JP2019107980A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者の運転技量にかかわらず、1ペダルモードにおける制動力(減速度)を適切に制御することが可能な車両の制御装置を提供する。【解決手段】アクセルペダルのみの操作によって加速および減速を行う1ペダルモードで走行することが可能な車両の制御装置において、通常モードで減速走行する際に複数の第1ジャークを取得するとともに、前記第1ジャークを平均した平均ジャークを求め、前記1ペダルモードで減速走行する際に複数の第2ジャークを取得するとともに、前記第2ジャークの時間に対する変化率を求め、前記変化率が予め定めた閾値よりも小さい場合に、前記平均ジャークと前記第2ジャークとの差Jsを求め、その差Jsに基づいて、前記1ペダルモードで減速走行する際に前記操作量および前記操作速度に対応して発生する前記車両の加速度を規定する加速度特性を変更する(ステップS109)。【選択図】図5
Description
この発明は、運転者によるペダルの踏み込み操作に対応して車両の駆動力および制動力を制御する制御装置に関し、特に、一つのペダルの操作によって車両の駆動力および制動力の両方を制御すること(1ペダルモード)が可能な車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、一つの操作ペダル(アクセルペダル)で車両の加速度(駆動力)および減速度(制動力)を制御する、いわゆる1ペダルモードによる走行が可能な車両用走行制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された車両用走行制御装置は、操作ペダルの操作量に対して、相対的に小さい操作量に対応する減速領域と、相対的に大きい操作量に対応する加速領域とを設定する。減速領域においては、操作量が減少するほど車両の減速度が大きくなるように制御し、加速領域においては、操作量が増加するほど車両の加速度が大きくなるように制御する。また、この特許文献1に記載された車両用走行制御装置は、減速領域における最大減速度または加速領域における最大加速度を、車両の走行環境や運転者の運転状態等に応じて変更する。
なお、特許文献2には、アクセルペダルの操作量に応じて決定される目標値に基づいて車両の加速度および減速度を制御する1ペダルモードと、アクセルペダルの操作量およびブレーキペダルの操作量に応じて決定される目標値に基づいて車両の加速度および減速度を制御する通常モードとを切り替えることが可能な加減速度制御装置が記載されている。
また、特許文献3にも、上記のような1ペダルモード(統合操作制御モード)と通常モード(個別操作制御モード)とを切り替えることが可能な加減速度制御装置が記載されている。
上記の特許文献1に記載されている車両用走行制御装置のように、1ペダルモードでは、一つのアクセルペダルで車両の駆動力と制動力の両方を制御するため、アクセルペダルとブレーキペダルとを併用する通常モードと比較して、アクセルペダルで制御可能な制動力の領域が幅広く設定される。そのため、アクセルペダルの操作量(変化量)が同じであっても、1ペダルモードの方が通常モードよりも大きな制動力が作用する。すなわち、大きな減速度が発生する。
通常モードでは、例えば、図1のタイムチャートに示すように、車両を制動して減速させる際に、アクセルペダルおよびブレーキペダルが併用されて、狙いの減速度に到達するように車両が制動される。具体的には、先ず、時刻t11で、アクセルペダルの戻し操作が開始される。すなわち、所定のアクセル開度で踏み込まれていたアクセルペダルが、アクセル開度が閉じる方向に戻される。それにより、いわゆるエンジンブレーキによる制動力が作用し、時刻t11からアクセル開度が全閉となる時刻t12までの期間で、所定の低下勾配(傾き)で車両の加速度が低下する。言い換えると、所定の傾きで車両の減速度が増大する。アクセル開度が全閉になった後は、時刻t13でブレーキペダルの踏み込み操作が開始される。それにより、制動装置による制動力が作用し、時刻t13から狙いの(目標)減速度に到達する時刻t14までの期間で、所定の低下勾配(傾き)で車両の加速度が低下する。言い換えると、所定の傾きで車両の減速度が増大する。この場合に増大する減速度の傾きは、アクセルペダルの戻し操作により増大する減速度の傾きと同等になっている。すなわち、ブレーキペダルの踏み込み操作により、狙った低下勾配(傾き)で車両の減速度を増大させることができる。したがって、通常モードでは、アクセルペダルの戻し操作とブレーキペダルの踏み込み操作とを連動させて、スムーズな制動を行うことができる。
一方、特許文献1に記載されているような従来の1ペダルモードでは、例えば、図2のタイムチャートに示すように、車両を制動して減速させる際に、アクセルペダルの戻し操作のみで、狙いの減速度に到達するように車両が制動される。具体的には、先ず、時刻t21で、アクセルペダルの戻し操作が開始される。すなわち、所定のアクセル開度で踏み込まれていたアクセルペダルが、アクセル開度が閉じる方向に戻される。その後、時刻t21から狙いの(目標)減速度に到達する時刻t22までの期間で、アクセルペダルの戻し操作によって車両の制動力が制御され、その制動力に応じた所定の低下勾配(傾き)で車両の加速度が低下する。すなわち、所定の傾きで車両の減速度が増大する。この場合、アクセルペダルの戻し操作が数回にわたって段階的に行われていることから、減速度の傾きがその都度変化している。そのため、この図2に示す1ペダルモードでの減速の例では、減速度の狙いの低下勾配(傾き)がばらついてしまい、その結果、車両の制動状態が不安定になってしまう。
