JP2020059367A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンペダルモードにおけるアクセルオフによる制動時に、走行状態や走行環境にかかわらず、容易に、常に一定の制動距離で停止することが可能な車両の制御装置を提供する。【解決手段】ワンペダルモードで走行および停止することが可能な車両の制御装置において、走行状態および走行環境に関連するデータに基づいて、前記車両が前記ワンペダルモードで停止に向けた減速走行する場合の前記車両の推定駆動力および推定制動力、ならびに、外乱トルクを推定し(ステップS11)、前記車両が前記減速走行中の場合に、前記推定駆動力、前記推定制動力、および、前記外乱トルクに基づいて、前記減速中に前記車両が停止する際の制動距離が予め定めた一定の目標制動距離となる目標減速車速を算出し(ステップS13)、前記実車速が前記目標減速車速に追従するように、前記実駆動力および前記実制動力を制御する(ステップS14)。【選択図】図2

Description

この発明は、運転者によるペダルの踏み込み操作に対応して車両の駆動力および制動力を制御する制御装置に関し、特に、一つのペダル(例えば、アクセルペダル)の操作によって車両の駆動力および制動力の両方を制御して走行すること(ワンペダルモード)が可能な車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、一つのペダルの操作量(ペダルストローク量)に応じて車両の加速および減速を制御する、いわゆるワンペダルモードによる走行が可能な車両の走行制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された走行制御装置は、ペダルストローク量に対する車両の加速度(および減速度)の特性が異なる複数の走行モード(ワンペダルモードを含む)を切り替えることが可能なように構成されている。そして、走行モードを切り替える際に、切り替え後のペダルストローク量が切り替え前後の加速度の変動を抑制し得る大きさになるまで運転者のペダル操作を誘導するように、ペダル反力を変化させる。それにより、走行モードの切り替えに伴う加速度の変動を抑制している。
また、非特許文献1には、いわゆるワンペダルモードによる走行を実現するための電気自動車(EV)における駆動モータの制御技術が記載されている。この非特許文献1に記載された制御技術では、アクセルペダル開度および車速を入力として駆動トルク指令値を出力する。そして、アクセルペダル開度が小さい領域では大きな回生トルク指令値を出力する特性となっている。それにより、アクセルペダルだけの操作による車両の加速および減速を可能にしている。更に、この非特許文献1に記載された駆動モータ制御では、ワンペダルモードにおけるトルク指令値およびモータ角速度を入力として外乱トルク推定値を出力する。そして、その外乱トルク推定値を基に駆動トルク指令値を補正する。外乱トルク推定値は、走行路の道路勾配と釣り合うモータトルクに収束する。したがって、駆動トルク指令値は、登坂路ではプラス方向に補正され、降坂路ではマイナス方向に補正される。そのため、道路勾配によらず平坦路と同様の滑らかな車両の減速および停止が可能になる、とされている。
なお、特許文献2には、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に基づいて制動力を制御する車両のブレーキ制御システムが記載されている。この特許文献2に記載されたブレーキ制御システムは、車両の周囲環境に関する情報に応じて、ブレーキペダルの踏み込み操作に基づく制動力を補正して車両の制動力との関係を調節する。例えば、道路勾配に応じて、ブレーキ装置におけるホイールシリンダの圧力を増減する。それにより、道路勾配によらず同じブレーキペダルの踏み込み操作であれば同じ制動距離となるようにして、ブレーキ制御の最適化を図っている。
特開2013−217242号公報 特開2004−256104号公報
「e-Pedal Driving を実現するEVの駆動モータ制御技術」、自動車技術会、2017年秋季大会学術講演会講演予稿集、文献番号:20176275
上記の特許文献1や非特許文献1に記載されているようなワンペダルモードでは、運転者がアクセルペダルを踏み込むことにより発生させた駆動力で車両を走行させている状態から、アクセルペダルの踏み込みを戻すことにより、すなわち、アクセルオフの操作をすることにより、制動力を増大させて車両を減速および停止させる。そのようなワンペダルモードで、上記のようなアクセルオフによる制動によって車両を減速させて停止させる場合、その時点の車両の走行状態や走行環境により、制動開始から車両が停止するまでの間の制動距離が変化する可能性がある。例えば、実際の車速や駆動力および制動力、あるいは、道路勾配や風速などに関連して変化する外乱トルクに起因して、アクセルオフによる制動の度に、同様の制動操作であるにもかかわらず制動距離が異なってしまう可能性がある。それに対して、非特許文献1に記載された制御技術では、上記のように道路勾配と釣り合うモータトルクを考慮した外乱トルクを推定し、その外乱トルク推定値を基にモータトルク(力行トルクおよび回生トルク)を補正している。しかしながら、非特許文献1に記載された制御技術は、モータの回生トルクだけで車両を制動するケースを対象にしており、例えば、ブレーキ装置による制動力(モータの回生トルク以外の制動力)で制動する場合の外乱トルク、あるいは、風速や風向きなどの道路勾配以外を要因とする外乱トルクについては制御に反映されていない。そのため、制動時に、多様な外乱トルクに対応して制動距離を一定に保つことは困難である。
