JP5316576B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Description

本発明は、車両の挙動を制御する車両挙動装置に関する。
例えば、特許文献1には、実出力を振動させることなく目標出力に収束させることが可能なパワートレイン制御方法が記載されている。このパワートレイン制御方法では、目標加速度に基づき、エンジンモデル及び駆動系の伝達モデルである車両モデルからなる車両パワートレインモデル上で予測加速度をシミュレートする。そして、シミュレートされた予測加速度を目標加速度に対してフィードバック制御する。具体的には、予測加速度と目標加速度との偏差により、エンジンの仮想の操作量(仮想制御パラメータ)であるスロットル開度、点火時期、バルブ位相角、燃料噴射量を調整し、エンジンモデルに出力する。エンジンモデルは、受け取った操作量に基づいて、エンジンから出力されるトルクの予測値(目標トルク)を出力する。車両モデルは、目標トルクを受け取り、車両に発生する加速度の予測値(予測加速度)を出力する。
このように、特許文献1のパワートレイン制御方法では、実加速度を用いてフィードバック制御を行なうのではなく、予測加速度を用いてフィードバック制御を行なうことにより、外乱要素の影響を排除し、目標加速度及び目標トルクを安定化させている。
特開2009−243397号公報
上述したように、特許文献1に記載された技術では、予測加速度が目標加速度に収束するように、エンジンの仮想の操作量を調整するようにしている。
しかしながら、加速などの車両の挙動は、エンジンの動作状態のみによって決定されない場合もある。例えば、エンジンと電動モータとを駆動源として備える、いわゆるハイブリッドシステムにおいては、車両の挙動は、エンジンやモータなどの複数のサブシステムの総合的な動作により決定される。このような場合、単にエンジンのみでなく、車両の挙動に影響を及ぼす他のサブシステムの動作を考慮しなければ、車両の挙動を目標とする挙動に近づけることができない。
そこで、車両の挙動に関する目標値を算出し、その目標値に従って複数のサブシステムを協調して作動させ、それにより、目標とする挙動を実現するようにすることが考えられる。この場合、目標値に従って複数のサブシステムを作動させたときに、車両に生ずべき挙動である目標挙動を推定し、実際の車両の挙動がその目標挙動からずれている場合には、目標値を修正することで、車両の挙動を目標挙動に近づけることができる。
しかしながら、個々のサブシステムに異常が生じたり、サブシステムに過渡的な挙動が生じたりしている場合には、単に、車両挙動に関する目標値を修正するだけでは、実際の挙動を目標挙動に近づけることは困難になる可能性がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、サブシステムの異常や、サブシステムの過渡的な挙動に起因して、車両の挙動が目標挙動からずれた場合であっても、車両の実際の挙動を目標とする挙動に近づけることが可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両制御装置は、車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド車両に適用されるものであって、
車両の挙動に関する目標値を算出する目標値算出手段と、
目標値算出手段によって算出された目標値に従って、エンジンの目標エンジントルク及び電動モータの目標モータトルクを定める制御部と、目標エンジントルクを発生するようにエンジンを作動させるエンジン制御部と、目標モータトルクを発生するように電動モータを作動させる電動モータ制御部と、を含み、車両の挙動を制御する制御手段と、
車両の実際の挙動に関連する物理量を検出する第1物理量検出手段と、
目標値算出手段によって算出された車両の挙動に関する目標値と、第1物理量検出手段によって検出された車両の実際の挙動に関連する物理量とに基づいて、車両の目標とする挙動と車両の実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定する第1判定手段と、
制御手段により、目標エンジントルク及び目標モータトルクを発生するようにエンジン及び電動モータが作動されたときに、エンジン及び電動モータの少なくとも1つについて、生ずべき挙動を推定する挙動推定手段と、
挙動推定手段によって挙動が推定されるエンジン及び電動モータの少なくとも1つに関して、実際の挙動に関連する物理量を検出する第2物理量検出手段と、
挙動推定手段によって推定された挙動と、第2物理量検出手段によって検出された実際の挙動に関連する物理量とに基づいて、推定された挙動と、実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定する第2判定手段と、を備え、
制御手段は、第1判定手段により、車両の目標とする挙動と車両の実際の挙動との間にずれが生じていると判定され、かつ第2判定手段により、推定された挙動と実際の挙動との間にずれが生じていると判定された場合に、エンジン及び電動モータの少なくとも1つの挙動のずれの大きさに応じて、エンジン及び電動モータの少なくとも1つの作動内容を変更して、車両の実際の挙動を目標挙動に近づけることを特徴とする。
例えば、第2物理量検出手段がエンジン回転数を検出する回転数検出手段であって、この回転数検出手段によって検出されるエンジン回転数が予定している回転数に達していない場合、エンジン回転数の上昇を促進することができるように、発電機等のエンジン補機の出力を調整して、エンジン負荷を低下させる。これにより、エンジンの挙動が目標挙動に復帰しやすくなり、その結果、車両の挙動を目標とする挙動に維持することができる。
