JP2020040449A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクセンサなどのエンジントルクを検出するセンサを設けることなく、エンジンの異常を判断することができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。【解決手段】駆動力源としてのエンジンおよびモータを備え、車両を駆動させるための指令駆動力のうちエンジンに出力する割合と、モータに出力する割合とを変更可能なハイブリッド車両の制御装置において、エンジンおよびモータの出力トルクを制御するコントローラを備え、コントローラは、モータに出力する割合を第1所定値に設定した場合における指令駆動力と車速との関係と、モータに出力する割合を第2所定値に設定した場合における指令駆動力と車速との関係と(ステップS15)が異なっている場合に、エンジンに異常が生じていると判断するように構成されている。【選択図】図5

Description

この発明は、エンジンとモータとを駆動力源として備えているハイブリッド車両の制御装置に関し、特にエンジンの異常を判断する制御装置に関するものである。
特許文献1には、エンジンが連結された第1回転要素と、モータが連結された第2回転要素と、駆動輪が連結された第3回転要素とにより構成された動力分割機構を備えたハイブリッド車両の制御装置が記載されている。この制御装置は、エンジンの排気を浄化する浄化装置の暖気を行う場合に、エンジンによる点火時期を遅角側に調整するように構成されている。そして、点火時期を遅角側に調整した場合におけるモータの反力トルクから算出されるエンジントルクと、吸入空気量およびエンジン回転数から算出される判断基準トルクとを比較して、点火時期の調整に異常があるか否かを判断している。
特開2004−251178号公報
特許文献1に記載されたハイブリッド車両は、エンジンの出力トルクが動力分割機構により駆動輪側とモータ側とに分割され、その分割率は、動力分割機構のギヤ比で定まる。したがって、モータの回転数を維持するためのモータトルクを算出することで、エンジンの出力トルクを求めて点火時期の調整に異常があるか否かを判断できる。つまり、特許文献1に記載されたハイブリッド車両は、モータをトルクセンサとして機能させることにより、エンジントルクを検出している。したがって、上記のような動力分割機構を備えていないハイブリッド車両においては、トルクセンサなどのエンジントルクを検出するセンサを設けない限り、エンジンの異常を判断することができない可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、トルクセンサなどのエンジントルクを検出するセンサを設けることなく、エンジンの異常を判断することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の目的を達成するために、駆動力源としてのエンジンおよびモータを備え、車両を駆動させるための指令駆動力のうち前記エンジンに出力する割合と、前記モータに出力する割合とを変更可能なハイブリッド車両の制御装置において、前記エンジンおよび前記モータの出力トルクを制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記モータに出力する割合を第1所定値に設定した場合における前記指令駆動力と車速との関係と、前記モータに出力する割合を第2所定値に設定した場合における前記指令駆動力と前記車速との関係とが異なっている場合に、前記エンジンに異常が生じていると判断するように構成されていることを特徴としている。
この発明では、前記コントローラは、前記モータに出力する割合を前記第1所定値に設定した場合における前記指令駆動力を前記車速との関係を学習し、前記モータに出力する割合を前記第2所定値に設定して走行している際における前記車速から、前記モータに出力する割合を前記第1所定値に設定して走行するとした場合の推定指令駆動力を求め、前記推定指令駆動力と、前記モータに出力する割合を前記第2所定値に設定して走行している際の実指令駆動力とに基づいて、前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されていてよい。
この発明では、前記コントローラは、前記実指令駆動力と前記推定指令駆動力とから、前記エンジンに出力される指令トルクに対する前記エンジンから出力される実トルクである前記エンジンの出力率を求めるように構成されていてよい。
この発明では、前記コントローラは、前記モータに出力する割合を前記第1所定値として走行している場合における前記車速を検出し、前記指令駆動力を維持したまま前記モータに出力する割合を前記第2所定値に変更するとともに、前記割合を変更した後の前記車速を検出し、前記割合を変更する前後のそれぞれの前記車速に基づいて前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されていてよい。
この発明では、前記コントローラは、前記割合を変更する前後のそれぞれの前記車速から、前記エンジンに出力される指令トルクに対する前記エンジンから出力される実トルクである前記エンジンの出力率を求めるように構成されていてよい。
この発明では、前記コントローラは、前記車速を一定に保つように前記指令駆動力を制御し、前記モータに出力する割合を前記第1所定値に設定して走行した場合における第1指令駆動力を求め、前記モータに出力する割合を前記第2所定値に設定して走行した場合における第2指令駆動力を求め、前記第1指令駆動力と前記第2指令駆動力とを比較して前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されていてよい。