このように、ワンペダルモードにおけるアクセルオフによる制動時に、その都度、制動距離が変化してしまうと、運転者は制動時の車両の挙動を容易に予測できなくなってしまう。その結果、運転者にワンペダルモードでは運転操作しづらいといった印象を与えてしまうおそれがある。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、ワンペダルモードにおけるアクセルオフによる制動時に、走行状態や走行環境にかかわらず、容易に、常に一定の制動距離で停止することが可能な車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、車両の走行状態および走行環境に関連するデータを検出する検出部と、前記検出部で検出した前記データに基づいて前記車両の実駆動力および実制動力を制御するコントローラとを備え、運転者によるアクセルペダルのみの操作によって加速および減速を行うワンペダルモードで走行および停止することが可能な車両の制御装置において、前記コントローラは、前記データに基づいて、前記車両が前記ワンペダルモードで停止に向けた減速走行する場合の前記車両の推定駆動力および推定制動力、ならびに、前記車両に作用する外乱トルクを算出または推定するとともに、前記車両の減速状態を判定し、前記車両が前記減速走行中であると判断した場合に、前記推定駆動力、前記推定制動力、および、前記外乱トルクに基づいて、前記減速中に前記車両が停止する際の制動距離が予め定めた一定の目標制動距離となる目標減速車速を算出し、前記車両の実車速と前記目標減速車速との乖離が予め定めた所定値よりも大きい場合に、前記実車速に基づいて前記制動距離が一定の前記目標制動距離となるように前記目標減速車速を更新し、前記実車速が前記更新された目標減速車速に追従するように、前記実駆動力および前記実制動力を制御することを特徴とするものである。
なお、この発明における前記コントローラは、前記車両が平坦路を走行している際に前記ワンペダルモードで制動して停止する場合の標準的な加速度の挙動を想定した標準加速度を設定し、前記実車速が前記更新された目標減速車速に追従するように前記実駆動力および前記実制動力を制御した際の前記車両の実加速度の前記標準加速度からの偏差(加速度変化量)を算出し、前記偏差の大きさに応じて、前記目標減速車速を算出する際に用いる前記外乱トルクを較正するように構成してもよい。
あるいは、この発明における前記車両は、摩擦力で前記実制動力を発生するブレーキ装置を備えいてもよい。その場合、この発明における前記コントローラは、前記車両が平坦路を走行している際に前記ワンペダルモードで制動して停止する場合の標準的な加速度の挙動を想定した標準加速度を設定し、前記実車速が前記更新された目標減速車速に追従するように前記実駆動力および前記実制動力を制御した際の前記車両の実加速度の前記標準加速度からの偏差(加速度変化量)を算出し、前記偏差の大きさに応じて、前記目標減速車速を算出する際に用いる前記推定制動力の前記ブレーキ装置による制動トルク分を較正するように構成してもよい。
あるいは、この発明における前記車両は、駆動力源として駆動トルクおよび回生トルクを出力する電気モータを備えていてもよい。その場合、前記コントローラは、前記車両が平坦路を走行している際に前記ワンペダルモードで制動して停止する場合の標準的な加速度の挙動を想定した標準加速度を設定し、前記実車速が前記更新された目標減速車速に追従するように前記実駆動力および前記実制動力を制御した際の前記車両の実加速度の前記標準加速度からの偏差(加速度変化量)を算出し、前記偏差の大きさに応じて、前記目標減速車速を算出する際に用いる前記推定制動力の前記電気モータの回生トルクによる制動トルク分を較正するように構成してもよい。
この発明の車両の制御装置では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作に基づいて、車両の駆動力および制動力の両方を制御する、いわゆるワンペダルモードで車両を走行させることが可能である。更に、そのワンペダルモードで走行中の車両を制動して停止させることも可能である。そして、ワンペダルモードで停止に向けて減速する場合は、その時点の車両の走行状態および走行環境を考慮し、車両が停止する際の制動距離を一定にするための目標減速車速が求められ、その目標減速車速に実車速が追従するように、車両の駆動力および制動力を制御する。目標減速車速と実車速との乖離が大きい場合は、一旦、実車速を基に目標減速車速を更新し、その更新された目標減速車速に実車速が追従するように、車両の駆動力および制動力を制御する。したがって、この発明の車両の制御装置によれば、ワンペダルモードで走行中の車両を制動して停止させる場合に、走行状態や走行環境にかかわらず、常に一定の制動距離で車両を停止させることができる。そのため、ワンペダルモードにおける制動操作を容易にし、ひいては、ワンペダルモードで運転操作する車両のドライバビリティを向上させることができる。
なお、この発明の車両の制御装置では、上記のように、目標減速車速に実車速が追従するように車両の駆動力および制動力を制御した後に、その制御を実行した際の車両の実加速度と標準加速度との偏差(加速度変化量)応じて、目標減速車速の算出に用いる外乱トルクを較正することもできる。そのため、この発明の車両の制御装置によれば、例えば、道路勾配や車両の積載重量が異なる場合であっても、常に一定の制動距離で車両を停止させることができる。