これは、前述したように、従来の1ペダルモードでは、通常モードと比較して、アクセルペダルで制御可能な制動力(減速度)の領域が大きいことが要因となっている。すなわち、特許文献1に記載されているような従来の1ペダルモードでは、図3に示すように、通常モードと比較してアクセル開度に対する減速度の領域を増加させている。その結果、アクセル開度に対する静的な加速度特性(G特性)が、減速度が増大する方向に大きくなる。すなわち、1ペダルモードでは、通常モードと比較して、アクセル開度の変化(低下)に対応する加速度の低下(減速度の増加)勾配が大きくなる。そのため、運転者のアクセル操作に対する減速度の変化が大きくなり、通常モードと同様の感覚でアクセルペダルの戻し操作を行うと、減速度が急増してしまう。したがって、1ペダルモードでは、運転者は、通常モードと比較して、アクセルペダルの戻し操作をゆっくりと行わなければならなくなる。そのようなアクセルペダルの戻し操作を適切に実施するには、ある程度の運転技量や慣れが必要になる。そのため、通常モードから1ペダルモードへ切り替える際には、運転者の運転技量や1ペダルモードに対する慣れ具合によっては、1ペダルモードでの車両の制動力あるいは減速度を適切に制御できないおそれがある。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、通常モードと1ペダルモードとを切り替えることが可能な車両において、運転者の運転技量にかかわらず、1ペダルモードでの車両の制動力(減速度)を適切に制御することが可能な車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、運転者によるアクセルペダルおよびブレーキペダルの操作によって加速および減速を行う通常モードと、前記運転者による前記アクセルペダルのみの操作によって前記加速および前記減速を行う1ペダルモードとを切り替えて走行することが可能な車両であって、少なくとも前記アクセルペダルの操作量および操作速度に基づいて前記車両の駆動力および制動力を制御するコントローラを備えた車両の制御装置において、前記コントローラは、前記車両が前記通常モードで減速走行する際に複数の第1ジャークを取得するとともに、前記第1ジャークを平均した平均ジャークを求め、前記車両が前記1ペダルモードで減速走行する際に複数の第2ジャークを取得するとともに、前記第2ジャークの時間に対する変化率を求め、前記変化率が予め定めた閾値よりも小さい場合に、前記平均ジャークと、前記閾値よりも小さい前記変化率を求めた時期における前記第2ジャークとの差を求め、前記差に基づいて、前記1ペダルモードで減速走行する際に前記操作量および前記操作速度に対応して発生する前記車両の加速度を規定する加速度特性を変更することを特徴とするものである。
この発明の車両の制御装置では、車両が1ペダルモードで減速走行する際に、その際に取得したジャーク(第2ジャーク)と、車両が通常モードで減速走行する際に取得したジャーク(第1ジャークの平均値;平均ジャーク)とが比較される。すなわち、通常モードにおける平均ジャークと1ペダルモードにおける第2ジャークとの差が求められる。それら平均ジャークと第2ジャークとの差から、1ペダルモードにおける運転者の運転技量や、運転者の1ペダルモードでの運転操作に対する慣れ具合を推量することができる。例えば、平均ジャークと第2ジャークとの差が大きいほど、運転者の運転技量あるいは慣れ具合が不足していると推測することができる。
平均ジャークと第2ジャークとの差は、第2ジャークの変化率が所定の閾値よりも小さい状態で求められる。通常モードから1ペダルモードへ切り替わる際には、運転者が1ペダルモードにおけるアクセルペダルの運転操作に慣れるまでに所定の時間を要し、通常モードから1ペダルモードへ切り替わった直後は、平均ジャークと第2ジャークとの差が大きい。その後、運転者が1ペダルモードの運転操作に慣れるにつれてその差は小さくなり、所定の差を持って第2ジャークの変化が収束する。すなわち、第2ジャークの変化率が0に収斂する。そのため、この発明の車両の制御装置では、第2ジャークの変化率が閾値よりも小さくなった状態、すなわち、運転者が1ペダルモードの運転操作に慣れたと推測できる状態で、平均ジャークと第2ジャークとの差が求められる。
そして、この発明の車両の制御装置では、上記のような平均ジャークと第2ジャークとの差に基づいて、1ペダルモードにおける車両の加速度特性が変更される。例えば、差が大きいほど、アクセルペダルの戻し操作に対する加速度の低下勾配(言い換えると、減速度の増加勾配)が小さくなるように、加速度特性が変更される。あるいは、差が大きいほど、制動制御における目標加速度(目標減速度)に対するなまし処理の度合いを大きくすることにより、加速度特性が変更される。あるいは、差が大きいほど、運転者がアクセルペダルを踏み込む際の踏力に対する反力を小さくすることにより、加速度特性が変更される。
したがって、この発明の車両の制御装置によれば、上記のような差が大きく、1ペダルモードにおける運転者の運転技量あるいは慣れ具合が不足していると推測される場合に、1ペダルモードにおける加速度特性を変更して、その1ペダルモードにおける加速度特性を通常モードにおける加速度特性に近付けることができる。そのため、運転者は、運転技量や慣れ具合にかかわらず、1ペダルモードで減速走行する際の車両の制動力(減速度)を適切に制御することができる。その結果、上記のような1ペダルモードでの走行が可能な車両のドライバビリティを向上させることができる。
なお、この発明の車両の制御装置で実行される制御における上記のような平均ジャークと第2ジャークとの「差」は、例えば、平均ジャークから第2ジャークを引いた「偏差」として求めることができる。あるいは、回帰分析などの統計的手法を用い、平均ジャークと第2ジャークとの間の「残差」として求めてもよい。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
図4に、この発明の実施形態で制御対象とする車両Veの駆動系統および制御系統の一例を示してある。図4に示す車両Veは、代表的に、駆動力源(ENG)1、変速機(AT)2、前輪3、後輪4、アクセルペダル5、ブレーキペダル6、ブレーキ装置(BK)7、検出部8、および、コントローラ(ECU)9を備えている。