この発明では、前記コントローラは、前記第1指令駆動力と前記第2指令駆動力とから、前記エンジンに出力される指令トルクに対する前記エンジンから出力される実トルクである前記エンジンの出力率を求めるように構成されていてよい。
この発明では、前記コントローラは、前記指令駆動力を一定に維持したまま、前記モータに出力する割合を前記第1所定値から前記第2所定値に変更したことによる前記車速の変化に基づいて前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されていてよい。
この発明では、前記車両は、前記エンジンから出力された動力の少なくとも一部を電力に変換できる発電機を更に備え、前記コントローラは、前記エンジンの異常を判断した前記エンジンの運転領域が充分であるか否かを判断し、前記エンジンの異常を判断した前記エンジンの運転領域が充分でない場合に、前記発電機による発電量を変更することにより前記エンジンの運転点を変更して、前記エンジンの異常を更に判断するように構成されていてよい。
この発明によれば、車両を駆動させるための指令駆動力のうちモータに出力する割合を第1所定値に設定した場合における指令駆動力と車速との関係と、その割合を第2所定値に設定した場合における指令駆動力と車速との関係とが異なっているか否かを判断する。このように判断することにより、モータから出力するべきトルクの一部をエンジンから出力することになり、またはエンジンから出力するべきトルクの一部をモータから出力することになるため、エンジンに異常が生じている場合には、指令駆動力や車速が変化する。そのため、エンジンのトルクセンサなどを設けることなく、エンジンに異常が生じていることを判断することができる。
この発明で対象とすることのできるハイブリッド車両の一例を示す模式図である。 その電子制御装置における入力データおよび制御指令信号を説明するためのブロック図である。 走行抵抗と車速との関係を学習する制御例を説明するためのフローチャートである。 走行抵抗と車速との関係を示すグラフである。 エンジンの異常を判断する制御例を説明するためのフローチャートである。 走行中にエンジンと第2モータとの分担率を変更することによりエンジンの異常を判断する制御例を説明するためのフローチャートである。 図6における制御例において、エンジンの異常を判断する運転領域を拡大する制御例を説明するためのフローチャートである。 定速走行しながらエンジンの異常を判断する制御例を説明するためのフローチャートである。 図8における制御例において、エンジンの異常を判断する運転領域を拡大する制御例を説明するためのフローチャートである。
この発明で対象とすることのできるハイブリッド車両は、エンジンとモータとを駆動力源として備えたものであり、図1は、そのハイブリッド車両の構成の一例を説明するための模式図である。ここに示すハイブリッド車両1は、フロントエンジン・後輪駆動車(FR車)をベースとした四輪駆動車の例であり、車体の前方側にエンジン(E/G)2が車体の後方に向けて配置されており、そのエンジン2に続けて第1モータ(MG1)3と自動変速機(A/T)4とが順に配列されている。そして、エンジン2の出力軸5と第1モータ3のロータ軸とが自動変速機4の入力軸6に連結されている。
エンジン2は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(アクセル開度)などの要求駆動力に応じてスロットル開度や燃料噴射量が制御されて要求駆動力に応じたトルクを出力するように構成されている。また、エンジン2は、燃料の供給を停止(フューエルカット:F/C)した状態で空転させることも可能である。その場合、ポンピングロスなどによる動力損失によって制動力(エンジンブレーキ力)が発生する。第1モータ3は、永久磁石式同期電動機などの発電機能のあるモータ(モータ・ジェネレータ:MG)であり、図1に示す例においては主として発電機として機能する。
また、自動変速機4は、従来知られている有段式の自動変速機や無段式の自動変速機であってよく、図1に示す例では、クラッチやブレーキなどの複数の係合機構を備え、それらの係合機構の係合および解放の状態に応じて、複数の前進段や後進段を設定できる有段式の自動変速機を示している。なお、自動変速機4に加えて、エンジントルクを伝達する方向を選択的に反転させることができる前後進切替機構などを更に設けていてよい。
図1に示す自動変速機4は、複数の係合機構のうちの少なくともいずれか一つの係合機構を解放することにより、エンジン2と駆動輪(前輪7および後輪8)とのトルクの伝達を遮断したニュートラル状態を形成できるように構成されている。なお、無段式の自動変速機を備える場合には、前後進切替機構に設けられる係合機構を解放することによりニュートラル状態を形成できるように構成してもよい。また、自動変速機4の構成に関わらず、エンジン2の出力軸5と自動変速機4の入力軸6とのトルクの伝達を遮断し、または自動変速機4の出力軸9と駆動輪7,8とのトルクの伝達を遮断できる発進クラッチを設けていてもよい。
図1に示す例では、自動変速機4にはリヤプロペラシャフト10を介してリヤデファレンシャルギヤユニット11が連結されており、リヤデファレンシャルギヤユニット11から左右の後輪8に駆動トルクが伝達される。また、自動変速機4の出力側にトランスファ12が設けられている。トランスファ12は、自動変速機4から出力されたトルクの一部を前輪7に伝達して四輪駆動状態を成立させるための機構であり、このトランスファ12にはフロントプロペラシャフト13が連結され、そのフロントプロペラシャフト13が、駆動トルクを左右の前輪7に伝達するためのフロントデファレンシャルギヤユニット14に連結されている。
