JP2020062998A - 車両用収納構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る車両用収納構造1Aは、車両の車室の床面2上であって、運転席(右の車両用シート)3Xの座面部3X1と助手席3Y(左の車両用シート)の座面部3Y1との間に設けられている。
脚部10は、床面2に固定されており、正面視L字形状を呈する金属製又は樹脂製の部材である。脚部10は、床面2に沿う底壁部11と、底壁部11の車幅方向端部(右端部)から上方に延設される側壁部12と、底壁部11及び側壁部12の前後端部にそれぞれ設けられるフランジ部13,13と、を一体に備える。底壁部11は、ボルト締結等によって床面2に着脱可能に固定されている。フランジ部13は、底壁部11から上方に延設されるとともに、側壁部12から車幅方向(右方)に延設されている。
縦辺部20は、脚部10に固定されて上下方向に延設される金属製又は樹脂製の部材である。縦辺部20は、前後方向に延設される側壁部21と、側壁部21の前端部から車幅方向(右方)に延設される前壁部22と、側壁部21の後端部から車幅方向(右方)に延設される後壁部23と、を一体に備える。すなわち、縦辺部20は、平面視で側壁部21を底面とする溝形状を呈する。かかる溝形状の上端部は、開口端となっている。縦辺部20の下端部は、脚部10の側壁部12及びフランジ部13,13内に配置されており、側壁部21の下端部は、脚部10の側壁部12に溶接(脚部10及び縦辺部20が金属製である場合)等によって接合されている。
支持部30は、前後方向に延びる円柱形状又は円筒形状を呈する金属製又は樹脂製の部材である。支持部30は、前後一対の縦辺部20,20の上端部間に架設されている。支持部30の前端部は、前の縦辺部20の後壁部23に取り付けられており、支持部30の後端部は、後の縦辺部20の前壁部22に取り付けられている。
U字状部40は、パイプを側面視でU字状(コ字状)に屈曲形成した金属製又は樹脂製の部材である。U字状部40は、前後方向に延設される前後辺部41と、前後辺部41の前後端部からそれぞれ直交する方向に延設される前後一対の側辺部(辺部)42,42と、を一体に備える。前後辺部41は、一方の支持部30との間に可撓部90が架設される他方の支持部である。側辺部42の先端部は、回動軸部50によって、縦辺部20の下端部に対して回動可能に支持されている。前後辺部41の長さは、支持部30の長さと略同一に設定されており、側辺部42の長さは、縦辺部20よりも大きく設定されている。
回動軸部50は、縦辺部20の下端部における前壁部22及び後壁部23間に架設されるとともに、U字状部40の側辺部42の先端部が取り付けられる金属製又は樹脂製の部材(ヒンジ)である。
回動軸部50は、U字状部40の前後辺部(他方の支持部)41が一方の支持部30に対して回動する際の回動中心を構成する。
回動規制部60は、縦辺部20及びU字状部40の側辺部42の高さ方向中間部に架設される金属製(磁性体)の部材(ステー)である。回動規制部60は、U字状部40の回動範囲の一方を、前後辺部41が支持部30と同じ高さになる位置までに規制する。回動規制部60は、長板形状を呈するブラケット61及びブラケット62を備える。ブラケット61の長手方向一端部は、縦辺部20の溝部内において、支持部30及び回動軸部50の間となる前壁部22又は後壁部23(前の縦辺部20においては後壁部23、後の縦辺部20においては前壁部22)に回動可能に支持されている。ブラケット61の長手方向他端部は、ブラケット62の長手方向一端部に回動可能に支持されている。ブラケット62の長手方向他端部は、前後辺部41及び回動軸部50の間となる側辺部42に回動可能に支持されている。
辺部係止部70は、縦辺部20の上端部に設けられる樹脂製の部材である。辺部係止部70は、側壁部21に装着(冠着)される側部71と、前壁部22に装着(冠着)される前部72と、後壁部23に装着(冠着)される後部73と、前部72又は後部73(前の辺部係止部70においては前部72、後の辺部係止部70においては後部73)との間に側辺部42を着脱可能に係止可能な係止片部74と、を一体に備える。係止片部74は、平面視で、側辺部42の外周面に沿う円弧形状部分を有し、前部72又は後部73と協働して側辺部42を挟持する。
磁石部80は、縦辺部20の高さ方向中間部に設けられている。磁石部80は、格納状態における回動規制部60を磁力によって固定する。
図2から図4に示すように、可撓部90は、物品(図5参照)が載置可能となるように、支持部30とU字状部40の前後辺部41との間に架設される、可撓性を有する布状部材である。可撓部90の長さ方向一端部は、閉断面を構成するように縫製されており、かかる閉断面に支持部30が挿通されている。可撓部90の長さ方向他端部は、閉断面を構成するように縫製されており、かかる閉断面にU字状部40の前後辺部41が挿通されている。可撓部90の前後長は、支持部30及び前後辺部41の長さよりも若干短く設定されており、可撓部90の長さ(左右長)は、支持部30と前後辺部41との間隔よりも十分に長く設定されている。
