JP5163500B2 - ハイブリッド車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の挙動を決定する駆動力配分を適切に制御するための駆動力配分制御装置に関するものである。
ハイブリッド車両としては、従来から種々のものが提案されているが、代表的には、
前輪または後輪のうち一方の左右両輪を内燃機関(通常はエンジン)により駆動し、前輪または後輪のうち他方の左輪および右輪を個別にモータ駆動するようにしたハイブリッド車両、または、
内燃機関(エンジン)により発電された電力で前輪および後輪の左右両輪を夫々個別にモータ駆動するようにしたハイブリッド車両が知られている。
かかるハイブリッド車両においては、走行中に内燃機関(エンジン)を始動させる必要があるが、このエンジン始動時における駆動力変化で不快なショックが発生するという問題を生ずる。
ショック対策としては従来、例えば特許文献1に記載のように、ダブルクラッチ機構により、エンジン始動時のショックや、自動変速機の変速時におけるショックを低減する技術が提案されている。
特開2005−054983号公報
しかし従来のショック対策では、エンジンやクラッチのトルクを正確に制御できないため、エンジン始動時のショックや、変速時のショックを満足できる程度まで十分に低減することができないのが実情であった。
本発明は、ハイブリッド車両のエンジン始動時におけるショックを、満足できる程度まで十分に低減することができるようにした、ハイブリッド車両の駆動力配分制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両の駆動力配分制御装置は、請求項1に記載のごとく、
前輪または後輪のうち一方の左右両輪を内燃機関により駆動し、
前輪または後輪のうち他方の左輪および右輪を個別にモータ駆動するハイブリッド車両、若しくは、
内燃機関により発電された電力で前輪および後輪の左右両輪を夫々個別にモータ駆動するハイブリッド車両の駆動力配分制御装置において、
駆動力配分により実現可能な車両挙動範囲を演算する挙動範囲推定手段と、
該手段により演算した車両挙動範囲と、実車両挙動との間における車両挙動偏差が設定値未満であるときに前記内燃機関の始動を指令する機関始動指令手段とを具備してなることを特徴とするものである。
かかる本発明の駆動力配分制御装置によれば、
ハイブリッド車両の駆動力配分により実現可能な車両挙動範囲を演算し、
この車両挙動範囲と、実車両挙動との間における車両挙動偏差が設定値未満であるときに内燃機関の始動を指令するようにしたため、
内燃機関の始動に伴う駆動力変化を低減することができ、内燃機関の始動時におけるショックを確実に、且つ、十分な程度まで軽減することができる。
本発明の一実施例になる駆動力配分制御装置を具えたハイブリッド車両の車輪駆動系を、その制御システムと共に示す概略ブロック線図である。 図1に示す車輪駆動系におけるビスカス式ディファレンシャルギヤ装置の特性を示す線図である。 図1に示す車輪駆動系制御システムの駆動力配分制御部を示す機能別ブロック線図である。 図3における状態量推定部が実行する制御プログラムを示すフローチャートである。 図3における動的駆動力配分演算部が実行する制御プログラムを示すフローチャートである。 ハイブリッド車両の目標駆動力マップを示す特性線図である。 ハイブリッド車両の目標制動力マップを示す特性線図である。 ハイブリッド車両の静的駆動力配分マップを示す特性線図である。 ハイブリッド車両のモータ温度と、モータ過熱を抑えることができる最大出力との関係を示す特性線図である。 ハイブリッド車両のバッテリ蓄電量に応じた放電可能な最大電力の絶対値のマップを示す特性線図である。 図3におけるエンジン始動指令部の機能別ブロック線図である。 図11における車両挙動範囲演算部が実行する制御プログラムを示すフローチャートである。 ハイブリッド車両におけるモータの電気的および機械的ロスを示す特性線図である。 駆動力に対するタイヤ横力の変化特性を示すタイヤの特性線図で、 (a)は、路面摩擦係数または輪荷重が小さいときにおけるタイヤの特性線図、 (b)は、路面摩擦係数または輪荷重が大きいときにおけるタイヤの特性線図である。 図11におけるエンジン始動判定部が実行する制御プログラムのフローチャートである。 図3における駆動力配分決定部の苦悩別ブロック線図である。 本発明の他の実施例を示す、図16と同様な駆動力配分決定部のブロック線図である。 車両挙動の感度特性を示し、 (a)は、右後輪の駆動力変化に対する車両前後方向力の感度特性を示す特性線図、 (b)は、右後輪の駆動力変化に対する車両横力の感度特性を示す特性線図、 (c)は、右後輪の駆動力変化に対する車両ヨーモーメントの感度特性を示す特性線図である。 図16における駆動力選択部の制御プログラムを示すフローチャートである。 図1〜19に示す駆動力配分制御の動作タイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図示の実施例に基づき詳細に説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施例になる駆動力配分制御装置を具えたハイブリッド車両の車輪駆動系、および、その制御システムを示す概略ブロック線図である。