トランスファ12は従来知られている構成のものを採用することができる。例えば、フロントプロペラシャフト13にトルクを伝達する歯車列とトルクの伝達を選択的に遮断するクラッチ(それぞれ図示せず)からなるいわゆるパートタイム式のトランスファや、前輪7と後輪8との差動を許容しつつ常時トルクを前輪7と後輪8とに伝達するフルタイム式のトランスファ、さらには前輪7と後輪8との差動を選択的に制限できるフルタイム式のトランスファなどであってよい。
トランスファ12には、フロントプロペラシャフト13(すなわち前輪7)を駆動する第2モータ(MG2)15が連結されている。第2モータ15は主として走行のための駆動トルクを出力するモータであり、前述した第1モータ3より最大出力トルクが大きいモータである。なお、減速時にエネルギ回生を行うために、第2モータ15は前述した第1モータ3と同様に、永久磁石式同期電動機などの発電機能のあるモータ・ジェネレータによって構成することが好ましい。この第2モータ15がこの発明の実施形態における「モータ」に相当する。
なお、第1モータ3および第2モータ15のそれぞれには、回転数を検出するセンサや、供給される電流値を検出するセンサ、あるいは印加される電圧を検出するセンサなどの種々のセンサが設けられている。したがって、第1モータ3や第2モータ15のトルクの異常などは、それらのセンサにより検出した信号から判断することができるため、以下では、各モータ3,15に異常はないものとして説明する。
第1モータ3と第2モータ15とは、蓄電池やキャパシターなどの蓄電装置(BATT)16にそれぞれ電気的に接続されている。したがって、第1モータ3および第2モータ15を蓄電装置16の電力によってモータとして機能させ、あるいはこれらのモータ3,15で発電した電力を蓄電装置16に充電することが可能である。また、第1モータ3で発電した電力によって第2モータ15をモータとして機能させ、その第2モータ15のトルクで走行することも可能である。
上述したエンジン2、各モータ3,15、自動変速機4、ならびにトランスファ12などを制御する電子制御装置(ECU)17が設けられている。このECU17はマイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されるデータおよび予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。ECU17は、エンジン2などの上述した機器を制御するためのものであるから、エンジン用ECUやモータ用ECUならびに自動変速機用ECUなどを統合した制御装置であってもよく、あるいはこれらの各ECUに指令信号を出力する上位の制御装置であってもよい。なお、このECU17が、以下に示すフローチャートを実行するように構成されている。
入力されるデータおよび制御指令信号の例を図2に模式的に示してある。ECU17には、車速V、アクセル開度ACC、蓄電装置16の充電残量SOC、エンジン回転数Ne、ブレーキオン・オフ信号Br、入力軸6の回転数NTなどが入力されている。また、制御指令信号として、第1モータ(MG1)3の制御信号、第2モータ(MG2)15の制御信号、エンジン2における電子スロットルバルブの開度信号、変速段制御信号、トランスファ(Tr)11の制御信号などが出力される。なお、ECU17はこの発明の実施形態における「コントローラ」に相当する。
上述したように構成されたハイブリッド車両1は、エンジン2のみを駆動力源として走行するエンジン走行モードや、エンジン2と第2モータ15とを駆動力源として走行するHV走行モード、あるいは第2モータ15のみを駆動力源として走行するEV走行モードなどを設定することができる。言い換えると、エンジン走行モードは、要求される駆動力(指令駆動力)のうちエンジン2に出力する割合(以下、エンジン2の分担率と記す)を100%に設定するとともに、第2モータ15に出力する割合(以下、第2モータ15の分担率と記す)を0%に設定したモードであり、EV走行モードは、第2モータ15の分担率を100%に設定するとともに、エンジン2の分担率を0%に設定したモードであり、HV走行モードは、エンジン2の分担率と第2モータ15の分担率とを、蓄電装置16の充電残量SOCなどのハイブリッド車両1の状態に応じて適宜設定したモードである。なお、HV走行モードは、第1モータ3を発電機として機能させてエンジン2の動力の一部を電力に変換し、その電力を第2モータ15に供給して走行してもよく、蓄電装置16から第2モータ15に電力を供給して走行してもよい。
上述したように構成されたハイブリッド車両1は、実際に駆動輪7,8から出力される駆動力と走行抵抗とが釣り合った時点で、車速が一定になる。この走行抵抗は、以下の式で求めることができる。
Rd=Rair+Rr+Rg+Rac
=αV2+μmg+mgsinθ+(m+Δm)a …(1)
なお、Rairは空気抵抗を示し、Rrは転がり抵抗を示し、Rgは勾配抵抗を示し、Racは加速抵抗を示し、αは空気抵抗係数を示し、Vは車速を示し、μは駆動輪7,8と路面との摩擦係数(転がり抵抗係数)を示し、mは乗員などを含むハイブリッド車両1の総重量を示し、gは重力加速度を示し、θは路面の勾配角度を示し、Δmは自動変速機4を構成するギヤや駆動輪7,8などの回転部材の慣性に相当する質量を示し、aはハイブリッド車両1の加速度を示している。
