JP2020062670A - 鋼片の製造方法 - Google Patents

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【課題】ホットチャージ圧延において、再加熱のコストを低位に抑えながら表面割れの少ない鋼片を製造できる鋼片の製造方法を提供する。【解決手段】連続鋳造により製造した鋳片を鋳造したまま室温まで冷却することなく再加熱し、その後圧延して鋼片を得るホットチャージ圧延プロセスにおいて、前記鋳片の温度が800℃の状態から前記鋳片を加熱炉に装入するまでの間の鋳片表面の平均冷却速度が0.02〜0.2℃/sであり、かつ前記鋳片の鋳片表面温度がAr1超(Ar1+Ar3×2)/3以下の状態で前記鋳片を加熱炉に装入後、圧延する。【選択図】図1

Description

本発明は、特に、再加熱のコストを低位に抑えながら表面割れの少ない鋼片を製造するための鋼片の製造方法に関する。
近年、コストや環境調和の観点から、連続鋳造法により鋳造した鋳片を冷却した後、室温近くまで冷却することなく引き続き加熱炉内に装入し、加熱された鋳片を圧延してビレット等の鋼片を製造する、いわゆるホットチャージ圧延の技術が重要視されている。しかし、一般的に連続鋳造により鋳造した後の金属学的組織は非常に粗いため、かかる状態で圧延に供した場合、結晶粒界を起点とした割れの発生、あるいは割れの進展を引き起こしやすいことが知られている。
このため、連続鋳造から加熱炉へ装入までの間に鋳片表層の組織をフェライトやパーライト、ベイナイト、マルテンサイトといった組織に変態させ、しかる後に加熱炉に装入することで再加熱してオーステナイト組織を微細化させ、圧延時の割れの発生、あるいは割れの進展を抑制する、いわゆる3次冷却の適正な実施方法が種々検討されている。
例えば、特許文献1には、鋳片の表面をマルテンサイト変態終了点(Mf点)以下の温度まで10〜300℃/sという比較的大きな速度で冷却する方法が提案されている。また、特許文献2には、鋳片の表面を冷却する冷却速度を4〜6℃/minとし、加熱炉へ装入する前の鋳片の表面温度を450〜670℃の範囲に冷却する方法が提案されている。さらに特許文献3には、冷却床における鋳片の配列ピッチを200〜1200mmの範囲とし、前記冷却床に載置した鋳片を所定の吹きつけ角および風速により冷却ファンで冷却し、鋳片が加熱炉に装入される際の加熱炉装入温度が450〜670℃となるように冷却する方法が提案されている。
特許第3453990号公報 特許第5473259号公報 特許第5419394号公報
邦武立郎: 熱処理, 43, p. 100 (2003)
しかしながら、特許文献1に示される方法では、鋳片の表面全体を均一に冷却することが困難であるという難点がある。さらに、特にCを0.5質量%以上含むような鋼種の場合にはMf点は非常に低い温度になるため、このような鋼種では焼き割れの懸念が大きい。
また、特許文献2および3に示される方法では、450〜670℃という目標値の金属学的意味は十分に示されておらず、多品種を同一の製造装置で製造する場合における成分と最適条件との相関は何ら知り得ることができない。さらに、上記のような比較的小さな速度で鋳片の表層を冷却した場合、鋳片の表層だけでなく鋳片の内部まで冷却される。その結果、その後再加熱時における加熱コストが多くかかるため、ホットチャージ圧延のメリットを十分に活かすことができない。
ビレット等の鋼片の表面割れは圧延前の表層の金属組織と密接な関係がある。すなわち、ホットチャージ圧延における割れ抑制のためには鋳片表層の鋳造まま組織の変態挙動の把握が重要であるが、これは鋼成分に大きく依存することが広く知られている。さらに、過度な冷却はその後の加熱コストや環境調和の観点から望ましくない。すなわち、冷却目標温度はその後の加熱コストや環境調和の観点から、冷却目標温度は一律に設定されるべきではなく、鋼成分に応じて示されることが望ましい。