図2及び図3に示すように、仕切部100は、後記する第一の係止部110又は第二の係止部120に係止されることによって、可撓部90のうち物品を収納する部位を仕切るための部材である。本実施形態において、仕切部100は、可撓部90の長さ方向中間部に前後方向に延びるように設けられる金属製又は樹脂製の棒状部材である。仕切部100は、当該仕切部100から可撓部90の長さ方向両端部の一方までの長さが支持部30と前後辺部41との間隔W以上となる位置に設けられている。仕切部100の長さは、可撓部90の幅(前後長)よりも大きく、かつ、支持部30及び前後辺部41の長さよりも小さく設定されている。仕切部100の前端部は、可撓部90から前方に突出しており、仕切部100の後端部は、可撓部90から後方に突出している。
第一の係止部110は、支持部30の近傍において仕切部100を係止可能な金属製又は樹脂製のフックである。第一の係止部110は、支持部30の前後両端部から格納状態における前後辺部41に向かって立設されている。
第二の係止部120は、前後辺部41の近傍において仕切部100を係止可能な金属製又は樹脂製のフックである。第二の係止部120は、格納状態において前後辺部41の前後両端部から支持部30に向かって立設されている。
また、車両用収納構造1Aは、前後辺部130を備える。前後辺部130は、支持部30と同様に、前後方向に延びる円柱形状又は円筒形状を呈する金属製又は樹脂製の部材である。前後辺部130は、前後一対の縦辺部20,20の下端部間に架設されている。前後辺部130の前端部は、前の縦辺部20の後壁部23に取り付けられており、前後辺部130の後端部は、後の縦辺部20の前壁部22に取り付けられている。かかる前後辺部130は、車両用収納構造1A全体の強度を向上するためのものである。
続いて、本発明の第一の実施形態に係る車両用収納構造1Aの使用例について、図5を参照して説明する。U字状部40が縦辺部20から展開された状態、すなわち、前後辺部41が支持部30の横に位置する状態において、運転者P1又は乗員P2は、取っ手91を持って可撓部90を操作することによって、当該可撓部90を図5(a)に示す第一の収納状態、図5(b)に示す第二の収納状態、図5(c)に示す第三の収納状態のいずれかに切り替えることができる。
図5(a)に示すように、U字状部40が展開された状態において、仕切部100が第一の係止部110にも第二の係止部120にも係止されていない場合には、可撓部90は、最も深い第一の収納状態(ラックフルモード)となる。すなわち、可撓部90の全体が、物品A1を収納するラックとして機能する。かかる状態において、運転席3Xに座っている運転者P1及び助手席3Yに座っている乗員P2は、比較的大きい物品(例えば、バッグ等)A1を可撓部90上に載置し、収納することができる。
図5(b)に示すように、U字状部40が展開された状態において、仕切部100が第二の係止部120に係止されている場合には、可撓部90は、最も浅い第二の収納状態(トレーモード)となる。すなわち、可撓部90のうち、長さ方向一端部と仕切部100との間が、物品A2を収納するトレーとして機能する。かかる状態において、運転席3Xに座っている運転者P1及び助手席3Yに座っている乗員P2は、比較的小さい物品(例えば、携帯端末、手帳等)A2を可撓部90上に載置し、収納することができる。
なお、第二の収納状態において、可撓部90のうち、長さ方向他端部(前後辺部41)と仕切部100(第二の係止部120)との間は、物品A3(例えば、雑誌、地図帳、カタログといった書籍等)を収納する収納部として機能することも可能である。
図5(c)に示すように、U字状部40が展開された状態において、仕切部100が第一の係止部110に係止されている場合には、可撓部90は、第一の収納状態及び第二の収納状態の中間の深さを呈する第三の収納状態(ラックハーフモード)となる。すなわち、可撓部90のうち、長さ方向他端部と仕切部100との間が、物品A4を収納する比較的浅いラックとして機能する。かかる状態において、運転席3Xに座っている運転者P1及び助手席3Yに座っている乗員P2は、中間の大きさの物品(例えば、小さめのバッグ等)A4を可撓部90上に載置し、収納することができる。
なお、第三の収納状態において、可撓部90のうち、長さ方向一端部(支持部30)と仕切部100(第一の係止部110)との間は、物品A5(例えば、携帯端末機器等)を収納する収納部として機能することも可能である。