図1の車両は、左右前輪1,2、および左右後輪3,4を具え、ステアリングホイール5によりステアリングギヤ15を介し左右前輪1,2を転舵して、車両の操向が可能である。
また左右前輪1,2は、動力源として共通なエンジン40(内燃機関)およびモータ42を具え、モータ42をバッテリ9からの電力により駆動する。
そして、エンジン40とモータ42との間にクラッチ41を介在させて両者間を適宜直結可能にし、
前輪1,2を、クラッチ41の解放でモータ42からの動力のみにより電気駆動したり、クラッチ41の締結でエンジン40からの動力およびモータ42からの動力によりハイブリッド駆動させ得るようにする。
かかる前輪駆動を可能にするため、前輪1,2とモータ42との間を、変速機43およびビスカス式ディファレンシャルギヤ装置44により結合する。
なおビスカス式ディファレンシャルギヤ装置44は、図2に例示するような動作特性を持つものとする。
左右後輪3,4は、個々のモータ13,14に直結し、これらモータ13,14をバッテリ9から供給される電力により駆動させる。
従って図1の車両は、前輪1,2の左右制駆動力を独立に制御することができず、後輪3,4の左右制駆動力のみを独立に制御可能な車両である。
かかる車両においては通常、各輪のヨーモーメントの総和が0となるように後輪3,4の左右駆動力配分を決定する。
モータ13,14,42はそれぞれ、三相同期電動機や三相誘導電動機等の力行運転および回生運転ができる交流電動機であり、バッテリ9はニッケル水素電池或いはリチウムイオン電池である。
モータ13,14,42用のインバータ18,19,45は、モータ13,14,42で発電された交流電流を直流電流に変換し、バッテリ9に充電させたり、或いはバッテリ9からの直流電流を交流電流に変換してモータ13,14,42の駆動に供する。
各車輪の回転速度ω1〜ω4は車輪速センサ21〜24によって検出し、検出した各車輪の回転速度ω1〜ω4を、変速機43の変速比と共にコントローラ8に送信する。
各車輪1〜4の有効回転半径Rは全て等しく、後輪3,4とモータ13,14との間は直結させる(減速比=1)。
車両の前後方向加速度および横方向加速度はそれぞれ、車両重心位置に取り付けられた加速度センサ100によって検出し、
車両の鉛直軸線周りのヨーレートはヨーレートセンサ101によって検出し、
これら検出された車両の前後方向加速度および横方向加速度と、ヨーレートをコントローラ8に送信する。
前輪1,2は、運転者によるステアリング5の操舵角がステアリングギヤ15を介し機械的に伝達されて主転舵される。
なお、前輪1,2の転舵角変化量はステアリングホイール5の操舵角変化量に対して、例えば1/16になるように設定する。
また各車輪1〜4の転舵角は、ステアリングホイール操舵角変化量とは独立して、ステア・バイワイヤ・システムにより電子制御可能となす。
各車輪1〜4の転舵角δ1〜δ4は、転舵角センサ31〜34によってこれらを検出し、検出された各車輪の転舵角δ1〜δ4をコントローラ8に送信する。
運転者によるステアリングホイール操舵角θは操舵角センサ25によって検出し、アクセルペダル6の踏込量(アクセル開度AP)はアクセル開度センサ26により検出し、ブレーキペダル7の踏込量BPはブレーキストロークセンサ27によって検出し、
これら検出値をコントローラ8に送信する。
コントローラ8はCPU、ROM、RAM、インターフェース回路およびインバータ回路等からなり、
車輪速センサ21〜24、操舵角センサ25、アクセル開度センサ26、ブレーキストロークセンサ27、加速度センサ100、ヨーレートセンサ101等で検出した信号を基に、モータ11〜14をそれぞれ、本発明が狙いとする目標駆動力配分が実現されるようトルク制御する。
[駆動力配分制御]
上記したハイブリッド車両の駆動力配分制御を以下に説明する。
図3は、図1に示すハイブリッド車両におけるコントローラ8の駆動力配分制御部を機能別ブロック線図により示すもので、
当該コントローラ8の駆動力配分制御部は、状態量推定部B31と、動的駆動力配分演算部B32と、駆動力制限演算部B33と、駆動力配分集合演算部B34と、エンジン始動指令部B35と、駆動力配分決定部B36とにより構成する。
状態量推定部B31は、車両に搭載された前記各種センサの検出値から、車速V、横すべり角、路面反力、輪荷重を推定する。
動的駆動力配分演算部B32は、この状態量推定値および各種センサ検出値から動的駆動力配分を演算する。