本発明は前述の問題点を鑑み、ホットチャージ圧延において、再加熱のコストを低位に抑えながら表面割れの少ない鋼片を製造できる鋼片の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ホットチャージ圧延において表面割れの少ない鋼片を製造する方法において、加熱炉装入前後の鋳片表層組織の変態挙動について鋭意検討し、新たな金属学的効果を知見して本発明に至った。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、
(1)連続鋳造により製造した鋳片を鋳造したまま室温まで冷却することなく再加熱し、その後圧延して鋼片を得るホットチャージ圧延プロセスにおいて、前記鋳片の温度が800℃の状態から前記鋳片を加熱炉に装入するまでの間の鋳片表面の平均冷却速度が0.02〜0.2℃/sであり、かつ前記鋳片の鋳片表面温度T(℃)が以下の式(a)を満たす状態で前記鋳片を加熱炉に装入後、圧延することを特徴とする鋼片の製造方法。
Ar1<T≦(Ar1+Ar3×2)/3 (a)
ここで、Ar3、Ar1は、平均粒径が1mm以上のオーステナイト組織を前記鋳片表面の平均冷却速度で降温した際に、フェライトの析出が始まる温度および終了する温度をそれぞれ表す。
本発明によれば、ホットチャージ圧延において、再加熱のコストを低位に抑えながら表面割れの少ない鋼片を製造することができる。
冷却到達温度とフェライト+パーライトの面積率との関係を示す図である。 粗粒のマルテンサイトを含む組織の例を示す写真である。 微粒のフェライトおよびパーライトを多く含む組織の例を示す写真である。
以下、本発明で知見した新たな金属学的効果について説明する。以下の説明で、鋳片表面温度とは、鋳片各面の温度のうち最も高い温度を表すものとし、また、鋳片表面の平均冷却速度とは最も温度が高い面における平均冷却速度を表すものとする。
鋳片を室温まで冷却し、その後加熱炉に装入、圧延に供するコールドチャージ圧延と比較して、ホットチャージ圧延では、一般的に表面割れが発生しやすい。その理由としては、鋳造時に生成された粗大なオーステナイト粒がそのまま残存していることが挙げられる。すなわち、鋳片の表層を十分冷却し、表層の組織を完全にフェライトやパーライト、ベイナイト、マルテンサイトといった組織に変態させることが必要であり、特に変態組織がフェライト−パーライトとなる0.2℃/s以下といった比較的小さい冷却速度においては、オーステナイトの変態が終わる温度以下、すなわちAr1以下まで下げる必要があることが一般的に知られている。
Ar1は冷却速度に依存する値であり、変態点記録測定装置(フォーマスター試験機)等を用いて調査することができる。なお、以下の説明では、Ar1は断りのない限り鋳片のような粗大オーステナイト粒を前組織とした場合のフェライト変態完了温度を示すものとする。また、フェライト変態開始温度を示すAr3についても、粗大オーステナイト粒を前組織とした場合のフェライト変態開始温度を示すものとする。つまり、Ar3、Ar1は、平均粒径が1mm以上のオーステナイト組織を鋳片表面の平均冷却速度で降温した際に、フェライトの析出が始まる温度および終了する温度をそれぞれ表す。
なお、Ar1の評価方法には、「現場用 機械構造用鋼材料データ・シート集」(新日本鋳鍛造協会)等のデータブックを参照する方法も考えられる。しかし、これらに記載されたAr1は平均粒径が100μm未満といった微細なオーステナイト粒を前組織とした測定に基づく場合が多く、鋳造後の鋳片に含まれるような粗大なオーステナイト粒を前組織とする場合にはそのまま適用することはできない。