また、ハイブリッド車両において、エンジン出力が過渡的に所望の出力を出すことができていない場合、個々のハイブリッド車両のシステム構成に応じて、電動モータの目標挙動を、車両挙動が目標挙動となるように、目標修正をしてもよい。
このように、請求項1の車両制御装置では、エンジンと電動モータとを協調して作動させることにより車両の挙動を制御する場合に、エンジンと電動モータとの少なくとも1つの挙動にずれが生じ、狙い通りの作動を行い得ない場合には、その挙動のずれの大きさに応じて、エンジン及び電動モータの少なくとも1つの作動内容を変更するので、エンジンや電動モータに異常が生じたり、過渡的な挙動が生じたりした場合であっても、車両の挙動を目標とする挙動に近づけることが可能となる。
請求項2に記載したように、制御手段は、目標値算出手段によって算出された目標値に基づき、エンジン及び前記電動モータに対する動作指令値をそれぞれ出力する制御部としての第1の制御ユニットと、第1の制御ユニットとは別個に設けられ、第1の制御ユニットから出力された動作指令値に従って、エンジンの作動状態を制御するエンジン制御部としての第2の制御ユニット、及び、電動モータの作動状態を制御する電動モータ制御部としての第3の制御ユニットとからなり、挙動推定手段及び第2判定手段は、第1の制御ユニットに設けられ、かつ第2物理量検出手段によって検出される物理量は、当該第1の制御ユニットに入力されることが好ましい。
このような構成を採用することにより、第1の制御ユニットにおいて、エンジン及び電動モータの少なくとも1つの挙動を把握することができる。そして、エンジン及び電動モータの少なくとも1つについて、挙動推定手段によって推定された挙動と、実際の挙動とにずれが生じた場合には、第1の制御ユニットにおいて、車両が目標挙動を維持できるように、エンジン及び電動モータの少なくとも1つに対する動作指令値を容易に変更することができる。
請求項3に記載したように、制御手段は、第2判定手段において、推定された挙動と実際の挙動との間に生じたずれの大きさが所定の閾値以上であり、異常状態に該当すると判定された場合に、挙動にずれが生じたエンジン及び前記電動モータの一方の作動を、他方に肩代わりさせるように、エンジン及び電動モータの作動内容を変更することが好ましい。これにより、エンジン及び電動モータの一方に異常が生じても、他方の作動によって、車両の挙動を狙い通りに制御することが可能になる。すなわち、ハイブリッド車両において、車両挙動がエンジン出力と電動モータ出力を総合して決定される場合、停止されたエンジン及び電動モータの一方の出力をゼロとして、残る他方だけで車両挙動が目標挙動となるように、エンジンと電動モータとの作動内容を変更しても良い。
請求項4に記載したように、制御手段は、第2判定手段により、推定された挙動と実際の挙動との間にずれが生じた場合であっても、そのずれの大きさが所定の閾値未満であるときには、その挙動のずれが小さくなるように作動状態の調整を行うことが好ましい。閾値未満の挙動のずれであれば、必ずしもエンジンあるいは電動モータになんらかの異常が生じているとは言えず、作動状態の調整などにより、車両の挙動を目標挙動に近づけることが可能である可能性が高いためである。例えば、ハイブリッド車両において、エンジンの過渡的な応答遅れが生じているような場合、車両挙動が目標挙動を維持するように、電動モータが応答遅れを補うように目標挙動を修正してもよい。
請求項5に記載したように、制御手段は、挙動にずれが生じたエンジン及び電動モータの一方の作動を、他方に肩代わりさせるとき、その挙動にずれが生じたエンジン及び電動モータの一方の作動を停止させるようにしても良い。例えば、ハイブリッド車両において、電動モータが狙い通りの作動を実行することができない場合、電動モータが発生すべきトルク分もエンジンにて発生させつつ、電動モータの作動を停止させても良い。
請求項6に記載したように、挙動推定手段は、挙動を推定するエンジン及び電動モータの少なくとも1つの作動応答性に応じて、挙動を推定する推定周期を設定し、その推定周期毎に挙動を推定するようにしても良い。例えば、作動応答性として、一般的に、電動モータの作動応答性は、エンジンの作動応答性よりも高い。従って、電動モータとエンジンとを備える場合、電動モータの挙動を推定する推定周期は相対的に短い周期に設定する一方、エンジンの挙動を推定する推定周期は相対的に長い周期に設定することが好ましい。このようにすることで、挙動の推定を適切な周期で行なうことができ、演算負荷の増大やメモリの使用量の増加を抑制することができる。
また、請求項7に記載したように、挙動推定手段は、挙動を推定するエンジン及び電動モータの少なくとも1つの制御応答性に応じて、挙動を推定する際の精度を設定し、その設定した推定精度により挙動を推定するようにしても良い。一般的に、制御応答性が高いほど、挙動を推定する際の精度として、高い推定精度が求められる。従って、制御応答性に応じて推定精度を設定するようにしても、挙動を推定する際に、演算負荷の増大やメモリの使用量の増加を抑制することができる。
実施形態による車両制御装置が適用されるハイブリッド車両の走行を制御するための構成をブロック図として示した構成図である。 複数のECUによりハイブリッド車両の制御系を構成する場合の、各ECUにおける機能配置の一例を説明するための図である。 HVECU60において、各制御対象機器の制御量を算出し、出力するための処理を示すフローチャートである。 車両の目標とする挙動と、実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定するための処理を示すフローチャートである。 各制御対象機器が、目標とする制御量に従って作動したときの目標挙動と、実際の挙動との間にどの程度の大きさのずれが生じているかを判定するための処理を示すフローチャートである。 車両の挙動及び制御対象機器の挙動にずれが生じている場合における、処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態による車両制御装置について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド車両に対して、車両制御装置を適用した例について説明するが、その適用対象は、エンジンのみを有する車両や、モータのみを有する電動車両であっても良い。