駆動力制限演算部B33は、モータ温度と、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)と、上記の状態量推定値とから各輪の駆動力制限値を演算する。
駆動力配分集合演算部B34は、上記の動的な駆動力配分および駆動力制限値から現在の車両挙動を乱さない駆動力配分の集合を演算する。
エンジン始動指令部B35は、現在の駆動力指令値と上記した駆動力制限値とから、エンジン始動の要否を判定し、必要に応じてエンジン始動指令を発する。
駆動力配分決定部B36は、かかるエンジン始動判定と、上記した駆動力配分集合および動的駆動力配分とから駆動力配分を決定する。
図3の状態量推定部B31は、図4の制御プログラムを実行して車速V、横すべり角、路面反力、輪荷重を推定する。
ステップS41では、車輪速センサ21〜24で検出した各輪1〜4の回転速度ω1,ω2,ω3,ω4(単位:rad/s)に、各輪の有効半径Rを乗じて各輪の車輪速度V1,V2,V3,V4(単位:m/s)を求め、これらを基に次式の演算により車速V(単位:m/s)を算出する。
V=(V1+V2+V3+V4)÷4 ・・・式(1)
ステップS42では、ストロークセンサ26, 27の検出値から、アクセルペダル6の踏み込みストローク量AP(単位:%)およびブレーキペダル7の踏み込みストローク量BP(単位:%)をそれぞれ求め、
センサ25の検出値から、ステアリングホイール5の操舵角θ(単位:rad)を求め、
加速度センサ100の検出値から、車両の前後方向加速度αx(単位:m/s2)および横方向加速度αy(単位:m/s2)を求め、
センサ101の検出値から、ヨーレートγ(単位:rad/s)を求め、
センサ41〜44の検出値から、車輪1〜4の転舵角δ1,δ2,δ3,δ4をそれぞれ求める。
ステップS42では更に、ビスカス式ディファレンシャルギヤ装置44で相互に連結されている左右前輪1,2の左輪駆動力配分比を、図2に例示したビスカス式ディファレンシャルギヤ装置44の特性マップから検索により求め、また変速機43の変速比λを読み込む。
なお車速V および車輪速V1〜V4は車両前進方向を正とし、ステアリングホイール5の操舵角θは反時計回りを正とし、車両前後加速度αxは車両が前方に加速する方向を正とし、車両の横加速度αyは車両の左旋回時に車両重心位置から旋回中心に向かう方向を正とし、ヨーレートγは車両を鉛直上方からみたときに反時計回りを正とする。
なお、転舵角センサ31,32を持たない車両にあっては、ステアリングホイール5の回転角θから各輪の舵角を演算により求めるようにする。
本実施例では前輪1,2の転舵角δ1,δ2をδ1=δ2=θ/16とし、後輪3,4の転舵角δ3,δ4をδ3=δ4=0とする。
このような場合には、コンプライアンスステアやロールステア等、サスペンションの影響を考慮して各輪の舵角を補正するのがよい。
ステップS43では、各輪1〜4の横すべり角β1,β2,β3,β4(単位:rad)を推定する。
この推定に当たっては、例えば特開平10-329689号公報に記載された周知の方法を用い、前記した横方向加速度αy,ヨーレートγ,車速V,各輪転舵角δi(i=1〜4)と、ステアリング操舵角θとから、車体横すべり角βおよび各輪横すべり角βi(i=1〜4)を推定する。
なお、各輪横すべり角βiの符号は、車輪の前後方向から車輪速度の方向までの角度が鉛直上方から見て反時計回りになっている場合を正とする。
ステップS44においては、各輪1〜4の輪荷重W1,W2,W3,W4(単位:N)をそれぞれ、次式の演算により求める。
Figure 0005163500
ただし、Lfは車両重心位置から前輪車軸までの距離(単位:m)、Lrはヨー回転方向の車両重心位置から後輪車軸までの距離(単位:m)、Ltは前後輪のトレッド長さ(単位:m)、Llはホイールベース長さ(単位:m)でLl=Lf+Lt、mは車両の質量(単位:kg)、gは重力加速度(単位:m/s2)である。
ステップS45においては、各輪1〜4の路面摩擦係数μ1,μ2,μ3,μ4(単位:なし)を推定する。
この推定に当たっては、例えば特開平6-98418号公報に記載された周知の方法を用い、各輪が路面から受ける反力を推定し、この路面反力と輪荷重Wi(i=1〜4)とから各輪1〜4の路面摩擦係数μi(i=1〜4)を推定する。
図3の動的駆動力配分演算部B32は、図5の制御プログラムを実行して以下のように動的駆動力配分を演算する。
ステップS51においては、車両の前後力の静的目標値Fx*を、アクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量APおよびBPと車両速度Vとに基づく次式の演算により求める。
Figure 0005163500
この式におけるFax*は、図6に例示する目標駆動力マップを基にアクセルペダル6の踏込量APおよび車速Vから検索により求めた目標駆動力であり、
またFbx*は、図7に例示する目標制動力マップを基にブレーキペダル7の踏込量BPから検索により求めた目標制動力である。
