑り性を発現させるために無機化合物の微粒子などが添加されるが、本発明では、かかる無機の微粒子などを配合することなく、良好な滑り性やブロッキング性が発現でき、かかる無機の微粒子により被着体を傷つけたりすることをも防止できる。
かかる構成よって形成される本発明の背面層の表面粗度は、JIS B0601−1982に準拠して、中心面平均粗さ(SRa)0.2〜0.6μm、十点平均粗さ(SRz)2.0〜5.0μmの範囲で、かつ、ISO 4287−1997に準拠される凹凸平均間隔(RSm)0.08mm以下と微細に粗面化された表面形状を有することを特徴とするものである。かかる凹凸の平均間隔(RSm)としては、特に0.06〜0.08mmが好ましく、狭い間隔で微細な凹凸が多数存在することで、非常に柔軟な被着体に適用した場合においても、かかる背面の凹凸形状が被着体に転写することも解消できる。かかる中心面平均粗さ(SRa)、十点平均粗さ(SRz)、凹凸の平均間隔(RSm)は、上述した通り、背面層をプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体15〜30重量%とポリプロピレンホモポリマー及び/又はエチレン・α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体80〜60重量%とポリエチレン系樹脂5〜10重量%から構成することで所定の範囲に制御することができる。
かかる本発明の背面層を構成することにより、フィルム同士の滑り性やブロッキング性を優れたものとすることをはじめ、本発明の目的であるフィッシュアイによる膨らみによる被着体への応力集中を背面層の粗面化で応力分散させると共に、中間層のクッション性を活かし、応力集中を緩和せしめ、被着体への打痕を解消することができる。
本発明の表面保護フィルムは、背面層が中心面平均粗さ(SRa)0.2〜0.6μm、十点平均粗さ(SRz)2.0〜5.0μm、更に凹凸平均間隔(RSm)0.08mm以下と微細に凹凸化した表面状態からなり、逆に、粘着層側は中心面平均粗さ(SRa)0.2μm以下、十点平均粗さ(SRz)が2μm以下の平滑な表面形状を有する構造を形成することにより、安定した粘着力と優れたフィルムのハンドリング機能を同時に満足することができる。かかる表面粗さは、通常用いられている表面形状測定機により測定した粗さプロフィル(粗さ曲線)を3次元解析し、求めることができる。
次に、本発明の表面保護フィルムの製造方法について説明する。
本発明の表面保護フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、粘着層樹脂として、エチレン・α−オレフィン共重合体、又はエチレン・メチルメタクリレート共重合体、又はこれらの混合樹脂を、中間層樹脂として、主として密度0.870〜0.935g/cmのポリエチレン系樹脂、又はエチレン・メチルメタクリレート共重合体、又はこれらの混合樹脂を、背面層樹脂として、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体15〜30重量%とポリプロピレンホモポリマー及び/又はエチレン・α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体80〜60重量%とポリエチレン系樹脂5〜10重量%からなる混合樹脂組成物とをそれぞれ個別の押出機から溶融押出し、口金内で積層一体化せしめ、所謂3層共押出することにより粘着層、中間層、背面層とを積層一体化して成形した後、ロール状に巻き取ることにより表面保護フィルムを製造する方法、上記粘着層、中間層、背面層をそれぞれ個別に溶融押出した後、ラミネート法により、上記粘着層、中間層、背面層を積層一体化する方法等が挙げられる。
尚、前者においては、Tダイ法やインフレーション法等の公知の方法が用いられ、後者においては、ドライラミネーション或いはTダイによる溶融押出法又は押出コーティング法を用いることができるが、厚み精度に優れること及び表面形状の制御の面から、Tダイ法による溶融共押出法が品質上、経済上の点から好ましい。
本発明の表面保護フィルムの厚みは、被着体の厚み及び被着体の要求品質レベルにより異なるが、一般的には成形性、使いやすさの観点から20〜100μmの範囲で適宜選択できる。特に20〜50μmの範囲が好ましい。
尚、粘着層、中間層、背面層、それぞれ各層の厚みも上記記載の如く、要求レベルに応じて適宜調整されればよいが、本発明の3層積層フィルムにあっては、粘着層、中間層、背面層の厚み比率(%)はそれぞれ15〜40:81〜45:4〜15の比率が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例、比較例の「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び評価方法を以下に示す。
(1)表面粗さ
表面粗さは、(株)小坂研究所製の全自動微細形状測定機(SURFCORDER ET4000A)を用い、JIS B0601−1982に準拠し、フィルム横方向(フィルムのTD方向)に測定長さ4mmで、長手方向(マシン方向)に10μmピッチで10回測定して3次元解析し、中心面平均粗さ(SRa)及び、十点平均粗さ(SRz)をそれぞれ求めた(単位はμm)。尚、触針先端半径2.0μm、頂角60°のダイヤモンド針を使用、測定力100μN、カットオフ0.8mmで測定した。
(2)凹凸の平均間隔(RSm)
(1)で測定した粗さ曲線のうちの1本を選択し、その最初の1mmまでのデータを小坂研究所製三次元粗さ解析システム(i−STAR)に取り込み、ISO 4287−1997に準拠して再解析する操作を異なる10本の粗さ曲線について行い、得られた値を平均して凹凸の平均間隔RSm(mm)を算出した。
(3)試料サンプルの貼り付け
温度23℃、湿度50%RHの条件下で24時間、保管・調整した実施例及び比較例の試料サンプルを被着体に、ロールプレス機((株)安田精機製作所製特殊圧着ローラ)を用い、貼込圧力9,100N/m、貼込速度300cm/分で貼り付けた。