上式(1)における空気抵抗係数αは、気圧などに応じて変動する値であり、また転がり抵抗Rrは乗員や積載物の重量、あるいは路面と駆動輪7,8との摩擦係数などに応じて変動する。したがって、空気抵抗係数αや転がり抵抗Rrを求めることにより、平坦路を定常走行している場合における走行抵抗Rdと車速Vとの関係を求めることができる。上述したように走行抵抗Rdと実際の駆動力とが釣り合った時点で車速Vが一定になるため、上記のように走行抵抗Rdと車速Vとの関係を求めることは、実際の駆動力と車速Vとの関係を求めることと同義であり、したがって、車速Vを検出することにより、その際に発生している実際の駆動力を推定することができる。なお、以下の説明において、走行抵抗Rdを実際の駆動力と読み替えてもよい。
そのため、この発明の実施形態における制御装置の一例では、まず、車速Vと走行抵抗Rdとの関係、つまり空気抵抗係数αと転がり抵抗Rrとを学習するように構成されている。その学習制御の一例を図3に示している。なお、ここでは、便宜上、平坦路を走行しているものとし、また空調装置などの補機類を駆動するためのエネルギーを「0」または一定として説明する。
図3に示す例では、まず、車速Vと走行抵抗Rdとの関係を学習する要求があるか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1は、例えば、車速Vと走行抵抗Rdとの関係を前回学習してからの経過時間が所定時間以上である場合や、車速Vと走行抵抗Rdとの関係を前回学習してからの走行距離が所定距離以上である場合などに肯定的に判断される。
車速Vと走行抵抗Rdとの関係を学習する要求がないことによりステップS1で否定的に判断された場合には、そのままこのルーチンを一旦終了する。それとは反対に車速Vと走行抵抗Rdとの関係を学習する要求があることによりステップS1で肯定的に判断された場合は、要求駆動力のうち第2モータ15の分担率β1が所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2は、後述するように演算される空気抵抗係数αや転がり抵抗Rrと、実際の空気抵抗係数や転がり抵抗との誤差が許容できる程度の大きさとなるか否かを判断するためのステップである。
第2モータ15の分担率β1が所定値よりも大きいことによりステップS2で肯定的に判断された場合は、車速Vと走行抵抗Rdとの関係を学習する。具体的には、ハイブリッド車両1への指令駆動力を維持しかつ第2モータ15の分担率β1を維持した状態で走行し、一定となった車速V1を取得(記憶)する(ステップS3)。
ついで、第2モータ15の分担率β1を維持したまま指令駆動力を変更する(ステップS4)。このステップS4は、運転者が違和感を抱かない程度に自動的に指令駆動力を変更してもよく、運転者のアクセル操作量が変更することを待ってもよい。ステップS4についで、指令駆動力が変更された後に一定となった車速V2を取得(記憶)する(ステップS5)。
そして、ステップS3およびステップS5で取得された車速V1,V2を用いて、空気抵抗係数αと転がり抵抗Rr(μmg)とを求めて(ステップS6)、このルーチンを一旦終了する。具体的には、車速V1となるときの指令駆動力を、上式(1)における走行抵抗Rdに代入するとともに、車速V1を上式(1)における車速Vに代入する。このようにして得られる関数を、第1関数と記す。同様に、車速V2となるときの指定駆動力を、上式(1)における走行抵抗Rdに代入するとともに、車速V2を上式(1)における車速Vに代入する。このようにして得られる関数を、第2関数と記す。そして、第1関数と第2関数との差から、空気抵抗係数αを求め、その求められた空気抵抗係数αを用いて転がり抵抗Rrを求める。図4は、上記のように求められた空気抵抗係数αと転がり抵抗Rr(μmg)とを用いた、車速Vと走行抵抗Rdとの関係を示すグラフである。
一方、要求駆動力のうち第2モータ15の分担率β1が所定値以下であることによりステップS2で否定的に判断された場合には、空気抵抗係数αを初期値に設定し(ステップS7)、その初期値の空気抵抗係数αを用いて転がり抵抗Rr(μmg)を演算して(ステップS8)、このルーチンを一旦終了する。これは、上述したように空気抵抗係数αや転がり抵抗Rr(μmg)を学習する場合に、指令駆動力を走行抵抗Rd(つまり実際に発生する駆動力)と擬制して求めていることにより、エンジン2の出力に異常が生じている場合などには、実際の空気抵抗係数αや転がり抵抗Rr(μmg)との誤差が大きくなる可能性があるためである。
なお、要求駆動力のうち第2モータ15の分担率β1が所定値以下であることによりステップS2で否定的に判断された場合に、蓄電装置16の充電残量SOCが充分にあるなどの要件を満たしていれば、その分担率β1を所定値よりも大きい値に変更して、ステップS3以降を実行するように構成してもよい。
上述したように車速Vと走行抵抗Rdとの関係を学習することにより、エンジン2の分担率(すなわち第2モータ15の分担率)を変更していないとすれば、車速Vを検出することで擬似的に実際に発生している駆動力を求めることができる。それに対して、エンジン2に異常が発生していることにより意図した駆動トルクを出力できない場合には、エンジン2の分担率を変更すると、指令駆動力に応じた駆動力を発生可能な第2モータ15の動力の一部を、エンジン2から出力することになり、またはエンジン2の動力の一部を、第2モータ15から出力することになる。したがって、指令駆動力よりも実際の駆動力が大きく、または小さくなる。そのため、エンジン2に異常が発生している場合には、それぞれの分担率を変更する以前と比較して車速Vと走行抵抗Rdとの関係が変化する。つまり、指令駆動力を一定に保ったままそれぞれの分担率を変更した場合には、上記の学習された関係から求められる車速Vよりも高車速または低車速になり、車速Vを一定に保つための指令駆動力が、高駆動力または低駆動力になる。