前記した各収納状態(使用状態)において、U字状部40は、回動規制部60によって、当該U字状部40の回動軸部50周りにおける縦辺部20から離間する方向への回転が規制されている。運転者P1がU字状部40を後方から見て反時計回りに回転させると、U字状部40は、回動軸部50周りに回転し、側辺部42が縦辺部20内に格納されるとともに前後辺部41が支持部30よりも上方(本実施形態では、真上)に位置し、U字状部40及び可撓部90は、図2に示す格納状態(非使用状態)となる。縦辺部20内に格納された側辺部42は、辺部係止部70によって固定される。また、折り畳まれて縦辺部20内に格納された回動規制部60は、磁石部80によって固定される。かかる状態において、図1に示す運転席3Xと助手席3Yとの間には、乗員P2が移動可能なスペースが生じる(ウォークスルー)。
したがって、車両用収納構造1Aは、仕切部100が係止部110,120に係止されている状態と係止されていない状態とで可撓部90の深さが変わるので、物品に応じて収納スペースを変更することができる。また、車両用収納構造1Aは、支持部41が支持部30周りに回動可能であるので、非使用時には格納されてスペースを空けることができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、簡易な構造で支持部41を回動可能とすることができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、非使用時にはよりコンパクトに格納されてスペースを好適に空けることができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、格納状態における支持部41及び辺部42,42が振動等によって回動することを防止し、格納状態を好適に維持することができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、格納状態における回動規制部60が振動等によってぶらつくことを防止し、異音の発生等を好適に防止することができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、非使用時にはさらにコンパクトに格納されてスペースをより好適に空けることができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、係止部110,120が支持部30,40の両方に設けられているので、収納スペースの可変性を向上することができる。また、車両用収納構造1Aは、係止部110,120が対向する位置に設けられているので、単一の仕切部100を係止部110,120のどちらにも好適に係止させることができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、可撓部90が第一の収納状態(ラックフルモード)、第二の収納状態(トレーモード)及び第三の収納状態(ラックハーフモード)を切り替えることができるので、物品の大きさ及び形状に応じた収納スペースを提供することができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、左右一対の車両用シート3X,3Yの間に設けられているので、左右の乗員に対して可変の収納スペースを提供することができる。特に、車両用収納構造1Aは、非使用時には格納されてスペースを空けることができ、例えばウォークスルーを実現することができる。
したがって、車両用収納構造1Aは、物品に応じて収納スペースを変更することができる。また、車両用収納構造1Aは、支持部41が支持部30周りに回動可能であるので、非使用時には格納されてスペースを空けることができる。
続いて、本発明の第二の実施形態に係る車両用収納構造について、第一の実施形態に係る車両用収納構造1Aとの相違点を中心に説明する。
図6に示すように、本発明の第二の実施形態に係る車両用収納構造1Bにおいて、可撓部90は、第一の実施形態よりも長く設定されている。すなわち、U字状部40が展開された状態において、仕切部100が第一の係止部110にも第二の係止部120にも係止されていない第一の収納状態(ラックフルモード)である場合に、可撓部90の車幅方向中間部は、床面2に当接している。かかる構成によると、物品A6の荷重を床面2に逃がすことができるため、物品A6が重いものである場合にも、好適な収納が可能となる。なお、図示を省略するが、U字状部40が展開された状態において、仕切部100が第一の係止部110に係止されている第三の収納状態(ラックハーフモード)である場合に、可撓部90は、床面2から離間している。
続いて、本発明の第三の実施形態に係る車両用収納構造について、第一の実施形態に係る車両用収納構造1Aとの相違点を中心に説明する。
図7に示すように、本発明の第三の実施形態に係る車両用収納構造1Cは、可撓部90の取っ手91、仕切部100、第一の係止部110及び第二の係止部120を省略した構造となっている。また、車両用収納構造1Cにおいて、支持部30は、前後の縦辺部20,20に対して回動可能に構成されている。すなわち、車両用収納構造1Cは、支持部30を回動させて当該支持部30に対する可撓部90の巻回量を変更することによって、前記したラックフルモード(二点鎖線)とトレーモード(実線)との中間の状態を連続的に採用することができる。