図1は、ハイブリッド車両の走行を制御するための構成をブロック図として示した構成図である。図1に示すように、ハイブリッド車両は、走行駆動源として、エンジン11と、電動モータとしてのモータジェネレータ(MG)32とを有する。MG32は、エンジン11の出力軸上に配設されている。さらに、エンジン11の出力軸には、無段変速機(CVT)21が連結されている。
MG32は、車両に搭載された電池(バッテリ)51から電源供給を受けて動作し、エンジン11の駆動力をアシストすることが可能なものである。また、MG32は、車両が減速するときには、車輪側からの回転駆動により発電を行い、電池51を充電(エネルギー回生)する。このような構成において、エンジン11とMG32との間にクラッチを設けて、エンジン11とMG32を切り離すことができるようにすれば、MG32の駆動力のみにて車両を走行させるようにすることも可能となる。
CVT21は、前後進切替機構を備え、エンジン11の出力軸に連結された入力軸と、発進のためのメインクラッチを介してドライブシャフトに連結された出力軸とを、金属ベルトにより連結した一般的な構成を備える無段変速機である。すなわち、このCVT21は、例えば油圧を用いて、入力軸及び出力軸に設けられたプーリのプーリ幅を変化させて金属ベルトの巻き掛け半径を変化させ、変速比を無段階に変化させることが可能なものである。ただし、CVT21に代えて、予め設定された複数の変速比を有するオートマチックトランスミッションを用いることも可能である。
また、ハイブリッドシステムとして、いわゆるパラレル方式による構成を備える例について説明したが、その他の方式(スプリット方式、シリーズ・パラレル方式など)によるハイブリッドシステムを用いることも可能である。
ブレーキ装置71は、例えば液圧ポンプや電動モータを用いて、運転者によるブレーキペダルの操作に係らず、制動力を発生可能なものである。電動パワーステアリング装置(EPS)81は、運転者がステアリングホイールを操舵する際の操舵力を、電動モータによってアシストするものである。また、ダンパー91は、車両の各車輪と車体との間それぞれ設けられ、ダンパーECU90によって減衰力を可変可能なものである。
ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)61は、ハイブリッド車両の運転のため、運転者によって操作される操作部を意味し、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイール、シフトレバーなどが該当する。それら操作部における各々の操作量がセンサ等によって検出され、ハイブリッド(HV)ECU60に入力される。但し、センサからの検出信号は、他のECUに入力されても良いし、センサ自体を通信線を介して各ECUと通信可能に接続しても良い。
エンバイロメント・ビークル・インターフェース(EVI)62は、ハイブリッド車両が置かれた外部環境に関する情報を取得するもので、例えば、先行車両や障害物などを検出するレーダ装置や、車両の周囲の画像を取得するカメラなどが該当する。これらの情報が得られると、例えば、先行車両に追従するように自車両の速度を調整したり(アダプティブクルーズコントロール)、あるいは画像から白線を認識し、その白線によって区画される走行車線を逸脱しないように、電動パワーステアリング装置(EPS)81によるアシスト力を調整したり(レーンキープコントロール)することが可能となる。
そして、本実施形態においては、ハイブリッド車両の制御系として、図1に示すように、エンジンECU10、CVTECU20、MGECU30、エネルギー管理ECU40、電池ECU50、HVECU60、ブレーキECU70、EPSECU80、及びダンパーECU90を備えており、これらのECUは、通信線を介して相互に通信可能に接続されている。この各ECU間の相互の通信には、公知の車内LAN(CANやLINなど)が用いられる。
これらの複数のECUによりハイブリッド車両の制御系を構成する場合の、各ECUにおける機能配置の一例を図2を参照しつつ説明する。
エネルギー管理ECU40は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最も効率良く車両を走行させる機能を担うものである。具体的には、エネルギー管理部41が、各種のセンサからの入力情報などに基づいて、電池51の容量を管理するとともに、その電池51の容量に基づいて、MG32が発生可能なMGトルクを算出する。
電池51の容量管理に関して、温度の変化によって電池51の容量が変動したり、過度に電池温度が上昇した場合には電池51の破損等の虞が生じたりする。このため、エネルギー管理部41は、温度調整部42に対して電池目標温度を出力する。温度調整部42は、その電池目標温度に基づいて、電池51の冷却を行う冷却機器を駆動するための冷却部43、あるいは電池51の温度を上昇させる加熱機器を駆動するための加熱部44を用いて、電池51の温度調節を行う。
また、エネルギー管理部41は、電池51の充電容量に対する充電残量の比率である充電レベルを検出し、電池51の過充電や、過放電を防止すべく、充放電調整部45に充放電指令を出力する。充放電調整部45は、その充放電指令に従い、電池ECU50におけるプラグイン充電部52やSOC管理部54に制御信号を出力し、電池51の充電レベルを適切な範囲に調節する。なお、電池51の充電容量は、電池51の劣化状態(SOH)に応じて変化するので、SOC管理部54は、SOH管理部53からの情報を用いて、電池51の充電レベルを制御する。