したがって、この発明の実施形態における制御装置の一例では、指令駆動力のうちエンジン2に出力する割合を変更し、変更した後の車速Vを検出することで、エンジン2に異常が生じているか否かを判断するように構成されている。その制御の一例を図5に示している。
図5に示す例では、まず、エンジン2の異常を検出する要求があるか否かを判断する(ステップS11)。このステップS11は、エンジン2の使用頻度や、エンジン2の停止期間など、エンジン2の出力特性に影響を来すパラメータに基づいて判断することができる。
エンジン2の異常を検出する要求がないことによりステップS11で否定的に判断された場合は、そのままこのルーチンを一旦終了する。それとは反対に、エンジン2の異常を検出する要求があることによりステップS11で肯定的に判断された場合は、学習制御が完了しているか否かを判断し(ステップS12)、学習制御が完了していないことによりステップS12で否定的に判断された場合には、エンジン2の分担率を維持して(ステップS13)、ステップS12にリターンする。すなわち、学習制御が完了するまでステップS12を繰り返し実行する。
それとは反対に学習制御が完了していることによりステップS12で肯定的に判断された場合には、指令駆動力を維持しつつ、それぞれの分担率を変更する(ステップS14)。すなわち、第2モータ15の分担率を増大させて、エンジン2の分担率を減少させ、または第2モータ15の分担率を減少させて、エンジン2の分担率を増大させる。言い換えると、第2モータ15が負担していた指令駆動力の一部を、エンジン2が負担し、またはエンジン2で負担していた指令駆動力の一部を、第2モータ15が負担する。この変化量は、エンジン2の燃費が過度に低下しない範囲で実行することが好ましい。
ついで、それぞれの分担率を変更した後に定常走行した場合の車速V3を取得し(ステップS15)、以下の演算式(2),(3)からエンジン2への指令トルクに対する実際の出力トルクに相当する出力率γを演算して(ステップS16)、このルーチンを一旦終了する。
Rd(spd)=βFo+(1−β)・Fo・γ/100 …(2)
γ=((Rd(spd)ーβFo)/(1−β))・100 …(3)
なお、上式(2),(3)におけるRd(spd)は、図4に示すグラフから求められる走行抵抗であり、FoはECU17から出力される指令駆動力である。上記Rd(spd)が、この発明の実施形態における「推定指令駆動力」に相当し、Foが「実指令駆動力」に相当する。
したがって、エンジン2が指令駆動力に相当する動力を出力できるのであれば、それぞれの分担率を変更する前後において実際に出力される駆動力は変化しないため、上式(3)におけるγはほぼ100となる。一方、エンジン2が指令駆動力に相当する動力よりも大きな動力を出力するような異常が生じている場合には、γは100よりも大きい値になる。また、エンジン2が指令駆動力に相当する動力よりも小さな動力を出力するような異常が生じている場合には、γは100よりも小さい値になる。
そのため、上式(3)により求められたγに基づいてエンジン2に異常が生じているか否かを判断することができる。具体的には、γと100との偏差(|γー100|)が許容される所定値未満の場合には、エンジン2に異常が生じていないと判断し、その偏差が所定値以上である場合には、エンジン2に異常が生じていると判断することができる。
そして、その偏差が所定値以上である場合には、更にエンジン2の駆動トルクを制御する電子スロットルバルブや点火装置などのエンジン2の出力トルクを制御可能な装置の補正量を変更することにより、指令駆動力に基づいた駆動トルクをエンジン2で発生させることができる場合には、その補正量を変更して走行し、その駆動トルクをエンジン2で発生させることができない場合には、EV走行モードのみを設定可能なフェールセーフ制御モードなどに移行させて走行することが好ましい。
上述したように第2モータ15の分担率を変更して、その分担率を変更する前後の車速を比較することにより、トルクセンサなどのエンジントルクを検出するセンサを設けることなく、エンジン2の出力の異常を判断することができる。
一方、図5に示す制御例では、学習制御を実行したときの転がり抵抗Rr(μmg)と、エンジン2の異常を判断するときの転がり抵抗Rr(μmg)とが異なっている可能性があり、そのような場合には、エンジン2の異常を正確に判断することができない可能性がある。そのため、転がり抵抗Rr(μmg)が変化しない条件下でエンジン2の異常を判断するように構成された制御例を図6に示している。
図6に示す制御例では、まず、エンジン2の異常を検出する要求があるか否かを判断する(ステップS21)。このステップS21は、上記ステップS11と同様である。したがって、エンジン2の異常を検出する要求がないことによりステップS21で否定的に判断された場合は、そのままこのルーチンを一旦終了する。それとは反対に、エンジン2の異常を検出する要求があることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、エンジン2の出力の異常を判断できる条件が成立しているか否かを判断する(ステップS22)。このステップS22は、例えば、一定の駆動力で走行できる環境である場合、より具体的には 平坦路を定常走行している場合などに肯定的に判断される。なお、ステップS22では、上記に加えて、学習制御が完了している場合などに肯定的に判断されるように構成してもよい。
エンジン2の出力の異常を判断できる条件が成立していないことによりステップS22で否定的に判断された場合には、そのままこのルーチンを一旦終了する。それとは反対に、エンジン2の出力の異常を判断できる条件が成立していることによりステップS22で肯定的に判断された場合には、現状の車速V4を取得(記憶)する(ステップS23)。