(4)背面凹凸の被着体への転写性
試料サンプルを被着体と貼り合わせたものを5組重ね合わせ、両側を平滑なポリカーボネート板(板厚み2mm)で挟み込み、荷重1.3kg/cmを負荷し、60℃熱風オーブン中で7日間保管した後、背面凹凸の被着体への転写の有無を評価した。尚、転写の有無は肉眼では判定し難いため、被着体の試料サンプルの背面側と接している方の面にアルミ蒸着を施した後、蛍光灯の光を反射させて背面凹凸による凹みの発生有無を判定した。
○:背面凹凸による凹み発生が全く認められない
△:極く僅かに背面凹凸による凹みが認められる
×:僅かであるが背面凹凸による凹みが明らかに認められる。
(5)フィッシュアイの被着体への転写性(被着体へのへこみ発生)
予め試料サンプルのフィッシュアイ欠点を国立印刷製造のきょう雑物測定図表と対比し、0.05〜0.1mmサイズのフィッシュアイ欠点部を選別し、該欠点を有する部分を含む試料サンプルを被着体と貼り合わせ、(4)と同時に評価した。被着体より試料フィルムを剥がし、被着体がフィッシュアイによりへこみが生じていないか判定した。尚、目視にてフィッシュアイ欠点部が全く見つけられなかったサンプルにおいては、試料サンプルをそのまま使用した。
○:フィッシュアイによる凹み発生が全く認められない
△:僅かにフィッシュアイによる凹みが認められる
×:フィッシュアイによる凹みが明らかに認められる。
(6)MFR
(株)東洋精機製作所製メルトインデックサを用い、JIS K7210−1997に準拠し、ポリプロピレン系樹脂の場合は温度230℃、荷重21.6Kg/cmで、ポリエチレン系樹脂及びエチレン・メチルメタクリレートの場合は温度190℃、荷重21.6Kg/cmで測定した。単位はいずれもg/10分である。
(実施例1)
各層の構成樹脂を次のように準備した。
粘着層樹脂として、リン系酸化防止剤1000ppmを含有する密度0.922g/cm、融点116℃、190℃下MFR5.0g/10分のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を用い、中間層樹脂として、密度0.875g/cm、190℃下MFR3g/10分の超低密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、230℃下MFR7g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合体(ポリプロピレンブロック80重量%と、プロピレンとエチレンとの共重合体ブロック20重量%からなるエチレン・プロピレンブロック共重合体)30重量%と230℃以下MFR7g/10分のポリプロピレンホモポリマー60重量%に加えて、190℃下MFR2g/10分、密度0.96g/cmの高密度ポリエチレン10重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用い、φ90mm(粘着層用)とφ115mm(中間層用)とφ65mm(背面層用)との3台の押出機を有する口金幅2400mmのTダイ型複合製膜機を用い、上記準備した樹脂組成物をそれぞれの押出機に導入し、粘着層厚み比率22%、中間層厚み比率70%、背面層厚み比率8%となるよう各押出機の吐出量を調整し、複合Tダイから押出温度210℃にて押出し、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜し、一旦、ロール状に巻き取った。
次いで、ロール状に巻き取ったフィルムを、スリット機に掛けて幅1600mm、長さ7,000mのサイズに仕上げ、ロール状に巻き上げたフィルムサンプルを得た。尚、スリット機にて所定幅の製品を得る際にも、離型処理等の処理を施す必要もなく、何ら抵抗なく容易にスリット機へ送り出す(巻き出す)ことができ、ブロッキングは全く認められなかった。
得られたフィルムのヘイズ値は44で、表面粗さを測定したところ、背面層の表面粗さ(SRa)0.49μm、(SRz)4.26μm、(RSm)0.07mmと背面層側は微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは検出出来ず、0個/mであった。
また、フィッシュアイは視認されなかったが(国立印刷製造のきょう雑物測定図表で対比した0.05mm〜0.1mmサイズのフィッシュアイは0個/m、更には、目視出来る約100μm以上のフィッシュアイも0個/m)、被着体として環状オレフィンからなる厚み50μmの薄膜位相差フィルムを用いて、背面凹凸の被着体への転写性を評価したところ、背面層が微細に凹凸化しているが、かかる背面層の凹凸転写も認められなかった。
(実施例2)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を、中間層原料としても実施例1と同一の超低密度ポリエチレンを用い、背面層樹脂として、実施例1と同一のエチレン・プロピレンブロック共重合体25重量%と同ポリプロピレンホモポリマー70重量%に加えて、190℃下MFR2g/10分、密度0.96g/cmの高密度ポリエチレン5重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は35で、表面粗さを測定したところ、背面層は表面粗さ(SRa)0.37μm、(SRz)3.13μm、(RSm)0.06mmと表面の微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは検出出来ず、0個/mであった。
また、フィッシュアイは実施例1と同様に視認されなかったが、被着体として環状オレフィンからなる薄番手の位相差フィルム(厚み50μm)を用いて、背面凹凸の被着体への転写性を評価したところ、被着体への凹みはなく、また、背面層の凹凸による被着体への転写も認められなかった。
(実施例3)