あるいは、この発明の車両の制御装置では、上記のように、目標減速車速に実車速が追従するように車両の駆動力および制動力を制御した後に、その制御を実行した際の車両の実加速度と標準加速度との偏差(加速度変化量)応じて、目標減速車速の算出に用いる推定制動力のうちブレーキ装置による制動トルク分を較正することもできる。そのため、この発明の車両の制御装置によれば、例えば、経年変化等の影響によってブレーキ装置による制動トルクの推定値と実際値とのずれが大きくなった場合であっても、常に一定の制動距離で車両を停止させることができる。
あるいは、この発明の車両の制御装置では、上記のように、目標減速車速に実車速が追従するように車両の駆動力および制動力を制御した後に、その制御を実行した際の車両の実加速度と標準加速度との偏差(加速度変化量)応じて、目標減速車速の算出に用いる推定制動力のうち電気モータの回生トルクによる制動トルク分を較正することもできる。そのため、この発明の車両の制御装置によれば、例えば、機差や経年変化等の影響によって電気モータの回生トルクの推定値と実際値とのずれが大きくなった場合であっても、常に一定の制動距離で車両を停止させることができる。
この発明の車両の制御装置で制御の対象とする車両の構成および制御系統の概要を示す図である。 この発明の車両の制御装置によって実行される制御の一例(基本的な制御例)を説明するためのフローチャートである。 この発明の車両の制御装置によって実行される制御の他の例(一定の制動距離となるように駆動力および制動力を制御した後に、現在の外乱トルクを較正する例)を説明するためのフローチャートである。 図3のフローチャートで示す制御を実行する際の車両の挙動、および、外乱トルクの較正に用いる加速度変化量の例を説明するためのタイムチャートである。 図3のフローチャートで示す制御において、外乱トルクを較正する制御(ステップS21の制御内容)を説明するための図(マップ)である。 この発明の車両の制御装置によって実行される制御の他の例(実車速と目標減速車速との乖離を所定の範囲(所定値A)で許容する例)を説明するためのフローチャートである。 この発明の車両の制御装置によって実行される制御の他の例(一定の制動距離となるように駆動力および制動力を制御した後に、ブレーキ装置による現在の推定制動力を較正する例)を説明するためのフローチャートである。 図7のフローチャートで示す制御を実行する際の車両の挙動、および、ブレーキ装置による制動力を較正に用いる加速度変化量の例を説明するためのタイムチャートである。 図7のフローチャートで示す制御において、ブレーキ装置による制動力を較正する制御(ステップS41の制御内容)を説明するための図(マップ)である。 この発明の車両の制御装置によって実行される制御の他の例(一定の制動距離となるように駆動力および制動力を制御した後に、現在のモータトルクを較正する例)を説明するためのフローチャートである。 図10のフローチャートで示す制御を実行する際の車両の挙動、および、ブレーキ装置による制動力の較正に用いる加速度変化量の例を説明するためのタイムチャートである。 図10のフローチャートで示す制御において、ブレーキ装置による制動力を較正する制御(ステップS51の制御内容)を説明するための図(マップ)である。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
図1に、この発明の実施形態で制御対象とする車両Veの駆動系統および制御系統の一例を示してある。図1に示す車両Veは、主要な構成要素として、駆動力源(PWR)1、前輪2、後輪3、アクセルペダル4、ブレーキ装置5、検出部6、および、コントローラ(ECU)7を備えている。
駆動力源1は、車両Veの駆動力を発生するための駆動トルクを出力する動力源である。駆動力源1は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、出力の調整、ならびに、始動および停止などの作動状態が電気的に制御されるように構成されている。ガソリンエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料の供給量または噴射量、点火の実行および停止、ならびに、点火時期などが電気的に制御される。あるいは、ディーゼルエンジンであれば、燃料の噴射量、燃料の噴射時期、または、EGR[Exhaust Gas Recirculation]システムにおけるスロットルバルブの開度などが電気的に制御される。
また、この発明の実施形態における駆動力源1は、例えば、永久磁石式の同期モータ、もしくは、誘導モータなどの電気モータであってもよい。その場合の電気モータは、例えば、電力が供給されることにより駆動されてモータトルクを出力する原動機としての機能と、外部からのトルクを受けて駆動されることにより電気を発生する発電機としての機能とを兼ね備えている。すなわち、電気モータは、発電機能を有するモータ(いわゆる、モータ・ジェネレータ)であり、回転数やトルク、あるいは原動機としての機能と発電機としての機能との切り替えなどが電気的に制御される。
図1に示す例では、車両Veは、駆動力源1として電気モータ8を搭載している。上記のように電気モータ8は、原動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えたモータ・ジェネレータである。したがって、電気モータ8は、車両Veの駆動力を発生する駆動トルク、および、車両Veの制動力を発生する回生トルクを出力する。そのため、後述するように、電気モータ8が出力する回生トルクで、車両Veを制動することが可能である。
車両Veは、駆動力源1が出力する駆動トルクを、駆動輪に伝達して駆動力を発生する。図1には、前輪2が駆動輪となる前輪駆動車の構成を示してある。なお、この発明の実施形態における車両Veは、後輪3が駆動輪となる後輪駆動車であってもよい。あるいは、前輪2および後輪3の両方を駆動輪とする四輪駆動車であってもよい。また、駆動力源1としてエンジンを搭載する場合は、エンジンの出力側に変速機(図示せず)を設け、駆動力源1が出力する駆動トルクを、変速機を介して、駆動輪へ伝達するように構成してもよい。