駆動力源1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、出力の調整、ならびに、始動および停止などの作動状態が電気的に制御されるように構成されている。例えば、駆動力源1がガソリンエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料の供給量または噴射量、点火の実行および停止、ならびに、点火時期などが電気的に制御される。また、駆動力源1がディーゼルエンジンであれば、燃料の噴射量、燃料の噴射時期、または、EGR[Exhaust Gas Recirculation]システムにおけるスロットルバルブの開度などが電気的に制御される。あるいは、この発明の実施形態における駆動力源1は、例えば、永久磁石式の同期モータ、もしくは、誘導モータなどの電気モータであってもよい。その場合の電気モータは、例えば、電力が供給されることにより駆動されてモータトルクを出力する原動機としての機能と、外部からのトルクを受けて駆動されることにより電気を発生する発電機としての機能とを兼ね備えている。すなわち、電気モータは、発電機能を有するモータ(いわゆる、モータ・ジェネレータ)であり、回転数やトルク、あるいは原動機としての機能と発電機としての機能との切り替えなどが電気的に制御される。
図4に示す例では、車両Veは、駆動力源1が出力する駆動トルクを、変速機2を介して、前輪(駆動輪)3へ伝達するように構成されている。変速機2は、駆動トルクが伝達される入力軸(図示せず)の回転数を変速し、駆動トルクを駆動輪側へ伝達する。この発明の実施形態における変速機2は、例えば、有段式の自動変速機や無段変速機である。なお、図4には、前輪3が駆動輪となる前輪駆動車の構成を示しているが、この発明の実施形態における車両Veは、後輪4が駆動輪となる後輪駆動車であってもよい。あるいは、前輪3および後輪4の両方を駆動輪とする四輪駆動車であってもよい。
この発明の実施形態で制御対象とする車両Veは、従来一般的な構成であって、運転者が駆動力を調整して車両Veの加速操作を行うためのアクセルペダル5が設けられている。アクセルペダル5が踏み込まれることにより、そのアクセルペダル5の踏み込み量(アクセル操作量、もしくは、アクセル開度またはアクセルポジション)に対応してスロットルポジション(例えば、ガソリンエンジンのスロットルバルブの開度、あるいは、ディーゼルエンジンの燃料噴射量)が増大する。その結果、駆動トルクが増大し、車両Veの駆動力が増大する。反対に、アクセルペダル5の踏み込みが戻される(アクセル操作量が低減される、もしくは、アクセル開度またはアクセルポジションが低下する)ことにより、そのアクセルペダル5の踏み込み量に対応してスロットルポジションが低下する。その結果、駆動トルクが減少し、車両Veの駆動力が減少する。また、駆動力が減少することに伴い、車両Veの制動力が増大する。すなわち、アクセルペダル5の踏み込みが戻されることにより、いわゆるエンジンブレーキが作用し、車両Veの制動力が増大する。例えば、内燃機関のフリクショントルクやポンピングロスが駆動トルクに対する抵抗力(制動トルク)となり、車両Veに制動力が発生する。あるいは、電気モータが回生ブレーキとして機能し、車両Veに制動力が発生する。
このように、アクセルペダル5は、運転者の操作によって車両Veの駆動力および制動力を調整する。後述するように、このアクセルペダル5には、運転者によるアクセルペダル5の操作量および操作速度を検出するためのアクセルポジションセンサ8aが設けられている。アクセルポジションセンサ8aにより、アクセル開度またはアクセルポジションを検出することができる。また、アクセルポジションセンサ8aによってアクセルペダル5の操作速度を検出することにより、運転者によるアクセルペダル5の操作状態および操作方向を判断することができる。すなわち、運転者によってアクセルペダル5が踏み込まれている状態であるか、あるいは、運転者によってアクセルペダル5の踏み込みが戻されている状態であるかを判断することができる。この発明の実施形態では、後述するように、アクセルポジションセンサ8aによって求めたアクセルペダル5の操作速度(dPAP)が正の場合を、運転者によってアクセルペダル5が踏み込まれている状態とする。反対に、アクセルポジションセンサ8aによって求めたアクセルペダル5の操作速度(dPAP)が負の場合を、運転者によってアクセルペダル5の踏み込みが戻されている状態とする。
また、運転者が制動力を調整して車両Veの制動操作を行うためのブレーキペダル6が設けられている。ブレーキペダル6が踏み込まれることにより、車両Veのブレーキ装置7が作動し、車両Veの制動力が発生する。後述するように、このブレーキペダル6には、運転者によるブレーキペダル6の踏み込み操作におけるストロークおよび踏力を検出するためのブレーキストロークセンサ8bが設けられている。なお、ブレーキストロークセンサ8bの代わりに、運転者によるブレーキペダル6の操作状態(ブレーキ装置7のON・OFF、あるいは、ブレーキペダル6の操作量)を検出するブレーキスイッチ(図示せず)を用いることもできる。
車両Veは、車両Veの各部を制御するためのデータを取得する検出部8を備えている。検出部8は、車両Veを制御するための各種データを検出するセンサや機器を総称している。検出部8は、一例として、上述したようなアクセルペダル5の操作量(すなわち、アクセルポジション、または、アクセル開度)および操作速度を検出するアクセルポジションセンサ8a、ブレーキペダル6の操作量や踏力を検出するブレーキストロークセンサ(または、ブレーキスイッチ)8b、駆動力源1の出力軸(図示せず)の回転数を検出するエンジン回転数センサ8c、変速機2の出力軸(図示せず)の回転数を検出するアウトプット回転数センサ8d、前輪3および後輪4の回転速度をそれぞれ検出する車輪速センサ8e、および、車両Veの加速度(少なくとも、前後方向の加速度)を検出する加速度センサ8fなどを有している。検出部8は、後述するコントローラ9と電気的に接続されており、上記のような各種センサや機器等の検出値に応じた電気信号を検出データとしてコントローラ9に出力する。