ついで、指令駆動力を維持したままそれぞれの分担率を変更し(ステップS24)、所定時間後にエンジン2の異常を判断できる条件が成立しているか否かを判断する(ステップS25)。ステップS24は、上記ステップS14と同様である。また、ステップS25は、ステップS23で車速V4を検出した時点と、後述する車速V5を検出する時点とで、走行環境などが変化しないか否かを判断するためのステップである。したがって、例えば、ナビゲーションシステムなどにより所定時間後に走行する路面状態や路面の勾配などを検出して判断することができる。
所定時間後にエンジン2の異常を判断できる条件が成立していないことによりステップS25で否定的に判断された場合は、ステップS23で取得された車速V4をクリアして(ステップS26)、このルーチンを一旦終了する。それとは反対に、所定時間後にエンジン2の異常を判断できる条件が成立していることによりステップS25で肯定的に判断された場合は、ステップS24でそれぞれの分担率を変更した後の車速V5を取得し(ステップS27)、以下の演算式(4)からエンジン2の出力率γを演算して(ステップS28)、このルーチンを一旦終了する。なお、下式(4)におけるΔβは、第2モータ15の分担率の変化量を示し、Foは指令駆動力を示している。
γ=((α(V42ーV52)/(Δβ・Fo))+1)・100 …(4)
そして、上式(4)で求められた出力率γに基づいて、図3に示す制御例と同様にエンジン2に異常が生じているか否かを判断する。
上述したように走行中にそれぞれの分担率を変更してエンジン2に異常が生じているか否かを判断することにより、エンジン2の出力率γを演算する上で、乗員や積載量の変化、あるいは路面状態の変化を要因とする転がり抵抗Rr(μmg)が影響することを抑制できる。その結果、エンジン2の異常をより正確に判断することができる。
一方、エンジン2のシリンダ内にカーボンなどが付着している場合には、ノックが生じることを抑制するために点火遅角制御が実行されるため、高駆動トルクの領域でトルクが低下する可能性がある。また、第2モータ15の出力を最大とし、不足する駆動力分をエンジン2から出力せざるを得ないため、エンジン2に設けられたEGRバルブの開度に意図した開度からズレが生じている時には、低駆動トルクの領域で燃焼不良が生じ、低駆動トルクの領域でトルクが低下する可能性がある。つまり、エンジン2の異常によって駆動力が変動する要因は種々あり、またエンジン2の出力が変化するエンジン2の運転点は、異常の要因によって異なる。そのあめ、上述したようにエンジン2の異常を判断したとしても、エンジン2の運転点が変化した時に、エンジン2から意図したトルクが出力されることになるとは限らない。
そのため、図7に示す制御例では、要求駆動力を維持しつつ、エンジン2の特性上、設定し得る駆動トルクの領域の広範囲に亘ってエンジン2の異常を判断することができるように構成されている。なお、図6と同様のステップについては同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図7に示す制御例では、エンジン2の異常を検出する要求があることによりステップS21で肯定的に判断された場合は、ついで、エンジン2の異常を検出する領域が不足しているか否かを判断する(ステップS31)。このステップS31は、例えば、前回、エンジン2の異常を検出した時におけるエンジン2の運転点が、使用頻度の少ない運転点であり、使用頻度の高い運転点でのエンジン2の異常を検出することができていない場合などに肯定的に判断される。
エンジン2の異常を検出する領域が不足していないことによりステップS31で否定的に判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。それとは反対に、エンジン2の異常を検出する領域が不足していることによりステップS31で肯定的に判断された場合は、エンジン2の運転点が、エンジン2の異常を検出できていない不足した領域となるように第1モータ3の発電エネルギー量を変更して(ステップS32)、ステップS22に移行する。このように第1モータ3の発電エネルギー量を変更することにより、駆動力が変化することを抑制しつつ、エンジン2からの出力トルクを変更できる。なお、ステップS32では、例えば、エンジン2の運転点を低駆動トルクの領域とするために、第1モータ3から駆動トルクを出力するように構成してもよい。なおまた、上記のように発電エネルギー量を変更した場合であっても、上式(4)に基づいてエンジン2の出力率γを求めることができる。
図6および図7に示す制御例は、それぞれの分担率を変更したときにおける車速の変化に基づいてエンジン2の出力の異常を判断するものであるから、定速走行することが要求されている条件下では、車速が変化してしまうと運転者が違和感を抱く可能性がある。また、図5ないし図7に示す制御例は、走行抵抗Rdと車速Vとの関係、すなわち空気抵抗係数αを求める必要があり、その空気抵抗係数αの誤差によってエンジン2の異常を正確に判断できない可能性がある。