なお、Fx*,Fax*,Fbx*は何れも、車両を前方に加速させる向きを正とする。
ステップS52では、図8に例示する静的駆動力配分マップを基に操舵角θ、車速V、車両の前後力静的目標値Fx*から、前輪1,2、左後輪3、右後輪4の静的な駆動力配分目標値Fxf*,Fx3*,Fx4*を検索により求める。
図8の静的駆動力配分マップは、ステアリングホイール操舵角θおよび車速VのもとでFxf*,Fx3*,Fx4*により発生する前後力がFx*と等しくなっており、
左右後輪の駆動力Fx3*,Fx4*は、ドライバーにとって好適となるような車両の横力とヨーモーメントを発生するように設定する。
ステップS53においては、ステップS52で設定した駆動力配分の静的な目標値Fxf*,Fx3*,Fx4*に時間的な遅れを加えて、前輪1,2、左後輪3、右後輪の駆動力配分の動的目標値Fxf**,Fx3**,Fx4**を求める。
この時間的な遅れはドライバーにとって好適となるように設定され、本実施例では時定数0.2[s]の1次遅れを用いる。
図3の駆動力制限値演算部B33では、各輪1〜4の加速スリップを起こさない駆動力上限Fmaxi(単位:Nで、i=1〜4)、および各輪1〜4の制動ロックを起こさない駆動力下限Fmini(単位:N、i=1〜4)を、以下のように求める。
これら各輪駆動力上限Fmaxiおよび各輪駆動力下限Fminiを求めるに際しては、例えば特開平6-98418号公報に記載された方法を用い、各輪1〜4が路面から受ける反力rFi(i=1〜4)を推定し、rFiをFsmaxi、−rFiをFsminiとする。
次に、各輪1〜4において、モータが過熱して破損しないようにする各輪駆動力の上限Fdmaxi(単位:Nで、i=1〜4)および各輪駆動力の下限Fdmini(単位:Nで、i=1〜4)を求める。
これら各輪駆動力上限Fdmaxiおよび各輪駆動力下限Fdminiを求めるに際しては、例えば各輪のモータ温度Ti(i=1〜4)から、現在のモータ温度と、モータ過熱を抑えることができる最大出力Ptmax(単位:W)との関係を示す図9に例示したマップをもとに、各輪モータの最大出力Ptmaxi (単位:W で、i=1〜4) を求め、これらを基に次式の演算により各輪駆動力上限Fdmaxiおよび各輪駆動力下限Fdminiを各輪1〜4毎に求める。
Figure 0005163500
ここで、各輪のメカブレーキによる制動力と、モータの駆動力を協調制御できる車両であれば、Fdminiに、各輪のメカブレーキの最大制動力を加算する。
そしてFdmaxi,Fsmaxiとを比較して小さい方の値をFmaxiに設定し、同様にFdminiとFsminiとを比較して大きい方の値をFminiに設定する。
ただし、Fmaxiは駆動力の最大値なので必ず0以上となるよう制限し、Fminiは制動力の最大値なので必ず0以下となるよう制限する。
図3の駆動力制限値演算部B33では更に、バッテリ9の蓄電量Bsoc(単位:Wh)から図10に例示する使用可能最大電力マップを参照して、現在の使用可能最大電力P(単位:W)を求める。
図10の使用可能最大電力マップは、バッテリ9が過放電となって劣化しないよう、蓄電量に応じて放電可能な最大電力の絶対値を定めたものである。
図3のエンジン始動指令部B34は、図11のブロック線図により示すごときもので、車両挙動範囲演算部B1101およびエンジン始動判定部B1102により構成する。
前者の車両挙動範囲演算部B1101は、1周期前の駆動力配分指令値と駆動力制限値から現在の各輪駆動力の制約下で実現可能な前後方向力、横方向力、ヨーモーメントの複数の組合せの集合を求めるものである。
後者のエンジン始動判定部B1102は、現在の車両挙動および車両挙動範囲からエンジンの始動判定を行うものである。
図11における車両挙動範囲演算部B1101は、図12に示す制御プログラムを実行して、上記した実現可能な前後方向力、横方向力、ヨーモーメントの複数の組合せの集合を求める。
ステップS1201においては、各輪ごとに図3の駆動力制限値演算部B33で求めた上限値Fmaxiと下限値Fminiとの間を10等分する。
この10等分して得られた駆動力をFti(k)(k=1〜10)とする。なお、Fti(k)はkが小さい方がFminiに近く、例えばFti(1)=Fmin1であり、Fti(10)=Fmax1である。
次のステップS1202においては、Fti(k)を求めた後に次の処理を行い、Ft1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せを選別する。
まず、各モータの各輪駆動力配分指令値の和FX=Fx1***+Fx2***+Fx3***+Fx4***を求め、このFXに対し、閾値FXth(単位:N)を加算または減じた(FX+FXth)と(FX−FXth)を求める。