上記のような車両Veを制御するためのコントローラ9が設けられている。コントローラ9は、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置である。コントローラ9には、上記の検出部8で検出された各種データが入力される。コントローラ9は、上記のような入力された各種データ、および、予め記憶させられているデータや計算式等を使用して演算を行う。それとともに、その演算結果を制御指令信号として出力し、車両Veを制御するように構成されている。
例えば、コントローラ9は、アクセルポジションセンサ8aで検出したアクセルペダル5の操作量、および、車輪速センサ8eの検出値から算出した車速に基づいて、駆動力源1の目標駆動トルクを算出する。そして、その目標駆動トルクに基づいて、駆動力源1の出力を制御する。また、コントローラ9は、変速機2で設定する変速比(もしくは、変速段)を制御する。また、コントローラ9は、アクセルポジションセンサ8aで検出したアクセルペダル5の操作量および操作速度に対応させて、車両Veに発生させる駆動力および制動力を制御する。あるいは、ブレーキペダル6の操作量や踏力に対応させて、車両Veに発生させる制動力を制御する。なお、図4では一つのコントローラ9が設けられた例を示しているが、コントローラ9は、例えば制御する装置や機器毎に、あるいは制御内容毎に、複数設けられていてもよい。
前述したように、この発明の実施形態における車両Veは、運転者による車両Veの駆動力および制動力の制御の形態として、通常モードおよび1ペダルモードの二つのドライブモードを設定することが可能である。そして、それら通常モードと1ペダルモードとを、選択的に、適宜、切り替えて走行することが可能である。通常モードでは、運転者によるアクセルペダル5およびブレーキペダル6の操作により、車両Veの加速および減速が行われる。一方、1ペダルモードでは、運転者によるアクセルペダル5のみの操作により、車両Veの加速および減速が行われる。
具体的には、この発明の実施形態における車両Veでは、例えば、前述した特許文献1に記載されている車両用走行制御装置と同様に、アクセルペダル5の操作量の範囲に対して、相対的に大きい操作量に対応する加速領域と、相対的に小さい操作量に対応する減速領域とが設定されている。加速領域では、アクセルペダル5は通常の状態(すなわち、通常モードの状態)のアクセルペダルとして機能する。すなわち、加速領域では、アクセルペダル5の操作量の増加に対応して車両Veの駆動力が増大するように制御される。例えば、アクセルペダル5の操作量が大きくなるほど、車両Veの駆動力が増大するように制御される。一方、減速領域では、アクセルペダル5の操作量の減少に対応して車両Veの制動力が増大するように制御される。例えば、アクセルペダル5の操作量が小さくなるほど、車両Veの制動力が増大するように制御される。この場合の制動力は、前述したようなエンジンブレーキ力、および、ブレーキ装置7を作動させることにより発生させる制動力の両方を含んでいる。
そして、この発明の実施形態における車両Veの制御装置は、上記のような通常モードと1ペダルモードとを切り替えて走行することが可能な車両Veを対象にして、運転者の運転技量にかかわらず、1ペダルモードでの車両Veの制動力(減速度)を適切に制御することを目的として構成されている。そのような目的を実現するためにコントローラ9で実行する基本的な制御の一例を、図5のフローチャートに示してある。
図5のフローチャートに示す制御は、車両Veのドライブモードが1ペダルモードである場合に実行される。したがって、この図5のフローチャートに示す制御では、車両Veの現在のドライブモードを確認するために、先ず、ステップS101で、車両Veのドライブモードが1ペダルモードであるか否かが判断される。
車両Veのドライブモードが1ペダルモードでないことにより、このステップS101で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、車両Veのドライブモードが1ペダルモードであることにより、ステップS101で肯定的に判断された場合には、ステップS102へ進む。
ステップS102では、運転者によるアクセルペダル5の戻し操作中であるか否かが判断される。具体的には、アクセルポジションセンサ8aによって求めたアクセルペダル5の操作速度dPAPが負の値であるか否か、すなわち、下記の不等式、
dPAP < 0
が成立するか否かが判断される。
dPAP < 0
が成立するか否かが判断される。
運転者によるアクセルペダル5の戻し操作中ではないことにより、このステップS102で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、運転者によるアクセルペダル5の戻し操作中であることにより、ステップS102で肯定的に判断された場合には、ステップS103へ進む。
ステップS103では、アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作であるか否かが判断される。具体的には、アクセルポジションセンサ8aで検出したアクセル開度(または、アクセルポジション)PAPが、定常開度αよりも小さいか否かが判断される。この場合の定常開度αは、車両Veが1ペダルモードで走行している際に、車速が一定となる(すなわち、加速度が0になる)アクセル開度であり、例えば、走行実験や走行シミュレーションなどの結果を基に、予め定められている。あるいは、現在の走行状態や走行環境を考慮し、制御のタイミングでその都度演算して求めた値を設定してもよい。
アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作でないことにより、このステップS103で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作であることにより、ステップS103で肯定的に判断された場合には、ステップS104へ進む。