そのため、空気抵抗係数αを求めることなく、また車速の変化を抑制しつつエンジン2の異常を判断することができる制御例について説明する。その制御の一例を図8に示している。図8に示す制御例は、図5におけるステップS11や、図6および図7におけるステップS21と同様に、まず、エンジン2の異常を検出する要求があるか否かを判断し(ステップS41)、その要求がないことによりステップS41で否定的に判断された場合は、そのままこのルーチンを一旦終了する。それとは反対に、エンジン2の異常を検出する要求があることによりステップS41で肯定的に判断された場合は、エンジン2の異常を判断できる条件が成立しているか否かを判断する(ステップS42)。この制御例は、一定の駆動力を出力することで定速走行できる場合に、駆動力の分担率を変更することにより、定速走行するための指令駆動力が変化するか否かに基づいてエンジン2の異常を判断するように構成されている。したがって、ステップS42の具体例としては、クルーズコントロールスイッチがオンされた状態で高速道路を走行している場合などの一定の駆動力を出力することで定速走行することができる条件であるか否かを判断する。
エンジン2の異常を判断できる条件が成立していないことによりステップS42で否定的に判断された場合には、このルーチンを一旦終了する。それとは反対に、エンジン2の異常を判断できる条件が成立していることによりステップS42で肯定的に判断された場合には、指令駆動力F1を取得し(ステップS43)、その後、それぞれの分担率を変更する(ステップS44)。
上述したように第2モータ15が異常でないことを前提としてこの制御が実行されているから、それぞれの分担率を変更したときに、エンジン2に異常が生じていないとすれば、実際に出力される駆動力は変化せず、車速は変化しない。それに対して、エンジン2に異常が生じている場合には、実際に出力される駆動力が変化し、それに伴って車速が変化する。つまり、指令駆動力と車速との関係が変化することにより、指令駆動力を維持すると車速が変化する。したがって、ステップS44についで、エンジン2に異常が生じているか否かを判断するために、車速が変化したか否かを判断する(ステップS45)。なお、ステップS45では、一定車速になることを待たずに判断される。それに対して上記図5ないし図7では、それぞれの分担率を変更した後の車速は、一定車速になった時点での車速である。すなわち、この制御例では、車速が変化した時点でステップS45で肯定的に判断されて後述するステップS47以降の制御を実行することにより指令駆動力が変化させられるため、車速の変化を抑制できる。
車速が変化しないことによりステップS45で否定的に判断された場合は、エンジン2に異常が生じていないと判断し(ステップS46)、このルーチンを一旦終了する。それとは反対に、車速が変化したことによりステップS45で肯定的に判断された場合は、エンジン2に異常が生じていることになり、その程度を判断するために、ついで、定速走行するように指令駆動力を調整する(ステップS47)。このステップS47は、従来知られているクルーズコントロールと同様に行うことができ、例えば、目標車速と現在の車速との偏差を求め、その偏差に基づいて指令駆動力をフィードバック制御する。その後、定速走行した時の車速、つまり目標車速となる指令駆動力F2を取得する(ステップS48)。
エンジン2と第2モータ15とのそれぞれの分配率を変更する以前の指令駆動力F1と、走行抵抗との関係を式(5)に示し、それぞれの分配率を変更した後の指令駆動力F2と、走行抵抗との関係を式(6)に示してある。
β0・F1+(1ーβ0)・F1・γ/100=α・V02+μmg …(5)
β1・F2+(1ーβ1)・F2・γ/100=α・V02+μmg …(6)
上式(5),(6)における右辺は同一の値であるから、各式における左辺も同一の値となる。したがって、γについての演算式は、以下のように表すことができる。
γ=((β0F1ーβ1F2)/((1ーβ1)F2ー(1ーβ0)F1))×100 …(7)
したがって、ステップS48についで、上式(7)に基づいてエンジン2の出力率γを求めて(ステップS49)、このルーチンを一旦終了する。なお、求められた出力率γの値に応じて、図5に示す制御例と同様に、エンジン2に異常が生じているか否か、また異常が発生している場合に、エンジン2の駆動トルクを制御する装置の補正量を変更して走行させるか、フェールセーフ制御モードに移行させるかなどを判断する。
上述したように一定の駆動力で定速走行できる条件下の場合には、それぞれの分配率を変更するとともに、その分配率を変更する前後の指令駆動力F1,F2に応じてエンジン2に異常が生じているか否かを判断するように構成することで、車速が変化することを抑制しつつ、エンジン2の異常を判断することができる。そのため、運転者が違和感を抱くことを抑制できる。また、空気抵抗係数αや転がり抵抗Rrを用いることなくエンジン2の出力率γを求めることができるため、エンジン2の出力率γの誤差を低減することができ、エンジン2の異常を正確に判断することができる。
図8に示す制御例のようにそれぞれの分配率を変更し、指令駆動力の変化に応じてエンジン2に異常が生じているか否かを判断する場合も、エンジン2の異常を判断する領域が不足する場合がある。そのような場合には、図7に示す制御例と同様に第1モータ3の発電エネルギー量を変更して、エンジン2の運転点を変更するように構成すればよい。その制御の一例を図9に示してあり、図7や図8と同様のステップには同一の符号を付してある。
すなわち、図9に示すように、図7に示す制御例と同様に、エンジン2の異常を検出する要求がある場合に、エンジン2の異常を検出する領域が不足しているか否かを判断し(ステップS31)、その領域が不足している場合に、エンジン2の運転点が、エンジン2の異常を検出できていない不足した領域となるように第1モータ3の発電エネルギー量を変更して(ステップS32)、ステップS42に移行する。このように第1モータ3の発電エネルギー量を変更することにより、エンジン2の異常を広範囲に亘って検出することができる。