そして、Ft1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せ全てに対し、その各輪の駆動力和が(FX+FXth)と(FX−FXth)との範囲にあるFt1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せのみを抽出し、以降の処理に進む。
なお、この閾値FXthには本実施例では200[N]を設定する。
このようにFt1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せを予め選別することによって、以降の処理にかかる演算負荷を大きく低減できることがある。
なお、ドライバーのアクセル操作の変化に伴う要求駆動力の変化に対応するため、閾値FXthではなく、例えば係数FXp(0<p<1,単位:なし)を考え、
(1+p)FXと(1−p)FXとの範囲にあるFt1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せを抽出するような処理としても良い。
次のステップS1203においては、Ft1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せ全てに対し(10の4乗で10000通り)、各輪の駆動力配分をそれぞれの組合せとした時の消費電力を次式の演算により求める。
Figure 0005163500
上式中のPlossi(単位:W)は各輪のモータ駆動時におけるロスであり、各輪毎に、その車輪の駆動力配分Fxiと各輪の速度Viとから図13のマップを参照して求める。
図13のマップは各輪モータ駆動時の電気的および機械的なロスを駆動力と車輪速毎に予め求めておいたマップである。
なお、上記の消費電力を求める際には、電力を使用する他の車載機器(エアコン,カーオーディオ,ヘッドライト等)、エンジン駆動補機、モータ冷却装置等の消費電力を上乗せするのが良いのは言うまでもない。
次のステップS1204においては、図3の駆動力制限値演算部B33で求めた現在使用可能な最大電力P以下となるFt1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せのみを抽出し、Fsampi(l)とする。
なおFsampi(l)のlは、抽出した最大電力P以下となるFt1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の組合せの数と等しく、その数はFt1(k), Ft2(k), Ft3(k), Ft4(k)の全ての組合せである10000以下である。
次のステップS1205においては、全てのFsampi(l)について、駆動力配分を各Fsampi(l)とした時の前後方向力Fx(l)、横方向力Fy(l)、ヨーモーメントM(l)を次式の演算により求める。
Figure 0005163500

なお、Fsamp_yi(l)は、Fsampi(l)が各輪に加わった時に発生するタイヤ横力で、1演算周期前に求めた各輪の横すべり角βiと輪荷重Wiとに基づいて駆動力とタイヤ横力との関係を表すタイヤ特性マップから設定する。
各輪とも、このタイヤ特性マップは共通で、例えば図14に例示する通り設定される。
その後、車両前後方向力Fx、車両横方向力Fyをそれぞれ車両の質量で除算して、車両の前後方向加速度αx(単位:m/s2)と横方向加速度αy(単位:m/s2)を求める。
このとき空気抵抗等を考慮しながらαxおよびαyを求めるのが良い。
その後、ヨーモーメントMを車両のヨー慣性モーメントIで除算した値を積分してヨーレートγを求める。
なお、ヨーレートγの初期値は0とする。
ここで、αx,βx,γxの最大値をそれぞれ、αxMAX,βxMAX,γxMAX とし、αx,βx,γxの最小値をそれぞれ、αxMIN,βxMIN,γxMINとする。
図11のエンジン始動判定部B1102は、図15に示す制御プログラムを実行して、エンジン始動の要否を判定する。
ステップS1501においては、図1の加速度センサ100やヨーレートセンサ101で検出した現在の車両挙動と、図11の車両挙動範囲演算部B1101で演算したαxMAX,βxMAX,γxMAX 、αxMIN,βxMIN,γxMINとの比較を行い、次式の演算により車両挙動偏差、つまり車両挙動のマージンを計算する。
Figure 0005163500
次のステップS1502においては、車両挙動のマージンαMMMと、それぞれの閾値とを比較し、マージンが閾値より大きい場合はエンジン始動の必要なしと判断し、このことを示すようにステップS1503でエンジン始動フラグをOFFにする。
ステップS1503での処理後は制御をステップS1502に戻し、車両挙動マージンαMMMと、それぞれの閾値との比較を継続する。
そして、ステップS1502で車両挙動マージンαMMMが、それぞれの閾値よりも小さいと判定するようになったとき、エンジン始動の必要があることから、制御をステップS1504に進めて、エンジン始動フラグをONにする。
上記した本実施例の駆動力配分制御によれば、