ステップS104では、車両VeのジャークJop[i]が取得され、コントローラ9の記憶部(図示せず)に記録される。例えば、加速度センサ8fで検出した車両Veの前後加速度を時間で微分することにより、ジャークJop[i]を算出することができる。この場合のジャークJop[i]は、この発明の実施形態における「第2ジャーク」に相当するものであり、車両Veが1ペダルモードで減速走行する際に、少なくとも二つ以上の、複数のデータが取得される。なお、ジャークJop[i]の「i」は、データ番号である。
ステップS105では、ジャークJop[i]を緩変化処理したジャークJopa[i]が算出され、コントローラ9の記憶部に記録される。図6に示すように、上記のようにして求めたジャークJop[i]は、例えば、加速度センサ8fの検出誤差によるばらつきがある。そのため、このステップS105では、例えば、移動平均法などの統計的手法により、ジャークJop[i]に対して緩変化処理が実施される。
ステップS106では、ステップS105で緩変化処理したジャークJopa[i]の時間に対する変化率dJopa[i]が算出される。例えば、ジャークJopa[i]を時間で微分することにより、変化率dJopa[i]を算出することができる。
ステップS107では、運転者が1ペダルモードでの運転操作に慣れたか否かが判断される。具体的には、ステップS106で算出した変化率dJopa[i]の絶対値|dJopa[i]|が、予め定めた閾値Xstよりも小さいか否か、すなわち、下記の不等式、
|dJopa[i]|<Xst
が成立するか否かが判断される。
|dJopa[i]|<Xst
が成立するか否かが判断される。
変化率dJopa[i]の絶対値|dJopa[i]|が閾値Xst以上である、すなわち、未だ運転者が1ペダルモードでの運転操作に慣れていないと推測されることにより、このステップS107で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、変化率dJopa[i]の絶対値|dJopa[i]|が閾値Xstよりも小さい、すなわち、運転者が1ペダルモードでの運転操作に慣れたと推測されることにより、ステップS107で肯定的に判断された場合には、ステップS108へ進む。
ステップS108では、平均ジャークJmとジャークJopa[i]との差Jsが算出される。この場合の差Jsは、例えば、平均ジャークJmからジャークJopa[i]を引いた「偏差」として求められる。すなわち、差Jsは、下記の演算式、
Js = Jm − Jopa[i]
から算出される。あるいは、差Jsは、回帰分析などの統計的手法を用い、平均ジャークと第2ジャークとの間の「残差」として求めることもできる。
Js = Jm − Jopa[i]
から算出される。あるいは、差Jsは、回帰分析などの統計的手法を用い、平均ジャークと第2ジャークとの間の「残差」として求めることもできる。
なお、平均ジャークJmは、車両Veが通常モードで減速走行する際に取得した複数のジャーク(すなわち、この発明の実施形態における「第1ジャーク」に相当するものであり、後述するジャークJn)の平均値である。この平均ジャークJmは、具体的には、後述の図7に示すように、この図5のフローチャートとは別のルーチンで算出される。
また、上記の差Jsを算出する際のジャークJopa[i]は、運転者が1ペダルモードでの運転操作に慣れたと判定される時期に取得したジャークJopa[i]が用いられる。例えば、図6のタイムチャートに時刻t31で示すように、変化率dJopa[i](具体的には、変化率dJopa[i]の絶対値|dJopa[i]|)を求めた時期(時刻t31)におけるジャークJopa[i]が用いられ、平均ジャークJmとの差Jsが求められる。
したがって、このステップS108では、平均ジャークJmとジャークJopa[i](すなわち、「第2ジャーク」)との差Jsが、ジャークJopa[i]の変化率dJopa[i]が閾値Xstよりも小さい状態で求められる。通常モードから1ペダルモードへ切り替わる際には、運転者が1ペダルモードにおけるアクセルペダルの運転操作に慣れるまでに所定の時間を要する。すなわち、図6のタイムチャートに示すように、変化率dJopa[i]が閾値Xstよりも小さくなる(時刻t31)までに所定の時間を要する。したがって、通常モードから1ペダルモードへ切り替わった直後は、平均ジャークJmとジャークJopa[i]との差が大きい。その後、運転者が1ペダルモードの運転操作に慣れるにつれてその差は小さくなり、最終的に差Jsまたはほぼ差Jsに近い値を持ってジャークJopa[i]の変化が収束する。すなわち、変化率dJopa[i]が0に収斂する。そのため、この発明の実施形態における車両Veの制御装置では、ジャークJopa[i]が閾値Xstよりも小さくなった状態、すなわち、運転者が1ペダルモードの運転操作に慣れたと推測できる状態で、平均ジャークJmとジャークJopa[i]との差Jsが求められる。
そして、ステップS109では、ステップS108で算出した差Jsに基づいて、車両Veの加速度特性が変更される。この場合の加速度特性は、車両Veが1ペダルモードで減速走行する際に、運転者によるアクセルペダル5の操作量および操作速度に対応して発生する車両Veの加速度を規定する特性であり、例えば、アクセルペダル5の戻し操作に対する加速度の低下傾向(言い換えると、減速度の増加傾向)を決める特性である。この加速度特性を変更するための具体的な制御は、後述の図9に示すように、この図5のフローチャートとは別のルーチンで実行される。そして、このステップS109で車両Veの加速度特性が変更されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
次に、平均ジャークJmについて説明する。前述したように、平均ジャークJmは、車両Veが通常モードで減速走行する際に取得する複数のジャークJnの平均値である。この平均ジャークJmを算出するためにコントローラ9で実行する具体的な制御の一例を、図7のフローチャートに示してある。