HVECU60は、例えば、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、シフトポジションセンサ、ステアリングセンサなどの各種のセンサから情報を入力し、原則として運転者の操作に対応するように車両の挙動を制御する機能を担っている。具体的には、車両挙動制御部63が、前後挙動調整部64に対して前後方向の目標加速度(減速度)を出力し、EPSECU80の左右挙動調整部82に対して左右方向の目標加速度を出力し、さらに、ダンパーECU90の上下挙動調整部92に対して上下方向の目標加速度を出力することにより、車両の挙動を安定させつつ、運転者の操作に対応するように車両の挙動を制御する。
前後挙動調整部64は、与えられた前後方向の目標加速度を実現すべく、HVECU60の駆動力制御部65及びブレーキECU70の制動力制御部72に対して、目標駆動トルク(車軸トルク目標値)及び目標制動トルクを出力する。駆動力制御部65は、目標駆動トルクを最も効率良く実現するために、エネルギー管理部41から取得したMG32が発生可能な最大MGトルクを考慮しつつ、エンジン制御部12に目標エンジントルク、MG制御部33に目標MGトルク、及びCVT制御部22に目標変速比をそれぞれ与える。
車両挙動推定部66は、車両挙動制御部63から前後方向の目標加速度を入力するとともに、この目標加速度と、実際に車両の前後方向に発生した加速度を検出する加速度センサ(車両挙動検出部)100による検出加速度とを比較することにより、車両の目標とする挙動と車両の実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定する。
なお、車両の挙動を示す指標としては、上述した加速度の他、車両の鉛直軸回りの旋回速度を示すヨーレートや、ステアリングホイールの操舵量とタイヤの歪などを用いることが可能である。ヨーレート、或いはステアリングホイールの操舵量とタイヤの歪を用いる場合には、前後方向及び左右方向の目標加速度から、使用する指標(ヨーレート、或いはステアリングホイールの操舵量とタイヤ)を算出するための車両モデルを予め構築しておき、その車両モデルを用いて、車両の目標とする挙動に対応する目標指標を算出する。逆に、車両に実際に生じているヨーレート、或いはステアリングホイールの操舵量とタイヤの歪を検出し、その検出値から前後方向及び左右方向の目標加速度に対応する指標に変換して比較するようにしても良い。
また、制御対象機器推定部67は、駆動力制御部65から出力された目標エンジントルク、目標MGトルク、及び目標変速比を取り込み、エンジン11、CVT21、及びMG32が、それぞれの目標とする制御量に従って作動したときの挙動(目標挙動)を推定する。この挙動の推定には、例えば予め用意された各制御対象機器のモデルを用いることができる。例えばエンジン11の挙動を推定する場合には、目標エンジントルクを発生するようにエンジンが動作したときにおけるエンジン回転数が出力されるように、エンジンモデルを構築する。そして、実際のエンジン回転数を回転数センサ(エンジン挙動検出部)13によって検出し、推定したエンジン回転数と比較する。これにより、エンジン11が、狙い通りの作動を行なっているのか、それとも何らかの異常が発生して、狙いとは異なる作動を行なっているのか、適切に判定することができる。換言すれば、エンジンに何らかの異常が発生した場合には、エンジン回転数の変動が発生するので、エンジン回転数からエンジン11の挙動が、目標挙動どおりであるか否かを判定することができる。なお、エンジンの挙動を示す指標として、エンジンの筒内圧、吸入空気量などを用いても良い。
また、MG32については、エンジン11と同様に、目標MGトルクを発生するようにMG32が動作したときにおけるモータ回転数が出力されるように、MGモデルを構築する。このようにして、モータ回転数を用いて、MG32の目標とすべき挙動を推定することができる。さらに、MG32に関しては、モータ電流によっても目標とすべき挙動を推定可能である。このようにして目標とすべき挙動が推定されると、回転数センサや電流センサなどのMG挙動検出部34により検出したモータ回転数やモータ電流の実際の検出値と比較することにより、MG32が、狙い通りの作動を行なっているのか、それとも何らかの異常が発生して、狙いとは異なる作動を行なっているのか、適切に判定することができる。なお、モータ電流によって挙動を推定する場合、そのモータ電流を磁束電流とトルク電流とに分解し、各々に関して、検出値との比較を行なうようにしても良い。
さらに、CVT21については、CVTモデルから出力されるミッション回転数比により、CVT21の目標挙動を推定することができる。そして、実際のミッション回転数比をCVT挙動検出部23により検出して、推定されたミッション回転数比と比較する。これにより、CVT21の挙動が正常であるか、異常であるかを判定することができる。なお、CVT21に関しては、目標変速比を、CVT21の目標とすべき挙動を示す指標として、そのまま用いても良い。
なお、上述した例では、駆動力制御部65の制御対象機器として、エンジン11、CVT21、及びMG32を例示したが、さらに、クラッチや電池51なども制御対象機器として、その目標挙動(作動状態や充電状態など)を推定するようにしても良い。クラッチの作動状態や、電池51の充電状態などによって車両の挙動が、目標挙動からずれる場合があるためである。
クラッチを制御対象機器とする場合には、その挙動を示すパラメータとしてクラッチのすべり量を用いることができる。また、電池51に関しては、その挙動を示すパラメータとして、SOC(State of Charge)やSOH(State of Health)を用いることができる。電池になんらかの異常が生じた場合、SOCやSOHの変化として現れるためである。