ハイブリッド車両の駆動力配分により実現可能な車両挙動範囲を演算し(ステップS1501)、
この車両挙動範囲と、実車両挙動との間における車両挙動偏差が設定値未満であるとき(ステップS1502)、エンジン(内燃機関)の始動を指令するようにしたため(ステップS1504)、
エンジン(内燃機関)の始動に伴う駆動力変化を低減することができ、エンジン(内燃機関)の始動時におけるショックを確実に、且つ、十分な程度まで軽減することができる。
図3の駆動力配分集合演算部B35では、動的駆動力配分演算部B32で求められた駆動力配分の動的目標値Fxf**,Fx3**,Fx4**によって発生する車両の前後力Fxと、ヨーモーメントMを実現する駆動力配分の集合Fxyf(k),Fxy3(k),Fxy4(k)(但し、k=1,2,・・・)とを求める。
上記した駆動力配分の集合Fxyf(k),Fxy3(k),Fxy4(k)の求め方を以下に詳述する。
まず、現在の動作点において前後力とヨーモーメントを変化させない微小な各輪の駆動力変化量ΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'を求め、
駆動力配分の動的目標値Fxf**,Fx3**,Fx4**にそれぞれ、これらΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'を加算してFxyf(1),Fxy3(1),Fxy4(1)とし、
この処理を繰り返すことによってFxyf(k),Fxy3(k),Fxy4(k)を求める。
ただし、例えばFxyf(2),Fxy3(2),Fxy4(2)を求めるときは、現在の左輪駆動力配分比eと、各輪の輪荷重Wiと、各輪の横すべり角βiと、各輪の路面摩擦係数μiと、Fxyf(1),Fxy3(1),Fxy4(1)に基づいて新たにΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'を求め、
Fxyf(1),Fxy3(1),Fxy4(1)に、新しく求めたΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'を加算してFxyf(2),Fxy3(2),Fxy4(2)を得る。
また、ΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'は現在の動作点において、例えばΔFxf'を増加させるΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'の組み合わせと、ΔFxf'を減少させるΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'の組み合わせとがある場合は、
両方の組み合わせについて駆動力配分を求め、集合Fxyf(k),Fxy3(k),Fxy4(k)を求めるようにするのがよい。
現在の動作点におけるΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'の求め方は次の通りである。
前述の感度Kfy,K3y,K4y,Kfm,K3m,K4mから次式を満たすΔFxf', ΔFx3', ΔFx4'を、例えばΔFxf'に微小な値(本実施例では0.1N)を代入して求める。
Figure 0005163500
図3の駆動力配分決定部B36は、図16にブロック線図で示すごときものとし、
それぞれを以下に順次説明するようなモータ出力演算部B1601と、出力最小駆動力配分選択部B1602と、駆動力選択部B1603とで構成する。
モータ出力演算部B1601は、図3の駆動力配分集合演算部B35で求めた駆動力配分集合から、モータ出力集合を演算する。
出力最小駆動力配分選択部B1602は、モータ出力集合および駆動力配分集合から出力最小の駆動力配分を選択する。
駆動力選択部B1603は、図3の動的駆動力配分演算部B32で求めた動的駆動力配分、および、同図のエンジン始動司令部B34で求めたエンジン始動判定フラグから、駆動力配分指令値を選択する。
モータ出力演算部B1601では、図12のステップS1203およびステップS1204と同様の演算を行い、モータ出力集合を演算する。
出力最小駆動力配分選択部B1602では、モータ出力演算部B1601で演算したモータ出力集合のなかで、出力最小の駆動力配分を選択する。
駆動力選択部B1603では、エンジン始動判定によりエンジン始動判定がONになった場合に感度最小の駆動力配分を駆動力指令値とし、エンジン始動判定がOFFの場合は動的駆動力配分を駆動力指令値とする。
上記した本実施例によれば、
現在の車両挙動を維持する駆動力配分の集合を演算し、
エンジンの始動指令後において、この駆動力配分集合から駆動力配分を決定し、
この駆動力配分の決定に際し、駆動力配分集合によるモータ出力を演算し、この演算したモータ出力を最小にする駆動力配分を選択するようにしたため、
エンジン始動時の出力を最小にすることができる。