本発明者らが鋳造後の一般的な平均冷却速度である0.02〜0.2℃/sの範囲で連続冷却試験を実施した結果、平均粒径が1〜4mmのオーステナイト組織を前組織とした場合、平均粒径が0.05〜0.2mmのオーステナイト組織を前組織とした場合と比較してAr1は10〜25℃低くなる傾向が認められた。これは、フェライトの析出がまずオーステナイト粒界から開始し、その後結晶粒内にて反応を開始するという段階を経て終了するためであり、元組織の粒径が細かいほど一定体積中に結晶粒界が多くなり、早く変態が完了する。
生産性の観点からは鋳造速度は大きい方が有利であり、鋳造速度が高くなるほど鋳片表面温度が高くなる傾向にある。つまり、鋳片表面温度が高くなると、鋳片表面をAr1まで冷却するために必要な時間も長くなるため、加熱炉装入前に鋳片の滞留を招き、望ましくない。この問題を解決するため本発明者らは鋭意検討し、鋳片表面温度をAr1以下まで下げなくとも加熱後組織を微細化しうる、すなわち圧延による鋼片表層の割れ発生を抑制できることを見出した。
以下に、鋳片表面温度をAr1以下まで下げなくとも加熱後組織を微細化しうる理由を説明する。
Ar1は冷却中のフェライト変態完了温度であり、平衡状態においてオーステナイトが不安定となる最高温度(Ae1)とは異なる。これは、反応の進行のためには駆動力が必要であり、化学的に安定であっても未反応状態あるいは反応進行中であることが起こりえるためである。ゆえに、一般的にはAr1<Ae1の関係が成立する。
本発明者らは、加熱炉装入直後の鋳片表層組織の変態挙動に着目し、検討を行った。その結果、鋳片表面においてフェライト変態が進行している場合、加熱炉に装入後、鋳片が冷却から加熱に転じても、しばらくの間はオーステナイトからのフェライト変態が持続していることが判明した。それだけでなく、結晶粒内においてもフェライト変態が比較的迅速に進行していることを解明した。この詳細なメカニズムは検討中であるが、既に反応の駆動力が確保された状態で温度が上昇することにより原子の移動が促進され、反応速度が増大し、粒界のみならず粒内においても同時多発的にフェライト変態が進行するためであると推定される。
そこで、この効果を十分得るための最適条件を解明するため、変態点記録測定装置(フォーマスター試験機)を用いたモデル実験を実施した。以下の表1に示す鋼組成を持つサンプルを1380℃まで加熱し、平均粒径が2mm以上のオーステナイト組織とした後、0.1℃/sで連続的に冷却し、試料体積変動からAr3、Ar1をそれぞれ読み取った。
次に、同じく1380℃まで加熱したサンプルを0.1℃/sの冷却速度でAr1、Ar3、およびこれらの数値を用いて(b)、(c)、(d)、(e)、(f)式でそれぞれ示されるT1、T2、T3、T4、T5まで冷却した後、Ae1まで1℃/sで昇温し、到達後速やかにヘリウムガス気流中で室温まで急冷した。
1=(Ar1×5+Ar3)/6 (b)
2=(Ar1×2+Ar3)/3 (c)
3=(Ar1+Ar3)/2 (d)
4=(Ar1+Ar3×2)/3 (e)
5=(Ar1+Ar3×5)/6 (f)
ここで、Ae1を実験的に求めることは困難であり、従来から各種の経験式が提案されている。本実験においては、適用例の多い非特許文献1に提示されている以下の(g)式で表されるAc1をAe1と同じとみなし、Ac1を用いることとした。
Ac1=(15Si+2Mn+18Cr+26Mo)−(33C+17Cu+14Ni)+727(℃) (g)
Ar1、Ar3、T1、T2、T3、T4、T5およびAe1の各温度は以下の表2に示す。