この発明の実施形態における制御装置は、第2モータ15の分担率を所定値に設定した場合における指令駆動力と車速との関係と、第2モータ15の分担率を所定値とは異なる値に設定した場合における指令駆動力と車速との関係とが、エンジン2に異常が発生している場合には異なることを利用して、エンジン2の異常を判断するものである。したがって、例えば、第2モータ15の分担率を変更する前後における指令駆動力の変化量や車速の変化量が、所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であればエンジン2の異常が生じていると判断するように構成してもよい。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであり、この発明におけるハイブリッド車は、エンジン2と第2モータ15とから同一の駆動輪にトルクを伝達するように構成していてもよい。すなわち、図1に示す例であれば、第2モータ15から自動変速機4を介することなく後輪8にトルクを伝達することができるように構成してもよい。
1…ハイブリッド車両、 2…エンジン、 3…第1モータ、 15…第2モータ、 17…電子制御装置(ECU)。

Claims (9)

  1. 駆動力源としてのエンジンおよびモータを備え、車両を駆動させるための指令駆動力のうち前記エンジンに出力する割合と、前記モータに出力する割合とを変更可能なハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジンおよび前記モータの出力トルクを制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記モータに出力する割合を第1所定値に設定した場合における前記指令駆動力と車速との関係と、前記モータに出力する割合を第2所定値に設定した場合における前記指令駆動力と前記車速との関係とが異なっている場合に、前記エンジンに異常が生じていると判断するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記モータに出力する割合を前記第1所定値に設定した場合における前記指令駆動力を前記車速との関係を学習し、
    前記モータに出力する割合を前記第2所定値に設定して走行している際における前記車速から、前記モータに出力する割合を前記第1所定値に設定して走行するとした場合の推定指令駆動力を求め、
    前記推定指令駆動力と、前記モータに出力する割合を前記第2所定値に設定して走行している際の実指令駆動力とに基づいて、前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記実指令駆動力と前記推定指令駆動力とから、前記エンジンに出力される指令トルクに対する前記エンジンから出力される実トルクである前記エンジンの出力率を求めるように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記モータに出力する割合を前記第1所定値として走行している場合における前記車速を検出し、
    前記指令駆動力を維持したまま前記モータに出力する割合を前記第2所定値に変更するとともに、前記割合を変更した後の前記車速を検出し、
    前記割合を変更する前後のそれぞれの前記車速に基づいて前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記割合を変更する前後のそれぞれの前記車速から、前記エンジンに出力される指令トルクに対する前記エンジンから出力される実トルクである前記エンジンの出力率を求めるように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記車速を一定に保つように前記指令駆動力を制御し、
    前記モータに出力する割合を前記第1所定値に設定して走行した場合における第1指令駆動力を求め、
    前記モータに出力する割合を前記第2所定値に設定して走行した場合における第2指令駆動力を求め、
    前記第1指令駆動力と前記第2指令駆動力とを比較して前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記第1指令駆動力と前記第2指令駆動力とから、前記エンジンに出力される指令トルクに対する前記エンジンから出力される実トルクである前記エンジンの出力率を求めるように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記指令駆動力を一定に維持したまま、前記モータに出力する割合を前記第1所定値から前記第2所定値に変更したことによる前記車速の変化に基づいて前記エンジンに異常が生じていることを判断するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記車両は、前記エンジンから出力された動力の少なくとも一部を電力に変換できる発電機を更に備え、
    前記コントローラは、
    前記エンジンの異常を判断した前記エンジンの運転領域が充分であるか否かを判断し、
    前記エンジンの異常を判断した前記エンジンの運転領域が充分でない場合に、前記発電機による発電量を変更することにより前記エンジンの運転点を変更して、前記エンジンの異常を更に判断するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023228795A1 (ja) * 2022-05-24 2023-11-30 株式会社堀場製作所 機械学習装置、車両試験システム、機械学習方法、及び車両試験方法

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