図7のフローチャートに示す制御は、車両Veのドライブモードが通常モードである場合に実行される。したがって、この図7のフローチャートに示す制御では、車両Veの現在のドライブモードを確認するために、先ず、ステップS201で、車両Veのドライブモードが通常モードであるか否かが判断される。
車両Veのドライブモードが通常モードでないことにより、このステップS201で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、車両Veのドライブモードが通常モードであることにより、ステップS201で肯定的に判断された場合には、ステップS202へ進む。
ステップS202では、運転者によるアクセルペダル5の戻し操作中であるか否かが判断される。具体的には、アクセルポジションセンサ8aによって求めたアクセルペダル5の操作速度dPAPが負の値であるか否か、すなわち、下記の不等式、
dPAP < 0
が成立するか否かが判断される。
dPAP < 0
が成立するか否かが判断される。
運転者によるアクセルペダル5の戻し操作中ではないことにより、このステップS202で否定的に判断された場合は、ステップS203へ進む。
ステップS203では、運転者によるブレーキペダル6の踏み込み操作中であるか否かが判断される。具体的には、ブレーキストロークセンサ8bによって求めたブレーキペダル6の操作速度(ブレーキストローク速度)dBsが正の値であるか否か、すなわち、下記の不等式、
dBs > 0
が成立するか否かが判断される。
dBs > 0
が成立するか否かが判断される。
運転者によるブレーキペダル6の踏み込み操作中でないことにより、このステップS203で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、運転者によるブレーキペダル6の踏み込み操作中であることにより、ステップS203で肯定的に判断された場合には、後述するステップS205へ進む。
一方、運転者によるアクセルペダル5の戻し操作中であることにより、上述のステップS202で肯定的に判断された場合には、ステップS204へ進む。
ステップS204では、アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作であるか否かが判断される。具体的には、アクセルポジションセンサ8aで検出したアクセル開度(または、アクセルポジション)PAPが、定常開度βよりも小さいか否かが判断される。この場合の定常開度βは、車両Veが通常モードで走行している際に、車両Veの走行中に、車速が一定となる(すなわち、加速度が0になる)アクセル開度であり、例えば、走行実験や走行シミュレーションなどの結果を基に、予め定められている。あるいは、現在の走行状態や走行環境を考慮し、制御のタイミングでその都度演算して求めた値を設定してもよい。
アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作でないことにより、このステップS2
04で否定的に判断された場合は、前述のステップS203へ進む。それに対して、アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作であることにより、ステップS204で肯定的に判断された場合には、ステップS205へ進む。前述したように、運転者によるブレーキペダル6の踏み込み操作中であることにより、ステップS203で肯定的に判断された場合も、このステップS205へ進む。
04で否定的に判断された場合は、前述のステップS203へ進む。それに対して、アクセルペダル5の戻し操作が減速領域での操作であることにより、ステップS204で肯定的に判断された場合には、ステップS205へ進む。前述したように、運転者によるブレーキペダル6の踏み込み操作中であることにより、ステップS203で肯定的に判断された場合も、このステップS205へ進む。
ステップS205では、車両VeのジャークJn[j]が取得され、コントローラ9の記憶部(図示せず)に記録される。例えば、加速度センサ8fで検出した車両Veの前後加速度を時間で微分することにより、ジャークJn[j]を算出することができる。この場合のジャークJn[j]は、この発明の実施形態における「第1ジャーク」に相当するものであり、車両Veが通常モードで減速走行する際に、少なくとも二つ以上の、複数のデータが取得される。なお、ジャークJop[j]の「j」は、データ番号である。
そして、ステップS206では、上記の複数のジャークJn[j](すなわち、「第1ジャーク」)を平均した平均ジャークJmが算出され、コントローラ9の記憶部に記録される。そして、このステップS206で車両Veの平均ジャークJmが算出されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
上記の図7のフローチャートで示した平均ジャークJmを算出するための制御を実行した場合の車両Veの挙動を、図8のタイムチャートに示してある。この図8のタイムチャートにおいて、時刻t41から時刻t43までの期間で、アクセルペダル5の戻し操作が行われている。ただし、始めの時刻t41から時刻t42までの期間は、未だ車両Veは加速している状態であるため、ジャークJn[j]は取得しない。この場合にアクセル開度PAPが定常開度βよりも小さくなる、すなわち、車両Veの加速度が負の値になる(すなわち、減速度が発生する)時刻t42以降の時刻t43までの期間で、ジャークJn[j]を取得する。この図8に示す例では、ジャークJn[1]が取得される。
同様に、時刻t44から時刻t46までの期間で、アクセルペダル5の戻し操作が行われている。ただし、始めの時刻t44から時刻t45までの期間は、未だ車両Veは加速している状態であるため、ジャークJn[j]は取得しない。この場合にアクセル開度PAPが定常開度βよりも小さくなる、すなわち、すなわち、減速度が発生する時刻t45以降の時刻t46までの期間で、ジャークJn[j]を取得する。この図8に示す例では、ジャークJn[2]が取得される。