中間層樹脂として実施例1と同一の超低密度ポリエチレン50重量%と実施例2で得られたフィルム屑をペレタイズ化したもの(実施例2の樹脂構成と全く同一)50重量%とをヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例2と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は36で、表面粗さを測定したところ、背面層は表面粗さ(SRa)0.39μm、(SRz)3.21μm、(RSm)0.06mmと実施例2とほぼ同様な表面形状のものであった。
また、実施例2と同様フィッシュアイは検出されず、また、実施例1と同時評価で背面凹凸の被着体への転写性を評価したが、被着体への背面凹凸の転写も認められなかった。
(実施例4)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を、中間層樹脂として、密度0.924g/cm、190℃下MFR10g/10分の低密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、実施例1と同一のエチレン−プロピレンブロック共重合体25重量%と同ポリプロピレンホモポリマー70重量%、加えて190℃下MFR2g/10分、密度0.96g/cmの高密度ポリエチレン5重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は38で、表面粗さを測定したところ、背面層は表面粗さ(SRa)0.42μm、(SRz)3.73μm、(RSm)0.08mmと表面の微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは0個/mであった。
また、実施例1と同時評価で、背面凹凸の被着体への転写性を評価したところ、背面層の凹凸による被着体への転写も認められなかった。
(実施例5)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)40重量%と、MMA含有量が10重量%、密度0.93g/cm、190℃下MFR7g/10分のエチレン・メチルメタクリレート共重合体60重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用い、中間層原料としては、密度0.935g/cm、190℃下MFR5g/10分の直鎖状低密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、実施例1と同一のエチレン−プロピレンブロック共重合体30重量%と同ポリプロピレンホモポリマー60重量%、加えて190℃下MFR2g/10分、密度0.96g/cmの高密度ポリエチレン10重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は40で、表面粗さを測定したところ、背面層は表面粗さ(SRa)0.44μm、(SRz)3.83μm、(RSm)0.07mmと表面の微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは検出出来ず、0個/mであった。
また、実施例1と同時評価で、背面凹凸の被着体への転写性を評価したところ、背面層の凹凸による被着体への転写も認められなかった。
(実施例6)
粘着層樹脂としてはMMA含有量が10重量%、密度0.93g/cm、190℃下MFR7g/10分のエチレン・メチルメタクリレート共重合体を、中間層樹脂として粘着層と同一のエチレン・メチルメタクリレート共重合体を、背面層樹脂として実施例1と同一のエチレン・プロピレンブロック共重合体15重量%と同ポリプロピレンホモポリマー80重量%、加えて190℃下MFR2g/10分、密度0.96g/cmの高密度ポリエチレン5重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は32で、表面粗さを測定したところ、背面層は表面粗さ(SRa)0.29μm、(SRz)2.99μm、(RSm)0.07mmと微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは検出出来ず、0個/mであった。
また、実施例1と同時評価で、背面凹凸の被着体への転写性を評価したところ、背面層の凹凸による被着体への転写も認められなかった。
(比較例1)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を用い、中間層樹脂として、密度0.924g/cm、190℃下MFR10g/10分の低密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、230℃下MFR35g/10分、エチレン含有量5重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体80重量%と190℃下MFR2g/10分、密度0.92g/cmの低密度ポリエチレン20重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は50で、表面粗さを測定したところ、背面層の表面粗さ(SRa)1.17μm、(SRz)8.43μm、(RSm)0.10mmと表面の凹凸が実施例よりも広いピッチで存在している形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは検出出来ず、0個/mであった。
上述の実施例1と同時評価で、フィッシュアイの被着体への転写を評価したが、フィッシュアイによる転写は実施例1と同様に認められなかった。しかしながら、被着体にアルミ蒸着を施し、蛍光灯の光を反射させて評価したところ、背面層の凹凸模様が僅かではあるが被着体に転写していることが確認された。
(比較例2)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を、中間層原料として、密度0.924g/cm、190℃下MFR10g/10分の低密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、比較例1と同一のエチレン−プロピレンランダム共重合体30重量%と低密度ポリエチレン10重量%、さらに230℃以下MFR7g/10分のポリプロピレンホモポリマー60重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は26で、表面粗さを測定したところ、背面層は表面粗さ(SRa)0.58μm、(SRz)4.61μm、(RSm)0.10mmと表面の凹凸が実施例よりも広いピッチで存在している形状のものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径100μm以上の大きさのフィッシュアイは3個/mであった。