また、車両Veは、従来一般的な構成であって、運転者が駆動力を調整して車両Veの加速操作を行うためのアクセルペダル4が設けられている。アクセルペダル4が踏み込まれることにより、そのアクセルペダル4の操作量(踏み込み量、もしくは、アクセルペダル開度またはアクセルペダルポジション)に対応して駆動力源1が出力する駆動トルクが増大し、車両Veの駆動力が増大する。反対に、アクセルペダル4の踏み込みが戻される(アクセルオフに操作される、もしくは、アクセルペダル開度またはアクセルペダルポジションが低下する)ことにより、そのアクセルペダル4の操作量に対応して駆動トルクが減少し、車両Veの駆動力が減少する。それとともに、図1に示す例のように、駆動力源1として電気モータ8を搭載している場合は、電気モータ8がいわゆる回生ブレーキとして機能し、すなわち、電気モータ8が出力する回生トルクにより、車両Veに制動力が発生する。あるいは、駆動力源1としてエンジンを搭載する場合は、アクセルオフの操作が行われることにより、いわゆるエンジンブレーキが作用し、車両Veの制動力が増大する。例えば、エンジンのフリクショントルクやポンピングロスが駆動トルクに対する抵抗力(制動トルク)となり、車両Veに制動力が発生する。
上記のように、アクセルペダル4は、運転者の操作によって車両Veの駆動力および制動力を調整する。後述するように、このアクセルペダル4には、運転者によるアクセルペダル4の操作量を検出するためのアクセルポジションセンサ6aが設けられている。アクセルポジションセンサ6aにより、アクセルペダル4の操作量(すなわち、アクセルペダル開度またはアクセルペダルポジション)および操作速度を検出することができる。アクセルポジションセンサ6aによってアクセルペダル4の操作速度を検出することにより、運転者によるアクセルペダル4の操作状態および操作方向を判断することができる。すなわち、運転者によってアクセルペダル4が踏み込まれている状態であるか、あるいは、運転者によってアクセルペダル4の踏み込みが戻されている状態であるかを判断することができる。
ブレーキ装置5は、車両Veの制動力を発生する装置であり、例えば、油圧式のディスクブレーキやドラムブレーキなど、従来一般的な構成が用いられる。この発明の実施形態における車両Veでは、ブレーキ装置5は、コントローラ7によって制御され、後述するように、ワンペダルモードでは、運転者によるアクセルペダル4の操作に連動して制動力を発生するように作動する。なお、車両Veは、運転者が制動力を調節して車両Veの制動操作を行うためのブレーキペダル(図示せず)を備えていてもよい。その場合、ブレーキ装置5は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作によっても作動し、車両Veの制動力(制動トルク)を発生する。
検出部6は、車両Veの各部を制御するための各種データを取得するものであり、車両Veの走行状態および走行環境に関連する各種データを検出する。検出部6は、そのような各種データを検出するためのセンサや機器を総称している。この発明の実施形態における検出部6は、少なくとも、アクセルペダル4の操作量(すなわち、アクセルペダルポジション、または、アクセルペダル開度)を検出するアクセルポジションセンサ6a、前輪2および後輪3の回転速度をそれぞれ検出する車輪速センサ6b、車両Veの前後方向の加速度を検出する加速度センサ6c、および、電気モータ8の出力軸(図示せず)の回転数を検出するレゾルバ(またはモータ回転数センサ)6d、あるいは、エンジンの出力軸(図示せず)の回転数を検出する回転数センサ(図示せず)などを有している。検出部6は、後述するコントローラ7と電気的に接続されており、上記のような各種センサや機器等の検出値に応じた電気信号を検出データとしてコントローラ7に出力する。
上記のような車両Veを制御するためのコントローラ7が設けられている。コントローラ7は、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置である。コントローラ7には、上記の検出部6で検出された各種データが入力される。コントローラ7は、上記のような入力された各種データ、および、予め記憶させられているデータや計算式等を使用して演算を行う。それとともに、その演算結果を制御指令信号として出力し、車両Veを制御するように構成されている。
例えば、コントローラ7は、アクセルポジションセンサ6aで検出したアクセルペダル4の操作量、および、車輪速センサ6bの検出値から算出した車速に基づいて、駆動力源1の目標駆動トルクを算出する。そして、その目標駆動トルクに基づいて、駆動力源1の出力を制御する。また、コントローラ7は、アクセルポジションセンサ6aで検出したアクセルペダル4の操作量および操作速度に対応させて、車両Veに実際に発生させる駆動力(実駆動力)および制動力(実制動力)を制御する。あるいは、ブレーキペダルの操作量や踏力に対応させて、車両Veに発生させる実制動力を制御する。なお、図1では一つのコントローラ7が設けられた例を示しているが、コントローラ7は、例えば制御する装置や機器毎に、あるいは制御内容毎に、複数設けられていてもよい。