そして、時刻t46から時刻t47までの期間で、ブレーキペダル6の踏み込み操作による制動が行われている。それにより、この時刻t46から時刻t47までの期間では、減速度が発生するので、ジャークJn[j]を取得する。この図8に示す例では、ジャークJn[3]が取得される。このようにして取得されたジャークJn[j]から平均ジャークJmが算出される。例えば、平均ジャークJmは、新たなジャークJn[j]が取得されるたびにその都度算出され、更新される。
次に、前述の図5のフローチャートにおけるステップS109で実行される加速度特性の変更について説明する。前述したように、この発明の実施形態における車両Veの制御装置は、上記のようにして求めた平均ジャークJmとジャークJopa[i]との間の差Jsに基づいて、車両Veの加速度特性を変更する。そのためにコントローラ9で実行する具体的な制御の一例を、図9のフローチャートに示してある。
図9のフローチャートにおいて、先ず、ステップS301で、静的な加速度特性(静的G特性)の変更が未完であるか否かが判断される。具体的には、静的G特性完了フラグFstがOFFであるか否かが判断される。
静的な加速度特性の変更が未だ完了していないこと、すなわち、未だ、静的G特性完了フラグFstがOFFであることにより、このステップS301で肯定的に判断された場合は、ステップS302へ進む。
ステップS302では、アクセル開度PAPに対する加速度の低下勾配(G勾配)の低減量dPapGが算出される。このG勾配の低減量dPapGは、図10に示すように、平均ジャークJmとジャークJopa[i]との間の差Jsが大きいほど大きな値に設定される。但し、低減量dPapGが過度に大きくなると、前述したような定常開度αが大きくなり、その結果、アクセル操作時における運転者の負担が大きくなる。そのため、低減量dPapGは、図10に示すように、上限が設けられている。
ステップS303では、アクセル開度PAPに対する加速度の低下勾配(G勾配)PapGが変更される。具体的には、図11に示すように、変更前のG勾配PapG’に対して、変更後のG勾配PapGが小さくなるように変更される。
ステップS304では、変更後のG勾配PapGが、閾値Spapgよりも小さいか否かが判断される。この場合の閾値Spapgは、定常開度αが大きくなることにより、運転者に対するアクセル操作の負担が過度に大きいか否かを判断するための閾値である。閾値Spapgは、例えば、走行実験や走行シミュレーションなどの結果を基に、予め定められる。変更後のG勾配PapGが閾値Spapg以上である場合は、G勾配PapGが閾値Spapgよりも小さくなるように、再度、G勾配の低減量dPapGが算出される。
変更後のG勾配PapGが閾値Spapg以上であることにより、このステップS304で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、変更後のG勾配PapGが閾値Spapgよりも小さいことにより、ステップS304で肯定的に判断された場合には、ステップS305へ進む。
ステップS305では、静的G特性完了フラグFstがONにセットされる。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
一方、上述のステップS301で、静的な加速度特性の変更が完了していること、すなわち、静的G特性完了フラグFstがONであることによって否定的に判断された場合は、ステップS306へ進む。
ステップS306では、動的な加速度特性(動的G特性)の変更が未完であるか否かが判断される。具体的には、動的G特性完了フラグFdynがOFFであるか否かが判断される。
動的な加速度特性の変更が完了していること、すなわち、動的G特性完了フラグFdynがONであることによって否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、動的な加速度特性の変更が未だ完了していないこと、すなわち、未だ、動的G特性完了フラグFdynがOFFであることにより、このステップS306で肯定的に判断された場合は、ステップS307へ進む。
ステップS307では、加速度指令値(G指令値)のなまし度合い増加量dNfltが算出される。このなまし度合い増加量dNfltは、図12に示すように、平均ジャークJmとジャークJopa[i]との間の差Jsが大きいほど大きな値に設定される。但し、前述の低減量dPapGと同様に、なまし度合い増加量dNfltが過度に大きくなると、運転者に減速度の不足感を与えてしまい、その結果、運転者に過剰なブレーキ操作の負担を掛けてしまうおそれがある。そのため、なまし度合い増加量dNfltは、図12に示すように、上限が設けられている。
ステップS308では、加速度指令値(G指令値)に対するなまし度合いNfltが更新される。具体的には、上記のステップS307で算出したなまし度合い増加量dNfltが、現在のなまし度合いNfltに加算される。すなわち、下記の演算式、
Nflt = Nflt + dNflt
に基づいて、なまし度合いNfltが更新される。
Nflt = Nflt + dNflt
に基づいて、なまし度合いNfltが更新される。
ステップS309では、上記のステップS308で更新したなまし度合いNfltに基づいて、加速度指令値(G指令値)に対するなまし処理が実施される。具体的には、図13に示すように、変更前の加速度指令値の低下勾配に対して、変更後の加速度指令値の低下勾配が小さくなるように、なまし処理が実施される。
ステップS310では、ステップS308で更新されたなまし度合いNfltが、閾値Snよりも大きいか否かが判断される。この場合の閾値Snは、加速度指令値(G指令値)に対するなまし度合いNfltが大きくなることにより、運転者が減速度不足を感じるか否かを判断するための閾値である。閾値Snは、例えば、走行実験や走行シミュレーションなどの結果を基に、予め定められる。更新されたなまし度合いNfltが閾値Sn以下である場合は、なまし度合いNfltが閾値Snよりも小さくなるように、再度、なまし度合い増加量dNfltが算出される。