また、上述した例では、複数の制御対象機器の挙動を推定するものについて説明したが、上述した複数の制御対象機器の中で、少なくとも1つの制御対象機器の挙動を推定するものであっても良い。
そして、制御対象機器推定部67は、車両挙動推定部66により車両の目標とする挙動と車両の実際の挙動との間にずれが生じていると判定され、かつ制御対象機器の推定した挙動と、実際の挙動との間にずれが生じていると判定した場合に、フェールセーフ、リンプホーム、制御対象機器に対する制御量の補正などの処置を行なう。これにより、制御対象機器になんらかの異常が生じたり、過渡的な挙動が生じたりした場合であっても、車両の実際の挙動を目標とする挙動に近づけることができる。
このように、本実施形態では、各制御対象機器の挙動を推定する制御対象機器推定部67を、各制御対象機器を制御するための各々のECU10,20,30、…ではなく、それら各々のECUに対して、各制御対象機器の制御量を算出して出力するHVECU60に設けている。そして、このHVECU60には、各制御対象機器の実際の挙動を示すセンサ信号が入力されている。従って、HVECU60において、各制御対象機器の推定挙動と実際の挙動とにずれが生じているか否か、すなわち、各制御対象機器の挙動を把握することが可能になっている。従って、HVECU60は、把握した各制御対象機器の挙動などに基づき、必要に応じて、複数の機器に対する制御量を変更等することにより、車両が安定して目標挙動を維持できるように車両挙動を制御することができる。
エンジン制御部12は、エンジン回転数などの情報に基づき、エンジン11が目標エンジントルクを発生するように、スロットルバルブ開度や燃料供給量などを調節してエンジン11の運転状態を制御する。MG制御部33は、MG32の回転数や回転位置などの情報に基づき、MG32が目標MGトルクを発生するように、MG32の動作状態を制御するための駆動信号をIGBTドライブ回路(インバータ回路)31に出力する。CVT制御部22は、エンジン11及びMG32によって発生された駆動トルクが駆動輪に適切に伝達されるように、CVT21の変速比を目標変速比に制御する。
また、制動力制御部72は、目標制動トルクを実現するべく、ブレーキ制御部73に目標ブレーキ制動トルク、MG制御部33に目標回生制動トルク、及びCVT制御部22に目標変速比をそれぞれ与える。
ブレーキ制御部73は、4輪の各車輪速や4輪の各ブレーキの液圧などの情報に基づき、ブレーキ装置71が目標ブレーキ制動トルクを発生するように、ブレーキ液圧や電動モータの駆動を制御する。なお、目標ブレーキ制動トルクは、目標制動トルクに対して目標回生制動トルクだけでは不足する場合に、その不足分を補うように算出される。この場合、MG制御部33は、MG32が発電機(ジェネレータ)として動作するように制御し、MG32によって発電された電気は、電池51に充電される。
また、左右挙動調整部82は、与えられた左右方向の目標加速度を実現すべく、EPS制御部83に対して、目標アシストトルクを出力する。EPS制御部83は、電動モータの駆動電流などの情報に基づき、EPS81が発生するアシストトルクが目標アシストトルクとなるようにEPS81を制御する。この際、EPS81の動作を、例えば電動モータの電流や、電動モータの回転角度を検出するEPS挙動検出部84によって検出し、HVECU60の制御対象推定部67に出力しても良い。
さらに、上下挙動調整部92は、与えられた上下方向の目標加速度を実現すべく、ダンパー制御部93に対して、各ダンパー91の目標減衰力を出力する。ダンパー制御部93は、その目標減衰力に従って、各ダンパー91の減衰力を制御する。各ダンパー91の動作を、例えばストロークの長さを検出するダンパ挙動検出部94によって検出し、HVECU60の制御対象推定部67に出力しても良い。
なお、上述した各ECUにおける機能配置は単なる一例であって、各ECUへの機能の割り振りは変更可能なものである。また、例えば、エンジン11とCVT21を共通のECUによって制御するなど、複数のECUを、適宜、統合することも可能である。
上述したように、エンジン11とMG32とを走行駆動源として備えるハイブリッド車両においては、例えば、ハイブリッドECU60が、運転者の加速要求(アクセルペダル踏込量)に従って、エンジン11及びMG32の目標トルクを算出し、エンジン11及びMG32を制御する各ECU10,30へ出力する。すると、各ECU10,30が、算出された目標トルクに従って、エンジン11及びMG32を制御する。さらに、最終的に車両に伝達される駆動トルクは、CVT21、クラッチ、電池51などによる影響を受ける。
そのため、本実施形態による車両制御装置では、車両の実際の挙動が目標とする挙動からずれている場合、上述した各制御対象機器(サブシステム)の作動状態を考慮して、適切な処置(フェールセーフ、リンプホーム、指令値の補正など)を取ることができるように、各制御対象機器の挙動を推定する制御対象機器推定部67を設けた。以下に、本実施形態の車両制御装置において、各制御対象機器の挙動の推定結果を用いた車両制御処理を図3〜図6のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図3〜図6のフローチャートに示す処理は、主として、HVECU60によって実行されるものである。また、以下では、車両挙動として、前後方向の車両挙動を目標挙動に制御する例について説明する。