この発明の実施形態における車両Veは、運転者による車両Veの実駆動力および実制動力の制御の形態として、運転者によるアクセルペダル4の操作量に基づいて実駆動力および実制動力の両方を制御する、いわゆるワンペダルモードで走行することが可能である。なお、車両Veが従来と同様のブレーキペダルを備えている場合は、アクセルペダル4およびブレーキペダルのそれぞれの操作量に基づいて実駆動力および実制動力を制御する通常モードで走行することも可能である。すなわち、通常モードおよびワンペダルモードの二つの走行モードを選択的に適宜切り替えて走行することが可能である。
通常モードでは、従来一般的な車両Veと同様に、運転者によるアクセルペダル4およびブレーキペダルの操作により、車両Veの加速および減速が行われる。なお、この発明の実施形態における車両Veは、必ずしも通常モードおよびワンペダルモードの二つの走行モードを設定する構成でなくともよい。ブレーキペダルを設けず、アクセルペダル4だけで車両Veの駆動力および制動力の両方を制御する構成、すなわち、ワンペダルモードのみで車両Veを走行させる構成であってもよい。
ワンペダルモードでは、運転者によるアクセルペダル4のみの操作により、車両Veの加速および減速が行われる。具体的には、この発明の実施形態における車両Veでは、例えば、アクセルペダル4の操作量の範囲に対して、相対的に大きい操作量に対応する加速領域と、相対的に小さい操作量に対応する減速領域とが設定されている。アクセルペダル4の操作量に対する減速領域と加速領域とを区画する操作量を切り替え操作量とすると、アクセルペダル4の操作量が0から切り替え操作量までの領域が減速領域となる。アクセルペダル4の操作量が減速領域にある状態では、操作量が減少するほど車両Veの制動力が増大する。アクセルペダル4の操作量が切り替え操作量から最大操作量までの領域が加速領域になる。アクセルペダル4の操作量が加速領域にある状態では、操作量が増加するほど車両Veの駆動力が増大する。アクセルペダル4の最大操作量は、例えばアクセルペダル4の操作量をアクセルペダル開度で表した場合、アクセルペダル全開の状態、すなわち、アクセルペダル開度が100%の状態となる。
したがって、ワンペダルモードにおける加速領域では、アクセルペダル4は通常の状態(すなわち、通常モードの状態)のアクセルペダルとして機能する。すなわち、加速領域では、アクセルペダル4の操作量の増加に対応して車両Veの実駆動力が増大するように制御される。例えば、アクセルペダル4の操作量が大きくなるほど、車両Veの実駆動力が増大するように制御される。
一方、ワンペダルモードにおける減速領域では、アクセルペダル4の操作量の減少に対応して車両Veの実制動力が増大するように制御される。例えば、アクセルペダル4の操作量が小さくなるほど、車両Veの実制動力が増大するように制御される。この場合の実制動力は、前述したように、駆動力源1として電気モータ8を備えている場合は、電気モータ8で発生する回生トルクによる制動力、および、ブレーキ装置5を作動させることにより発生させる制動力の両方を含んでいる。また、駆動力源1としてエンジンを備えている場合は、エンジンブレーキ力も含まれる。要求される制動力を満たすように、上記のような各種の制動力がそれぞれ協調して制御される。そして、この発明の実施形態における車両Veは、ワンペダルモードで走行している場合に、上記のようなアクセルオフによる制動によって停止することが可能なように構成されている。
前述したように、この発明の実施形態におけるコントローラ7は、上記のようなワンペダルモードで走行および停止することが可能な車両Veを対象に、ワンペダルモードにおけるアクセルオフによる制動時に、走行状態や走行環境にかかわらず、常に一定の制動距離で停止することを目的として構成されている。そのような目的を実現するためにコントローラ7で実行する制御の一例を、図2のフローチャートに示してある。
図2のフローチャートに示す制御は、車両Veがワンペダルモードで走行している場合に実行される。先ず、ステップS11では、車両Veが停止に向けて減速中であるか否かが判断される。例えば、車両Veの走行状態に関連するデータとして検出する車速(実車速)および前後加速度に基づいて、車両Veの減速状態および停止を判断することができる。車速は、車輪速センサ6bの検出値から算出できる。前後加速度は、加速度センサ6cによって検出できる。また、車両Veの外部状況に関する撮像情報を取得する車載カメラ(図示せず)を備えている場合は、その車載カメラの撮像情報に基づいて、車両Veの減速状態および停止を判断することもできる。
車両Veが停止に向けた減速中ではないことにより、このステップS11で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、この図2のフローチャートで示すルーチンを一旦終了する。それに対して、車両Veが停止に向けた減速中であることにより、ステップS11で肯定的に判断された場合には、ステップS12へ進む。
ステップS12では、推定駆動力、推定制動力、および、外乱トルクに基づいて、目標減速車速が算出される。ここで、推定駆動力は、車両Veがワンペダルモードで停止に向けた減速走行する場合の理論上の駆動力であり、例えば、車速、電気モータ8のモータトルクおよび回転数等に基づいて算出される。推定制動力は、車両Veがワンペダルモードで停止に向けた減速走行する場合の理論上の制動力であって、特に、ブレーキ装置5によって発生させる制動力である。この推定制動力は、例えば、ブレーキ装置5を作動させるブレーキ油圧に加え、ブレーキパッド(図示せず)の摩耗量、タイヤの摩耗量あるいは空気圧、ならびに、路面摩擦係数などを考慮して算出される。外乱トルクは、車両Veがワンペダルモードで停止に向けた減速走行する場合に車両Veに作用する外乱をトルクに換算したものであり、外乱の影響を受けて変化する。この外乱トルクは、例えば、道路勾配、乗車人数や積載物あるいは残燃料の重量等を加味した車両Veの自重、ならびに、路面摩擦係数や風速や風向き等を加味した走行抵抗などを考慮して算出される。そして、目標減速車速は、制動距離が予め定めた一定の目標制動距離となるように、ワンペダルモードで車両Veを停止に向けて制動する際に目標とする車速である。すなわち、目標減速車速は、車両Veを目標制動距離で制動して停止させるために車両Veの実駆動力および実制動力を制御する場合に制御の指標となる値である。したがって、後述するステップS14では、この目標減速車速を実現するように、車両Veの実駆動力および実制動力が制御される。