ヘリウムガスで急冷したサンプルの断面をナイタール液で腐食し、色調およびマイクロビッカース硬度計を用いてフェライト、パーライト、および急冷前に未変態であったオーステナイトに起因するマルテンサイトを判定した。サンプル断面にマルテンサイトが確認された観察例を図2に示し、マルテンサイトが観察されない、すなわち、オーステナイトからのフェライト変態が完了していたと考えられる観察例を図3に示す。さらに、0.1℃/sの平均冷却速度での冷却到達温度(Ar1、Ar3、T1、T2、T3、T4、T5)と、観察視野内におけるAe1まで復熱後の急冷組織中のフェライトとパーライトの面積率の合計(%)との関係を図1に示す。
冷却到達温度がT2以下の場合、図3に示すような組織でいずれも視野内にマルテンサイトは観察されなかった。また、冷却到達温度がT3、T4の場合においても、フェライトとパーライトの面積率の合計がそれぞれ約96%、約86%と十分大きかった。マルテンサイト部分は急冷前に粗大なオーステナイトの一部であったと考えられるが、既に大部分がフェライト変態を完了していることから、当該部分が未変態のまま残った場合においても再加熱中に起こるオーステナイト変態(逆変態)およびオーステナイト粒成長により粗大粒を呈することはないと推定される。
以上の実験結果から、鋳片表面の平均冷却速度が比較的小さい(例えば0.02〜0.2℃/s)加熱炉装入前の鋳片の冷却において、鋳片表面温度を上記(e)式によるT4以下とすることで、変態〜逆変態の効果により鋳片の表層の組織を微細化することができると考えられる。
冷却到達温度(鋳片表面温度)を上記温度(T4)以下とすることにより、ホットチャージ圧延前にオーステナイト組織を微細化し、鋼片割れを低位に抑制することができる。しかし、過剰な冷却は操業時間や加熱炉コストの増大を招き望ましくない。特に、冷却到達温度をAr1以下にしても、圧延前のオーステナイト組織の微細化には全く寄与しないばかりか、変態に要する潜熱までも加熱負荷に上乗せされることになり、望ましくない。よって、冷却到達温度(鋳片表面温度)Tは(a)式で表される範囲とする。
Ar1<T≦(Ar1+Ar3×2)/3 (a)
また、鋼片圧延前の加熱到達温度は、通常の圧延前加熱操業に用いられる領域において概ね適用することが可能であるが、1280℃を超えると、AlN、TiNなどの再加熱時のオーステナイト粗大化を抑制する効果を有する析出物が固溶し、オーステナイト結晶粒の粗大化が促進される。そのため、組織を微細化した効果を最大限得るためには、加熱時の鋳片表面温度は1280℃以下であることが望ましい。さらに望ましくは1200℃以下である。また、加熱到達温度が1030℃未満であると結晶粒は極めて微細に保たれるものの、圧延負荷の増大を招き、設備上の問題を発生させるため、1030℃以上であることが望ましい。さらに望ましくは1060℃以上である。
加熱前の鋳片の冷却方法としては、スプレーノズルを用いてミストを噴射する方法、気流を用いる方法、特別な冷却設備を備えず放冷する方法のいずれも有効である。さらに、これらを組み合わせて冷却する方法でも構わない。なお、連続鋳造機の出側における温度が既に上記(a)式の範囲にある場合は、そのまま加熱炉に装入しても良い。さらに、面内および面間における温度のバラツキを低減するため、冷却ラインにおいて例えば鋳片を回転させることが有効である。しかし、平均冷却速度が0.02〜0.2℃/sと比較的小さいため、もともと面内や面間での温度バラツキは生じにくく、鋳片をライン上に静置して搬送するタイプのラインでも効果を得ることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例で示すデータは単に本発明を適用した事例の一例を示したものであり、これにより本発明の適用範囲が限定されるものではない。
(第1の試験)