上述の実施例1と同時評価で、0.05〜0.10mmサイズのフィッシュアイ部に印しを施し、該部分のフィッシュアイの転写性を評価したところ、フィッシュアイによる凹みが僅かに発生していた。
また、被着体をアルミ蒸着後、反射光で観察したところ、背面層の凹凸模様が僅かではあるが被着体に転写していることが確認された。
(比較例3)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を用い、中間層樹脂として、実施例1と同一の超低密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、実施例1と同一のエチレン・プロピレンブロック共重合体80重量%と同高密度ポリエチレン20重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は65で、表面粗さを測定したところ、背面層の表面粗さ(SRa)0.80μm、(SRz)6.21μm、(RSm)0.07mmと実施例と同様に微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状であったが、実施例と比較して凹凸高さがやや大きいものであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは確認できなかった。
上述の実施例1と同時評価で、フィッシュアイの被着体への転写を評価したが、フィッシュアイによる転写は実施例1と同様に認められなかった。しかしながら、背面層の凹凸模様が僅かではあるが被着体に転写していることが確認された。
(比較例4)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を用い、中間層樹脂として、密度0.964g/cm、融点135℃、190℃下MFR7.5g/10分の高密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、実施例1と同一のエチレン・プロピレンブロック共重合体15重量%と同ポリプロピレンホモポリマー80重量%さらに同高密度ポリエチレン5重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み30μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は27で、表面粗さを測定したところ、背面層の表面粗さ(SRa)0.25μm、(SRz)2.77μm、(RSm)0.07mmと実施例と同様に微細な凹凸が細かいピッチで並んでいる形状であった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは10個/cm確認された。
上述の実施例1と同時評価で、確認されたフィッシュアイ部に印しを施し、該部分のフィッシュアイの転写性を評価したところ、フィッシュアイによる凹みが発生していた。
また、背面層の凹凸模様が極僅かであるが被着体に転写していることが確認された。
(比較例5)
粘着層樹脂としては、実施例1と同一のエチレン・ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)を用い、中間層樹脂として、密度0.964g/cm、融点135℃、190℃下MFR7.5g/10分の高密度ポリエチレンを、背面層樹脂として、融点163℃、230℃下MFR7.5g/10分のホモポリプロピレン98重量%と190℃下MFR2g/10分、密度0.92g/cmの低密度ポリエチレン2重量%からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にTダイ型3層複合製膜機を用いて、フィルム厚み35μmの3層積層フィルムを製膜した。
得られたフィルムのヘイズ値は11で、表面粗さを測定したところ、背面層の表面粗さ(SRa)0.14μm、(SRz)1.30μm、(RSm)0.09mmと平滑なフィルムであった。
本フィルムサンプルから全幅で長さ1mカットし、フィッシュアイを目視にて判定チェックしたところ、視認できる長径約100μm以上の大きさのフィッシュアイは280個/mであった。
上述の実施例1と同時評価で、フィッシュアイ部に印しを施し、該部分のフィッシュアイの転写性を評価したところ、フィッシュアイによる凹みが発生していた。尚、比較例の背面層は平滑なため、被着体への背面の凹凸転写は認められなかった。
Figure 0005360723

Claims (1)

  1. 粘着層と中間層と背面層の3層積層形態からなり、該粘着層は、エチレン・α−オレフィン共重合体およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種からなり、該中間層は密度0.870〜0.935g/cmのポリエチレン系樹脂およびエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有し、該背面層は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン樹脂で構成されてなり、該背面層の表面粗さがJIS B0601−1982に準拠される中心面平均粗さ(SRa)として0.2〜0.6μm、十点平均粗さ(SRz)として2.0〜5.0μmで、かつ、ISO 4287−1997に準拠される該背面層の凹凸平均間隔(RSm)が0.08mm以下であることを特徴とする表面保護フィルム。
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