次いで、ステップS13では、車両Veの実車速と目標減速車速との乖離が予め定めた所定値よりも大きいか否かが判断される。具体的には、車両Veの実車速と、上記のステップS12で算出した目標減速車速との差の絶対値が、予め定めた所定値よりも大きいか否かが判断される。実車速は、例えば、車輪速センサ6bの検出値から算出できる。図2のフローチャートで示す例では、上記の所定値として0が設定され、実車速と目標減速車速との差の絶対値が0よりも大きいか否かが判断される。
車両Veの実車速と目標減速車速との乖離が予め定めた所定値以下であることにより、このステップS13で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、この図2のフローチャートで示すルーチンを一旦終了する。図2のフローチャートで示す例では、車両Veの実車速と目標減速車速との乖離が0である場合、すなわち、実車速と目標減速車速とが一致している場合に、ステップS13で否定的に判断される。なお、この場合、すなわち、実車速と目標減速車速との乖離が0またはほぼ0である場合は、例えば、この図2のフローチャートで示すルーチンとは別の通常の制御ルーチンで、実車速および目標減速車速に基づいて、車両Veの実駆動力および実制動力が制御される。したがって、車両Veは一定の目標制動距離で停止する。それに対して、車両Veの実車速と目標減速車速との乖離が予め定めた所定値よりも大きいことにより、ステップS13で肯定的に判断された場合には、ステップS14へ進む。
ステップS14では、上記のステップS12で算出した目標減速車速が更新され、その更新された目標減速車速を実現するように、車両Veの実駆動力および実制動力が制御される。すなわち、この場合は実車速と目標減速車速との乖離が大きいため、一旦、実車速を基に、制動距離が一定の目標制動距離となるように、目標減速車速が更新される。そして、その更新された目標減速車速に基づいて、車両Veの実駆動力および実制動力が制御される。具体的には、電気モータ8が出力するモータトルク(すなわち、駆動トルクおよび回生トルク)、ならびに、ブレーキ装置5による制動トルクが制御される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
上記のように、図2のフローチャートで示す制御を実行することにより、この発明の実施形態における車両の制御装置では、ワンペダルモードで走行中の車両Veを、アクセルオフによる制動の際に一定の制動距離で停止させることができる。そのため、この発明の実施形態における車両の制御装置によれば、ワンペダルモードにおける制動操作を容易にし、ひいては、ワンペダルモードで運転操作する車両Veのドライバビリティを向上させることができる。それに加えて、この発明の実施形態における車両の制御装置では、以下に示す他の制御例のように、ワンペダルモードにおけるアクセルオフによる制動を実施した場合に、その都度、外乱トルク、推定制動力、あるいは、推定駆動力など、制動時の制御に用いる各種の情報を較正することにより、上記のようなワンペダルモードにおける制動時の制御精度を向上させることができる。なお、以下の各フローチャートで示す制御の例において、上記の図2のフローチャートで示した例と制御内容が同じステップについては、図2のフローチャートと同じステップ番号を付けてある。
例えば、図3のフローチャートに示す制御では、上記の図2のフローチャートで示した制御と同様に、目標減速車速を実現するように、車両Veの制動時における実駆動力および実制動力が制御される、すなわち、制動制御が実行される(ステップS14)と、ステップS21で、現在の外乱トルクが較正される。具体的には、通常停止時の加速度変化からの加速度変化量が算出され、その加速度変化量に基づいて現在の外乱トルクが較正される。
通常停止時の加速度変化とは、例えば、図4のタイムチャートに一点鎖線で示すように、平坦路で、または、後述する外乱トルクの較正が既に実施されている状態で、車両Veがアクセルオフによる標準的な制動操作で停止する場合の加速度(標準加速度)の変化を規定した、あるいは、モデル化したものである。この通常停止時の加速度変化(標準加速度変化)は、例えば、蓄積された過去の走行データに基づいて求められる。または、理想的な制動距離となるように予め設定されてコントローラ7に記憶されているデータが用いられる。
上記の通常停止時の標準加速度変化を基準とし、その標準加速度変化と実際に生じた実加速度の変化(実加速度変化)との偏差として、加速度変化量が求められる。例えば、図4のタイムチャートに示すように、車両Veが停止する直前の所定時点における標準加速度変化と実加速度変化との偏差が、加速度変化量として算出される。あるいは、例えば、図4のタイムチャートで時刻t11から時刻t12までの期間(車両Veの停止までの制動期間)における標準加速度変化と実加速度変化との最大偏差を、加速度変化量としてもよい。