図3のフローチャートにおいては、まず、ステップS100で、アクセルセンサによって検出されたアクセル操作量など、各センサによる検出値を取り込む。続くステップS110では、取り込んだ各センサの検出値に基づいて、車両の前後方向及び左右方向の目標加速度(減速度)を算出する。さらに、算出した前後方向の目標加速度を実現すべく、目標駆動トルク(車軸トルク目標値)及び目標制動トルクを算出する。このように算出された目標駆動トルクは、HVECU60の駆動力制御部65に与えられ、目標制動トルクはブレーキECU70の制動力制御部72へ与えられる。
続く、ステップS120の処理は、駆動力制御部65に相当するもので、ステップS110にて算出された車軸トルク目標値を最も効率良く実現するために、MG32が発生可能な最大MGトルクを考慮しつつ、各制御対象機器の動作指令値(制御量)として、目標エンジントルク、目標MGトルク、及び目標変速比を算出する。ステップS120で算出された目標エンジントルク、目標MGトルク、及び目標変速比は、ステップS130において、エンジン制御部12、MG制御部33、及びCVT制御部22にそれぞれ出力される。
次に、図4のフローチャートに示す処理について説明する。図4のフローチャートに示す処理は、主に、HVECU60の車両挙動推定部66において実行されるものである。
まず、ステップS200において、車両の目標とすべき挙動を示す指標として、図3のフローチャートのステップS110にて算出された前後方向の目標加速度を読み出す。そして、ステップS210において、加速度センサにより、車両の実際の挙動を示す指標として、実際に車両の前後方向に発生した加速度を検出する。
ステップS220では、目標加速度と実際の加速度とを比較し、両者のずれが所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS220において、ずれが所定の閾値以上であると判定された場合、ステップS230に進み、車両挙動異常履歴をセットする。一方、ずれが所定の閾値未満であると判定された場合には、車両挙動異常履歴をクリアする。
次に、図5のフローチャートに示す処理について説明する。図5のフローチャートに示す処理は、主に、HVECU60の制御対象機器推定部67において実行されるものである。
まず、ステップS300において、エンジンモデル等の制御対象機器モデルと、図3のフローチャートのステップS120にて算出された制御量とに基づいて、当該制御対象機器の挙動を推定する。具体的には、各制御対象機器のモデルに制御量を入力することにより、各制御対象機器が、それぞれの目標とする制御量に従って作動したときの挙動(目標挙動)を推定する。この挙動推定のために用いられる指標は、上述したように、各制御対象機器ごとに予め定められている。
続くステップS310では、各制御対象機器の実際の挙動を示す指標(エンジン回転数、モータ回転数、ミッション回転数比など)を所定のセンサによって検出する。そして、ステップS320において、各制御対象機器の目標挙動を示す指標と、実際の挙動を示す指標とを比較して、両者のずれが所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS320において、ずれが所定の閾値以上であると判定された場合、ステップS330に進み、制御対象機器異常履歴をセットする。一方、ずれが所定の閾値未満であると判定された場合には、制御対象機器異常履歴をクリアする。
次に、図6のフローチャートに示す処理について説明する。図6のフローチャートに示す処理は、主に、HVECU60の制御対象機器推定部67において実行されるものである。
まず、ステップS400において、車両挙動異常履歴がセットされているか否かにより、車両の挙動が異常であるか否かを判定する。この判定処理において、車両挙動は異常と判定された場合には、ステップS410の処理に進み、車両挙動は正常と判定された場合には、図6のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS410では、制御対象機器異常履歴がセットされているか否かにより、各制御対象機器の挙動が異常であるか否かを判定する。この判定処理において、制御対象機器は異常と判定された場合には、ステップS420の処理に進み、制御対象機器は正常と判定された場合には、ステップS440の処理に進む。なお、ステップS410の判定処理においては、例えば所定時間、制御対象機器が異常である状態が継続したとき、制御対象機器は異常である旨の判定を行い、それまでは制御対象機器は正常であると判定するようにしても良い。これにより、なんらかの原因で一時的に動作が不調となったような場合まで、制御対象機器異常と判定することを抑制することができる。
ステップS420では、異常と判定された制御対象機器の作動を停止させる。例えば、MG32に異常が生じている場合には、MG32の動作を停止させる。この場合、車両は、エンジン11のみを駆動源として走行することになる。ただし、動作を停止させることが不可能な制御対象機器については(例えば、クラッチやCVTなど)、そのまま動作を継続させる。しかし、何らかの異常が生じていることは事実であるため、その作動に一定の制限(例えばCVT21の変速比を固定するなど)を設けるようにしても良い。
続くステップS430では、制御対象機器に異常が生じているため、リンプホーム(縮退運転)処理を実行する。このリンプホーム処理では、異常が生じている制御対象機器(例えば、MG32)が担うべき作動(例えば、MGトルクの発生)を、他の制御対象機器(例えば、エンジン11)に肩代わりさせる指示を駆動力制御部65に出力する。例えば、MG32の挙動に異常が生じた場合には、MG32が発生すべきであったMGトルク分だけ増加したトルクを、エンジン11によって発生させるよう、駆動力制御部65に指示する。逆に、エンジン11に異常が生じた場合には、エンジン11が発生すべきであったエンジントルク分だけ増加したトルクをMG32によって発生させるように指示する。このようなリンプホーム処理を行なうことにより、1つの制御対象機器に異常が生じても、車両の挙動を狙い通りに制御することが可能になる。