転炉−LFプロセスにて表3に示す組成の溶鋼を溶製し、曲率半径が12.0mの湾曲型連鋳機において、220mm×256mmのサイズの鋳片を鋳造した。このときの鋳造速度は1.0〜1.6m/minであった。ガス切断機にて鋳片を切断後、ミスト冷却ノズルを両側に備えた鋳片搬送ライン上に搬送した。そして、この搬送ライン上で鋳片を冷却後、加熱炉に装入した。搬送中の鋳片の温度については、連続鋳造機出側から非接触式高温計により各面内の5か所の平均値を連続測定し、平均冷却速度および加熱炉装入前の冷却到達温度を算出した。なお、これらの代表値は4面それぞれに得られた値のうち最も大きいものとした。加熱炉装入後、炉内で1050〜1220℃の範囲で60〜81min加熱し、162mm×162mmサイズの鋼片(ビレット)に圧延した。
また、変態点記録測定装置(フォーマスター試験機)を用いて0.02℃/s、0.1℃/s、0.2℃/sの各平均冷却速度における成分A〜CのAr3およびAr1を以下に示す方法で測定した。
得られた鋳片の1/4厚み部より3mmφ×10mm長さの試験片を切り出し、これらを変態点記録測定装置内で加熱し、平均粒径1mm以上のオーステナイト組織とした後、3通りの平均冷却速度で組織がフェライト−パーライト組織になるまで冷却し、温度−体積収縮曲線を得た。この温度−体積収縮曲線からAr3およびAr1を接線法により図形的に求めた。これらの値も併せて表3に示す。
得られた鋼片の表面割れを目視観察し、割れ指数を評価した。ここで、コーナーとはビレットの角から20mmの範囲で、面はそれ以外の範囲を表す。また、割れ指数とは、ビレットに発生した割れ長さを面部あるいはコーナー部ごとに足し合わせ、該ビレット長さの4倍で除した数値である。鋳片温度が800℃から加熱炉装入に至るまでの平均冷却速度と併せて調査結果を表4に示す。なお、最も高い温度を有する鋳片面は水準により異なったが、800℃から加熱炉への装入に至るまで各面の温度が逆転することはなかったため、当該面の測定結果のみ示している。
発明例1〜14では、式(a)の条件を満たしていたため、いずれも割れが発生していないビレットが得られた。一方、比較例15〜25は、いずれも冷却到達温度(加熱炉装入時の鋳片表面温度)が式(a)に示す範囲を超えたものであり、得られたビレットにおいて、いずれも面又はコーナーあるいはその両方に割れが確認された。
(第2の試験)
第1の試験と同様に、表3のAに示す成分系を有する試験材を用いて、冷却到達温度を種々に変え、加熱炉装入後、炉内で1100〜1120℃の範囲で60〜70min加熱する試験を行い、要した燃料原単位の比較を行った。なお、各水準で使用した鋳片数は少なくとも44本であり、ビレット圧延に際し、割れはいずれも発生しなかった。結果を表5に示す。ここで、燃料原単位指数とは、発明例31において、鋳片の加熱に用いた鋳片1トン当たりの熱量を100として表した数値である。なお、鋳片の加熱に用いた熱量は、可燃性ガスの燃焼熱と流量から計算により求めた。
発明例31〜34は冷却到達温度がAr1に相当する620℃より大きい温度であり、燃料原単位は良好な値を示した。一方、参考例35〜37は、冷却到達温度が620℃以下であったため、発明例と比較して燃料原単位は大きく劣位となり、加熱コストが増大した。

Claims (1)

  1. 連続鋳造により製造した鋳片を鋳造したまま室温まで冷却することなく再加熱し、その後圧延して鋼片を得るホットチャージ圧延プロセスにおいて、前記鋳片の温度が800℃の状態から前記鋳片を加熱炉に装入するまでの間の鋳片表面の平均冷却速度が0.02〜0.2℃/sであり、かつ前記鋳片の鋳片表面温度T(℃)が以下の式(a)を満たす状態で前記鋳片を加熱炉に装入後、圧延することを特徴とする鋼片の製造方法。
    Ar1<T≦(Ar1+Ar3×2)/3 (a)
    ここで、Ar3、Ar1は、平均粒径が1mm以上のオーステナイト組織を前記鋳片表面の平均冷却速度で降温した際に、フェライトの析出が始まる温度および終了する温度をそれぞれ表す。
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