そして、上記のようにして求めた加速度変化量に基づいて、現在の外乱トルクが較正される。この場合の現在の外乱トルクは、ステップS12で目標減速車速を算出する際に適用される外乱トルクである。例えば、図5のマップに示すように、加速度変化量が大きいほど較正量が大きくなるように、現在の外乱トルクが較正または補正される。上記のようなマップから求められる較正量で較正される分、外乱トルクの値が大きくなる。ここで較正された外乱トルクが、次回のルーチンにおけるステップS12で目標減速車速を算出する際に用いられる。したがって、次回以降のルーチンでは、より推定精度が高められた外乱トルクが用いられ、目標減速車速が精度よく算出される。そして、その精度が高められた目標減速車速に基づいて車両Veの制動制御が実行されることにより、ワンペダルモードで走行中の車両Veを、より精度良く、一定の制動距離で停止させることができる。
なお、上記の図2および図3のフローチャートにおけるステップS13の制御は、次の図6のフローチャートにおいて、ステップS31で示すような内容で実行することもできる。すなわち、前述のステップS13では、車両Veの実車速と目標減速車速との乖離が0よりも大きいか否かを判断しているが、このステップS31では、車両Veの実車速と目標減速車速との乖離が閾値Aよりも大きいか否かが判断される。具体的には、実車速と目標減速車速との差の絶対値が閾値Aよりも大きいか否かが判断される。閾値Aは、0よりも大きく、かつ、(0を含まず)0に近い所定の数値であり、例えば、走行実験やシミュレーション等の結果を基に予め定められている。
このように、図6のフローチャートにおけるステップS31では、実車速と目標減速車速との乖離が閾値Aよりも大きいか否かを判断することにより、以降の制動制御において、目標制動距離に対する実際の制動距離のずれが、閾値Aに基づく所定の範囲で許容される。例えばPID制御等で実際値を目標値に一致させる自動制御では、目標値に対する実際値のずれを全く許容しない(0にする)と、オーバーシュートとアンダーシュートとを繰り返すハンチングが生じやすくなり、制御の難易度が高くなる。それに対して、上記のように、目標制動距離に対する実際の制動距離のずれを所定の範囲で許容することにより、制御の難易度を低くし、上記のような制動制御をスムーズに実行することができる。
図7のフローチャートに示す制御では、上記の図2のフローチャートで示した制御と同様に、目標減速車速を実現するように、車両Veの制動時における実駆動力および実制動力が制御される、すなわち、制動制御が実行される(ステップS14)と、ステップS41で、現在の推定制動力が較正される。具体的には、通常停止時の加速度変化からの加速度変化量が算出され、その加速度変化量に基づいて現在の推定制動力(特に、ブレーキ装置5によって発生させる制動トルク)が較正される。
通常停止時の加速度変化とは、例えば、図8のタイムチャートに一点鎖線で示すように、平坦路で、または、後述するブレーキ装置5による制動トルクの較正が既に実施されている状態で、車両Veがアクセルオフによる標準的な制動操作で停止する場合の加速度(標準加速度)の変化を規定した、あるいは、モデル化したものである。この通常停止時の加速度変化(標準加速度変化)は、例えば、蓄積された過去の走行データに基づいて求められる。または、理想的な制動距離となるように予め設定されてコントローラ7に記憶されているデータが用いられる。
上記の通常停止時の標準加速度変化を基準とし、その標準加速度変化と実際に生じた実加速度の変化(実加速度変化)との偏差として、加速度変化量が求められる。例えば、図8のタイムチャートに示すように、車両Veが停止する直前の所定時点における標準加速度変化と実加速度変化との偏差が、加速度変化量として算出される。あるいは、例えば、図8のタイムチャートで時刻t21から時刻t22までの期間(車両Veの停止までの制動期間)における標準加速度変化と実加速度変化との最大偏差を、加速度変化量としてもよい。
そして、上記のようにして求めた加速度変化量に基づいて、現在の推定制動力が較正される。この場合の現在の推定制動力は、ステップS12で目標減速車速を算出する際に適用される推定制動力であり、特に、ブレーキ装置5による制動トルクである。例えば、図9のマップに示すように、加速度変化量が大きいほど較正量が大きくなるように、ブレーキ装置5による現在の制動トルクが較正または補正される。上記のようなマップから求められる較正量で較正される分、制動トルクの値が大きくなる。ここで較正された制動トルクすなわち推定制動力が、次回のルーチンにおけるステップS12で目標減速車速を算出する際に用いられる。したがって、次回以降のルーチンでは、より推定精度が高められた推定制動力が用いられ、目標減速車速が精度よく算出される。そして、その精度が高められた目標減速車速に基づいて車両Veの制動制御が実行されることにより、ワンペダルモードで走行中の車両Veを、より精度良く、一定の制動距離で停止させることができる。
図10のフローチャートに示す制御では、上記の図2のフローチャートで示した制御と同様に、目標減速車速を実現するように、車両Veの制動時における実駆動力および実制動力が制御される、すなわち、制動制御が実行される(ステップS14)と、ステップS51で、現在の推定駆動力が較正される。具体的には、通常停止時の加速度変化からの加速度変化量が算出され、その加速度変化量に基づいて現在の推定駆動力(図1に示した構成の車両Veでは、電気モータ8のモータトルク)が較正される。
通常停止時の加速度変化とは、例えば、図11のタイムチャートに一点鎖線で示すように、平坦路で、または、後述するモータトルクの較正が既に実施されている状態で、車両Veがアクセルオフによる標準的な制動操作で停止する場合の加速度(標準加速度)の変化を規定した、あるいは、モデル化したものである。この通常停止時の加速度変化(標準加速度変化)は、例えば、蓄積された過去の走行データに基づいて求められる。または、理想的な制動距離となるように予め設定されてコントローラ7に記憶されているデータが用いられる。