なお、図3における駆動力配分決定部B36は、図16につき上述したような構成にするに代えて、図17に示すようなものとすることができる。
本実施例においては、駆動力配分決定部B36を図17のブロック線図により示すごとく、車両挙動感度演算部B1701と、感度最小駆動輪選択部B1702と、感度最小駆動力配分選択部B1703と、モータ出力演算部B1704と、出力最小駆動力配分選択部B1705と、駆動力変化推定部B1706と、車両挙動変化推定部B1707と、駆動力選択部B1708とで構成する。
車両挙動感度演算部B1701は、図3の演算部B35で求めた駆動力配分集合、および、タイヤ横すべり角から、実現可能な車両挙動感度集合を演算する。
感度最小駆動輪選択部B1702は、感度を最小にする駆動輪を選択し、
感度最小駆動力配分選択部B1703は、車両挙動感度集合、および感度を最小にする駆動輪から感度最小の駆動力配分を選択する。
モータ出力演算部B1704は、駆動力配分集合からモータ出力集合を演算し、
出力最小駆動力配分選択部B1705は、駆動力配分集合とモータ出力集合とから出力最小の駆動力配分を選択する。
駆動力変化推定部B1706は駆動力変化を推定し、
車両挙動変化推定部B1707は、駆動力変化推定値から車両挙動変化を推定する。
駆動力選択部B1708は、感度最小の駆動力配分および出力最小駆動力配分、車両挙動変化推定値、動的駆動力配分、エンジン始動判定から駆動力配分指令値を選択する。
車両挙動感度演算部B1701では、各輪の駆動力変化に対する横力、ヨーモーメントそれぞれの感度集合Kfy(k), K3y(k), K4y(k)(単位:なし)、Kfm(k), K3m(k), K4m(k)(単位:rad・m)(例えば前輪の駆動力変化に対する車両前後方向力の感度はKfx、右後輪4の駆動力変化に対するヨーモーメントの感度はK4m)を、
駆動力配分集合から得られる各輪の駆動力と、横すべり角から車両挙動感度マップを参照して求める。
この車両挙動感度マップは、例えば図18のように設定される(図18には、右後輪4のマップのみを例として図示した)。
この車両挙動感度マップは、本車両が取り得る、各輪の駆動力と横すべり角全ての組み合せを抽出し、夫々の組み合せにおいて、何れか1輪の駆動力を1[N]変化させたときの車両の前後力、横力、ヨーモーメントの変化量を求め、マップ化したものである。
なお、この車両挙動感度マップは、本車両が取り得る各輪の輪荷重や、路面摩擦係数や、左輪駆動力配分比の組み合わせに対しても求めておくのがよい。
感度最小駆動輪選択部B1702では、感度を最小にする駆動輪を選択する。
エンジンの駆動力もしくはクラッチが機械的に出力軸に連結されている場合、エンジン出力の伝達する出力軸と連結される駆動輪の感度を最小にすると良い。
感度最小駆動力配分選択部B1703では、駆動力配分集合のうち、感度最小駆動輪選択部B1702で選択した駆動輪の感度が最小になる駆動力配分を選択する。
モータ出力演算部B1704では、車両挙動感度演算部B1701と同様に出力集合を演算する。
出力最小駆動力配分選択部B1705では、感度最小駆動輪選択部B1702と同様に出力最小の駆動力配分を選択し、
駆動力変化推定部B1706では、センサを用いて駆動力変化を推定し、
車両挙動変化推定部B1707では、推定した駆動力変化から車両挙動変化を推定する。
駆動力選択部B1708は、図19に示す制御プログラムを実行して駆動力配分指令値を決定する。
ステップS1901においては、エンジンの始動を監視し、エンジン始動指令が出ない場合はステップS1906で動的駆動力配分を選択し、エンジン始動指令が出た場合はステップS1902に進む。
ステップS1902では、センサを用いてエンジンスタータのON、OFFを検出し、エンジンスタータONの場合にステップS1903で出力最小の駆動力配分を選択し、エンジンスタータOFFの場合はステップS1904に進む。
ステップS1904においては、車両挙動変化と閾値とを比較し、挙動変化が閾値より小さい場合はステップS1903に戻って、出力最小の駆動力配分を選択し、
挙動変化が閾値より大きい場合はステップS1905において感度最小の駆動力配分を選択する。
上記した実施例によれば、図20のタイムチャートにより示すような動作が得られ、以下の作用効果を達成することができる。
先ず、現在の車両挙動を維持する駆動力配分の集合を演算し、
エンジン始動後における所定のタイミングで、上記の駆動力配分集合から駆動力配分を決定し、
この決定に際し、上記駆動力配分集合のもとで、各輪の駆動力変化に対する車両挙動の感度を演算し、
この推定された感度の中で、所定の駆動輪からの感度の小さな駆動力配分を選択するため、
エンジン始動後における駆動力変化の影響を低減することができる。
また上記所定の駆動輪を、駆動力変化が大きい駆動輪であることとしたため、エンジン始動後の駆動力変化の影響を更に低減することができる。