さらに、例えば、クラッチに異常が生じて、クラッチのすべり量が目標とするすべり量よりも多くなった場合、エンジン等の回転の伝達にロスが生じた状態となる。このような場合、リンプホーム処理において、その伝達ロスの分だけ、エンジン等のトルクを高めることにより、車両の挙動を狙いとする挙動に近づけることができる。同様に、CVT21に異常が生じた場合にも、エンジン11やMG32の作動状態を変化させることにより、車両の挙動を狙いとする挙動に近づけることが可能である。
一方、ステップS440の処理が実行されるとき、車両の挙動が異常であるにも係らず、制御対象機器に異常が生じていない状態である。この場合、制御対象機器において、異常とは判断されない程度の挙動のずれが生じていると考えられるので、その挙動のずれを解消するように制御量を補正し、制御対象機器の作動状態を調整する。これにより、車両の挙動を目標挙動に近づけることが可能になる。なお、制御対象機器の異常を判定するための第1の閾値とは別に、異常ではないが、制御量の補正が必要となるずれの発生を判定するための第2の閾値を設定し、その第2の閾値以上のずれが生じていることを条件として、制御量の補正を行なうようにしても良い。
例えば、ハイブリッド車両において、エンジン等の機器の過渡的な応答遅れが生じているような場合、車両挙動が目標挙動を維持するように、他の機器が応答遅れを補うように目標挙動を修正してもよい。具体的には、エンジン11の回転数が予定している回転数に僅かに達していない場合、エンジン回転数の上昇を促進することができるように、発電機等のエンジン補機の出力を調整して、エンジン負荷を低下させるようにしても良い。また、エンジンの回転数を上昇させるように、エンジン自体の制御量を補正しても良い。これにより、エンジンの挙動が目標挙動に復帰しやすくなり、その結果、車両の挙動を目標とする挙動に維持することができる。
なお、上述した車両の挙動制御は、車両の前後方向の挙動に関してのみでなく、左右方向の挙動制御や、上下方向の挙動制御にも適用することが可能である。例えば、車両の左右方向の挙動制御に適用する場合、EPS81の動作に異常が生じて、実際の車両の左右方向の挙動が目標挙動からずれたと判定された場合には、左右挙動調整部82からブレーキ制御部73に対して、そのずれを小さくするように、各車輪毎の目標制動トルクを与える。つまり、車両の左右輪間で、制動トルクに差を設けることにより、車両を左右方向に旋回させることが可能であり、これを利用して、車両の左右方向の挙動を、目標挙動に近づけることができる。また、車両の上下方向の挙動制御に適用する場合には、ダンパー91の動作に異常が生じて、実際の車両の左右方向の挙動が目標挙動からずれたと判定された場合に、例えば4輪駆動車であれば、4輪各輪の駆動力に差を設けたり、前後の車軸に異なる駆動源が接続されている場合には、前後車軸の駆動力に差を設けたり、あるいは、各車輪の制動力に差を設けることにより、車両の上下方向の挙動を目標挙動に近づけることができる。
以上、説明したように、本実施形態による車両制御装置では、車両の挙動のみではなく、車両の挙動を制御するための制御対象機器の挙動も推定している。このため、車両の挙動に異常が生じた場合に、いずれの制御対象機器が原因であるかを容易に特定することができる。その結果、その異常である制御対象機器の動作を停止させたり、その制御対象機器の動作を、他の制御対象機器に肩代わりさせたり、あるいは、異常が軽度である場合には、制御対象機器の制御量を補正したりするなど、適切な処置を取ることができる。
上述した実施形態は、本発明の好ましい実施形態であるが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本願発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、車両挙動推定部66及び制御対象機器推定部67をともにHVECU60に設けていたが、制御対象機器推定部67は、例えば、各制御対象機器を制御する個別のECUに設けても良い。ただし、HVECU60の駆動力制御部65によって各制御対象機器の動作の協調が図られているので、車両挙動推定部66及び制御対象機器推定部67をともにHVECU60に設けている場合、その協調動作の変更を指示することが容易であるとのメリットがある。
また、上述した実施形態では、各制御対象機器の挙動を推定する周期について言及しなかったが、その推定周期は、各制御対象機器に対して一律であっても良いし、挙動を推定する制御対象機器の作動応答性に応じて、個々に推定周期を設定しても良い。例えば、制御対象機器の作動応答性として、MG32の作動応答性は、エンジン11の作動応答性よりも高い。従って、複数の制御対象機器として、MG32及びエンジン11の挙動の推定を行う場合、MG32の挙動を推定する推定周期は相対的に短い周期に設定する一方、エンジン11の挙動を推定する推定周期は相対的に長い周期に設定する。このようにすることで、各制御対象機器の挙動の推定を適切な周期で行なうことができ、挙動推定のため、演算負荷が増大したり、メモリの使用量の増加を招いたりすることを抑制することができる。
また、挙動を推定する制御対象機器の制御応答性に応じて、当該制御対象機器の挙動を推定する際の精度を設定し、その設定した推定精度により機器の挙動を推定するようにしても良い。この推定精度とは、具体的には、制御対象機器の挙動を示す指標を、どの程度のビット数のデジタル値として表すかを示すものである。一般的に、制御応答性が高いほど、挙動を推定する際の精度として、高い推定精度が求められる。従って、制御応答性に応じて推定精度を設定、すなわち指標を表すデジタル値のデータ数を設定することにより、上述した推定周期を個別に設定する場合と同様に、挙動推定のため、演算負荷が増大したり、メモリの使用量の増加を招いたりすることを抑制できる。