更新されたなまし度合いNfltが閾値Sn以下であることにより、このステップS310で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、更新されたなまし度合いNfltが閾値Snよりも大きいことにより、ステップS310で肯定的に判断された場合には、ステップS311へ進む。
ステップS311では、動的G特性完了フラグFdynがONにセットされる。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
上記のように、この発明の実施形態における車両Veの制御装置による制御を実行した例を、図14のタイムチャートに示してある。この図14に示す例では、時刻t51から時刻t52までの期間、および、時刻t53から時刻t54までの期間では、車両Veが1ペダルモードで減速走行しているので、ジャークJop[i]が取得される。この図14に示す例では、ジャークJop[1]、ジャークJop[2]、および、ジャークJop[3]が取得されている。これらのジャークJop[1]、ジャークJop[2]、および、ジャークJop[3]が取得される時期は、未だ1ペダルモードでの経過時間が短いため、運転者は、1ペダルモードの運転操作に慣れていないため、ジャークJop[1]、ジャークJop[2]、および、ジャークJop[3]のように、いずれも、大きなジャークが発生している。
その後、1ペダルモードで所定の時間が経過し、時刻t55から時刻t56までの期間、および、時刻t57から時刻t58までの期間で、再び、車両Veが1ペダルモードで減速走行しているので、ジャークJop[i]が取得される。この図14に示す例では、ジャークJop[101]、および、ジャークJop[102]が取得されている。これらのジャークJop[101]、および、ジャークJop[102]が取得される時期になると、運転者は1ペダルモードの運転操作に慣れてきたため、ジャークJop[101]、および、ジャークJop[102]のように、初期の頃と比較して、発生するジャークが小さくなっている。
この発明の実施形態における車両Veの制御装置では、上記のように運転者は1ペダルモードの運転操作に慣れ、発生するジャークが小さくなるタイミングで、すなわち、図15に示すように、平均ジャークJmとジャークJopa[i]との差Jsが小さくなり、なおかつ、ジャークJopa[i]の変化率dJopa[i]が十分に小さくなった状態で、車両Veの加速度特性を変更する。図14に示す例では、時刻t58のタイミングで、加速度特性の変更が実施される。そして、加速度特性の変更が実施された時刻t58以降は、初期の頃と比較して、発生するジャークが十分に小さくなり、例えば、時刻t59から時刻t60までの期間で示すように、運転者は1ペダルモードの運転操作を容易に行うことができる。
したがって、この発明の実施形態における車両Veの制御装置によれば、上記のような平均ジャークJmとジャークJopa[i]との差Jsが大きく、1ペダルモードにおける運転者の運転技量あるいは慣れ具合が不足していると推測される場合に、1ペダルモードにおける加速度特性を変更して、その1ペダルモードにおける加速度特性を通常モードにおける加速度特性に近付けることができる。そのため、運転者は、運転技量や慣れ具合にかかわらず、1ペダルモードで減速走行する際の車両の制動力(減速度)を適切に制御することができる。その結果、車両Veのドライバビリティを向上させることができる。
1…駆動力源(ENG)、 2…自動変速機(AT)、 3…前輪、 4…後輪、 5…アクセルペダル、 6…ブレーキペダル、 7…ブレーキ装置、 8…検出部、 8a…アクセルポジションセンサ、 8b…ブレーキスイッチ(ブレーキストロークセンサ)、 8c…エンジン回転数センサ、 8d…アウトプット回転数センサ、 8e…車輪速センサ、 8f…加速度センサ、 9…コントローラ(ECU)、 Ve…車両。
Claims (1)
- 運転者によるアクセルペダルおよびブレーキペダルの操作によって加速および減速を行う通常モードと、前記運転者による前記アクセルペダルのみの操作によって前記加速および前記減速を行う1ペダルモードとを切り替えて走行することが可能な車両であって、少なくとも前記アクセルペダルの操作量および操作速度に基づいて駆動力および制動力を制御するコントローラを備えた車両の制御装置において、
前記コントローラは、
前記車両が前記通常モードで減速走行する際に複数の第1ジャークを取得するとともに、前記第1ジャークを平均した平均ジャークを求め、
前記車両が前記1ペダルモードで減速走行する際に複数の第2ジャークを取得するとともに、前記第2ジャークの時間に対する変化率を求め、
前記変化率が予め定めた閾値よりも小さい場合に、前記平均ジャークと、前記閾値よりも小さい前記変化率を求めた時期における前記第2ジャークとの差を求め、
前記差に基づいて、前記1ペダルモードで減速走行する際に前記操作量および前記操作速度に対応して発生する前記車両の加速度を規定する加速度特性を変更する
ことを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (3)
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JP2021146777A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | スズキ株式会社 | 減速力抑制装置 |
CN114103986A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-03-01 | 东风汽车有限公司东风日产乘用车公司 | 单踏板模式推荐与提醒方法、装置及设备 |
CN114407896A (zh) * | 2020-10-09 | 2022-04-29 | 丰田自动车株式会社 | 车辆的控制装置 |
-
2017
- 2017-12-18 JP JP2017241810A patent/JP2019107980A/ja active Pending
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