また、上記駆動力配分の決定に際し、目標駆動力と実駆動力とから駆動力制御誤差を演算し、
この駆動力制御誤差および前記車両挙動感度から車両挙動の変化を推定し、
前記エンジン始動後の所定タイミングを、車両挙動変化が所定値以上となるタイミングとし、
この所定タイミングに前記出力最小の駆動力配分から前記感度最小の駆動力配分へと切り替えることとしたため、
出力最小駆動力配分から感度最小駆動力配分への切り替えを最適なタイミングで行うことができ、感度最小駆動力配分による出力の増加を低減することができる。
1,2 左右前輪
3,4 左右後輪
5 ステアリングホイール
8 コントローラ
9 バッテリ
13,14,42 モータ
15 ステアリングギヤ
18,19,45 インバータ
21〜24 車輪速センサ
25 操舵角センサ
26 アクセル開度センサ
27 ブレーキストロークセンサ
31〜34 転舵角センサ
40 エンジン
41 クラッチ
43 変速機
44 ディファレンシャルギヤ装置
100 加速度センサ
101 ヨーレートセンサ
B31 状態量推定部
B32 動的駆動力配分演算部
B33 駆動力制限演算部
B34 駆動力配分集合演算部
B35 エンジン始動指令部
B36 駆動力配分決定部
B1101 車両挙動範囲演算部
B1102 エンジン始動判定部
B1601 モータ出力演算部
B1602 出力最小駆動力配分選択部
B1603 駆動力選択部
B1701 車両挙動感度演算部
B1702 感度最小駆動輪選択部
B1703 感度最小駆動力配分選択部
B1704 モータ出力演算部
B1705 出力最小駆動力配分選択部
B1706 駆動力変化推定部
B1707 車両挙動変化推定部
B1708 駆動力選択部

Claims (5)

  1. 前輪または後輪のうち一方の左右両輪を内燃機関により駆動し、
    前輪または後輪のうち他方の左輪および右輪を個別にモータ駆動するハイブリッド車両、若しくは、
    内燃機関により発電された電力で前輪および後輪の左右両輪を夫々個別にモータ駆動するハイブリッド車両の駆動力配分制御装置において、
    駆動力配分により実現可能な車両挙動範囲を演算する挙動範囲推定手段と、
    該手段により演算した車両挙動範囲と、実車両挙動との間における車両挙動偏差が設定値未満であるときに前記内燃機関の始動を指令する機関始動指令手段とを具備してなることを特徴とするハイブリッド車両の駆動力配分制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動力配分制御装置において、
    現在の車両挙動を維持する駆動力配分の集合を演算する駆動力配分集合演算手段と、
    前記内燃機関の始動指令後において、前記駆動力配分集合から駆動力配分を決定する駆動力配分決定手段とを具え、
    この駆動力配分決定手段は、前記駆動力配分集合によるモータ出力を演算するモータ出力演算手段と、
    該手段で演算したモータ出力を最小にする駆動力配分を選択する出力最小駆動力配分選択手段とを具備することを特徴とするハイブリッド車両の駆動力配分制御装置。
  3. 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動力配分制御装置において、
    現在の車両挙動を維持する駆動力配分の集合を演算する駆動力配分集合演算手段と、
    前記内燃機関の始動後における所定のタイミングで、前記駆動力配分集合から駆動力配分を決定する駆動力配分決定手段とを具え、
    この駆動力配分決定手段は、前記駆動力配分集合のもとで、各輪の駆動力変化に対する車両挙動の感度を演算する車両挙動感度演算手段と、
    この車両挙動感度演算手段により推定された感度の中で、所定の駆動輪からの感度の小さな駆動力配分を選択する感度最小駆動力配分選択手段とを具備することを特徴とするハイブリッド車両の駆動力配分制御装置。
  4. 請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動力配分制御装置において、
    前記所定の駆動輪は、駆動力変化が大きい駆動輪であることを特徴とするハイブリッド車両の駆動力配分制御装置。
  5. 請求項2または3に記載のハイブリッド車両の駆動力配分制御装置において、
    前記駆動力配分決定手段は、目標駆動力と実駆動力とから駆動力制御誤差を演算する駆動力制御誤差演算手段と、
    この駆動力制御誤差および前記車両挙動感度から車両挙動の変化を推定する手段とを具え、
    前記エンジン始動後の所定のタイミングは、車両挙動変化が所定値以上となるタイミングであり、
    この所定タイミングに前記出力最小の駆動力配分から前記感度最小の駆動力配分へと切り替えるものであることを特徴とするハイブリッド車両の駆動力配分制御装置。
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