10 エンジンECU
11 エンジン
20 無段変速機ECU
21 無段変速機
30 モータジェネレータECU
32 モータジェネレータ
40 エネルギー管理ECU
50 電池ECU
51 電池
60 ハイブリッドECU
70 ブレーキECU
71 ブレーキ装置
80 電動パワーステアリングECU
81 電動パワーステアリング装置

Claims (7)

  1. 車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド車両に適用される車両制御装置であって、
    車両の挙動に関する目標値を算出する目標値算出手段と、
    前記目標値算出手段によって算出された目標値に従って、前記エンジンの目標エンジントルク及び前記電動モータの目標モータトルクを定める制御部と、前記目標エンジントルクを発生するように前記エンジンを作動させるエンジン制御部と、前記目標モータトルクを発生するように前記電動モータを作動させる電動モータ制御部と、を含み、前記車両の挙動を制御する制御手段と、
    前記車両の実際の挙動に関連する物理量を検出する第1物理量検出手段と、
    前記目標値算出手段によって算出された車両の挙動に関する目標値と、前記第1物理量検出手段によって検出された前記車両の実際の挙動に関連する物理量とに基づいて、前記車両の目標とする挙動と前記車両の実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定する第1判定手段と、
    前記制御手段により、前記目標エンジントルク及び前記目標モータトルクを発生するように前記エンジン及び前記電動モータが作動されたときに、前記エンジン及び前記電動モータの少なくとも1つについて、生ずべき挙動を推定する挙動推定手段と、
    前記挙動推定手段によって挙動が推定される前記エンジン及び前記電動モータの少なくとも1つに関して、実際の挙動に関連する物理量を検出する第2物理量検出手段と、
    前記挙動推定手段によって推定された挙動と、前記第2物理量検出手段によって検出された実際の挙動に関連する物理量とに基づいて、推定された挙動と、実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定する第2判定手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第1判定手段により、前記車両の目標とする挙動と前記車両の実際の挙動との間にずれが生じていると判定され、かつ前記第2判定手段により、推定された挙動と実際の挙動との間にずれが生じていると判定された場合に、前記エンジン及び前記電動モータの少なくとも1つの挙動のずれの大きさに応じて、前記エンジン及び電動モータの少なくとも1つの作動内容を変更して、車両の実際の挙動を目標挙動に近づけることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記目標値算出手段によって算出された目標値に基づき、前記エンジン及び前記電動モータに対する動作指令値をそれぞれ出力する前記制御部としての第1の制御ユニットと、前記第1の制御ユニットとは別個に設けられ、前記第1の制御ユニットから出力された動作指令値に従って、前記エンジンの作動状態を制御する前記エンジン制御部としての第2の制御ユニット、及び、前記電動モータの作動状態を制御する前記電動モータ制御部としての第3の制御ユニットとからなり、
    前記挙動推定手段及び第2判定手段は、前記第1の制御ユニットに設けられ、かつ前記第2物理量検出手段によって検出される物理量は、当該第1の制御ユニットに入力されることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記第2判定手段において、推定された挙動と実際の挙動との間に生じたずれの大きさが所定の閾値以上であり、異常状態に該当すると判定された場合に、挙動にずれが生じた前記エンジン及び前記電動モータの一方の作動を、他方に肩代わりさせるように、前記エンジン及び前記電動モータの作動内容を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記第2判定手段により、推定された挙動と実際の挙動との間にずれが生じた場合であっても、そのずれの大きさが前記所定の閾値未満であるときには、その挙動のずれが小さくなるように作動状態の調整を行うことを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記制御手段は、挙動にずれが生じた前記エンジン及び前記電動モータの一方の作動を、他方に肩代わりさせるとき、その挙動にずれが生じた前記エンジン及び前記電動モータの一方の作動を停止させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両制御装置。
  6. 前記挙動推定手段は、挙動を推定する前記エンジン及び前記電動モータの少なくとも1つの作動応答性に応じて、挙動を推定する推定周期を設定し、その推定周期毎に挙動を推定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両制御装置。
  7. 前記挙動推定手段は、挙動を推定する前記エンジン及び前記電動モータの少なくとも1つの制御応答性に応じて、挙動を推定する際の精度を設定し、その設定した推定精度により挙動を推定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両制御装置。
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