したがって、車両用収納構造1Cは、物品に応じて収納スペースを変更することができる。また、車両用収納構造1Cは、支持部41が支持部30周りに回動可能であるので、非使用時には格納されてスペースを空けることができる。
また、仕切部100及び係止部110,120は、可撓部90の長さ方向と直交する方向の一方のみに設けられる構成であってもよい。
また、仕切部100は、可撓部90において、支持部30よりも前後辺部41に近い部位に設けられる構成であってもよい。この場合には、前記実施形態とは反対に、仕切部100が第一の係止部110に係止された状態で、物品収納構造は第二の収納状態となり、仕切部100が第二の係止部120に係止された状態で、物品収納構造は第一の収納状態となる。
20 縦辺部
30 支持部(一方の支持部、深さ変更部)
41 前後辺部(他方の支持部)
42 側辺部(辺部)
50 回動軸部(回動支持部)
60 回動規制部(回動支持部)
70 辺部係止部
80 磁石部
90 可撓部
100 仕切部(深さ変更部)
110 第一の係止部(係止部、深さ変更部)
120 第二の係止部(係止部、深さ変更部)
Claims (10)
- 互いに対向するように延設される一対の支持部と、
物品が載置可能となるように一対の前記支持部間に架設されるとともに、一対の前記支持部間の間隔よりも大きい長さを呈する可撓部と、
前記可撓部に設けられる仕切部と、
前記仕切部を一対の前記支持部の間に係止可能な係止部と、
一方の前記支持部の下方に設けられており、他方の前記支持部を回動可能に支持する回動支持部と、
を備えることを特徴とする車両用収納構造。 - 他方の前記支持部から延設される一対の辺部を備え、
前記回動支持部は、一対の前記辺部の先端部を回動中心とするように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用収納構造。 - 他方の前記支持部は、一方の前記支持部の横に間隔を開けて位置して前記可撓部に物品が載置可能な状態と、一方の前記支持部よりも上方に位置する格納状態と、の間を回動可能に前記回動支持部によって支持されている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用収納構造。 - 一方の前記支持部から下方に延設される一対の縦辺部と、
前記格納状態で、一対の前記辺部を一対の前記縦辺部に係止させる辺部係止部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の車両用収納構造。 - 前記回動支持部は、前記辺部と前記縦辺部とに架設されて他方の前記支持部の回動範囲を規制する回動規制部を備え、
前記格納状態で、前記回動規制部を前記縦辺部に固定する磁石部を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用収納構造。 - 一対の前記縦辺部は、平面視で溝形状を呈し、
一対の前記辺部は、前記格納状態で、それぞれ一対の前記縦辺部に収容される
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車両用収納構造。 - 前記係止部は、前記可撓部に物品が載置可能な状態で、一対の前記支持部において対向する位置にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用収納構造。 - 前記可撓部は、
前記仕切部が両方の前記係止部に係止されていない状態では、最も深い第一の収納状態となり、
前記仕切部が他方の前記支持部側の前記係止部に係止されている状態では、最も浅い第二の収納状態となり、
前記仕切部が一方の前記支持部側の前記係止部に係止されている状態では、前記第一の収納状態と前記第二の収納状態との間の深さを呈する第三の収納状態となる
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用収納構造。 - 左右一対の車両用シートの間に設けられている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用収納構造であって、
一対の前記支持部は、車両の前後方向に延設される
ことを特徴とする車両用収納構造。 - 互いに対向するように延設される一対の支持部と、
物品が載置可能となるように一対の前記支持部間に架設されるとともに、一対の前記支持部間の間隔よりも大きい長さを呈する可撓部と、
一対の前記支持部に対する前記可撓部の深さを変更する深さ変更部と、
一方の前記支持部の下方に設けられており、他方の前記支持部を回動可能に支持する回動支持部と、
を備えることを特徴とする車両用収納構造。
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