上記の通常停止時の標準加速度変化を基準とし、その標準加速度変化と実際に生じた実加速度の変化(実加速度変化)との偏差として、加速度変化量が求められる。例えば、図11のタイムチャートに示すように、車両Veが停止する直前の所定時点における標準加速度変化と実加速度変化との偏差が、加速度変化量として算出される。あるいは、例えば、図11のタイムチャートで時刻t31から時刻t32までの期間(車両Veの停止までの制動期間)における標準加速度変化と実加速度変化との最大偏差を、加速度変化量としてもよい。
そして、上記のようにして求めた加速度変化量に基づいて、現在の推定駆動力が較正される。この場合の現在の推定駆動力は、ステップS12で目標減速車速を算出する際に適用される推定駆動力であり、特に、推定駆動力を算出するために用いる電気モータ8のモータトルクである。例えば、図12のマップに示すように、加速度変化量が大きいほど較正量が大きくなるように、電気モータ8の現在のモータトルクが較正または補正される。上記のようなマップから求められる較正量で較正される分、モータトルクの値が大きくなる。ここで較正されたモータトルクすなわち推定駆動力が、次回のルーチンにおけるステップS12で目標減速車速を算出する際に用いられる。したがって、次回以降のルーチンでは、より推定精度が高められた推定駆動力が用いられ、目標減速車速が精度よく算出される。そして、その精度が高められた目標減速車速に基づいて車両Veの制動制御が実行されることにより、ワンペダルモードで走行中の車両Veを、より精度良く、一定の制動距離で停止させることができる。
以上のように、この発明の実施形態における車両の制御装置では、車両Veをワンペダルモードで停止に向けて減速する場合に、その時点の車両Veの走行状態および走行環境を考慮し、車両Veが停止する際の制動距離を一定にするための目標減速車速が求められる。そして、その目標減速車速に実車速が追従するように、車両Veの実駆動力および実制動力が制御される。その際に、目標減速車速と実車速との乖離が大きい場合は、一旦、実車速を基に目標減速車速が更新され、その更新された目標減速車速に実車速が追従するように、車両Veの実駆動力および実制動力が制御される。したがって、この発明の実施形態における車両の制御装置によれば、ワンペダルモードで走行中の車両Veを制動して停止させる場合に、走行状態や走行環境にかかわらず、常に一定の制動距離で車両Veを停止させることができる。そのため、ワンペダルモードにおける制動操作を容易にし、ひいては、ワンペダルモードで運転操作する車両Veのドライバビリティを向上させることができる。
また、この発明の実施形態における車両の制御装置では、上記のような制動制御により、目標減速車速に実車速が追従するように車両Veの実駆動力および実制動力を制御した後に、その制動制御を実行した際の車両Veの実加速度と標準加速度との偏差(加速度変化量)応じて、目標減速車速の算出に用いる外乱トルク、推定制動力(ブレーキ装置5による制動トルク)、あるいは、推定駆動力(電気モータ8のモータトルク)を較正することができる。そのため、この発明の実施形態における車両の制御装置によれば、例えば、道路勾配や車両Veの積載重量が異なる場合、あるいは、経年変化等の影響によってブレーキ装置5による制動トルクの推定値と実際値とのずれが大きくなった場合、あるいは、機差や経年変化等の影響によって電気モータ8の回生トルクの推定値と実際値とのずれが大きくなった場合であっても、常に一定の制動距離で車両Veを停止させることができる。
1…駆動力源(PWR)、 2…前輪、 3…後輪、 4…アクセルペダル、 5…ブレーキ装置、 6…検出部、 6a…アクセルポジションセンサ、 6b…車輪速センサ、 6c…加速度センサ、 6d…レゾルバ(モータ回転数センサ)、 7…コントローラ(ECU)、 8…電気モータ(駆動力源)、 Ve…車両。

Claims (1)

  1. 車両の走行状態および走行環境に関連するデータを検出する検出部と、前記検出部で検出した前記データに基づいて前記車両の実駆動力および実制動力を制御するコントローラとを備え、運転者によるアクセルペダルのみの操作によって加速および減速を行うワンペダルモードで走行および停止することが可能な車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記データに基づいて、前記車両が前記ワンペダルモードで停止に向けた減速走行する場合の前記車両の推定駆動力および推定制動力、ならびに、前記車両に作用する外乱トルクを算出または推定するとともに、前記車両の減速状態を判定し、
    前記車両が前記減速走行中であると判断した場合に、前記推定駆動力、前記推定制動力、および、前記外乱トルクに基づいて、前記減速中に前記車両が停止する際の制動距離が予め定めた一定の目標制動距離となる目標減速車速を算出し、
    前記車両の実車速と前記目標減速車速との乖離が予め定めた所定値よりも大きい場合に、前記実車速に基づいて前記制動距離が一定の前記目標制動距離となるように前記目標減速車速を更新し、
    前記実車速が前記更新された目標減速車速に追従するように、前記実駆動力および前記実制動力を制御する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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